おもしろくなってまいりました、「冬のサクラ」第3回!
高嶋さんこと、航一が暴走し始めました。

新宿10時発山形行きのバスには間に合わなかったけど、萌奈美がターミナルまで来ていたのを肇が見ていた。
しかし、肇は兄の幸せを思うと、もっと普通の恋愛をして、あの人の事は忘れて欲しいと思う。
だから、言わない。
言っちゃうのは、肇の恋人の安奈。

知らない方がいいんだよ、というのは、理性で考えた男性の答え。
伝えておかなきゃ!というのは、恋する女性の考え。
上の空でお仕事しがちな祐は、それを聞いて萌奈美がますます放置してはおけない。

一方、検査した萌奈美に残酷な事実が。
脳腫瘍は悪性の可能性があり、手術が難しい部位であること。
場所が海馬に近いので、手術よって記憶障害が起こる可能性があること。
手術をしなければ残された時間は、数ヶ月。

「ご家族と一緒じゃなくていいんですか」。
「はい」、って、1人でこれを知らされた萌奈美の視界が歪むというか、まともに歩けないところがショックを物語ってる。
信じられない、信じたくないよね。
娘に「私が結婚したら」なんて言われて、普通の何気ない会話までが身に沁みて悲しくなってきちゃうし。

何度もこんな重大なことを知らせようとするんだけど、その度に夫に冷たく会話を拒絶される。
こんな大事なこと、早く叫ぶんだ!と思っちゃうけど、自分で認めるのも怖ろしいことだし。
夫はなに考えてるか、わからないし。

今までの記憶、生きた証がなくなるのも不安。
それに夫は脳外科医で、これを知らせたら、萌奈美を愛する為というより、脳外科医としての自分の面子の為にうるさくなりそうだし。
彼が必死に、萌奈美を治そうとする日は来るのか。

萌奈美と話すことより、萌奈美が山形で入院していたかどうか探りを入れ、そうではないとわかると今度はもう内心荒れて大変。
航一さん、萌奈美さんはもちろん、山形の病院の人の話も興信所の人の話も最後まで聞きませんね。
萌奈美さんにも「疲れてるって言ってるだろう!」と、会話を拒否。
外面はいいけど、独裁者ですね。

新宿から戻った萌奈美の前に、黙って立っていたり、祐と会って来た萌奈美の前を無言で横切ったり。
黙って夜中、萌奈美が決心して捨てた祐の携帯電話の番号をゴミ箱から漁ったり。
懐中電灯を口にくわえ、ゴミを漁る姿は異様。

山形で萌奈美は入院しておらず、祐の家にいたことがわかると、怒りでいっぱいになる。
悲しみじゃなくて、怒りでいっぱいになるところが航一が萌奈美を自分に逆らうことは許されない所有物と思ってる証みたい。
別に愛人だって愛してるわけじゃなくて、利己主義者同士が自分を偽らずいられるから、一緒にいるだけ。

愛人は萌奈美の友人だけど、こっちも航一を愛してるんじゃなくて、満たされた条件の生活を送る萌奈美が憎らしいだけ。
影で嘲笑って不幸にしたいだけに見えます。
萌奈美がコップを持ち損なってタオルを洗面所に取りに行って、2着のガウンを見たのだって、「気づけ!気づいて苦しめ!」って気持ちがあったのでは。

この人、萌奈美が病気と知ったら喜ぶだろうか。
ちょっとねたましかっただけ。
そこまで不幸になれなんて望んでなかった…と、思うのが普通じゃないだろうか。
祐を取り巻く人間関係は、航一と正反対ですね。

肇は萌奈美を見かけて、院長夫人と知る。
でも自分の立場の為じゃなくて、兄を心配して、あの人は院長夫人なんだから病気の方も大丈夫だからと言う。
それでも萌奈美の病状を案じる祐は、肇に検査結果を調べて欲しいと頼むと、石川総合病院には萌奈美の検査データはないという答え。
石川総合病院で検査を受けてないんですもん。

肇の言葉に、祐はもう、居ても立ってもいられず、東京へ。
車で走り続ける、そうせずにはいられないこの気持ち。
おさえられないんですね。

そして川を見ている時、萌奈美から連絡が!
東京に来ているとの祐の答えに、萌奈美、「行ってもいいですか?」
2人の再会。
ガソリンスタンドで給油している時、萌奈美は子供の頃、両親が離婚したので、家族が出来たらドライブするのが夢だったと話す。

今の萌奈美の家は、ドライブ行けるような、萌奈美が思い描いた家庭ではなかったということですね。
すると、祐、ドライブに萌奈美を誘う。
今の萌奈美には、こういう時間が必要だとつくづく思う。
萌奈美、誰にも言えなかった病気の話を祐にする。

そして、祐とサヨナラ。
祐と別れて帰る途中の萌奈美の正面に、航一が!
なのに、航一、無言で去っていく。
何考えてるんだ、ほんとにー。

「ずっとあなたが好きだった」の冬彦さんと、どっちが不気味かな。
冬彦さんはひたすら、影で見張ってましたけどね。
救急車が去っていく後ろから、「いたの?!」って感じに出てきたり。

「夕べはどうでした~?」と「知ってます」といわんばかりの発言して、「あんた、何考えてんだ?」って言われたり。
でも冬彦さんはまだ、かわいそうというか、うまく自分を出せない「お子ちゃま愛」の悲しさみたいなものは感じました。

妻がかつての恋人に連れさられる時、「僕だって必要だ!お前以上に!」って思いつめた目をして叫んだし。
「行くなー!さわるな、僕の妻にー!」って子供のように泣き叫んでましたっけ。
航一は今のところ、自分勝手なだけ。

今日は江波杏子さんは、最後に出ただけ。
でも萌奈美に思わず、ため息をつかせる存在感を示しました。
ここでの草なぎさんは、存在を控えめにしてますけど、静かで、でも動じない男ですから、これで良いと思います。
航一が妖怪っぽいですしね。

小学生の時、飼ってたうさぎの花子の話が出ましたけど、母親同様、祐は自分が必要な時を敏感に感じ、最大限尽くす人。
対照的で良いじゃないですか。

「手術で記憶をなくす」と聞いて、1話の母親が自分を忘れていることに対して、祐が「いいんです、僕のことは忘れても生きていてさえくれれば」って言った言葉がかかってくるような気がしてしまった。
もしかしたら、萌奈美は記憶と引き換えに命が助かるのかな。

それでも、祐は良いとするのかな。
祐には、サクラの思い出だけが残る。
うわあ、考えただけで泣けちゃう。

次週、航一が祐に金をたたきつける。
おもしろくなってきそう~。


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2011.01.31 / Top↑
「僕と彼女と彼女の生きる道」、第7回。


徹朗に、井上部長が飛び下り自殺したという連絡が入る。
幸い、命は助かったが、意識が戻らない。
遺書はないが、井上部長は常務になれなかったらしい。
会社は人事が原因であることには知らぬ振りをするのは確実だし、井上部長はどう扱われるのだろう。

義朗の面会時間を気にした為に、井上部長がいつもと違う様子なのを徹朗は放置して行ってしまった。
あれからすぐ、井上部長は飛び降りたのだ。
井上部長が自殺を図ったことを知った義朗は、お前をかわいがってくれていた人か、と驚いたが、徹朗は「親父のせいだからな!」と言ってしまった。
徹朗は怒りと悲しみをぶつけるしかなかった。

ゆらは徹朗に、ココアを淹れてくれた。
体が温まって来る。
心も温まった気がした徹朗は思わず、「おいしい」と言った。

翌朝、徹朗は凛に、これから毎朝、野菜や果物の特製ジュースを作ると言った。
凛は、うれしそうだった。
娘との絆。
徹朗は今、凛が喜ぶのがうれしい。

意識を取り戻した井上部長を、徹朗は見舞おうとした。
断られると思っていたが、意外にも井上部長の奥さんは「お会いすると言ってます」と言った。
井上部長は、ぼんやりとした表情で、包帯だらけでベッドの上にいた。

「良い天気だなあ」。
天気のことなど気にしたことのなかった部長が、しみじみと日差しを浴びて言う。
「すべてのことが、遠い昔のことに思えるよ」。
仕事の鬼だったのが、嘘のような穏やかな表情と口調だった。

「奥さんに怒られちゃったよ。息子と娘にも」。
そう言うと、井上部長は泣き始めた。
今まで見せたことのない、人間らしい井上部長の顔。

すぐに笑顔に戻った井上部長は、徹朗に「新しい仕事も子供のことも、うまくいくといいな」と言った。
そんなことを言うとは、思わなかった。
「おまえならきっと、うまくいく」。

仕事しか顧みなかった井上部長は、今、家族は自分が思っている以上に、自分を思っていることに気づいた。
家族の絆。
井上部長は、それに気づき、その大切さに気づいた。

「はい」と徹朗は返事した。
井上部長に徹朗は、必ず接待のカラオケで歌う「シクラメンのかおり」について、やめた方がいいと言った。
そんなことを言ったのは、初めてだった。

言える雰囲気が、あった。
「あれは歌が上手い人が歌うならいいんですけど…」。
聞いている方が苦しい。
徹朗の言葉に、井上部長は「そうかあ!」と言って笑った。

徹朗は今までにない気持ちで、病室を出た。
スーパーでゆらに会った。
「井上部長、もう大丈夫です」と徹朗は言った。

ゆらは友人の結婚披露宴の後らしく、今までとまったく違ってドレスを着ていた。
雰囲気がまるで違う。
「よかった」と、ゆらは笑った。
徹朗はゆらと一緒にスーパーを出て、歩道橋の上で立ち止まって話した。

雰囲気の違うゆらに、少し戸惑っていた時、美奈子が通りかかった。
美奈子は2人に気づいて、徹朗に声をかけた。
ゆらは美奈子に気づき、挨拶をして、去って行った。

ドレスアップしたゆらを見送りながら、美奈子は徹朗に「これからどなたかと、おつきあいすることがあると思うの」と言い始めた。
「でも、凛ちゃんのことだけは、ちゃんと考えてあげてね」。
美奈子は、徹朗がゆらに惹かれているのではないかと思っている。
だから徹朗は笑って、「そういうことは全然考えてませんから」と答えた。

その頃、井上部長の病室は騒然としていた。
井上部長の病室に医師と看護師がかけていく。
そして、妻が泣き崩れた。
井上部長は、容態が急変し、亡くなった。

徹朗の元に、訃報が入る。
最後の、井上部長の笑顔。
部署の全員が重い気持ちになり、マミは泣いた。
徹朗も葬儀に出た。

部署に、新しい部長が来た。
ゼロ金利についての企画を聞かれた徹朗は、岸本が担当だと話した。
部長は徹朗がみどり銀行を退職することについて、「お前も負け組か」と言い放った。
だが、徹朗は平然としていた。

