美容歯科 税理士 求人 こたつねこカフェ 僕と彼女と彼女の生きる道
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「生き方を変えなさい」って思えたら
2016/12/22(Thu)
「僕と彼女と彼女の生きる道」を今、放送しているんですね。
この作品について記事を書いたことがありますが、それも5年前。
もっと最近の気がしていました。

あの時も良いドラマだなあと思って見ていましたが、現在見るとまた違った感想も出てくるんです。
自分の状況が5年前とはまた変わっているため、見る角度が違ってるんでしょう。
つまり、何年経っても考えさせられるドラマであると思います。

今日は第7回で、井上部長が飛び降り自殺をした後でした。
徹朗が凜ちゃんに「銀行辞めることにしたんだ」と言う。
自分のせいじゃないかと思ってしまう凜ちゃんに「もっと一緒にいたいんだ」と言う。

徹朗が言うと、凛はうつむいたままだった。
すると徹朗は言った。
「凛ともっと一緒にいたいんだ」。
「今までとは違う生き方をしたいんだ」。

今、徹朗の選択肢はあり得る選択肢だと、最初に見た時より強く思います。
自分の自由な時間と社会的地位と収入を秤にかけて、時間を取る。
そういう考えの人は、あの頃より増えているかもしれません。

ある有名人が言っていたんです。
人生相談で「月これだけの額がないとやっていけないから、つらくてもやるしかないなんて、それは思い込みだよ」と。
この人は、かなりお金儲けにシビアで優れている人だと思っていました。
私が知らなかっただけかもしれないですが、物欲名誉欲金銭欲、とにかく欲望が強い人だと思っていました。

それが自分は人が持っているもの、やっていることができなくて良い。
豪邸に住みたいと思わないし、ブランドの時計も車もいらない。
だったらそんなに稼がなくて良いし、必死に働かなくて良い。
自由な時間がある方が良いって言うんです。

そんなことできないって思うのは、それは周りにそういう選択肢を取った人がいないだけだよ、と言う。
怖いだけ、不安なだけだよ、と。
人生はもっと楽に生きていけるって、言うんです。
今のやり方がつらいなら、無理があるなら、それやめたっていいじゃないかって。

欲望が強くて、それに正直な行動を取る人だと思っていたので、この言葉にビックリしました。
そしてそういう人だと思っていた彼から、この言葉が出るとすごく説得力がありました。
徹朗の選択肢ってこの人が言っていたことになる、と、ドラマ見ながら思ったんです。
もちろん、これから徹朗は大変なわけですが、自分が納得するところに行き着きます。

井上課長が常務になれなかったということは、どこかから、誰かから「生き方を変えなさい」って言われたことではないか。
そう思えるのと、思えないのとでは人生は天と地ほども違ってくる。
楽に生きていく人生が、彼にはあったかもしれない。
亡くなってしまったことは、本当に残念だった。

「お前も負け組か」って徹朗に言った上司だって、年を取る。
人は年を取る。
誰かの介護をしなければいけなくなっているかもしれない。

自分と違う生き方を取った人を、負け組と言えるような人生ではなくなっている可能性がある。
傲慢でいられなくなる時が、彼にも来る。
その時、この人は何を思うだろう。
こんなことも思いながら、見ました。

徹朗が寄り添ってきた凜に、しみじみ「ありがとう」と言う。
カラオケのトイレで、糸が切れたように泣く徹朗。
不器用な演技だと言う人もいましたが、私は不器用にしか泣けない男の泣き方をしてると思いました。
今見るとまた、違った見方ができるこれは本当に良いドラマです。


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凛の父親でいさせて欲しい 「僕と彼女と彼女の生きる道」最終回
2011/03/02(Wed)
「僕と彼女と彼女の生きる道」、最終回。


凛が可奈子に連れられて出て行った後、徹朗は抜け殻のようになって凛の部屋に座り込んでいた。
ゆらが訪ねてきた。
「こんにちは」と言っても、返事がない。

凛の部屋をのぞくと、徹朗は茫然自失してベッドにもたれて座っていた。
ゆらは徹朗の横に座った。
優しく、徹朗の髪を撫ぜると、徹朗はゆらに頭を預けてきた。
徹朗の目からも、ゆらの目からも涙がこぼれた。

翌朝まで、2人はそのままの体勢で寝ていた。
ゆらが先に目を覚ました。
「おはようございます」。

徹朗も目を覚ました。
「おはよう」。
夕べは一言も発しなかったが、「いてくれて、ありがとう」と徹朗は言った。
「もう少し、いましょうか」と言うゆらに「凛が…、出て行った」と言う。

徹朗はレストランの仕事にも、集中できない。
皿を運ぶ際に、皿を落として輪ってしまった。
「すみません」と謝る徹朗にシェフは「具合でも悪いのか?」と聞いた。
シェフに「仕事にならないなら、帰れ」と言われて、結局帰宅させられてしまった。

翌日は、仕事を休んだ。
スーパーマーケットへ買い物へ行くと、そこで買い物をしているゆらに会った。
「洋食屋、もう辞めようかと思ってる」と徹朗は言った。
「どうしてですか?」とゆらが聞くと、徹朗は「凛がいなくなったんだから、意味ないよ」と答えた。

