久々にキアヌ・リーブスの「コンスタンティン」を再見しました。

メキシコで2人の男が、地面を掘っている。
そのうちの1人が、穴を見つけ、何かを引っ張り出した。
ハーケンクロイツの旗に包まれた、刃物のようなもの。

見つけた男はそれを手にそっと、その場を離れる。
それを見たもう1人の男が声をかけた瞬間、赤い車が突如現れ、男はその車に乗り上げた。
死んだかと思った男は起き上がり、その何かを手に走り出した。
男が走る先で、次々に生命体が死んでいく。

ロサンジェルス。
ジョン・コンスタンティンが、相棒のチャズが運転するタクシーから降りて来る。
タバコを地面に落とす。

やってきたアパートの一室では、少女がどす黒い表情で悪態をつき、両手を縛られていた。
コンスタンティンは悪魔祓い師。
手に負えないと判断された者が、コンスタンティンに依頼されてくる。

コンスタンティンはタバコを部屋のテーブルに置き、悪魔祓いを始めた。
少女の体から悪魔を鏡に閉じ込め、窓を開ける。
チャズにタクシーをどかすように言うと、上から悪魔を閉じ込めた鏡が降ってきた。

悪魔は無事、祓われたがコンスタンティンは違和感を感じていた。
少女は悪魔に取り憑かれていた間に、槍の絵を描いていた。
コンスタンティンは自分に悪魔祓いを依頼した神父に、何かわかったら伝えてほしいと言う。

この世にはハーフブリードがいる。
天使も悪魔も、肉体がない者は人間界にはやって来られない。
その代わり、天使や悪魔の後ろ盾を得たハーフブリードが人間界にやって来るのだ。
今、このバランスが崩れ始めているのだ。

女性刑事のアンジェラは、犯人を射殺したことについて悩んでいた。
アンジェラの犯人の射殺は、他の刑事より多かった。
そして、アンジェラの双子の妹イザベルが自殺した。
敬虔なキリスト教徒である、イザベルの自殺に納得できないアンジェラ。

アンジェラはイザベルを天国にと願うが、自殺したイザベルに天国の門は開かない。
コンスタンティンは天使のハーフブリードであるガブリエルに会いに、教会に来ていた。
小さい頃からハーフブリードが見えることに悩んだコンスタンティンは、自殺を図った。

2分間、死んだコンスタンティンは蘇生して、この世に戻ってきた。
だが自殺した人間には、天国の門は開かない。
さらには死んでいる間にコンスタンティンを見たルシファーは、コンスタンティンの魂は自分のものにすると決めていた。

コンスタンティンが悪魔祓いをする理由は、神に認められ、天国の門を開いてもらうためだった。
だがガブリエルは、無駄なことだと言う。
人のためにではなく、自分のために行う悪魔祓いでは神はコンスタンティンに対して天国の門を開くことはないだろうと。

そしてヘビースモーカーであるコンスタンティンは、肺がんに侵されていた。
もう、余命数カ月。
何とか寿命を延ばしてほしいとコンスタンティンはガブリエルに頼むが、ジョンの肺がんはタバコの吸い過ぎによるもの。
自業自得のための願いは、聞き入れられないと言う。

教会で、コンスタンティンとアンジェラは出会う。
イザベルが自殺した時の防犯カメラを見たアンジェラは、イザベルが「コンスタンティン」と言っていることに気付いていた。
そして2人に、悪魔のハーフブリードが襲い掛かってきた。

地獄に行くことができるコンスタンティンは、イザベルが地獄にいることを知る。
イザベルはハーフブリードが見えることから、思い悩んでいたのだった。
コンスタンティンは能力者だけど、イザベルとアンジェラの姉妹も能力者だった。
イザベルとアンジェラにも、ハーフブリードが見えていたのだ。

ルシファーの息子は、父の支配から逃れて人間界で自由に暴れたがっていた。
だから能力者であるイザベルを使って、ルシファーの息子マモンがこの世にやってこようとしていた。
それには肉体があるものから生まれ出るしかない。
そこで選ばれたのが、能力者であるイザベルだったのだ。

