第18話、「主水、お嬢様に振り回される」。


佐代は町で評判の、両替商武蔵屋の1人娘のお嬢様。
奉行所ではお嬢様たちが、奉行所の見学にやってくる。
主水が案内係だが、お嬢様たちは好き勝手に行動してしまい、主水は田中さまから叱責を受ける。

このお嬢様ブームに目をつけたのが、加代。
早速、お嬢様養成講座を開く。
講師は組紐を教える竜、そして政に相談したところ、政は琴が上手い同じ長屋に住むお千賀の話をする。
何でもお千賀は元、お嬢様だったらしい。

加代が交渉に行くと、あまり人前に出ないで暮らしていたお千賀はためらう。
お千賀には、道場に通っている1人息子の仙之助がいる。
感じの良い好青年の仙之助は、実は佐代と付き合っていた。

お嬢様養成講座が開かれ、いろんなお嬢様になりたい娘がやってくる。
中には加代も驚くような娘もいたが、お金を払えばいいんでしょと言われ、加代はそりゃまあ、そうだと言う。
女性たちに混じって、壱も入ってくる。
講師をすると言う壱に、加代が思わず「色の道かい?」と聞く。

それぞれに講座が開かれ、竜もお千賀も好評だった。
久しぶりに表に出たけれど良かった、とお千賀は加代に礼を言う。
お千賀は18年前、長崎で骨董を扱う大店の娘だったが、武家に嫁いだ。

だが、実家で殿から「鑑定を」と預かった家宝の香炉を盗まれた。
5百両と、父が大切にしていた煙草入れも盗まれた。
店は取り潰され、夫も後を追うように自害した。
当時、夫婦者の奉公人が姿を消したが、2人が盗んだという証拠はないとお千賀は言った。

仙之助が付き合っている佐代の武蔵屋に、ヤクザ者3人が押しかけた。
何でも田舎から出てきたばかりの初心な舎弟が、佐代にたぶらかされたと言うのだ。
武蔵屋の主人の久兵衛と妻はお金を出すと、ヤクザ者は引き上げて行った。

その後、久兵衛は番頭に指示し、店の用心棒の辰五郎とその手下の直次たちに後をつけさせる。
ヤクザ者たちは金を手にして、近くの神社で大笑いしていた。
そこに辰五郎たちが来て、3人をたちまち殺してしまった。

部屋で着物を広げている佐代に武蔵屋夫婦がやってきて、いい加減にしなさいとたしなめる。
しかし、佐代はああいう連中は結構おもしろいと全く気にする風はない。
武蔵屋夫婦は、しょうがない娘だと笑う。

そして、佐代を純真なお嬢様と疑わない仙之助は佐代から呼び出され、茶屋に連れて行かれる。
佐代は仙之助に対する思いをぶつけ、身を任せた。
仙之助と佐代が付き合っているのを見た加代が、お千賀に注意を促す。
だが、佐代は呉服屋の息子との結婚が決まっていた。

武蔵屋の前まで行ったお千賀は、出てきた佐代の後をつけていく。
すると、佐代は婚礼を前に、様子の良くない男に金を渡して手を切っていた。
お千賀は仙之助に佐代と付き合っているのかと聞いたが、仙之助はいずれ母上にも紹介すると笑う。
佐代はお嬢様育ちで、と言う仙之助に、お千賀は世間にはあなたが知らないようなことがあると言った。

翌朝、道場で仙之助は、佐代が呉服屋の息子と祝言を挙げると聞く。
道場を飛び出し、武蔵屋に行った仙之助だが、佐代には会わせてもらえず、外に放り出され、番屋の役人を呼ばれる。
番屋にお千賀が迎えに行った夜、仙之助は加代の元を訪ねる。
加代に手紙を託すと、仙之助は走って行ってしまう。

手紙はお千賀へ当てたもので、もう一度だけ、佐代にあって本当の気持ちを確かめたいと書いてあった。
武蔵屋では、佐代は婚礼の衣装を両親に見せているところだった。
うれしそうな佐代に、騙されたことを知った仙之助は潜んでいた庭から思わず、佐代の前に飛び出す。
逆上した仙之助は辰五郎たちに抑えられ、近くの神社の境内で殺されてしまった。

お千賀は武蔵屋に行き、そこで久兵衛夫婦を見た。
それは、お千賀の実家にいた奉公人夫婦で、事件の後、失踪した夫婦だった。
しかも、父の煙草入れも持っていた。
お千賀に気づいた久兵衛夫婦は「これはこれはお嬢様」と言うが、18年前の盗みも仙之助のことも言いがかりと、番頭がお千賀を雨の中、放り出す。

翌朝、仙之助の遺体が上がり、お千賀は仙之助にすがって泣いた。
失恋の末の覚悟の自殺というが、主水は自害にしては傷口がおかしいと言った。
だが、田中さまが叱咤する。
半月も琴の音がしないと、政がお千賀を心配する。

闇の会が開かれた。
頼み人は、お千賀だった。
標的は武蔵屋親子、そして番頭と用心棒3人。
お千賀はみすぼらしいが、派手な柄の着物を着ていた。

「父や母、夫の恨みも」。
お千賀はが必死に働き、12両貯めたと言う。
夜の暗い道で、客を引くお千賀。

お千賀は夜鷹をして、稼いだのだ。
期日は2日後。
他の仕事人が退席する中、加代は「お受けいたします」と言った。

仕事料を加代が配って歩く。
武蔵屋には、凄腕の用心棒がいる。
主水は壱につなぎをとれ、と言う。

加代が戻ると、家に壱がいる。
「抜け駆けは良くありませんよ、お嬢様」と言って、右手を出す。
加代が仕事料を渡すと「雨の日にやってきたんだよ、ねえ、お嬢様」と、左手を出す。
「わかったわよ、お・じ・さ・ま」と、加代が仕事料をさらに渡す。

祝言の夜、竜と加代は招待客に紛れ込み、挨拶をしながら、座敷に向かう。
頭の名代としてやってきたと、壱と政は職人風のはっぴを着てやってくる。
用心棒たちも、酒を飲んでいる。

「アニキだいぶ酔ってますね」と言われた辰五郎が「頭でも冷やしてくるか」と、立ち上がって外へ行く。
壱と政が、それを見ている。
政が動く。

祝いの為に張られた幕の前に座り込んだ辰五郎の後ろに、政の影が見える。
政が手槍を組む。
壱が姿を見せる。

立ち上がろうとした辰五郎に壱が、「おっとっと、あぶねえよ、旦那」と言う。
「あぶねえよ、あぶねえよ、旦那、あぶねえ」と言って、壱が辰五郎を幕に押し付ける。
「危ないですよ」。
壱が言い終わると、政が刺す。

辰五郎が仕留められる。
壱が離れる。
他の用心棒2人が飲んでいる部屋の窓が開く。

2人が酒を飲んでいるのを、壱が見る。
壱がすばやく、2人の首を押さえる。
「おっ」と声をあげた途端、壱が2人の喉骨を砕く。

武蔵屋の廊下で、加代が「奥様、旦那様が及びでございます」と佐代といた武蔵屋の妻に声をかけた。
「わかりました、すぐまいります」と答え、「まだ祝言の酷には間があるのに」と妻はつぶやいた。
廊下を行く妻の首を竜の紐が捕え、背中越しに、竜が締める。
武蔵屋の妻は、目を見開いて膝を崩した。

母親が戻ってこないので、佐代は花嫁姿でうろうろしていた。
戸を開けて廊下を見た佐代は、母親の姿を見ると「おかあさま!」と叫んだ。
同時に隣の部屋の戸が開き、竜が紐を投げる。

