圧巻の対決 「嘘の戦争」第6話

第6回。

浩一はついに楓との交際するため、二科家に行く。
興三は表面的には穏やかに話すが、浩一の狙いを探ろうとする。
そのために浩一に楓との結婚を約束させた。

これにはさすがに晃も驚くが、帰り際、隆の子がやってきた。
隆の子にコアラの伝説の話をした時だった。
ニヤリと隆が笑った。
その笑みに不穏なものを感じた浩一は、コアラの伝説に出て来る妖精の名を間違えていたことに気付く。

間違えは、千葉陽一のブログにあった間違いと同じだった。
同じ間違えをしているということは、浩一と千葉陽一が同日人物であることの証明だ。
浩一はこの間違いに気づき、大失態だったと言う。
この間違いを挽回しなくてはならない。

浩一が三瓶の施設を訪ねた時、隆もまた、三瓶を訪ねて来る。
千葉陽一の話が聞きたい。
そう言われた三瓶は、本人が帰国していると言って隆に会わせる。

千葉陽一の後姿を見て、隆はひそかに勝利を確信した。
しかし…、振り向いた男は浩一ではなかった。
それはブログで見た千葉陽一、その人だった。

愕然とする隆は、それでも問いかける。
「30年前の事件」と言いかけた隆に陽一は「忘れたいんです」と話を遮った。
「だから僕は日本を捨てたんです」。
隆は帰っていった。

千葉陽一は昔、詐欺師だった男で浩一の知り合いだったのだ。
「ご苦労さん、もう帰っていいよ」と浩一は笑う。
浩一に協力した三瓶だが、こういうことはこれ1度きりだと言う。
その口調と表情が、何かを感じさせる…。


このドラマ、草なぎさんの演技の迫力にうならされますが、今回はさらもすごかったです。
ストーリーもですが、今回はとにかく草なぎさんの演技に圧倒されました。
草なぎさんの進路は、彼の演技にとって完全に良い方向に進んでいると思います。
制約が外れたかのように、いろんな顔を見せています。


冒頭の食事会から、名優・市村正親さんとの演技対決でした。
浩一と興三の対決はそのまま、俳優同士の火花散る対決。
どちらも一歩も引かぬ。

今回は楓を完全にはまるために、浩一の元カノとして楓と話をつけるハルカの複雑な心境も見ることができました。
浩一を信じていると言う楓のまっすぐさに、元カノが浩一をあきらめるというシナリオだった。
それは見事に演じたハルカだが、心は晴れるどころか暗くなる一方。
女優さんたちも草なぎさんとともに、光っている。

今回は千葉陽一の登場といい、晃に追い詰められるかと思ったら、逆転勝ちのストーリー。
そしてラスト。
自分の貧しい故郷と、貧しかった頃を語る二科興三。
何としても成功するしかなかった彼の生涯。

手に入れた成功と、愛する愛娘。
それを奪う者は排除する。
浩一へ心情を吐露する興三。
市村さんの迫力の演技。

それにガッツリ、応える草なぎさん。
またしても、一歩も引かぬ。
だが気持ちを高ぶらせた興三は、心臓の発作を起こす。

救急車…。
悶絶し、倒れ、意識を失う興三。
それを浩一は、冷徹に見下ろす。

浩一は千葉陽一に戻り、興三に自分の思いをぶつける。
抑えきれない憎悪。
燃え上がる怒り。
阿修羅の微笑み。

こんな奴、ここで死ねばいい。
誰も来ないところで、誰も知らないところで。
蔑んだ目で興三を見下ろして、去っていく浩一。

助けを呼ぶ気など、微塵もない。
晴れ晴れと、せいせいしたと、ざまあみろと言っている顔。
だが…。

浩一は立ち止まる。
振り向く。
悪魔のような微笑みが消える。

もう、興三は動かない。
突然、何かがはじけたように浩一は走る。
こんな、死に方させてたまるか。

お前は俺の罠にはまり、苦しんで、後悔して、地獄を味わって死ななければならない。
病気でなんか、死なせてたまるものか。
骨も折れんばかりの心臓マッサージを施しながら、浩一は叫ぶ。

その表情にはもう、先ほどの残忍な笑みはない。
あるのは、ただ、1人の瀕死の人間を生かそうと必死な、真摯な男の表情。
いつのまにか、浩一の目からは涙が流れている。

怒りなのか悲しみなのか、わからない。
この時、誰かの顔が浩一の脳裏にあったのか、なかったのか。
生きろ、生きろ、生き返れ!