それを聞いたゆらが言う。
「凛ちゃんを言い訳にしないでください」。
「してないよ」と徹朗が言う。

そして「どうでもいいよ。凛はもういないんだから」と言った。
帰ろうとした徹朗に、ゆらが怒った。
「頭冷やしてください!」

その頃、凛は食事の支度をしている可奈子に向かって話しかける時、つい「お父さん」と言ってしまっていた。
ハッとする可奈子、凛。
「…ごめんなさい」と言う凛に可奈子は「お父さんに会いたい?」と聞いてみた。
「ううん、会いたくない」と凛は明るく答えた。

徹朗は翌日は仕事にも行き、帰りにゆらのいるマンションを訪ねた。
「昨日はごめん」。
徹朗を家にあげたゆらに、徹朗は不服申し立てをするかしないか、悩んでいると言った。
はたして、凛はどうしたいのだろう。

「凛ちゃんは、どちらかを選ぶことなんてできません。…もっと大事なことがあるんじゃないですか」。
帰り道、徹朗の頭にゆらの言葉が響く。
レストランでは、自分が切ったにんじんを子供が残していた。
義朗も「明日までに不服申し立てをしないと、親権は可奈子さんのものになるんだろう?」と心配する。

だが徹朗は言った。
「しない。もっと大事なことがわかったから」。
徹朗の言葉に、義朗は意外にも「そうか。お前がそう決めたなら、それでいい」と答えた。
帰ろうとする義朗に、徹朗が言う。

「凛、親父に遊んでもらって、楽しかったって言ってたよ」。
すると、義朗は言った。
「楽しかったのは、俺の方だ」。

凛が東京を離れ、神戸に行く前にゆらに会いに来ていた。
ゆらの家で凛は、可奈子が帰って来ることを願って貼っていたスタンプカードを持って帰ると言う。
凛がゆらに言う。
「ずっと凛の先生でいてくれる?わからないことがあったら、電話してもいい?」

ゆらが微笑んでうなづく。
「うれしい。凛ちゃんがそう言ってくれて」。
ゆらは凛と約束の指きりげんまんをする。

凛の荷物を取りに、可奈子が徹朗の家に来ている。
可奈子の様子も、以前と違う。
徹朗が言う。

「可奈子はもう、俺とは関わりたくないと思う。でも凛のことでは、協力し合えないかな」。
かつてない徹朗の、可奈子への真摯な態度。
「もし何かあったら相談して欲しい。俺にできることはやらせて欲しい。これからも凛の父親でいさせて欲しいんだ」。
凛はもう、一緒に暮らせないことは理解している。

「離れていても、父親に愛されているんだって、凛にはいつも感じいて欲しい。だから凛に、愛してることを伝え続けたい。伝え続けることを認めてほしい。ダメかな」。
徹朗が話し終わると、可奈子も徹朗を見た。
「どうしたらいいか、わからないことがあったの」。

「でももう、答えが出たわ。私は親権を手にした時、すべて解決したと思った。でも凛にとっては、何の解決にもなってなかった」。
可奈子が続ける。
「私が家を出る前は、凛はあなたのことはただ、一緒に住んでる男の人にしか思ってなかったのに、今は違う。大好きなお父さんになってる」。

徹朗は可奈子の言葉を聞いている。
「凛にとって、誰と暮らすのかは重要。だけど離れて暮らす親とこれからどうなるかも、すごく重要なんだと気づいたの。だけど、どうしていいかわからなくて。ここに来るまで、まだあなたを信用できなかったから」。

「でも、わかった。あなた、本当に変わったわね。これからもずっと、凛に愛してると伝え続けてあげて。あなたは凛の立派な父親よ」。
「ありがとう。可奈子」と徹朗は言った。
「凛をよろしくお願いします」。

「あなたはどう思ってるの?凛にとって、私と暮らすことはいいと思ってる?」
「凛は可奈子のことが大好きだ。可奈子も凛を愛してるんだろう?」
家を出て行く時、可奈子は凛を愛してない、と言った。

「はい」。
「2度と手放さないんだろう?」
「はい」。
「じゃ、何も問題ないじゃないか」。

徹朗は微笑む。
「ありがとう」と可奈子が答える。
ゆらと帰って来る凛を迎える可奈子は、ゆらにも言った。
「小柳を変えたのは、凛だけじゃないわね」。

徹朗は、定期的に凛と会うことも決めたと弁護士に伝える。
弁護士も、何だかうれしそうだった。
レストランでは徹朗にシェフが、「おい、やってみるか」とにんじんのグラッセを作らせてくれた。

徹朗は家でも作ってみた。
凛の描いた自分の働く絵を見て、やる気を出して作った。
徹朗が作ったにんじんのグラッセを、試食もせずにシェフは「盛り付け」と言って出した。

客の子供が食べている。
「おいしい」。
徹朗は密かに、「やった!」とガッツポーズを取る。
シェフが笑っている。

岸本が訪ねてきた。
マミも一緒だった。
2人は付き合うことになったらしい。

宮林に徹朗は「今の仕事を続けることに決めました。僕の作ったにんじんをおいしい、って言ってもらえたんです。オムライスやハンバーグも作れるようになりたい」と言った。
徹朗の変化を祝福しながらも、宮林は「俺は出世争いとか、嫌いじゃない。だからこの世界から抜けられない」と答えた。

