元締おきん

時代劇専門チャンネルで「桃太郎侍」を見ていました。
終わって、次は「長七郎江戸日記」。
ところが終わった「桃太郎侍」が、なぜか続いているような錯覚を起こしました。

「あれ?桃太郎侍、さっき終わったよね?」って。
どうしてつながっているような気持ちになったんだろう?
そう思ったら、どちらにも野川由美子さんが出てたんですねー!

「桃太郎侍」では高橋英樹さんに「もーもさーん!」って叫んでいる。
「長七郎江戸日記」でも「長さん!」って叫んでいる。
この後、「必殺」アワーなんです。

前期のシリーズだったら、野川さんをまた見られたかもしれない。
すごいな、野川由美子さん。
主人公のことが好きで、キップが良くて、ちょっと早とちり。

スリだったり泥棒だったり、ちょっと裏の顔がある。
それを生かして、主人公をサポートする。
基本的に善人であり、世話好き、人が良い。
おきゃん、という言葉がピッタリ。

野川さんが演じるのは、こんなキャラクターです。
じゃあ、全部同じ人物に見えるかというと、そうじゃない。
つばめは、鉄砲玉のおきんじゃない。

おきんがするであろうことを、つばめはやらないってわかるんです。
つばめは裏街道を行く女性じゃない。
演じ分けてますねえ。

それで、野川さんがいるとやっぱり賑やかなんですよ。
すごいアクセントになっている。
主人公に絡んでほしい。
コメディ部分の担当だったりしますが、美貌は相当なもの。

「仕留人」で最後、雪降る中、江戸を離れていき、これでおきんの出番は終わりです。
この後、おきんはどうしたんでしょうね。
野川さんは、インタビューでおきんのことを「あの気性ですからね~」とおっしゃってます。
私も思いますが、おきんは元締になってるかも。

野川さん、演じてみたいそうです。
楚々とお茶なんかたてたりして、それでもたまにあの啖呵が飛び出す。
周りを屈強な用心棒に囲まれ、若い衆に慕われている。
男性も女性も。

壮絶な仕置人、鉄と錠を見て、哀しい恋を経たおきんの元締姿。
それはそこらの駆け出しでは対抗できない存在感でしょう。
どうです、想像ができるじゃないですか。
野川さんも演じたいとおっしゃってますが、私も見たいです。

長七郎で火野さんと絡んでいるのを見た時は、「必殺」シリーズ見ている気分になりました。
そういえば、「必殺」シリーズでは野川さんと火野さんは共演してませんでしたね?
おきんと正八のコンビ、有能にして楽しい。

誰が主人公でも野川さんは、近くにいる。
主人公が誰であっても、野川さんは合う。
あの頃の時代劇に、野川さんは欠かせない存在です。
野川さんのインタビュー記事があったと思うので、探してみようと思います。


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「株主優待の松重豊?」

スマホで、Yahooのトップページを見ていたんです。
ふと、下の方を見ると、「投信」のニュース。
「株主優待の松重豊?」

株主優待の松重豊?
何、どこかの株を買うと、株主優待で松重豊さんとご飯が食べられるとか、そういうの?
それとも、味の素の株のこと?
いや、WOWOW?

タイトルが「株主優待の松重豊?“いぶし銀銘柄”を探せ!」
あ、そういうこと。
記事を読むと、「いぶし銀とは」。
派手さはないが、味わいがあることを「いぶし銀」と形容します。

株式市場にもそうした企業は、数多く上場しています。
また、大スターほど誰もが知る存在でなくても、良い仕事をするベテランの俳優や野球選手のように存在感のある会社を見つけ出し、応援することは株式投資の醍醐味の一つです。
なるほど。

派手さはないって、褒め言葉ですよね。
要するに渋い、大人の魅力と言うことですよね。
ここで松重豊さんを持ってくるって、この記者さん、良いセンス。

好きなんですよね。
すごく良いって、認めちゃってるんですよね。
「孤独のグルメ」ファン?

