こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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必ず落とせ! 「刑事一代」

「刑事一代」、第二夜は「戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件」を中心に話が進みます。

吉展ちゃん事件のドラマといえば、20年以上前に印象的なものがありました。
主演の小原保役に泉谷しげる。
監督は恩地日出夫監督。

まだ昭和の古さを残すところがあった東京の町で、見事な当時の再現。
恩地監督の、徹底したリアリティ。
東京オリンピックを翌年に控えた東京で、繁栄に置いていかれたように底辺を生きる小原。

最近見たバラエティトーク番組で、泉谷しげるがこのドラマの事を話していました。
まるで再現フィルムのように、監督は事件が起きた場所で、演技をさせた。

逃げて、持っていた羊羹を山の中でむさぼるように食べるシーンは何度もやり直しさせられ、羊羹を10本も食べた。
それでもOKが出ずに、「監督、もう羊羹ありません」と言われた監督が、「じゃあいい、この中から使う」と言ったのでやっと羊羹から開放された。
しかし、フィルムを見たら、そんなシーンはなかった。

吉展ちゃんを殺すシーンは、犯行現場で、慰霊碑の前で行われた。
首を絞める演技をしながら、何てことさせるんだと思った、つらかった。
聞いていた人たちからも、「えーっ!」という驚きの声がもれました。

だけど、このドラマがその後の俺を作ってくれた。
恩地監督は恩人だ。
そう言うだけに泉谷しげるは、まさに小原でした。

この時の八兵衛は、名優・芦田伸介さん。
泉谷しげるの前に土下座し、泉谷が落ちる。
こちら、再放送を見た覚えがないのですが、やっぱりもう一度観たいですね。

泉谷さんはこの後、しばらくは凶悪犯、異常者の役が続きました。
刑事ドラマの前後編で「ピアノ殺人事件」の、音に敏感な異常者役なんかもリアルで怖かった。
子供を殺す時に子供が着ていたTシャツの絵が自分に、「てめえ、やりやがったな」とつぶやいたと言う。
子供のTシャツが目の前に近づき、部屋がオレンジ色に染まる。

ピアノがどの程度、うるさかったかが裁判には重要になる。
実家に帰っていた犯人の妻が、「ピアノは確かにうるさかったんです、でも…」と言う。
結局、この犯人は自ら死刑判決を望み、奔走した主人公は割り切れない思いで終わりました。
泉谷しげる、ハマってました、隣に住む狂気。

ハマっていたといえば、大地康雄さんの「深川通り魔事件」の犯人役もすごかった。
あれからしばらく、大地さんが出てくると、「あの犯人役!」って役名で言ってたぐらいでした。


さて、「刑事一代」第二夜。
見せ場は、小原との取調べ室での対決です。
密室で、情景や音楽などがない、人間対人間の対決。

福島の捜査で出てくる小原は常に後姿だけ。
一体どんな男なのか…。
スリッパを引きずる音が廊下に響き、物語が始まってから初めて、小原が顔を見せる。

1日目、小原は八兵衛たちに対して暴れ、凶暴なところを見せる。
2日目、八兵衛は小原をおだてて、ノセることにする。
気を良くした小原は少し饒舌になるが、肝心なことは全く言わない。
3日目、したたかな小原相手に八兵衛たちは時計を外し、小原に時間を知らせないようにする。
4日目、小原がポツリと足の事を口にする。
八兵衛に反発していた刑事たちも、八兵衛に協力し始め、金の出所である時計の密輸について調べてくる。

5日目、警戒した小原は、1日中黙秘するという手に入る。
6日目、7日目、小原は喋らない。
8日目、あと2日耐えれば終わりで、小原は余裕を見せ始める。
9日目、時間が小原に味方するか。
そして最後の日、八兵衛に福島でのアリバイの矛盾を指摘され、初めて小原はうろたえる。
だがそこで、小原には救いの手。
本庁から取り調べの中止の報が入り、後姿にホッとしたものを漂わせながら、小原は戻っていく。
この小原のセリフにない心情を表した、荻原さんの演技が見事です。

これで終わりなのか。
当初、八兵衛と対立した刑事たちだって、事件解決を願う気持ちは同じだった。
捜査本部では声紋鑑定を決定し、小原の声を録音する為、八兵衛たちに雑談するよう命じる。
「アメ公に日本人のことがわかるかよ…」とつぶやく八兵衛。
そして、取調べ終了で今日は雑談だと言われた気の緩みが小原に余計な口をきかせる…。

小原が日暮里の火事のことを話し出した時、見ているこちらもゾクゾクしてきました。
「喋った…!」。
八兵衛だけではない、録音していた刑事たちの顔色も変わる。
小原が自ら、脅迫電話があった日、福島にいなかったことをもらしたと連絡する八兵衛。
このまま続けさせて欲しい。

八兵衛の報告を聞いて本庁と話し合った平泉成さん演じる上司が、「必ず落とせ!」と言う。
仁王のような八兵衛。
息詰まる緊迫感。

俺だって良い事ぐらいするさ…と言った、まさか、その良い事の自慢の為に追い詰められていく皮肉。
苦悩する小原、それでもどうしても認めたくない。
「やりました」、その一言はどうしても言えない。
仮面がはがれかけた時の動揺、こちらにまでその動悸が感じられるような目の動き。
荻原さん、精神状態ギリギリの演技。

自白できない理由が母親にあると八兵衛がわかったのは、あの母親の土下座を見ていたから。
降りしきる雨の中、泥を握り締めながら、お詫びする母親。
息子はかわいい。
だが、人の道に外れたことをしたなら罰してくれ、その代わり、自分も地獄に行って待っていてやる、と。

あの頃の日本の母親、あの頃の日本人ってこうだったんですね。
母親の愛と、人としての道を貫く姿。
その切なさ、悲しさ。

その母親に接した八兵衛の言葉、涙、そして母親の愛情を前に小原は落ちた。
「やりました」と言った瞬間。
小原にも真っ当な心が残っていたのだ、と。
小原自白の報を聞き、六平直政さんたち、ごつい刑事たちが号泣する。
その後の小原はまるで憑き物が落ちたかのように大人しくなり、八兵衛と小原には奇妙な絆ができる。

おどおどと 仲間外れの足萎えの 鳩も来よ来よ わが蒔く餌に

小原が獄中で詠んだ歌ですが、この足の悪い鳩は自分なんでしょうね。
彼の人生がどういうものだったか…。
描写はほとんどなくても、この歌を提示することで表現している。
小原は幼い頃からいじめられた、そして悪に染まらずにいられなかった、いわば弱い男だったと。

八兵衛は小原のことを血も涙もない怪物として責めるのではなく、人間としての心に訴えた結果、小原は1人の人間に戻って自白。
つまり、八兵衛は小原を真人間に戻し、母親の望みどおり真人間として罪を償わせた。
だけど彼によって失われた命は、帰ってこない。
彼は当然の結果として、死刑を宣告される。

吉展ちゃん事件を代表として、八兵衛の関わってきた事件は犯人を調べる八兵衛には、犯人や周りの人間にどこかに理解ができる部分が多かった。
凶行に至るまでの生い立ちに貧困があったり、差別があったりした。
もしかしたら、何かが違えば、犯罪者にならなくて済んだのではないかと思えないこともなかった。

しかし、三億円事件から始まる、新しい時代の犯罪はそうではなかった。
時代は理由不明の、顔がない、人間が見えない犯罪になってきた。
つまりそれは、八兵衛がやってきたような、人の情に訴えられない犯罪だった。

小原のFBIの声紋鑑定の話の時、八兵衛は「アメ公に日本人のことがわかるかよ…」とつぶやいた。
それはまるで、「機械に人間のことがわかるかよ」といわんばかりだった。
そして実際、最後は声紋鑑定ではなく、人間対人間で八兵衛は事件を解決した。

しかしもう、そうはいかない。
人間としての捜査が、通用しない時代。
そんな時代に、八兵衛のような刑事の居場所はない。
そして、まるで一つの時代の終わりを告げるかのように、小原の刑の執行の知らせが入る。
刑務官に頼んだ小原の八兵衛への伝言を聞いて、刑事も犯人も人間としてぶつかり合った時間を思い出す…。

そして退職した八兵衛は死刑になった小原の墓を見て、「母ちゃんと一緒のお墓に入れなかったんだな」と泣く。
小原の田舎から捜査を終えて帰る時、八兵衛は「息が詰まるな、この風景」と言いました。
のどかな田舎の風景だけど、そこには貧困と差別と閉鎖的な社会があるのを八兵衛は知っている。

どんな事情があろうと、小原が関係のない子供とその家族に対して行った犯罪は、決して許されることではない。
吉展ちゃんの両親や関係者には、小原は幼い子供を身代金目当てで誘拐し、殺した凶悪犯でしかない。

それでも小原の悲惨な生い立ちや境遇、人間的な面を知り、更に小原との間に絆ができた八兵衛は涙する。
小原を犯罪に追いやった責任は、この生まれ故郷には全くないのか。
失われなくて済んだ命が失われた、その責任の一端は村人にもある、そんな気持ちは全くないのか。
おそらく、そんな思いにかられて、そして、凶悪犯だけど人間として理解ができた小原とその時代を思って八兵衛は泣く。
警察を退職して、まるで燃え尽きたように八兵衛は4年後、なくなる。