新しい部長の歓迎会に、徹朗も出た。
カラオケで誰もリクエストしていない「シクラメンのかおり」がかかった。
部長はスイッチを切ったが、歌は再びかかった。

もう一度、キャンセルしたが、歌はかかる。
何度もかかる。
部長が苛立ち、そして少し怯える。
宮林や岸本が見ると、隅に座った徹朗はそっとVサインを出した。

徹朗はトイレに立った。
水を出して、鏡を見る。
たった1人になった時、徹朗の涙腺が決壊した。
井上部長の、笑顔が蘇る。

徹朗は思う。
彼を負けた人間だと、人は言うだろう。
でも俺は、彼が安らかに眠りについたと信じている。
最後の最後にかけがえのない家族との絆を、知ったのだから。

徹朗の送別会には、宮林も岸本も来られず、マミだけがやってきた。
居酒屋で向かい合って、マミがビールを頼んだが、徹朗はもうやめておくと言った。
マミは徹朗を「徹朗さん」と呼んだ。

もう支店長代理じゃないんだから、名前で呼ぶのだと言うマミに徹朗は「小柳さんでいいよ」と言う。
その時、徹朗の携帯電話が鳴った。
義朗だった。

病室で一緒だった人の融資の話を聞いてもらいたいと言った。
徹朗は、「俺、きょう銀行を辞めたんだ」と告げた。
義朗は絶句し、次に激怒した。

あまりの激怒に徹朗は「キングバーンスタイン証券にヘッドハンティングされた」と言ってみた。
すると義朗は「そうか!やったな!」と言う。
だが、次に徹朗は「う、そ」と言った。

「どうして嘘なんかつく。みどり銀行を辞めたのも、嘘なのか」。
「それは本当」。
「何故、俺に断りもなしに辞めたりするんだ。誰がおまえを立派に育てたと思ってる?」。

徹朗はこれ以上、話す気になれず、電話を切った。
席に戻った徹朗は、頼む気がなかったビールを頼んだ。
マミを前に、徹朗は珍しく酔いつぶれた。

偶然、同じ居酒屋にゆらが亜希と映画を見た帰りに来ていた。
洗面所で、ゆらとマミは顔を合わせたが、お互い知らない。
席に戻ったマミは、徹朗を揺り起こした。
ゆらが酔いつぶれている徹朗に気づく。

マミがこちらを見てるのに気づくと、ゆらは「私、知り合いのものです」と言った。
「せっかくのデートなのに」とマミは言った。
自分の出る幕じゃない、とゆらは挨拶をして出て行く。

徹朗をマミが自宅まで送っていく。
楽しそうなマミだが、廊下に凛がいるのに、気づく。
「お父さん、寝てるんですか?」。
「お酒をちょっと飲みすぎちゃったの」。

凛に教えられて、マミは徹朗をベッドまで運んだ。
その頃、ゆらはベッドの上で寝返りを打っていた。
眠れない。

ゆらは起き上がると、この前、焦がしてしまった鍋の焦げ付きを取り始める。
ゴシゴシ、強くこする。
もやもやした何かを、振り切るようにゆらは鍋を洗う。

翌朝、ベッドの上で徹朗はYシャツ姿で目覚めた。
凛に、「一緒にベッドまで運んでくれたのか。ゴメンな」と言う。
凛とジュースを作っていると、新しい勤め先のニコニコ信用金庫から電話がかかってきた。

徹朗が信用金庫に向かうと、人事は思ってもいなかったことを告げてきた。
残業なしの時間通りの希望部署の設置は、延期になった。
代わりに法人営業部の部長として、迎えたい、と。

だが徹朗は断った。
今回のことは縁がなかったということになった。
そして、その頃、家にいる凛に空港から電話がかかってきていた。

「凛?」
可奈子だった。
呆然としている徹朗は、思わずゆらに電話していた。
だが、ゆらは出ることが出来ない。

電話を見つめたまま、ゆらは出なかった。
ぷつ、と電話が切れた。
ゆらも、徹朗も、気持ちのやり場がなかった。



井上部長が自殺という、思わぬ展開。
そして、それだけでここからが泣けました。
今まで見せたことがない、井上部長の表情。
まるで憑き物が落ちてしまったかのよう。

おそらく、何年もまともに気に留めなかったであろう良い天気。
日差しを浴びて、井上部長は呆けたように見える。
そうではなくて、世界が新しく見えたのではないか。
家より落ち着くと言っていたイスではなく、ベッドの上で、家族との絆を確認して。

徹朗とも今までしたことがない会話をする。
今まで、話したことがない、楽しい人間付き合いでするような会話を。
井上部長が笑い、徹朗が笑う。
新しい関係が築かれた。

と、思ったのに!
井上部長がなくなってしまった。
そして来た新しい部長。
かつての井上部長や、徹朗のような片方からしか物を見ない人。

でも「お前も負けた人間か」と言われても、徹朗は平然。
周りはヒヤッとしても、徹朗はマイペース。
だけど、ほんの小さな嫌がらせはしてやった。
うろたえる部長が小者に見える。

そして、1人になった時、徹朗の涙腺は決壊する。
この時の草なぎさんの、泣きの演技すごい。
今まで張っていた糸がぷつん、と切れたような泣き方をする。
本当に泣いている。

良いモノローグでした。
彼を負けた人間だと、人は言うだろう。
でも俺は、彼が安らかに眠りについたと信じている。
最後の最後にかけがえのない家族との絆を、知ったのだから。

そう、そんなこと、勝手に人は判断して言うけど、こんなこと誰にもわかりゃしない。
この新しい部長も、いつか気づくかもしれない。
気づかないかもしれない。

でも井上部長は、最後の最後に、家族との絆を知った。
徹朗も出世コースからはずれたけれど、凛の大切さを知った。
それなのに、井上部長はいなくなってしまった。

悲しい。
泣けます。
しみじみ、泣けるシーンです。

そして、義朗はみどり銀行を辞めたことを、とにかく怒った。
離婚と言い、何で自分が望んだ方と違うところへ行ってしまうんだ、と。
怒る義朗に半ば嫌気がさした徹朗は、なぜかゆらのいた会社の名前を口にする。
すると、合コンの女の子と同じで、途端に義朗はご機嫌になる。

バカバカしくて、腹立たしくて、この前から気持ちの行き場がない徹朗は酔いつぶれる。
マミが徹朗とこれから新しい付き合いをする気で、恋人宣言のような気持ちでいる。
そして、ゆらと遭遇。
マミも実は、ゆらを牽制しているかのよう。

ゆらの気持ちが揺れる。
マミは見ていて、「ちょっと、何なの」って言いたくなる女性を山口さんがうまく演じているので、ゆらの心の揺れがわかる。

そう、ゆらには徹朗に惹かれている自覚ができた。
亮太にも「好きな人ができたみたい」と言ったばかり。
なのに。

徹朗の電話にも出られず、もやもやした気持ちを抱える。
再就職がかなわなくなった徹朗は、そんなマミを知らないので、ゆらに電話してしまう。
だけど、ゆらは出ない。
そうだよな、迷惑だよなと思って電話を切る。

初めてのすれ違い。
みんな、自分の心を持て余している。
しかし、可奈子が凛と接触!
マミどころではない、波乱の予感。


2011.01.31 / Top↑
午後の映画で、1965年のウイリアム・ワイラー監督の「コレクター」を放送していました。
銀行に勤めていて、そこでもあまりコミュニケーションを取れずにからかわれていた男性が、フットボールの賭けで大金を手にする。
そこで彼は銀行を辞め、喋々のコレクトにはげむ毎日。
喋々を追いかけて目にした、草原の中にある一軒家。
彼はそこを買い、そして準備を始める。

準備?
何の?
彼は喋々ではなく、美術を学んでいる美しい女性に目をつけ、彼女の行動を調べ上げた末、彼女を屋敷に拉致してしまうのだ。
喋々よりもっと美しいもの。
もっと、側においておきたいもの。

人気のない場所でクロロフォルムをかがせ、家まで連れてこられた女性は目覚めてびっくり。
窓こそ塗り固められていて、外からかんぬきがかかっているが、そこはドレスから洗面用具から揃った部屋。
「良く眠れた?」と食事を運んでくるのは、見知らぬ男性。

彼は女性に何かするでもなく、ひたすら紳士的だが、決して外には出さない。
そしてただ、見ているだけ。
自分は友達になって、彼女と話をして、側にいて欲しいだけなんだそう。

友達って、そうやって作るものじゃない。
お話って、そうやってするものじゃない。
側にいてもらうって、そうやっていてもらうものじゃない。

非常に利己的。
非常に自分勝手。
喋々ならともかく、感情があるんですから。

相手も尊重しないで、一方的に押し付けて、交友関係が成立すると思ってる。
いや、交友関係を持とうなんて思ってないんですね。
単に側においておきたい、ワガママな関係。

こんな人、どこでも人間関係が構築できなくて、当たり前。
しかし、彼は大金を手にして、妄想を実行してしまった。
こわーい!

殺すなんてことはしないけど、彼女と同じ本を読んでは彼女が好きという登場人物を「こんなもの」って否定ばかりして、登場人物の誰にも感情を動かさず、あげく、批判的な意見は「それは僕に言ってるのか」と言いだす。
お話なんてできない。

ひねた子供より扱いにくくて、要するに相手を理解しようとしたり、知り合おうとする気はない。
ただ、側において鑑賞できればいい。
女性側だって感情があり、何より自由があるはずなんだから、何かと隙を見つけては逃げようとする。

そして解放してくれるという約束の日、彼は結婚しようと言いだす。
女性は「ここから一生、出られないのね」と言い、それでも承知する。
すると彼は「正式な結婚には立会人が必要だって知ってるだろう」と、言い出す。

要するに彼女が外部と接触するチャンスを狙っているのではないかと、怒り出す。
しかも「彼女は僕が肉体的に彼女を自分のものにすれば満足すると思っているんだろう」とか言って、彼女との接触にも怒り出す。
「女の肉体なんて、ロンドン行けば買えるんだ、君を軽蔑した」とか言い出す。

雨の中、彼女は母屋から自分の監禁されている部屋に戻される前、縛られた両手で何とか、彼にスコップを振り下ろす。
しかし、流血した彼を見て、彼女は仰天。
ここ、今のアメリカのホラー映画ならトドメさすでしょう。
彼が死んじゃうんじゃないかと彼女は怯え、彼は彼女を部屋に戻すと病院へ車を走らせる。

そして3日経った。
「2度と私に触れるな」と言いながら、彼は食事を運んでくる。
しかし、ずぶぬれで3日も放置された彼女は具合が悪くなっている。
今度は本当に具合が悪い彼女を見て、医者を連れてくると飛び出した。

ドアから外が見えても、彼女には既に歩く力もない。
死にたくない。
自分にはまだ、やりたいことがたくさんある。
奨学金を貰って美術学校にも行ったし、家族だって自分を探しているだろう。

結局、彼は病院の前まで行ったものの、医者を呼ぶのを躊躇し、薬を買って帰って来るが、彼女の頭はもう2度とあがることはなかった。
なんと言う自分勝手!
それでもやはり、彼はショックを受け、彼女を大きな樫の木の下に埋めて考える。

