9月28日の夜のこと。
家の廊下には、センサーつきのライトを置いています。
人が通ると灯りがついて、何十秒かすると消えるものです。

9月28日の深夜26時近く。
寝ているベッドからふと、ドアの方を見ました。
すると、廊下でセンサーライトがついている。

でも、誰もいない。
誰かが廊下に出て、おトイレに行って帰ってきてまだライトだけがついているのか。
でも今、他の部屋には誰もいない。
廊下に出てみたが、やっぱり誰もいない。

こんなこと初めてでした。
誰もいないはずの廊下でセンサーライトがついたら怖いな、なんて思うことはありました。
それが今、現実に起きてる。

センサーライトがついている。
誰もいない廊下で、ついている。
部屋にいるはずの子猫が、廊下に出てしまっているのかも。

そう思って子猫を探そうとしたら、自分がいた部屋から子猫が飛び出してきた。
やっぱり、子猫も廊下にいなかったんだ。
じゃあ、どうしてセンサーライトは反応したんだろう?

虫か何かなんでしょうね。
朝、家族に話したら、虫じゃ反応しないよって言われましたけど。
合理的な理由があるんでしょう。

でも自分が、ほんとに思ったことを言えば…。
3ヶ月前に旅立った、19歳の猫のような気がしました。
廊下に、あの子が来ていた。
あの子に反応して、ライトがついた。

そんな気がしました。
違うって、ハッキリとした証明がされないなら。
誰にも迷惑がかからず、そう考えて気持ちが穏やかになるなら。
そう思って良いんじゃないか。

こんな風に思ったので、そうだということにしました。
猫だよ。
猫がいたんだ。

でも…。
そこまで来たら、いつもしてたように枕の上に来てくれていたなら良いな。
あれから、誰もいない廊下のセンサーライトがついていることはない。


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2016.10.28 / Top↑
「重版出来!」の第5話に、運を使わないようにギャンブルはやめるエピソードが出てきました。
この話で思い出したことがあります。
「奇妙に怖い話」という、作家の阿刀田高さんが選者の本の中にあった話です。
体験談か、作った話か、どちらも問わないということなので、この話が本当なのかはわかりません。

その話の前日、作者はパチンコで負けに負けた。
出なかったのは、その作者の台だけだった。
逆にそばにいたお客さんが、「その台、明日出るわ」と言ったぐらい、負けた。
だから作者は翌日、朝一番に並び、その台の前に座った。

台を巡る不愉快な小競り合いはあったが、作者は昨日の出なかった台に座ることができた。
すると本当に、見る間にその台はパチンコ玉を飲み込み、電飾を輝かせた。
両隣のお客さんが、「ほー」と言って身を乗り出して見る。
大当たり。

それを出して、さらに次回来店した時の当たりも保障する当たりまで出た。
12回連続で、大当たり。
足元には、パチンコ玉が詰まった箱の山ができた。

さらに数万回に一度という、プレミアムリーチが出た。
その全てが当たった。
…私にはわからないので、描写されたところによると、こういう当たり方らしい。

周囲のお客さんも初めて目にする光景に、集まってきた。
それが何度も何度も、続いた。
20回目の大当たりの時だった。
「兄ちゃん、すごいね」と声をかけてきた男がいた。

「7で来ただろう」。
「それから5回続けて、7」。
「3が3回」。

「5、5、7、7」。
「最後が8」。
その人は出た当たりの目を、全て言い当てた。
20回目まで全部、言い当てた。

なぜだろう?
疑問に思った時、男は「あと10回出るよ」と言った。
その言葉に、作者が感じた疑問はかき消されてしまった。

まだ、当たるんだ!
男は言った。
「俺の連れが、兄ちゃんとまったく同じ目で勝った」。
なぁんだ、そうだったのか。

男の言った通り、当たりが来た。
ついに9回目まで、当たりが来た。
ダメだろうなと思ったのに、当たるのだ。

帰り支度を始めた男に、作者は「あと1回来ますか」と聞いた。
男の言う通り、10回当たりが出るなら、あと1回当たるはずだ。
「そうだな。連れと同じだ。最後は4で終わる」。