凛は転校する。
神戸に引っ越しする前日、凛は徹朗の家に泊まった。
可奈子も明るい顔で、送り出した。

徹朗は凛に手紙を書いてくれと言って、封筒を出し、住所を書くのを練習させた。
毎月ちゃんと、封筒と便箋と切手を送る。
「ひとつだけ忘れないでほしいことが、あるんだ。お父さんはいつでも、凛のことを思っているから。離れていても、凛のことが大好きだから」。

徹朗を見つめた凛は、いつものように返事した。
「はい!」
ゆらも来て、徹朗が料理を作って3人で食べた。

帰り際、ゆらは「凛ちゃん」と呼ぶ。
「いい名前だね。凛ちゃんって」。
夜、ベッドで凛は徹朗に尋ねた。
「凛はどうして、『凛』って言うの?」

「お父さんとお母さんが、2人で考えたんだ。凛々しい子に育ってくれるように、って」。
「凛々しいって?」
「きりっとして、勇気のある子」。

2人で考えた名前。
凛が2人の子供であることは変わらない。
朝になり、凛と徹朗はマンションを出た。
いつも通っていた橋を歩く時、凛は初めて、徹朗に両手を持ってもらって飛びはねて歩いた。

徹朗は思い出す。
凛のハーモニカにいらつき、取り上げようとしたこと。
いつでも凛は、徹朗の言いつけを「はい」と返事をして聞いていた。
新幹線のホーム。

徹朗と別れて、新幹線に乗る凛。
新幹線が動き始める。
徹朗は思わず、新幹線を追う。
凛は、背伸びして窓から顔を徹朗を見る。

ホームに、徹朗だけが残される…。
ス-パーでゆらと会った徹朗は、意外にも明るかった。
「今日の夕食は何を作る?」と話すと2人ともカレーだった。
「俺も今日、カレーなんだ。何カレー?」

「野菜カレーです」と答えるゆら。
「俺も」。
「あのさ、1人でカレーって大変じゃない?」と徹朗は言うが、別れ道「じゃあ」と言って帰って行く。

半年後。
凛から手紙も届いている。
「あと、頼むな」と言ってシェフが帰って行く。

今日は徹朗が店を貸しきった。
可奈子に連れられて、凛がやって来る。
もうひとつ、席がある。

「お父さんの大好きな人。でも来るかどうか、わからない」と徹朗は言う。
「その人がお父さんのことを、どう思ってるかわからないから」。
すると、ゆらがやってくる。

凛が笑う。
新しい学校でできた友達のことを、楽しそうに話す。
「娘が笑っている。彼女が笑っている。ただそれだけで俺は幸せだ」。

義朗はホテルのベルボーイの仕事に就いた。
宮林の飲んでいる横に、亡くなった井上部長が見える。
井上部長に乾杯する宮林。

そして、徹朗と凛は話している。
可奈子は歩いている。
僕と彼女と彼女の生きる道だと、徹朗は思った。



一応、ハッピーエンド。
でもどうしても、徹朗と可奈子がやり直す、ということにはならなかった。
そこがリアル。

親子は切れないけど、2人は切れるんだな…としみじみ思いました。
だけど、凛の親であることには変わらない。
どっちも凛にとっては、かけがえのない親。

それまで取り上げることなんて、できない。
だから、可奈子も悩んでしまった。
自分は残酷なことをしたのではないか、って思ってたんですね。

これで終わってしまうわけじゃないけど、新幹線を追う徹朗が切なかった。
凛も窓からずっと徹朗を見つめている。
ホームに到着した徹朗と凛を車内から見ても、可奈子は席にいる。

昔の可奈子なら、徹朗を信頼してないからまず、預けなかったと思う。
心配して、すぐに凛を車内に引き取ったと思う。
2人の邪魔はしないというか、2人には2人の世界があるから立ち入らないことにしてるんだな、と思いました。

「1人でカレーって大変」って言ったけど、凛とのことがあったばかりですぐにゆらを誘わない徹朗。
うーん、1人帰って行った時は「なんじゃーい!」って思いましたが、それだけ誠実なんですよね。
最後、ゆらが来てくれてよかった。
小雪さん、ここではとっても知的で、かわいらしかった。

見てないようで見ているシェフ。
試食しないってことは、うまくできてるって確信してるからですよね。
徹朗をしっかり、見てる。
松重豊さん、渋い。

凛といつも渡っていた橋を、はしゃぎながら行く徹朗。
最初は凛が一生懸命、徹朗に合わせて走っていた。
徹朗は、凛のことなんて考えてもいなかった。

それが自転車を危ないなあと言い出し、凛が学校に行かなくなり、そして手を繋ぐようになり。
徹朗もさっさと歩くことがなくなった。
良い親子になったんだな。
でも、もう一緒にこの橋を通勤と通学に通うことはなくなった。

それぞれ、すべて伏線というか、問題がそれなりに答えを出してました。
義朗も、岸本も、マミも、宮林も。
それぞれの道を行く。

そして、可奈子とはわかり合えたけど、もう元には戻らない。
可奈子は可奈子の歩く道を。
徹朗は徹朗の歩く道を。
ゆらとは、ゆっくり、ゆっくり、進んで行くんでしょう。