その後、いくつかの銘柄をあげ、最後にこう締めています。
「派手ではないけれども、実力や魅力のある会社は上記以外にもまだまだあると思います」。
つまり、松重豊さんは実力、魅力のある俳優さんだと。
おー、松重豊さんのこれからを、楽しみにしている人は多いと思われます。


1日楽しい

11月26日の土曜日、「途中下車の旅」では木下ほうかさんを見ました。
そして夜にはテレビ東京「路線バスの旅」で、田中要次さんが出演。
ひゃー、私には楽しいテレビの日。

「途中下車の旅」の木下さんが、なんだか乙女っぽかったのも楽しい。
そして「路線バスの旅」では田中要次さんがボケてくれて、楽しい。
田中要次さんは今年のお正月、BSで「猫とコワモテ」というドラマをやってくれましたが、あれ、また見たい。

元・国鉄職員という田中さん。
その経験からしっかり旅をリードするのかと思いました。
しかし電車は行けても、これはバスの旅。
意外にも田中さんは、蛭子さんポジションなのだった…。

これで松重豊さんの「孤独のグルメ」を見る。
または北村一輝さんの「猫侍」を見る。
そういえば「孤独のグルメお正月スペシャル 真冬の北海道・旭川出張編」で本田さんを見た時はうれしかった。
自分としては松重さんと本田さんの共演なんて、最高でした。

本田さんは時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇「鬼平外伝・四度目の女房」にご出演。
製作を追った番組では、本田さんのシナリオ部分は監督との綿密な打ち合わせの結果、かなりの部分が書き換えられたとか。
本田さん自身、櫛を自分で買って用意して撮影に臨んだそうです。
そのおかげでこの人物に深みが出て、物語がおもしろくなったよう。4年の放送。

「雲霧仁左衛門」でもお頭と裏切り者の三次について話したシーンで、本田さんはおにぎりを用意して行ったとか。
それで山崎努さんが本田さんの熊五郎の心情を「うん、そういうことだな」と納得されたらしい。
このドラマも楽しみ。
土曜日、自分には楽しいテレビの日でした。



途中下車の旅

11月26日の土曜日、起床していろんなことを済ませて、朝食を摂って一段落。
テレビをつけると日本テレビでは「途中下車の旅」をやっていました。
横浜線の旅で、旅人は木下ほうかさん。

おおー!
木下ほうかさんは最近、バラエティ番組の中のドラマで嫌味な課長を演じたりしている。
ついにこういう番組にも出るようになったんですね。
何か、うれしい。

ドラマでは犯人を脅迫したりして、途中で殺されてしまうことも多い木下さん。
犯人ではなくても嫌な態度を取るので、殺されてもあまり同情されない役なども得意です。
しかし旅人となった木下さんは、緊張もあってかとても控えめな態度とコメント。
まじめにやっていこうとしているのがわかって、私には楽しい番組となりました。

ちょっとかわいかった。
出てくる一般の人の方が、カメラ慣れしているような場面もありました。
今後に期待!

今は悲しい 松方弘樹さんインタビュー

「役者は1日にしてならず」。
俳優さんたちへのインタビューで構成された本です。
春日太一さん著。

好きな俳優さんたちがたくさん出ていて、私にはとても楽しい本です。
現在は闘病中の、松方さんのインタビューが出ていました。
松方さんは、時代劇とヤクザを演じる時、着流しの長さを変えているとか。

「今は、自分で帯が締められる役者さんはいないでしょう。
着流しを衣装さんに着せてもらう時、足を開いて突っ立っていると、帯から下がフレアスカートのようになってしまいます。
僕は着流しを着せてもらう時、足をクロス気味に閉じて着ます。すると、タイトスカートになるんです」。

「僕は先輩がそうしているのを見てきましたが、今の俳優さんは見ていない。
それではダメです。袴も帯の位置も、自分で着て、自分で合わせないと。
帯も締められっぱなしだから、途中で苦しいと言い出す」。