男は背中を向けながら言った。
「この当たりの出た帰り、連れは死んだけどな。トラックにはねられて」。
「え…」。

息を呑んだ瞬間、機械音が「リーチ」と言った。
目の前のパチンコ台は、まさに「4」の当たりが出るところだった。
それを見た男は、薄く笑って帰っていった。


会社にある自動販売機のジュースを買った同僚が、大当たりしてもう1本もらいました。
「良かったねー」と言う私に同僚は、「こっ、こんなところで運使って…」と言いました。
やっぱり、そういう感覚ってある。
自分は割り込みや強引に電車やらで席を取られたり順番を後にされた時、相手に対して「あーあ、アナタ、こんなところで今日1日の運を使いましたね」と心でつぶやいております。




2016.09.09 / Top↑
冬山に登る方は、お気をつけて。
「山の霊異記  赤いヤッケの男」。
メディアファクトリーから出版。
著者・安曇潤平さん。

山に登らない自分にも、山の風景、澄みきった空気、そして気配までが感じられる。
著者の山への愛情が感じられます。
同時に、載っている話はかなり、怖いです。
あの「何か」が「来る」時の前触れって、共通しているものがあるんですね。

怖いですよ。
ですが、温かさもあるという怪異談もいくつかあります。
全部含めてこれ、山に登る人には、リアルに感じられるんでしょうね。
この「山小屋の掟」は、そういう話。


「山小屋の掟」。
冬の小屋仕舞いを控えた、ある晩秋の日。
その登山者は、山小屋にたどり着いた。
大きな部屋は貸し切り状態で、登山者は自分のベッドで大の字になって体を休めた。

登山者は、少し眠ってしまった。
目が覚めた時は、もう窓の外は真っ暗で夜が来ていた。
自炊なので、食事を作ろうと部屋を出た。

その時、炊事場に向かう途中の廊下から見えた談話室に、1人の男が座っているのが見えた。
山登りをするには、ちょっと華奢な体の男だった。
男は何をするでもなく、窓の外を見ていた。

声をかけることもせず、登山者は自炊部屋に向かった。
そして即席ラーメンを作り、食べて、外に出た。
夜の山の空気を吸って、登山者は再び部屋に戻った。
山小屋はもう、灯りを落としており、廊下は常夜灯の薄暗いオレンジの光があるだけだった。

登山者は部屋に戻った。
部屋の戸を開けて、一瞬、ひどく驚いた。
誰もいないと思っていた部屋の入り口のベッドに、男が寝ていたからだ。
男の近くには、古めかしいザックが置いてあった。

山では、夕方近くになると雷雨が発生することもある。
だから登山者は午後の3時ごろにはもう、行動をやめるのが普通だった。
ましてや夜も10時になって、この小屋に到着するような行動は考えられなかった。

だが考えてみれば、この男は自分が自炊部屋に行く前に談話室にいた男かもしれない。
自分よりも早く到着したのを、自分が気が付かなかっただけだろう。
登山者はそう思って、自分も窓際の二段ベッドの上の段にもぐりこんだ。

しかし、夕方に眠ってしまったせいか、今度はなかなか寝付けなかった。
このままだと、明日に差し支える。
そう焦りながらも、うつらうつらした時だった。
耳鳴りがした。

起き上がろうとしたが、体は動かなかった。
耳鳴りは、ますます激しくなる。
登山者は懸命に体を動かそうとして、横を向いた。
その時、声にならない悲鳴を上げた。

二段ベッドには、登るための階段がある。
その階段の上から、誰かが自分をのぞき込んでいる。
先ほど、入り口付近で寝ていた男だ。
あの男が、自分をのぞきこんでいる。

登山者は、あまりの恐怖に固く目を閉じる。
全身から、冷や汗が吹き出た。
すると、耳鳴りがやんだ。



…いや~、これは怖かった。
相手が人間だってこれは怖いですよ。
絶対、こんな経験したくない。


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2015.12.10 / Top↑
安曇潤平氏の著書「山の霊異記 赤いヤッケの男」。
メディアファクトリーから出版されている実話集です。
怖くて、怖いだけではない怪異談の数々。


「追悼山行」。
語り部の友人が、学生時代に属していた山岳部で代々伝わるお話。
3月、その山岳部はリーダーと副リーダーが新人3人を連れて山岳訓練を行った。
副リーダーが先頭で、間に新人3人を挟み、最後をリーダーが歩く。

新人といえど、山岳経験は豊か。
順調に進むかと思った登山だが、途中から雪がちらつき始めた。
地上では3月は春だが、山では冬。

この先、どうするかリーダーと副リーダーは話し合ったが、リーダーはこのまま山頂を目指す決定をした。
だが雪は予想を超えて降り始め、8合目辺りでは前が見えないホワイトアウト状態となった。
リーダーは後悔しながらも山小屋を目指し、やっとのことで山小屋に到着した。

午後も4時となり、あたりはもう暗い。
そこで新人の1人、Kがいないことに気づく。
確かに間に挟まって歩いていたのだが。
はぐれたか!