マモンの誕生を阻止するために、イザベルは自殺するしかなかった。
だが自殺したイザベルは、天国には行けない。
全てを知ったアンジェラは、自分の能力を受け入れた。

犯人射殺が多かった理由は、犯人の動き、居場所が的確に感じられるためだった。
自分の能力を受け入れたアンジェラによって、真相が明らかになる。
マモンの人間界への降臨を画策していたのは悪魔のハーフブリードのバルサザールだった。

コンスタンティンは、十字架のマシンガンで悪魔たちを次々に倒す。
神のメリケンサックで、バルザサールを殴り倒す。
悪魔のハーフブリードと戦うための武器だ。
だが今度はアンジェラが、連れ去られる。

メキシコで掘り返された、刃物。
あれが運命の槍だった。
長い間、行方不明とされていた運命の槍。

あれを包んでいたのは、ナチスの旗だった。
運命の槍を制する者は、世界を制する。
マモンは槍を通して男を操り、イザベルが入院していた精神病院にアンジェラを拉致したのだ。

バルザサールとガブリエルによる戦いの中、協力者の神父が命を落とす。
そして精神病院を見つけ、コンスタンティンを連れて行ったチャズは彼に協力し、マモンの誕生を阻止した。
だがその直後、チャズはなんとガブリエルに殺されてしまう。

マモンの降臨を画策していたのは、バルザサールだけではなかった。
ガブリエルもマモンの降臨を狙っていたのだ。
バルザサールはマモンのこの世への降臨を願っているのだが、ガブリエルの目的は人間を試すためだった。

神のために働く自分なのに、人間は悪事を働いても悔い改めるだけで神に受け入れられる。
人間は果たして、神にそこまで愛されるだけの資格があるか。
マモンの降臨は、人間に甚大な被害をもたらすだろう。
それはガブリエルの人間への嫉妬だったが、マモンの復活でそれが明らかになる。

コンスタンティンは、そんなことをさせてはならないとガブリエルに詰め寄る。
だが能力者と言っても人間のコンスタンティンと、天使のハーフブリードのガブリエルでは力が違う。
息の一吹きでコンスタンティンは壁まで吹き飛ばされる。
割れたガラス。

コンスタンティンはその破片で、自殺を図る。
自殺したコンスタンティンの前に、ルシファーが現れた。
やっと、コンスタンティンを手に入れられる。

喜ぶルシファーに、コンスタンティンは息子のマモンがしようとしていることを告げた。
怒りのルシファーは、アンジェラのもとに現れた。
その時、ガブリエルが運命の槍をアンジェラに突き刺し、皮膚を破ってマモンを誕生させるところだった。

だがルシファーにとって、それは時間が止まったようなもの。
やすやすとアンジェラを奪還し、ガブリエルは的を外す。
アンジェラを押さえつけたルシファー。

床に映っているのは、アンジェラではなくマモンの姿。
勝手なことをするな…。
ルシファーは息子を地獄に送り返す。

ガブリエルはルシファーを打ち砕こうとする。
だがルシファーの力は、強大だった。
「お前には後ろ盾が亡くなったようだな」。

ガブリエルの拳は、ルシファーに届かない。
驚愕するガブリエル。
ルシファーの炎により、ガブリエルの天使の翼が焼き尽くされる。

息子の自分への反抗を未然に防げたルシファーは、コンスタンティンの望みをかなえてやると言った。
コンスタンティンはイザベルの魂を天国にと願う。
すると、イザベルの魂は天国へ登って行く。

コンスタンティンをやっと手に入れることができた。
ルシファーは、機嫌よくコンスタンティンを引っ張って地獄へ帰るところだった。
ドン。
地面が盛り上がる。

コンスタンティンが重くなる。
びくとも動かない。
空が明るく光って行く。
光が満ちていく。

天国の門が開かれた。
ルシファーが、愕然としている。
「自己…、犠牲か…!」

この世で、一番尊いもの。
自分の命と引き換えに、イザベルとアンジェラの命を助けたコンスタンティンを、神は受け入れたのだ。
天に昇って行くコンスタンティン。
ルシファーに、中指を突き立てる。

