こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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「人間がなぜ、泣くのかわかった…」 「ターミネーター2」

学習モードとなったターミネーターに、ジョンはいろんなことを教えていく。
粋な受け答えの仕方。
笑うこと。
遊ぶこと。

それを見ていたサラは思う。
サイボーグと遊ぶジョン。
私は突然、理解した。

ターミネーターはこの上ない庇護者です。
忙しいと相手にしないこともなく、酔っ払って殴ることもない。
ずっと見守り、いざという時は自分の命を犠牲にしてもジョンを守る。
これまでいた、どの男よりもこの機械が父親らしい。

それまでのサラの生活と、ジョンの生活が垣間見える言葉。
楽しそうなジョンの姿は、友達と遊んでいるというより父親と遊んでいるように見える。
この子は愛情に飢えている。

ドライブインでけんかをする幼い子供を見てジョンは、言う。
「みんな死ぬんだね」。
ターミネーターを振り返って言う。

「そうだろ。子供たちも」。
ターミネーターは、こともなく答える。
「ああ。人間が自分で選択した運命だ」。
「…どうしようもないね」とジョンが答える。

スカイネットのようなものが、なぜ生まれたのかとサラは聞く。
「2ヶ月後、画期的なマイクロチップの開発に成功する」。
「3年後、軍のコンピューターは全て、サイバーダイン社のシステムと入れ替えられる」。

無人化したステルス機は、あらゆるテストに完璧とも言える成績を収める。
スカイネット法案が議会で可決される。
「1997年8月5日にシステムが稼働すると、防衛戦略の全てを任されたスカイネットは、当比較級的な速度で学習を始めて」

「8月29日、東部標準時間2時5分、自我に目覚めた」。
「恐怖に駆られて人間はスイッチを切ろうとする」。
目に浮かぶような説明だった。

「それが戦争の始まり?」
「そうだ」。
サラはスカイネットの開発者、ダイソンというサイバーダイン社の開発部長を殺すことを決意する。

ダイソンの自宅を襲撃するが、ダイソンをかばう妻と子供の姿を見たサラは撃つことができない。
母親の殺人を止めようと、ジョンが駆けつけてくる。
とどめをさせず、泣き崩れているサラを見る。

「殺せなかったわ。どうしてもダメ」。
「ああ」。
サラは戦士だが、非情な悪人ではないのだ。

ターミネーターは攻撃できる。
そのタフさゆえに、手加減しなくて良い。
感情のなさ、痛みを感じない神経、非情さゆえに攻撃できる。
だが、生身の罪もない人間を、未来のことで殺すことはサラにはできない。

「できない」。
泣いているサラをジョンは抱きしめる。
「殺さなくても、何とかなるよ」。
ジョンの声は優しい。

「他の方法を考えれば良い」。
ああ、やっぱりこの子は未来のリーダーだ。
同時に、優しいサラとカイルの子だ。

「そうだろう」。
「殺すのをやめさせに来たの?」
「ああ、そうだよ」。

「愛してるわジョン」。
「離れている間もずっと」。
初めて、母親からの愛情を確認したジョンはサラを抱きしめる。
「わかってる」。

母と息子の心が初めて、素直に通い合った。
サラに説明した通りの説明を、ダイソンにもするT-800。
呆然。
自分の開発したもののせいで、32億の人間が死ぬのだ。

だが「私を責めるのか」と、ダイソンはかろうじて声を絞り出す。
「わかるわけ、ないだろう」。
それを聞いたサラが皮肉たっぷりに言い返す。
「わかるわけ、ないだろう?…ふん」。

「あんたみたいな人が、水爆を作ったのよ」。
「それで、何か作ったつもり?」
「作るってのは、命を生み出すことよ」。
「それができるのは女だけ」。

「男が作ったものなんか、破壊だけ」。
きっとサラはそう言って、周りに憎しみをはき出していたのだろう。
こうして自分と関係した男も、本当は一人も愛していなかったに違いない。

ジョンが頭を抱え、「ママ、今そんなこと言っている場合じゃないだろ」と止める。
愛してもいない男たちと暮らすサラを見たジョンも、傷ついていたことだろう。
この後、ダイソンは自分はサイバーダイン社を辞め、研究を中断することを約束する。

だが会社にあるデータも、壊さなければならない。
ターミネーターとサラ、ダイソン、ジョンは会社に行く。
そしてそこはさながら、市街戦のような戦いの場になるのだ。
「I’ll be back」(すぐもどる)(また来る)が、こんな形で聞けるとは!