ドキュメンタリーではないので、いろいろとドラマ用に脚色された部分もあると思います。
それでも「刑事一代」は犯罪という人間として究極の選択をした人と周りの人、それを追う人の人間模様をしっかり描いた人間ドラマでした。

俳優さん女優さんがハマっていて、上手くて本当に良かった。
渡辺謙さん、荻原さん、そして高橋克美さん。
余貴美子さんも、杉本哲太さん、小原の母親役の岩崎加根子さん、小原の故郷の人たち、みんな。

高橋克美さん演じる石崎が、病院で手を震わせながら賞状受け取るシーンがありました。
そのボロボロになった姿、そして巡査部長という肩書き。
高橋さんが震えながら、その震える萎えた手を奥さんが支えながら賞状を受け取るシーンが胸に迫りました。
そう、八兵衛たちのような刑事を影で支えていたのは、家族なのだということも語られていた。

泉谷しげるのドラマがこんなに年月を経ても印象に残っているように、やっぱり、しっかりした演技で、しっかりと人間が描けているドラマは色褪せない。
「刑事一代」、久々にそんなことを思ったドラマでした。
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俺たちには100点か0点かしかねえんだよ 「刑事一代」

遅ればせながら、録画していた「刑事一代」を観ました。
第一夜は帝銀事件、銀座ガードマン殺人事件を中心に話が進みました。

帝銀事件はいろいろな話がありますが、ここでは戦後の混乱の中、当時、まだまだインフラが整備されていなくて大変な中、周りと衝突し、閑職に追いやられながらも八兵衛の執念の捜査を描いていました。

帝銀事件は、2時間ドラマで放送されたものを以前観ました。
雪の中、ギュッギュッと音を立てて映る、茶色い長靴。
その長靴も、その音も、どこか禍々しく、これから起きる惨劇を予感させました。
そこでは八兵衛は、平沢が逮捕される時、「平塚さん、あなた…、汚いですね!」と食って掛かるような男に描かれていたのだけしか覚えていないのですが。
「刑事一代」では、子供の写真を使って嘘を言い、平沢の娘を上手く乗せた後、八兵衛は自己嫌悪に陥っていました。

八兵衛は帝銀事件の他にも、下山事件も担当しているようですが、この事件は今回は描写なし。
下山事件については、子供の頃、放送された白黒映画で観た覚えがあります。
証人や参考人が次々謎の死や失踪を遂げていき、最後まで謎で、何か影で大きな力が働いている…という感じでした。
この映画のせいか、下山事件は私にはちょっとした恐怖。

ガードマン殺人事件は、誰もが犯人と目した男・影山以外の男・森川を犯人と確信し、またしても周りと衝突しながら相棒・石崎と共に信念を貫く八兵衛。
ルミノール反応が出ないことで、森川の犯罪を立証できない。
上からも押さえつけられた八兵衛だが、その執念が事件を解決に導く。

森川の妻の八重子役の余貴美子さんが、さすがの演技。
偽証を白状する一瞬。
八兵衛に渡されたお札を伸ばし、森川の居場所を教える八重子。
不幸に打ちひしがれながら、必死に生きてきた女が折れる時。
リアルで「悲しい」と思いました。

そして第一夜のラスト、昭和38年3月31日。
モノクロの画面の中、三輪車をこぐ幼児。
東京都台東区で4歳になる幼児が誘拐され、身代金を要求する電話がかかる。
戦後最大の誘拐事件と言われた、吉展ちゃん事件です。

第二夜、吉展ちゃん事件を中心に話が展開します。
話としてはこんな風でした。

警察は犯人に身代金を奪われてしまい、犯人からの連絡はぷっつり途絶える。
吉展ちゃんの行方もわからなかった。
昭和40年、事件から2年経ち、捜査本部に八兵衛が呼ばれる。

八兵衛は容疑者の1人で、現在は服役中の小原保(萩原聖人)という男に引っかかる。
だが、小原には完璧なアリバイがあった。
そして足を引きずって歩く小原には、犯行は不可能と思われた。

小原は、誘拐当日と脅迫電話があった日、故郷の福島に借金の申し込みに行っていた。
小原を目撃したという人たちに話を聞き、アリバイを崩すために石崎と福島へ向かう八兵衛。
鉄壁かと思われた小原のアリバイ、目撃証言だったが、ずさんな初動捜査で証明されていたそれは、八兵衛たちの綿密な捜査により崩れていく。

小原が忍び込み、干した餅を食べたと言う38年に米は不作で餅は作られていなかった。
さらに小原は、5年前に蔵の鍵が南京錠に変わっていて、小原の言うようには中に入れないことを知らなかった。
小原が2日連続で野宿したと言った藁は、放火を恐れた農家の主人が2日目には片付けてなかった。
老婆は、孫を病院に連れて行った4月2日に小原を目撃していたと言ったが、孫が食べ過ぎで病院に行ったのは節句の日の翌日で4月2日ではなかった。

小原の実家に捜査に行った帰り、小原の実母が雨の中、八兵衛たちを追ってきた。
母親は雨の中、土下座をして、「このたびは保がご迷惑をおかけすて申し訳ごぜえません。保は7人兄弟で、足が悪かった分、目をかけて育てたつもりですが、人の道に外れたことをしたなら、どうか、罰してくだせえ。真人間になって死ねと伝えてくだせえ。保をうんだオラを許してくだせえ」と言った。
その悲痛な声に、八兵衛たちは胸を詰まらせる。
だが東京に戻った八兵衛は、小原の取調べは人権団体などが騒いだせいもあり、わずか10日間と告げられる。

小原の取り調べが始まった。
初日、小原は八兵衛たちにイスを投げつけ、暴れた。
八兵衛は思った、あれなら足が悪くて、犯行は可能だ…。
八兵衛はまず、小原が持っていた大金の出所を聞いたが、小原は愛人に渡した20万も、弟に自慢げに見せた胴巻きの30万の出所も、時計の密輸と言ったり、横流しだと言った。
小原は決して核心に触れるような発言はしなかったが、ポツリと「この足のせいだよ…」と自分の悪い足のことを言う。

最後の10日目、八兵衛は福島で得た情報を小原にぶつけ、小原の矛盾を突く。
翌日も「藁ぼっこ」で野宿した、はっきり小原から話を聞いた八兵衛は藁ぼっこは翌日にはなかったと告げる。
小原が動揺した。
南京錠のこと、餅のこと。
畳みかけるように八兵衛が繰り出した小原の証言と辻褄の合わない事実に、小原がうろたえだしたその時、本庁から取り調べの終了が告げられた。

捜査会議では、八兵衛を初めとして、八兵衛に反発していた同僚たちも一斉に取り調べの続行を訴えた。
アメリカのFBIの声紋鑑定を取り入れるという決定がされ、八兵衛たちは小原の声を録音するよう言われる。
いつもと雰囲気が違う中、とまどいながらも10日が過ぎた小原は気を緩めていた。

雑談するうち、小原は「俺だって良い事ぐらいするさ」と言い出した。
小原は叔父の家が火事になった時、消火活動をした為に叔父の家は燃えないで済んだのだと言う。
火事のすごさを語る小原は、自分が山手線から見た日暮里の火事について語った。
黒い煙がもうもうと立って、ものすごかった、と。

八兵衛の顔色が変わる。
日暮里の火事。
それは4月2日、脅迫電話のあった日の大火事だった。
福島にいるはずなら、小原はその日、日暮里の火事を目撃できるはずはない。
隣の部屋で録音していた刑事達も、一様に色めき立った。

席を立った八兵衛は捜査本部に電話を入れる。
八兵衛からの連絡を受けた本部は、取調べの続行を許す。
「その代わり、必ず落とせ!」

部屋に戻った八兵衛は、小原に火事は2日に起きたこと、福島にいたはずのお前がどうしてそれを山手線の銀座から見たのか!と言う。
小原が頭をかきむしり始めた。
苦悩の表情を浮かべる小原に、八兵衛は雨の中、土下座した母親のことを告げた。
小原が自白しないのは、母親の為だろう。
「おふくろに申し訳ねえと思ってるんだろう?だけど保、おめえ間違ってるよ。罪を認めて、真人間になることだけが残された道なんだよ」。

八兵衛は机を蹴飛ばすと、小原の前に土下座した。
そして母親がやったように、「申し訳ごぜえません。保は7人兄弟で、足が悪かった分、目をかけて育てたつもりですが、人の道に外れたことをしたなら、どうか、罰してくだせえ。真人間になって死ねと伝えてくだせえ。保をうんだオラを許してくだせえ」と言った。
八兵衛は涙をこぼしていた。

壁際に追い詰められていた小原が崩れ落ちる。
頭を抱えて、小さな、震える声で小原は「やりました」と答えた。
小原は泣きながら、搾り出すように「誘拐して、お金を…」と言った。
小原が落ちた。
八兵衛の報告の電話に、待っていた刑事たちも号泣した。