「待てえ…。その男は私のものだ」。
ルシファーがコンスタンティンを押さえつけた。
にやりと笑う。

「ダメだ。お前は生きるんだ」。
「生きるのだ…」。
「ジョン・コンスタンティン」。

「お前は生きて」。
「証明するのだ!」
「お前に本当にふさわしいのは、地獄だと!」

「その時まで生きるのだ」。
「お前は生きるのだ」。
ルシファーは、コンスタンティンの胸に腕をめりこませる。

コンスタンティンが絶叫する。
ルシファーが、真っ黒な固まりを引きずり出す。
コンスタンティンの、病巣だ。

生き返ったコンスタンティン。
ガブリエルもまた、起き上がる。
「人間か。人間すら贅沢だ」。

コンスタンティンの声は、怒りに満ちている。
「私に復讐したいでしょう」。
「さあ、やれ」。
その手には、十字架のマシンガンがある。

復讐しなさい。
命を奪うのだ。
お前の役目です。
今までずっと、そうしてきたでしょう。

だがコンスタンティンは撃つ代わりに、ガブリエルを張り飛ばした。
天使のハーフブリードではなくなり、人間になったガブリエルは小さな悲鳴を上げた。
「それが痛みさ。慣れるまで、ね」。

口からは血が流れた。
すぐに取り繕い、殺せるはずの自分を殺さなかったコンスタンティンは進歩したと笑うガブリエル。
だがもう、コンスタンティンはアンジェラと共に振り返りもせずに去って行く。

コンスタンティンは、運命の槍をアンジェラに託した。
自分に協力したために、命を落としたチャズの墓に行く。
そしていつも使っていたライターを置いて来る。

アンジェラの前でももう、コンスタンティンはタバコではなくガムを噛んでいた。
生き返ったコンスタンティンは、禁煙したのだ。
チャズの墓から遠ざかるコンスタンティンの背後で、天使の翼が広がった。
気配にコンスタンティンが振り向く。

白い服に身を包み、金色の瞳のチャズがいた。
チャズは背中に大きな翼を持っていた。
翼を広げ、チャズは天に上る。
フッと、コンスタンティンが笑った。



これ、最初に見た時はいまいち、わからなくてね…。
天使と悪魔、キリスト教的な知識があれば良かったんだろうなと思いました。
ガブリエルは大天使のガブリエルではなくて、ハーフブリードのガブリエルだそうです。
道理で、性格が悪い…。

ルシファーが白いスーツで登場して、まるで犯罪組織のボスの紳士みたいです。
登場シーンはさすが。
ガブリエルも槍を振り上げたまま、静止。
彼の前では時間さえも止まるのです。

サタン自ら迎えに来るほど、コンスタンティンがお気に入り。
タバコを吸いたいが指が動かないコンスタンティンのために、ライターをつけてやると言う。
これがさりげなく、タバコに触れないように動かすやっぱりそこはサタン。

ガブリエルとの再会。
「ルシファー」。
「この世のすべては私のものだ。やがて、ね」。

「ガブリエル、よりによってお前がわかっていないのか」。
「私の、野望を」。
「滅びの子が何を言う」。
「小さな、角!」

ガブリエルの罵倒に、ふぇへへへへと、ルシファーが笑う。
このルシファー、すごくピッタリです。
「穢れし者!」

ルシファーが目を閉じる。
「懐かしいな、その呼び方」。
「おうちに帰るぞ、坊主」。
これは押さえつけているンジェラじゃなくて、マモンに呼びかけてるんですね。

しかしガブリエルはまだ言う。
「そなたを打ち砕いてやる」。
「神の御名によりて!」

だがガブリエルの拳は、ルシファーの顔の前で止まってしまう。
この時にもう、ガブリエルはハーフブリードではなくなっていたのかな。
チャズを殺したり、マモンを降臨させようと画策したらそれは、もう、人間に降格でしょうねえ。
「主よ!」とガブリエルは叫ぶけど。

ガブリエルの翼を焼き、コンスタンティンのところに戻って来たルシファーは、「さて」。
「お前の望みは何だ。寿命の延長か」。
「女を天国に行かせるために、自分の命を捨てるのか」。