しかし、ダイソンさんはかわいそう。
そして市街戦の場と化したサイバーダイン社に、T-1000が来ないわけがない。
追跡劇は前作、サラとカイルがターミネーターに追われた時のさらにスケールアップした再現となる。
この後はラストまで、ノンストップのアクションが続く。

T-800とT-1000の熾烈な戦い。
ジョンを逃がし、自分は残るサラ。
サラにT-1000が迫る。

T-1000の恐怖を目の前にしたサラの、銃をセットする手がもつれる。
この機会をT-1000は逃さない。
サラの肩を、手を変身させた錐で貫く。

「ジョンを呼べ」。
サラは答えない。
「痛いのはわかっている」。

ギリギリと責めるT-1000。
まさに非情。
「嫌よ」。

するとT-1000は指をサラの前に突きつける。
指が鋭く、細い針に変わる。
「ジョンを呼べ」。
その針を見ながらサラが言う。

「殺しなさいな」。
サラ・コナー、崇高な戦士。
そこに助けに入るT-800。
再び、死闘となる。

だが最新型のT-1000は、強い。
しかしそこはさすが、あれだけしぶといターミネーター。
この後、サラの最後の戦いぶりに感動。
T-800の戦いに拍手喝采。

そして…。
自分の頭の中にもチップがある、と指さすターミネーター。
自分では破壊できない。
サラの手で、溶鉱炉に沈めてくれ。

「そんな」。
「ダメだよ、死んじゃ!」
ジョンがしがみつく。

だがターミネーターは言う。
「この世界には残れない。残念だ」。
「僕が命令する、死ぬなって言ってるんだ。命令が聞けないのか」。
泣きながら、ジョンが命令する。

だがこれは変えられないことなのだ。
ターミネーターが言う。
「…人間がなぜ、泣くのかわかった」。

ジョンの涙をなぞるT-800。
「俺には涙を流せないが」。
機能として備わっていないだけで、T-800は泣いている。

ジョンを抱きしめるターミネーター。
そして、サラを見る。
サラが深くうなづく。

あれだけ憎んでいたT-800に、サラが手を差し出す。
戦友だ。
男女の恋愛を超えた、生死を共にくぐり抜けて戦った戦士としての手。

「さようなら」。
自分では自分を破壊できないターミネーターは、サラに溶鉱炉に沈めてもらう。
スイッチが押され、ターミネーターが下に降りていく。

2人をじっと見上げているターミネーター。
足が溶鉱炉につく。
火花が散る。

ずっと彼は2人を見ている。
沈んでいくターミネーター。
足が、腰が、上半身が沈んでいく。
だがターミネーターは上を見ることを、やめない。

肩が飲み込まれ、顔が埋まっていく。
ターミネーターはずっと、上を見ている。
炎に包まれながら、彼はずっとジョンたちだけを見ている。

一途な、ひたむきな目。
やがて、右手だけが残る。
その手も沈んでいく。

ターミネーターが、親指を立てる。
「グッドラック」、だろうか。
ジョンが教えた仕草。

他に伝える術を持たない、ターミネーターの最大の愛情表現。
愛しているという言葉を持たないターミネーターの、愛しているという表現。
それはターミネーターの全部を飲み込むまで、崩れることはなかった…。

ターミネーターのコンピューターが止まる。
全てが一点に集約され、丸となり、それが消滅する。
暗黒。
ターミネーターの消滅。

未来は変わった。
サラが言う。
「未来へ続く道はまだ闇に包まれていますが、わずかに希望の光が見えてきました」。
「機械が、ターミネーターが命の大切さを学べるのなら、私たちにできないはずはありません」。

ここであの、ターミネーターの音楽。
エンドロール。
完璧。


シュワルツェネッガーのことを「絶対ターミネーターだ」と、キャメロン監督とともに言ったスタン・ウィンストンという、特殊メイクの方。
お亡くなりになっていたのですね。
この方がいなければ、「ターミネーター」という素晴らしい作品はありませんでした。
お悔やみ申し上げます。


前作の「ターミネーター」について、監督や特殊メイク、シュワルツェネッガーは特殊効果だけを売りにするようなアクション映画ではないと言った。
子供だけが、SFファンだけが、アクション映画好きだけが大喜びする映画でもないと言った。
つまり、一部のファンしか楽しめない映画ではないということ。

それはメッセージがあり、娯楽性も高いからだと言う。
全部の層の人に、訴えるものがあるのだと言う。
観客を選ばない映画。
それは「2」でも同じだった。

「1」は、アクションの形をしたラブストーリーと言っても良い。
または、サラという女性の成長物語だと言っても良い。
「2」は母と息子が危機に際して、愛情を確かめ合うストーリーかもしれない。

サラのトラウマ克服物語になるかもしれない。
どこかで父親を求めていたジョンの、成長物語かもしれない。
ターミネーターという機械がジョンに対して愛情を抱き、命の大切さを学ぶ過程の映画であるかもしれない。

人間ドラマの部分が、とてもしっかりしている。
だから「1」と同じく、観客を選ばない。
時代を選ばない。

「1」は映画史上に輝く大ヒット、名作となった。
そういう作品の「2」は、なかなか難しい。
しかし「2」は「1」で続編を期待した観客の期待に、見事に応えた。

「1」が素晴らしくて、「2」も素晴らしいという映画。
「エイリアン」がそうだけど、その前は自分は「ゴッドファーザー」ぐらいしか1作目より高い評価をされている映画は記憶にない。
それほど「2」は難しく、評価が厳しいのだと思う。
「2匹目のドジョウはいない」という評価は、「2」とついている映画について良く聞いた評価だった。

