深海魚捕獲
「シャチブリ」の幼魚が、島根県益田市沖で捕獲されたそうです。
シャチブリとは深海150〜500mのところに生息する深海魚。

島根県水産技術センターの調査船が6月9日に真アジの資源量の調査の為、沖合30〜40kmの海域から水深約40mに沈めてあった網を引き上げました。
すると、真アジに混ざってシャチブリの幼魚がかかっていたとのことです。
シャチブリの幼魚が捕まるのは国内では今までにも数例しかなく、大変珍しいらしいです。

シャチブリは成魚だと体長約1mになるそうですが、捕獲された幼魚は約23cm。
成魚は黒っぽい体をしていますが、幼魚はスケルトンなボディー。
やっぱり深海魚なので間もなく死んでしまったのですが、珍しいので調査船を出した島根県水産技術センターで保存するそうです。

シャチブリ…、本当に珍しいので画像がありません。
すみません。


もうひとつ。

6月23日、南さつま市の笠沙町漁協で、深海魚のリュウグウノツカイが捕獲されました。
定置網を引き挙げたら、トビウオやカマスの中に混じっていたそうです。
南さつま市の笠沙町漁協では、捕獲されたのは10年ぶりらしいです。

こちらも当初は生きていましたが、やっぱり4時間ぐらいして死んでしまいました。
「リュウグウノツカイ」という名前がつけられている魚だけに良い知らせではないかと、漁協では保存して27日の市場にて公開したそうです。

リュウグウノツカイは、こんな姿。

リュウグウノツカイ
[2009/07/04 12:00 ] | 不思議・奇妙な話 | コメント(0) | トラックバック(0)
4月から始まったドラマが終わって
4月からは水曜日は夜9時から「臨場」か「夫婦道」、どちらかを見て、どちらかを録画。
木曜夜9時は「夜光の階段」。
金曜夜9時は「必殺仕事人2009」。
「ツレがウツになりまして」も見てましたが、こちらは3回連続ドラマ。
4月の新番組のシーズンから始まった初回から最終回まで見た連続ドラマは、この4本です。

「ゴンゾウ 伝説の刑事」もどんどんおもしろくなって行ったけど、「臨場」はまた良かった、おもしろかった。
科学的な捜査だけではない、見えていない人間の心理から来る行動を読む。
そして解決に至る。
人というものを理解していなかったら、わからない。
古き良き刑事ドラマを思い出しました。
原作は読んでいなかったので、もうこの際だからドラマが終わったら読もうと思っていました。
出演者が全員、良かった!

「夫婦道」は、武田鉄也と高畑淳子夫婦に加えて、お隣の橋爪功、3人のコンビの掛け合いが楽しくおかしかった。
南海キャンディーズのしずちゃんも持ち味生かしてたし、「夫婦」「家族」をテーマに昭和のホームドラマのうまいところを押さえて作ってました。
肩の凝らないドラマでしたね。
高畑淳子さんは、朝の連続テレビ小説より数倍魅力的。
これは脚本のせいなのか、共演者との相性のせいなのか…。

「夜光の階段」は、佐山の野望と、その周りにいた女性たちの愛の物語。
佐山という美貌の男が母親に捨てられたことから来る人への憎悪、不信感から自分の美貌を利用して野望の階段をのし上がる。
人を愛したいと思っていた幸子も自分を癒すことができず、愛しながらも憎み、殺してしまう。
しかし自分への献身的な愛を捧げるフジ子に出会い、最後はトラウマを克服して人を愛して、その証明の為に破滅する。
桑山と桜田はそれを理解せず、一方的に正義を振りかざしているように見えてしまって、最後は「きみたち、2人の物語には部外者!なのに鬱陶しい!」って言いたくなるような存在になってました。

「必殺仕事人2009」は、ジャニーズ主演ということで多少の不安と批判の中、始まったドラマ。
正直、私も全面的に喜んではなかったのですが、ふと、最初から何もかも批判の目で見ていたら、見えるものも見えないだろうと。
「昔、そういう大人は嫌いじゃなかったのか」と思い、反省しました。
確かに初めの数回はいろいろ言いたいことは出てきたのですが、全体的には新しい必殺の誕生となり、そして今までの必殺を過去のものではなくもう一度見直してもらえるきっかけにもなったと思いました。

東山さん、松岡さん、大倉さん、田中さん。
やっぱりここまで出てくることはある人たちだなあ〜、と思いました。
今日の金曜日には「必殺」がない、この虚しさ。

見ていたドラマがぜ〜んぶ終わってしまって、今週は水曜が来ても木曜が来ても金曜が来ても、寂しいったらありゃしません。
でも、今週は新番組ラッシュ。

そういえば昔、夏休みになると、午前中の10時ごろから「ジャイアントロボ」や「デビルマン」が良く放送されてたなあ〜。
何度も見ているのに、何度も見てしまってました。
[2009/07/03 17:00 ] | ドラマ | コメント(0) | トラックバック(0)
マイアミに行くんだ 「真夜中のカーボーイ」
アメリカン・ミューシネマの代表作の一つですね。

1969年、ジョン・シュレシンジャー監督
ジョー:ジョン・ヴォイト
ラッツォ:ダスティン・ホフマン


ベトナム戦争から帰還したジョーは、故郷のテキサスを離れてニューヨークにやって来た。
彼は大都会でカウボーイとしての野性的な魅力でジゴロとなり、ニューヨークの女性を癒しつつ、成功することを夢見ていた。
都会に出てワクワクしていたのも、つかの間。
ジョーは来て早々に引っ掛けたと思った女性・キャスにお金を貰うどころか、上手くお金を巻き上げられてしまう。