佐代が悶絶する。
廊下の障子に、浮かび上がる2人の影。
竜が佐代を締め、佐代が倒れる。

久兵衛が番頭に、娘の様子を見に行くように言う。
番頭が、佐代の部屋に行く。
壱が庭に潜み、こちらを見ている。
そっと廊下に上がりこみ、佐代のいた部屋に入る。

番頭がやってくる。
「奥様、奥様」と声をかけると、灯りが消えた。
不審に思った番頭が、戸を開けて中に入る。
「奥様」。

かけられた花嫁衣裳の後ろで、壱が手を握る。
「お嬢様」。
突然、「高砂や…」と、壱の歌が聞こえる。
かけてあった花嫁衣裳が倒れる。

壱が番頭の首を押さえる。
番頭が壱の力に屈し、ひざまずく。
次の瞬間、壱が無表情に番頭の喉を砕く。

部屋に誰もいないという報告を受け、久兵衛が蔵に走る。
蔵に置いてあった千両箱から、久兵衛は金を出した。
外に主水がいる。

久兵衛が金を出していると、主水が入ってくる。
「銭は、でえじょうぶか」。
現れた主水に驚きながら、久兵衛は「おかげさまで、このとおり」と言った。

天井裏で、壱が千両箱を持って天井裏の穴に近づける。
「千両箱が一つ、足りねえんじゃねえかい?」
「えっ?」

天井から壱が千両箱を持って、小判を降らせる。
主水が久兵衛の腹を刺す。
「命の用心も、忘れねえようにな」。

小判の雨が降る。
久兵衛は、千両箱にすがって死んでいる。
主水がふっと、灯りを消す。

主水が家に帰ると、せんとりつが料亭から取り寄せた料理を食べている。
1ヶ月に一度ぐらい、お嬢様のような食事をしたいと言う。
そして、請求書は主水に押し付ける。



この時、お嬢様ブームだったらしい。
高田純二さんが「お嬢様ー!」と叫び、走ってきて「お嬢様ですか?」と質問。
聞かれた女性が笑いながら「はい」と答える、そんな番組のコーナーがありました。

お嬢様が、そんな言ったりしたりするか。
あれはお嬢様じゃない。
そんな声もたくさんありましたが、おもしろがって見ていた記憶があります。

冒頭、中村家に1人の老婆が訪ねて来るんですね。
せんを見て、お嬢様と叫ぶ。
母親に乳母がいたとは、娘のりつさえも驚くが、せんは戸惑いながらも名乗った乳母の名前を呼び、懐かしがる。
すっかりいい気分になったせんだけど、老婆は隣の斎藤様のところに来たのだとわかる。

どうも面影がないと思ったと、ブツブツ言いながら去っていく老婆。
話を合わせたせんは、恥をかく。
という話なんですが、いくつになっても、お嬢様扱いはうれしい、得意になっちゃうということですか。
そうなっちゃうこと自体が、実はお嬢様じゃない、少なくとも現在は、お嬢様が進化した奥様状態じゃないということなんでしょうが。

加代のお嬢様要請講座、加代が目を話した隙に、壱が花札の打ち方の手つきを教えているのがおかしい。
「そこのお嬢さん、もう少し肌を軽く見せてください。そうそうそうそう」。
居並ぶ「お嬢様」たちが、足を見せながら構える。

「上体をひねって、手を右頭上後方に、そして、ひじをかるく出してください。そして掛け声と共に行きますよー、よいしょお」。
すると、「お嬢様」たちが「よいしょお!」と声を出す。
「あんた!これはお嬢様の遊びと違うでしょ!」

駆け込んで怒る加代に、壱はすまして「こういう下品な言葉は、使わないようにしてください」。
爆笑。
加代がやめさせようとすると、入り口で「あなたもお嬢様になりたいの?」と聞かれた娘が「おもしろいんだから、ほっといてよ、おばさん!」と言う。
お嬢様要請講座に行くこと自体、お嬢様じゃないんですけどね、壱のこれはおかしかった。

これ、女性がお坊ちゃまに騙されるなら、仕事の対象として良くある話ですよね。
だけど道場に通うような男が騙されたからって女を仕置きしてくれって言ったら、どうでしょう?
たぶん、主水あたりの「騙されるお坊ちゃんがマヌケ。まあ、いい勉強したわな」という言葉で終わり。
そこで佐代がヤクザ者とも通じて平気な悪女で、邪魔になると用心棒に殺させるという性悪親子って描写が必要になるんでしょう。

さらに、だいたい、そうじゃないかと思ったんですが、武蔵屋はお千賀の家を滅ぼした奉公人夫婦でしたね。
これでめでたく?と言っていいのか、仕事にかける理由が成立。
だけど、夜鷹をしていても、どこかお千賀は背筋が伸びていて、品があるのがさすがだと思いました。
それだけに、お千賀が最後、夜鷹に身を落としてまで仕事料を稼いでいるワンシーンが悲劇的でした。

しかし、父親から夫、そして息子までが武蔵屋の手にかかるとは、何か因縁があるんじゃないかと思ってしまいました。
それにしても、主水が気がつく傷口を無視するとは、ここあたりの奉行所はほんと、闇の会同様やる気ない。
「仕置屋」で市松に「だめだ!おめえは組織の怖さを知らねえ」と主水に言わせたあの奉行所が、どーしちゃったんでしょう。

仕事のシーンは、なかなか大人数。
壱が3人始末します。
弐と参がいれば、ちょうど良かった人数ですね。
政をサポートし、そして残りの用心棒を一気に片付ける。

さらに恨みの高砂やの歌と、番頭。
主水から久兵衛の注意をそらすサポートまで、こなします。
確かに壱の仕事料は、上乗せ分要求も納得。
お役に立ちます。

今回も政が関わり、そして壱の描写がおもしろかった。
政のいい人ぶりは見ていてしみじみします。
話自体は以前も見ているような感じは、確かにあるんですよね。
そこで壱の動きや政の好漢ぶり、さらに加代との絡み方が、良い感じで刺激になっていると感じます。


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2011.09.30 / Top↑
火曜日から、寝ても寝ても眠い。
睡眠は十分とっているのに、眠い。
そろそろ、夏の疲れが出る頃なのでしょうか。


テレビ埼玉で放送していた、「必殺仕事人V 旋風編」が最終回。
千代松とおりんが、百軒長屋のごみ捨て場で鶴の死体を見つけた。
2人はそれを持ち帰り、銀平が鶴をさばいて、長屋に配る。
長屋は大喜びで、主水も貰った手前、そのまま黙っていることにした。

だが、その翌日、御台所寵愛の丹頂鶴のユキシロが、吹上御苑から逃げ出したとのことで、吹上奉行目付・山口俊助と南町奉行所与力・金丸治平が奉行所にやってくる。
どうも、ユキシロは石川島辺りに逃げたらしい。
もしや、百軒長屋で配った鶴は…。
主水は真っ青になる。

政の元に、ユキシロの世話係の大奥女中・滝山が現れる。
千代松とおりんは、鶴を殺したのは鷹の仕業に見せかけようとしたが失敗。
2人は逃げたが、百軒長屋の連中は奉行所に捕えられる。
鶴をさばいた銀平にはわかったが、鶴は首を折られて死んでいた。

しかし、鶴は長屋の連中に殺されたことになってしまう。
政は憤慨。
だが、政と滝山は武士に襲われる。
銀平が駆けつけたが、その武士は山口と金丸だった。

長屋の連中には、罰金10貫文が課せられたが、長屋の人間に払えるはずもない。
そこで、金丸が金貸しの手代・武助を紹介する。
10貫文を1年の分割払いで利息は3分にして貸すと言うが、お玉は怪しむ。
順之助もまた、今度のことに疑問を抱くが、長屋の連中はお金を借りてしまう。

銀平と政は、山口と金丸の密談を目撃する。
全ては山口、金丸と武助、そして土地を転売して利益を得ようとする戸吹屋が百軒長屋の土地を手に入れる為に仕組んだことだった。
滝山は山口とユキシロを通じての恋人同士だったが、山口は滝山を殺そうとしていた。
政はそれを滝山に告げられず、「誰も信じちゃいけねえ」と言うだけだった。