圧巻の演技。
対決。
市村さん、興三、ともに本気。
本気にさせ、食らいつく浩一、草なぎさん。

復讐に生きる浩一、いや、陽一の人生を生きている。
その復讐に影を落とすのは誰か。
動き出した六車なのか。

裏切りをにおわせ始めた、百田なのか。
浩一への揺らがない愛を感じさせる楓なのか。
浩一の闇は、晴れる時が来るのだろうか。
彼の心は、どうやったら救われるのか。



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第6話、見てます!

いやいやいや、これ、すっごいおもしろいですね~。
草なぎさんの演技がすごみがあって、見応えたっぷり。
ラスト5分の演技は、これこれ、こういうのが見たかった!って感じです。
共演者もみんな良くて、ほんとにおもしろい。


もう一人増えた 「嘘の戦争」第5話

第5回。


五十嵐医師、六反田弁護士、三輪刑事、四条綾子と司。
30年前の事件にかかわった人物が、次々、破滅していく。
二科興三は30年前の事件の真相を語った録音テープがあることに気づき、六車と言う人物を再び使おうとしていた。
父に六車を使わせないため、隆は独自に千葉陽一について調べ始めた。

バー800で相談中の浩一のもとに、いきなり隆が出現した。
隆は浩一に千葉と言う人物を知っているか、聞いた。
とっさに繕う浩一と、話を合わせる百田。

だが隆が帰る間際に、ハルカが「あー、お腹すいた」と言いながら来てしまう。
ハルカもまた、とっさに常連を装い、不自然ではない会話をする。
しかし店を出た隆は、ハルカとどこかで会ったことがあると考え始めた。

浩一の次の標的は、大手銀行に勤めている九島亨であった。
九島の父は銀行の副頭取で、30年前、二科コーポレーションに融資をしていた。
興三が浩一の一家を殺害し、OL殺害事件をもみ消した見返りが、多額の融資だった。

浩一はパイロットを装い、キャビンアテンダントを装ったハルカとともに、九島の前に現れる。
ワインを九島が割ったのをきっかけとして、浩一とハルカは九島と飲むことになる。
九島は愛人の五十川芙美を連れてきて、4人で飲んだが芙美は機嫌が悪い。

どうやら九島と、うまくいっていないようだった。
ハルカは芙美に、一見、うまくいっていそうに見える浩一との関係に不安を持っていることを打ち明けた。
意外な共通点に芙美は、九島について語り始める。

九島と芙美はうまくいってはいないが、九島は芙美と別れることはできない。
なぜなら、九島の不正を芙美は知っているからだ。
それをつかんだハルカは、今度は九島に投資の相談があるのであってほしいと持ち掛けた。

九島への罠を張り巡らせる一方で、浩一は楓とさらに接近していく。
楓はもう、父親とは数年、打ち解けて話をしていなかった。
その話を聞いた浩一は「いつまでも怒りを持っていては、つらいだけ」と言う。
「忘れれば、楽になる」。

浩一の言葉は、楓を動かした。
楓がついに父の興三に、浩一と会ってほしいと言いに行く。
ダメかとあきらめかけていた楓だったが、興三は娘と数年ぶりの会話に心が揺さぶられた。

浩一は九島に、友人から頼まれた美術品を預かってほしいと言う。
すると九島のもとに、麻薬取締官になった百田とカズキが現れる。
逃げ出した九島に浩一は、すごみのある声で「もはや共犯」と告げる。
麻薬と思われた粉は、実は小麦粉なのだ。

ハルカは九島に、自分の先輩が転落した遺体となって発見された時の写真を見せる。
それは食堂のおばちゃんが、1万円で引き受けてくれた死体役なのだ。
ハルミは九島に、浩一の怖ろしさ、背後の組織の怖ろしさを訴える。
2人で逃げようと持ち掛けると、九島は承知した。

九島とハルカが、何もかも捨てて2人で逃げると知った芙美。
嫉妬に燃えた芙美は、九島の不正のすべて告発することを決意。
九島は限度額を超えた融資を妻のエステサロンにしており、マージンを受け取っていた。

逃走資金を山小屋に取りに来た九島の前に、浩一が現れた。
九島に猟銃を向ける浩一。
お前のために、30年前、何の関係もない家族が殺されたんだ。
浩一の言葉に九島は、知るかよ!と叫ぶ。

「殺してやろうか」。
浩一が、猟銃を九島に向ける。
ピタリと標準を、九島に合わせた。

九島は絶叫した。
「恨むなら、あの親子を恨め!」
その親子とは、二科興三とその長男・晃だった。
晃は九島たちに女を連れて来いと言われたら、晃は本当にOLをナンパして連れてきたのだと言う。

