思わず、「えっ?」と声に出してしまいました。
作曲家の平尾昌晃さんが亡くなりました。
「必殺」シリーズ好きには、欠かせない作曲家さんです。

この方の曲は良かった。
とにかく、引き込まれました。
あの曲が流れると、ドラマがものすごく盛り上がるんです。

お元気だと思ってました。
自分の周りに当たり前のように存在していた方が、どんどんいなくなります。
寂しいです。

とてもとても楽しませていただきました。
ありがとうございます。
平尾昌晃さんのご冥福をお祈りいたします。

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2017.07.22 / Top↑
渡瀬恒彦さんがお亡くなりになりました。
気になってたんです…。
友人が男っぽくて大好き!って言ってましたし。

「226」で青年将校たちの階級章をむしり取っていく時の顔が、すごく怖かった。
迫力ありました。
後の「おみやさん」や「9係」「タクシードライバーの推理日誌」で見せる温厚な顔とは全然違う。

私は任侠映画を知りませんが、渡瀬さんのお若い頃はギラギラして、あれが普通。
むしろ最近、穏やかになったなって思っていたそうです。
まだまだ渡瀬さんの姿を見られると思っていたので、とてもショックです。
男っぽい役もできましたが、だらしない役も良かった。

渡哲也さんもかっこいい、かっこいい兄弟です。
だけど、お兄さんより使える役の幅が広かったと思います。
若い頃の危険な雰囲気を上手に、年令とともに包容力、大人の余裕に変えた俳優さんだと思います。
だから年齢が行ってから、どんどん出てきたんでしょうね。

渡瀬さんで、人があまり覚えていなくて、私が強烈に覚えているのは桃井かおりさんとのサスペンスドラマです。
何かの都合で実家の大邸宅に帰らなくてはいけなくなった、桃井かおりさんが演じる女性。
そこにお兄さんが現れる。
これが渡瀬さん。

しかし、彼女の兄は自殺しているはず。
何の冗談か、たくらみか。
彼女は怯え、拒否するが、アルバムにあった兄の写真は全部なくなっている。

兄を知る人も、この人は兄だと言う。
彼女は兄の自殺を担当した刑事に、この男の指紋を送り、検証してくれるように頼む。
だが彼女の期待とは違って、兄の指紋とこの男の指紋は一致する。
やがて新しい家政婦など、この男が手配したと思われる人間がやって来る。

彼女の周りは、この男の知り合いで固められていく。
財産狙いだろうか。
彼女はどんどん、追い詰められていく…。
しかし、このラスト、桃井さんの一言ですべてを了解してしまうのでした。

渡瀬さんが不気味で、怖くて、それでいてかっこよかった。
とても残念です。
ご冥福をお祈りします。



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2017.03.20 / Top↑
俳優の松方弘樹さんが21日、お亡くなりになりました。
74歳。
ああああ、お亡くなりになってしまいました。
心配していました。

最近容態が良くないという話は聞いていました。
復帰してくれるんじゃないか。
大丈夫じゃないか。
どこかでそう思っていたんですね。

「十三人の刺客」ではやはり、すごいと思いました。
殺陣の切れ味がすごかった。
他の俳優さんがダメというのではなくて、別次元でした。
この方の生まれ育ちを考えれば当たり前なのかもしれませんが、すごかった。

日曜夜「天才たけしの元気が出るテレビ」に、出ていました。
なぜ?と当時は不思議でした。
時代劇、やくざ映画の大スターでしたから。

聞いた話では、この枠は最初は松方さん主演のドラマが企画されていたとか。
結局「元気が出るテレビ」になってしまったが、松方さんのスケジュールは押さえてしまっていた。
だから「元気が出るテレビ」に出演してもらったと聞きました。
これが、おもしろかった!