百軒長屋の連中は、証文を盾に、長屋を追われてしまった。
立ち退きを拒否するお玉だったが、戸吹屋は長屋を破壊し始める。
家の中に居られず、お玉も飛び出す。
長屋に来ていた滝山は、山口に事の次第を問いただすが、山口は滝山を刺してしまう。

政と銀平は滝山を助け出す。
滝山は政の腕の中で、「あなたのような優しい人に会えて良かった」と言う。
政は瀕死の滝山の頼みで、山口たちを仕事にかけることにする。

その夜、山口たちは滝山を引きずりだそうと、百軒長屋に放火する。
仕事人たちが集まり、山口たちを始末していく。
炎の中、お玉のサポートで武助をバズーカ砲で撃つ順之助。
戸吹屋と金丸は銀平と主水に始末され、政は山口を仕留める。

燃え上がる百軒長屋。
船で脱出しようとする仕事人たち。
主水とお玉も別の船にいたが、主水は順之助と銀平が乗った船に向かって「火薬を捨てろ」と叫ぶ。
その時、順之助の持っていた火薬に引火し、大爆発が起きた。

火薬は水中での爆発を何度も引き起こし、順之助は川に放り出され、浮いてこない。
銀平は浮いたものの、流されていく。
政が必死に手を伸ばし、銀平の手をつかむが、銀平は政まで危ないと感じ、手を離せと言う。
必死に銀平の手を握った政だが、銀平は政の手を離し、やがて政の手も抗いきれず離れてしまう。

流れていく銀平。
政は水に飛び込むが、銀平は見えなくなる。
主水とお玉は息を呑んで、見守る。
「今回の仕事は、高くつきやがった」と、主水は言うしかなかった。



旋風編の最終回。
銀平が流されていく辺りからは、仕置人の音楽がかかり、それなりに終末感が漂います。
これ、銀平に愛着があったら、かつての殺し屋さんたちが最期を迎える時みたいな悲壮な気持ちになったと思います。

政が滝山関連で命を落としたりして、それだとかなり悲しかったはず。
やっぱり、キャラクターに愛着とか感情移入していないとそういう気持ちにはなれないですよね。
今までの容赦ない「必殺」の終わり方だと、政が死んじゃうというのはアリだったんですが、この時はないですね。
続けるなら政みたいなもうひとつの柱がないと、ドラマよりキャラクターへの比重がより重そうなこの時期、主水一人では重さがかかりすぎてキツい。

でも銀平と順之助は次の新展開には邪魔だから、終わりにしちゃおうか。
いや、そう勘ぐりたくなるほど、さっさと次!みたいな銀平と順之助の最期なんですよー。
愛情がない。
だけど、政は最後まで仲間として、銀平に手を差し伸べ、探しに川に飛び込んでる。

順之助だって、思い入れがそれなりにあるキャラクターだったはず。
あまりにあっさり、あまりに唐突に姿が見えなくなって、その扱いに悲しみが漂いました。
何というか、もうさっさと全部終わらせちゃえー!って思って、作りませんでしたか?と言いたくなる愛着のない終わり方。

主水も悲壮な表情はしてるんですが、「今度の仕事は高くつきやがった」で終わり…?という感じがします。
お玉もせっかく、虎の娘という設定にしたんだから、もっと殺し屋の元締めの父親を持った娘として、描くことができたんじゃないかと思ってしまう。
何というか、全員の描写が薄い。
あれほど、濃密に人間や、人間の業を描いた「必殺」なのに、殺し屋も被害者も描写が薄い。

じゃあ、「III」辺りから顕著になった現代の風俗の反映とか、キャラクターの軽さを楽しむ展開がおもしろいかというと、そっちも機能していない感じ。
百軒長屋はお上が作ったものなんですが、お上の一員が私利私欲の為に壊しておしまい。

こうやって見ると、ストーリーは最終回らしく、百軒長屋の崩壊として、結構、ちゃんとしてるじゃないかって思うんですけど。
いろいろと事情があったのかもしれないのですが、何だか作品自体にスタッフが愛着を持てなかったのが伝わってくるような、そういう意味で悲しい最終回でした。


2011.09.29 / Top↑
第17話、「江戸の空にハレー彗星が飛ぶ」。


妖しのほうき星が飛んで来て、天変地異が起きると噂になる。
真太郎という子供が、他の子供たちに囲まれていじめられている。
それを見た政は子供たちを叱り、真太郎を助けて送り届けた。

真太郎の母親のお妙は、蕎麦屋で働いており、真太郎に勉学をさせようと塾に通わせていたのだ。
だが真太郎は金持ちの札差の筒見屋の息子がリーダーになって、毎日いじめられている。
お妙がそれを塾長の庄三に訴えても、庄三は筒見屋に塾を立ててもらっている。
それに筒見屋とは、用心棒のような間柄だった。

真太郎は政に懐き、毎日遊びに来るようになる。
故郷は信州で、祖父母がいる。
母親は勉強させようと江戸に出てきたが、真太郎は信州で百姓をやって暮らしたいと言った。

その頃、加代が家の前で足を洗っていると、初老の男が供を連れて通りかかった。
男が加代の足を見ると、加代は金を払えと怒る。
すると、その男は気前良く1両出し、加代に自分に囲われないかと聞いた。
加代は突っぱねたが、男は筒見屋だと名乗り、訪ねてくるように言った。

ある日、政は真太郎に強くなるように言う。
それを聞いた真太郎は何か決心したように、政の家を出て行く。
次の日、いつものように真太郎へのいじめが始まった。
壱は政がお妙親子と親しいのを知っており、真太郎が大変だぞと教えた。

政が駆けつけると、真太郎は筒見屋の息子の竜之介にケンカを挑み、見事に竜之介を負かせた。
倒された竜之介は先ほどの勢いはどこへ、泣き出して家に戻る。
他の子供たちも散り散りになる。
政は真太郎にやったな!と言うと、真太郎もうれしそうだった。

加代が筒見屋に行くと、想像以上にそこは贅沢な暮らしをしていた。
筒見屋は加代の金に対する執着心、がめつさに惚れ込み、加代なら筒見屋を切り盛りできると言った。
やってきたのは息子の竜之介で、竜之介はあからさまに加代をバカにする。
しかし、筒見屋には見慣れない西洋の置物や飲み物があり、ワインを飲んだ加代はそこで奥様として暮らす自分を想像する。

早速主水たちに足を洗いたい、と話す加代。
バカバカしいと竜も取り合わないが、主水は筒見屋はまともな商売じゃないと警告する。
しかし、その気の加代を主水は許す。
どうせ、筒見屋の女将になんか、収まれるわけがないと踏んでいたのだが、加代は大喜びで去っていく。

泣きながら帰った竜之介を見て筒見屋は激怒。
竜之介は自分の宝だと言う。
お妙は筒見屋に呼ばれ、詫びを入れさせられる。
だが謝っただけではなく、お妙は筒見屋に座敷に引っ張り込まれ、手篭めにされてしまった。

真太郎はお妙が帰らないのを心配し、連れられて行った筒見屋へ忍び込む。
筒見屋はお妙に、これはお妙の詫びの分、息子の分はこれからだと言った。
息子に手を出さないでくれと怒るお妙だが、筒見屋は息子も許さないと言う。
逆上したお妙は、庄三に斬られてしまった。

真太郎の名を呼びながら、お妙は倒れる。
庭で真太郎がそれを見ていた。
真太郎は筒見屋を飛び出し、政が真太郎を保護する。

政から事情を聞いた政は、加代に筒見屋の非道を訴えた。
仕事にかけたい。
しかし、頼み人は真太郎だが、子供に闇の会に出て、面通しはさせたくない。
闇の会を通さずに、勝手に仕事はできない。