次にジョーは足を引きずっているが白いスーツを着て、羽振りの良さそうなラッツォと知り合い、マネージャーを紹介してもらえると思ってお金を渡し、騙し取られてしまう。
ラッツォを探し当てたジョーだが、街の酒場で見つけたラッツォは景気良くやっているわけでも何でもなく、都会の底辺に生きている男だった。
そんなラッツォに詰め寄るも、ジョーは結局、お金を取り返すこともできなかった。
しかし、ジョーがホテルを追い出されると、ラッツォは廃屋寸前で立ち退きを要求されているビルの、自分の部屋にジョーを連れてきた。
2人の共同生活が始まった。

ここから先は全てネタバレしています。見ていない方は注意してくださいね。 

「冬にはマイアミに行く。人生に必要なものは太陽とココナッツミルクだ」と言うラッツォの夢は、ここを出て、明るいマイアミに行って暮らすことだった。
ラッツォはジョーのジゴロの為のマネジメントをするが、なかなか上手く行かない。
そうしているうちに、元々肺病持ちのラッツォの具合が悪くなってくる。
ジョーはラッツォの為に男娼としていくつか仕事をしたが、ある夜、自分を買った紳士を殺害し、金を奪って逃げてしまう。

何とかお金を作ったジョーは、もう満足に歩けなくなっているラッツォを支え、マイアミ行きのバスに乗る。
ラッツォはジョーに、マイアミに着いたら、ラッツォと呼ぶな、リコと呼べと言う。
ラッツォは本名ではなく、軽蔑を込めて呼ばれた「ねずみ野郎」という通称だったからだ。

バスの中でどんどん、具合が悪くなるラッツォ。
ジョーはラッツォの着替えと自分の為にアロハシャツを買い、ニューヨークで着ていたカウボーイの服を捨てる。
ジョーは、「マイアミでは外に働きに出る」と言う。

だが、ついにバスの中でラッツォは息を引き取る。
ジョーは泣きそうになりながら、動かないラッツォの肩をしっかり抱く。
バスの窓からは、明るいマイアミの景色が見え始める。
死んだラッツォと、しっかりそれを抱いているジョーが、バスの窓から見える。
2人を乗せたバスは陽光の中、進んでいった。



「アメリカンニューシネマ」と言われるこの時期に作られた映画は、ヌーベルヴァーグと、アメリカが罪のない明るい国ではなくなったベトナム戦争の影響がかなりあるんでしょうね。
これまでのハッピーエンド、アメリカンドリーム、主役はヒーロー、娯楽大作というアメリカ映画とは違う。
アンハッピーエンド、アメリカンドリームで成功することはない、犯罪者などアンチヒーローが主役、無名の若者が出演している小品という新しいタイプの映画。

暗くて、悲惨で、後味が悪いと言う人もいる映画ですが、70年代の日本映画や青春ドラマもまたこんな感じですね。
精神的には完全に恋人同士といえるような孤独な男同士の友情、そして片方の死による無残な崩壊を描いた1969年のこの映画は、1974〜75年に放送されたショーケンの代表作のひとつ、「傷だらけの天使」を思わせます。

ジョーがニューヨークにやって来た理由、故郷で何があったのかははっきり描かれないんですが、断片的な描写で気分が悪くなるような陰惨な事件があったのが想像できます。
ジョーがやって来たニューヨークも荒んでいる。
でも、荒み方は違うけどテキサスの田舎もまた荒んでる。
希望に満ちてやって来た…、ように見えるけど、実はジョーは故郷にはいたくなかったのではないかと思います。

ジョーはたった一人、ニューヨークに来たわけで、おそらく尋ねていけるような友達も戦友もいなかったんでしょう。
一見、明るそうな田舎者ジョーですが、過去は結構悲惨だと思います。

そこへ現われたラッツォ。
貧乏で、足が悪くて、詐欺師をやっているラッツォの過去なんて、これまた、だいたい想像がつくでしょう。

そしてラッツォはジョーを自分の部屋に連れてくる。
おそらく、お互い、初めてできた相棒、友達。
ジョーもラッツォもお互いの過去は、ほとんど聞かない、話さない。
江戸っ子というか都会に住んでいる人で、出身、年齢、職業を聞くのは野暮な証拠と言われてましたが、大都会はいろんな事情を抱えてやってきている人が多いってことなんでしょうね。

でも、職場とかある程度の情報が入る場合を除いて、知り合った相手に対して接していく上で、最小限の情報は欲しいという時も確かにあるんですね。
それで、どの辺りまで、失礼にならないようどんな風にたずねるか、ちょっと考える。
相手の正体がわからないうちは、結構メチャクチャな情報を与えたりもして…、すみません。

さて、テキサスから出て来ても、ジョーはニューヨークでは地べたを這いずるような底辺生活しかできない。
「都会の女は男らしいカウボーイを求めているはず!」という時代錯誤で、田舎から出てきたお人よしは大都会では言いようにむしりとられ、嘲笑されるだけ。