ルシファーが目を閉じる。
さすが、これだけで良いらしい。
地獄の支配者ですもんね。

「ようし。それでは行こうか」。
引っ張ったコンスタンティンが重くなり、ここでルシファーは気づく。
「自己…、犠牲か…!」

悪魔祓いは自分のためにやっていたこと。
しかしイザベルとアンジェラを救うのは、全くの自己犠牲。
神はこれこそを認めて、天国へ導いた。
天に上るコンスタンティン。

「待てえ。その男は私のものだぞ」。
コンスタンティンが中指を立てる。
このシーン、実にカッコいいです。

ガブリエルは、コンスタンティンに殺してほしかった。
でもそんなことしたら、地獄行きになっちゃうし、ガブリエルにはこれから人間界で苦労してもらわなければ。
きついでしょうねー、どうやって生きていくんだろう。
精一杯、余裕を見せてましたが、コンスタンティンが去った後、倒れてると思います。

ラスト、タバコをあんなに吸っていたコンスタンティンがガムを噛んでいるところがおもしろい。
末期の肺がんになっても止めなかったタバコを、やめているコンスタンティン。
生まれ変わった、何かが吹っ切れたということでしょうか。

神は一体、何を考えているのかとコンスタンティンは思う。
全てご存じだったのだろうか。
今度のことをわかっていたとしたら、それは神だけだったと思います。

ルシファーだって、わかっていなかった。
しかし神は、何の手出しもしなかった。
何を考えているのか、それは悩んでしまいますね…。

奇跡は、奇跡の力は神の側にいる者だけが持っているのではない。
現実に及ぼす力は、邪悪な者の方がずっと早く、明確だ。
そう言った人がいました。

きっと、昔から、いつの時代でもそうだったんでしょう。
だから時として、人は邪悪に頼ってしまう。
それが試練、というのでしょうか。

チャズが天使のハーフブリードになるシーン。
これはガブリエルが人間界に落とされたから、チャズが上がったんでしょうか。
ガブリエルは関係なく、チャズは神に認められたということでしょうか。
もしかして、チャズは最初から人間界に入っていたハーフブリードだったんでしょうか。

自分には、わかんないんです。
でもこのシーンは、全てのエンドクレジットが終了した、最後の1分です。
途中で席を立って出て行って、ここを見ていない人も多かったのではないでしょうか。

久々に見て、おもしろかったです。
ストーリー追えてなかったところも、今回は追いながら見られた気がします。
キアヌ・リーブスが若くて、綺麗です。
ハーフブリードが見える、戦うエクソシストみたいな、「マトリックス」みたいな、ちょっと現実離れした役が良く似合います。

最近では百発百中の殺し屋、ジョン・ウィックも良かったです。
ちょっとマンガ的な役がしっくり来る俳優さんですね。
東洋的な面影もあり、日本人は大好きなタイプの俳優さんだと思います。
末永い活躍を願います。


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2017.08.30 / Top↑
白黒の古い映画。
豪邸の中に、エレベーターがある。
そのエレベーターに閉じ込められた女性がいる。