政を筆頭に、主水も竜も、加代に元締めに依頼人なしで仕事にかけることを、掛け合ってくれと言う。
筒見屋の女将になる夢が捨てきれない加代は、政の願いを断る。
だが主水たちの冷たい目と説得で、やけになりながらも闇の会の元締めに会うことを承知する。
せっかくお大尽の女房だったのに…、と言いながらも、加代は元締めに会う。

元締めが承知しなければ、加代は制裁されるかもしれない。
加代は頭を下げ、姿がはっきり見えないながらも、サルを連れた元締めに懇願する。
「1度だけ許す」。

加代は筒見屋の、依頼人がいない仕事を請けてきた。
元締めが去った後、加代の背後に主水がいた。
加代を心配して来ていたのだが、加代は憎まれ口を叩く。

壱を助っ人に頼み、仕事は遂行される。
主水は筒見屋に侵入し、ワインを飲んでいる。
驚いた筒見屋は主水に刺される。
主水はワインを堪能しながら、去っていく。

仕事が終わって、主水が家に戻った。
すると、突然、地震が起きる。
強くなった真太郎は政に見送られながら、笑顔で信州へ帰って行った。



妖しのほうき星、ハレー彗星ですね。
ハレー彗星。
1986年、地球に接近しました。
占星術的には良くないとか、何か地球規模で怖ろしいことが起きるのではないか、なんて言われていました。

だいたい76年周期で接近してくるそうなので、その前は1910年、明治43年。
そして1835年、天保6年。
1759年、宝暦9年。

壱たちがいたのは、明治じゃないですよね。
ということは、この時、天保か宝暦?
時の話題を取り入れただけで、深く考えちゃダメ?
内容はハレー彗星とあんまり関係なかったし。

被害者の子供と母親とも、当たり前のようだけどハレー彗星は関係なかった。
政によって弱虫だった子供が強くなり、そして別れて行く。
そこに加代の、玉の輿話が絡む。

筒見屋の豪勢な暮らしに加代が夢を見るわけですが、加代はがめつくても悪女じゃないですからねー。
いずれ筒見屋に、愛想尽かしたと思うんですよ。
加代がいたら非道は許さなくて、やがて対立したんじゃないかと。
竜之介とも相性悪そうだし。

この竜之介が意外にもというか、予想通りと言うか、反撃されたことがないから反撃されたらとっても弱かった。
しかし、筒見屋がとんでもないバカ親で、たかが子供のけんかに親がしゃしゃり出るどころか、お妙は殺されるはめに。
ひどいー。

そこで加代の玉の輿相手を、仕事にかける。
加代、最初はすごくブーたれるけど、結局、元締めに会ってみんなの希望を叶えてくれる。
闇の会に子供を面通しに連れて行けない、というのは、まあわかる。

さりげなく、主水が心配してついてきてるのが良いです。
憎まれ口を利く加代だけど、主水たちの気持ちはわかっているし、筒見屋が許せないのもわかってる。
それにしても壱は子供たちの動向にも、敏感だ。

さて、加代が酸素マスクなどを売っていた、天変地異が起きるという噂。
最後に大きな地震が来て、主水たち中村家は大いにビビる。
結局、ハレー彗星の天変地異と言うのは、ちょっと大きな地震だった。
あの地震に遭った時、仕事人たちはそれぞれどこにいたんでしょう。

竜と政は仕事だと思いますが、ビックリしたでしょうね。
壱がどこにいて、どんなリアクションをしたか。
考えると、ちょっと楽しい。


2011.09.28 / Top↑
「ヘブンズフラワー」、関東のみの放送で、その他の地域は9話で終わってるんですね。
うわー、そこで終わらないでってところです。
えー、私は小説も読んだので、わかりましたが、ドラマは消化不良のところもあったみたいです。
小説版と補いながら見ると、わかりやすかった。


ネタバレしてますから、DVDが出るまで楽しみにしている方。
関東地区以外で見ていない方などは、注意してくださいね。



カワサキエリクサーが大爆発を起こした、2047事件。
多くの人々が死に、全ての植物が育たなくなる蛍光雨を降らせた、2047事件。
そこから日本は食糧危機に陥った。
だが、奇跡の種、アルカナがあれば再び花は咲く。

種はどこに?
アルカナの種を巡って、中国マフィア星龍とアイたちの第七地区は熾烈な抗争を繰り返していた。
だが、ついに鍵を握る人物・草壁博士からアルカナの種が手に入る方法が知らされる。
それに必要なものは、コードネーム「ヘブンズフラワー」。

「鋼鉄の天使」が必要だということを、シャオガンの息子のプーシェンはつかんできた。
父の命令どおりに、アルカナの種の在り処を握る重要な情報をつかんで息子は殺された。
自分の期待に応えて殺された息子の復讐。
そしてアルカナの種を手に入れる為、シャオガンは第七地区に総攻撃をかけた。

シャオガンはアイが「鋼鉄の天使」だと知った。
アイさえ手に入れれば、後は皆殺しでかまわないと叫ぶシャオガン。
重傷を負いながら、シャオガンとの長年の確執にシオンはついに決着をつけた。

アルカナの種へと向かう途中、アイと真中を走らせ、扉の前でランが星龍を迎え撃つ。
私は故郷を守りたかった、だから星龍に入り、監視していたのだとランは言う。
ナルキもそうだ、赤い手帳を渡すことで星龍が第七地区を襲撃するのを抑えた。

だけど、ランは片桐を信じきれずから逃げた、と言った。
逃げなかったアイは強い。
世の中に花を咲かせるアイを守る為、ランは扉の向こうで星龍と打ち合う。
ランの血が流れ、扉の前には追ってくる者は誰もいなくなった。

第七地区に再び迫る大爆発を前に、アイと真中はアルカナの種を目指し、倉庫へ走る。
扉を開ける生体認証には、アイが必要。
コードネーム「ヘブンズフラワー」は、アイのことだった。

しかし扉の前に、片桐が立ちはだかる。
片桐に真中が叫ぶ。
「早く蛍光炉を止めてください」。

「アルカナの種を取り出すしかない。アイ、草壁から聞いてただろう。扉を開けなさい」。
「嫌です。私にはできません」。
アイが初めて、片桐の命令を拒絶する。
驚愕の片桐。

「そうか、残念だなあ」。
真中に近づいた片桐は、ナイフで真中をを刺す。
「お前は早々に駆除しておくべきだった」。
「アイ、逃げろ!」

真中の叫び。
その時、アイの中で母親と真中が重なった。
「アイ、逃げて」。

倒れる母親、アイに向かって伸びる手。
アイの視線が上がっていく。
血まみれのナイフを持った人間の顔が、徐々に明らかになる。

それは片桐…。
ドクター。
目の前にいる片桐。
その扉の向こうには、アルカナの種があるはずだ。

扉の前のカウントダウンは、7分に迫る。
「真実を知るまでは、この扉を開けるわけにはいかない。なぜ私の母親を殺した。信じていたのに!」
「かつて、私も同じことを言った。お前の母親にな!教えてやろう、全ての真実を」。

ワン・チュウメイ、片桐の本当の名前。
彼女は中国人の父と、日本人の母との間に生まれた。
だが父親は政府批判を繰り返し、ついに拘束された。

チュウメイと母親は逃げるように日本に渡った。
日本に渡ったチュウメイは研究者となり、やがて日中共同の代替エネルギーの研究所の一員に選ばれた。
しかし、そこもまた2つの国の研究者の間には埋められない溝があった。
そして、チュウメイはどちらの国からも胡散臭い目で見られた。

いつも1人のチュウメイに、草壁博士が声をかけた。
名前さえ呼ばれなかったワンを、「ワン博士」と唯一、名前でちゃんと呼んでくれた草壁博士。
その草壁博士は、国家レベルで兵器にもなるアルカナの種の開発に成功した。
星龍たちが、黙っているはずはない。

