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「必殺仕事人V 旋風編」最終回

火曜日から、寝ても寝ても眠い。
睡眠は十分とっているのに、眠い。
そろそろ、夏の疲れが出る頃なのでしょうか。


テレビ埼玉で放送していた、「必殺仕事人V 旋風編」が最終回。
千代松とおりんが、百軒長屋のごみ捨て場で鶴の死体を見つけた。
2人はそれを持ち帰り、銀平が鶴をさばいて、長屋に配る。
長屋は大喜びで、主水も貰った手前、そのまま黙っていることにした。

だが、その翌日、御台所寵愛の丹頂鶴のユキシロが、吹上御苑から逃げ出したとのことで、吹上奉行目付・山口俊助と南町奉行所与力・金丸治平が奉行所にやってくる。
どうも、ユキシロは石川島辺りに逃げたらしい。
もしや、百軒長屋で配った鶴は…。
主水は真っ青になる。

政の元に、ユキシロの世話係の大奥女中・滝山が現れる。
千代松とおりんは、鶴を殺したのは鷹の仕業に見せかけようとしたが失敗。
2人は逃げたが、百軒長屋の連中は奉行所に捕えられる。
鶴をさばいた銀平にはわかったが、鶴は首を折られて死んでいた。

しかし、鶴は長屋の連中に殺されたことになってしまう。
政は憤慨。
だが、政と滝山は武士に襲われる。
銀平が駆けつけたが、その武士は山口と金丸だった。

長屋の連中には、罰金10貫文が課せられたが、長屋の人間に払えるはずもない。
そこで、金丸が金貸しの手代・武助を紹介する。
10貫文を1年の分割払いで利息は3分にして貸すと言うが、お玉は怪しむ。
順之助もまた、今度のことに疑問を抱くが、長屋の連中はお金を借りてしまう。

銀平と政は、山口と金丸の密談を目撃する。
全ては山口、金丸と武助、そして土地を転売して利益を得ようとする戸吹屋が百軒長屋の土地を手に入れる為に仕組んだことだった。
滝山は山口とユキシロを通じての恋人同士だったが、山口は滝山を殺そうとしていた。
政はそれを滝山に告げられず、「誰も信じちゃいけねえ」と言うだけだった。

百軒長屋の連中は、証文を盾に、長屋を追われてしまった。
立ち退きを拒否するお玉だったが、戸吹屋は長屋を破壊し始める。
家の中に居られず、お玉も飛び出す。
長屋に来ていた滝山は、山口に事の次第を問いただすが、山口は滝山を刺してしまう。

政と銀平は滝山を助け出す。
滝山は政の腕の中で、「あなたのような優しい人に会えて良かった」と言う。
政は瀕死の滝山の頼みで、山口たちを仕事にかけることにする。

その夜、山口たちは滝山を引きずりだそうと、百軒長屋に放火する。
仕事人たちが集まり、山口たちを始末していく。
炎の中、お玉のサポートで武助をバズーカ砲で撃つ順之助。
戸吹屋と金丸は銀平と主水に始末され、政は山口を仕留める。

燃え上がる百軒長屋。
船で脱出しようとする仕事人たち。
主水とお玉も別の船にいたが、主水は順之助と銀平が乗った船に向かって「火薬を捨てろ」と叫ぶ。
その時、順之助の持っていた火薬に引火し、大爆発が起きた。

火薬は水中での爆発を何度も引き起こし、順之助は川に放り出され、浮いてこない。
銀平は浮いたものの、流されていく。
政が必死に手を伸ばし、銀平の手をつかむが、銀平は政まで危ないと感じ、手を離せと言う。
必死に銀平の手を握った政だが、銀平は政の手を離し、やがて政の手も抗いきれず離れてしまう。

流れていく銀平。
政は水に飛び込むが、銀平は見えなくなる。
主水とお玉は息を呑んで、見守る。
「今回の仕事は、高くつきやがった」と、主水は言うしかなかった。



旋風編の最終回。
銀平が流されていく辺りからは、仕置人の音楽がかかり、それなりに終末感が漂います。
これ、銀平に愛着があったら、かつての殺し屋さんたちが最期を迎える時みたいな悲壮な気持ちになったと思います。

政が滝山関連で命を落としたりして、それだとかなり悲しかったはず。
やっぱり、キャラクターに愛着とか感情移入していないとそういう気持ちにはなれないですよね。
今までの容赦ない「必殺」の終わり方だと、政が死んじゃうというのはアリだったんですが、この時はないですね。
続けるなら政みたいなもうひとつの柱がないと、ドラマよりキャラクターへの比重がより重そうなこの時期、主水一人では重さがかかりすぎてキツい。

でも銀平と順之助は次の新展開には邪魔だから、終わりにしちゃおうか。
いや、そう勘ぐりたくなるほど、さっさと次!みたいな銀平と順之助の最期なんですよー。
愛情がない。
だけど、政は最後まで仲間として、銀平に手を差し伸べ、探しに川に飛び込んでる。

順之助だって、思い入れがそれなりにあるキャラクターだったはず。
あまりにあっさり、あまりに唐突に姿が見えなくなって、その扱いに悲しみが漂いました。
何というか、もうさっさと全部終わらせちゃえー!って思って、作りませんでしたか?と言いたくなる愛着のない終わり方。

主水も悲壮な表情はしてるんですが、「今度の仕事は高くつきやがった」で終わり…?という感じがします。
お玉もせっかく、虎の娘という設定にしたんだから、もっと殺し屋の元締めの父親を持った娘として、描くことができたんじゃないかと思ってしまう。
何というか、全員の描写が薄い。
あれほど、濃密に人間や、人間の業を描いた「必殺」なのに、殺し屋も被害者も描写が薄い。

じゃあ、「III」辺りから顕著になった現代の風俗の反映とか、キャラクターの軽さを楽しむ展開がおもしろいかというと、そっちも機能していない感じ。
百軒長屋はお上が作ったものなんですが、お上の一員が私利私欲の為に壊しておしまい。

こうやって見ると、ストーリーは最終回らしく、百軒長屋の崩壊として、結構、ちゃんとしてるじゃないかって思うんですけど。
いろいろと事情があったのかもしれないのですが、何だか作品自体にスタッフが愛着を持てなかったのが伝わってくるような、そういう意味で悲しい最終回でした。


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