寂しいけど、もう戻らないものがある。
戻らない人もいる。
でもそれぞれの道が見えて、それぞれが歩いていく。

良いドラマでした。
何で本放送の時、見なかったんだろ?と思いました。
草なぎさんも、冷徹な仕事人間から血の通ったパパになりました。
義朗と和解したのも、良かった。

一応、ハッピーエンド。
夫婦は別れてしまったけど、みんな笑顔で終わった。
だから、ハッピーエンドですね。

いや~、草なぎさん、重い役柄、お疲れ様でした。
良かったですよ。


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どうして早く気づかなかったんだろう 「僕と彼女と彼女の生きる道」第11回
2011/02/23(Wed)
「僕と彼女と彼女の生きる道」、第11回。


徹朗が洋食屋で働いている間、義朗が家に来て、家事を手伝ってくれることになった。
慣れない仕事で忙しくても、凛を見ていると徹朗は幸せだった。
凛の担任の石田には、家庭裁判所で親権の審判になっていることを伝えた。

石田は「教師として、子供に本気で接することの意味を改めて考えるようになりました」と言った。
徹朗が学校に抗議した時から、石田もまた、教師になった時の初心を思い出していた。
教師になった原点に帰った、というのだった。

美奈子は家庭裁判所の調査官から、凛と徹朗の生活について聞かれていた。
「て一生懸命やってくれてますが、正直いたらないところもあると思います」と美奈子は答えた。
だが、内心、かなりのためらいがあった。
凛が徹朗のことを楽しそうに話すからだ。

家に戻った美奈子は、可奈子に言う。
「これからは何があっても、凛ちゃんのことを一番に考えてね」。
「約束する」と可奈子は言った。

美奈子の陳述書が、次の審判に出された。
可奈子側の弁護士は「作れる料理はわずかですね。母親なら、今すぐ栄養のバランスのとれた料理を作ることができます」と言った。
徹朗は何も言えなかった。

だが徹朗側の弁護士は「美奈子さんは可奈子さんの実母で、信用性に欠けます」と言う。
弁護士は次回、美奈子への反対尋問を要請した。
それは受け入れられた。

可奈子は宮林と会っていた。
宮林は徹朗の退職の顛末を語った。
「本当に凛のために銀行を辞めたのね」と可奈子は驚いた。

審判になっていると聞いた宮林は、「凛ちゃんが小柳をどんどん、好きになるのが怖いんだろ?」と言った。
それは図星だった。
可奈子は黙る。

徹朗が仕事から帰宅すると、ゆらがいた。
ゆらは凛の願い事を伝える。
「一度でいいから、お父さんとお母さんと3人で、遊園地に行きたいそうです」。

それを聞いた徹朗は「どうしたらいい?」とゆらに聞いた。
「小柳さんが思ったとおりで、いいんじゃないですか」とゆらは答える。
徹朗は決心し、可奈子に連絡を取った。

日曜日、徹朗と凛は遊園地に行く。
可奈子が待っていた。
凛は2人の真ん中で、2人と手をつなぐ。
3人で遊園地に行った凛は、徹朗とも可奈子とも乗り物に乗った。

とても楽しそうだった。
いつか、徹朗とペンキ塗りたてなのに、座ってしまったベンチがあった。
凛はその時のことを思い出して、徹朗と笑った。
可奈子は徹朗と凛の間に、自分がいない間にできた絆と思い出にショックだった。

可奈子は家に帰ると、凛が生まれてからずっとつけていた育児日記とアルバムを見た。
凛が生まれた日から、ずっとつけていた日記。
そして凛の写真。

初めて凛が話した時。
可奈子はずっと、凛を見て来た。
「凛との思い出、終わらせたくない」と、可奈子は日記を抱きしめる。
美奈子はじっと見つめていた。

可奈子はその日記とアルバムを、家庭裁判所の審判に提出した。
「これはなかなか強力かもしれません」。
弁護士は言った。

徹朗は思い出す。
凛が生まれた当初は、凛の話を可奈子から仕事から帰っても聞いた。
だが、仕事が忙しくなり、段々、可奈子の話が面倒になった。
聞き流すようになり、可奈子の話を聞かなくなった。

2人は言い争うようになり、やがて可奈子は徹朗と話をしなくなった。
これまでの凛を、徹朗は知らない。
凛が初めて逆上がりができた時の、喜びを思い出す。
あんなことがたくさん、たくさん、あったに違いない。

なのに、無関心だった。
自分はほんの少しの間、凛といただけではないか。
「どうしてもっと早く、大切なものに気づかなかったんだろう…」。
後悔してつぶやく徹朗に、ゆらは言った。
「いいじゃないですか。やっと、気づけたんだから」。

家庭裁判所で、徹朗側の弁護士による美奈子の反対尋問の日が来た。
可奈子側の弁護士は、徹朗がは凛の世話を見られなかったことを並べあげ、責めた。
確かに、その通りだと徹朗は思った。
可奈子が徹朗を見る。

「つまり小柳さんは、父親失格ということですね」と弁護士が美奈子に同意を求めた。
美奈子は沈黙していた。
それを同意と受け取った時、美奈子がおもむろに言った。
「いえ、徹朗さんは立派な父親です」。