最初、羽振りが良さそうに見えたラッツォも、大した稼ぐ仕事はできず、地べたを這いずるような生活をしている。
その2人が一緒に行動したって、本当の悪党でもないし、狡猾でもない2人だから大したことはできない。

それでももう、2人はお互い孤独じゃないんですね。
不器用そのもののジョー、本当は不器用なラッツォ。
大都会の中、お互いの存在が実はお互いを支えあっている。
しかし、そんな生活は長くは続かない。

具合が悪くなったラッツォの、マイアミに行くという夢をかなえるには、お金が全然足らない。
ついにジョーは殺人をして、お金を得る。
そしてラッツォを連れ出して、フロリダに行くバスに乗るけど、ラッツォはマイアミの地に降り立つことなく死んでしまう。

独りぼっちになったジョーは、新天地マイアミでちゃんと暮らしていけるんでしょうか。
もしかしたら、殺人で捕まって服役するかもしれない。
そうでなくても、やっぱり、苦しい毎日かもしれない。
でも、きっともうジョーは大丈夫なんじゃないか…。

そう思わせるのは、明るいフロリダの光りと、ジョーがバッサリとカウボーイの衣装を捨てたから。
ジョーは、ラッツォと知り合って強くなったように見えたんですね。
もしかしたらそれは、ラッツォという友達ができて、ジョーは初めて愛情を貰ったからじゃないでしょうか。

だからものすごく救いがないように見えたラストだけど、そんなことないんだと思いたい。
そして本当なら孤独で、ゴミのような中で死んだかもしれなかったラッツォは、ジョーという友達にいてもらって最期は幸せだったと思いたいです。
「必要なものは太陽とココナッツミルク」じゃなくて、「相棒」だった。
これは不器用な2人の、ハッピーエンドではないけれど、全くの絶望でもない物語。
[2009/07/03 13:00 ] | 映画 | コメント(2) | トラックバック(0)
エステー、ホットペッパー、KDDI
ホットペッパーのCM。
これは映画から場面を持って来たのではなくて、CM用に撮影したものだそうですね。
でも、映画のワンシーンにありそう。
何の映画を意識してるか考えるのも、楽しい。



私は最後のおじさんと少年が、一番ウケました。
そんなカクテル、あってもまずいわー!
でも、お姉ちゃん、かなり怒ってる?


このCMは知りませんでした。





この3人の表情が見えなくて、声だけというのがまたおかしい。
覆面と、行動のギャップがおかしい。
でもこの覆面って、今だと、まずいんでしょうか。



あ、豊川さん、喋ってませんね。
寝てましたね。
[2009/07/02 11:30 ] | CM | コメント(2) | トラックバック(0)
だから私は海で泳がない 「オープンウォーター」
もうすぐ梅雨明け。
いや、もう嫌なんです、梅雨は。
だからもうすぐ梅雨明け!

夏が到来すると、やっぱり海に行きたくなるようです。
プールでは4.5km、時間だと2時間半ぐらいクロールで、ぶっ続けで泳いだりする私ですが、海では泳ぎません。
理由は、怖いからです!

小心者と言われようが、背が立たないところには行きません!
私よりももっと泳げる人が、遠浅の海でうっかり沖まで行ってしまって、気づいた時には流されていて、岸は遠く、誰も気がついていない。
真っ青の時にダイビングやってた人の船が通りかかって、「あれ、こんな方まで来ちゃってる人がいる」と気がついてくれたんで、助かったそうです。
助けられた後は、気絶してしまったとか。

それを聞いて、ますます、海では泳ぐまい!と決意しました。
どこを向いても陸が見えない、どこへ行けば足が付くかわからない青い海に囲まれたら…。

体験ダイビングの時、私は酸素の減りが遅かったらしく、インストさんが酸素がなくなった他の人を連れて海上に上がる時、ロープを持たされて海の中で待たされたことがあります。

ロープを持ちながら、しーんとした海の中で
サメが来たら、どーしましょう。
海蛇が来たら、どーしましょう。
いつのまにか流されてたら、どーしましょう。
実はロープの先がどこにも繋がってなかったら、どーしましょう。
とか、考えました。

この小心者め。
時間にして、1分もなかったはずなんですけど。
そう、海で泳がない本当の理由は、小心者だからですね。
「小心者!」と言われても、心底小心者だから「そう!私は気が小さいの!だからどんなにケナしても無駄です、やりません!」と言えちゃう。

海の中、水の中というのは陸上生活を送る人間には異世界であり、アウェーです。
つまり、「息ができない場所にいる」「自由に動けない場所にいる」という本能から来る不安感だと思いました。

だから数年前、「オープンウォーター」という映画を見た時には恐怖しました。

カリブにバカンスにでかけた夫婦がダイビングに行き、ちょっとした手違いで海に取り残される話です。
海に入らないはずの人が途中で入ったので、帰ってきた人数を数え間違えて、夫婦が戻ってこないのに全員揃ったと勘違いして船が帰ってしまう。
あまりにうかつですが、ありえそうで怖い。

ぷか〜と浮いて船がないのに、ボーゼンとした夫婦。
しばらく浮いていると、海の底の景色が違ってきている。
流されている!