八兵衛は家でぬかみそをかき回し、なすの漬物とおにぎりを持っていく。
小原はそれを食べて「母ちゃんの味に似ている」と言った。

事件解決からすぐ、相棒の石崎が病に伏せる。
警察功績賞を病院で受け取った石崎は、泣いていた。
それから半年、石崎は亡くなった。

そして昭和43年12月10日。
三億円事件が発生する。
犯人の遺留品は多く残されていたが、捜査は難航する。

再び八兵衛が呼ばれるが、八兵衛のやり方は古いと言われ、今度は若手刑事たちと衝突する。
石崎も、理解者だった上司ももういない。
時代が違うと言われた八兵衛は、時代が変わっても事件を起こすのは人間だと言った。
そんな中、小原の死刑の執行の報せが入る。
刑務官は小原が八兵衛に伝えてほしいと言った、「真人間になって死んでいきます。なすの漬物、おいしゅうございました」という言葉を伝えた。
三億円事件の時効を前に、八兵衛は警察を退職した。

自宅に話を聞きに来た新聞記者の岩瀬とカメラマン・真由と、八兵衛は小原の故郷を訪れる。
村墓地に案内された八兵衛は、小原家の墓の横に墓標もなく、ただ土が盛ってある保の墓を見た。
「母ちゃんと一緒に入れてもらえなかったんだな」。
「すぐ来てやらなくて、悪かった」と言うと八兵衛は、盛ってある土にひれ伏してむせび泣く。
やがて、泥のついた顔で立ち上がると八兵衛は、小原が渡っていった小さな橋を渡って帰る。

八兵衛がなくなったのは、警察を退職した4年後だった。

必殺仕事人2009 「最後の大仕事」

お菊を逃がす為に大勢の敵の前に出て行き、捕らわれてしまった涼次。
涼次が仕事人だとわかっている老中・加納(杉本哲太)は、涼次を拷問にかける。
しかし元抜け忍でもある涼次は拷問に耐え、仲間の名前は言わない。
加納は涼次の前に巳ノ助という男を寄越した。
巳ノ助は仏の巳ノ助と呼ばれている拷問人で、その名は、拷問にかけられた者があまりのつらさに殺される時に巳ノ助が仏に見えることからついた名前だった。

巳ノ助は涼次に次々、過酷な拷問をくわえていく。
だが涼次は「殺せ」と言うばかりで、口を割らない。

涼次の家に如月がやってきていた。
留守の家で涼次を探す如月だが、次の瞬間…。

無人の涼次の家にレンもやってきた。
涼次の家は荒らされており、レンはそのただならぬ様子に外に出た。
すると外では瓦版屋が口上を述べていた。
仕事人は誰でも殺す殺人集団だと瓦版屋は叫び、江戸の人々も仕事人の悪口を言い合っていた。

それを見たレンは思わず、瓦版屋に絡んでしまう。
レンと瓦版屋の間に割って入ったのは、版元の桐ノ屋朝経(寺田農)だった。
もめるレンと桐ノ屋だが、小五郎がレンを連行していく。

うかつに動くなと、レンに忠告する小五郎。
しかし、桐ノ屋は加納の命を受けて、仕事人をあぶりだす為に瓦版を刷っていた。
庶民と言うのはおろかなもので、瓦版に書いてあることは真実だと信じるものと桐ノ屋は笑う。

さらに桐ノ屋は町の人間を捕まえてきて、加納に差し出す。
拷問を受けている涼次を見た男は怯え、殺さないで必ず逃がしてやると約束されて、言うとおりに鬼の面をつけて町を走る。
だが仕事人と言われ、男は加納の手の者に斬り殺されてしまう。

涼次の前に如月が連行されてくる。
如月が拷問にかけられると、それまで頑なに口を閉ざしていた涼次が「やめろ!」と叫ぶ。
「仲間の名前と居場所は?」と聞かれた涼次。
しかし次の瞬間、如月が「言ったらあかん!」と言う。
「こんなにされてまで言わなかったんだから…、言いたくないことは言わなくて良いよ、お兄ちゃん」と言うと如月は、気丈に「殺せ!」と言う。
涼次、そして如月は2人で巳ノ助の拷問に耐えていく…。

雨宮の屋敷に残っていたきよ(若村麻由美)だが、雨宮に加納を探らせていた大老・松坂忠宗(神山繁)が、きよを呼び出した。
籠の中からきよに声をかけた松坂は、雨宮から何を聞いているのか問うた。
しかし万が一のことを考えていた雨宮は、きよに一切、仕事の事を語ることはなかった。
きよは何も知らないと言うが、松坂は「そう言えと言われているのか」と言った。
松坂は何も聞かなかったことにしろと言って、きよの前に大金を置く。
自分はもう仏門に入る身、お金は必要がない。
きよはそう言って、逆に何故夫が切腹させられたのかと聞いたが、松坂は籠の戸を閉ざした。

その帰り道、きよは松坂の家臣に襲われる。
深手を負ったきよだが、子供たちが近くを通りかかった為、松坂の家臣たちはトドメを刺さずに去った。
瀕死のきよは、三番筋までたどり着くと、仕事人に夫の仇の恨みを依頼する。
本当ならば武家の女として、自らの手で仇が討ちたかったと言うきよの前に姿を現そうとするお菊。
その時、きよの前に小五郎が現われる。

「あなたが…」と言うきよに小五郎は、仕事は引き受けた、必ず恨みは晴らすと約束する。
きよはその言葉を聞くと、息絶えた。

主水、小五郎、レン、お菊は仕事を引き受ける。
涼次はどうなっているのだろうか。
もし、涼次が喋っていたなら、もうとっくに自分たちのところに手が回っているはずだった。
涼次はおそらく、過酷な拷問に耐えている…。
標的は松坂、加納、桐ノ屋。
そして涼次を救出すること。

大仕事を前に小五郎は、こうとふくに旅行を勧めた。
もう会えないかもしれない…、こうもふくもいない方が良いだろうと思った小五郎だったのだが、こうもふくも小五郎と一緒にと言う。
きっともう、戻って来れない…、そう思ったレンもかわいがっていた文鳥を放す。
外に出ようとしなかった文鳥だが、「行けよ!」とレンが叫ぶと籠から出て行った。
仕事人たちはそれぞれ、覚悟を決めて仕事に臨む。

小五郎が加納の屋敷に襲撃をかけた時、あの仕事人たちも襲撃してきた。
仕事人の疑いをかけられ、捕えられた人間を救出しに来たらしい。
小五郎はその仲間と思われたが、仕事人と名乗る者は全員、鬼の面をつけていた。
鬼の面をつけた仕事人たちも、加納の家来たちも倒れていく。

混乱の中、小五郎は次々と加納の家来たちを斬っていく。
奥に進んだ小五郎は、最後に残った鬼の面をつけた仕事人と対面する。
その声には聞き覚えがあった。
しかし、その男は面を割られ、次々斬りかかって来た家臣たちにめった刺しにされてしまう。
割れた面の下から現われたのは、何と小五郎の相棒の同心、伝七(福士誠治)だった。

伝七は小五郎に「私は渡辺さんみたいになりたくなかった。この世にはびこる悪を、自分の手で成敗したかった」と言った。
言い終わると伝七は小五郎に抱えられながら、死んでしまう…。
まさか、伝七が仕事人を名乗っていたとは。
絶句する小五郎は、伝七の懐から十手を取り出してやる。

その頃、桐ノ屋は次の瓦版を刷っていた。
桐ノ屋は奉公人が呼ぶ。
しかし、誰も来ない。
妙な気配がして、怯える桐ノ屋が外を見るが、振り向いた時、座敷にはレンがいた。
レンは仕事人の事を書いた瓦版を読み上げる。
「これはおもしれえや」と言って桐ノ屋を見上げてニヤリとしたレンは、逃げようとした桐ノ屋を捕えると、着物に縫い付けていた針を取り出す。
桐ノ屋は自分が刷っていた瓦版を顔に、締められる。
レンが締め付けていくと、瓦版が破れていく。
首に赤い糸の跡を残して、桐ノ屋は倒れた。
「続きはあの世で書きな」。

レンは桐ノ屋をゆっくりと締め上げて殺す。

加納の屋敷は仕事人集団と小五郎の斬り込みで、大混乱となっていた。
加納が廊下に出ると、主水が暗闇から現われる。
「八丁堀同心の中村主水でございます」と名乗る主水に、加納は「町方など呼んではおらん、用はない!」と怒鳴った。
腰を低くしながら「仕事が終わったら帰ります」と言う主水に、加納はハッとする。
仕事人だと気がついた刀も抜かせず、主水は加納を刺し殺した。

涼次と如月がいる拷問部屋に、小五郎が降りてくる。
小五郎は驚く巳ノ助を壁に追い詰めると、刀を刺す。
壁に縫い付けられた形で身動きできない巳ノ助に向かって、小五郎は「急所は外しておいたぜ」と言った。
辺りを見回した小五郎は樽をひっくり返す。
樽から水が流れ、中から涼次が這い出てきた。

小五郎は巳ノ助から涼次の長針を奪うと、涼次に針を、如月に鞘を渡す。
「おめえの仕事だ」。
小五郎の声に涼次が、手を伸ばして前へ進んでいく。
「お兄ちゃん、見えてへんの?」と言う如月、涼次の両目は傷ついていた。
だが涼次は「わかるんだよ」と言うと、手探りで進んでいく。
巳ノ助が恐怖のあまり、身動きをすると、涼次はその気配を逃さなかった。
小五郎が如月の前に立ち、仕事を見せまいとする。
壁に縫い付けられた巳ノ助にたどり着いた涼次は、いつものように針を回すと「先に地獄で待ってな」と言って巳ノ助を突き刺した。