事件が起きた時も、晃は見張りをしていた。
二科興三は、九島たちのためだけにやったのではない。
自分の大事な長男を守るために、やったのだ。
「…そういうことか」。

浩一が消える。
九島は金と猟銃を持って、逃走しようとする。
外はもう、暗かった。

九島が外に出た途端、警察に囲まれる。
思わず、九島は猟銃を発砲してしまった。
怖ろしさに足がすくんだ九島を、取り囲んだ警察が逮捕する。
業務上横領、銃刀法違反の現行犯である。

戻った紘一は、ハルカに言う。
もう一人。
地獄を見せなきゃいけない人間が見つかった、と。

そして、ついに隆がハルカに気付いた。
二科会長のパーティーの礼状の見本を見て、隆はハルカに気付いた。
バーにいた女は、あのパーティーにいた女だ…。

浩一が、ついに興三に会いに行く。
隆は、楓と浩一の交際には反対だが、30年前の事件の関係者が次々破滅させられている。
残るのは、二科家だ。

「私と晃か」。
興三が言う。
隆はそれでも、六車を使いたくない。

そのためになぜ、浩一が自分たちに関わっているのか。
目的は何か、知らなければならない。
それを知るためにも、浩一とは離さなくて張らないと考える隆だった。
浩一がやってきた…。


いやいや、今回はパイロットに変身した浩一。
人を騙すにはまず、自分を騙す。
毎回の変身が、楽しみです。

人当たりの良さに見え隠れする憎悪。
いろんな顔を見せて、でも芯にあるのは浩一。
変わらない浩一。
巧みに人の心理を突き、利用していく。

楓に浩一と会ってくれと頼まれた興三は、それとは別に何年振りで楓と話をしたことに感動している。
何年ぶりだろう、お茶を飲むのは。
「もう一杯だけ、付き合ってくれないか」。
興三が楓を可愛がっているのがわかる。

だからこそ。
浩一の復讐は、楓に及ぶ。
しかし、今回は衝撃的な事実が判明。
晃はやはり、事件の関係者だった。

良い人だっただけに、浩一の憎しみは倍になる。
これで、自分を抑えるものはなくなった。
破滅させてやる。

晃は浩一を完全に信頼し、朝まで一緒に飲みたいと事務所にやって来るまでになっている。
将棋のソフトで晃が毎回、負けているのを知っている浩一は晃に勝たせてやる。
晃が、本当に楽しそう。
この人も、隆も、悪い人じゃないんだってわかってきて、つらい。

「いつまでも怒りを持っていては、
つらいだけ」。
「忘れれば、楽になる」。
これは本当は、自分に言いたいですよね。

赦せないということは、いつまでも地獄が続いているということ。
忘れられたら、忘れて前に進むことだけをしていられるなら、浩一の人生は楽になる。
本当は誰よりもそうしたい。

だけど、赦せない。
赦せたなら、みんなが幸せになれるのに。
でもそんなことはできない。
何の罪もないのに、殺された家族。

その犯人は追及されることもなく、自分たちは幸せな生活を送っている。
「殺してやろうか」と銃を向けた浩一は、まぎれもなく本気だった。
照準を合わせた目が、「殺してやりたい」と言っていた。

30年前のOL殺害事件の犯人とその家族は、社会的には成功している。
でも、幸せというわけじゃないんですよね。
ちゃんと罪を償っていないから、自分が何をしたかもわかっていない。
だから同じような過ちを繰り返している。

「復讐するは我にあり」。
浩一を見ていると、そんな言葉も浮かんできます。
晃が語る、幸せな未来。
絶対にありえない幸せな未来。

四条も九島も、俺だけじゃないって言う。
自分と同じような人間がいると、四条は九島を。
九島は晃のことを話した。

晃は、四条や九島とは違う人間に見えるんですけどね。
果たして、同じような罪を背負っているのか。
九島の言うことは、本当なのかと思ってしまう…。

隆は本当はジャスティス、正義の人なんでしょうね。
だから六車を使わせたくない。
浩一たちが危ない、とそうも思っている。

展開のさせ方がうまいなあ、と思います。
視聴者が期待しているものを、今のところ見せてくれてますよね。
しかしこれからは、六車によって、百田やカズキも危ないかもしれない。

これまでは浩一のペースで進んできましたが、六車の登場によって立場が変わるのでしょうか。
何だかもう、最終回を迎えてもおかしくないほどの盛り上がり。
話も、いろんな顔を見せる草なぎさんも楽しみです。
今回、九島役の平岳大さんのクズっぷりも、とっても良かったですよ。