可奈子が驚いて、美奈子を見る。
徹朗も美奈子の意外な言葉に驚く。
可奈子の弁護士も、徹朗の弁護士も驚く。

「反対尋問は」。
「結構です」と徹朗側の弁護士は終わらせた。
「決定は追って、お知らせします」。

審判は終わった。
帰り道、可奈子は美奈子の言葉は自分への罰だと受け取っていると話した。
母親が徹朗の弁護をするなど、信じられなかった。

徹朗にも落ち着かない日々だった。
仕事中、徹朗の携帯に電話が入った。
徹朗はすぐに飛びつくようにして、出た。

そして…。
皿洗いをする徹朗の目から、涙が溢れる。
親権は、可奈子になってしまった。

仕事を終えた徹朗が帰宅すると、可奈子が凛を迎えに来ていた。
少しでも早く、凛と暮らしたい。
「お父さんに挨拶して」。

そう言われた凛は、徹朗を見つめた。
「お父さん、さよなら」。
玄関で凛が徹朗に言う。

ドアが閉まる音が響く。
誰もいなくなった部屋。
徹朗は絶句し、凛がいなくなった部屋で立ち尽くす。



凛は3人で遊園地に行きたいと話す。
おそらく、いつも可奈子とだけ、行っていたであろう遊園地。
可奈子がいなくなった後は、徹朗と初めて打ち解けた遊園地。

3人で行きたい、こうやって家族で行きたかった。
もう、子供なりにもう3人では暮らせないことはわかっているけど。
子供の心が、切ないですね。

楽しそうだから、悲しい。
凛は可奈子とも徹朗とも乗るんですが、徹朗と可奈子は一緒には乗らないですもんね。
そして、思い出す、凛と初めて交流ができた時のこと。
同じ失敗をし、同じ寂しさを共有した時のこと。

徹朗と凛に、自分の知らない時間が生まれていることに気づいた可奈子が、焦る。
不安になる。
自分が信じてきた凛とだけ生まれていたはずの絆。
だけど、凛は徹朗ともちゃんと絆を築いている。

可奈子が信じていたものが、ゆらぐ。
まるでその不安を、今までの積み重ねで確認するように、可奈子が凛の成長記録とアルバムを見ている。
絶対、ここで凛との生活を途切れさせてはいけない。

だったらなぜ、凛を置いて出たのか。
愛してない、なんて言ったのか。
衝動をバネに出て行かなくてはいけなかったのはわかるけど、日記を抱きしめる可奈子がちょっと愚かに見える。

可奈子に、母親として味方した美奈子だけど、今度は徹朗に、人間として言わなきゃいけないんじゃないか…と葛藤する。
凛の幸せを考えたら、徹朗を全面否定したままでは不誠実なのではないか…と。
徹朗側では、義朗の肩を徹朗がもむシーンがありましたが、不器用な、言葉が足りない男同士が、感謝と信頼を表しているみたいでとっても良かった。

そして、徹朗は徹朗で、自分はまったく凛のことに無関心だったことを、改めて思い知らされてる。
徹朗もショック。
自分が無関心だった間にも、凛にはいろんなことがあった。
逆上がりの時の喜びを思い、あんなことがいっぱいあったんだとわかる。

それに対して、可奈子だけが向き合っていたことも。
自分は父親でいる資格がないのではないだろうか?
不安になった徹朗に、ゆらが助言してくれる。
気づいたんだから、いいじゃないですか、って。

過去って、とりもどせないんですよね…。
つらいなあと思いました。
でも、やり直すことはできたりする。

相手がいてくれれば。
だって、石田先生だって原点に戻れたわけだし。
しかし、凛ちゃんの親権は可奈子に。
そんな気がしました。

まるで、不安を断ち切るかのように可奈子は凛と徹朗を引き離す。
でも、結果として、可奈子に振り回されてる凛ちゃんの気持ちってどうなんだ!
それを一番に考えてやってくれ!と言いたくはなりました。

おー、私、ドラマに入り込んでる、入り込んでる。
ねえ、草なぎさんには彦一の欠片もないですよ。
今の不器用だけど、誠実で、引っ込み思案で、でも芯が強い祐とも違うし。
草なぎさんの別の一面を見せてもらってます。


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本当に変わったんだ  「僕と彼女と彼女の生きる道」第10回
2011/02/22(Tue)
「僕と彼女と彼女の生きる道」、第10回。

凛の親権は審判となった。
徹朗はそれは自分のわがままかと悩み、ゆらに相談した。
「たった数ヶ月、凛のこと見ただけなのに」。
「そんなこと、ないと思います」。

凛にも徹朗は、今の状態を話した。
凛は素直にそれを受け入れた。
徹朗はゆらから、弁護士を紹介してもらう。
ゆらから頼まれた勝亦は、徹朗に名刺を渡した。

徹朗は今、自分には名刺がないと言った。
美奈子が訪ねてきて、凛の親権を可奈子に渡してほしいと頭を下げた。
自分も母親だから…と許しを請う美奈子だったが徹朗も、これだけは譲れなかった。
「すみません」。

徹朗と凛の生活を調査しに、家庭裁判所から調査官がやって来た。
調査官は徹朗に席を外すように言うと、凛は徹朗の顔を見る。
「思ったとおりに答えればいいから」と言って、徹朗は出て行く。
だがやはり、徹朗は落ちつかない。