彼は思う。
彼女は自分を理解しなかった。
僕に軽蔑の念を抱かせた。
彼女が悪い、僕は何一つ悪くない。

たった一つ、悪かった事があるとすれば、彼女のような小賢しい女を選んでしまったということだ。
もっと頭が悪くて、単純な女にしよう。
僕を理解し、僕を尊敬し、僕の理想を表現してくれるような女に。

そう考えてさっさと立ち直った彼は、再び、新しい女性の後をつけていく。
彼の乗った車が人気のない道路に、さしかかる…。
猟奇殺人で殺しちゃう直接的な恐怖ではないけど、最終的には最悪の結末を迎える。

しかも、現代社会ではとんでもないと思われる具合が悪いのに放置されて死んでしまうという、恐怖。
殺人鬼から逃げ回るのも恐怖だけど、こんな風になるのはありえそうで怖い。
後味悪い。

さらに普通なら彼は反省するところなのに、相手が悪いってことにして勝手な論理で立ち直る。
そして今度は新たな女性を付け狙う。
何でもかんでも、相手のせい。

よく言われているけど、元祖・ストーカーかな。
主演はテレンス・スタンプ。
青い瞳が冷ややかで、この役にピッタリ。

声の出演は、岸田森さん。
これまた、完璧!
岸田さんの声聞けて、演技を連想できて、だからこの作品、後味悪いと思いつつ、何度も見てしまいます。


2011.01.29 / Top↑
庄屋の家で、離れ瞽女(ごぜ)のおなつの奏でる三味線に聞き惚れる京山一座。
こんなちっぽけな村で瞽女の三味線と民謡が一緒に聞けると村の衆は大喜びし、無礼講でもてなす。
だが、京山やおはなの勧めにも関わらず、おなつは京山から借りた三味線を直すと言って席を外す。

瞽女は津軽から信州、越後まで旅をする。
庄屋が言うには、こんな小さな村では、他国の話を聞かせてくれる瞽女の存在は、自分の村以外を知らない村人には大変な慰めだと言う。
しかし、おなつの風体は離れ瞽女の成れの果てだろうという。
瞽女は男性とは縁のない生活を送らねばならないが、おなつはおそらく男性と通じてしまい、瞽女の群れから離れたのだろう。

今度の仕事について、雪深い外で京山が尼僧と話していた時、おなつが雪道をやってくる。
おなつは三味線を背負っており、それは京山のものだった。
ほんの出来心で、と謝るおなつに深い事情を感じた京山は、おなつの身の上話を聞く。

6年前、妹の手引きで信州に旅した時、おなつは誠二郎という、こけしを彫る職人と出会った。
男性と通じたことが瞽女仲間に知られたら、追放されてしまうと言うおなつに、誠二郎は2人で所帯を持とうと言った。
その言葉を信じたおなつだったが、それは瞽女が見てはいけない夢だった、と語る。

手先が器用な誠二郎はこけし職人で終わるのは嫌だと言って、おなつの三味線を弾く稼ぎで旅に出た。
やがておなつは子供を出産するが、誠二郎は黙って取り上げて養子に出してしまった。
おまけに嘆くおなつを瞽女崩れだと言って、男たちに売り飛ばした。
おなつは長いこと女郎として働いていたが、やっと表に出られ、ふらふらと故郷の津軽に向かって歩き通したが、三味線に触れたらたまらなくなってしまったと言った。

三味線があれば食べていけると、京山は芸人の心とはそういうものかもしれないとおなつに理解を示した。
そして、一座が津軽に向かうので、それまで一座で三味線を弾いてくれるよう、おなつに言う。
京山たちの目標は、津軽の尼寺だった。
晋松は一足早く津軽に行く為、出発をした。

津軽でおなつと別れた京山は、直次郎におなつを送っていくように言い、直次郎はおなつをおぶって雪の中を走っていく。
今回の依頼は、駆け込み寺にいいように投げ込まれる女郎が多い中、ある夜、彫り師・高雲こと、高右衛門の娘がいた。
弟子の早雲にだまされて女郎にされたと言って、娘は息を引き取った。
京山はからくりを探ることにした。

津軽の海を感じたおなつを直次郎は降ろしてやると、おなつは海岸を走り、転んで砂を手にして「津軽の海の匂いだ。帰ってきたんだ」と喜びを爆発させる。
「うめえ!津軽の潮風はよ!」と直次郎はおなつに笑いかけ、おなつの家まで送っていく。

すると、表に臨月近いおなかを抱えた娘が、おなつを見て「姉ちゃ!」と驚く。
走っていくおなつは、妹のすわだと言い、微笑んで見送る直次郎の方を向いて「何てうれしいことだろう。6年ぶりに帰った妹がややを生むぐらいのお嫁さんになっているなんて」と叫ぶ。

「ほんとだ、ほんとだ。俺よ、帰ったらみんなにちゃんと知らせるからな。達者で暮らせよ!あばよー!」と言うと、走り出す。
だが、すわは頑なな表情で、何で帰ってきたんだと言う。
姉は旅先で死んだと聞いた。
何故、清次郎と添い遂げなかったのか、とすわは言い、今さら帰ってきても姉のいる場所はないと言った。

おなつは思わず、すわの頬を張り、謝りながらも何故、そんな気持ちの荒んだことを言うのかと聞いた。
すわは「姉ちゃが悪いんだ」と泣き叫ぶ。
そんなにも言うなら、出て行くと言ったおなつは、旦那さんはいい人なのかと気にし、自分は誠二郎に捨てられたからと言う。
思い出したくないと言うおなつに、すわはそれは本当なのかと言い、どうしようと泣き崩れた。

お腹の子の父親は、誠二郎だった。
誠二郎からすわは、おなつは旅先で胸を患って死んだ、すわをよろしく頼むと言われたのだった。
それを聞いたおなつは、誠二郎に捨てられたと言ったのは嘘で、納得づくで別れたのだ、だからすわは安心して良い子を生むようにと言った。
「ほんとう?」とすわは、笑顔になる。

京山一座に戻った直次郎は、舞台で踊っている京山や娘たちの背後を走り、おなつは無事戻ったし、妹に子供が生まれるとうれしそうに報告した。
飯を直次郎が詰め込んでいるところに、おなつが戻ってきてしまった。
「どうしちゃったの!」という直次郎に、京山一座が旅立つまで置いてくれないかと言った。

妹夫婦も突然戻ってこられて困っているようだし、と聞いた京山は承知はしたが、違和感を感じていた。
その頃、誠二郎は早雲と名を変えて、師匠の高雲の贋作を作り、奉行の陸奥守と結託して売りさばき、利益を得ていた。
だが、そろそろ自分たちの代わりに罪をかぶって死んでくれる者が必要だと言った陸奥守に対し、高雲自身を殺してしまおうと早雲は提案。

そして自分を御用彫師として推挙するように早雲が言うと、陸奥守は身辺をきれいにして置くように言った。
女郎屋で情報収集をしていた晋松は、高雲こと高右衛門の娘は神隠しにあったと聞き、高右衛門はショックで寝たきりになっていると聞いた。
早雲は一番弟子だが、京山も晋松もこれが誠二郎ではないかと目をつける。

直次郎たちは集まって、おなつの妹の為、おしめを縫っていたが、その夜、すわの陣痛が始まっていた。
ひと月ぶりに戻った誠二郎を見て、すわは安心したが、すわの手を握る振りをして、誠二郎は匕首ですわを刺してしまった。
おなつを連れて家に戻った直次郎は、怪しい人影が家から出て走って逃げるのを見た。
直次郎は後を追うが、家に戻ったおなつだが、すわは「誠二郎に騙された」と言って息絶えた。

泣き叫ぶ、おなつ。
直次郎が戻ってきて、事の次第を知り、悲壮な顔をする。
目に涙を溜め、おなつは恨みの津軽じょんがら節を弾き、妹の本当の供養は憎い誠二郎に恨みを晴らしてからだと言った。
陸奥守は他藩に仏像を売ったと濡れ衣を着せて、高右衛門を殺してしまった。

その翌日、直次郎は一座を見に来た客に「今日は貸切だ」と伝えていた。
「ばか奉行が、たまにゃ女の腰巻見たいんだとよ!」
「見せんのかよ」。
ざわざわした観衆に直次郎は「見せて減るもんじゃねえけどよ、金払わねえ客なんだよ」と言った。

その通り、陸奥守と奉行の側に馴れ馴れしく控えている早雲が京山一座の踊りを見ている。
京山はその後、おなつに三味線を弾かせる。
一心に三味線を弾くおなつを見た早雲は、顔色を変え、おなつを凝視した。
それを見ていた京山たちは、早雲が誠二郎であることを確信。

直次郎が「信州で2年ほど、そばの見習いをしていたことがあんのよーん」と言って、そばをおなつに食べさせる為に打っていたが、おなつは角付けに出かけていた。
それを聞いて、不安な表情になる直次郎。
三味線を弾くおなつを早雲が見ている。
おなつの後を追いかけてくる直次郎。

地蔵に願いを訴えるおなつ、その背後で早雲が匕首を抜いておなつを見ている。
そのまた背後に晋松がいた。
「おなつちゃーん」と言う直次郎の声に、早雲はおなつの襲撃を思いとどまった。
直次郎がおなつを探し当て、とにかく小屋へ帰ろうと言うのを、晋松が微笑ましく見ていた。

その頃、文とともにおなつに菓子折りが贈られていた。
今度はおなつの三味線が聴きたいので、料亭まで来てほしいと言う内容だった。
仏様を彫る早雲という彫り師と聞いて、おなつはありがたいことですと言った。

晋松が高雲の跡目に、早雲が決まったと報告していた。
「ばっかやろー」と、怒りをあらわにする直次郎。
京山は今度の仕事は、おなつと高右衛門の娘、2つの恨みがかかっていると言った。

直次郎が差し出された紙の上の小判を、紙ごと取ろうとして、晋松に手を止められる。
「直、お前のやるのは陸奥守だ」。
「何で!」
「情に走れば仕損じるよ」。

納得いかない風の直次郎を探して、おはながやってきた。
おなつを料亭まで送って行って欲しいと言う。
直次郎は愛想良く承知した。

見えないおなつを前に、誠二郎はニヤニヤしながらおなつを見て、三味線を弾かせていた。
「これで添うたは6年よ、か…。久しぶりだな、おなつ」。
「その声は…」。
「誠二郎だよ」。

おなつがバチを振り回し、バチは誠二郎の頬をかすめたが、誠二郎は「思い出させてやるよ」とおなつを寝室に引きずって行った。
表に京山と晋松がいる。
京山がそっと部屋に入り、長かんざしを口にくわえる。
逃げるおなつを押さえ込むのに夢中な誠二郎は、背後に潜んだ晋松に気づかない。

