こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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チャンバラジオ!

年の瀬に、こんなうれしいラジオ番組発見。
http://www.nhk.or.jp/radios
「光があれば陰がある」
まるで「忍法カムイ外伝」のオープニングみたいですが、その通り。

12月31日10時05分からラジオ第一で放送する「チャンバラジオ」。
今回は悪役俳優さん特集ー!
時代劇研究家の春日太一さんが、ゲストに尾張大納言様こと中尾彬さんを迎えて放送。
しかも語りは江幡高志さん!

番組HPには「小悪党を演じ、時代劇を支えてきた江幡高志さん」とあります。
いやいやいや、なんてうれしい。
番組では中尾彬への質問・メッセージ、春日太一さんへの質問・メッセージを受け付けていますとのこと。
江幡高志さんへのラブコールはOK?


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表の顔と裏の顔

時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇「顔」。
松平健さん主演、池波正太郎原作で、江戸の闇社会を描きます。
共演が火野正平さん、中村嘉つ雄(「つ」は律に草かんむり)さん。

ここでまた「必殺」を忘れられないしょうもない懐古主義者の私は、「新・仕置人の己代松と正八だあ…」って思ってしまったんですね。
すぐにそんな連想をする。
結びつけちゃう。
だから嫌われちゃうんですよね。

わかってるんですけど、連想しちゃうのはしかたない。
許してほしい。
謝ったところで、「顔」のCMです。

松平健さんに裏の仕事を依頼するのが、どうも火野さんの役らしい。
しかし、CMで流れている、火野さんの声がすごい。
「人間にはね、表と裏の顔があるんですよ」。

「あるんですよ」というより、「あるんすよ」と言った方が良いニュアンスで話している。
どうも、松平健さん演じる男が描いている絵を評価してくれている男がいる。
その実直そうな男の殺しの依頼が、火野さんを通して松平さんに入ったらしい。

自分にも優しく、誠実そうな男。
演じるのは、石黒賢さんですね。
好感を抱いている男の、殺しの依頼。

なぜ。
あの人を殺してほしいなんて、依頼が来るのだ。
おそらくそこでの火野さんの一言なんでしょう。
「人間には、表と裏の顔があるんですよ」。

あなたに見せているのは、表の顔。
仏、菩薩の顔と言うべき顔なのかもしれない。
しかし、どんな人間にもいろんな面がある。
あなたには見せない、あなたには縁がない。

だが、この人を誰かは死ぬほど恨んでいるんです。
大枚はたいて、危険な裏街道の人間に殺しを依頼してもいいほどの恨み。
確かに松平さんに微笑んでいるのとは、ガラリと違う顔を見せている石黒賢さんがいる。
仏、菩薩に見える人間にも悪鬼、羅刹の顔があるんですよと。

火野さんの声に、凄みが宿っている。
この声はいろんなものを見て、いろんな修羅場をくぐって生き残ってきた男の声だ。
軽く、それゆえに怖ろしい。

もし、正八が裏の仕事にずっと関わって生きていたら。
数々の仲間がむごく死んでいくのを見ながら、生き残っていたとしたら。
こんな男になったかもしれない。

そんな想像してしまいました。
想像するぐらい、自分の中に正八が残っていた。
火野さんが演じる正八が残っていた。

さらりと演じているようで、ここまで人に深く残す。
短いセリフに、この男の背景まで想像させるほどの凄みを込める。
やっぱりこの俳優さんは、怖ろしい俳優さんだ。
「顔」がますます、楽しみです。




出会いは罪なもの 鬼平犯科帳スペシャル「密告」

鬼平犯科帳スペシャル「密告」。
珊瑚玉のお百を、高島礼子さんが演じました。
さすがです。
今回の主演ですね。

そして息子の紋蔵役の、高橋光臣さんが良かった。
この俳優さんが活かせるような時代劇が、できると良いと思いました。
蟹江一平さんが出ていたのも、うれしい。
粂八がいなくて、寂しかったですから。

スタッフさん、素敵なキャスティング、ありがとう。
鬼平はいつも、丁寧に作られていますね。
セットも、音楽も良い。
こんな時代劇が毎週見られたんですよね。
幸せな時代だったんだと思いました。

いつもお百が身に付けている、紅い珊瑚玉のかんざし。
彼女の通り名にもなった、赤いかんざし。
それには、鬼平への思いが込められていた。

茶店のかわいい看板娘だったお百。
不良旗本のために父親のいない子を生み、鬼平が持たせた持参金だけ奪われ、子供と放り出された。
そんなお百の中で、平蔵だけが輝いていたのでしょう。