俺の標的だ 「嘘の戦争」第4話

第4回。


隆は五十嵐に面会に行ったが、五十嵐は話ができるような状態ではなかった。
ただ、隆が見せた浩一の写真を見た五十嵐は、ひどく興奮した。
しかし千葉陽一はオーストラリアに在住していて、HPも存在している。

隆は千葉陽一がいた病院を訪ね、三瓶の名を聞き出していた。
陽一の面倒をよく見ていた医師だ。
千葉の後輩だが今は病院を辞め、養護施設をしている。

その三瓶は浩一とハルカが結婚するものと思い込んでいる。
何でも離婚した妻との間に娘がいるが、離婚後は会えていない。
だから結婚式にも出られない。
なので、浩一の結婚式が楽しみなのだそうだ。

浩一は楓の母の葬儀の時の写真を見ていた。
子供の頃からかわいいと八尋カズキが言う。
「俺の標的だ。汚すな」。
浩一のすごみある言葉にカズキは反射的に「ういっす」と返事する。

1人の妻は事故死。
楓の母である2人目の妻は病死。
葬式の写真中に必ず、仁科興三がもみ消した事件の親の名前があるはずだ。

「いた…」。
花輪の中に浩一は「四条綾子」の名前を見つけた。
衆議院議員で、19歳の時、結婚して子供を産むが離婚。
その息子を溺愛している。

百田は綾子がよく見てもらって頼っていた占い師と知り合いだった。
この占い師は詐欺師ではないが、詐欺師と占い師は似ていると百田は思っている。
だが占い師は最近、亡くなっていた。
浩一はそこに目をつける。

綾子が再開発事業推進のイベントに出ていたが、そこにドローンが飛んできた。
ドローンは綾子の息子に水をかけたが、綾子は無事だった。
ハルカが危険を知らせたため、難を逃れたのだった。
感謝する綾子にハルカは、占い師の十津川の弟子だと名乗った。

十津川は最期まで、綾子のことを案じていたとハルカは言う。
綾子はあっさり、ハルカを信用し、打ち明け話をする。
こうして浩一は綾子を罠にかけていく…。

一方、晃と隆の会社を巡っての軋みも本格化していた。
仁科家の中で、誰にも期待されていない人間だ。
慰める浩一に晃は「もう良いよ、そんな見え透いた嘘は!」と口走る。
「嘘」。

浩一がつぶやく。
苛立つ晃に浩一は、仁科コーポレーションの経営を分析し、今後の戦略についてまとめたUSBメモリを置いてきた。
隆の役に立つはずだ。
晃は「いつのまに」と、驚く。

楓の気持ちも浩一は、確実につかみ始めていた。
目標は1ヶ月内にプロポーズ。
そして、会長の仁科興三に近づく。
順調に進んでいる。

「結婚詐欺の才能もあったんだ」。
ハルカの言葉に浩一は「俺も知らなかった」と答える。
今回の標的は、四条綾子と息子だ。
「親子ともども、地獄を見せてやる」。

今回の標的は、衆議院議員の四条綾子とその息子・司。
占い師の言葉に綾子は見事に騙され、5億円を奪われた。
息子は出資法違反で、逮捕。

追い詰められた司は「主犯は九島亨だ。俺はただ、見ていただけだ」と浩一に口走る。
「知っていて何もしないことは、殺したことと同じだ」。
怒りを込めて、告げる浩一。

四条から、六反田が録音したテープがあることを知った二科興三は「六車を呼べ」と言う。
それを聞いた興三の秘書・七尾伸二も、隆も顔色を変える。
「暴力を使わなくても解決するはずです!」
「甘いな」。

「30年前の過ちを、もう一度繰り返すつもりですか」。
六車が動く以上、隆はもう関わらせない。
興三はそう言って、隆に1週間の猶予を与えた。
それですべてが明らかになれば、六車は必要ない。

隆は悩んでいた。
妻がどうしたのかと、心配するほどに。
隆は、USBをパソコンで見た。
USBには、ウイルスが仕込んであった。

綾子から強奪した5億円を、全額寄付したことに百田は納得していなかった。
「俺は納得いってないからな」。
そしてやっと、これが浩一の復讐であることを本気にした。

浩一が出て行った後、百田は「冗談じゃねえ。復讐なんかに協力できっかよ」と言った。
だが二科は金になる。
百田はカズキに、だから浩一に協力するふりをしてどこかで金をとると言う。
カズキは戸惑いながら、うなづく。