おなつを誠二郎が押さえつけた時、晋松が縄を誠二郎の口と首にかけ、そのまま奥にと引っ張っていく。
声が出せない誠二郎。
晋松が金具を抜いて誠二郎の首を切り、ふらふらと誠二郎は京山の方に倒れ込む。
その誠二郎の眉間を京山がかんざしで刺す。
静かになった誠二郎をいぶかったおなつは、誠二郎が倒れており、息をしていないのを知る。

陸奥守は早雲の仏像を並べて悦に入っていた。
表の戸を、そっと直次郎が開ける。
雪の降る表の空気に気づいた陸奥守が、障子を開け、廊下に出てくる。
そして、道中合羽をまとい、口元を隠して目だけをギラギラさせた直次郎がいるのを見る。

直次郎が姿を消し、陸奥守が刀を手にする為、座敷に急ぐ。
部屋の障子に直次郎の影が映り、陸奥守が刀に手をかける。
「何者だ」。
直次郎が長ドスに手を伸ばし、柄を握り締める。

戸を思い切り開け、直次郎が座敷に向かって走ってくる。
刀を振り上げ、陸奥守も走る。
すれ違いざま、直次郎が長ドスを払い、陸奥守を斬った。

振り向いた陸奥守が刀を振り上げる中、直次郎も振り向き、もう一度、陸奥守を上から斬り下ろす。
倒れる陸奥守を見た直次郎は、ゆっくりと長ドスを納める。
手が震えて、なかなか言うことをきかない。

雪の中、京山一座はおなつを誘ったがおなつは来なかったと話していた。
京山はおなつが生きていくのは、ここしかない。
故郷だから、と言う。
しょんぼりしていた直次郎は、自分も故郷に帰りたいなあと言う。

故郷はどこか、とおはなたちに聞かれた直次郎は、「当ててみな。流れもんにだって、故郷はあんのよーん!」と言う。
おなつは妹の墓の雪を払い、手を合わせていた。
1人、通りがかった晋松は黙ってそれを見て、去って行った。



ツボにハマる口調というのがあって、例えば伊東四朗さんなんか、私にはすごくおかしい。
それと同じ、本田博太郎さんのセリフ回しとか表情とか身の動きが、私にはすごくおもしろい。
直次郎見ているだけで、おもしろい。

おなつを送ってやっていってくれと言われた直次郎、「あいよ!」と元気良くおなつを「おぶってっちゃおうかな」と背負って走り出す。
外に出ていたおなつの妹、すわに子供ができたと知ると、うれしそうに帰って行く。
帰って来たら舞台をヒラヒラと横切って、踊り手たちの後ろを頬かむりして走って「ガキが生まれるんだよーん」とご報告。

その後、「良く食べるねえ」と呆れられるほど、飯をかっこんでます。
まるで子供です。
それで、戻ってきたおなつを見て、「どうしちゃったの!」って言うんですけど、そのセリフ回しが軽妙ですごくおもしろい。

直次郎に対して、晋松はそっとおなつを見守り、直次郎が来て去っていくような大人です。
今回も直次郎は相変わらず被害者に、感情入れ込みまくりで接してます。
プロらしからぬ直次郎は晋松に、一番思い入れがある相手を殺させるのはやめさせられます。

感情移入しすぎてしくじる…、というわけですね。
一瞬、またしても納得できない直次郎。
でも、おはなが来てその場は収まりました。

直次郎はおそらく、国定忠治に弟子入りというか、ヤクザになりたかったぐらいだから、人を殺めることも承知の上だったと思うんですよ。
だけど実際にそうなると、怖くて怖くてしょうがない。
スタイリッシュなヤクザには、絶対なれなかったですね。

それで、この人に非道はできなかったな、きっと。
めちゃくちゃ、気が良いから。
被害者に寄り添い、本気で悲しみ、怒ってる。

プロフェッショナルとして、感情を抑えながら怒りを燃えたぎらせるのが、これまで描かれた仕事人たち。
でも、直次郎は素人っぽさが抜けない。
直次郎は今回も村を去る時、しょんぼりしています。

だからこそ、京山や晋松のプロフェッショナルぶりが一層鮮やかに引き立つ。
京山も、相当な迫力。
淡々と仕事をこなし、女の扱いも慣れている風の晋松は大人のおちついた男。
この対照が「仕舞人」の魅力なんだなと思います。

でも直次郎、殺しにはだいぶ、慣れたかな…。
と思ったら、全然慣れてない。
殴り込みでもするかのような形相で、戸口に立つ直次郎。

あんなに殺気出したら、誰でも身構える。
だから、殺し屋としてはダメなんでしょうね。
でも今回は見事、切り結んでの仕置き達成。

おおっ、刀を収める手つきもカッコイイじゃないですか!
と思ったら、鞘になかなか収まらないから、刀を押さえているだけだった。
手が、ぶるぶる震えている。
こんなリアルな反応をする殺し屋って、初めてかも。

それから、「必殺」的には、津軽じょんがら節って悲しい恨み節になるんですね。
おなつの嘘を聞いて、「ほんとう?」ってうれしそうになる、すわが愚かで、ひどい目に遇うの確定でかわいそう。
瞽女の話では、「必殺からくり人」の2話が傑作ですが、こちらもおもしろかった。
おなつは吉沢京子さんでした。


そして、「仕舞人」って見ていたはずなんだけどなあ…。
断片的な記憶では、みんなが踊っている中、被害者らしき娘だけが参加しない。
直次郎が引き入れようとするんだけど、去って行ってしまう。
後姿を見送りながら、直次郎は踊りの輪の中へ、陽気に、陽気を装いながら戻っていく。

それで最後、死んじゃったなって思ったのは晋松だったんですよね。
重傷を負って、1人だけ残る。
それで、「新・仕舞人」で登場したから、ああ、この人死ななかったんだって思いました。

後はあんまり覚えていない。
でもすごくおもしろかったんですね。
また見られて良かった。


2011.01.28 / Top↑
これといった事件もなく、それでも親子の心を描いていいドラマだと思っていたら、衝撃が!
「僕と彼女と彼女の生きる道」、第6回。


徹朗が来月いっぱいで退職したいと井上部長に言う。
井上部長はまともに「ムカつく」と言った。
すみませんと謝る徹朗に、井上部長は徹朗にムカつくのではなく、徹朗を信じた自分にムカついているのだと言った。

「おまえがその程度のヤツだと見抜けなかった自分にムカつく」。
まあ、育てた部下は徹朗だけじゃない。
家の近くの信用金庫に再就職するつもりだ、と徹朗は言う。
給料は半分になるが、残業も接待もない。

今度の人事で井上課長は常務へ昇進するらしい。
宮林はもっと自分も井上課長にすり寄っておけばよかったなあ~、と言う。
徹朗がうらやましいと言う宮林だが、徹朗は淡々と退職を告げる。

ある夜、担任の石田が突然、徹朗の家をたずねてきた。
ゆらが来ていたので、石田は誰かと驚く。
しかし、凛はゆらと自分の部屋にひきこもってしまう。

石田は凛のなくなった靴と、下敷きを徹朗に出した。
同級生の女の子が隠していたという。
女の子2人は、凛が困る顔がおもしろかったと言い、凛に謝りたいと言っていると告げた。
「申し訳ありませんでした」。

そして石田は、授業でつかったプリントを徹朗に手渡した。
「教師になりたての頃は、こんなにたくさん貯めなかった」。
石田はしみじみ、今までの自分を振り返っているようだった。
問題は解決した。
だが、凛は翌日も登校しなかった。

宮林は徹朗のマンションまで訪ねて来た。
徹朗が辞めるのを信じられない。
そして、淡々としているのが信じられない。
徹朗には、宮林のこだわりが不思議でならない。

そんな時、徹朗の父の義朗が足を骨折して入院した。
徹朗の家に手伝いに来ていた美奈子は「かえってよかったかも」と言った。
定年退職したのに、スーツと縁が切れない義朗。
趣味もなく、近所づきあいもない。

徹朗は見舞いに行くが、義朗がいない時、隣のベッドの患者に、お花ぐらい持って来てあげてよ、といわれる。
ただでさえ、誰も見舞いに来ないんだからさ、と。
徹朗が病室を見渡すと、他のベッドの脇には花やお見舞いの品が置いてあった。
だが、義朗には何もなかった。

遅くまでは無理と言う徹朗を、宮林は合コンに連れてきた。
隣に座った女性に対し、徹朗は事務的にみどり銀行を辞めることを話す。
独立するんですか?と目を輝かせる女性に「別に」と徹朗は気乗りしない会話を続ける。
中座した女性が、徹朗のことを「みどり銀行の社員だって言うから来たのに」「いかにも仕事できなさそう」と噂していた。
しかし、徹朗はその会話を聞いても何の関心もなく、凛の待つ家にさっさと戻った。

その夜、徹朗が寝ようとしていると、子供部屋から泣き声が聞こえてきた。
徹朗が部屋に入ると凛がベッドに身を起こして泣いており、「お母さん」と言った。
そして、凛は泣きながら徹朗にしがみついた。
徹朗は「大丈夫だから」と、凛を抱きしめた。

徹朗はゆらに銀行を辞めると言った。
ゆらはそれほど、驚かなかった。
「驚いた?」と聞く徹朗にゆらは「はい。でも間違ってないと思います」と言った。
「よかった」。
徹朗は微笑んだ。

相変わらず、凛が学校に行かないことを言うと、ゆらは気分転換になることがあるといいと言った。
日曜日、徹朗は凛とでかけた。
近所の公園ではなく、電車に乗って雪景色が広がる場所まで行った。

2人は大きな雪だるまを作り、雪の中、一緒に滑った。
一休みしている時、徹朗は凛に「学校、どうするんだ?」と聞いた。
凛は黙っていた。

「お父さん、銀行辞めることにしたんだ」と徹朗が言うと、凛はうつむいたままだった。
「今までとは違う生きかたをしたいんだ」。
凛は自分が悪いのか、と思っているように、固い表情で押し黙っていた。

徹朗は言った。
「凛ともっと一緒にいたいんだ」。
凛が徹朗を見上げる。
顔に笑顔が広がる。

2人はおおはしゃぎで雪合戦をした。
徹朗は思った。
凛は、母親のいない寂しさをずっと抱えていく。
だからこそ、父親には愛されていると感じてほしい。

翌日、徹朗が出勤しようとした時、凛が学校に行く仕度をしてやってきた。
学校に行く気になったのだ。
徹朗が送っていく。
だが、門の前まで行くと、凛の足が止まってしまった。

門を閉める為、石田がいた。
徹朗と石田は、挨拶をした。
凛は動けない。

やっぱり、無理なのか。
徹朗がそう思った時、凛が学校名が書いてあるプレートの前まで歩いた。
「お父さんがいます」。

小学校の「校」の字。
その中に、父という字を凛は見つけた。
「あ、ほんとだ」。
徹朗も改めて驚いていた時、凛が「お父さんが一緒なら」と言って徹朗を振り返り、学校の中に入って行った。