自分の父親が、くだらない旗本の男だと思っていたお百の息子・紋蔵。
母親を恨み、世間を恨む。
急ぎ働きをする盗賊となった紋蔵を、お百は鬼平に密告する。

捕らえられた紋蔵への、鬼平のお前の本当の父親は自分だと言う言葉。
嘘だとわかるからこそ、うれしい。
ありがたい。

情けが身にしみる。
鬼平の情けに触れて、紋蔵は嘘のようにきちんとした態度に変わる。
しかし、もう遅かった…。
彼を待っているのは、処刑のみ。

少し前、ペルーの日本大使館人質事件の詳細についてのドキュメントを見ました。
若いテロリストが、日本人の人質との交流を持つうち、夢を持ち、希望を語るようになる。
この青年たちは、「ちゃんとした」「本当の」大人に会ってなかったんだろう。
彼らが会った日本人が、「本当の」大人だったのも良かった。

そういう大人は未成年に対して、やはり影響力があると思う。
「ちゃんとした」「本当の」大人に初めて会って、彼らは変わった。
しかし、もう遅かった…。

紋蔵も、鬼平のような大人に会えば、急ぎ働きをする盗賊にはならなかった。
出会いは時に罪なものに思える。
そういえば、鬼平って「理想の上司ナンバーワン」でしたね。
やっぱり魅力的で、影響力大でしょう。

今回の「密告」は、哀しい話だった。
その哀しみが中和されるような、笑いで締めるラストまで、堪能できました。
確かにレギュラー出演者は、お年を召された。

今回のスペシャルではあんまり動きがない人物もいて、体調を心配してしまうこともありましたが、出演俳優さんたちはやっぱりすばらしい。
あの味わいはやはり、この俳優さんたちが出せる味かと思いながら、見てました。
蟹江さんの姿は、やっぱり、もっと見たかった。
息子さん、がんばってね!


楽しかった~!

1月2日テレビ東京で放送した正月時代劇「大江戸捜査網2015」。
楽しかった~!
とんでも時代劇といえばそうなんでしょうが、娯楽チャンバラは楽しかった!

キャスティングも内藤勘解由さまが里見浩太郎さん。
井坂十蔵こと、瑳川哲朗さんが田沼意次を演じてくれました。
井坂十蔵は、村上弘明さん。
悪の奉行は、榎本孝明さん。

このキャストは見ていても安心。
正義側でも悪党側でも、バッチリ、見ている側を引き付けてくれます。
殺陣もバッチリ。

中でも里見さんは、79歳が信じられないほどの動き!
さすがとしか…。
この勘解由さまは殺陣を披露してくれなきゃ!と思ったら、ちゃんと殺陣シーンが用意されてました。

そしてこの「大江戸捜査網」がおもしろかったのは、「剣客商売」以外ではほとんど悪く描かれている田沼意次が有能で器の大きな政治家であること。
若く、清廉な理想家に描かれることが多い松平定信。
それがここでは陰謀を巡らせ、罪もない人を犠牲にする。

自分の身分、才能に溺れ、過信して怪物のように育った身に余る野心。
選民意識。
その結果生まれた、罪もない人を殺して心を痛めることもない、冷酷な青年政治家。
加藤雅也さんが、見事に演じてくれました!

自分に逆らう隠密同心たちを捨て駒とし、新たな隠密同心たちを結成させ、十文字たちを襲わせる。
勘解由さまが裏切ったと思わせたり、柄本時生さんが演じた長庵が殉職したり。
権力者である後ろ楯が敵になって襲いかかる、危機の連続。

田沼意次の娘が花魁に化けて定信の魔の手を逃れていたり、隠密同心が変装したり、吉原が炎上したり。
隠密同心の江戸城殴り込みなど、とんでもない展開はあります。
でも、普通におもしろい時代劇だったと思います。

高橋克典さんは、時代劇うまくなって行きそう。
藤原紀香さんも似合ってた。
柄本時生さんの殉職は、泣けました。
村上弘明さんは、出るとやっぱり、場面持ってっちゃうな~。

夏菜もちゃんと見せ場があり、似合ってました。
秋場新十郎の松岡昌宏さん、かなり痩せて役作りしたのでしょうか。
時代劇好きみたいですし、うまくなって行って、盛り上げてほしいです。
西村雅彦さんのこすっからい一橋治済も最後、隠密同心が持って来た定信の首で腰を抜かすところが良かったです。

懐かしのテーマソングで殺陣が繰り広げられる場面は、ワクワクしました。
里見さんも参加し、優位のはずの定信の顔色が変わって行くクライマックスは、時間もたっぷり。
ちゃんと主役の高橋さんが、がんばってた。