仕事が済むと小五郎は如月の前からいなくなる。
鍵が開いて外に出た如月は、倒れている涼次に駆け寄る。
「お兄ちゃん」と駆け寄る如月に涼次は笑って、「嫁入り前の娘が、こんな傷つくっちまって…」と言った。
如月は半泣きで、「お兄ちゃん、ええ仲間おるんやなあ」と言った。

屋敷へ戻る途中の老中・松坂の前に、鬼の面をした小五郎が現われた。
その面は伝七のものだった。
殺気立つ家来たちに松坂は「この者は良い」と言って、仕事は済んだのかと聞いたが、すぐに様子がおかしいことに気づいた。
松坂の家来は小五郎に斬りかかるが、小五郎はことごとく家来たちを斬り捨てた。
「金ならやる!」と叫ぶ松坂を小五郎は、バッサリ斬った。
後には伝七の面と、きよが仕事を託した時のふくさが残っていた。

仕事の後、涼次は如月が引く車に乗っていた。
優雅に日傘を差している涼次と、それを引く如月。
2人は江戸を去っていく。
お菊が近づいてきて、涼次に仕事料を渡す。
そして、餞別も…。

主水は詰め所でメザシの焼き方を指導し、小五郎は家に戻るとそこではこうとふくが八丁堀の奥方と共に料理をしていた。
やがて主水がやってきて、料理を指導していたりつにつまみ食いをとがめられてしまう。
苦笑いする主水と小五郎。

仕立物の仕事をしながら、空になった文鳥の籠を見ているレン。
そこに鳥の鳴き声がして顔を上げると、放したはずの鳥が戻ってきていた。
「お帰り」と笑顔になるレン。

お菊は河原に来ていた。
花を手向けた石の墓標には、からくり人形が備えてあった。

奉行所では新しい配置が発表されていた。
しかし、伝七の場所に伝七はもう、いなかった。
しかし小五郎はいつものように芝居小屋でさぼると、傘を手にポーズを取って見せる。
いつものような日常が戻ってきていた。

捕えられた涼次、大ピンチから始まりました。
拷問人として現われたのが、正八、じゃない、火野正平さんとは。
しかも名前が巳ノ助。
どうしたって、「新・仕置人」の最終回の己代松を思い出します。

そしてほとんど捨て身の殴りこみに向かう主水に、「松つぁんも連れてってやってよ。仕置人なんだからさ」と言ったシーン。
大八車に己代松とおていを乗せて、泣き顔で走らせるシーンも思い出します。

かわいくて、けなげだった正八ちゃん。
被害者に同情して「何とかしてやりたいと思うのよ」と言って、鉄に「俺はかわいそうって言葉聞くと、ムカムカするんだ!」とか、良くぶっとばされていた正八ちゃん。

しかし、今回の火野さんは、涼次の肩に噛み付いて、肉は食いちぎるわ、如月はめった打ちにするわ。
拷問シーンはいろ~んな道具が用意されていて、ハラハラヒヤヒヤしました。
最後はきっちり、スッキリさせてくれました。
さすが~、火野さん、わかってらっしゃる。
寺田農さんが殺され役というのは、また必殺的には豪華。

如月が捕えられるシーンは直接描写はなく、涼次の家に来た如月のストップモーションで、その後にレンが荒れた涼次の部屋を見るのも、ものすごく嫌な予感に満ちたシーンでした。

元忍者だっただけに、涼次の根性は筋金入りなんでしょうが、如月が連行されてきた時には、一瞬、挫けかける。
そこを如月が「言ったらあかん!」と。
今までちょろちょろしている、ちょっと手癖の悪い女の子の如月のものすごい根性、そして涼次お兄ちゃんへの強い思い。
憎まれ口叩き合っていても、如月は涼次にずっと感謝していた。
如月、良い子だー、死なないでー!と思いました。

涼次は如月を見て、ものすごくつらかったはず。
だけどその言葉に涼次は応えるべく持ち直し、2人して拷問に耐える。
如月への「嫁入り前の娘が傷つくっちまって」が、ちょっと茶化しているけれど、そこは素直に言えない。
でもこの2人って、本当の兄妹みたいな絆が生まれたんでしょうね。

手探りで前へ進み、如月が見えていないのかと叫ぶ、涼次の最後の仕事は切なくて良かったです。
涼次は最後、優雅そうにしていましたが、如月が引く車に乗っているところからして、回復はしていないのかな?
それとも涼次特有の悪ふざけ?
目は一応綺麗になっていたので治っていそうでしたが、どうなんでしょう?

最後、目に包帯をしたままだったら、完全ハッピーエンドではなくて、70年代の必殺っぽい、切なさが漂ったラストになったかもしれません。
そう思いつつ、「いや、やっぱり治っていて良かったかな」と思います。
涼次もレンも死なないでいてくれて、良かった。

レンは文鳥を逃がすということは、もう戻って来られないのは覚悟だったんでしょうね。
結果的には桐ノ屋1人で順調な仕事だったんですけど、後ろに控えているのが加納なので何が起きるか、誰がいるかわからないし。

桐ノ屋の使い走りをしていた女の子が直前に来ていたんですが、レンはこの娘を殺さなかった。
気絶していた娘のほっぺたを叩いて、目を覚ましかけたところで去っていく。
最後に文鳥が戻ってきて、パアッと笑顔になって「お帰り」と言うレン。

こういうのが何か、根底に優しさと寂しさを持っているレンらしくて良かったです。
レンの殺しは、ものすご~く良かった。
毎回毎回、凝っていて、回を追うごとにレンも良くなって行って、これで終わりなんて寂しい。

小五郎はもう、「新・仕置人」の殴りこみ主水のような殴りこみ。
顔を見られたら最後、確実に的を殺す。
人斬りマシーンと化したように斬って斬って、斬りまくる。
それでもやっぱり、こうとふくに旅行を勧めて、何かあった時、その場にいないように配慮していました。

そして狙った日が同じなんでしょうか、鉢合わせする鬼の面の仕事人たち。
この大混乱が味方しての、小五郎と涼次、如月の生還かもしれません。
小五郎は巳ノ助を動けなくして、涼次に仕事をさせる。
涼次の仕事人としてのプライドを、怨念を晴らさせてやる。

今まで絆なんてなかったように見えた小五郎と涼次でしたが、自分たちが無事なのは涼次が拷問に耐えているということ。
「新・仕置人」でに「松つぁん見殺しにするの!」と叫んだ正八に、鉄が「そんなこたあ、己代松だって百も承知だ!」と怒鳴ったように、捕えられた仕事人は拷問の末、息絶えるか、自害するかなんですよね。

初めて、小五郎と涼次ははっきり、お互いを認め合ったんじゃないでしょうか。
如月の「お兄ちゃん、ええ仲間おるんやなあ」という言葉がそれを表現していた。
最終回はみんな、ちゃんと「機能」してましたね。
でもまあ、小五郎も涼次もレンも、みんな「ツンデレ」ってやつですよね。

そして一番のビックリは鬼の面の仕事人を名乗った刺客たちの最後の1人、ひょっとしたら首領?の面が割れて、その下から現れたのはなんと伝七だった!

以前、私は小五郎以上に伝七は天然で昼行灯では…、と書いたんですが、伝七こそが誰も知らない表と裏の顔を持っていた。
いつからやってたんでしょうね?
「女の一分」の後でしょうか?
もっと前から?

伝七の存在が薄かったのが幸いして意外性が高まったか、それとも唐突な印象が残ったかは、評価が分かれるところだと思います。
私は意外で、それでいて、いつもいつも能天気だっただけに、その陰にそんな思いがあったのがわかってかわいそうだった。

ただ、前回で良かったから、ちょっとだけでも伝七に奉行所に対しての失望とか、厭世観とか、そういうセリフがあったら、もっと良かったと思います。
あの鬼の面の仕事人たちは罪もない人たちもお金で殺していたみたいなのですが、今の世の中に不満を持ち、歯がゆさを感じていた浪人や役人の集団だったんでしょうか?
その辺の説明も、ちょっとあると良かった。
しかし、例えば正義だとしても、人殺しに手を染めた人間の末路をあの伝七が見せてくれるとは。

主水はいつもながら、さすがです。
杉本哲太さんは加納役、良かったです。
必殺のスタッフが集まって作った「怪」の4作目、「福神ながし」での武士に絶望した用心棒も良かったです。

若村さんは若村さんだけに一ひねりあるかと思っていたんですが、純粋な被害者でした。
若村さんの時代劇というと「御家人斬九郎」の粋な芸者の蔦吉姐さんなんですが、今度はぜひ、必殺で殺し屋で出て欲しい。

和久井さんのお菊の昔の殺しっていうのは何だかわからないままだったんですが、それはきっと続編で明らかになると信じます。
源太のお墓参りしてくれてました。
ということは、作太郎(しつこい)もきっと、大丈夫なんでしょうね。

本当に楽しませてもらって、必殺の復活を喜べた「必殺仕事人2009」。
涼次も最後はほんと、ハマってました。
レンはもう、本当に意外なほどの適役!
最後はみんな、作り上げてきたものが生きてました。
長屋のちっちゃいレンみたいな子も、出て欲しかった。

これから金曜の夜が寂しくなるなあ…。
絶対、また作って欲しい!
その時は、メンバーはこのメンバーでお願いしたいです。

ああ~、今、本当に寂しい! 
 