徹朗の退職が、部署に伝えられた。
マミは悲しがっていたが、岸本の目を気にして出て行った。
岸本はどこにヘッドハンティングされて行くのか、聞きに来た。

明日は人事の発表。
井上の常務昇進があれば、徹朗も引き立てられる。
それを蹴ってまでの仕事は、なんだろう?と岸本は考える。

その夜、宮林は偶然を装って井上部長が飲んでいるバーにやってきた。
愛想良く話しかける宮林に、井上部長は「嫌いなんだ、お前」と言った。
「カッコよくて、反感買わないようにメガネかけて、それでもカッコよくて。出世に興味がないと言いながら、本当は誰よりも気にしている」。
自分の隠していた本質を、ずばずばと言い当てられ、宮林はうろたえた。

井上は偶然を装って、自分にすり寄りに来たこともわかっていた。
「でも、お前は仕事ができる。上にもそう報告しているよ」。
そう言った井上は、1人で飲みたいと言う。
宮林は動揺しながら、帰って行った。

1人、オフィスで引継ぎの為の残業をしていた徹朗。
そこで井上とバッタリ会う。
家のソファより会社のイスの方が落ちつく、と井上は言う。
まだ、禁煙しているという井上は、徹朗に「俺はそんなに意思の弱い人間じゃない」と言い放つ。

先に失礼しようとした徹朗に井上は、「小柳。お疲れ様」と一言だけ、声をかけた。
義朗の見舞いにギリギリに来た徹朗だが、病室に入ろうとした時、義朗が同室の患者に徹朗の自慢をしているのが耳に入ってきた。
みどり銀行と聞いて、話を聞いていた患者はエリートじゃないですか!と言っていた。
父親はうれしそうだった。

徹朗は父親に会わずに、引き返してしまった。
昔、徹朗が小学生の頃、父が入院した時は花束や見舞いの品がいっぱいだった。
父親は偉い、と小学生の徹朗は思った。
実際、作文にそうも書いた。
お中元やお歳暮もいっぱいで、徹朗はもらったこともある。

だが、いつしかそれはなくなった。
それは55歳で、父親が出世から退いた時からだったと思った。
「義朗」にくれていたんじゃない。
信用されていたのは本人ではなく、本人の肩書きだった。

家に帰ろうとした徹朗は、ためらった末、ゆらに電話してしまう。
風呂上りだからと亮太の誘いは断ったゆらが、「一度電話を切ってもいいですか」と言ったかと思うと、徹朗に会いに出てきた。
ゆらが隣で徹朗の話を聞いていた時、徹朗の携帯が鳴る。
徹朗が言う。

井上部長だったら、まだ会社に…と言いかけて、徹朗の動きが止まる。
「飛び降り?」
井上が飛び降り自殺をした、というしらせだった。



さ、寂しい…。
何ていう人生の課題。
草なぎさんのドラマは、恋愛より、この、避けて通れない人生の問題を扱うようなドラマが多い気がします。
考えさせられるなあ。

見ているのは本人じゃなく、その人についているもの、って良くある話。
あなたのその名刺から、会社名と肩書きを消してみなさいよ。
どれだけの人が、あなたと話をしてくれると思う?
偉そうに会社批判をしている人に、そう言った人がいました。

厳しい。
本人とは違うものを見ている。
義朗もそうだし、徹朗と合コンした女性もそう。
今の徹朗にはそんなもの、バカバカしい。
でも、可奈子さんが出て行かなければ、義朗と同じ道をまっしぐらだったに違いない。

その義朗は、いつまでも会社員だった頃の気分が抜けない。
今は他の人より、もっともっと寂しい。
だけど、息子には見せたことがない顔をして、徹朗の自慢をしていた。
徹朗がエリートであることが、義朗の誇り。

凛を思う徹朗の気持ちと、それはどれほど違うというのだろう。
あんなの見ちゃったら、会社辞めたなんて言えない。
離婚でもガッカリさせてるんだから、これ以上、義朗の期待を裏切るようなこと、今は言えない。
それが信念から来ていても。

だけど、ゆらには何か言えちゃう。
ゆらもゆらで、亮太には風呂上りだからって断っておいて、徹朗には会いに行っちゃってる。
静かに、だけど、確実に2人の気持ちが自然に近づいてる。
何かあったら真っ先に聞いて欲しい。
聞いてあげたい。

井上部長の「ムカつく」には、ストレートな人だなあ…と。
態度があからさまな人でしょう。
だけど、宮林の本質を見抜いていたのは、さすが。
ずばずば言い当てられて、宮林、うろたえる。
隠していた野心を指摘されるほど、気まずいことはない。

しかし、それを言い当てたのは、もう、その後がないからだったとは。
でも、宮林みたいな男は嫌いだけど、仕事はできるってちゃんと報告してくれていた。
そこはさすがだと思いました。
宮林さん、飄々を装って、実はとっても野心家だったのね。

家のソファより、会社の部長のイスの方が落ち着くなんて、何て寂しい。
居場所がそこにしかない。
そして、そこに居場所がなくなったから…。
井上部長には、他に世界がなかったのか。

徹朗に「お疲れ様」の一言。
それは最後のねぎらいだった。
ゆらと話している徹朗に、衝撃の連絡。

さっきまで話していた井上部長が、飛び降り自殺。
何か、ちょっと様子がおかしいとは思いましたが。
おそらく、人事で常務がダメだったんでしょうね。
だけど何も死ぬことはないでしょうと思ったけれど、退職して行く時の義朗の姿を思い出すと…。

窓際に追いやられて、若い社員に嘲笑される。
そんな将来は井上部長には、耐え難かったのかもしれない。
だけど、それだけが人生か、って思う。
やっぱり、一つしか道がないって怖い。

徹朗には凛がいる。
その凛の為、仕事を犠牲にした徹朗。
「今までとは違う生き方をしたいんだ」。
徹朗に人生を考え直させる機会が訪れた、まさにその時。

うーん、まさにこのタイトルが重くのしかかってきた今回でした。
でも、学校の中に「父」の字があるだけで、歩いて行ける。
そんな凛に、しみじみしました。


2011.01.27 / Top↑
「僕と彼女と彼女の生きる道」、第5回。


凛との心の交流もできてきた徹朗だが、今月の営業成績が明らかに鈍い。
マミ(山口紗弥加)に誘われて居酒屋へ行くが、マミには特に相談はなかった。
徹朗のとまどいを察知したようにマミは、「大丈夫ですよ。困らせようなんて思ってないですから」と笑う。

翌朝、徹朗は凛と出勤しようとして、凛が何かをベッドの下から出して隠すのを見た。
凛は上履きで登校しようとしていた。
履き替えるのを忘れたのかと思ったが、凛は靴がなくなったと言う。

自分も子供の頃、悪戯で隠されたりした。
徹朗は深刻には受け止めなかった。
だが、帰宅した徹朗は凛がしょんぼりしているのに気づく。
「体操着袋もなくなってしまいました」。

その体操着袋は、母の可奈子が作ったものだった。
凛は母をも思いだし、相当なショックを受けていた。
徹朗は先生にちゃんと言うように凛に言って、今夜はなるべく早く帰宅することを約束した。

銀行で徹朗は井上部長から言われた接待を断った。
井上部長は徹朗に対し、使えないという態度をあらわにし、岸本を代わりに指名した。
宮林もマミも、徹朗を見る。
徹朗は内心、井上部長の気持ちに気づいてはいたが、凛の方が心配だった。

帰宅すると、ゆらが来ていた。
ゆらは「イジメ…、じゃないでしょうか」と徹朗に言う。
「まさか」。
だが、徹朗はそう言いながら、ゆらにアドバイスを受けながら、先生への連絡帳に靴と体操着袋を紛失したことを書いた。
あいさつ文を入れた方がいい、お願いしますを書いた方がいい、などとゆらが教えてくれた。

挽回の為に、徹朗が残業している時、ゆらから電話が入った。
凛がゆらの家に来ていると言う。
今度は下敷きがなくなった。
凛はかなり、ショックを受けている。

教えられた住所を探しながら、徹朗はゆらのマンションを訪ねた。
凛はもう寝ていた。
連れて帰ると言う徹朗を、こんなところで話も何ですからと、ゆらは玄関から部屋の中に通した。
「体操着袋がなくなって、お母さんへの思いが一気にあふれたみたいです」。

凛の気持ちに気づいてやれなかった…。
「泊まって行ってもいいですよ」。
「え?」
徹朗は一瞬、とまどったが、ゆらは凛を泊めていってもいいと言ってくれていた。

翌朝、凛は登校前に吐いてしまった。
徹朗は会社に遅刻すると連絡をした。
具合が悪くて、と言う徹朗をマミは電話口で心配するが、結局、徹朗は1日休みになった。
凛の具合は精神的なもので、学校に行くのが、嫌みたいだった。

ゆらは担任教師と話しあうことを勧めた。
「でも見てくれている、って言っているし」。
「怠慢な先生だったら、どうするんですか」。
ゆらの言葉に背中を押され、徹朗は担任の石田と話し合うことにした。

だが徹朗に石田は、犯人探しをするつもりはないと言った。
クラスの中に盗みをする子供がいる、そんなことは言いたくないと石田は言う。
石田に説明をされても、徹朗には納得がいかない。
凛は学校に行けない。

徹朗は得意先への訪問が遅れたりなど、次第に仕事に無理が生じてきた。
井上課長に徹朗は、夜の接待をなるべく減らして欲しいと言わざるを得なかった。
それじゃ仕事にならないと井上課長は、声を荒げて言い、徹朗に接待がないのが良いなら、総務にでも行くか?と言った。
徹朗は黙って謝るしか、なかった。

日曜日に美奈子が来て、凛と一緒に料理を作った。
凛が久しぶりに笑顔になる。
その時、チャイムが鳴り、徹朗の父の義朗が訪ねて来た。

玄関を入りながら、離婚の件を責める義朗。
美奈子が来ているのに気づき、気まずい雰囲気が流れた。
凛は義朗にきちんと挨拶をする。
徹朗は凛を公園で遊んでくるように言い、凛は素直に従った。

徹朗、美奈子、義朗の3人で話し合いが持たれた。
「どうして亭主と子供をおいて、パリなんかに行けるんだ」。
義朗は美奈子の前で可奈子を責めた。
「離婚なんて、一家の恥だ!」

夫婦のことは夫婦にしかわからない、と言いかけた美奈子も黙った。
凛が不登校になっていることについて義朗は、「甘やかせてきたんだろう」と言った。
「どういう育て方をしてきたんだ」。
義朗が帰った後、徹朗は美奈子に詫びた。
美奈子は義朗が定年退職したのにスーツ姿だったことについて、まだ抜けられないのよと言った。

徹朗は再び石田を訪ねる。
門のところで石田に会った徹朗だが、石田は「これ以上、私に何をしろと言うんですか」と言ったきり、門を閉めてしまった。
石田が学校内を歩いていると、校長に徹朗が会っていると言われる。
仰天した石田は、校長室に走った。