その頃、ハルカは楓の前に現れていた。
自分の姉も医師だと話しかけたハルカは、楓に「お幸せに」と言った。
浩一からプレゼントされた指輪を「でも気を付けてくださいね。そんなもので気を引くような男」と言った。

「それ、ネットでも数百円で買える安物ですから」。
そう告げて去っていくハルカ。
歩きながら、「何やってんだろう私」と、当惑したようにつぶやく。
浩一は「九島亨。お前が終われば次は二科興三だ」と言っていた。



おお、今日が第5回、放送。
遅れてしまった。
先週は六平さんとのシーンにジーンとしました。

今週は、再び冷酷なる復讐モードに。
そして微妙なさざ波が起きていました。
四条綾子は、ジュディ・オングさんです。

「知っていて何もしないことは、殺したことと同じだ」。
最初にカズキに「俺の標的だ。汚すな」と言った時と同様の、すごみがありました。
一瞬に鋭さとすごみを込める。
楓に見せる笑顔との裏表の落差。

六車って、「任侠ヘルパー」に出てきたインテリさんと同じ名前ですね。
しかし隆の顔色が変わるほど、怖い人物らしい。
隆が止めに入り、興三が六車が出て来るなら隆はもう関わるなと言うほどに。
妻が隆に、どうかしたのかと聞くほどに。

これを見ると、隆は本当に悪い人じゃないみたいなんですよね。
どんどんわかってくると、どんどんつらくなります。
今回の標的の綾子と司は、あんまり同情できる人物じゃなかったですが。

奪った5億円を、浩一は全額寄付してしまう。
綾子が以前、町の募金活動を「偽善よね。私、こういうの大嫌い」って言っていたから。
しかしそれが、百田との間に亀裂を入れる。

本当に浩一の目的が復讐だと知った百田は、復讐を利用して金を奪うとカズキに言う。
ハルカは嫉妬が抑えられず、ついに楓の前に現れてしまう。
これだから仕事に、恋愛は持ち込んじゃいけないんだと思う一方、ハルカの気持ちもわかってしまう。
浩一が知ったら、怒るぞ~、ハルカ!

自分と浩一は仕事のパートナー。
楓は標的。
わかっていても、抑えられない何かを感じてるのでしょうか。

それから隆が三瓶に会いに行きましたが、三瓶はすぐに追い返した。
追い返したけれど、名刺を見て考え込んでいる。
やっぱり、三瓶は30年前の事件に関係しているのかもしれない。

六車と言う人物。
浩一たちの間で、すれ違う気持ち。
三瓶のことを知った時、浩一がショックを受けるような事態になるのでしょうか…。
それはつらすぎる。


『嘘はいけないよ』 「嘘の戦争」第3話

第3回。


仁科の娘、楓と着実に距離を縮め、恋愛を仕掛けていく浩一。
六反田弁護士が破滅したことを知った仁科興三と次男の隆は、30年前に生き残った千葉陽一だと確信する。
30年前の事件がお手も沙汰になれば、今の仁科コーポレーションにたえるたいかはない。
次の標的は、30年前の事件の担当刑事、三輪だ。

浩一は爆弾騒ぎを仕掛け、未然に防いだ三輪刑事をヒーローに仕立てる。
ハルカは三輪の近辺を探ったが、「どうなってんの、あの刑事」と浩一に言う。
とにかく、悪い評判がない。
つけいる隙はない。