2047事件の前日だった。
チュウメイが呼ばれていくと、そこには黒ずくめの一団がいた。
男たちは草壁博士を捕え、拷問していた。
その中の1人、鋭い目をしたシャオガンが告げる。

チュウメイの本国にいる父親の死刑が、決まったと。
彼らを助けるたった一つの方法は、アルカナの種の在り処を教えることだ。
チュウメイは2人を助ける為、アイの母親のひとみのところに走る。

だがひとみは、チュウメイの話を信じない。
草壁が、夫が拘束されているなど。
しかも研究所のスポンサーである、九星商社が星龍を使って拷問しているなど。

アイの目の前の片桐の目が燃える。
「2度と忘れることはない。あの日、お前の母親に言われたことを!」
「アルカナの種が欲しいのは、あなたでしょう。友達の振りをして…。裏切り者!」

次の瞬間、チュウメイの友情は憎しみへ変化した。
アイの前の片桐は言った。
「私の中で何かが壊れた」。
「2人とだけは、本物の絆で繋がっていると」。

チュウメイはナイフを手にした。
「信じてたのに!」。
2人はナイフをつかんでもみ合いとなり、それを小さかったアイが見た。
チュウメイは、ひとみを刺した。

ドアの影で、アイが見ていた
ひとみはアイに「逃げて」と叫んだ。
「アイ、逃げて」。
アイは外に走り出す。

その直後だった。
2047事件、大爆発が起きた。
真中が言う。
「あなたは2047事件の責任者じゃないんですか。教えてください、真実を」。

「真実う?」
真中の言葉に狂ったように片桐は笑い出す。
「ならば…教えてやる」。

片桐が頭を覆っていたベールを、はがしていく。
左半分。
髪はなく、頭から頬にかかる寸前まで、ひどい火傷の跡が残っていた。
アイは驚き、銃を持った手が怯む。

生死をさまよったチュウメイのベッドの横に、黒ずくめのシャオガンが立っていた。
九星商社は、事故の責任者としてチュウメイを告訴した。
告訴状を見せるシャオガン。

「これは単なる取り引きです」。
そう言って、シャオガンはトランクの中の札束を見せる。
チュウメイは絶望した。
背を向けたチュウメイは叫ぶ。

「取り引きだ。望みどおり、私は事故の責任者になる。その代わり、震源地を寄越せ。そして、ワンチュウメイは死んだことにしろ」。
シャオガンは黙って去っていく。
片桐、チュウメイは語る。

私は腹を決めた。
私を傷つけたもの、全てへの復讐を誓った。
そして、私のような傷ついた人間でも生きていける理想郷を震源地・カワサキエリクサーだった第七地区に作ろうと。

そう、革命だ。
私を裏切った二つの国と対等に渡り合うには、アルカナの種が必要だった。
草壁は、世界で一番大事なものを鍵にしたと言っていた。
「アイ、すぐにお前のことだとわかったよ」。

「なぜ、私に嘘を教えた」とアイは言う。
なぜ、自分の母親をワン・チュウメイだと教えたのか。
「私には分身が必要だった。憎しみを抱いて復讐する、もう一つの私」。

「その為に、私は手を汚してきたというのか」。
片桐が微笑む。
「撃つなら撃て。お前も私と同じ道をたどるのだ…」。

どうせ、第七地区はもう一度、爆発する。
あの事故は再び起こる。
この国は、今度こそ終わる。

アイが引き金に指をかける。
「それでいい。憎しみこそ全て」。
アイが叫ぶ。
「お前には地獄がお似合いだ!」

真中は止めようとした。
「やめろ!」
銃声が響く。

アイの撃った弾丸は、空に向かった。
「どうしたアイ、なぜ撃たない!」
片桐は驚愕し、アイに向かって叫ぶ。
「私は復讐する為に戻ってきたのではない。悪いのは、あなたではない。あなたの中の憎しみの感情。憎しみは憎しみを生む。そんなことはもう、私で終わりにする」。

「あなたを助けたいんだ」とアイは言う。
「簡単に言うな!お前は私の分身。復讐の道具に過ぎない」。
「もうやめてください」。

シャオガンを倒し、深い傷を負った血まみれのシオンが、現れる。
「あなたは愛にあふれている人だ。その腕、火傷。それはこのアイを守る為」。
母親が殺され、外に逃げ出したアイ。

その時だった。
2047事件が起きた。
研究所・カワサキエリクサーは、大爆発を起こした。
振り向いたアイに光が降り注ぐ。

多くの人たちを死なせ、震源地を植物の育たない砂漠にしてしまった光がアイに向かってくる。
誰かが、走ってくる。
光で顔は見えない。
だが、その人物は降り注ぐ光の中、アイを自分の体の中にすっぽりと抱きしめた。

シオンは言う。
アイが見つかった時、片桐はアイを覆っていた。
私を助けたのは、片桐ドクターだったのか。
そして、その傷も私をかばって…。

シオンは言った。
子供たちを救い、育てたその手はいつも暖かかった、と。
アイに片桐との思い出が蘇る。
「ずっと…あなたは母でした。俺もランもナルキも、このアイも。匿っている子供たちも」。

シオンが涙ぐむ。
「私のような絶望した人間も救えるほどに、その手は暖かかった。シャオガンの玩具だった私をも!」
戦闘服を脱いだシオンの背には、星龍のペンタクロスが刻まれていた。
「私の家族…」と、片桐がつぶやく。

「あなたが求めた理想郷は、すぐ側にあったのです」。
真中が言う。
「あなたは勘違いをしています。コードネーム『ヘブンズフラワー』は、アイだけじゃない」。

アイと片桐の手が、扉の生体認証に押し付けられた。
扉が開く。
その向こうには、アルカナの種があった。

「少なくとも草壁さんはあなたを信じていた。信じていなかったのは、あなたの方だったんだ」。
片桐が膝から崩れる。
「裏切ったのは…、私の方だったなんて」。

アイは片桐に、父親の草壁博士から渡されたカプセルを渡す。
「扉が開いたら、これを渡すように言われました」。
フロリゲン。

それは蛍光雨に汚染された土地を中和し、植物を咲かせるのに必要な物質だった。
「あなたなら、その方法を知っている」とアイは言う。
片桐はカプセルを持ち、アルカナの種のある場所に走る。

「爆発はもう、止められない!」
片桐が叫ぶ。
このままではまた、蛍光雨が降って植物が咲かなくなる。

焦るアイと真中に、片桐は言った。
「アイ、私を助けたいと言ったな。…私はとっくに助けられていたんだな」。
そして、片桐はアルカナの種を手に取る。
「行け。まだ間に合う」。

アイを見つめる。
片桐はアイに、アルカナの種を握らせた。
アイの手のひらには、アルカナの種。

「アイ…許せ」。
片桐の前の扉が閉じて行く。
「ドクター!」とアイが叫んで、戻ろうとする。

「もう時間がない!」
シオンは片桐の傍らにいた。
「皆で笑って暮らしたい。ナルキの遺言だ。お前が、かなえるんだ」とシオンが笑う。

「シオン。ドクター!」
「これは指令だ、アイ」。
片桐が微笑む。
笑顔が扉の向こうに消える。

アイが手を伸ばす。
真中が抑える。
扉が閉まった。
片桐の前に、シオンが跪き、絶命する。

真中はアイを連れて逃げる。
「アイ、ダメだ!アイ、来るんだ!」
傷を追っていたアイが倒れる。
「私だけ生きていていいのか」。

「アイには使命がある」。
「この世の中に花を咲かせる…?」
「そうだ、そして僕がアイにその花をプレゼントする」。

第七地区で再び、大爆発が起きた。
蛍光雨だ!
人々が逃げ惑う。
だが、降ったのは蛍光雨ではなかった。

恵みの雨。
フロリゲンの雨だった。
雨はひと月、降り続いた。
ルミナールの蛍光雨で汚染された大地は、その雨で中和された。

そこから花が咲く。
希望の花が咲く。
植物が育つ。

食糧危機は回避される。
花であふれる世界が来る。
草壁博士が、子供たちに講義している。
「それはそこにいる真中とアイのおかげだ」。

これからは砂漠化との戦いが、始まる。
フロリゲンの雨が振るようにしたのは、片桐の償いだったのだろう。
ハルが何かを見つけ、叫ぶ。

アイは入院していた。
片桐とシオンはついに見つからなかった。
アイと真中は、瓦礫の中からリリィが見つけ出した。
シオンは私が傷つくと思って、真実を隠してくれていた。