徹朗が校長に、凛の持ち物が次々、紛失していることを訴えた。
校長も困惑していた。
石田が走ってきて、徹朗にしたのを同じ事を繰り返した。

クラスに盗みをする子がいるとは、言いたくない。
そして、「凛ちゃんが盗まれたふりをしている可能性もあるでしょう」と言う。
「おたくはいろいろ、問題がおありの家庭だから」。

離婚して可奈子がいなくなり、その寂しさから凛は嘘をついて父親の徹朗の関心をひこうとしているのではないか。
それを聞いた徹朗は、キッパリと言う。
「凛は嘘なんかつきません!」

「何故、わかるんですか」。
「私は…、凛の父親だからです」。
徹朗は言い切った。
「凛は嘘なんかつく子じゃありません!本気でやってください」。

「それまで毎日でも学校に来ますから。明日も明後日も。半年でも1年でも来ますから!」
この徹朗の気迫に、校長は石田を押しとどめ、再調査を約束した。
しかし、徹朗を追いかけてきた石田は言った。
「校長と話す時は、必ず私を通してください!私にも立場ってものがあるんです!」。

徹朗は、ふと微笑む。
「何笑ってるんですか」。
「いえ、別に」。

憤慨して戻る石田の後姿。
土手を歩きながら、徹朗は思う。
あの人は子供のことよりも、自分の立場だけを気にしているんだ。
ついこの前までの自分と同じだ。

その時、徹朗は土手の下の木の枝に、凛の体操着袋がかかっているのを見つけた。
誰かが拾って、木の枝にひっかけてくれたらしい。
徹朗はゆらに連絡をして、今すぐ渡した方がいいか、それともかなり汚れているから凛がショックを受けないよう、きれいに洗濯してからの方がいいか、つい電話をして聞いてしまった。
日曜日まで面倒を見ることはない…、そう友人たちに言われていたゆらは微笑んだ。

ゆらに勉強を教えてもらっていた凛の前に、徹朗は綺麗に洗濯した体操着袋をさしだした。
「あっ!」
凛の表情が輝いた。
ゆらと一緒に喜ぶ凛を見ていた徹朗。

翌朝、徹朗は井上課長に会う。
結局、目標達成し、成績も先月と同じところにまで持って行った徹朗。
井上課長は、もう総務に行けなどと言わない、と満足そうだった。
だが徹朗は言う。
会社を、辞めさせてください、と。



凛ちゃんとの心の交流が出来てきたのと反対に、明らかに仕事に支障を来たし始めた徹朗。
以前なら、ためらいなく仕事をとったのに、今は凛が一番大切。
こんな状況にずっと、可奈子を1人置いていたのかとも思う。
ゆらはゆらで、日曜日テニスをしている時に凛から電話が入る。

あきらかに行き過ぎ…と言った友人たち。
しかも、ゆらに恋心を抱いている亮太は、家庭に深入りしているゆらに不愉快そう。
もっと、自分との時間を大切にして欲しい!
でも、ゆらは傷ついている子供に、気遣ってあげられる大人がいるなら、気遣ってあげたほうがいいんだ、と言う。

ええ、結果的に徹朗との距離がどんどん、縮まっているんですが。
「泊まっていってもいいですよ」に一瞬、自分のことを言ってくれてるのかと勘違いする徹朗がおかしい。
以前なら冷徹に、「結構です」とか言い返していたでしょうに。

凛の嘘扱いされて、徹朗はスイッチが入ったように反論。
今までは「そうなのかな?」的な消極的な態度だったのが、猛然と抗議。
男らしい、父親らしい!
覚悟のほどを見せる。

その気迫に、校長は石田を制する。
納得行かない石田は、徹朗に訴える。
う、コモノっぽい。

その姿にかつての自分を見た徹朗は、何だかおかしくなる。
必死に取り繕っても、見える人には見えていたんだろうな…と。
それは凛が倒れた時、病院にかけつけ、ゆらに自分の立場を説明し始めた時の自分のよう。
何で、凛の心配を一番にしないんですか?と言われたあの時。

おかしくなって、そんなものを守ろうとしていた自分がおかしくって。
そして、休日にも、定年退職してもスーツから抜けられない父親を見た。
対面を何より気にして怒る父親。
将来の、今までの自分が重なる。

凛ちゃんがまた、この義朗にきちんと挨拶してかわいい。
この子を知れば、この子より大切なものはないと思うだろうに。
凛の体操着袋が見つかり、凛の顔が輝く。
それを見ていた徹朗は、凛以外のこと、全て犠牲にしてもかまわないと思う。

凛を守れるなら…。
最初と全然違う、草なぎさんの表情。
娘を守る父親の顔。

そしてしたのは、仰天の退職願!
びっくり!
宮林も岸本もマミも、最近の徹朗を心配してはいたけど…。

そこまでやるか!
次回、大転換?!


2011.01.26 / Top↑
「必殺仕舞人」、月曜日は放送がありませんでした。
つまりません。


郡上八幡から北海道・江差へ。
寒い光景の中、本日も風に吹かれて車を引くも、直次郎は元気です。
浜にいる漁師のおかみさんたちが歌う追分歌を聞いた晋松は師匠に、「寂しい歌だなあ」と言うが、京山はおかみさんたちからはなれて1人、浜に座り込む娘が気になる。

まず、寺に行こうとする京山一座はこの辺りを取り仕切っている江差屋に挨拶しろと子分たちに足止めされる。
江差屋の子分の勝造に、荷物を叩かれて直次郎は「なぁにすんでぇ!」とケンカ腰になるが、晋松はサッと袖の下を渡し、後で挨拶に行くと場を収める。
今回の仕事は、伊之吉という若い出稼ぎ漁師の遺体が浜にあがった、恋人のおしんからの依頼。
おしんは浜にたたずんでいたあの娘。
殺しの相手は、この辺りを一手に牛耳る網本の江差屋らしい。

京山と晋松が段取りを相談していると、直次郎が雪に紛れてこっそり聞いている。
気配を察した京山は「仲間内でネズミのような真似はおやめ」とたしなめると、ひょこっと顔をだし、「いい加減、一人前に扱っておくれよーん」と言う。
「今回の相手は一筋縄じゃ行かないんだよ」と京山に頭をポン、と叩かれた直次郎はそれでも、相手がでかければ力も沸くと言って、ひらひらと出て行く。

江差屋に興行の挨拶に行った京山に江差屋は、興行の分け前は8対2だと言うが、寺の普請の為の興行だからと言って京山は断る。
無理もそうそうは通せない江差屋は、興行は3日、と京山と取り引きした。
江差屋は、おしんの母親のおえんに料理屋を経営させ、おしんを妾にしていた。
いつも江差屋の横にいて権勢を振るっているように見えるおえんだが、江差屋はおしんのいつも不機嫌に押し黙った態度に不満を持っている。

期限は3日だけ。
江差屋は出稼ぎ漁師を小屋に集め、不当に安くこき使って利益を挙げ、逆らうものを殺していたようだった。
おそらく、伊之吉もそうだろうと、晋松は江差屋の漁師小屋に出稼ぎとして探りに入る。
生きては帰れない地獄と聞いて直次郎は止めるが、最近体がなまっていると晋松は潜入。

おしんの母親のおえいは、確かにおしんのおかげで立派な料亭まで持たせてもらったが、江差屋の旦那をあんまり怒らせるな、と言う。
伊之吉が生きていればおしんと2人、何とかしてやったが、いない今は何とか金を貯めて、いずれ2人で暮らしていこう。
それまで江差屋を怒らせないように、とおえいは言う。

あと2日しかないと焦った直次郎は、夜、闇に紛れて晋松と接触しようとして見つかる。
何とか逃げてきた直次郎は京山に怒られるが、京山も期限内に何とかしなければと思っていた。
伊之吉の昔馴染みということや、かばってやったことで、小屋の漁師は晋松に親近感を持ち、ある夜、脱走する計画を打ち明ける。
晋松も連れて行ってやると言われるが、計画は漁師の1人・茂助がおえいと通じていたことで、計画は江差屋に筒抜けだった。

茂助はおえいと一緒になれると思っていたが、勝造たちは脱走しようとした漁師たちを呼び出すと、茂助を殺す。
おえいは一緒になる気などまったくなかったと、茂助を冷たい目で見下す。
次々と殺される漁師たちだが、晋松は腕っぷしの強さと崖をよじ登る度胸で逃げた。

京山の舞台をおしんが見に来たが、おえいがやってきておしんを江差屋のもとに連れ戻そうとする。
江差屋をほっておくなとおえいは言うが、おしんは今日だけは伊之吉の為に戻らないと言い張る。
外で言い争ううち、おえいは自分がどんなに苦労してきたか口にし、だから伊之吉だって始末させたのにと口走ってしまう。

ハッとして口をつぐんだおえいだが、おしんは伊之吉を殺させたのは母親と知ってしまう。
惚れたはれたじゃ、おまんまは食えない、流れ芸者をしながら散々苦労してきたんだと言うおえいをおしんは突き飛ばし、出て行く。
見ていた京山は、おえいは一番大切なものをなくしたと言う。
母親が娘に何をしようが勝手と言うおえいに、昔自分も娘をなくしたが、もう一度、自分の為ではなく子供の為に生きることができたと話す。

だがおえいは「あんな娘なら金の方がマシだ、金は自分を裏切らないからね」と言い放つ。
聞いていた晋松は、頼み人の相手が母親になったことにため息をつく。
「ひでえ女だよ、おえいってのは。殺っちゃうんだろ」と言った直次郎に、京山は顔をそらす。

「何迷ってんだよ、俺たちの仕事は伊之吉の恨みを晴らしてやることじゃねえかよ。だったら、おっ母だろうと何だろうと、あんな女…」とここまで言った直次郎を晋松が張り飛ばす。
直次郎は気分を害しながらも、黙って去っていく。
晋松におえいのことは自分にまかせてくれと言った京山は、夜におえいの店に忍び込む。

江差屋に黙って売り上げから誤魔化した金を数えていたおえいは、おしんが自分の苦労を知らずに好きなことをしているのを愚痴っていた。
かんざしを密かに抜いて構えた京山だが、おしんがいないことに腹を立てた江差屋が入ってくる。
おしんを芝居小屋で繋ぎとめられなかったことと、金をくすねていたことで勝造はおえいをたたき出す。

必死になって、おえいは、おしんには良く言って聞かせるし、今まで娘も差し出したし、漁師の脱走も密告してきたことを訴える。
さらに昔は江差屋の情けも受けた身だと説得したが、江差屋は勝造たちにおえいを雪の中放り出させ、明日になってこの町でみかけたら殺すとまで言った。
口から血を流し、雪の中出て行くおえいを、おしんが見ていた。

浜を歩くおえいが倒れると、おしんがやってくる。
追い出されたこと、何もかもなくしたことをおえいは言うが、おしんは黙ったままだった。
許してくれるはずがないとおえいが悟り、おしんも見つからないうちに町を出て行くように言って、1人歩き始めた時だった。