たけしの話に、笑いすぎて声が裏返る。
独特な畳み方したハンカチで、額の汗をぬぐう。
嘘を楽しむ妖怪や超常現象を追ったコーナーでは、本気でビックリしていました。
わざとらしさを楽しむドラマでは、本気で笑ったり義憤に燃えたり。

意外なお茶目でかわいらしい「素」の部分が見えて、大ウケしたんでした。
CMも良かったな。
こういうことをしてくれる方でした。



私生活、その関連について何かと話題になりましたが、時代劇の未来、俳優の未来を考えている人でした。
池上季実子さんのインタビューでは、男気があって面倒見が良い人だと思いました。
大スターだし、魅力的な男性だと思います。
裏方さんにも、好かれていたんじゃないかな。

時代劇に出る松方さんを、また見たかった。
寂しいな…。
残念ですよ…。
時代劇が似合う俳優さんでした。

つらかったでしょうね。
きつかったと思います。
安らかにお休みください。

楽しいドラマを、思い出をありがとうございました。
インタビューを読むと、泣けてしまう。
ご冥福をお祈りいたします。


2017.01.23 / Top↑
平幹二朗さんが10月22日に、お亡くなりになりました。
時代劇、現代劇と縦横無尽に活躍。
すごい存在感。

大河ドラマでも印象的な役ばかり。
武田信玄の武田信虎役も、すごかったです。
しかし「信長 KING OF ZIPANGU」の加納随天は、今でも忘れられません。

加納随天は架空の人物。
信長の祖父の代から仕える「神頼み」という、予知や占い、まじないなどを行う男。
高橋恵子さんが演じる信長の母・るいに恋慕の情を抱いており、後にその関係を信長に知られ、成敗される。
しかし随天は信長を恨みながら、生き延びていた。

追放された随天は、るいの侍女とともに暮らしていた。
それを知ったるいは、随天に嫌悪感を示す。
かつて惹かれた反動で、この嫌悪感、軽蔑は激しい。

随天は後に許され、織田家に復帰。
だが、るいは随天をもう寄せ付けない。
その後の随天は、信長に仕えるが信長は随天の予知や助言にあえて逆らう。

城を作った時、随天はこれ以上の階数は神の領域と言って反対する。
しかし信長は随天が意見した階数を建設するのだった。
信長は随天に逆らうことで力をつけ、成長していくようだった。
だが信長が神に逆い、成功するたびに随天は体の機能を失っていく。

そしてついに、運命の本能寺。
随天は、本能寺にも同行していた。
夜半、本能寺の変が起きる。
明智の兵が迫る中、信長は自害のため、奥の座敷に向かう。

随天は信長の自害を守ろうとする。
「では、止めて参ります…」。
「うむ」。
信長がうなづく。

杖をついた随天が、明智の兵の前に現れる。
その鬼気迫る様子に、明智の兵は身動きできない。
気持ちを奮い立たせた兵が随天を刺すが、随天は倒れない。

「来ると…」。
「祟るぞ」。
何かに取り憑かれたかのように、明智の兵は立ち尽くす。

これは、すごかった。
これは、動けませんよ。
本当に祟ると思う。

杖をつきながら、随天が去って行く。
呆然と見送る明智の兵たち。
まるで悪霊を見たような気持ちになる。

悪夢だ。
あの随天は悪夢だ。
見た者はきっと、後々、恐怖で語ったことでしょう。
夢に見て、心にこびりついたに違いない。

だが信長の元に戻ると、随天は気力が尽きたように崩れる。
本当に、本当に気力のみだったのだ。
自害する寸前の信長を見て、意識を失う随天。
それを見届けた信長。

憎み、反発し、それでもいつも重大な人生の転機には互いがいた。
愛情が深い分、憎しみも強かった。
カリスマ化し、魔王となっていく信長が人間的な感情で接するのが随天であった。
まさに愛憎に彩られた2人だった。