真中は、私に愛や絆を教えてくれた。
今なら、真中の、教えてくれた文字の意味がわかる。
ハルが憎しみを覚え、自分と同じ殺し屋にならなくてよかった、とアイは思った。

真中は、アイの元に行く。
「さっき、ハルが見つけた。本物の花だよ」。
包帯で右目を覆ったアイに、真中が花を渡す。

だが覆われていないアイの左目も、動かない。
アイが花を触る。
「柔らかいな」。
アイの目は何も見ていない。

「間に合えてよかった」とアイが言う。
「約束だ」と真中が言う。
微笑むアイ。
「アイが、世界に花を咲かせるんだ」。

ハルにアイは、茶色の小さな袋を渡す。
「これはお守り」。
そう言ったアイの手が、袋を渡したハルの手から落ちた。


50年後。
ここまで過去の話をした男は、全て話し終えたと立ち上がる。
「あんた…、ハルじゃないのか」。
そして、それを聞いていた青年に茶色の袋を渡す。

「この話を聞いたからには、お前はもう引き返せない」。
茶色の袋からは、真中がアイに書いた「愛」の文字が出てくる。
青年は、アルカナの種を渡される。

「俺が貰っていいのか」。
手のひらで種を覆う。
「こんな重たいもの、俺、持ったことねえよ」。

「では俺は行くとする。任務を続けなければならない」。
そう言って、ハルは歩き始める。
「ハル!」と青年が呼び止める。

「ここから…、この種から咲くのは何て言う花なんだ?」
「ヘブンズ・フラワー…」とハルが答える。
「天国の花だ」。



いやー、最終回は片桐、三田佳子さんが見せ場を持って行った感じがしました。
さすがですね。
最後はもう、片桐、ワン・チュウメイの愛を求め、憎しみに彩られた生涯に思いが行ってしまいましたもん。
そして、そのチュウメイの運命を血で彩った本田博太郎さん演じるシャオガンに。

この2人が出ると、場面持って行っちゃうんですよ。
シャオガンと片桐のシーンなんて、やっぱり見ごたえありましたもん。
どうも片桐の姿に違和感あると思ったら、片桐はかなり凄惨な姿になっていたんですね。
最終回、そして最終回前、シャオガンと片桐のシーンの為に、見て良かったと思いましたよ。

川島海荷ちゃんだと、ちょっとかわいらしすぎた。
でも最終回は、結構ちゃんと見えました。
ランはカッコよかったですね。
たどたどしい感じもしましたが、純粋で思い込みが激しい子供が殺し屋やってる怖さみたいなものが出てたと思います。

そして、片桐と一緒に扉の向こうへ消えるシオンも、カッコよかった。
このドラマ、いっぱい人が死んでしまうのですが、それだけここは間違った世界だということなんでしょう。
最後にアイも死んじゃったのかと、それじゃみんなの思いがひとつ、終わっちゃわないかって思わないでもなかったですが、殺し屋ですから。
シオンは片桐と共に、そして片桐は憎しみを終えて、花を咲かせる手伝いをした。

花が咲いて、アイの使命は終わった。
アイは殺し屋だったから、愛を受け取って死ねただけで、十分…ってところなんでしょうか。
「愛が砂漠化した世界に、花を咲かせる」ってロマンチックでもあり、陳腐でもあるテーマをハードに見せたドラマ。

ただ、これは見た時に、確かにあの時の状況では放送…できない…、と思いました。
改めて、現在、震災の影響で日常生活が奪われた方々を思わずにはいられません。
一日も早く、復旧しますよう。
そして、このドラマが普通に放送されるような世の中であってほしい、と願わずにいられません。


2011.09.27 / Top↑
BSプレミアムで、「塚原卜伝」の番宣番組を見ました。
本田博太郎さんは、将軍・足利義植役でした。
2話からご出演みたいです。
白塗りで、歯も黒かったかもしれない。

卜伝が挑む御前試合で、御酒をお召し上がりになってました。
尊大そうなその態度、対して3話では暗殺されそうになって、非常におののいていました。
もう、楽しみ過ぎます。
番組自体はワイヤーアクションも使った時代劇みたいですが、堺さん同様、これも楽しみに待ちましょう。

明日は、いや、もう、今日ですか、月曜日。
おやすみなさい。


2011.09.26 / Top↑
すご~く!天気が良くて、湿度が低くて、快適!
こういう天気、大好きですね。
どこかへ出かけたくなりますが、家の近くでうろちょろしてます。

お昼を食べてテレビを見ていたのですが、BS時代劇で「塚原卜伝」放送なんですね。
主演が堺雅人さん。
おーっ!見たい!

堺さんなら、剣豪を見事に演じてくれるでしょう。
私は子供の頃、宮本武蔵が後ろ向きの卜伝に斬りかかり、卜伝が鍋の蓋で防いだ、卜伝は武蔵の剣を交わした人として覚えました。
しかし、武蔵と卜伝は生きた時代が違うらしく、これは脚色された話みたいですね。

共演は栗山千明さん。
「浪花の華」の左近殿じゃありませんか。
あの美しく強く、そして自分の宿命を知りつつ、まっすぐな道を行く緒形洪庵に惹かれていく男装の剣士はすごく良かった。

そう思って見ていたら、あれは…。
あの白塗りの、卜伝の勝負を高みの見物していた高貴な身分のお方は…。
本田博太郎さんじゃないですか?!
ぎゃーっ、素敵!

こういう役は以前は成田三樹夫さん、菅貫太郎さんが良かった。
「麻呂のものになれー!」とか言われちゃうと、もう悶絶もの。
現在は石橋蓮司さんが最高だったのですが、本田さんなら絶対、期待に応えてくれる!

本田さんに「麻呂は」「…で、おじゃる」とか言って欲しかったのよ。
見る、これ、絶対見る!
なんとしても見る!

興奮の余り、私、困った人になってますねー。
というわけで、10月2日(日)午後6時45分から放送。
再放送は翌土曜日、午前11時から。


2011.09.24 / Top↑
第16話、「主水、クモ男を取り逃がす」。

主水のところに、甚三郎という老人がのぞきをするという苦情が来る。
確かに甚三郎は高窓からのぞきをしており、主水は注意する。
甚三郎はその帰り、お里という少女に声をかけられる。
売春を持ちかけるお里に甚三郎は説教をして、怒ったお里は捨てゼリフを吐いて去っていく。

奉行所では、クモのように壁をよじ登って盗みを働く義賊・蜘蛛の茂平次を追っていた。
主水も捕り物に参加したが、夜更けなのに、屋根に梯子がかけてある。
梯子を外すと、田中さまが落ちてきた。
翌日、田中さまは誰かが梯子を外した、とエライ剣幕だった。

その翌日、お里は竜が組紐を売るところに現れ、万引きをしようとする。
察した竜はさりげなくお里を止めるが、お里は竜の店から離れて、今度は別の店で万引きをする。
万引きは見つかったが、利吉という男がお里の盗んだものの代金を払う。

お里を追ってきた利助だが、お里があくまでしらばっくれると声の調子を変えて、脅し始めた。
そこに甚三郎が通りかかり、お里を孫娘と言って、お里の代わりに代金を支払った。
不服そうな利助に、不当な請求はご法度ですよと釘を刺し、お里を連れ帰る。