3人のスター、3人の「M」 マリリン、マドンナ、マイケル・ジャクソン

こんなことを少し前に書いていたんですが…。

最近、何かとお騒がせのマイケル・ジャクソン。
しかし80年代の彼はマドンナと並んで、ものすご~いスターでした。
80年代のアメリカのスターは、2人の「M」だったと言われてた記憶があります。
もう1人はマドンナですね。




マイケル・ジャクソン、彼には彼なりのこだわりやら何やら…、いろんな思いはあるのでしょうが、あまりに変わって行く彼を見た時、「この人ほど自分の魅力をわかってない人もいない…」と思ったものでした。
かっこいいんですよ、マイケル。
それ以上何もしなくていい、と思いました。

それでも彼の輝いていた頃というのはやはり、ずっと残っていく。
それをどこかで知っているから、期待しているから、彼らアーティストは一つ一つの作品に全ての情熱を傾ける。
それはもう、時には異常なほどに。




スターというものはマリリン・モンローの頃から、気まぐれで得体の知れない「人気」というものに支えられているもの。
その人気が続く限り、ワガママがきくし、チヤホヤされるし、人にいろいろ嫌なことを指図されないで済む。
だけど人気というものは得体の知れないものだから、いつもいつも自分の思うようにはつかみようがないし、離れたらおしまい。
頂点に立ったスターほど、転落が何よりも怖い。

マリリン・モンローの一番恐れていたものは、その得体の知れないものを失うこと、そして確実に自分の肉体、容姿を衰えさせる時間だったそうです。
そんな、どうにもならないものと戦っていたら、神経は磨り減る一方だし、彼女を愛する人がどんなにしてもどうにもしてやれない。

そして群がる、欲と利権にまみれた人たち。
実像と虚像のギャップ。
おもしろおかしく書かれるゴシップ記事。
消費される私生活。
そんなことでさえ、あるうちが華と言われる。
だから笑顔は売るけど、心は開かない。

スターになるのも大変だけど、スターになった後、情緒を安定させるのも大変なんだろうなあ…。
マドンナはニュー・マリリン・モンローとしてもてはやされて、本人もそのイメージで売っていた時がありますが、マドンナはモンローよりずっとずっとタフ。
欲と利権にまみれた人たちを利用することもできるし、実像と虚像のギャップは楽しんでいるようにさえ見えます。
確実に自分の肉体、容姿を衰えさせる時間とは徹底的に、ストイックに戦っている。
そんな彼女でも、ゴシップには傷つき、人気というものを考えて怯えたり、と、心の中はいろいろだとは思いますが…。
マイケル・ジャクソンがむしろ、マリリン・モンローなのかなあと思います。


こんなことを少し前に書いていたら、今朝、マイケル・ジャクソンの訃報が入ってきました。
信じられない…。
心よりご冥福をお祈りいたします。

埋め込みできないのですが、やっぱりカッコイイですよね。
BAD」。

80年代に現われた、大スター、マイケル・ジャクソン。
ものすごく、すごく楽しませてくれました。
ありがとう、マイケル。
安らかに。


日曜夜に放送されていた「チャーリーズ・エンジェル」の初代エンジェル・ジル役で、ゴージャスな金髪とヘアスタイルが大人気だったファラ・フォーセット(当時はファラ・フォーセット・メジャース)が死去?!というニュースが入ってきました。
…またまたショック。

丸井提供ミニ番組 「世界あの店この店」

懐かしい~、夜10時台の番組終了後、やっていたミニ番組です。
「世界あの店この店」、提供は丸井。

1982年。




1984年。



丸井のCMのことは前にも書きましたが、おもしろかったんです。
エアコンのCMだと、夜の部屋の壁に水の流れが映ったり、砂の上を風が吹いている様子が映ったり。
エアコンを直接描写するのではなくて、エアコンが作る風を涼しそうに演出して見せたんです。
そういう演出が好きでした。

楽しいか不気味か ルネ・マグリット

友人に、土日のSPドラマ・渡辺謙主演の「刑事一代」がすごく良かった!と言われ、遅ればせながら昨夜、土曜日放送分の前編を見ました。
ちょうど「吉展ちゃん事件」で終わったところでした。
しかしこの刑事さんの事件簿って、昭和史・外伝みたいなものですね。

「吉展ちゃん事件」といえば、泉谷しげるが犯人を演じたドラマがすごかったな~。
その後、「ピアノ殺人事件」の犯人を演じた泉谷さんもまた、迫力あったです。
「隣にいる狂気」が怖かった。

というわけで?「刑事一代」、二夜目が楽しみなんですが、週末まで見るチャンスがないかもしれないです。

それとは、全然関係ないんですが、ルネ・マグリット。




やや、被ってますが…。



8分36秒ごろに出てくるハムの薄切りに目がある「肖像」という絵ですが、昔のアニメ「デビルマン」で目のデーモン族が出てきた時を思い出しました。
こんな感じに、目玉焼きに目が出て、タレちゃんが目撃して気絶したり、アキラが飲もうとしたスープに目が出たりしました。

マグリットの絵を怖いとか、不気味と感じることがあるのは、日常あるべき姿が壊れているからではないかと思います。

後姿の人の前にある鏡に映っているのが、やっぱり後姿の人だったり。
靴の先が指になっていたり、ガラスが壊れたら映っている風景も壊れていたり。
無機質なものが生き物になっていたり、生き物が無機質な物体だったり。

ドアの向こう、窓の向こうには異次元になっているんじゃないか…、そんな不安と期待。
それもありえない壊れ方じゃなくて、ありえそうな光景。
マグリットのそういうところに、魅せられてしまう。

絵画が部屋で見る別世界なら、良質なドラマというのも部屋にいて見られる別の世界。
窓口は狭くても、広がる世界が大きいものには魅せられますよね。

夜光の階段 最終回

自殺をほのめかす手紙を置いてフジ子がいなくなり、房江はフジ子を警察に捜させる。
手紙には枝村幸子を殺したのは自分だ、と書いてあった。
そして、桑山が、フジ子の女性としての隠しておきたい過去を追及した時に、房江が猛然とフジ子をかばってくれたことがとてもうれしかった、と書いてあった。

佐山もフジ子の置手紙を見る。
フジ子は、幸子殺しの罪を背負って死ぬかもしれない。
佐山は動揺するが、その時、新宿で女が飛び降り自殺したニュースが入る。
フジ子と思い、警察に走る佐山だが、遺体はフジ子ではなかった。
佐山が安堵したのもつかの間、槙子の危篤の報せが入った。

佐山は病院に駆けつけるが、病院では桜田が見張っていた。
槙子は佐山に、フジ子と死ぬまで一緒にいるように言う。
その時、フジ子から電話が来た。
佐山はフジ子の声を槙子に聞かせる。
フジ子は槙子に持たせたお地蔵様を、佐山から貰った話をする。
槙子はうれしそうにして、息を引き取った。

フジ子は山中湖にいると言う。
佐山は桜田を振り切って、山中湖に向かう。

フジ子の自白の手紙が出てきたこと、岡野が心神喪失状態であることで、裁判は続けられないかもしれない。
そのことで、桑山は房江と会っていた。
房江も公判の中止に反対することもできず、自分はこの件が終わり次第、地方に飛ばされるだろうと言う。
だが房江も確信があっての起訴だった。

桜田が、佐山に逃げられたと言う。
フジ子を殺しに行ったに違いないと言う桜田だが、房江は佐山がフジ子を殺すだろうか?と疑問を呈する。
あの公判でフジ子が桑山に過去を追及された時の告白、あの時、佐山は涙を流していた。
佐山はフジ子は殺せないのではないか…。

佐山はフジ子がいる山中湖へ向かう。
フジ子を見つけると、佐山は抱きしめた。
ボートで湖に出た2人。
湖を見つめるフジ子に、佐山は裁判で全てを告白すると告げる。

村岡トモ子殺しはもう結審している。
一事不再理で、罪には問われない。
雅子は言われたとおり首を絞めた、明確な殺意があったのは幸子だけだと。
フジ子は言う。
「あなたが綺麗なのは、仕事をしている時ね。波多野さんも幸子も私も、みんな、あなたの野望の光に吸い寄せられた蝶のようなものだった」。
そして、「どんなことをしてもあなたを守ってみせる」と言うと、立ち上がる。

ボートが揺れ、「危ない」と言った佐山の前で、フジ子は自ら湖に落ちる。
「フジ子!」
佐山は叫ぶと、フジ子を助けようと湖に飛び込む。

目が覚めた時、佐山は病院のベッドの上だった。
「フジ子は…」と言う佐山に告げられたのは、フジ子が溺死したという話だった。
愕然とする佐山に警察が来て、聞きたいことがあると言う。

偶然、山中湖を撮っていた人の写真に落ちる寸前の佐山とフジ子が写っていた。
その写真は立ちあがったフジ子の肩を佐山が押さえていたが、佐山がフジ子を突き飛ばす寸前に見えた。
フジ子殺害の疑いが、佐山にかかる。
フジ子に会いたいと願う佐山だったが、フジ子の遺体は司法解剖されると言う。