可奈子と一緒の時は、凛はどうなのだろう。
徹朗はゆらに不安を打ち明ける。
調査官が同席し、凛と会った可奈子は徹朗に凛を今晩、家に泊めたいと言う。

凛の楽しそうな様子を見て徹朗は内心、動揺したが、「いいよ」と答えた。
手をつなぎ、楽しそうに遠ざかっていく凛と可奈子。
徹朗の不安はつのる。

翌日、凛を連れて行く可奈子は、ゆらに会った。
挨拶した可奈子だが、「母ったら、ゆら先生と徹朗が親しそうだって言うのよ」と言った。
ゆらは何も言わない。

可奈子は微笑み「近いうちに凛は私と暮らすことになると思うの。それまでよろしく」と言って凛を連れて遠ざかっていく。
ゆらが徹朗のマンションを訪ねると、そこには義朗がいた。
徹朗は仕事にでかけたので、義朗が留守を預かっていた。
ゆらを見た義朗は、弁護士さんのことでゆらに礼を言った。

義朗のところにも調査官が来るらしい。
だが義朗は考えたら、凛のことは何も知らない。
「何もわからなくてね」と言う義朗に、「きっとすぐ仲良くなれます。凛ちゃんはいい子ですから」と言った。
そして、とまどう義朗に「凛ちゃんを呼んできてください」とお願いした。

義朗はとまどいながらも子供部屋に行き、「先生がおみえになったぞ」と声をかけた。
凛が振り向き、「はい」と返事をした。
笑いかけられて義朗も思わず、微笑む。

審判の最初の日。
徹朗側の弁護士は、可奈子が凛を置いてきたことを指摘した。
可奈子はまず、離婚がしたかったと答えた。
徹朗は凛に無関心だった。

だから、親権の肩書がほしいだけで、養育は可奈子にさせてくれると思った、と。
それを聞いた徹朗は言った。
「可奈子、俺、本当に変わったんだ。凛に聞いてみてくれ」。

しかし、可奈子は答えた。
「凛はあなたのこと、何も言わなかったわ」。
徹朗が黙る。

可奈子側の弁護士は、離婚の原因は徹朗だと指摘した。
徹朗は素直に「あの頃の私は、父親として失格だったと思います」と答えた。
弁護士はさらにマミとの浮気を調べてきていた。

「あなたは3年前に浮気をしましたね」。
可奈子がチラリ、とこちらを見る。
気づいていた…。
徹朗は動揺し、「たった1回です!」と口走ってしまう。

徹朗側の弁護士も可奈子を責める。
「あなたは子供を捨てたんです」。
それを言われた可奈子は涙声で「後悔しているんです。もう2度としません」と言った。

「だから凛の母親でいさせてください。他に何もいりません」。
可奈子は最後の方は泣いていた。
数日後、弁護士事務所を訪ねた徹朗は、弁護士から手紙を手渡された。

義朗が届けてきたものだった。
「上申書のようなものです。家庭裁判所に提出するつもりですが、読まれますか?」
徹朗は読みはじめた。
手紙には、義朗が徹朗の子供時代、仕事一筋でまったく家庭を顧みなかったことが書かれていた。

それでいいと思っていた。
だからもし、徹朗がそうだったならば、それは自分に責任がある。
しかし、徹朗は自分とは違った。

凛の面倒を真摯に見ていた。
徹朗から凛を、取り上げないでください。
父の手紙を読んだ徹朗は、言葉に出さなかった父の、徹朗への愛情を感じる。



徹朗側から見ると、美奈子はやっぱり可奈子の味方で、少々身勝手に見えるんだけど、母親として娘を取り上げられたくない思い。
そしてやっぱり、娘の味方になってしまう。
親だなあと、ありがたいと思ってしまった。

逆に今まで、ごく控えめな、不器用な表現してなかった義朗の親心がはっきりわかって、徹朗じゃなくてもジーンとしました。
他人から見て身勝手だとしても、親だけは味方についてやりたい。
そこで、徹朗はお互いを傷つけあう審判を、不毛だとは思っているような表情。

頭の良い人だから、可奈子の凛を思う気持ちが自分と同じことは気づいていると思う。
逆に可奈子はもう、徹朗を敵としか認識していない。
同じ、凛の親なのに、傷つけあわなければ凛とは暮らしていけない。
だけど、これだけは譲れない。

そして、母親と一緒に過ごせる凛のうれしそうな表情を見ていると、不安になってくる。
自分のことなんか、どうでもよくなってしまうんじゃないだろうか。
やっぱり、可奈子がいいのではないだろうか。
不安を話すのは、いつもゆら。

ゆらから頼まれて弁護士を紹介した勝亦は、ゆらに打ち明ける。
名刺を渡したのは、わざと…。
徹朗が今、名刺がある身の上じゃないのをわかっていて、わざと名刺を渡した。

だけど、その後来たのは、猛烈な自己嫌悪だって。
勝亦さん、いい人ね。
人間らしいね。

凛のことを徹朗の時同様、何も知らないことを自覚させられた義朗。
とまどいながら、凛と接していく。
屈託ない凛に、愛情が芽生えていく。
徹朗の気持ちがわかる。

いや、この人も不器用だっただけ。
家族を守ることが父親の仕事で、それは仕事で上に行くことだったから。
可奈子はここでは、とっても身勝手な自己満足の人に見えますけど、無関心な徹朗との長い生活の積み重ねがあったと解釈しました。
でも、もうちょっと凛ちゃんが大人になったら、責められるようなことしてるけど。