妻はくらげに刺され、激痛を覚える。
やがて襲ってきた空腹を妻が持っていたキャンディでしのぎ、喉の渇きを耐える。
そのうち、2人は言い争いを始める。
「どうしてこんなところに来たんだ」「来たいと言ったのはそっちだ」。
仕事に追われる夫婦なので、「そっちの都合でこの日程になった」だの「いつもそうだ」だの、「いつもいつも時間に遅れるから、こんな事態になるんだ」と言い争いを始める。
しかし事態は変わらず、言いたい事を言い合うと沈黙し、お互い謝りあって、「愛してる」と心細さに身を寄せ合う。

追記で申し訳ないのですが、以下、映画のストーリーが全てネタバレしてますので、未見の方は注意してください。 

疲れた2人は、いつしか眠ってしまう。
気がついた時、お互いの姿が見えず、妻がパニックに陥って叫ぶ。
夫があわててやってくる。

そこはサメの生息地でもあり、やがてプカプカ浮いている2人にサメが寄ってきます。
最初は遠巻きにしていたサメだけど、夫が「食われた!」と叫ぶ。
励ます妻、しかし出血は止まらない。
夜が来て、カリブのリゾート地では踊ったり飲んだりしている中、2人はまだ真っ暗な海の上…。
雷が鳴って、海の中が光ると泳いでいるサメの姿が浮かび上がる。

朝になり、船を見て、荷物が残っていたのに気づいたインストラクターは、行きの船にいた夫婦のことを思い出す。
そして帰りにその夫婦が乗っていなかったことも。
ホテルに連絡が来て、部屋が開けられると、夫婦が戻っている形跡はなかった。
至急、ヘリが捜索に出るが、何も見つからない。

朝が来て、夫はもう動かなかった。
しばらく一緒に浮いていた妻は、「さよなら」と言って夫を離す。
夫の体は離れていき、流れていく。
そして妻の周りにサメの背びれが。

サメは何匹も、何匹もやってくる。
耳鳴りのような音がどんどん大きくなって、そして妻はサメを見つめるとダイビングの装備を全て外す。
そして、水中に姿を消してしまった。
耳鳴りが止む。

港でサメが吊り上げられる。
「何だ、こんなものまで食ってる」と。
腹の中からは、夫婦が持っていた水中カメラが出てきた。


実話だそうですが、2人とも帰って来ないんですから、海に出て置き去りになってからは想像の話ですね。

水の流れと低〜い♪ん〜といううなり声のような音楽が流れ、流されてる流されてる…という感じ。
それ以外、音楽はほとんどありません。
青い空、照りつける太陽、チャプチャプという水音以外は静寂の世界。
そこがまた、リアルで怖い。

遭難ってきっと、こんな感じなのだと。
段々、これは冗談でも夢でもない、現実なんだと認識し、それでもまだどこかで楽観していて、それがどんどん絶望に変わる。
腹を立てても、泣いても、青い海と見上げれば青い空があるだけ。
何とかしなければと思い、何にもできないと絶望し、もはやひたすら漂うしかない。
そこへ情け容赦なく近づいてくるサメ。
派手に襲撃してこない、そんなに大きいサメじゃないだけに、これがまたリアル。

致命傷はサメでしたが、サメがいなくてもこれはとんでもない状況、文字通りの絶望。
喉が渇いても、水だらけなのに、この水は飲めない。

映画は80分という時間でしたが、これが限界。
もー、いいです。
それぐらい、自分だったらもう精神状態が耐えられなくなりそうな絶望が静かに、静かに忍び寄ってきます。
遭難の疑似体験。

最後、妻も自ら死に向かう。
もう1人だし…、誰も助けに来ないし…、こんな状況にはもう耐えられない…。
やっぱり諦めてしまうんだな…、と思いつつ、諦めちゃうんだ…、とも思う。
絶望と、絶望した人間を見せられるショック。

実際には、あんな状況になった人間を襲ってくるサメはそうそういないそうですが、何と言っても海の中はあちらのホームグラウンド、こちらは完全アウェー。
「ジョーズ」でシャークハンターの船長が乗っていたインディアナポリス号のことなんて考えると、やっぱりとんでもなく怖い。
この映画、実際に海で、ちゃんと調教?したサメの中で撮影したそうです。

シャチとかイルカはわかりますけど、サメって調教できるんですか。
哺乳類と違って、通じ合うものとかないように見えるんですが。
メイキングでは出演者が楽しそうにしているそうなんで、トラウマになりそうだったらこれも見た方がいいのかも。
映画としては後味も悪いし、海の上で波に揺られてばかりなので乗り物酔いする人、泳げない人には絶対おすすめしません。
特にダイビングやめてほしいなあ〜と思う人がいたら、一緒に見るといいかもしれません。

この映画の試写会はカップルがどこかのプールに入りながら行われたそうですが、動かないで見ていたら体冷えそう。
ただでさえ、冷や〜とする映画なのに。
いや、大勢のカップルがいて、その結束力が高まるから冷えないか。

私は、「どうやって助かるんだ」と思って、というより、助かるところを見なきゃ安心できない!と思って見ていたのに、この結末。
後味悪いどころじゃない、この恐怖をどうしてくれる。

スキューバダイビングするなら、絶対、誰か、別のグループの人様の側にいよう。
ガイドさんにしっかり自分を印象付けて、いなかったらすぐにわかるようにしておこう。
集合時間より早めに帰ろう。
そうだ、いつもいつも集合に遅れる後輩は、ちゃんと叱っておこう。


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「2」がある?!
未見です。

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「1」とは関係ない内容で、ヨット遊びに出かけた若者が、ヨットにはしごをかけるのを忘れた為、ヨットに上がれなくて遭難する話だそうです。
そのありえなさそうで、ありそうなシチュエーションにリアルな海の遭難の恐怖があるとしたら、十分「2」として成立してるのかも。
[2009/07/01 20:30 ] | 映画 | コメント(4) | トラックバック(0)
グリーティングカード 「唇」
ペーパームーンのカードには、唇の絵も多いです。

これは感謝の気持ちを伝えるカードですね。
やっぱり、うれしい?