彼女は助けを求めて、ベルを鳴らす。
非常ベルが表に鳴り響く。
表には車が通り、人もいるはずなのに助けが来ない。

彼女は思う。
自分も非常ベルが鳴っているのを、無視したことがある。
今度、誰かの家でベルが鳴っていたら、助けよう。


これ、何の映画だっただろう?
その部分だけ、覚えているんです。
結構、嫌な気持ちになった映画だった気がする。

そうしたら、ついに見つけてしまったその映画。
「不意打ち」。
1964年ごろの映画らしい。

いやー、すっきりした。
でもすっきりしたのは、記憶の整理だけ。
なかなか、嫌なシチュエーション、嫌な展開の映画でした。

「風とともに去りぬ」のオリヴィア・デハビランドが主演。
この主人公が腰を痛めたため、2階との行き来にエレベーターを使っていたんですね。
彼女は息子と二人暮し。

息子は週末、旅行に行ってしまう。
その時、息子の車が引っ掛けた梯子が原因で、電線に異常が発生。
主人公の豪邸が、停電してしまう。

エアコンも止まり、エレベーターも止まる。
火曜日まで息子は帰って来ない。
3メートルの空中に宙吊り状態になった主人公は、助けを呼ぶが誰も来ない。

これです。
しかし話はここから始まったんですね。
来たのは助けではなく、近所の浮浪者だった。

彼は金目の物を盗み、助けずに去っていってしまう。
不愉快。
金目のものを売り払った彼は、今度は知り合いの売春婦とともにまた盗みに入る。
不愉快。

ところが浮浪者が高級トースターを換金しているのを不審に思った不良グループの3人が、後を追ってくる。
そして浮浪者を殺し、今度は自分たちが盗みを働く。
このリーダーがなかなか横暴で残酷。
不愉快。

彼は売春婦も、目撃者である主人公も殺すことを考える。
だが逆に空中3メートルのところにいる主人公のところには、来られない。
家中を物色している彼らが見つけたのは、主人公宛の息子の手紙。

その手紙には何と、主人公である母親の拘束に耐えられず、自殺すると書いてあった。
絶望のあまり、気絶する主人公。
笑う不良たち。
不愉快。

しかし助けを求めて売春婦は、転売屋に電話をしていた。
金目のものが取れるところがあるから、来てちょうだいと言うその電話に乗って、転売屋がやってくる。
彼らはギャングで、不良グループをぼこぼこにして、金目の物を横取りしていった。
不愉快。

その間に、主人公の女性は、エレベーターのドアを開けることに成功した。
不良が自分を殺すために置いた脚立を利用して、エレベーターから脱出する。
落下したため、這いずって外に出て叫ぶが、誰も気づかない。

白バイも通過して行ってしまう。
車も止まらない。
不愉快。

主人公が逃げたことに気づいた不良のリーダーが追ってくるが、主人公は手に入れていたボルトで彼の目を刺す。
目が見えなくなった彼から、2人の仲間は笑って逃げてしまう。
不愉快。

リーダーは車道に出て、頭をタイヤで轢かれる。
やっと車が止まり、クラクションが鳴り響き、人がやってくる。
うー、不愉快!

浮浪者を殺した時、「これで電気椅子だ」と言っていたが不良たちも警官に捕まる。
おそらく、自分たちが言ってた通りになるんでしょう。
転売屋のギャングは、捕まるのだろうか。

何度もかかってきていた電話は、もしかしたら息子か、息子が自殺しようとしたのを知らせる電話だったかもしれない。
もしくは、自殺してしまったことを知らせる電話か。
それについては何も語られない。

家に侵入してきた奴らを「怪物!」「化け物!」と罵っていた主人公。
自分自身が、息子にとって「怪物」で「化け物」だったことに気づく。
確かに冒頭、息子に対する態度が妙にベタベタしていた。

だとしても家の中が荒らされる様子も、それを見ているしかない状態も、不愉快。
弱い立場の人間を蹂躙し、略奪することしかしない発想と描写が非常に不愉快。
うーん、これを去年の締めくくりに見てしまった。

「何がジェーンに起こったか?」
「震えて眠れ」
「回転」
「たたり」

白黒映画で怖い映画っていくつか思い出せますけど、これも怖い。
監督にこれ以降、あんまり恵まれた仕事が来なかったらしいけど、そんなところも含めて「怖い」映画でした。
やっぱり見た人は不愉快だったんだろうか。

だいたい、あんな道路隔てたお向かいにスラムのような街が広がっているのに無用心じゃないかな。
治安悪そうだし、あんな豪邸作るなら、もっと違う場所にした方が良いと思うの。
嫌な映画ですが、それって良くできている映画ってことなのかもしれません。


2016.01.08 / Top↑
一時、動物パニック映画が流行った時期がありました。
きっかけは大きなサメが暴れる「ジョーズ」だったのでしょうか。
「グリズリー」という巨大な熊が人を襲ったり、ピラニアが襲い掛かったり。