話は萬屋錦之助さんに。
「時代劇で渡世人を演じる時、錦兄ぃは浅黄色のパッチに、ストレッチ素材を特注で入れていました。
ですから、立つ時に皺が寄らなくてカッコいいんです。何であんなにカッコいいのか、今の人はわからないんじゃないかな。
錦兄ぃはセリフも動きも、天下一品でしたよ。僕の若い頃の芝居は、ほとんど錦兄ぃのマネをしています」。

「華があった。華って天性のもので、後から磨けないんですよ。主役には華がないとダメです」。
錦之助さんの弟の中村嘉津雄さん(津は草かんむり)にも、教えてもらったことがあるそうです。
「遠山の金さんの長袴の裾を前に飛ばす時、うまく飛ばない。裾の先に、小銭を入れておくんです。
そうすると、それが重しになって伸びる。そういうのは、中村嘉津雄さん(津は草かんむり)に教えてもらいましたね」。

松方弘樹さんのお父様は、名優・近衛十四郎さん。
しかしお父様に教えてもらったことはないとか。
ただ、立ち回りは見ておけと言われた。

「父は立ち回りは、1回で覚えるんですよ。僕が10回も20回もやっている時、父は『疲れるからやらんぞ』とイスに座っているだけでね」。
「それで本番テストになると、『1、2、3、4手で早く行くぞ。4手と5手で間を入れるぞ』」。
「『6、7、8、9、10、11、12は早いぞ』
『12手と13手は間があるぞ』って言いながら20手ぐらいを1回で覚えるんですね。僕も覚えるのは早い方ですが、何で覚えられるのってぐらい、父は早かったですね」。

「あの頃は先輩と撮影する時は必ず、部屋にご挨拶に伺うの。それは父親でも。挨拶に行くと鏡越しに『おう』と言うだけで、振り向いてもくれません。
ただ、立ち回りだけは見ておけと言われたので、見ていました。撮影が終わると、セットを何杯も見て行きました。
今の俳優は自分のロールが終わると帰りますが、自分たちの時はそんなことは絶対になかった」。

近衛は刀を斬り上げる時に右手を返す型が特長だが、それは松方も引き継いでいる。
「その方がただ、斬るだけより良いんですよ。刀の先が動きますからね。刀は手首に力が入ったら、動かないんです。
今の俳優さんは、手首が硬いまま、刀を振り回している。そうすると、刀は走りません」。

「ゴルフは手に力を入れると、飛ばないでしょう。あれと同じです」。
「大川橋蔵さんは、斬る時に内股になるんです。すると袴をはいていない、着流しの時は裾が乱れずに綺麗なんです。
そういうのは見ていればわかることですが、基礎がなかったら見てもわかりません」。

「僕は先輩がやったことは覚えていて、今も注文しています。
例えば弁慶をやる時、袈裟頭巾と言って、坊さんの袈裟を頭に巻くのがカッコいいんです。
袈裟は金糸が入っていて、綺麗なんです」。

「でも今は、その袈裟をピシッと巻けるスタッフがいない。だから白い布をただ巻くだけ。
注文をこちらから出さなければ、お仕着せになってしまう。
ですから時代劇というのは、ポイントを見ておかないといけないんです。注文をこちらから出せるだけの知識が必要です」。

「仁義なき戦い」の時の深作監督は、朝まで飲んで、『お前ら寝るな』って言うんです。明日の撮影は、目が赤い方が良いって。
それでも平気なぐらい、集中していました。
監督さんというのは、スタッフ、キャストを引っ張っていくパワーが必要なんですよ。
あの時の深作さんには、パワーがあった。統率力とカリスマがありましたよ。
実働45日で、あの人はほとんど寝てなかったんじゃないですかね」。

「台本を読んで良い役だと思ったのが、ポッと出た俳優と思っていた人たちに行ったことがありました。
でもこれが川谷拓三、室田日出男、志賀勝なんです。その中に入ったら、霞んで消えちゃうんですよ。
出が多ければ良いってわけじゃないんですよ。ワンシーンでもちゃんと演じられるかどうか。
良い台本は良い役がいくつもある。ちょっとしか出てなくてもね。そう言う役がある台本は良い本だ、出たいと思って出ます」。