サンキューリップ


これは愛を伝えるカード?

口紅スタンプ


こういうのを友人に「エグイ!」と言われたわけです。
まあ、日本のカードにはないですよね。

キャンドルリップ


こういう口紅がありますね。
キャンディみたいで、おいしそうに見えます。
カードの名前も「キャンディ・リップ」。

キャンディリップスティック


これも愛を伝えるカードでしょうか。

電話にKISS


こういうのもまた、友人に「エグイ!」と言われたわけです。
これって、口紅も食べちゃうわけですけど。

アイスクリーム


おいしそうな絵も多かったですね。
マニキュアも綺麗。

チョコレート
[2009/07/01 08:00 ] | アート・絵画、建築 | コメント(2) | トラックバック(0)
必ず落とせ! 「刑事一代」
「刑事一代」、第二夜は「戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件」を中心に話が進みます。

吉展ちゃん事件のドラマといえば、20年以上前に印象的なものがありました。
主演の小原保役に泉谷しげる。
監督は恩地日出夫監督。

まだ昭和の古さを残すところがあった東京の町で、見事な当時の再現。
恩地監督の、徹底したリアリティ。
東京オリンピックを翌年に控えた東京で、繁栄に置いていかれたように底辺を生きる小原。

最近見たバラエティトーク番組で、泉谷しげるがこのドラマの事を話していました。
まるで再現フィルムのように、監督は事件が起きた場所で、演技をさせた。

逃げて、持っていた羊羹を山の中でむさぼるように食べるシーンは何度もやり直しさせられ、羊羹を10本も食べた。
それでもOKが出ずに、「監督、もう羊羹ありません」と言われた監督が、「じゃあいい、この中から使う」と言ったのでやっと羊羹から開放された。
しかし、フィルムを見たら、そんなシーンはなかった。

吉展ちゃんを殺すシーンは、犯行現場で、慰霊碑の前で行われた。
首を絞める演技をしながら、何てことさせるんだと思った、つらかった。
聞いていた人たちからも、「えーっ!」という驚きの声がもれました。

だけど、このドラマがその後の俺を作ってくれた。
恩地監督は恩人だ。
そう言うだけに泉谷しげるは、まさに小原でした。

この時の八兵衛は、名優・芦田伸介さん。
泉谷しげるの前に土下座し、泉谷が落ちる。
こちら、再放送を見た覚えがないのですが、やっぱりもう一度観たいですね。

泉谷さんはこの後、しばらくは凶悪犯、異常者の役が続きました。
刑事ドラマの前後編で「ピアノ殺人事件」の、音に敏感な異常者役なんかもリアルで怖かった。
子供を殺す時に子供が着ていたTシャツの絵が自分に、「てめえ、やりやがったな」とつぶやいたと言う。
子供のTシャツが目の前に近づき、部屋がオレンジ色に染まる。

ピアノがどの程度、うるさかったかが裁判には重要になる。
実家に帰っていた犯人の妻が、「ピアノは確かにうるさかったんです、でも…」と言う。
結局、この犯人は自ら死刑判決を望み、奔走した主人公は割り切れない思いで終わりました。
泉谷しげる、ハマってました、隣に住む狂気。

ハマっていたといえば、大地康雄さんの「深川通り魔事件」の犯人役もすごかった。
あれからしばらく、大地さんが出てくると、「あの犯人役!」って役名で言ってたぐらいでした。


さて、「刑事一代」第二夜。
見せ場は、小原との取調べ室での対決です。
密室で、情景や音楽などがない、人間対人間の対決。

福島の捜査で出てくる小原は常に後姿だけ。
一体どんな男なのか…。
スリッパを引きずる音が廊下に響き、物語が始まってから初めて、小原が顔を見せる。

1日目、小原は八兵衛たちに対して暴れ、凶暴なところを見せる。
2日目、八兵衛は小原をおだてて、ノセることにする。
気を良くした小原は少し饒舌になるが、肝心なことは全く言わない。
3日目、したたかな小原相手に八兵衛たちは時計を外し、小原に時間を知らせないようにする。
4日目、小原がポツリと足の事を口にする。
八兵衛に反発していた刑事たちも、八兵衛に協力し始め、金の出所である時計の密輸について調べてくる。

5日目、警戒した小原は、1日中黙秘するという手に入る。
6日目、7日目、小原は喋らない。
8日目、あと2日耐えれば終わりで、小原は余裕を見せ始める。
9日目、時間が小原に味方するか。
そして最後の日、八兵衛に福島でのアリバイの矛盾を指摘され、初めて小原はうろたえる。
だがそこで、小原には救いの手。
本庁から取り調べの中止の報が入り、後姿にホッとしたものを漂わせながら、小原は戻っていく。
この小原のセリフにない心情を表した、荻原さんの演技が見事です。