最後に里見さんの「微笑みを捨てる時」を流してくれたらもっと良かった。
死して屍拾う者なし!
レギュラー放送は無理でも、またやってくれないかな~。
テレビ東京さん、ありがとう。



鉄の爪の博太郎さん 「だましゑ歌麿Ⅱ」

9月15日放送だった、「だましゑ歌麿Ⅱ」。

水谷豊さんが前回同様、歌麿。
でも前回はストーリーといい、歌麿が2時間サスペンスの探偵・変身する左文字さんみたいでした。
歌麿の愛していた、今はいないはずの女性が、最後に大立ち回り?!
死んだはずの女性が悪党たち相手に、南町同心の仙波一之進を助けて大勢を相手に優位に戦う。

しかし、その女性、面を取ったら歌麿だった。
そしてその亡き女性に瓜二つの女性は、歌麿の引き合わせで仙波の妻になった。
悪党どもは、火付け盗賊改め方お頭・長谷川平蔵がお縄に。
この長谷川平蔵は古谷一行さん、なかなか渋いです。

小柄で運動神経が良い水谷さんだから、女性と見せかけて歌麿だった。
そういう変身も「まさか!ありえない!」という感じでは、なかった。
だけど、水谷さんの2時間サスペンスの主人公・左文字探偵のようだった。

それでつまらなかったかと聞かれると、全体としては異色の時代劇で、おもしろかった。
でも1作目は実質、橋之助さんが主役。
しかし今回は、歌麿が主役。


将軍家の血を引くという触れ込みで駕籠で乗りつけ、押し込みを働く盗賊・葵小僧が捕縛された。
市中引き回しにされている葵小僧は、やつれてはいるが、美しい面差しの青年だった。
だがその斬首となった刑場で、必ず仇を討つと涙ながらに誓う、やはり美しい青年がいた。

そして人気浮世絵師の喜多川歌麿が描いた美人たちが、3人立て続けに殺された。
喉をえぐられた殺され方は、葵小僧の手口だった。
葵小僧は生きているのではないかと仙波は疑うが、葵小僧を捕縛して3日で処刑したのは火盗改め。

捜査する仙波は、火盗に呼ばれた。
まだ葵小僧が生きているように調べれば、世間を不安に陥れる。
それに、葵小僧がまだ生きているなどというのは、火盗への侮辱である。
老中松平定信の指示で火盗にいる松平主計介は、そう言って仙波に釘を刺す。

元遊女のお妙は、言葉巧みに女性の魅力を引き出して絵にする歌麿に描かれてから、歌麿に恋焦がれてしまった。
お妙は後妻に入った武蔵屋からも、歌麿を追って家を出てしまう。
夫の喜太郎は探し回るが、歌麿に受け入れてもらえなかったお妙は行方知れずになってしまった。

そんな時、お妙を酒場から連れ出した男が、殺されてしまった。
男の家からは、歌麿の美人画が見つかり、この男が連続殺人犯と思われた。
さらに、男が殺された手口は、葵小僧のものだった。

行方が知れなくなったお妙だが、実はひっそりと、葵小僧の処刑を涙ながらに見ていた青年の住むあばら屋に潜んでいた。
青年は蘭陽という、軽業が人気の役者だった。
だが蘭陽に行き着いた仙波の同僚の同心・高山は岡っ引きとともに、殺されてしまう。
殺したのは、長屋で被害者の男の家の隣に住む源兵衛だった。

ここで源兵衛こと本田博太郎さん、登場。
私は盛り上がる。
楽しい。

源兵衛と蘭陽は対決し、蘭陽は深手を負ってしまった。
蘭陽は源兵衛の一味の中に、先だって殺された男と、家紋の入った羽織を着た武士らしき男を見ていた。
…というわけで、ここから先はネタバレ。
見ていない方は、注意してくださいね。



実はこの一味が葵小僧で、葵小僧はまだ生きていたんですね。
葵小僧の身代わりにされたのは、蘭陽が慕っていた兄貴分の役者。
ある日、かどわかされ、声を潰されて、葵小僧として処刑されてしまったのでした。

道理で、蘭陽が敵討ちを誓っていたわけです。
蘭陽が怪しい目つきで、お妙や、他の犠牲者の女性を見ていた。
だから最初は、蘭陽は葵小僧の一味で復讐を図って殺人を犯しているのか…と思わせる作りでした。

そしてわかった真相は、源兵衛は葵小僧の一味の殺し屋だったこと。
さらに、家紋の入った羽織を着ていた武士は、松平主計介だった。
なぜそんなことをしていたかというと、葵小僧は本当に将軍家の御落胤だった。