闇の会に依頼が来た。
頼み人は甚三郎で、相手は今、吉原の総代を勤める丁子屋松エ門と女房のおもん。
そしてその使用人の利助と弥吉だ。
しかし、誰も受けず、加代も今回は見送った。

ガッカリする甚三郎。
加代は蕎麦屋で背中合わせに主水にその事を話し、のぞきの甚三郎がなぜそんな依頼をするのか、調べると言う。
主水は断った仕事に調べを入れる無駄を言うが、加代はまた依頼が来るかもしれないと言った。

甚三郎はお里を自分の長屋ではなく、秘密にしている大きな屋敷に連れて行く。
お里の年を聞いた甚三郎は、自分が女房と一緒になったく年齢だと言う。
そして、女房は24の時、なくなってしまった。

甚三郎の優しさに触れた天涯孤独のお里は、甚三郎を本当の祖父のように慕い始める。
後をつけていた加代は、甚三郎が大きな屋敷を持っていることに驚く。
金持ちの隠居生活と思われた甚三郎だが、実は甚三郎こそ、蜘蛛の茂平次だった。

しかし、年には勝てず、ある夜、甚三郎は壁をよじ登っていて落下した。
その帰りに主水に出会う。
甚三郎は地蔵に線香をあげながら、主水にもうすぐ女房の祥月命日だと言う。

その昔、甚三郎は大工だった。
松エ門は、甚三郎が自分も好きだった女を女房にしたことを根に持ち、ついに甚三郎の恋女房は、借金のかたに松エ門に取られてしまった。
女房は手篭めにされた上、女郎に売られ、散々働かされて甚三郎が見つけた時は死んでしまっていた。
甚三郎は松エ門に盗みを密告され、捕縛された。

以後、甚三郎は義賊として盗みをしていた。
闇の会へ持ち込まれたのは、その時からの恨みなのだった。
吉原でお大尽遊びをしながら、甚三郎は松エ門を遠くから見ていた。
利助からお里の話を聞いた松エ門は、お里に千両の借金があることにして、お里を吉原に勤めさせようとしていた。

利助が借用書を持って現れ、甚三郎は自分がお里を身受けすると言った。
身受け料は、千両。
甚三郎は政の所に行き、鍵を作ってもらう。
不審そうな政に甚三郎は、年を取って物忘れがひどくなり、蔵の鍵をなくしてしまったから、と言った。

その鍵を持って、甚三郎は蔵に侵入、外に渡した筒を通して小判を流して運び出し、千両を盗む。
政に作らせた鍵は、水の中に捨てた。
一部始終を政が見ていて、加代に知らせた。
加代は目の前で見ても、信じられない。

甚三郎は松エ門の所に行き、千両を支払った。
松エ門と対峙した甚三郎。
だが、その直後、松エ門の手配によって蜘蛛の茂平次として、町方に捕えられてしまった。
すがるお里に、お大尽のご隠居なんかじゃなかった、ごめんよと言って甚三郎は引き立てられていく。

闇の会が開かれる。
頼み人は、お里。
何かの時に、と甚三郎に持たされた10両が頼み料だった。

加代が受けてくる。
蜘蛛の茂平次は、獄門となった。
主水は「そういう俺たちも、いずれ獄門だ」とつぶやいていた。

お里が刑場に来ている。
政も、加代もいた。
千両も手に入れ、結局、甚三郎を殺して松エ門とおもんたちは大笑いしていた。

加代が壱を探している。
壱は吉原の丁子屋で、下働きをしていた。
表を掃除する壱を見た加代は「お似合いよ」と声をかける。

「ありがとよ」と言った壱に「貰い受けたげるからついといで」と言って、「いくら?」と聞く。
壱は丁子屋の手代に「兄さん、俺いくら借りてるんだ?」と聞くと、男は指を3本立てた。
だが壱は加代に、50両と言う。

「遊びすぎだよ、ばかっ!」と加代は怒りながらも、50両渡してやる。
「天下の吉原だよ」と言った壱は「あと10両。必要経費」と手を出す。
「吉原でなんかやろうとすると、それぐらいかかるだろう」。
「全く金のかかる男だねえ」と加代がぼやく。

「がんばるからよ」。
「当たり前だよ!」
加代から金を受け取った壱は取って返すと、手代に「おいっ!客だよ客!」と威張って戻っていく。

下働きで、丁子屋に入った加代。
ぶつぶつと怒る。
「ドジふみやがったら、全部返してもらうからね、ついでにあたしの家も掃除してもらうから!」

怒りながら、加代は階段に丁寧に蝋を塗りこむ。
壱がやってきて、加代を前にして、階段を途中で下りる。
「心を込めて、力強く磨きなさいよ」。

その夜、吉原で遊興中の壱が、外にいる政を見る。
主水が表にいると、加代がやってきて忘八たちに食事の用意ができた、酒もつけたと言う。
忘八たちは喜んで中に入る。
誰もいなくなるのを見て、主水が木戸から中に入る。

部屋に戻った壱は、女郎がタバコを吸っているのを咎めて、窓を開けさせる。
窓の向こうには、屋根の上に上った竜が見えるる。
壱が竜を見る。

竜が狙いを定めて、紐を半鐘を叩くかなづちに飛ばす。
そして、引っ張り、半鐘の金を叩く。
加代が、丁子屋で煙を出す。
火事と聞いて、丁子屋はパニックになる。

お客さん!と言った女郎に壱は「ようし、おめえ先に逃げろ!と逃がした。
壱が、残った酒を飲む。
その酒を、足袋に吹きかける。
廊下を行く壱市の足跡が、ぬれている。

丁子屋では、客と女郎が次々、加代が蝋を塗った階段を滑り落ちていく。
壱だけは滑らずに降りていくと、階段の裏に回る。
階段の影で、じっと待つ。

利助が現れ、あわてて廊下を走り、そして階段を滑っていく。
壱が背後から利助の首を捕え、そのまま首の骨を折る。
客は次々逃げていくが、利助はグッタリと倒れていた。
壱がすばやく、柱の向こうに隠れる。

弥吉は、屋根から逃げようとしていた。
そこを政がジャンプして、背後から刺す。
弥吉は、金を撒き散らしながら落下していく。

竜が屋根の上から女将のおれん狙いを定めるが、忘八が来て、一瞬、手を止める。
忘八を叱咤したおもんが、障子を閉める。
障子を突き破って、竜の紐が飛ぶ。

おもんの首に紐が巻きつく。
紐は障子を破って行き、穴を作った。
その破れた障子から、竜の姿が見える。
おもんが、がくりと首を垂れる。

加代の仕掛けがわかって、とんでもない悪戯と松エ門は怒りまくる。
松エ門が、座敷に戻ると隣の間から煙が見える。
主水が証文を燃やしていた。

驚いた松エ門に「この証文で泣かされた娘が大勢いるだろう。一枚ずつ燃やして、供養してやろうと思って」と主水が言った。
松エ門は、あわてて引き出しから金を出し、主水に金を握らせようとする。
主水が松エ門を、正面から刺す。
松エ門が驚愕して、絶命する。

仕事から戻った主水は、中村家で屋根の修理をさせられた。
主水が屋根に登ると、せんとりつが梯子を外す。
蜘蛛男捕縛の一件から、主水に高いところに慣れてもらおうと思ったと2人は言う。
足を踏み外しそうになり、主水はあわてて屋根にしがみつく。



竜の殺しのシーンの撮り方が、結構凝ってました。
半鐘鳴らすのに、竜の技が冴える。
お里が万引きしようとしたのを、はた、と抑えてさりげなく、お客さんにはこれは似合わない、こっちの方がいいと言う。
なかなか、只者じゃないところを見せてました。

天涯孤独で突っ張って生きてきたお里。
最初に闇の会で誰も受けなくて、闇の会は本当にやる気がない。
でも前回成立しなかった依頼は、もう一度、お里がやってくれて成立。