しかし、ターミネーターの「1」と「2」は、何度見ても見飽きない。
見れば見るほど、良くできている映画だと思う。
そして自分が如何にこの映画を好きか、わかって来る不思議な映画だと思う。

「ターミネーター3」、もしくはそれ以降の作品が好きな方。
すみません。
あまりに素晴らしいので、私の中で「ターミネーター」はこの「2」で終わってしまっています。

ジョンとサラを見上げながら沈んでいくターミネーター。
突き出した親指。
それが最後まで形を崩さず、飲み込まれていく。
機械が人間の感情を、愛情を理解し、自分のものにした瞬間。

苦痛とは無縁のターミネーターだからできる、別れのシーン。
機械ということを、ターミネーターということを逆に取った設定。
この映画、全てに言えることだけど、壮絶な戦いの後に来たこのシーン。
映画史上に残る屈指の別れ、愛のシーンだと思います。



*****
DVDがいくつか出ていますが、「ターミネーター」はフジテレビで放送された時の吹き替えが声、セリフともに好きです。
そのフジテレビ吹き替えが収録されたディスクが出て、良かった。
私が持っているのは、そのディスクです。
*****

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「敵に回ったらどんなに怖ろしいか」 燦然と輝く金字塔「ターミネーター2」

改めて見て再確認。
以前、書きました。
「エイリアン」がSFホラーに輝く金字塔。
それならこれは、SFアクション映画史上に、燦然と輝く金字塔だと。

見るたびに、余計強く思うんですよね。
これは映画史上に輝く、金字塔だと。
最高傑作だと。

映画は星の数ほどあれど、最高傑作と呼びたい映画はそんなにない。
安易に宣伝文句に「最高傑作」と歌っていても、本当に時を超えて最高だと思える映画はそんなにはない。
何となく見始めても、あの名場面がもうすぐだ、あの名場面を見たい。
あのセリフを聞きたい。

そうして、最期まで見てしまう。
とにかく色あせない名場面の連続。
最高です。

観客だけじゃない。
この映画に出た人みんな、彼らのキャリアの中でもこの映画が最高なんじゃないでしょうか。
サラ・コナーのリンダ・ハミルトン。

ジョン・コナーのエドワード・ファーロング。
「ターミネーター」でシュワルツェネッガーをターミネーターにしたセンスは健在。
良く見つけて来ましたねえ、エドワード・ファーロング。
聞けば彼には複雑な家庭の事情があったとか。

この反抗的で、寂しげで、人恋しそうな目はこれによるものであったのか。
演技をしたことは全くなく、バスケットボールをしている時にディレクターの目に止まり、出演となったとか。
現在の彼を知ると悲しい気持ちになりますが、この映画の彼は世界一輝いていたと思います。
彼を見いだした目の確かさには、うなるしかない。

そしてこの時のジェームズ・キャメロン監督は神のような才能を、存分に発揮している。
さらにアーノルド・シュワルツェネッガー。
彼はターミネーターで大スターとなり、他の役も演じたが、やはり映画史に燦然と残るのはこのターミネーター役。
T-1000を演じたロバート・パトリックも、これが最高傑作だと思う。

この映画の特殊効果には、当時は驚愕しました。
今はこれよりもずっと精巧でリアルな技術がある。
この映像は、古いといえば古いんでしょう。

でもそれが全然、気にならない。
なぜかというとやはり、ドラマ部分がものすごくしっかりしているからでしょう。
ドラマ部分、人間ドラマがしっかり描けている。

この映画に出てくる人は、みんな傷つく。
まず、母親に将来の人間の反乱軍のリーダーとなるため、育てられたジョン。
他の子供のような生活はなく、母親は彼のリーダーとしての教育に必要とみるとどんな男とも平気でくっつくとジョンは言う。

ジョンはそんな母親に傷ついている。
傷ついているけど、しかたがないと受け入れている。
本当に母親は自分を愛しているのか。

反乱軍のリーダーとして、必要だから育てているのではないか。
そんな思いも抱いたに違いない。
しかし、そんな日々が一挙に否定される。

お前の母親は、イカレている。
自分って一体何だったんだ。
ジョンは傷ついている。

人類を核の炎から守ろうとしているサラ・コナー。
しかし誰も彼女を信じない。
彼女は狂っているとみなされ、人間らしい扱いをされていない。
ジョンとも引き離されてしまった。

そしてジョンが自分を憎んでいるのも知っている。
最愛のカイルはもう、いない。
最強の女性戦士だが孤独で、傷ついている。
あまりの日々に自分の使命も揺らぎつつある。

サイボーグであるT-800、シュワルツェネッガー演じるターミネーター。
これも最新型ターミネーターT-1000との戦いで壊れる寸前まで傷つく。
T-1000は本当に壊れるというか、消滅する。