「悪役はおもしろいです。主役は淡々としている方が良い。ずっと出ているわけですから、やりすぎるとお客さんが飽きてしまう。
悪役が主役を食うほどやると、逆に主役が立ってくるんです。
主役も回りも下手だと、どうにも観ていられない」。
「昔は育ててくれました。今は使い捨てです。僕は良い時代に、俳優の道に入ったと思います」。

話は、映画「十三人の刺客」での立ち回りに及ぶ。
春日さんいわく、「松方は武士としての佇まい、立ち回りの凄み。並み居る若手人気俳優を圧倒していた」。
それについて松方さんは言います。

「立ち回りは、いきなりはできませんよ。刀を持ったことも、差して歩いたこともなければ」。
黒澤監督が「椿三十郎」で当時の若手の加山雄三さんや、田中邦衛さんに「着物を着て生活しなさい」と言いましたね。
仲代達矢さんも、刀は重い。
差して歩いていると、歩き方が違ってくるとおっしゃっていました。

「袴もはいていないから、どんどん下がってきて、5回も座ったらお尻が出て、引きずって歩いています。
僕の立ち回りは出演した若手俳優さんは見に来ていましたが、見ててもできないんです。
しかもあの立ち回りは『動』ばかりで『静』がない。バンバン斬って血糊を塗っているから、誰が誰だかわからなくなるんです」。

「ですから、僕の絡みでは『僕がジッとしたら動くな』と言いました。止まるから初めて、動いた時に速く見える。
立ち回りは、1人ではできない。
絡みがいて、初めてできるんですが、あの現場では2百人のうち、できるのが5人ぐらいしかいなかった。

だから『動くな』と言ってもみんな、はやるんですよ。
自信のない奴はどんどん近寄ってくるんです。
刀は遠くから伸ばした方がよく映るのに、近くに来るんです」。

「絡みができる俳優が、本当にいなくなった。
芯のある主役がいなくて、両方が下手だったら、今の時代劇は観てられないわね。
…ひどい」。

でも松方さんは、今の俳優さんをけなしているのではありません。
「今は使い捨てなんです。昔は、映画会社にはスターを育てるという使命がありました」。
「そう言うシステムの時代に、僕はこの業界に入ったんです。今はもう、そう言うシステムではない。映画会社が自前で映画を作りませんからね」。

「昔の時代劇がちゃんと所作ができているのは、時間をかけているからです。時間とは、お金です。
僕の若い時は20回もテストをしてくれましたが、今は1回か2回ですからね。うまくなりません。
お金をかけないのが、すべてです」。

「俳優さんが悪いんじゃない。
体制が悪すぎる。悲しいです。
良い時代を見ているだけに、悲しい」。

共演した若手俳優さんたちのことを「芝居はうまい」。
「すごく良く考えて芝居をしている」。
「けど、まだ若い。彼らが40歳過ぎて『立つ!』となった時、蓄積したものが残っていたら良いと思います」と話しています。


現在、松方さんは闘病中です。
松方さんの「遠山の金さん」には、女優の池上希実子さんが出ていました。
この時、池上さんは最初、出演を断ったそうです。
理由は、お嬢様の受験。

それを聞いた松方さんは池上さんに「待つ!」と、おっしゃったそうです。
待つと言える松方さんの影響力にも驚きましたが、池上さんを待つと言う松方さんに驚きました。
でもこのインタビューを知ると、松方さんには明確なこの役は池上さんじゃなければいけない理由があったんだと思います。
それだけのこだわりと、見抜く目があった。

でも自分のために「待つ」と言ってくれたら、それはうれしいですよね。
期待に応えようと思います。
松方さんを大切に思います。

ご家族のことや私生活でいろいろと言われることもある松方さんですが、慕う人も多いはずです。
目黒弘樹さんの立ち居振る舞いと殺陣の見事さに、最近でも感嘆したばかりです。
松方さんがインタビューで言っていることは、さすが、時代劇を演じ続けて来たスターだと思いました。
松方弘樹さんの回復を心より願います。



プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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