だが浩一は言う。
「傷のない人生なんて、ない」。
だからこうして、三輪が住んでいた昔の家の近所を聞いて回っている。

その時、浩一が公園にある木に目を留めた。
浩一の足も止まる。
「昔、住んでた。俺もこの街に」。

子供の頃の浩一が、弟と一緒に走って行く。
木の周りで、はしゃぐ2人。
楽しかった。

思い出の中の父親が言う。
『お父さん、嘘は嫌いだ』。
『だから陽一にも、嘘だけはつかないでほしい』。

『うん、約束する』。
父親は微笑んだ。
『良い子だ!』

事件の後、ベッドに横たわっている浩一。
必死に、父親を黒づくめの男たちが押さえつけていたと訴える。
しかし、三輪刑事は鋭い口調で行為地に言った。

『嘘はいけないよ、陽一君!』
陽一はついに屈した。
『お父さんです…』。

母親を刺し、弟を刺したのは父親だと言わされた。
無力な、子供の浩一。
目から一筋の涙が伝って流れる。

思い出した浩一は言う。
「一番、憎いかもな」。
「え?」とハルカが聞き返す。

「あいつが9歳の僕に、心中だと嘘の証言をさせた」。
「直接、破滅させたい」。
「惨めに、泣き叫ぶ姿をこの目で見たい」。

浩一の目が憎悪に燃えている。
「清廉潔白なわけはない」。
「絶対につけいる隙がある!」

浩一が、三輪家の墓を見ている。
墓に、「沙織 昭和63年 享年1歳」と刻まれていた。
「使えるな、これ」。

三輪の子供だろう。
わずか1歳で亡くなっている。
「今度はあんたが地獄を見る番だ、刑事さん」。

五十嵐、六反田と破滅させられたのを見て、仁科興三も隆も気づいた。
千葉陽一ではないか。
30年前の復讐なのではないか。

だが千葉陽一は、オーストラリアで農業をしている。
なのだが、今度は三輪に子供の盗撮の疑いが持ち上がった。
事件の関係者が次々、破滅させられているのだ。

浩一は、三輪に接近をはかる。
ハルカと夫婦げんかを演じて見せた。
去って行く妻を、力尽くで留めようとして、浩一は三輪に押さえられた。

「沙織は私が引き取るわ!」
ハルカが叫んで去って行く。
利用するのは、三輪の亡くなった子供・沙織だ。

三輪は、浩一には三輪の娘とと同じ名前の、しかも同じ年齢の娘がいることを知った。
そして、失業した浩一は娘と離れて暮らさなくてはならない。
三輪はこの話に、同情した。

浩一はさらに巧みに、三輪の心に入り込んでいく。
そこに、三輪の盗撮疑惑が起きた。
爆弾騒ぎで持ち上げられただけに、落ちる穴は深い。

三輪刑事を仁科隆が訪ねてくる。
「お話ししたいことが」と隆が切り出すと三輪刑事は、「帰ってくれ!」と激しい拒絶をする。
「今回の騒動に関係があること」と隆は言うが、三輪は「仁科家とは、もう二度と関わりたくない」と言う。
深い苦悩の影。

「わかりました。いずれまた改めて」と言った隆は、玄関に三輪のものではない靴があるのに気づく。
外に出た隆に秘書が話しかけるが、隆は「一瞬、一ノ瀬が来ているかと思った」と言う。
だが、「一ノ瀬は薄汚れた靴を履く男じゃない。人違いだ」と言った。

ハルカは浩一とのなれそめを、百田に語っていた。
最初、ハルカは浩一に騙されたのだ。
騙されたとわかったハルカは、タイ中のホテルを探した。
見つけた浩一に「騙した」と詰め寄った。

だが浩一は、この程度のことで警察は動かないと笑った。
去って行く浩一の背中に、ハルカは叫んだ。
「警察なんてどうでもいい!お金も返さなくていい!」
浩一は「お前、詐欺師になりたいの?やめとけよ」とバカにした。

「父は投資話で騙された。母は何度も男に騙された」。
「人の身の上話に、興味ないよ」。
事実、浩一は何の興味もなさそうに去って行くところだった。

「嫌なの。私!」
ハルカは叫んだ。
「騙される人生なんて!」
「そっちに連れて行って私を」。

「騙す側の人生に」。
その時、浩一は振り向いた。
振り向いて、ふっと笑った。

「今は相棒。この関係がベストで、変えるつもりはない」。
ハルカは言った。
自分に言い聞かせるようだった。

どんどん、追い詰められていく三輪。
三輪に罪をかぶせた男を追うのに、浩一も協力を申し出る。
だが三輪の背中に浩一が浴びせる視線は、憎しみそのもの。

ふと、三輪がつぶやく。
「私も昔罪を犯したことがある」。
「それは…?」

浩一が三輪を、じっと見つめる。
「捜査上のことだ。捜査を妨害して、証拠を隠蔽した」。
「これはその報いなのかもしれないな」。

浩一が、三輪を凝視している。
瞳孔が細くなる。
残酷な視線。

「そろそろ、仕事に行かないと」。
三輪の言葉に、浩一がはっとする。
憎しみの視線を消す。

三輪刑事を陥れたのは、三輪が逮捕した男であると考えた。
最近、この犯人が出所してきている。
夜の街を三輪に付き合って歩く浩一が「1日も早く犯人を見つけて、報いを受けさせないと」と言う。

「報い?」
「俺、子供の頃、ひどい嘘をついたことがあるんです」。
「絶対についちゃいけない嘘だった」。

「今、妻子に逃げられて一人なのは、あの時の報いなんじゃないかなーって、時々思うんですよね」。
「どんな嘘を?失礼ですが」。
聞きかけた三輪は、でも「いや、良い」と否定した。
「言いたくないことも、あるよな」。