彼らの人生、感情が存分に描かれている。
T-1000には感情がないけれど。
その彼らがたった数日の間に関わり、お互いの人生に大きな影響を残し別れていく。

2時間30分が全く長いと感じないのは、これだけの人間のドラマが詰め込まれているからでしょう。
そしてその彼らの背景、全編をアクションが彩る。
迫るT-1000、逃げるサラとジョン。
守るT-800ターミネーター。

ジョンとの最初の邂逅は、前作のサラとの邂逅同様の名場面。
警官にしか見えないT-1000から逃げるジョン。
「おい、個々は子供が入っちゃだめだ!」という関係者以外立ち入り禁止区域に逃げてくるジョン。
その向こうから、ターミネーターがやってくる。

赤いバラの花の入った箱に隠したショットガン。
ショットガンを出すとバラが落ち、それを無造作に踏んでターミネーターはやってくる。
サイボーグ。
前作で子供のおもちゃを無造作に踏むのと同じ、機械の非情さ。

母親から聞かされていたのだろう。
すぐにジョンは、向こうから来るのはターミネーターだとわかったから。
聞かされていたターミネーター、まさにそれが向こうからやってきてジョンは呆然とする。

こいつだ。
本当にいたんだ。
背後から、景観にしか見えないT-1000がやってくる。
ジョンが振り向く。

どちらもこちらに、銃を向けてくる。
一体どうしたんだ。
どうすればいいんだ。

そう思った瞬間にT-800が「伏せろ」と言う。
やはり軍事訓練を受けた子らしく、さっと反応するジョン。
撃ってくるT-1000の銃弾を、ターミネーターはジョンを抱き留め、自らの背中で受け止める。
ジョンは悲鳴を上げる。

ターミネーター同士のつかみ合い。
壁は壊れ、穴が開く。
T-1000がT-800をぶん投げ、ガラスのショウウインドが割れる。
前作と同じ光景。

T-800を投げた後に、金属製のマネキンを見た時のT-1000の微妙な表情。
こういう小さなシーンまでが、この映画は楽しい。
前作を見ているとジョンの飼い犬が激しくほえるのにさえ、うなづいてしまう。

サラが84年の警察の監視カメラの写真を見せられている。
そして、これが今日の午後、ショッピングセンターで撮った写真と言って見せられたものにはT-800の姿。
サラは内心は凍り付いたと思う。

やっぱり、来た。
ついに来たのだ。
無反応の仮面の下で、サラはボールペンを密かにポケットに入れる。

前作でターミネーターの怖ろしさが、サラの骨まで染みている。
だからやり過ぎなぐらい、病院の職員と医者をぶっ飛ばしてサラは逃亡を図る。
この職員は、サラに、いや、おそらく女性患者に性的ないたずらをしていたと思われ、同情できない部分もあるが。

病室を脱出したサラは院内の廊下を走り、これからどうするか立ち止まる。
どうやってこの病院を出て、ターミネーターを阻止するのか。
思案した時、エレベーターの音がする。
エレベーターだ。

サラは走って行く。
エレベーターのドアが開く。
カツーン、カツーン。
廊下に靴音が響く。

エレベーターから足の先が出て、廊下に見える。
サラがエレベーターに近づく。
そして腰を抜かす。
エレベーターから現れたのは、ターミネーターだった。

この時のサラの驚愕。
ストンと尻餅をつく。
無理もない。

前作で、ターミネーターのために愛するカイルが死んでいる。
上半身だけになり、それでもターミネーターは、動くのを止めなかった。
サラのルームメイトも、母親も、ターミネーターに殺された。
ターミネーターの記憶は、消えない恐怖として残った。

悲鳴を上げてサラは、何もかも忘れて病室の方向へ走る。
パニックだった。
逃げていくサラを見たジョンは、「助けてよ!」と言う。
ジョンに「ここにいろ」と言って、ターミネーターは行く。

「あいつが来たわ!」
「殺される!」
「みんな、殺される!」

それはもう、叫ぶに違いない。
ターミネーターはその通り、次々と警備の人間を投げ飛ばす。
だが以前のように撃たない。

恐怖の中で、少し不思議に思ったサラにジョンが駆け寄る。
「ママ!」
サラは信じられないという表情で、ジョンを見る。
何が何だかわからない。

ターミネーターが手を差し出す。
「死にたくなければ一緒に来い」。
「僕たちを守ってくれるんだよ、心配ないよ」。
ジョンの優しい声で、サラはわからないままもターミネーターの手を握って起きる。

その時、靴音が響き、向こうからT-1000の警官の姿が見える。
ぐにゅぐにゅと溶け、液体金属のT-1000は、鉄柵を超えてくる。
だが持っていた銃が、柵に引っかかった。

カシーン。
音が響く。
見ていた医師に、これが現実であることを知らせる音だ。

サラのターミネーターの妄想を最もらしく警察に説明していた医師は、たばこを口からポロリと落とす。
そんなことにはかまわず、始まる逃走劇。
T-1000が銃撃しながら、エレベーターに向かって走ってくる。
医師が「ひっ」と小さく悲鳴を上げ、目を閉じる。