この前、見直したのは「スクワーム」。
ある街で、高圧電流が地面に流れたことがきっかけでミミズが凶暴化。
人々を襲いだす話です。

どうしてこの映画を作ろうと思ったのか、聞きたくなりました。
「フェノミナ」も食欲なくなりますけど、これもですね。
翌日、麺類がダメになる。
襲われている人の頭が見える画が、まるでスパゲティの中で溺れているみたいだというと、わかっていただけるでしょうか。

その動物パニック映画の中で大きなタコが人を襲う「テンタクルズ」という映画がありました。
伝説の海の怪物、クラーケンってこれか!という。
たぶん、私はテレビで見ました。

以来、何十年ぶりに見ました。
もっと怖かった気がするんですが、私はスレてしまったのか。
展開がだるくて、途中、ちょっと寝ました、すみません。
でも襲われた人の足が海中から出て、船にいる女性の前を移動していくシーンとか、海辺のベビーカーが消えるところはおもしろかった。

ビックリしたのは、ヘンリー・フォンダが出ていること。
どうして?と思いました。
製作者側に、お友達がいたのでしょうか。
話の中心人物も何だか誰に焦点を絞ってるのか、わからなかったぐらいの映画。

それと覚えていたのは、人間と心を通じ合った2頭のシャチが巨大タコを倒すこと。
間違っていなかった。
やっぱり、シャチが倒した。

映画自体は途中寝ちゃったぐらいですが、最後の人間ピンチ!にシャチが来るところは感動しました。
海に逃げても良いよ、と言って放したので、海に帰ったのかと思っていました。
サマーとウインターの2頭のオスメスのシャチ。

助けられ、海から船にあがってきた人間。
しかしシャチはいない。
人間はガックリしたのか、今度はアフリカに行こうかななんて、言っていると無事、シャチが現れる。

やったー!と言って歓声を上げる。
人間との絆に、ジンとします。
単純な観客です。
シャチ良いね!

でもね、タコがただのタコをアップで映しただけなのは、やっぱり残念。
タコの触手が船に伸びてくるシルエットなんかは、良かったですよ。
クライマックスもタコの足をシャチが齧っている。
シャチが良かったので、タコも模型ぐらい作れば良かったのにと思います。


2015.11.29 / Top↑
深夜の放送、または昼間の放送で何度か見た覚えがある映画「悪魔の追跡」。
ピーター・フォンダが出ています。
70年代に作られた映画。

ある2組の夫婦が新車の豪華なキャンピングカーを手に入れ、旅行に出る。
そしてある夜、夫たちは山の中の滞在地で妙な儀式を目撃する。
男女が集まり、女性が裸になる。
夫たちは興味深いものが見られる好奇心とスケベ心で、儀式を見続けた。

しかし儀式が佳境に入った時、1人の女性が胸を剣で貫かれて殺された。
殺人の目撃だ。
見たことがわかったら、危ない。

そう思った時、妻の1人が夫たちを呼び戻しに来た。
「まだ帰ってこないの~?」
「声を出すな!」

「灯りを落とせ!」
「何?」
気が付かない妻は、無神経に声を立てる。
灯りも消さない。

イライラするシーンなんだろうけど、これはしかたない。
まさか、そんなことが起きているなんて思わないから。
そもそも、好奇心でのぞいていた夫も悪いんだから。

もう遅い。
相手はこちらに気づいてしまった。
それは悪魔崇拝の儀式であり、女性はいけにえだった。
この時から2組の夫婦の旅は、得体の知れない団体に追いかけられる恐怖の旅行になってしまった。

事件を通報したが、保安官も怪しいと主張する、ピーター・フォンダのロジャー。
だって道を教えないうちから、右に曲がって現場にたどり着いている。
考えすぎだと言われても。

彼の妻はプールで泳いでいても、こちらを見ている人たちの視線が怖ろしくなる。
考えすぎだと思っても、誰も彼もが追跡者に見える。
やがて、ペットの犬のジンジャーが殺され、キャンピングカーのドアに吊るされる。

ロジャーたちが「ドアが壊されている!誰か音を聞かなかったか!」と叫んでも、キャンプ場の人間は反応がない。
誰も彼もが敵に見える。
泣く妻に、「死んだものはしかたがない、明日埋葬しよう」と言うロジャー。
しかしキャビネットを開けると、そこにはガラガラヘビがいる。