桑山はフジ子は自殺だと言った。
しいて言えば、自分が殺したのだろう、と。
桑山の事務所に、娘の亜紀が岡野の妻で失踪していた和子を連れてきた。
和子は岡野に愛想を尽かし、今は好きな人がいると言ったが、桑山の説得で岡野に接見することになった。

心神喪失状態でまともに話もできなくなった岡野だが、和子を見ると「和ちゃん!」と顔を輝かせた。
そんな岡野に和子は心を痛め、「しっかりしてよ!」と、恋人とは別れる、戻ってくる、だからしっかりして!と言う。
和子の声に岡野は反応し、改めて岡野が行った時には、幸子はもう死んでいたのだ、幸子は殺していないと訴える。
岡野が持ち直したことで、裁判は続けられることとなった

フジ子、そして槙子の葬儀、並んだ2人の遺影。
葬儀は身内だけで、ひっそりと執り行われた。
焼香にやって来た桑山に佐山は怒りを込めて、「フジ子はあんたが殺したんだ」と言う。
桑山はその言葉を否定はしなかったが、桑山は改めて佐山の罪を暴く決心を伝える。

桑山の元に、第7回公判を前にした幸子の両親から醤油が届く。
幸子の実家からだった。
そして、届けられた品の中に幸子のパソコンがあった。

みな子は佐山に、NY行きの航空チケットを手渡す。
それは正式にビューティ・ナカヤマの後継者として、会長とNYのスタッフに挨拶に行くということだった。
その日は5月19日。
幸子の第7回の公判の日で、佐山が証人として呼ばれていた。

NY行きの飛行機は夜。
「必ず間に合う」と言う佐山。
佐山はみな子に、フジ子の「あなたが綺麗なのは、仕事をしている時ね。波多野さんも幸子も私も、みんな、あなたの野望の光に吸い寄せられた蝶のようなものだった」という言葉を伝える。
みな子はその通りだ、怖い怖いと言いながらも笑った。
佐山はフジ子の想いに応える為にも、自分は美容界の頂点に立つと言う。
それを聞いたみな子は、満足そうだった。

公判当日。
青山店の従業員たちも、やってきていた。
待ち受ける桑山、そして房江。
法廷に入った佐山は、正面に大きく雅子の写真が映されているのを見た。
そして、これは自分の弾劾裁判なのだと悟った。

桑山が佐山に尋問をする。
やきそばを食べた店の駐車場で、トラック運転手とトラブルになったこと。
そして、そのことを幸子が調べていたこと。
被害者の幸子は、もしかしたら雅子を殺したのは佐山だと思っていたのではないか?
だが佐山は全く乱れることなく、やきそばを食べた後、雅子を送っていって別れたと言う。

佐山は雅子には1億の借金があったが、雅子にとっては大した金額ではない。
確かに雅子が幸子との事を知ってトラブルになりかけたが、雅子の死後、返済していることは夫の伍一郎も知っている。
自分が成功することは、出資者の雅子の願いでもあった。
よどみなく証言する佐山。

次に房江の尋問が始まった。
房江は、フジ子の手紙を読み上げる。
フジ子は手紙の中で、「枝村幸子を殺したのは私です」と告白していた。
フジ子の手紙によると、自分が行った時、幸子は岡野に殺されかけていたが、まだ生きていた。
だがフジ子を見た幸子は、フジ子が佐山を好きなことで自分から奪うつもりなんだろうと罵られ、そのまま幸子の首にかかったスカーフを締めてしまった、と。

しかし佐山はフジ子は人殺しではないと言った。
フジ子は自分を助ける為に嘘をついている。
フジ子が犯人でなくて、何故佐山をかばうのか…、「犯人はあなたですか?」と聞く房江。
「佐山さんなんですか?!」と顔を上げる岡野。
「嘘をつくと偽証罪になりますよ」と詰め寄る房江だが、佐山はそれには答えなかった。

そして佐山は「私を助けようとしたのは、この桑山のせいです」と言う。
女性として悲しすぎる過去まで暴いた桑山のせいだ。
桑山がそこまでして佐山を犯人扱いするので、このままではまた佐山に幸子殺しの嫌疑をかけられるとフジ子は危惧したのだと。
「枝村幸子は、お前が殺したんだよ!」と叫ぶ桑山、止める房江。
もはや裁判は岡野を裁く場ではなく、佐山と桑山の対決の場と化していた。

その時、桜田が法廷に入ってきて、桑山に何か渡した。
佐山は、幸子は自分を世界一のアーティストにしてみせると言ったと話す。
自分を応援してくれていた幸子に報いる為にも、自分は今日、NYに行かなければならない。
佐山がそう言ったその時、「村岡トモ子さんを殺したのは僕だ」という佐山の声が法廷中に響く。

それは、まだ幸子と愛し合っていた時、佐山が苦しい心情を打ち明けた、あの時の告白だった。
「嘘でしょう?あなた、私の気持ちを確かめようとしてるんでしょう?」と答える幸子の声、続いて佐山が「僕は悪魔だ。だけど悪魔だって人を好きになる」と、告白する声…。
フジ子が録音し、幸子が持っていたレコーダーの声。
レコーダーは燃やしたが、幸子はこれをパソコンに保存していたのだった。

一瞬、動揺した佐山だったが、これは彼女を楽しませる為にやった作り話だと言い張る。
再び法廷を去ろうとした佐山に、桑山は佐山が6歳の時に出奔した母が会いに来たことを話した。
「なぜ母親が会いに来たんだろう?詫びに来たのか、一人で死ぬのが嫌だったのか…」
自分の出世した姿を見に来たのだ、と言う佐山に、桑山は違うと言った。

親が子に求めること、それはかわいいわが子が悪いことしないで生きてくれること。
桑山は「あんた、やっただろう」と言った。
「お前の母親は仏を握り締めて死んだっていうじゃないか…」。
そして母の言葉、「あなた、やったよね」と言う母の言葉と表情が蘇る。
母が「あっちゃん、かわいいあっちゃん」と呼びかけ、幼い頃、髪を切ってくれた母の思い出が蘇る。
「貧乏でも悪いことしないで生きてね」と言った母親の姿。

佐山の手には、フジ子に自分が与え、ずっとフジ子が持ち続けていたお地蔵様が握られていた。
佐山は証人席に戻ると、「フジ子は殺していません。3人の女性は私が殺しました」と言った。
傍聴人席がどよめく。
岡野が「ありがとう、正直に言ってくれてありがとう」と涙する。

佐山の脳裏に蘇る、村岡トモ子殺害の状況。
去ろうとする佐山に「絶対逃がさない、許さない。どこまでも追いかけて、邪魔してやる」と言ったトモ子と、「こんな何もない町で、お前に付きまとわれて一生を終わってたまるか!」と言った佐山。
東京に行く列車を待ちながら、何か悪いことが起きると思っていたあの時。

波多野雅子が佐山の手を首に導き、「私文書偽造だって、詐欺だって!訴えてやる。殺して。殺さないとそう言ってしまう」と切羽詰った口調で哀願する光景。
「枝村さんだけは、僕の意思で殺しました」。
幸子をスカーフで絞め殺した時の光景。
傍聴人席で、みな子が肩を落とす。

「奥さんだけは殺していないんだね」と言う桑山に、佐山が「フジ子は自殺です」と言う。
桜田が「お前が殺したんだよ!」と怒鳴る。
佐山は猛然と、「母の魂に誓ってフジ子は殺していません」と答える。
「わかるものか」と言う桜田に佐山は、「僕はフジ子を愛していた。信じていた」と言って涙を流した。
桑山は佐山に「お前とは長い付き合いだったな」と言った。
傍聴人も全て去っていく中、房江が佐山に近づく。
そして、「証人。福知フジ子さんを愛していると言った言葉。私はとてもうれしかった」と言った。

暗くなる法廷。
トモ子、雅子、幸子、そしてフジ子。
4人の女性の姿が佐山の前に浮かび上がる。
「殺されたのは僕だったかもしれない…」とつぶやく佐山。
炎と、そしてその光りに吸い寄せられて燃える蝶。
「波多野さんも幸子も私も、みんな、あなたの野望の光に吸い寄せられた蝶のようなものだった」。
フジ子の声が響く。

「会長…、ダメでした…。逮捕されると思います」と、廊下で電話をしているみな子。
そのみな子の前に、法廷から出てきた佐山が現われる。
桜田が「どこへ行くんだ!」と呼び止めると佐山は、「青山の店へ」と言った。
「それはできない」。
佐山の前に刑事たちがやってきた。

パトカーが待っていた。
外はひどい雨だった。
乗り込もうとする佐山に雨が降り注ぐ。
それは佐山の野望の炎を消すように降り注いだ。


前半でフジ子だけが死んじゃって、「そういう展開にするか」と。
フジ子も生きていた方が佐山を守れた感じがするんですけど、やっぱり親友の幸子殺しのアリバイ作りに加担して、自分は幸せに…っていうのが耐えられなかったんでしょうか?