エレベーターの天井から、手を剣に変えて襲ってくるT-1000。
サラはターミネーターの腰から拳銃を取り、応戦する。
この辺りは圧巻の一言。

天井の小さなたくさんの傷から浸透し、傷を破って一つの金属の塊となって降りてくるT-1000。
解けた金属のような塊が、天井から重みを持って落ちてくる。
エレベーターを出たサラがジョンの手を引きながら、やってきたパトカーの保安官に銃を向ける。
「降りなさい!」

「早く降りるのよ!」と一撃をお見舞いするサラ。
怯えて降りた保安官をターミネーターが突き飛ばし、頭を柱に打ち付けた保安官が気絶する。
T-1000が走ってくる。
瞬時に人の形になり、顔ができ、色がつく。

「来たよ!」
T-1000に向かって、ショットガンを放つT-800はすごい。
しかし、拳銃を構えて撃ちまくるサラもすごい。
このため、この時のためにサラは戦士となったのだ。

いまこそ、戦う時なのだ。
虎も熊も、子供を守る母親が一番、凶暴であるという。
そんな言葉が頭に浮かぶほど、サラの戦う姿は壮烈でそして美しい。

…やがてT-1000の追跡を振り切ったターミネーターとサラは、ジョンを抱きしめる。
しかしその手は、ジョンの無事を確認するためのもの。
「けがはないったら!」とジョンは言う。

サラはジョンを「なぜあなたはこんなところへ来たの!」と叱咤する。
「もう少しで殺されるところじゃないの。もっと賢くならなきゃダメよ!」
「あなたは絶対に死ねないの。人類のためにもね」。
「ごめんね」と詫びてしまうジョン。

ママが殺されると思ったから。
だがサラは「自分のことは自分で守れる」と言って、前を向く。
こんなことをされたら、子供は傷つく。
ジョンの目から、涙が出てくる。

それを見たターミネーターは「目をどうかしたのか」と聞いてくる。
彼には人が泣くということが、わからない。
「別に」と言うしかないジョン。
…さあ、ここまで見たら、今度はサラがジョンを抱きしめるシーンを見なくては気が済まなくなる。

ある無人のガソリンスタンドにたどり着いたターミネーターたちは、そこでサラの傷の手当てをする。
人間の体について、ターミネーターは熟知している。
悲鳴一つあげず、傷を縫ってもらうサラ。
「そうね、人を殺すのに必要なことだわ」。

ターミネーターの言葉に対するサラの答えには、納得と敵意がある。
ジョンがターミネーターは学習することはできないのかと聞くと、T-800は読み込みができるモードに変えられると教える。
ターミネーターはチップの取り出し方と、モードの切り替えについて説明する。

ここのシーンではターミネーターの寿命と、その頑丈さを改めて知る。
言われたとおり、チップを取り出したサラ。
機械らしくターミネーターは、動きを止める。

電池が切れた人形のようになったターミネーターに、ジョンはまた驚く。
チップを手にしたサラは、ハンマーを振り下ろして壊そうとする。
まさにハンマーを振り下ろす瞬間、ジョンが気づいて手でかばう。

「殺さないで!」
だがサラは言う。
「殺すんじゃないわ。壊すのよ」。
サラの憎しみと不信は根強い。

「いいよ、わかった」とサラの感情を肯定してジョンは「僕たちにはあれが必要なんだ」と言う。
「必要ないわ。2人だけの方が安全よ」。
「信用できないのよ!」

「敵に回ったらどんなに怖ろしいか…」。
「そうなる前に壊しておくのよ!」
それはそうだ。
ジョンは最初から味方のターミネーターしか知らない。

だが、サラはターミネーターのために何もかも失っている。
結局、ジョンは自分を認めて、言うことを聞いてくれと言う。
ママが聞かないのに、反乱軍のリーダーになってみんなが言うことを聞いてくれるのかと。
その説得にサラは「好きになさいな!」と言い捨てて、あきらめる。


ターミネーター 製作話より 観客を選ばない映画

「ターミネーター」のDVDでの特典映像の製作話が、非情に興味深い。
パトカーを乗っ取り、ターミネーターが夜のロサンゼルスをサラとカイルを探すシーン。
このイメージはサメだそうです。

ロサンジェルスの夜を泳ぐ、サメ。
目だけが動き、その後を頭が追う。
次に目が戻り、頭が戻る。

監視カメラのようだ。
機械の動きだ。
翌日、lこのフィルムを見たスタッフは「こんなの見たことない!」と、思った。

名セリフ「I’ll be back」。
「また来る」。
セリフを言ったターミネーターが車を暴走させて、警察署に乱入する。

でもこのセリフは、ウケを狙ったわけじゃない。
再見のお客さんは、セリフの後の展開を知っている。
ターミネーターが本当に「また来る」ことを知っている。
だから、とてもウケる。