おしんは子供の頃、おえいとつらい旅をしていたことを思い出す。
手を離すなと優しく言った母親の声。
おしんは「逃げよう!一緒に逃げよう!」とおえいに駆け寄り、「行こう」と2人は手を取り合って逃げていく。
京山は黙ってそれを見送った。

闇の中、直次郎が走っていく。
雪が降る中、晋松も町を行く。
そして、黒装束の京山も。

店から酔っ払って出てくる2人の江差屋の子分。
1人は誰もいない雪の夜道で、晋松に吊り上げられる。
それを見た1人に向かって直次郎が突進してくる。

ドスを抜いた相手の懐に飛び込み、すれ違いざま、下から上に斬り払う直次郎。
斬った男が、倒れる。
振り向いた直次郎は長ドスを手に、震えながら振り返る。
長ドスを鞘に収めると、振り切るように直次郎は逃げていく。
晋松が吊り上げた1人が落ちてくる。

1人、離れにやってくる子分の勝造。
表に晋松と京山がいて、2人は入れ替わる。
京山は江差屋へ。
晋松が縄を構え、障子を破り、中を見る。

くつろいでいる勝造に縄を投げて首を引っ張り、廊下まで引きずり出した晋松は縄に仕掛けた金具を抜く。
悲鳴をあげた勝造の首が切られる。
様子がおかしいと江差屋が、部屋から外をのぞく。
独りでに、障子が閉まる。

闇の中、京山の目が光る。
京山と殺気に気づいた江差屋が、羽織を脱いで雪の中に立っている京山にとびかかってくる。
鮮やかに合気道で江差屋を投げ飛ばした京山。
朱色の長かんざしを抜くと、江差屋の首を後ろから刺す。
翌日、一足先に次の興行先に急ぐ晋松をみんなで見送り、一座はまた次の興行へ出て行く。



男子禁制の寺の外の階段で、京山を待つ直次郎は寒くて、「何やってんの、どこ行っちゃったの」と足を寒そうにこすって、それでもあったまらないので足の親指を口の中に入れてあっためてます。
さらにがに股で階段を登って、一生懸命、あったまろうとしてます。
いちいち、やることや動きがおもしろい。

興行の宣伝に、チラシを配りに町に出た直次郎とおはな。
おしんが直次郎に声をかける。
「明日、見に来てね!」と言う直次郎に「お兄さんも踊るの?」とおしんが言うと、「踊る、踊る!こう見えても俺は江戸で2年ほど踊りやってたことが、あんのよーん」と調子を合わせる。

しかし、横からおはなが「まるでダメ!」と口をはさむんですね。
「それはないでしょ、おはなちゃん」
「きゃ、さわった、馴れ馴れしいんだから」。
「仕事のうちじゃない!」と言って、おしんに直次郎「かわいいね~」と言う。

今度は去っていきながらおはなに「おはなちゃん、かわいくないね!」
「だって、ほんとでしょ」と、おはな。
「どうして、バラさなきゃいけないの?!」
「だって、ほんとだもん」。

「さわったの何だのって、減るもんじゃあるまいし」
「またさわった!いやらしい~!」
軽快な2人の、息の合った会話。
2人の自由そうな様子を見る、おしん。

「漁師のおかみさんたちの方が、よっぽど良い。網の先には、惚れた男がいるもんね」と言っていたおしん。
おしんの目には、何だかんだ言って楽しそうな2人が恋人同士に映ったかもしれない。
不安定な生活ながら、2人には自由がある。
そんなおしんの気持ちが、良く出ているようでした。

このおしん役の女優さんって、「新・仕置人」の阿波出張で、阿波踊りの群集の中、仕置きする回の頼み人・おみつを演じていた女優さんですよね。
あの時は、違う名前だったような。

晋松に張り飛ばされて雪にのめり込んだ直次郎。
母親がターゲットになってしまった、複雑な心のうちが彼にはまだわからない。
鉄などの「仕置人」たちは正八を張り飛ばすし、「仕置屋」で主水も捨三を張り倒す。

「仕事人」以降の主水さんなら、口で「そりゃ、おめえ…」と言って聞かせてくれるでしょうが、そこは殺し屋さんたち。
やっぱり、やることが荒っぽい、怖い、カタギさんとは違う。

顔を上げた一瞬、直次郎が怒りの表情になる。
だが、次の瞬間、悲しそうな目をしたかと思うと、ニヤリと笑う。
雪で顔を洗って、へへへっと笑って走っていくが、去り際には気分を害した表情でいっぱいになっている。
そりゃ、そうでしょうけど。

今回の仕事は、京山の心もそうだけど、頼み人の心に今までよりもっと大きな傷を残すかもしれない。
でも直次郎は、理不尽なことをされた、といった気持ち。
仕事やっちゃおうって、恨みはらしてやろう、ひどい女じゃないって、言っただけなのに。
期限があるから、早くしようって言っただけなのに。

「何でぶつの!?」と若い未熟な直次郎にはわからない。
いつまでも仲間はずれ、半人前の扱いして、と悲しい気持ち。
直次郎はこの仕事には一筋縄で行かない、愛憎のもつれと言ったものが関わってくると学んだはず。
合理的に処理してしまうことが、できない場合があるんだと。

単に善悪で分けて、さっさと殺しちゃえばいい、単純に仕事をしてしまうと取り返しのつかない場合もある、って。
こうしてきっと、直次郎も一人前になって行くのでしょう。
しかし、殺しは相変わらず、不安定というか、一発勢い頼みみたい。
でも前回の叫び声をあげての居合いと比べると、今回はあっさりめ。

直次郎の、極限まで自分を追い詰める緊張溢れる様子が見たい。
…変?
仕事の際の、とんでもないリアクション、リアルな反応が見たい。
…これも、変?

闇の中、黒装束から目をのぞかせた京マチ子さんの綺麗なこと、怖いこと。
長かんざしの朱色が、映えること。
晋松は、高橋悦史さんですが、大人の男、プロフェッショナルです。

直次郎が安定するのは、いつの日でしょうか。
これからも直次郎を、見守って行きたい…と思います。
…なんか、変?


2011.01.25 / Top↑
こ、腰が痛い。
頑張れ、自分。

昨日も見ました、「冬のサクラ」第2回。
イライラする展開?
いやいや、昭和の40年代の少女マンガとか、昭和50年代の百恵ちゃんドラマを観たことがある人なら、「ですよね!」ってなもんです。

萌奈美を外に連れ出す過程とか、病気の告知についてとか、ありますけど、ここはもう、目をつぶって、あるいはツッコミつつ、楽しむ。
お兄ちゃんの応援をしたい安奈、女性として恋を後押ししたい気持ちが明るくてかわいい。
屈託のない恋愛をしている風で、微笑ましい。

家庭に戻った萌奈美の疎外感。
夫は自分を所有物と思っている。
綺麗で恵まれているようだけど、生殺与奪は握られている。
このカゴの鳥と、自分と、どう違っているのか。

鳥と自分がオーバーラップする。
広い空を飛びたいと思う。
空の写真ばっかり、撮っていた自分。

娘は悪気はないのだろうが、あの年齢だし、自分のことしか考えない。
母は自分の為に何かしてくれて当然だし、それ以外のことなんてありえないと思っている。
悪意なき無関心。
姑は自分をかわいい1人息子の付属物と思い、とことん軽蔑し、冷遇している。

そこに来て、祐からの衝撃の伝言。
いや、衝撃なんてもんじゃないですよね。
自分でも「?」って思っているんですから。

ああいう時って、誰かにいてほしいと思うでしょう。
それで、とにかく優しく「大丈夫だよ」って言ってくれたら、どれほど気持ちが楽になるか。
不安だ。
それを通り越して、今度は怖い。

どうしたらいいか、わからない。
夢であってほしい。
だけど萌奈美の周りには、誰もいない。
祐の「大丈夫ですよ」が聞きたい。

帰りたい。
でも帰れるわけがない、自分の居場所はここなのだ。
ギリギリまで決心がつかなくて、そして急いだ10時の新宿発山形行きの夜行バス。
祐も、どこかで会いたい気持ちが抑えられず、時間と場所を告げている。
人間ってそれほど、恋に自制心がきくばっかりじゃないですからねー。

わかってるんだよ!
言うべきじゃなかった、出発の時間と場所なんて。
正論だよ、でも抑えられなかったんだ。
俺は弱い人間だよ。

やっぱり、彼女は来なかった。
何やってるんだろう、俺は。
彼女にとってはもう、迷惑なんだ。

来なかったら、きっと、彼女は幸せなんだろう。
自分の出る幕はない。
でも、もしかしたら、と思った。
いや、違う。
俺は彼女に会いたかったんだ。

そんな心のうちが見えてくるような、草なぎさんの表情。
祐というのは、故郷になってやる男なのかもしれない。
とにかく、彼を必要とした時、いつでもいてやる男。
激しくはないが、それが彼の愛情。
草なぎさんが、朴訥な男を淡々と演じています。

そんな兄が泥沼に入るのを防ぎたい弟は、そんな兄を厳しくたしなめる。
この弟、部屋を出る時にちゃんと母親の百合が編んだマフラーしてましたね。
和んだ。
結局、会えなかった祐と萌奈美だけど、弟は見ていた。

弟も、兄の初めての恋を、見届けたかったんだと思う。
彼女が来たのを見て、2人のこれからを思って、どうしようかと思う。
細かくていいですね、私、こういうの好きですよ。
そして弟の危惧は兄の波乱の恋では納まらず、彼もまたおそらく院長の攻撃の的になるのでしょうねー。

さて、航一ですけど、高嶋さん不気味…。
気配がなくて、いきなりいるとか。
隣で氷を削っているのに、さりげなく威圧感と秘めた凶暴性が感じられる。
アイスピック、怖いよー。

萌奈美の電話もあれ、全身で聞いているんですよね。
背中が言っている、「誰なんだよ」「誰だ」って。
それで、ああいう人って見下している相手が自分から離れていくと知ると、執着し始めるんですよね。
「自分が見下していた女に捨てられるなんて、許せない!」。

自分では意識してないでしょうが、「お前に優越感持ってたから、安心して好き勝手できたのにー」という感じ。
基盤がゆらぐ、と言わんばかりに執着し始める。
要するにお子ちゃま。

社会的地位があって、一見大人だから非常に厄介なお子ちゃま。
自分がどうしようと何しようと、萌奈美はいつも耐えて、待ってなきゃいけない!って思っている航一が崩壊していくのがまた、楽しいかも。

この後は、萌奈美が山形に行く展開かな?
祐と航一の対決がどんなシーンになるか、非常にみものです。
草なぎさんが地味?

いえ、祐はこういう男。
静かな、自分の感情を押し殺すのに慣れた人の演技をしていると思います。
こういう人で、それでもここまで心の揺れ動きを見せるんだから良いなーと思います。
日曜の楽しみですよー、日曜夜がユウウツにならないって大事!