しかし、生まれをひがんで、盗賊の頭になった葵小僧のことが明るみになれば、将軍家に傷がつく。
松平家としては、葵小僧、ひいては将軍家を守らなければならなかったということでした。
歌麿、そして仙波、後の葛飾北斎である春朗はお妙を奪還しに、葵小僧の潜む塔に斬りこむ。

私は本田博太郎さんが、長屋のシーンで出て来て喜んでしまった。
卑屈で、高山の追求におどおどしていたのは偽りの姿。
竹やぶで蘭陽に襲い掛かり、高山と岡っ引きを簡単に惨殺する敏捷で残忍な正体を現す。

身軽で、まるで忍びのような動き。
思わず「刺客請負人II」の、道八さんっ!と思ってしまいました。
博太郎さん、手に鋭く長い鉄の爪をはめてました。
これで喉を、一気に切り裂くわけです。

仙波も、鉄の爪を受け止めるだけで精一杯なほどの手強い動きだったんですが…。
何と、その鉄の爪が柱に突き刺さり、身動き取れずに仙波にバッサリでした。
かなしー。
でも博太郎さん、楽しんで演じていたと思います。

老中松平定信の指示で火盗にいる松平主計介は、渡辺いっけいさん。
歌麿に抱えられて、塔のてっぺん辺の窓から落下。
空中で離されて、地面に叩きつけられて殺される。
歌麿は、猫のように回転して着地し、無事。

いっけいさんは「木枯し紋次郎」では、名主の娘への恨みを持ち続けるヤクザのような役だった。
あのヤクザは、名主の家の元・下男だった。
物語の最後、娘の性悪の正体が明らかになる。

見ていたこちらは、このヤクザが下男の時、何かされた、何かあったんだ…と思った。
過去については何も語らなかったし、描写もなかった。
しかし、いっけいさんは、そんな目をしていた。
そんな雰囲気を漂わせていた。

ただの恨みじゃない、恨みの深さは愛情と未練の深さでもある。
いっけいさんは、そう思わせるような演技をしてました。
つまり、いっけいさんはこういう演技ができる人でもあるので、もっと幅のある悪役なんかもさせてほしいなと、「だましゑ歌麿II」を見て思ってしまった。

最後は、お妙は自分の幸せは、武蔵屋と夫にあると気づかされて戻って行く。
葵小僧も長谷川平蔵が駆けつけ、吉原の遊郭亭「鶴亀」の女将の志乃が歌麿に依頼した、さや絵も完成。
この絵は、天井にわからない模様が描かれている。
そう思ったら、灯篭に火をともして灯篭が熱で周りだすと、その天井の絵を映して筒になった灯篭に天井の模様が映し出され、被害者たちの似顔絵になる。

これが「だましゑ」。
すべて収まって、めでたし、めでたし…のはずだった。
ところが、仙波は妙な夢を見る。
葵小僧のように、歌麿が市中引き回しにあっている夢。

すると歌麿は、かねてより歌麿の絵を良く思わなかった老中・松平定信によって投獄されてしまった。
だが歌麿は牢の中、「絶対に死なない」「生きてやる」と狂気を帯びて笑う。
前作も、歌麿の狂気を思わせる笑いで終わったんですけどね。
今回も、歌麿の狂気の笑いで終わりました。

歌麿は終始、女性っぽく、芝居がかったセリフと態度でした。
天才浮世絵師は女性を惑わす妖気も兼ね備えている…、ということで、ちょっと奇妙なセリフと態度になったんでしょうか。
それともこの演技は、第1回もそうだったんですが、最後の狂気を衝撃的にさせるためだったのかな。
最後はそれまでの物腰が柔らかい歌麿とは、ガラリと違いました。

それと今回の歌麿は「左文字」ではなく、「相棒」の「右京さん」が入っていた気がする。
版元の蔦屋の重三郎が岸部一徳さんだったり、「相棒」を見ていた人には、覚えのある俳優さんが出てたからそう思ったのかもしれませんが。
お妙の内山理名さんは、綺麗でした。
そして何と言っても、橋之助さんが良かった。

これ見て、中村橋之助さんはもう少し経ったら、「鬼平」ができるんじゃないかと思いましたね。
やっぱり、時代劇は上手い。
奇妙な終わり方をしましたが、次回もあれば見ると思います。

いや、原作は読んでないんですけどね。
できれば橋之助さんで、この同心の話を連続ドラマで見てみたいと思いました。
その時はまた、博太郎さんも出してください!
きっと楽しいですよ!