「ですよね」。
「報いかあ」と、三輪が繰り返す。
何かを思い出しているように見える。

盗撮騒ぎのとどめに、ハルカが三輪に盗撮されたと騒ぐ。
ハルカを見た三輪は、浩一の妻のはずだと驚いた。
なぜ、なぜハルカが自分にそんなことをするのだ。

盗撮を否定する三輪に警備員が詰め寄る。
「嘘はいけないよあんた」。
その口調には、覚えがあった。

『嘘はいけないよ、陽一君』。
30年前、自分が陽一という少年に言ったのだ。
三輪が走る。

手すりから1階を見下ろす。
好奇の目を向ける人々がいた。
三輪は探す。
浩一を。

柱の影に、浩一がいた。
こっちを見ている。
その目。
『ひどい嘘をついたことがある』。

浩一の言葉がよみがえる。
「まさか」。
三輪が愕然とする。

憎しみの視線で、三輪を見る浩一。
三輪の破滅を見た浩一の目からは、一筋の涙が流れる。
あの時と同じように。

涙を流す、子供の陽一。
「お父さんです」。
家族を刺したのは、父親だと言わざるを得なかった陽一。

浩一は憎悪の目で、三輪を見つめる。
「あの時の…!」と三輪は浩一があの時の子供だと、気がついた。
浩一の目に、憎しみの炎が燃えている。
涙が流れる。

隆は三輪刑事を呼び、浩一と対面させる方法に出た。
楓も呼んでいた。
三輪刑事の前に、浩一がやってくる。

浩一は無表情だ。
三輪が浩一を見つめて言う。
「長年刑事の仕事をしてきた。人の顔は忘れない」。
「たとえ服装を変え、名を変えようとも」。

「ではやはり」。
隆が確信した。
だがその時。

「いや、違う」。
隆が驚く。
「この人には会ったこともない」。
「この人とは今、初めて会った」。

「なぜそんな!あなたがこんな騒動に巻き込まれたのは、全てこの男の嘘のせいなんじゃないですか!」
「いや。この騒動は、私自身が招いたことだ」。
隆は驚いた。

「認めるんですか、盗撮を!」
「やっていない」。
三輪はキッパリ言った。

「報いだ」。
「過去に犯した罪の」。
三輪は語り始めた。

「娘の沙織は生まれながら心臓に問題があって、心臓移植しか選択肢がなかった」。
「ある人がアメリカで移植できるように手配してくれることがあって、私はそのために罪を犯して」。
「結局、手術は間に合わなくてな、沙織はたった1歳で…」。
「私は罪を犯した。取り返しのつかない罪を」。

「だからこれは、報いなんだよ」。
そして三輪は浩一の方を向くと「悪かったね。人違いで呼び出されて」と言った。
「いえ」。
浩一の目には、何の感情も浮かんでいない。

「ほんとに申し訳なかった」。
三輪はそう言うと、深々と頭を下げた。
目を閉じ、下げ続けた。
「誤解が解けて、良かったです」。

浩一は三輪の両肩に、手をかけた。
しっかり手をかけると、三輪の目を見る。
「嘘つきって言われるのが、大っ嫌いだから」。
三輪は、涙が止まらない。

浩一は隆の方を見ると「良いですか、仕事があるので」と言って出て行く。
「これで終わりだと思うな」。
隆が言う。
楓はポカンとして見ている。

慌てて浩一の後を追いかけてくる。
「ほんとにごめん」。
隆のしたことを謝り、「家族の縁なんか切りたい」と言ってしまう。

「縁を切る?」
「元々、父や兄の仕事のやり方には、納得できないことが多くて」。
「簡単に言うなよ!」

浩一の声は、鋭かった。
「会いたくても、家族の誰にも会えない。ずっと一人。誰にも頼れない」。
「それがどういうことが、わかるか。縁を切るなんて簡単に言うな」。

声にはすごみがあった。
だがすぐ浩一は明るく「ごめん。つい、妹のことを思い出しちゃって」と言った。
「たった5歳で死んじゃったけど、かわいかった」。
「だからわかる気もするんだ。隆さんの気持ち」。