信長は炎の中、自害して果てた。
後は混乱が残るのみだった…。
そこで「信長」は終わる。

「義経」の後白河法皇も、すごかったです。
「新選組始末記」では 近藤勇。
当時、草刈正雄さんの沖田総司が人気でした。

でも、この近藤勇と古谷一行さんの土方歳三がまた良かった。
私は夏八木勲さんの永倉新八が好きだったんですけどね。
当時の自分の年齢からすると、遅い放送時間だったのでたまに寝てしまって見逃しました。
その時はすごく悲しかったですねえ…。

平さんのすごさは、やっぱり舞台なんでしょう。
私の好きな本田博太郎さんは、平さんの代役をつとめたんですね。
その重さに、食事ができなくなったと言います。

最近では昔の出演作「三匹の侍」「幡随院長兵衛 お待ちなせえ」も見ることができました。
映画「他人の顔」も見ることができました。
主人公は仲代達矢さん、妻が京マチ子さん、平さんは医者でした。

十分なキャリアの持ち主なので、若い俳優さんを育てる側に回ってくれたり、怪演でサポートしてくれていました。
でも平さんが熱演すると、陰の主人公となってしまうんですよね。
平さんがいないと、本当に成り立たない強烈な個性を発揮してくれました。

「剣客商売」の田沼意次は、大物感漂わせていました。
貫禄はもちろん、品格がある。
田沼意次の権力者以外の顔、人間的な面を感じさせました。
おそらく家族や日常生活では、こんな顔を見せていたんだろうと思わせる。

日本の陰の首領や、妖怪のような役。
人生を重ねてきた人間だけが出せる、複雑な感情。
そう言った演技で、まだまだすごさを見せつけてくれると思っていました。

長い間、楽しませていただきました。
ありがとうございます。
平幹二朗さんのご冥福をお祈りいたします。

2016.11.20 / Top↑
俳優の梅津栄さんが、お亡くなりになりました。
88歳。
4年前から体調を崩されていたそうです。

梅津さんは、時代劇、現代劇、悪役、被害者役、コミカルな役、本当にいろんな役でお目にかかりました。
怖い役の時は、本当に目つきが怖い。
かと思うと主人公にとって頼りになる、気が利いた得体の知れないおじさん役も味があった。
被害者を演じると哀れ。

「必殺仕事人」で「順ちゃーん!」と声も高らかに、順之助を追い回すオカマの玉。
本当に、おかしかった。
もう、すごい勢いで走ってくるんですもん。

必死の形相で玉ちゃんから逃げる順之助見てるだけで、大爆笑。
おかしいだけではなくて、いじらしさ、けなげさもある。
「好きなんだよ、あんまり冷たくしないで」と言ってあげたくなる。

おもしろかったのは、「恐怖アンバランス劇場」「第10話 サラリーマンの勲章」。
サラリーマン・犬飼役。
気が弱く、意思も弱く、ついに会社から逃げる男。

課長に昇進した犬飼だが、管理職には早朝会議があり、欠席すれば部長に迷惑が掛かる。
変わらぬ通勤電車の光景。
だが犬飼はプレッシャーのあまり、仮病を使って休む。

病欠の電話は喫茶店のウエイトレスにしてもらった。
妻には、出張と偽って電話をする。
会社をサボった犬飼は競馬場に行き、ストリップ劇場から風俗店に行く。
真面目一辺倒でやってきた犬飼には、初めての行動だった。

犬飼は最後に、以前会社の飲み会できたことがあるバーに入る。
そこには宇多子という、秋田出身で秋田の民謡を歌うホステスがいた。
以前から犬飼は、宇多子と宇多子の歌う民謡が気になっていた。
宇多子と意気投合した犬飼は、宇多子のアパートに転がり込む。

その頃、会社では書類を持ったまま行方が知れなくなった犬飼を探していた。
妻が呼び出される。
失踪の原因は、妻には一つしか思い浮かばなかった。

犬飼は、課長になりたくなかった。
早朝会議に出席することが、本当に苦痛だった。
プレッシャーでよく眠れない。
早朝会議に出るため、朝は30分早く出勤しなければならない。