パソコンが出てきた時に「あ~、この中に告白が入ってるでしょ」と思いましたが、警察、これは初動捜査で普通見るでしょ!と、ちょっと突っ込み。
それでもまだ、追い詰められたとは言えない。
グレーだけど、黒とは言えない。
逃げ切れるぞ~!というところで、桑山に母親の心情を語られて、母親の子供を思う気持ちにフジ子への愛が重なり、フジ子に殺人の汚名も着せられず、佐山、陥落。

「人間の証明」ですね。
物的証拠がなく逃げ切れるのに人間としての情から逃れられなくて、いわば人間であることの証明と引き換えに自白して罪に問われる。
佐山は、最後に女性不信の根源であった母親への恨みも消え、フジ子を愛した。
魔性の男から、愛を知った普通の男になっちゃったんですね。
フジ子への愛ゆえに最後は破滅する。
でも佐山は不信と憎悪の人生から逃れられて、ホッとしたんでしょうか?
このラストだから、藤木さんが「この話はラブストーリー」って言っていたんでしょうか。

佐山が普通の男になって罪を認めちゃって破滅するラストと、魔性の非情の男のまま破滅を迎えるラストと、どっちが良かったか。
評価が分かれそうです。
私は野望を胸に旅立つラストも良かったかな~、と思いましたが。

いや、悪が勝つのが良いわけじゃなくて、何か爽快感がなかったんですね。
フジ子の想いに応えるのはともかく、母親への愛情に勝てなかったというのが、イマイチ、槙子との関係が希薄で胸に迫ってこなかったんですね。
フジ子への想いに応える方法として、このまま階段を駆け上るというのも迫力あったんじゃないかという気持ちもして、魔性の男の最後としては物足りなかった。
同じ破滅なら、あんな形の自白ではなく、思わぬところで足をすくわれて逃げ切れなかった…、の方が納得いきました。
最終回のタイトルが「英断」って、勇気を持って罪を認める決断ってことなんでしょうね。

村岡トモ子殺しは一事不再理として、雅子は自殺幇助?
でも幇助って罪重いですよね。
幸子は殺人罪。

女優が豪華で、何かやらかしてくれそうな人ばっかりで、いちいち、「もしかしてこの人が?」って期待してました。
でもほとんど悪いことしなかったし、ちょっと暴れた人は佐山に殺されちゃってましたね。
荻野目さんが再登場した時は何かあるかな~?と思ったんですが。
荻野目さん、旦那さんの渡辺いっけいさんは、どうしたんでしょうね?
再登場した時は、美容室経営の旦那さんが全然出てこなくて、中山会長に仕えている人みたいな感じでしたが。

南野さんが全然、触れられてないのがかわいそーです。
本筋に関係ないから、と言えばしかたないんですが、華を添えてくれたので。
南野さん、お綺麗でしたね。

余さんの役は動き出すのが遅くて、出番がほとんどないのかと途中、危惧しましたが、やっぱり余さんは良かったですね。
疑惑を持ちながらも、じわじわと責めて行く様子、フジ子との対決、そして同じ女性としての労わり。
私としては、夏川さんと握手して、「プライドを持ちましょうよ」がこのドラマのベストシーンです。
最後に佐山に呼びかけた言葉も、人間味溢れていて良かった。

主人公についてほとんど書いてないんですけど、藤木さんも良かったです。
この役はイケメンじゃないとダメなんですが、藤木さんは合ってましたし。
しかし、私はこれは女優を楽しんだドラマでしたね。
前半は室井滋さんが引っ張ってくれて、中盤から公判は夏川さん、後半は夏川さんと余さんが引っ張ってくれました。

第1回から最終回まで見るドラマって、最近少なくなってきたんですけど、これは毎週欠かさず見て、最終回まで見ました。
俳優さんたちからナレーションまで、すご~く楽しませてもらったドラマです。
ラストシーンで「これで終わりか~」と、しみじみ、寂しくなりました。

必殺仕事人2009 「最終章 仕事人狩り」 

こうとふくとの平和な日常を送っていた小五郎だが、何者かに後をつけられる気配に振り向く。
その時、「刀を抜く時に右肩があがる、直ったようだな」という声がした。
後をつけていたのは小五郎の剣の師匠・雨宮騏一郎(勝野洋)だった。
再会を喜ぶ小五郎。
雨宮は今は江戸城で大老・松坂忠宗(神山繁)に仕えていた。
江戸城を見ながら、「あそこで大変なことが起きる」と雨宮は言う。

実は今、老中・加納実守(杉本哲太)が大老の暗殺をたくらんでおり、雨宮はその陰謀を暴く為、ひそかに加納たちの中に混じっていたのだった。
この江戸には金を出せば証拠も残さず、殺してくれる「仕事人」というものがいる。
雨宮はその噂を聞いて、役人の小五郎なら何か情報を持っているのではないかと思ったのだ。
しかし、小五郎は何も知らないとしか言えない。
雨宮の屋敷へ招かれた小五郎は、久しぶりに妻のきよ(若村麻由美)とも再会する。

お気に入りの着物を引っ掛けて破ってしまった涼次は、レンの長屋に来て修繕してもらった。
確かなレンの腕に驚く涼次だが、その時、長屋でケンカが始まる。
「いつものことだ」と言うレン、数軒先の長屋で博打好きの亭主と女房がケンカしていたのだ。
「死んじまえ!」と怒鳴る女房に涼次はひそかに「三番筋へ行けってか」とつぶやく。
しかしその亭主は、博打の帰りに鬼の面をつけた数名の男に斬り殺された。
その遺体には「仕事人参上」の書きつけが置かれていた。

「仕事人だ!」
「本当にいたんだ!」
町は大騒ぎになる。
そういえば、このところ、ヤクザ者、悪徳高利貸し夫婦など、仕事人と思われる者に殺された不審な殺人事件が何件も発生していた。
誰かが仕事人を名乗っている…。
小五郎、主水、涼次、レン、お菊は誰かが抜け駆けして商売しているのではないかと言ったが、誰もその気配はない。
商売敵の出現にイライラした涼次は、お菊にしっかり仕事を持ってくるように言う。

仕事を請け負ってくるだけの気楽なお菊、「どうせ誰も殺したことがない」と言う涼次に主水は「あるぜ」と言う。
その言葉にみな、一様に驚く。
お菊が殺しをしたことがある、それは主水だけが知っているようだった。
お菊は何も言わず、立ち去る。

鬼の面をつけた仕事人たちに雨宮は接触し、加納殺しを依頼することに成功した。
殺された男の女房は奉行所に、仕事人たちは金さえ貰えば誰でも殺す外道だと訴える。
その訴えに今まで懐疑的だった奉行所も動き出す。
女房はその帰り、加納の家臣・杉浦又兵衛(宮川一朗太)に会って奉行所に訴えた事を報告して金を受け取っていた。
しかし、女房は金を受け取った途端、殺されてしまった。

そんな時、江戸城では雨宮の正体が加納たちにバレてしまった。
雨宮は加納の部下で、百戦錬磨の剣豪と呼ばれる伊能玄十郎(國本鍾建)に捕えられてしまった。
加納は松坂の差し金だと言うが、松坂は雨宮のことは知らないと言い、雨宮を見殺しにしてしまう。
松阪に見捨てられた雨宮を嘲笑う加納だったが、雨宮は「仕事人を頼んだ、加納の命もこれまでだ」と言った。

雨宮は切腹に決まったが、介錯はかわいがっていた門弟の小五郎に任された。
「右肩に気をつけろ。切っ先がぶれないよう」。
そう言う雨宮を、小五郎は断腸の思いで介錯した。
小五郎は急いで取り潰しとなった雨宮の屋敷へ行く。
きよが自害していることを恐れた小五郎だが、日ごろから自分に何かあっても決して後を追うなと言われていたきよは気丈に耐えていた。

仕事人が自分を狙っていると知った加納は、自分の身の回りの怪しい者、仕事人と思われた者を密告した者には1人につき1両の賞金を出す札を町に出した。
金目当てに罪もない人々が次々捕えられ、加納の部下の日村早雲(鷲生功)に拷問を加えられて、見せしめに殺されていった。
それを見ていた小五郎は怒りで刀に手をかける。
その時、赤い糸が刀の柄にかかった。
小五郎でも我を失う時があるんだ、そう言って現われたのはレンだった。
無言で去る小五郎。

きよからの頼みで小五郎は、加納を標的とした仕事を持ってきた。
いつもと様子が全く違う小五郎、しかし主水も涼次もあまり良い気持ちがしていない。
「俺は1人でもやる」と言う小五郎は、「熱いねえ」と茶化すレンを叩いて一人、金を受け取って出て行った。
しかし仕事に向かう小五郎の前に、涼次が現われる。
みな、結局引き受けたのだ。

加納の屋敷では牢に人々が閉じ込められ、その前では拷問が行われていた。
恐怖に怯える人たち、その時、お菊がレンを「仕事人だ」と言って捕えて連れてきた。
屋敷内に入ったお菊は、そっと門のかんぬきを外しておいた。

レンを見て、「相当いじめがいがありそうだ」とほくそえむ杉浦。
レンはひそかに縄から手を抜き、縫い付けておいた武器の赤い糸と針を手にする。
お菊が不審な者を見たと騒いだため、牢の前には杉浦と日村だけが残った。
その時、レンが日村を捕える。
「みんな逃がしてやる!目をつぶってろ!」とレンが叫ぶと、牢内にいる者はみな、目をつぶった。
杉浦は腰を抜かさんばかりにして逃げていくが、レンは日村を仕留める。