車を暴走させ、警察に乱入したターミネーターは、警官たちを片っ端から撃つ。
警察官だって撃ってくる。
弾丸はしっかり、ターミネーターに命中している。

だが、ターミネーターは撃たれても、ダメージはゼロ。
サラのことしか、眼中にない。
ただ、邪魔をするから、振り向いて撃っている。
警察署、壊滅。

この展開を知っている再見の観客は、「また来る」のセリフにニヤリとする。
初めて見るお客さんは、この後に起きることで「また来る」の意味がわかる。
つまりこの映画は、何度も鑑賞しても楽しめる。

撮影は、無茶もした。
シュワルツェネッガーを車に縛って、車がバックしていくシーンも撮った。
窓を素手でぶち破る。
さらに車からガラスの上に落ちる。

、シュワルツェネッガーが「ひどい撮影」と言うシーンが、ここ。
カイルが運転する車から落ちた時だ。
体に、酸をかけられた。

立ち上る煙は衝撃の激しさと、それに耐えるターミネーターの頑丈さを強調する効果があった。
だがシュワルツェネッガーは、酸をかけられることには抵抗した。
スモークとか他に方法はないのか?と言った。

だが、特殊メイクのスタンは言った。
体が煙を上げる感じを出すため、酸が必要だと。
結果、シュワルツェネッガーは酸をかけられた。
酸が顔に流れてきて、目にしみて痛かった。

キャメロン監督は特殊メイクの時、表面は皮膚だが下は機械であることを要求した。
皮膚の下には、機械。
頬の内部に、油圧メカニズムがある。

最後の決戦に向かう前の、追跡のシーン。
車から法理ださえたターミネーターは、後ろから来たタンカーに轢かれる。
それでも、ターミネーターは止まらない。

人を轢いたと思ったタンカーの運転手が、降りて様子を見に来る。
運転手を襲い、ターミネーターはタンカーの運転席にやってくる。
助手席の青年は運転手が戻ってきたと思い、「面倒なことになる前にずらかろう」と言う。

そして乗り込んできたのが運転手ではなく、顔の半分に肉がなく、機械がのぞいている異様な男だと気がつく。
目の部分にあるのは、赤いレンズ。
「それ」は、ややぎこちなく命令した。

「降りるんだ」。
ゲットアウト。
そう言われた青年は、恐怖で口も利かず、降りていく。

シュワルツェネッガーは思った。
そんな容貌を作るのは、不可能だ。
しかし、スタンは言った。
「いや、可能だよ。君には何時間も辛抱してもらうけどね」。

予算のことを考え、キャメロン監督は撮影はなるべく昼に撮影するように言われていた。
でもキャメロンは、夜にこだわった。
夜のシーンが多い映画にするべきだと思った。

製作費も十分ではなく、苦労した。
サラ抹殺の命令を受けたターミネーターだが、サラの資料は戦争で消滅しており、名前と住んでいる場所しかわからない。
だからターミネーターは電話帳を見た。

電話帳の順番に、ターミネーターは殺人を行っている。
第1のサラ・コナーが犠牲になる前のシーンで、ターミネーターは車の窓を叩き割り、車を手に入れている。
このシーンは3人しかいないスタッフで、人目を忍ぶように撮影した。

シュワルツェネッガーは言う。
「ターミネーターが、自分でトランクから衣装を出す」。
手袋をはめ、ジャケットを羽織る。
合図でガラスを割り、警察が来るまでに次に行こう!と逃げるように去っていったと言う。

「君は嫌がらなかったね」と言われたシュワルツェネッガー。
だが本当はガラス窓を素手で叩き割るなんて危険だと、抗議する間もなかったのだと言う。
ターミネーターのシュワルツェネッガーは無表情だが、実は大変な撮影だったのだ。

監督は、映画ではカイルを通して観客には悪夢の体験をさせる。
サラを通して、日常を体験する。
そのためにサラ役には、平凡な日常を感じさせる女優が必要だった。

サラは徐々に強くなるが、出だしは平凡で、無防備な被害者でなければならない。
女らしい、ウエイトレスのバイトをする子。
金曜の夜には、デートを楽しみにしている普通の女の子。

その普通の女性が命を狙われ、自分の使命を自覚するにつれ、強くタフになっていく。
変わっていくのがわかる。
サラは、苦難に立ち向かう力を得る。

「ターミネーター」は特殊効果だけを売りにするようなアクション映画ではないと、監督も特殊メイクもシュワルツェネッガーも言う。
子供だけが、SFファンだけが、アクション映画好きだけが大喜びする映画でもない。
メッセージがあり、娯楽性も高い。

だから、全部の層の人に訴えるものがある。
観客を選ばない映画なのだと言う。
確かにそうだ。

カイルが「この時代の武器では倒せない」と言い切るターミネーターを追って、「もう戻れない」「誰も来ない」のに志願してやってくる。
その理由が本当は「伝説の人物サラ・コナーを見たかったから」ではない。
「彼のためなら死ねる」リーダ-・ジョンが生まれる前に抹殺されるを阻止されるのを防ぐため。
未来の人類のため。