会議に出るための30分なら、犬飼にはゆっくりコーヒーが飲める方が良かった。
それは犬飼には、貴重な時間だった。
妻からその話を聞いた会社の役員たちは、犬飼を心から軽蔑する。

出世はサラリーマンの勲章だ。
勲章をどれだけつけるか、どれほど早くつけるかが、サラリーマンの価値だ。
それを嫌う人間なんて、いるはずがない。

犬飼は家に戻らず、宇多子の部屋で暮らし始めた。
宇多子には蒸発した夫がいると聞いていたため、犬飼はその夫に成りすまして暮らすことを考え始めた。
そこに喫茶店に忘れていった手帳から、宇多子のアパートを突き止めた部下がやってくる。
あっさり、犬飼は元の生活に戻ったと思われた。

ところが犬飼は、偽装自殺を本当に決行してしまう。
保険金は妻が受け取るため、妻と2人の子供の生活は困らないはずだ。
犬飼は再び、宇多子の部屋に向かった。

だが宇多子の夫は蒸発ではなく、刑務所に収監されていたのだった。
予定より早く、釈放された夫が帰ってきた。
犬飼は宇多子の夫によって、散々に殴られて放り出される。

宇多子は犬飼のことは好きだったが、戻ってきた夫と暮らすことを選んだ。
犬飼は宇多子の部屋と言う、居場所を失った。
家では妻はもう仕事を始め、子供との暮らしを始めていた。
犬飼は家での居場所も、失っていた。

しかし妻は夫が自殺したことを、本当は信じていなかった。
きっと夫は、どこかで生きている。
サラリーマンの勲章を捨て、どこかで自分が望んだ人生を生きているのだろうと確信している。

会社での犬飼のポストには、別の人間が就いていた。
ここでももう、犬飼の居場所は失われていた。
犬飼の部下たちは言う。

人間には勲章が必要だ。
でも出世だけが、勲章ではない。
今の自分に満足しているなら、それがその人の勲章なのかもしれない。

喫茶店に、1人の男がいた。
サングラスをかけ、無精ひげが生えている。
犬飼だった。
コーヒーを1人で飲む犬飼の表情は安らぎに満ち、笑顔を浮かべていた。


オカルト的な恐怖ではありませんが、この話は日常的な恐怖かもしれません。
ちょっとしたことから後戻りができなくなる。
やがて、居場所を失ってしまう。

でもこの話の救いは、妻が犬飼の理解者であることなんですね。
そんな妻からも犬飼は逃げていく。
サラリーマンの勲章を捨てるだけじゃなく、犬飼は家庭も捨ててしまう。

今までの自分全てを捨ててしまう。
妻はそんな夫のこともわかって、受け入れている。
犬飼は本当に体一つで、出てきてしまった。

どんな毎日を送っているのか。
その日暮らしなのではないか。
世間からしたら、犬飼はダメな男だろう。

何もかも失った、お先真っ暗な男。
妻子を残して失踪した、自分勝手で幼稚な男。
誰に責められても文句は言えない。
最後の青島幸男のナレーションも、「この人はこれからどうするんでしょう」と言う。

だが最後の犬飼の表情は、幸福そうだ。
満足している。
彼は望んでいた勲章を、手に入れたに違いない。

♪24時間戦えますか♪
それから20年以上たった時、こんな曲が流行りました。
犬飼のように生きることは、やっぱり今でも許されない。
これこそが「恐怖アンバランス」と、このドラマは言いたいのでしょうか。

梅津さんの名演が光る一編でした。
妻は津島恵子さん。
宇多子は、富士真奈美さんでした。

梅津さんのご冥福をお祈りします。
名優さんでした。
今までありがとうございました。


2016.09.05 / Top↑