このドラマ、結局、誰かが悪い!という方向に話を持って行かないんですね。
誰も悪くはない。
やり方が違うだけ。
根底には、愛情がある。

だからみんな、困ってしまっている。
結論が出ないテーマを扱うだけあって、誰かを憎まれ役にして、安易に結論を出さないところがいいです。
ベテラン俳優に混じって、草なぎさんは繊細な演技を見せてますね。


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どう思おうとそんなのいいじゃないか 「僕と彼女と彼女の生きる道」第9回
2011/02/09(Wed)
「僕と彼女と彼女の生きる道」、第9回。


徹朗はゆらに自分の決意を伝えた。
そして、徹朗は可奈子に、もう一度、親子3人で暮らしたいと伝えた。
怪訝そうな可奈子に徹朗は「俺、本当に変わったんだ」と言う。
しかし、一度離れた可奈子の心は変わらなかった。

「私があなたを愛することは、もうない」と可奈子は言う。
凛と2人でやっていきたい。
可奈子は凛の部屋にいくと、「これは私が作ったの。これも私が作ったの。これも、これも」と、自分が作った数々のものを指さした。
「いつもいつも、凛のそばにいたのは私よ。たった数ヶ月、面倒をみたぐらいで父親ぶらないで!」

可奈子は徹朗が凛の為に、みどり銀行を辞めたことも信じない。
美奈子に、会社に居づらくなることがあったせいではないかと言っていた。
徹朗の苦労と努力を見て来た美奈子は、そうとばかりは言えないんじゃないかと言いかけるが、可奈子は信じない。
「どうしても凛を返してくれないなら、家庭裁判所にお願いするしかないわ」と可奈子は言った。

調停でまとまらなければ、審判になる。
だが、徹朗にはもはや、凛のいない生活は考えられない。
自分は審判になったら、勝てるだろうか。
徹朗は不安をゆら打ち明ける。

仕事が決まるまでの間、徹朗は洋食屋で働きはじめた。
初めての職種は、慣れないことばかり。
この仕事は、単なるツナギと思っていても、若いバイトは就職の話をして、徹朗のいたみどり銀行などに親は入れたがっていると話す。
徹朗のことは、リストラにでもあったのではないか、いかにも仕事ができなさそうだと噂する。

収入も減ってきた。
徹朗には精神的にもきつくなってきた。
ゆらには当初の通り、英語だけにしてくれないかと話した。

月謝を払うのもつらい。
ゆらは、自分がここに来たいから月謝はいい、と言う。
徹朗は笑って、ゆらの好意を受け取ることにした。

徹朗はカレーを作り、ゆらと凛と3人で食べた。
そこに義朗が来る。
ゆらを見て、義朗は戸惑った。

徹朗は「家庭教師の北島さん。父です」と紹介したが、義朗はすぐに徹朗と寝室で話し合った。
まず、みどり銀行を辞めたことを問い詰める。
「一生を棒に振るってことだ」。
父親の言葉に徹朗は反発する。

「俺は親父と違う。家族のこと、ちゃんと考えたいんだ」。
徹朗の言葉に、義朗は驚く。
「会社を辞めたらすることないんだろ?」と定年退職しても、何の趣味さえない義朗はハッとする。
「親父は会社名や肩書でしか、生きてこなかったからだ。俺は絶対にそうなりたくない」

徹朗の言葉に、義朗は傷ついた。
まるで自分の人生を息子に否定されたようだった。
「俺は間違っていない」。
それだけ言って、義朗は帰って行く。

家庭裁判所で、凛の親権変更の調停が行われた。
今、会社を辞めてしまった徹朗より、新しい美術館での仕事の決まった可奈子の方に親権が渡る可能性が大きい。
「銀行辞めたの、マズかったかな」。
徹朗はふと、弱音を吐く。

凛にも「凛はお父さんと住むの?お母さんと住むの?」と聞かれた。
ゆらは「心配しないで」としか言えなかった。
職場の厨房で徹朗は、シェフが盛りつけたばかりの料理皿を落としてしまい、「何やってんだ、バカヤロウ!」と怒鳴られる。

シェフは肉を切り分けながら一言、「この仕事、なめてる?」と聞いた。
まるで自分のツナギ、と言った気持ちを見透かされたような一言。
徹朗は落ち込んだ。

道を歩いていると、「小柳さん!」と岸本に呼び止められた。
営業の途中の岸本は、難しい客の扱いの相談をしてきた。
「俺はもう上司じゃないから」。
聞いていた徹朗は、話を切り上げるようにして、岸本から去っていく。

その夜、宮林が徹朗に電話してきた。
「今から行ってもいいか?」
交差点でその電話を聞いたマミが、「私も行っていいですか?」と聞いてきた。

宮林はマミとやってきた。
買って来たシュウマイを食べながら、宮林はニコニコ信用金庫なら徹朗はすぐ部長なのではないか、と言った。
はしゃぐマミとは別に徹朗は気乗りしない様子だったが、「信用金庫の話、なくなったんだ」と言う。