ピンチの連続。
しかたがないと言ったロジャーだけど、犬のジンジャーを埋めると、首輪と自分のペンダントを置く。
妻には見せなかった涙を、サングラスを外してぬぐう。
うう、かわいそうだ。

途中のガソリンスタンドで、警察に連絡をしようとするが、電話が通じなくなる。
最後は前と後ろ、横を車で固められて事故を起こさせられそうになる。
そしてカーチェイス。

天窓からガソリンが入れられ、火をつけられたら…という事態にもなる。
最初はためらっていたロジャーにも、火がつく。
ショットガンで撃退しながら、逃げる。

一度目の襲撃を振り切った後、事故かと思って止まろうとするが、日曜日にスクールバスが事故を起こすはずがない。
あれもこれも、全部、敵なのだ!
ボロボロになりながらも、追跡は振り切った。

ほっとした4人は、空腹を抱えながらも乾杯をしようとする。
その時…。
キャンピングカーの外が、炎に包まれる。

近づいてくる人たち。
キャンプ場で陽気に話しかけてきた夫婦が、無表情で近づいてくる。
保安官もいる。
あちこちで見かけた人たち、全部がそこにいた…。


全員が、追跡者だったんだという衝撃。
途中のスタンドで、車の修理を頼んだ男までがカーチェイスの時にいた。
その怖さもあるけど、アメリカの田舎町の怖さも感じました。

よそ者に対して敵意がある。
ここで何かされても、町全部で隠されて、おそらく事件にもならない。
殺されてもわからないかもしれないという恐怖を感じます。

閉鎖的なのは、「八つ墓村」だけじゃないんだな。
アメリカの田舎町もなかなか、怖い舞台になる。
いや、閉鎖的な場所って、心って恐怖の舞台になるんですね。

ロジャーたちはさっさと都会に、家に帰れば良かったのにと思う。
妻はそう主張した。
でも「3万6000ドルしたキャンピングカー」で、「5年モーテル勤めをしてやっともらった休暇」で旅行に出た。
「今さら、引き返せない!」思いがあったんでしょうね。

結局、「道迷い遭難」という本に書かれていたように「窮地に陥らないために、変だと思ったら引き返せ」ができなかった。
それで最悪の結末に至った。
一流俳優のピーター・フォンダも、ウォーレン・オーツが出演している、いわゆるB級ホラー映画。
誰も助からないのが衝撃。

ピーター・フォンダの「イージー・ライダー」は最後、通りかかった田舎町の住民に友人が「おい、髪を切れ」と言われる。
中指を突き立てて返事をした彼に向かって、農民のおっちゃんはショットガンをぶっ放した。
倒れる友人。

驚いたピーター・フォンダがバイクを降りて、彼の最期の言葉を聞く。
友人に革ジャンをかけてやり、おっちゃんたちのトラックを追ってくる。
すると、トラックがUターンして近づいてくる。

そしてピーターに向かって、もう一発、ショットガンが発射される。
ピーターのハーレーが宙を飛び、炎上する。
上空からの映像。
ピーターの姿は見えないが、バイクは炎上し、壊れて道端に転がっていく…。

この時、閉鎖的なアメリカの田舎の怖さを感じました。
地元の人間が全部口裏を合わせるし、保安官も味方なんだろうな。
きっとこれは事件にもならないんだろう。

相手はよそ者だし、ましてや当時のヒッピーなんだから。
そう思って、一層、ゾッとしました。
もちろん、「悪魔」は儀式で崇拝した「悪魔」ではなくて、追ってくる人間ですね。

だってあんなにかわいい、ジンジャーが…。
これで自分は、敵側が嫌いになりました。
「イージー・ライダー」の怖さを倍増したような、ピーター・フォンダの「悪魔の追跡」。
♪すっごいしつこい すっごいしつこい どこまでもどこまでもついてくる あ~♪の「爪水虫」並みのしつこさでした。


2015.10.22 / Top↑
1968年。
アメリカのコロラド州デンバーで、作曲家は格安の豪邸に入居。
しかし屋敷には毎日、何かを叩くような音が響き、ドアが勝手に開閉する。