これで終わりなのか。
当初、八兵衛と対立した刑事たちだって、事件解決を願う気持ちは同じだった。
捜査本部では声紋鑑定を決定し、小原の声を録音する為、八兵衛たちに雑談するよう命じる。
「アメ公に日本人のことがわかるかよ…」とつぶやく八兵衛。
そして、取調べ終了で今日は雑談だと言われた気の緩みが小原に余計な口をきかせる…。

小原が日暮里の火事のことを話し出した時、見ているこちらもゾクゾクしてきました。
「喋った…!」。
八兵衛だけではない、録音していた刑事たちの顔色も変わる。
小原が自ら、脅迫電話があった日、福島にいなかったことをもらしたと連絡する八兵衛。
このまま続けさせて欲しい。

八兵衛の報告を聞いて本庁と話し合った平泉成さん演じる上司が、「必ず落とせ!」と言う。
仁王のような八兵衛。
息詰まる緊迫感。

俺だって良い事ぐらいするさ…と言った、まさか、その良い事の自慢の為に追い詰められていく皮肉。
苦悩する小原、それでもどうしても認めたくない。
「やりました」、その一言はどうしても言えない。
仮面がはがれかけた時の動揺、こちらにまでその動悸が感じられるような目の動き。
荻原さん、精神状態ギリギリの演技。

自白できない理由が母親にあると八兵衛がわかったのは、あの母親の土下座を見ていたから。
降りしきる雨の中、泥を握り締めながら、お詫びする母親。
息子はかわいい。
だが、人の道に外れたことをしたなら罰してくれ、その代わり、自分も地獄に行って待っていてやる、と。

あの頃の日本の母親、あの頃の日本人ってこうだったんですね。
母親の愛と、人としての道を貫く姿。
その切なさ、悲しさ。

その母親に接した八兵衛の言葉、涙、そして母親の愛情を前に小原は落ちた。
「やりました」と言った瞬間。
小原にも真っ当な心が残っていたのだ、と。
小原自白の報を聞き、六平直政さんたち、ごつい刑事たちが号泣する。
その後の小原はまるで憑き物が落ちたかのように大人しくなり、八兵衛と小原には奇妙な絆ができる。

おどおどと 仲間外れの足萎えの 鳩も来よ来よ わが蒔く餌に

小原が獄中で詠んだ歌ですが、この足の悪い鳩は自分なんでしょうね。
彼の人生がどういうものだったか…。
描写はほとんどなくても、この歌を提示することで表現している。
小原は幼い頃からいじめられた、そして悪に染まらずにいられなかった、いわば弱い男だったと。

八兵衛は小原のことを血も涙もない怪物として責めるのではなく、人間としての心に訴えた結果、小原は1人の人間に戻って自白。
つまり、八兵衛は小原を真人間に戻し、母親の望みどおり真人間として罪を償わせた。
だけど彼によって失われた命は、帰ってこない。
彼は当然の結果として、死刑を宣告される。

吉展ちゃん事件を代表として、八兵衛の関わってきた事件は犯人を調べる八兵衛には、犯人や周りの人間にどこかに理解ができる部分が多かった。
凶行に至るまでの生い立ちに貧困があったり、差別があったりした。
もしかしたら、何かが違えば、犯罪者にならなくて済んだのではないかと思えないこともなかった。

しかし、三億円事件から始まる、新しい時代の犯罪はそうではなかった。
時代は理由不明の、顔がない、人間が見えない犯罪になってきた。
つまりそれは、八兵衛がやってきたような、人の情に訴えられない犯罪だった。

小原のFBIの声紋鑑定の話の時、八兵衛は「アメ公に日本人のことがわかるかよ…」とつぶやいた。
それはまるで、「機械に人間のことがわかるかよ」といわんばかりだった。
そして実際、最後は声紋鑑定ではなく、人間対人間で八兵衛は事件を解決した。

しかしもう、そうはいかない。
人間としての捜査が、通用しない時代。
そんな時代に、八兵衛のような刑事の居場所はない。
そして、まるで一つの時代の終わりを告げるかのように、小原の刑の執行の知らせが入る。
刑務官に頼んだ小原の八兵衛への伝言を聞いて、刑事も犯人も人間としてぶつかり合った時間を思い出す…。

そして退職した八兵衛は死刑になった小原の墓を見て、「母ちゃんと一緒のお墓に入れなかったんだな」と泣く。
小原の田舎から捜査を終えて帰る時、八兵衛は「息が詰まるな、この風景」と言いました。
のどかな田舎の風景だけど、そこには貧困と差別と閉鎖的な社会があるのを八兵衛は知っている。

どんな事情があろうと、小原が関係のない子供とその家族に対して行った犯罪は、決して許されることではない。
吉展ちゃんの両親や関係者には、小原は幼い子供を身代金目当てで誘拐し、殺した凶悪犯でしかない。

それでも小原の悲惨な生い立ちや境遇、人間的な面を知り、更に小原との間に絆ができた八兵衛は涙する。
小原を犯罪に追いやった責任は、この生まれ故郷には全くないのか。
失われなくて済んだ命が失われた、その責任の一端は村人にもある、そんな気持ちは全くないのか。
おそらく、そんな思いにかられて、そして、凶悪犯だけど人間として理解ができた小原とその時代を思って八兵衛は泣く。
警察を退職して、まるで燃え尽きたように八兵衛は4年後、なくなる。