副リーダーが探しに外に出ようとする。
だがリーダーはそれを止め、一緒に行こうとする副リーダーには、残ったメンバーの面倒を見るように言った。
そんなに遠くにはいないはずだ。
すぐに連れて戻ってくる。

残った3人が息を潜めて、待つ。
20分ほどして、小屋の戸にドーンという衝撃があった。
あわてて戸を開けると、Kが転がり込んできた。

いつの間にか道を外れてしまったが、何とかたどり着けたと言う。
「お前、リーダーに会わなかったか?」
「いいえ」。

「お前を探しに行ったんだ」。
「えっ!」
仰天したK。

副リーダーが外に出ようとしたが、外はすでに人が歩けるような天候ではなくなっていた。
リーダーは戻ってこなかった。
救助隊が出動し、捜索隊が出動し、春には山岳部のOBまでが加わって探した。

それでも、リーダーの遺体は見つからなかった。
捜索が打ち切りになった1年後の3月。
山岳部はリーダーの追悼登山をすることにした。

天気は良く、晴れ渡っていたが、一行はリーダーを最後に見た山小屋に宿泊することにした。
思い出話に花が咲いた。
みんな、車座になって座って、話した。

その時、天候が変わった。
外が吹雪になったのだ。
しばらく天気は良かったはずなのに。

こんな状態では明日は登頂を目指すことを、あきらめなければならないかもしれない。
その時。
「おい…、誰かこっちに来るぞ」。

1人が言った。
ザッ、ザッ、ザッ。
雪を踏みしめ、外を歩いてくる音がする。

みんな、口を閉ざした。
確かに登山靴が雪を踏みしめながら、こちらに近づいてくる音がする。
夜の10時だ。
この時間に、山を目指して登ってくる者がいるだろうか?


…怖いです。
夜の闇。
雪の音。
静寂。

その静寂の中、こちらに向かってくる足音が感じられます。
みんなの緊張。
恐怖も伝わってきます。

都会でも怖いでしょうが、周りに家も灯りもない山の中。
こんなことがあったら、とても平常心ではいられません。
逃げ場もない。
どうしたらいいか、考えてもわからない。

山の大きさ、自然の驚異。
自分の無力さを感じる話です。
ちょっとしたことが命に関わってしまうんだと思う。
生死が隣り合わせにある山なら、こんなことは起きるだろうと思ってしまう。

そして、山に登る人たちの絆が固いわけもわかる。
戦友ですよね。
もう、極限状況を力を合わせて越える、戦友なんじゃないかと。

その友情は固いでしょう。
こんな友情を得られるだけでも、山に登る意味ってあるんじゃないかと思ってしまう。
そしてこの恐怖の後、人の思いが胸に迫る出来事が続きます。
こういう話を知ると、人間の思いって肉体がなくなっても残るんじゃないか?と思いますね。

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2015.10.14 / Top↑
少し前、久々に未確認動物の動画を見ました。
しかしそれより現在正体がわかっている動物の方で、よっぽど怪物っぽいのがいました。
ブラジルで釣りをしているご夫婦の前に現れた、巨大アナコンダ。

アナコンダという映画がありましたが、あれはもう、立派な怪物ですね。
大きくて、それでお腹がいや~な感じに膨れている。
う、何か…、飲んでる…。

旦那さんが尻尾を捕まえてましたが、巻きつかれたら危険と言われてました。
奥さん激怒してましたけどね。
ほんと、危ない。

蛇は尻尾を持つと、頭をあげて噛み付いてきますよ。
噛まれると、傷口は小さくても切開しなきゃいけないとかで、非常に厄介で痛いことになる。
蛇は、あんまり構うもんじゃないです。
あちらも構われたくないでしょう。

どうぞ、お構いなく、ただ通過しているだけですから。
って言っても、猫は構っちゃうみたいですけどね。
あれは良いでしょうというか、しょうがない。
猫は小さくて、かわいい妖怪でもあるから…。


2015.05.03 / Top↑