2階の衣装部屋の壁がおかしい。
壁を壊すと、階段が現れた。
その先の部屋には、9歳の少年の日記があった。

障害を持っていた少年は、この部屋に閉じ込められボールで遊んでいたらしい。
友人に勧められ、降霊術をすると少年の霊が現れる。
映画同様、少年の霊は自分が殺された経緯を語り、自分が埋められている場所を教え、メダルが埋められていることを伝えた。

しかし怪奇現象は収まらず、家を解体しようとしたブルドーザーは突然の爆発で崩れた壁に押し潰された。
作曲家は引っ越し先でも霊現象に悩み、お祓いしてやっと落ち着いた。
この話が元になって作られたのが「チェンジリング」だそうです。

いや、怖い。
スプラッタなシーンはなくても、すごく怖い。
気配の怖さでしょうか。
ジワジワ来て、姿を見せて、現象の理由がわかった時は、たまらなく怖い。

「リング」の監督、これ見てると思いました。
同じ監督が作った「幻想ミッドナイト」の「破壊する男」のワンシーンにも、階段から誰もいないのにボールが落ちて来る。
「ほの暗い水の底から」も思い出します。
というより、原作者が見てるのかな。

井戸に埋められている遺体。
アピールの仕方。
這い出てくる幽霊。

あれ?蛇口閉め忘れた?みたいなところから始まるところがうまい。
ドア開いた?風かな?たてつけ悪いのかしら?
そう思うような現象から始まる。
ジワジワ来る。

音に至って、住んでる人にはわかる。
おかしい。
でも外部の人には、そういうこともありますよ、ってところ。
そしてついに視覚に現れる。
水から浮かび上がる子供の、哀れにして無気味な姿。

音の正体が判明した時なんか、鳥肌もの。
あれは苦しがる少年がもがいて叩いた浴槽の壁の音。
殺された時間に始まり、苦しんだ間続いて、息絶えた時間で終了する。
怖い前半から、謎解きを経て、亡霊に同情する後半。

妻子をなくした心の痛みに、少年の幽霊が呼応する。
追い払っているのではない。
ちゃんと何かを伝えて来るんだ。
ラッセルがわかってやれるということは、彼の心が傷ついているから。

どれひとつとっても、普通なら、いや、自分なら震え上がって逃げる。
助けにならない。
音だけでも、ドアだけでもダメ。
水道なんてもっとダメ。

浴槽のシーンなんて、気絶する。
寝込む。
ボールは、その場で逃げる。

このボール、娘のボールなんですよね。
それを捨てる。
すると戻って来る。

怖いけど、後から考えると少年の「そんな風に忘れてしまわないで!」という叫びみたいですね。
考えてみたら、そういう方法で訴えるしかない。
議員にアプローチできなかったラッセルに、今や全力で文句を言う少年の霊。

ラッセルは、「ワガママ言うなー!」って怒りまで表す。
この霊は少年らしく、筋の通らない八つ当たりみたいなことをするから。
父親らしく。

でも少年の霊は、ラッセルに大ケガはさせない。
邪魔する警部には容赦ない。
霊は、明らかにラッセルの悲しみに呼応し力を増幅させて行く。

後半はホラーというより謎解きミステリー。
早く見つけてやれ。
復讐もやむなしという気持ちになる。

考えたら、取り替えられた議員もかわいそうなんだけど、自分を見つけるのを権力使って握りつぶそうとするからしかたない。
彼の魂が、館に呼ばれて焼かれるのがわかるクライマックス。
でもきっと、父親にも何か起きてたと思うよ、あれは。

主演は名優・ジョージ・C・スコット。
妻子をなくした心の痛み、寂寥を感じさせてくれます。
幽霊に同情する日本的な展開。

ホラーの枠に収まらない名作。
ラッセルみたいな、お父さんがほしかったよね。
こんなお父さんなら、良かったよね。

ラスト、燃えたチェスマンハウスで残っていた車椅子。
オルゴール。
寂しい。

少年の魂は、慰められたのだろうか。
彼は天国に行けるのだろうか。
ラッセルは何を思うのだろうか。


2015.10.07 / Top↑