時間をかけて、わかってもらうと浩一は言った。
「時間、ある?」
浩一は楓と、どんどん接近していく…。



今回は切なかった。
相手に不足なし。
存分にやってください!って感じに見えた、三輪刑事だったのに。
六平直政さんです。

公園で、弟と遊んだ木を見に行く時、浩一の靴がクローズアップされるんです。
綺麗な、高そうな靴。
三輪に近づいた浩一は、失業している男という設定だった。

だから靴も薄汚れている。
これを見て、隆は三輪の家にいる男は浩一ではないと判断したのだ。
良い演出ですね。

お墓を見た時、三輪の子供の沙織が亡くなったのが30年前。
事件が30年前。
もしかして、三輪は沙織の治療のため、仁科興三に協力したのかもと思いました。

だが刑事としてのあり方を曲げてまで守ろうとした、沙織は亡くなってしまった。
そして、三輪には、罪悪感と後悔が残っている。
一番、憎むべきはずの男が、哀しい男だとわかった時。

見ているこちらは、とても切なくなりました。
悪い奴、悪徳警官だったら良かった。
これはつらいなーと。
晃と楓の兄妹も同じく、切ない。

三輪刑事は30年前のことを、後悔している様子がうかがえました。
隆の訪問も拒絶し、二度と関わりたくないと言っている。
陽一を傷つけ、陽一の父親に罪をなすりつけた。
どんなに後悔してももう、それを正すことも、できない。

忘れたくて、後悔して、善人として生きてきたんでしょうね。
誰も三輪を悪く言わないわけですから。
子供の空手教室を指導しながら、どんなことを思っていたのか。
奥さんもわかっているのだろうか。

今回、草なぎさんの表情の変化がすごいです。
木を見ている時、「もしかしたら一番憎いかもしれない」と言った時。
全身から憎しみが漂っている。

1歳で亡くなった子供の名前を利用しようと考えたとき。
浩一の口調は軽く、罪悪感のかけらもなかった。
三輪の後ろ姿を見る目が、すごい。
抑えきれない憎しみ。

だんだん、三輪が後悔していることがわかってくる。
悪い男ではないことが、わかってくる。
破滅させたら、復讐は完了する。

だけどその本人が後悔しているとしたら。
でも、良い人になって、それで終わったわけじゃない。
思い知らせるには、自分と同じ目に遭わせるしかない。

同じ思いをさせるしかない。
自分がしたことを、されるしかない。
柱の影から三輪を見上げたと時、すごい目をしてました。
三輪が後悔しているのは、わかっている。

「でも、赦さない」。
「それでも、赦せない」。
目が、そう言っている。
そして、こんなことしなきゃいけない、自分も哀しい。

わかったから、三輪は全てを受け入れた。
隆に知らないと言い切り、浩一に頭を下げた。
深く、深く。

それに対しての浩一は無表情だった。
だったけど、三輪の肩に手を置いた。
まっすぐ、三輪の目を見た。

「あなたを憎んで生きてきました。でももう、良いです」。
そう言っているように見えました。
無言の、一瞬の表情が、そう言っていました。
三輪を見上げた時の顔と、全然違っていました。

ハルカに対して振り向いて笑った時も、その笑顔が答えでした。
浩一のハルカに対する気持ちは、戦友なんだなと思いました。
同じ、傷つけられる側から傷つける側に行きたい同士、同志なんだと。

「そっち側に行きたい」。
あの言葉が、浩一を動かしたんですね。
ハルカは自分に相棒だと言い聞かせているけど、嫉妬が抑えきれなくなってくる。
こっちもどうなっていくか、見物です。

すごく良いですね、草なぎさん。
六平さんという、個性が強い俳優さんとの絡み、すごく良かったです。
グループ解散して、それをバネに羽ばたいているように見えます。
今まではできなかったことに、どんどん挑戦していくのではないでしょうか。

今回は切なくて、どうなることかと思いました。
でも、良い決着となりました。
晃と楓、隆もそうなると良いなと思います。

楓が家族と縁を切りたいと言った時の浩一の、草なぎさんも良かった。
あれが本心なのか。
楓の気を引くためなのか。
よくわからないけど、浩一にもわからないのかもしれませんね。

この後、三輪はどうなるのでしょう。
奥さんと2人。
これまでの30年間、嘘つきと呼ばれたままの少年に対する贖罪としてどんなことも受け入れていくのでは。

心の安らぎは得られたかもしれませんね。
三輪はこれで、少しは救われたんじゃないでしょうか。
同時に、浩一も救われた。

仲の良かった晃と隆の仲違いの原因は、30年前の事件かもしれませんね。
晃がそれに関わっているかはわかりませんが、隆はそう思っているのかも。
そして晃は晃で、その処理に対して父親とそれを肯定している隆が嫌になったのかも。
次はいよいよ、政治家登場?!



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Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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