ドキュメンタリーではないので、いろいろとドラマ用に脚色された部分もあると思います。
それでも「刑事一代」は犯罪という人間として究極の選択をした人と周りの人、それを追う人の人間模様をしっかり描いた人間ドラマでした。

俳優さん女優さんがハマっていて、上手くて本当に良かった。
渡辺謙さん、荻原さん、そして高橋克美さん。
余貴美子さんも、杉本哲太さん、小原の母親役の岩崎加根子さん、小原の故郷の人たち、みんな。

高橋克美さん演じる石崎が、病院で手を震わせながら賞状受け取るシーンがありました。
そのボロボロになった姿、そして巡査部長という肩書き。
高橋さんが震えながら、その震える萎えた手を奥さんが支えながら賞状を受け取るシーンが胸に迫りました。
そう、八兵衛たちのような刑事を影で支えていたのは、家族なのだということも語られていた。

泉谷しげるのドラマがこんなに年月を経ても印象に残っているように、やっぱり、しっかりした演技で、しっかりと人間が描けているドラマは色褪せない。
「刑事一代」、久々にそんなことを思ったドラマでした。
[2009/06/29 18:30 ] | ドラマ | コメント(0) | トラックバック(0)
俺たちには100点か0点かしかねえんだよ 「刑事一代」
遅ればせながら、録画していた「刑事一代」を観ました。
第一夜は帝銀事件、銀座ガードマン殺人事件を中心に話が進みました。

帝銀事件はいろいろな話がありますが、ここでは戦後の混乱の中、当時、まだまだインフラが整備されていなくて大変な中、周りと衝突し、閑職に追いやられながらも八兵衛の執念の捜査を描いていました。

帝銀事件は、2時間ドラマで放送されたものを以前観ました。
雪の中、ギュッギュッと音を立てて映る、茶色い長靴。
その長靴も、その音も、どこか禍々しく、これから起きる惨劇を予感させました。
そこでは八兵衛は、平沢が逮捕される時、「平塚さん、あなた…、汚いですね!」と食って掛かるような男に描かれていたのだけしか覚えていないのですが。
「刑事一代」では、子供の写真を使って嘘を言い、平沢の娘を上手く乗せた後、八兵衛は自己嫌悪に陥っていました。

八兵衛は帝銀事件の他にも、下山事件も担当しているようですが、この事件は今回は描写なし。
下山事件については、子供の頃、放送された白黒映画で観た覚えがあります。
証人や参考人が次々謎の死や失踪を遂げていき、最後まで謎で、何か影で大きな力が働いている…という感じでした。
この映画のせいか、下山事件は私にはちょっとした恐怖。

ガードマン殺人事件は、誰もが犯人と目した男・影山以外の男・森川を犯人と確信し、またしても周りと衝突しながら相棒・石崎と共に信念を貫く八兵衛。
ルミノール反応が出ないことで、森川の犯罪を立証できない。
上からも押さえつけられた八兵衛だが、その執念が事件を解決に導く。

森川の妻の八重子役の余貴美子さんが、さすがの演技。
偽証を白状する一瞬。
八兵衛に渡されたお札を伸ばし、森川の居場所を教える八重子。
不幸に打ちひしがれながら、必死に生きてきた女が折れる時。
リアルで「悲しい」と思いました。

そして第一夜のラスト、昭和38年3月31日。
モノクロの画面の中、三輪車をこぐ幼児。
東京都台東区で4歳になる幼児が誘拐され、身代金を要求する電話がかかる。
戦後最大の誘拐事件と言われた、吉展ちゃん事件です。

第二夜、吉展ちゃん事件を中心に話が展開します。
話としてはこんな風でした。

警察は犯人に身代金を奪われてしまい、犯人からの連絡はぷっつり途絶える。
吉展ちゃんの行方もわからなかった。
昭和40年、事件から2年経ち、捜査本部に八兵衛が呼ばれる。

八兵衛は容疑者の1人で、現在は服役中の小原保(萩原聖人)という男に引っかかる。
だが、小原には完璧なアリバイがあった。
そして足を引きずって歩く小原には、犯行は不可能と思われた。

小原は、誘拐当日と脅迫電話があった日、故郷の福島に借金の申し込みに行っていた。
小原を目撃したという人たちに話を聞き、アリバイを崩すために石崎と福島へ向かう八兵衛。
鉄壁かと思われた小原のアリバイ、目撃証言だったが、ずさんな初動捜査で証明されていたそれは、八兵衛たちの綿密な捜査により崩れていく。

小原が忍び込み、干した餅を食べたと言う38年に米は不作で餅は作られていなかった。
さらに小原は、5年前に蔵の鍵が南京錠に変わっていて、小原の言うようには中に入れないことを知らなかった。
小原が2日連続で野宿したと言った藁は、放火を恐れた農家の主人が2日目には片付けてなかった。
老婆は、孫を病院に連れて行った4月2日に小原を目撃していたと言ったが、孫が食べ過ぎで病院に行ったのは節句の日の翌日で4月2日ではなかった。

小原の実家に捜査に行った帰り、小原の実母が雨の中、八兵衛たちを追ってきた。
母親は雨の中、土下座をして、「このたびは保がご迷惑をおかけすて申し訳ごぜえません。保は7人兄弟で、足が悪かった分、目をかけて育てたつもりですが、人の道に外れたことをしたなら、どうか、罰してくだせえ。真人間になって死ねと伝えてくだせえ。保をうんだオラを許してくだせえ」と言った。
その悲痛な声に、八兵衛たちは胸を詰まらせる。
だが東京に戻った八兵衛は、小原の取調べは人権団体などが騒いだせいもあり、わずか10日間と告げられる。