お菊が日村から牢の鍵を奪い、次々牢を開けていく。
逃げる杉浦の前に主水が現われる。
驚く間もなく、杉浦は主水に仕留められる。
杉浦が死んでいるのが見つかると、屋敷内は騒然となる。
加納は屋敷の奥に匿われるが、天井裏には涼次が潜んでいた。
涼次が加納を仕留めようとした時、鬼の面をかぶった集団が屋敷内へ斬り込んでくる。
屋敷は加納の部下と、その集団で大乱闘になった。

大乱闘の中、小五郎は襲ってくる加納の部下を斬りながら、伊能と向かい合っていた。
「お前が仕事人の仲間か。しかし何故、お前は面をかぶらない」と聞く伊能に小五郎は「顔をさらしたからには、生かしておかないからだ」と言う。
2人は斬りあいながら、屋敷の奥へ進む。
伊能の顔色が変わる。
次に刀を交わした時、小五郎は伊能を斬った。

レンはお菊と逃げようとしたが、お菊はレンだけ逃げろと言う。
騒然となった屋敷内へ、お菊は扇を握り締めて囮となるべく出て行くが、涼次がお菊をかばう。
涼次はお菊を逃がす為に敵の前に出て行くつもりで、「最後に聞かせてくれ。殺した相手は誰なんだ」と聞くがお菊は答えない。
涼次は、お菊に借りた金はこれでチャラだ、と言う。
「涼さん!」と叫んだお菊に笑いかけた涼次は、武器の長針を手に加納の部下たちと渡り合う。
お菊は涼次のおかげで脱出に成功する。

主水も、小五郎も、レンも、夜明け前に戻ってくる。
しかし涼次は加納の屋敷で1人、敵をひきつけて戦っていた。
長針はいつしか手から離れ、涼次は奪った刀で応戦する。
だが、涼次の手にした刀は折れ、床に刺さった。
「どうやら本物の仕事人らしいな」と現われた加納、涼次は捕えられた。

お菊が仕事人たちに合流し、涼次のことを話す。
戻ってこない涼次に仕事人たちは青ざめる…。


夜光の階段が昨日最終回だったのに、首を寝違えた為に一日首が回らず、頭痛。
そして今日は昨日、首をもみほぐそうとして無茶したらしく、今度は揉み返しで痛くて頭痛。
すみません、夜光の階段より先に今日見た「必殺仕事人2009」書いてしまいます。

最終回を前に、小五郎、いきなり感情的に。
師匠の死と介錯で動揺していたところ、仕事人狩りを目の当たりにして思わず刀に手をかけてレンに止められるとは。
思っても見ない展開。
だけど師匠と妻の会話からすると、小五郎は昔はどちらかというと、感情に走りやすい若者だったよう。
今回、すっかり昔に戻っちゃったのか。
わなわなする小五郎は、それはそれで良かったですね。

今回のクライマックスは鬼の面をした謎の仕事人集団乱入の為、映画「必殺IV」のような、BGM「荒野の果て」で、暗殺ではなくて派手な斬り合いになりました。
私は近藤正臣さんの躍動的な殺しのシーンが思い浮かぶのですが、今回聴けて楽しかったな~。
「大江戸捜査網」(古い)のような敵味方入り乱れての乱闘、久しぶりに見ましたね~、楽しかったです。
しかし小五郎が涼次とは全く別の場所で斬りあって生還し、主水はひそかに侵入して仕事を終え戻ってきたのに、涼次だけが…。

レンちゃんは今回、叩かれてましたが、なかなか見せ場ありました。
脱出の時、大きな裁ち鋏を取り出して、木の太い格子の根元を何やらチョキン!チョキン!と切って外してました。
レン、殺しを見せまいと「助け人」の文十郎みたいに捕えられていた人に目をつぶってろと言いましたが、顔は見られちゃってるかな?
でも怖ろしい拷問を見せ付けられ、杉浦の嗜虐趣味の餌食になりそうなところを助けてくれたんだから、あの女性たちはレンのことは町でわかっても言わないですよね~?!
言わないどころか、普通は惚れちゃいますよね~、たぶん。
ということで、大丈夫と解釈しました。

お菊は何故一緒に逃げないのかと思いましたが、囮と解釈いたしました。
もしくは仕事を持ってくるだけで「気楽なもんだ」と言われていたけれど、殺し以外、こういう時囮になるのが自分の仕事だと思っていたか、と。
お菊は一体、昔、誰を殺したのかは謎のまま。
そういえば、お菊の昔って語られてませんね。

お菊を逃がした涼次が、オトコマエ!
殺しをやらない、気楽なお菊が敵の真っ只中に残っているのを見た涼次は、「ばかやろー!おめえは仕事だけ持ってくりゃいいんだよ!何でそんなことしてんだよ!」って思ったんでしょうか。
涼次もレンも、優しい熱血漢を、憎まれ口叩いたり、または悪たれというオブラートにくるんで、人に知られないようにしてますね。

自分を餌に、お菊を逃がそうとする涼次を前にお菊が思わず「涼さん」って、愛の告白寸前みたいな表情してました。
いや~、これから自分の為に死にに行く男を前にしたら、あんな顔になっちゃうんでしょうね。
涼次も肩の力が抜けて、なかなか良いキャラクターになってきたので、ここで死なないでほしいです。
レンとの掛け合いも良くなってきましたしね。

主水は何度目かの危機ですが、さすがに今回は昔のように動けないだけに…。
鬼の面の仕事人たち、アレは一体何なんでしょうか。
一応、仕事だからやってきたんだとは思うんですが…。

次週、火野正平さんがゲストに出ていて、すごくうれしい!
寺田農さんも登場、意外ですが、こちらもすごくうれしい!
若村麻由美さんがあれだけの出番のはずはない、絶対何かあるはず、と思っているのですが、「木枯らし紋次郎」の印象のせいでしょうか?
単なる被害者?

宮川一郎太さん、弱い者には強い卑怯者で、なかなか憎たらしくて良かった。
杉本哲太さんは必殺スタッフが作った「怪」の最終シリーズで、妻を斬って武士を捨てた「地獄花」の田村高広さんのような役が良かったですが、今回の悪役も迫力ありました。
この方、昔歌ってた頃を知ってますけど、ほんと、良い俳優さんになりましたよね。

最終回、仕事人の誰かがまた死んじゃうんでしょうか?
70年代の必殺では、それまでの業を精算させられるかのような展開で、必ず誰かが死んだり、生き残ってもこれまでの生活が送れないようになりました。
その中で主水だけはいつも、置いてきぼりみたいに、残ってたりしてるんですけどね。
小五郎は、主水は今回、どんな風になるのでしょうか。
そして、涼次、レン、お菊は無事なのでしょうか。

寝違えた首のボーっとした頭で書いてますので、何だかいろいろ落ちてるとは思いますが、次週が気になります。
そして、あ~、毎週金曜日の楽しみがなくなっちゃう~。

キューピーハーフのCMに出てきたオスカー・ニーマイヤー

数年前のキューピーハーフのCMにも出てきた建物。
残念ながらキューピーハーフのCMの動画はないのですが、オスカー・ニーマイヤーというブラジルの建築家の建築物です。

オスカー・ニーマイヤーは、現在102歳です!


カテドラル(大聖堂)

カテドラル(大聖堂)


ニテロイ現代美術館

ニテロイ現代美術館


ブラジル国会議事堂

ブラジル国会議事堂

野菜を連想させたり、何となくサラダのせてみたくなる感じはしますね。

キューピーハーフをはじめとする、キューピーのCMは好きです。
キューピー、本当はキユーピーと書くそうです。


オスカー・ニーマイヤー美術館

オスカー・ニーマイヤー美術館


オスカー・ニーマイヤー自宅です。

自宅

退廃美・倒錯美 「シャーロット・ランプリング」

オヤジ~ラ!さんのところでもお話していたんですが、シャーロット・ランプリング。

カルトなファンを持つという邦題「愛の嵐」という映画で、一躍有名になりました。
主演のダーク・ボガードがシャーロットに電話してきて、「これは君の役だ。君がこの役をやらないのなら、私もこの映画は断る」と言ったそうです。
そしてシャーロットが言うには「私を有名にしたと同時に、私に対して大きな誤解を持たせた映画になった」。

初めて観た時、退廃美・倒錯の美というものがどういうものか、一発で理解しました。





「愛の嵐」は、こんな映画。





シャーロット・ランプリングは、いわゆる三白眼。
シャーロットはモデルとして駆け出しの頃、「そんな目つきじゃ仕事は来ない。整形しなさい」と言われたそうです。

今から30年近く前、シャーロットの事を「万人受けしようとは思わない、良さをわかってくれる人がいればいい。だから爆発的な人気スターにはならないが、その魅力を知る者には名前を聞いただけでゾクゾクするイイ女」と解説した人がいましたが、まさにその通り。

北村一輝さんもシャーロットも三白眼ですが、魔性の男、女がピッタリ。
危ない、だけど、見ずにはいられない…。



ヴィスコンティ監督の「地獄に堕ちた勇者ども」にも、シャーロット・ランプリングは出演。