「今は洋食屋で働いてるんです」。
宮林もマミも驚いた。
「バカだと思ってるんでしょ」と徹朗は言った。

その空気にマミは懸命に取り繕ったが徹朗は冷たく、「今日は帰ってもらえませんか」と言った。
意気消沈してマミは玄関を出た。
玄関を出たところで、宮林が振り返る。

「思ってるよ」。
マミが驚く。
「だけど、俺がどう思おうと、そんなことどうでもいいじゃないか。自分で選んだ道、信念をもって進んでいけば」。
言葉は冷たいが、宮林の応援している気持ちが感じられた。

翌日、義朗が訪ねてきた。
義朗は一通の書類を出した。
それは新しい就職先の資料だった。

「こんなこと、頼んでないよ」と言う徹朗に義朗は「つっぱるな。今の仕事、思ったようにいってないんだろ」と見透かす。
父親がコネをたどって、持って来てくれたことがわかった。
一度はゴミ箱に捨てかけた資料だが、徹朗には捨てられなかった。

そして、凛が帰ってきて、義朗におじいちゃん、と言った。
徹朗が凛とキッチンに立ち、一緒にジュースを作る。
見たことのない光景。
自分はやらなかったこと。
義朗は徹朗と凛を見つめる。

徹朗が洋食屋のガラスを拭いていると、「お父さん!」という凛の声がした。
見るとそこに、ゆらと凛が笑顔でいた。
社会科見学、と言った。
父親の職場を見に来たのだ、と。

厨房で凛は、徹朗が皿を洗う様子をスケッチした。
すると、凛の前にパフェが出される。
「どうぞ」。
いつも無愛想なシェフだった。

「ありがとうございます」と凛は礼儀正しく礼を言った。
「コックさん」。
「俺?」
「もう一つ、いいですか?」

席にいたゆらの前にも、パフェが置かれる。
「サービスです」。
そして、仕事が終わった徹朗とゆらと凛で、食事をした。
つらかった徹朗の心が、温まっていく。

調停の日。
協議は物別れに終わった。
凛の親権は、審判にゆだねられることとなった。



精神的にきつくなって、余裕がなくなった徹朗。
徹朗のプライドがどんどん、傷つけられていく。
会える、会いたいという単純な思いで一緒に来たマミ。

この辺のかわいらしさとか、浅はかさとか、とってもリアル。
だけどまさか、こんな重い状況になるとは思ってなかった。
一生懸命、明るくしようとしてダメで、しょんぼりしている。

こんなはずじゃ、なかったんだよね。
単に徹朗に会いたくて、心配だったんだよね。
わかる、でもやっぱり、徹朗とマミはすれ違うだけだな、と思いました。

ずっと徹朗にかなわなかった宮林が言う。
「バカだと思う。でも俺がどう思おうと関係ないだろう。自分の決めた道歩いてるんだから」と。
人の考えは変えられないから、でも大事なのは自分の気持ちだと。

みんな、人はどこかで、自分が持っているものいないものを納得させて生きていくものだから。
これが宮林の納得の仕方で、徹朗だって人と比べることはないじゃないか、と。
言えそうで言えないエールですね。
心のどこかで、宮林はいつも、徹朗が羨ましいのかも。

みどり銀行にいた時と、全然違う徹朗の、父親としての表情。
それを見た義朗が、しみじみ思う。
この前、徹朗に言われたこと。

本当は徹朗だって、心のどこかでああいう風に父親と触れ合いたかったのではないか。
もしかして、今、徹朗はそれを凛にやっているのではないか。
俺は間違っていないと言ったが、徹朗のやってることだって、間違ってはいないのではないか。

そんな気持ちがこちらに伝わってくる、大杉さん。
「おじいちゃん」と言われて、ほのぼのした気持ちと孫に戸惑うところもかわいらしかった。
別の道っていうのを、定年した今、考える。

でも、何だかんだ言っても心配して再就職先の資料を持って来てくれるなんて、やっぱり父親だなあと思いました。
言葉で何て言っても、結局願っているのは徹朗の幸せですもんね。
それが何なのか、義朗もちょっと考えてしまった。

背の高いシェフが、松重豊さん。
おー、この人、好きな俳優さん。
一見怖いけど、徹朗のどこかいい加減な気持ちを見抜いている。
そりゃそうだ、この人にとっては真剣勝負の職場だもの。

だけど、ちゃんと凛ちゃんにパフェ出してあげる人情がある。
徹朗も、気がつかなかった世界が、人がいるのかもしれない。
しかし、調停は不成立。
親権は審判に!

可奈子は全然、徹朗を信じてないし。
というか、もう愛してないから、一緒にやる気がない。
凛を奪おうとしている敵という認識だけ。

淡々としているんだけど、たまに感情を爆発させる草なぎさん。
こういう演技って、難しいですよね。
頑張ってるなあ。
父親としての、ほのぼのした笑顔が救いだなあ。

みんなが幸せになる道は、ないんだろうか…。
相変わらず恋愛に重きをおかず、人生とか答えが出ないものを見せているドラマですね。
ゆらも、つらい。
決して笑えるドラマではないけど、いいドラマです。
ほんと、よくこんなタイプのドラマに出ると思いますよ、草なぎさん。


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