小原の取り調べが始まった。
初日、小原は八兵衛たちにイスを投げつけ、暴れた。
八兵衛は思った、あれなら足が悪くて、犯行は可能だ…。
八兵衛はまず、小原が持っていた大金の出所を聞いたが、小原は愛人に渡した20万も、弟に自慢げに見せた胴巻きの30万の出所も、時計の密輸と言ったり、横流しだと言った。
小原は決して核心に触れるような発言はしなかったが、ポツリと「この足のせいだよ…」と自分の悪い足のことを言う。

最後の10日目、八兵衛は福島で得た情報を小原にぶつけ、小原の矛盾を突く。
翌日も「藁ぼっこ」で野宿した、はっきり小原から話を聞いた八兵衛は藁ぼっこは翌日にはなかったと告げる。
小原が動揺した。
南京錠のこと、餅のこと。
畳みかけるように八兵衛が繰り出した小原の証言と辻褄の合わない事実に、小原がうろたえだしたその時、本庁から取り調べの終了が告げられた。

捜査会議では、八兵衛を初めとして、八兵衛に反発していた同僚たちも一斉に取り調べの続行を訴えた。
アメリカのFBIの声紋鑑定を取り入れるという決定がされ、八兵衛たちは小原の声を録音するよう言われる。
いつもと雰囲気が違う中、とまどいながらも10日が過ぎた小原は気を緩めていた。

雑談するうち、小原は「俺だって良い事ぐらいするさ」と言い出した。
小原は叔父の家が火事になった時、消火活動をした為に叔父の家は燃えないで済んだのだと言う。
火事のすごさを語る小原は、自分が山手線から見た日暮里の火事について語った。
黒い煙がもうもうと立って、ものすごかった、と。

八兵衛の顔色が変わる。
日暮里の火事。
それは4月2日、脅迫電話のあった日の大火事だった。
福島にいるはずなら、小原はその日、日暮里の火事を目撃できるはずはない。
隣の部屋で録音していた刑事達も、一様に色めき立った。

席を立った八兵衛は捜査本部に電話を入れる。
八兵衛からの連絡を受けた本部は、取調べの続行を許す。
「その代わり、必ず落とせ!」

部屋に戻った八兵衛は、小原に火事は2日に起きたこと、福島にいたはずのお前がどうしてそれを山手線の銀座から見たのか!と言う。
小原が頭をかきむしり始めた。
苦悩の表情を浮かべる小原に、八兵衛は雨の中、土下座した母親のことを告げた。
小原が自白しないのは、母親の為だろう。
「おふくろに申し訳ねえと思ってるんだろう?だけど保、おめえ間違ってるよ。罪を認めて、真人間になることだけが残された道なんだよ」。

八兵衛は机を蹴飛ばすと、小原の前に土下座した。
そして母親がやったように、「申し訳ごぜえません。保は7人兄弟で、足が悪かった分、目をかけて育てたつもりですが、人の道に外れたことをしたなら、どうか、罰してくだせえ。真人間になって死ねと伝えてくだせえ。保をうんだオラを許してくだせえ」と言った。
八兵衛は涙をこぼしていた。

壁際に追い詰められていた小原が崩れ落ちる。
頭を抱えて、小さな、震える声で小原は「やりました」と答えた。
小原は泣きながら、搾り出すように「誘拐して、お金を…」と言った。
小原が落ちた。
八兵衛の報告の電話に、待っていた刑事たちも号泣した。

八兵衛は家でぬかみそをかき回し、なすの漬物とおにぎりを持っていく。
小原はそれを食べて「母ちゃんの味に似ている」と言った。

事件解決からすぐ、相棒の石崎が病に伏せる。
警察功績賞を病院で受け取った石崎は、泣いていた。
それから半年、石崎は亡くなった。

そして昭和43年12月10日。
三億円事件が発生する。
犯人の遺留品は多く残されていたが、捜査は難航する。

再び八兵衛が呼ばれるが、八兵衛のやり方は古いと言われ、今度は若手刑事たちと衝突する。
石崎も、理解者だった上司ももういない。
時代が違うと言われた八兵衛は、時代が変わっても事件を起こすのは人間だと言った。
そんな中、小原の死刑の執行の報せが入る。
刑務官は小原が八兵衛に伝えてほしいと言った、「真人間になって死んでいきます。なすの漬物、おいしゅうございました」という言葉を伝えた。
三億円事件の時効を前に、八兵衛は警察を退職した。

自宅に話を聞きに来た新聞記者の岩瀬とカメラマン・真由と、八兵衛は小原の故郷を訪れる。
村墓地に案内された八兵衛は、小原家の墓の横に墓標もなく、ただ土が盛ってある保の墓を見た。
「母ちゃんと一緒に入れてもらえなかったんだな」。
「すぐ来てやらなくて、悪かった」と言うと八兵衛は、盛ってある土にひれ伏してむせび泣く。
やがて、泥のついた顔で立ち上がると八兵衛は、小原が渡っていった小さな橋を渡って帰る。

八兵衛がなくなったのは、警察を退職した4年後だった。
[2009/06/29 15:00 ] | ドラマ | コメント(0) | トラックバック(0)
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