難関突破でもない、老義賊の恨みを晴らすお話ですが、仕事の舞台が吉原。
ということで、この男、壱が登場。
登場といっても、下働きしてたんですけど。
お金、足りなかったんですね。

でもそこは、壱。
ちゃっかり加代に20両も多く要求して、その上、10両の遊興費も貰ってる。
あれだけ政にはがめついのに、加代はか壱にはガードが甘い。

金を手にした壱はいきなり、下働きからお客に変貌。
今までお掃除していたのが、ふんぞり返って「客だよ!」と入っていく。
手代は首をかしげながら、客というか、まあ、お金持ってるならしょうがないですわね。

壱が用意周到に足袋に酒をふきかけて、足跡が1人、ぬれているのも芸が細かい。
階段を降りて、陰に回って標的が落ちるのを待つのも緊張感ある。
あれだと、利助は階段から落ちて首の骨を折ったってことになるのでしょうか。
でも丁子屋夫婦も、弥吉も死んでますからねー。

だけど、ここでの奉行所はほんとに無能っぽいから、それで済むのかも。
よれよれになりかけている茂平次さえも、捕まえられなかったし。
今回のサブタイトルは、関係なくもなかったですね。

「激闘」じゃなくて「普通の」仕事人みたいですが、壱の個性もあっておもしろかったです。
壱は後半から出てくるんですが、壱が出てくると加代もおもしろくなる。
「激闘編」を引っ張っていると思います。
私としては壱を見ていると、おもしろいのでOKです。


2011.09.24 / Top↑
現在、「必殺仕事人V 旋風編」を見ていますが、8話を見て思ったこと。
「商売人」で、主水とりつに子供ができたことは、もう無いことになってるんでしょうか。
うーん。

話は、香具師の元締の騎西屋・宇兵衛が、主水が管理する百軒長屋の大工・多吉の女房・おむらに目をつける。
そんな矢先、多吉は棟梁から預かったお金をすりに取られ、宇兵衛のところの鎌吉の話に乗ってしまう。
話というのは、宇兵衛におむらを渡すことだった。

実は、おむらは吉原で昔、女郎をしていた。
しかし、おむらは植えた木に幸せを感じるような、慎ましい生活を送る女性。
女郎だったことなど、忘れたいだけ。

そんなおむらなのに、多吉は思い余って言ってしまう。
「俺の為には命も要らねえって言ったじゃねえか。吉原の女郎上がりが、俺の為にたった一人の男とも嫌だと言うのか」。
それは決して、言ってはならない一言だった。
おむらは首を吊って、死んでしまった。

そして多吉は、全て宇兵衛がおむらを手に入れる為に仕組んだことだと知った。
惜しい女をなくしたもんだ。
宇兵衛の言葉に、多吉は逆上。
鎌吉は悪びれずに、事の真相を話す。

多吉は鎌吉に襲い掛かるが、逆に騎西屋の連中に袋叩きにあう。
長屋に戻ってきた瀕死の多吉は、主水に恨みの筋を話して息絶える。
だが、政は承知しない。
多吉も言うように、女房を殺したのは多吉なのだと政は言う。

女郎上がりの女房を持ったなら、決して、口にしてはいけない一言をあの男は口にした。
だから、女房を殺したのは多吉だ、逆恨みだ、同情はしないと。
しかし、全てが仕組まれてのことだったら?
それなら話は別だが、宇兵衛が仕組んだことという証拠はあるのか。

すると、証拠はないが、証人ならいると銀平。
俺だ。
こうして仕事は成立し、宇兵衛たちは仕事に掛けられる。



なるほど、サブタイトルは「主水、コールガールの仇を討つ」で間違っていない。
現代風に解釈すると、タイトルはそうなるでしょう。
「必殺」は時代のネタを取り入れたバラエティー的な時代劇という、そんな印象はこの辺りから来ているんでしょうね。

お話自体はフォーマットに沿ったもの。
仕事人の近くの人が被害にあい、恨みを託すというお話。
見ていると、「激闘編」だって中盤からは良く言えば安定感ある話、悪く言えば決まったパターンの話が増えるんです。
どの作品も、中盤は安定した話、パターンというものが増えている傾向は確かにあります。

まあ、あくまで私の場合ですが、そこを楽しませてくれたのがキャラクターたち。
「激闘編」の場合は、壱の存在でした。
壱がどういう反応をしたか、とか、どう考えてどう行動したかとか、見ものだった。

「激闘編」を見た後だと、やっぱり、キャラクターがすごく重要だと感じます。
だから、キャラクターによって興味をひきつけることはできるな、と思ったのでした。
そして、実力ある俳優さんの魅力を、最大限に活かすこと。
「仕舞人」の本田博太郎さん演じる直次郎を見た時も、そんな感じがしました。

殺しにガチガチに緊張する小心者の殺し屋が、事件に当たった時の反応が非常におもしろかった。
「新・仕置人」にもあった話でも、キャラクターの個性でまた、違った楽しみ方ができた。
でも、そういった新しいキャラクター開拓もキャストも、もう限界だったのかもしれませんが。

今回は政の「女郎上がりの女房を貰ったなら、決して口に出してはいけない一言を言った。だから女房を殺したのは多吉だ」という一言がよかった。
無骨で、でも誠実な政らしくてよかった。
こういう、キャラクターが光るシーンが「旋風編」でもっと見たいと思います。

それで、「旋風編」での銀平とお玉という新キャラクターと、再登場した順之助。
今見ると特に悪いわけじゃないんですが、どうも成功してない感じがします。
銀平に主水と一緒に、物語を引っ張るだけの勢いがない。
個人的な好みだろうと言われると、そうなんですが。

お玉は綺麗なんですが、加代のがめつさとか持っていたムードは、結構盛り上げていたんだなと思いました。
あんまり役に立ってなくても、ずいぶんがめつい、と思わない時もなかったんですが。
田中さまよりずっとずっと怖い、鬼塚さまが西田健さんというのは好きですね。
もうちょっと西田さんを活かすと、新鮮でおもしろかったのに。

もうすぐ、「旋風編」も終わりみたいです。
「風雲竜虎編」は「必殺」で三浦友和さんを見るのが初めてなので、楽しみです。
この後は、テレビ埼玉は何を放送するんでしょうか。
やっぱり、「必殺」は終わりなんでしょうか。


2011.09.23 / Top↑
すごかったですねー、昨日の台風。
少なくとも、ここ10年であんなにすごかったのは初めてじゃないかと。
友人の家のベランダの屋根は、半分飛んだそうです。
ショックを受けつつ、どこかに被害をもたらしたのではないかと、心配しています。

そして、今日は暑い。
最後の夏日になるんでしょうか?
もうお彼岸だし…。
台風一過の青空は、うれしいんですが。

気がつくと、明日から3連休。
しかし、今日は何だか疲れている。
台風の時って眠くない?なんて聞かれましたが、気圧が変化するせいでしょうか。
私は今日が眠いわ…。


2011.09.22 / Top↑
初めて、サッシの溝に水が溜まるという現象が起きました。
じわっと溜まっていくのですが、放置していて良いわけはない。
タオルを詰めて、これでOKでしたが、今回の暴風雨の凄まじさを実感しました。
被害が出た地域の方の大変さが、少し判った気がします。

昨夜というか、日付変わる前、時計見たら10時31分だったんですが、地震なかったですか?
タオル洗っていたら、何か、ゆらゆらした気がしたんですが…。
台風直撃の後、地震とかもう。

「こんな時、地震来たら怖いね」。
「やめてくれー」。
本当になるとか、本当にやめて。

今年は規模が大きい災害が、多い。
昔はこういう時、その前に何かあると、その祟りとか、神の怒りだとか思ったんでしょうね。
これから台風の進路の地域の方は、十分お気をつけください。
大きな被害が出ませんように。


2011.09.22 / Top↑