でも何よりの理由は、「ずっと前からサラを愛している」から、会いたかったからなのだ。
カイルは戦争後の焼け野原に育ち、飢えて、HKからの探索に怯え、逃げる暮らしを送ってきたという。
戦いしか知らず、体は傷だらけ。
そしてかなりのイケメンである。

これが未来からたった一人やってきて「ずっと前から愛していた」と言う。
体を張って守る。
サラが愛してしまっても当たり前だと思う。
「ターミネーター」はSFアクション映画の名作であり、すごい、すごいラブストーリーの名作だと思う。

だがスタッフは作っている最中、ヒットする自信は正直、なかった。
ヒットしてからも、実感はしなかった。
「ターミネーター」は劇場公開が終わった後、テレビで放送された。
高視聴率だった。

ビデオが出て、また人気が出た。
続編を望む声は、高まっていった。
この後「2」が作られ、それも映画史に残る名作となるわけです。
本当にすごいことだと思います。


「ターミネーター」製作話より 名シーン

以前、「ターミネーター」のDVDの特典映像について書きました。
特典映像のもうひとつは、製作話。
「ターミネーター」は、キャメロンがパリで高熱を出し、一人でホテルで寝ている時に思いついたそうです。

異国で一人ぼっちの、孤独と疎外感。
それが未来から来て、現代に来てたった1人で戦う1人の戦士と、ターミネーターに繋がった。
ターミネーターに寂しいと言う感情はないが、1人には違いない。
なるほど。

最初、ターミネーターは全然、目立たない男にする予定だった。
人ごみから不意に現れ、人を殺す。
不意打ちの恐怖。

そして当初、シュワルツェネッガーは、カイル役だった。
これだとだいぶ、映画が違ってくる。
だが特殊メイクのスタンも、監督のキャメロンもシュワルツェネッガーと別れてから思った。
彼が絶対にターミネーターだ!

ターミネーターの機械の顔が半分。
半分がシュワルツェネッガーの顔になっているアイデア画が、シュワルツェネッガーの事務所に送られてきた。
目立たない男にしようと思っていた、ターミネーター。
しかしシュワルツェネッガーは、目立つ。

だから今度は徹底して、シュワルツェネッガーを非人間的に見えるようにした。
彼から表情を一切、消した。
強い意志だけを感じさせれば良い。
ターミネーターは獲物を食べるわけではないが、肉食動物のように付け狙う。

シュワルツェネッガーも考えた。
ロボットだったら、どんな動きをするか。
腕を伸ばし、銃を抜き、撃鉄を起こして撃つ。

その時に、肩も頭も動かない。
振り向く時は、体全体をまわす。
しかし動き自体は、スムーズだ。
製作者のセンスとシュワルツェネッガーの演技と特長が、最初に発揮されたのはサラを最初に襲撃する名シーン。


クラブでサラが、警察の来るのを待つ。
すでに同姓同名の女性が2人、殺害されている。
電話帳の順番に2人は殺されている。
それによると、次は自分の番になる。

一人で食事をしていたサラはニュースでそれを知り、店を出た。
動揺するサラを、一人の男がつけてくる。
それでサラは、近くにあったクラブに入って、公衆電話で警察を呼んだのだ。

一方、ターミネーターはサラの自宅を襲撃し、ルームメイトとその恋人を殺していた。
そこにサラから、助けを求める電話が入る。
自分がたった今、殺したのはサラではなかった。

ターミネーターは部屋の引き出しを開け、身分証明書でサラの顔を確認した。
サラからの電話により、サラがクラブにいることを知ってターミネーターがそのクラブにやってくる。
鳴り響く音楽。
踊る人々の中、ターミネーターがサラを探して歩く。