あの、草なぎさんの微笑んで「大丈夫」という言葉。
すごく心が休まると思う。
こういうのが、萌奈美には必要だと思う。
それだけでいいんだと。

祐っていうのは、必要な時にいつもいてくれる人だと思います。
好きな人相手に、駆け引きなんかいらない。
人を不安にさせないっていう誠実さこそ、大切なんじゃないか。
祐を見ていて、思いました。


2011.01.24 / Top↑
「うらごろし」終了の翌日から始まる「必殺仕舞人」。
ええ、聞いた話ですが、「仕舞人」で手配書が出るシーンがあるそうです。
主人公の京山率いる「娘手踊り一座」が関所を越える時、お尋ね者の人相書きがある。

その中に「仕業人」の「赤井剣之介」、本名「真野森之助」の人相書きがあるとか。
こんなところで、物語世界を繋げているとは!
いや~、「必殺」世界の奥行きみたいなものを感じます。


個人的に「仕舞人」の見所は、若き日の本田博太郎氏!
さまよう若い渡世人・直次郎は食い詰めていて、街道を通りかかった国定忠治親分に弟子入りを願うも一蹴される。
そんな、まあ、渡世人としても一人前ではない直次郎。

無銭飲食になるところを、娘手踊り一座を率いる坂東京山に拾われ、荷物を積んだ車引きになる。
非常に臆病で調子が良く、「俺は佐渡で金を掘っていたのよーん」と言ったかと思うと「車引きを2年ほどやってたのよーん」と言う。

人が良い。
ひらひらと軽い身のこなし。
そんな彼の武器は、京山が言うには「一発勝負」の居合い。

臆病さゆえに、爆発的に機能する自己防衛本能。
殺しの前は標的を狙いながら、緊張感を高める。
ヒューッヒューッと音を立てて息をし、手がぶるぶると震えるほどの極度の緊張に、自分を追い詰める。

しかし、「必殺」は女性を綺麗に撮りますねえ。
草笛光子さん、山田五十鈴さんは言うまでもなく、京マチ子さんも、高峰三枝子さんも、すごく綺麗!
「仕事屋」の中尾ミエさんとか、「仕置屋」の中村玉緒さんはまた、すごくかわいらしかった。
和田アキ子さんもそれで出演依頼が来た時、相当期待していたら男のような役でガッカリしたそうです。

坂東京山を演じる京マチ子さんの妖艶なこと。
京山一座は、どんな民謡もこなすが、襦袢が見える踊りは不届きであるとお上に目をつけられてしまう。
そこで、坂東を呼び寄せたのは駆け込み寺の庵主・善行尼さま。
演じるは、原泉さん。

この方のお婆さんの迫力のあることと言ったらなくて、菅井きんさんなんか、かわいい。
「からくり人」ではマザコン息子だが家には跡取りが必要なので、次々子供を誘拐してくる鬼婆のような武家のお婆さん。
しかし、この役は情け深い庵主さま。
なぜかこんな役も無理なく自然に感じさせるなんて、不思議。

この庵主さまから京山は全国を旅しながら、駆け込み寺にも行けない弱い女性の恨みを晴らしてやって欲しいと殺し旅の依頼をされる。
表向きは、寺の普請の為の興行。
京山自体、かつてある与力に騙され、ひどい目に遇って庵主さまの世話になった経験があった。

そして、殺し屋としてやっていくようになったが、人を殺す恐ろしさと悲しさに一度は引退した。
しかし、庵主さまの申し出に、京山は再び、殺しの旅に出ることを決意する。
最初のターゲットは、京山を騙した、今は出世して名前も変えた与力の男だった。
途中、同じ男に妻をひどい目に遇わされた晋松という男と出会い、同じ稼業同士とわかった晋松は一座に加わる。


郡上八幡でのこと。
妻の父親の病気の借金の為、新婚夫婦であるにも関わらず、妻を機織りの織り元・天満屋に差し出されている、若い音松という男。
表面上、夫婦を装わせ、毎晩通って若い妻のおかよを自分の囲いものにする話は、「新・必殺仕置人」の17話、「代役無用」とシチュエーションは同じ。

直次郎は花嫁行列を見かけ、その花婿の音松が毎晩飲んだくれて夜を過ごすのを見る。
やがて仲人のはずの天満屋が、我が物顔で夫婦の家から出て来る。
寒い表でうずくまっている音松に、天満屋はまるで犬に餌を投げるように金を与えて帰って行く。
それを見た直次郎。

夫が毎晩荒れる事情を知った直次郎は若い夫婦に同情し、激情に走って目立ってはいけないと言われたのに、夜道で天満屋を殴り倒す。
ここは奉公先の主人が、実は夫婦を装わせて友人の妻を囲いものにしているのを知った正八が主人を殴り飛ばすのと同じ。

正八の場合は鉄が目撃して、「ケンカかぁ?もっとやれやれ!」と煽ってる。
こちらの場合は知らない土地でケンカをするな、目立ったことをするなと言った晋松が直次郎をぶっ飛ばす。
…という違った展開で、これはまた「新・仕置人」とは別物として見られました。

今度はこの話をこの人で見てみたい、とか、この人だったらどうなっただろう?と考えると、ドラマって違った楽しみがありますね。
これ、それぞれのキャラクターが良いから「焼き直し」とか「二番煎じ」に見えないんでしょう。
それぞれのキャラクターに好感を持たせているっていうのが、一番大きい。

まともに反発できずに直次郎は思わず舞台道具を手に、ケンカしようとする。
京山師匠が間に入り、子供に言って聞かせられるように、「お前さん、これがないと何もできないんだろ?」と言って着物にくるんだ長ドスを見せる。
直次郎は急いで着物にくるんだ長ドスを抱えながら、悪戯を見つかった子供が逃げるように「あー、痛ってー!」と言いながら身を翻して逃げていく。

直次郎を叱った京山だけど、夫婦の為に、一晩、今夜は天満屋を引き止めてやると言う。
「無理!」と言う直次郎に対し、京山は見事、天満屋を酔い潰すことに成功。
今夜は天満屋は来なかったと言う直次郎は、いたずらっ子のように笑い、「おっしょさん。ありがとね」と言って走っていく。
音松は、天満屋が機織りに関して行っている悪事を暴く覚悟で、天満屋におかよにもう関わらないという約束をさせた。

承知したと見せ掛けた天満屋は、おかよのもとに急ぐ音松を用心棒に殺させた。
幸せそうなおかよの為、音松を迎えに行った直次郎はわき道から出て来る天満屋の用心棒と音松の死体を発見し、うずくまる。
音松の死体をおかよのいる家の玄関先まで運び、おかよの嘆きを影で見ていた直次郎は顔を伏せて涙する。
顔を上げた時、直次郎の目が怒りに燃えていた。

仕置きでは、音松が1人を見事に誰にも気づかれずに引っ張り、仕留める。
はたを追っている女たちは、誰一人気づかない。
戻ってきた用心棒が1人がいないのに気づき、外に出る。
小雪が舞う中、直次郎が間合いを計りながら、緊張の中、狙いをつける。

音松を斬った用心棒が刀を抜いて立っているところに、直次郎が走ってくる。
一気に爆発的な力で長ドスを横に払い、用心棒を斬る。
「ぎゃーあーあ」と言う声とともに脇の堀池に落ちたのは、直次郎の方。

構えたまま、長ドスが手から離れない。
硬直し、震える直次郎の手。
刀を振り上げたまま、用心棒もまた、絶命して堀池に落ちる。
ぎこちないながら、相手が事切れているのを確認した直次郎は、硬直し、正面を向いたまま、ずぶずぶと堀池を渡っていく。

こういう、かっこ悪・良い、必死な直次郎の演出がいいですね。
また、こういうところが直次郎のおもしろさだし、こういう演出をするところが「必殺」のおもしろいところだと思います。

天満屋を合気道と黒装束も艶やかに、雪の中仕留めるのは、京山。
郡上八幡を荷物を引いて去る中、しょんぼりとしているのは直次郎。
おかよたちを思っているに違いない。

「泣けてくらぃ、ちくしょー!」
様子がおかしい直次郎の為、好きな女性でもできたのに別れたのだと思った一座の女の子たち。
ぐずぐず袖で涙を拭く直次郎に、歌を歌ってやる。


ほんと、直次郎が、なかなか、おもしろいキャラクターです。
本田さんという俳優さんのうまさも、再確認してます。
今のあやし~い本田さんとはまた違う、かる~い若者を演じている若き日の本田さんがいい!

主題歌も本田さんが歌っていて、「ちょんまげ天国」というCDにも収録されているかな。
解説のペリー荻野さんも言うように、生真面目さが出ている歌声です。
考えてみると、昔なら直次郎は最後、悲壮な死を迎えたようなキャラかも。

再放送も見られた記憶がないし、見直したことなかったけれど、これもおもしろい。
「うらごろし」の後だし、「仕事人」と「新・仕事人」の間の13回の作品なので、弱いかなと思ったら大間違い。
十分、楽しめます。

駆け込み寺の庵主さまの依頼だけあって、弱い立場の女性の恨みがメイン。
それに感情移入する、人が良くて調子が良くて臆病なキャラ、直次郎を楽しみに見られる。
「本日の直次郎」でいけるほどです。


2011.01.23 / Top↑
時代劇専門チャンネルの必殺アワー、ぐずぐずしているうちに「必殺仕舞人」になってしまいました。
自分のばか~。

異色といわれる「うらごろし」ですが、「翔べ!必殺うらごろし」の最終回。
最後まで本名がわからなかった、おばさん。
いや、結局、誰もわからなかったんですけど。

おばさんの墓にかかっている、おばさんがいつもかぶっていた笠が揺れている。
背景は何もない荒野。
「坊やがいる町がいつも見えるように」山の上に作った墓。

風が吹く。
寒々とした何もないところに、おばさんの笠が風に揺れる。
走って去っていく正八に、おねむがつぶやく。
「また一人ぼっちか」。
まがりなりにも、家族として機能していた一行がなくなって、マイペースなおねむでさえ寂しい。

正八はどこかへ走っていき、若は流れていく船の中で、あるいていくおねむからおばさんの死を知らされ、悲しみに目を閉じて寝転がる。
おねむはまた、札を売りながら歩く。
先生は修業の、道なき道を行く。

一行がバラバラになって行く様子と、交互に入るおばさんの墓の映像。
あまりに寂しい光景。
故郷へ帰れと言われた若は、帰ったのか。
正八は裏の世界と手を切ったのか。

おばさんという母親がいなくなった「うらごろし」一行の、擬似家族はあっさりと解散していく。
レギュラーの殺し屋が、今までの人生を精算するかのように死んでいくのは、これが最後だったかも。
順之助や銀平がいるといえばいるけど、あれは業を背負って死んで行ったというより、都合で退場させられた扱いのよう。

以後の必殺仕事人シリーズでは、作品世界を表現していたようなレギュラーの殺し屋が、業を背負ったように死に方をすることはなくなりました。
「必殺」に必ずあったハードさ、虚無感がここにもありました。
やっぱり、「うらごろし」は確かに、ひとつの区切りであったのだなと思います。


2011.01.23 / Top↑