向こうを覗き込んだサラが、テーブルの上のビンを落とす。
ビンを拾おうと、サラがかがむ。
ターミネーターが通り過ぎる。

最初の探索でサラは、見つけられない。
サラの運は強い。
どこか、別世界のように音楽が響いてくる。
スローモーション。

頭を上げたサラは、正面に男がいるのを見る。
カイルだ。
サラを守りに来た男だ。
だがサラはそれを知るはずがない。

サラは思う。
あそこにいるのは、先ほどから自分をつけてきた男だ。
思わず、サラは目をそらす。

その時、ターミネーターがサラを発見した。
鳴り響く音楽。
踊る人々の間をターミネーターは無遠慮に割り込み、やってくる。
サラに近づくターミネーター。

あとでカイルがサラに言う。
旧式のターミネーターは、顔がゴム製なので見分けがつきやすかった。
今度のターミネーターは、汗から息まで人間みたいだ。

だから、誰がターミネーターなのかわからなかった。
襲って来る時に見分けるしかなかった。
サラに近づくターミネーターを見たカイルは、コートを翻して振り向いた。

コートの下には、銃身を短くしたショットガンを隠していた。
ショットガンを身構えるカイル。
サラを見つけたターミネーターが、銃を抜く。

赤いレーザーが、サラの額に当たる。
標的は定まった。
踊る人々を突き飛ばすカイル。

スローモーション。
まるで時間が止まったような、スローモーション。
このシーンの緊張感はすごい。
そして、銃声が響く。

カイルが撃ったのだ。
ターミネーターは、もんどりうって吹き飛ぶ。
サラが驚いて、椅子から転げ落ちる。
悲鳴が上がり、人々が逃げていく。

仰向けに倒れたターミネーターの、指が動く。
死んでいない。
目をカッと見開き、ターミネーターが起き上がる。
サラも店から逃げる。

邪魔者のカイルに銃を乱射したターミネーターは、逃げていくサラを見る。
銃で撃つ。
サラの背後にいた女性がターミネーターの銃撃を受け、倒れる。

女性が倒れる時、サラに覆いかぶさり、サラが転ぶ。
ターミネーターが近づいてくる。
逃げようとするサラだが、覆いかぶさった女性を払いのけることができない。

もがくサラ。
近づくターミネーター。
その時、再びカイルがターミネーターを撃つ。

衝撃で吹き飛び、ガラスを突き破り、道路に倒れこむターミネーター。
サラの手を取るカイル。
だがターミネーターは起き上がってきた。
その光景を見たサラの目が、信じられないと驚愕に見開く…。


このシーンの緊張感とスリル。
観客は一気に話に、引き込まれる。
ターミネーターの異様さを感じる。

悔しそうな顔もしない。
痛みも感じていない。
知性的な襲撃ではないが、圧倒的な力によってめちゃくちゃなやり方が通ってしまう。

何度見ても、見飽きない名シーンですが、これはシュワルツェネッガーだからできたことだと思う。
最初の構想のキャスティングだと、確かにホラーにはなる。
だけどラストシーンが、あそこまで感動を呼ぶ話になっただろうか。
やはりこの成功はストーリーのおもしろさと、キャスティングの見事さだと思います。


ターミネーター 未公開映像より

「ターミネーター」。
「エイリアン」がSFホラーに輝く金字塔とすれば、これはSFアクション映画史上に、燦然と輝く金字塔。
そのDVDの特典映像に、未公開シーンがありました。
カットされたシーンではありますが、これがあるとまたちょっと違っておもしろかったかも。

警察署に保護されたサラ。
カイルの取調べが行われる。
同僚がカイルを狂っていると笑う中、警部は難しい顔をして黙っている。

突拍子もない話。
しかし警部は、この話はもしかしたら本当なんじゃないか…?と思っているんですね。
多くの異常者を見てきた警部が、カイルの様子にただならぬものを感じている。
実際にターミネーターの襲撃を受けた警部は、確信する。

そして瀕死の状態の時、サラを連れて逃げようとするカイルを呼び止める。
カイルに「サラを守りぬけ」と告げる。
自分の任務を果たせ、と。
感動的。

逃避行の最中、母親に電話したサラは電話帳でサイバーダイン社の住所を調べた。
カイルに、スカイネットを開発する前に爆破してしまおうと提案する。
「2」でジョンは、サラがサイバーダイン社を爆破しようとして捕まったと語っていますが、この時からサラは考えていた。
自分はジョンを生む前に抹殺されようとしたから、サラはそれをヒントに先回りしようと考えたわけです。

危険すぎると反対するカイルとサラが、もめる。
ひっぱたかれたカイルはとっさに、銃を構える。
戦争状態にいたカイルは、反射的に攻撃の態勢を取ってしまうんですね。

「撃ちなさいよ!」と言うサラに我に返ったカイルは、辺りを見渡す。
世界が美しいことに涙する。
自分のいた世界には、何もなかった。
夢のようだ。

緑。
花。
そして、サラ。

すべてが美しい。
だから、とてもつらい。
わかるだろうか。
自分のいる世界には、何もなかった。

美しいものはすべて、なくなってしまった。
この美しい世界が失われるのを知っている。
だから、とてもつらい。

すると、サラは言う。
だから未来を変える。
運命ではない。
自分で未来は、変えられる。

「NO FATE」。
「2」で核戦争の夢から覚めたサラが、無意識に木のテーブルに彫っていた文字。
「運命ではない」。
サラはずっと、そう思っていた。

最後の戦いの後、サラが救急車で運ばれていく。
その時、工場に残ったチップを手にする社長の姿がある。
警察が手を触れるなと言うが、社長は技術者に「マイコンチップだ」と言う。

見たことがない作りだ。
チップをポケットに入れる。
そして密かに技術者にこれを、研究するように言う。
サラが運ばれていった工場には「サイバーダインシステムズ」の文字があった…。

ここから、スカイネットは開発されるのだ。
「2」で技術者のダイソンは、このチップとターミネーターの腕を元にスカイネットの研究が始まったと言っていた。
交錯する現在と未来。

これらのシーンはほしいような、なくても大丈夫なような。
サラが運ばれた救急車の扉が閉じ、シーンが変わる。
1人嵐に向かっていく姿で終わるラスト。

この流れがすばらしかったので、なくても良かったような気はします。
複雑な気持ちですね。
でももう、「2」に繋がる構想はこの時なされていたんだなあと思いました。