樺太犬と聞いて

気がついたんですが、土曜日、「ヤング・ブラックジャック」も再放送していたんでした。
ラストに、本田博太郎さんが出たはず。
昼寝なんかしていたので終わっちゃったんですが、見ていたら本田さん2連続だったのかー。


「南極物語」で思い出したんですが、私が子供の頃、知り合いが樺太犬を飼っていたそう。
この犬は、全然吠えない。
散歩すると他の犬が怯える、吠える、でも本人、いや、本犬は超然としている、狼みたいな犬だったとか。
でも、この犬、とにかく、家の人間には従順だったそうなんですね。

その家の近くに金属を加工する工場があったらしいんですが、ある夜、そこに金属泥棒が入った。
ところが最近、あちこちで被害届けが出ていたので、警察はパトロールしていたんです。
追われた泥棒は、向かいが公園だったので逃げやすかったのか、その知り合いの家の庭に逃げ込んだ。
泥棒は警察が去るまで、潜んでいようとしたらしいんですね。

それで、知り合いの樺太犬は、吠えないんです。
吠えないから、気がつかなかった。
泥棒は安心して、潜んでいた。
そこにいきなり…、アキレス腱かなんかいきなり噛まれてのしかかられた。

突然の大きな犬の攻撃に、泥棒は悲鳴をあげた。
警察官が気づいて、やってきた。
ひえーひえー言っている泥棒を押さえつけて、捕まえた。
犬は姿が見えなかった。

さて、家の人に挨拶して連行…と思った途端、警察官も思いっきり、突然背後から噛まれた。
しかも、アキレス腱かなんか。
樺太犬にしたら、泥棒も警察官も同じ侵入者!
騒動に家の人が起きてきて、あわてて犬を呼び戻した。

その時の樺太犬はもう、家を守った達成感で、いっぱいだったんでしょうねー。
「やりました!」って感じだったらしい。
いや、家族にしたら、かわいくてたまらない、これは。
しかし、警察官が…。

でも噛まれた警察官、一言、「いやー、素晴らしい犬をお飼いですね」と。
お巡りさんもえらい!
この家、書いたように公園の向かいにあるので、たまにボールなどが転がってきてしまうことがあるんですが、絶対!
絶対、勝手に庭に手を伸ばして取らないよう、家の者に声をかけるよう、厳重注意していたとか。

この話を聞いてからずっと、樺太犬ってすごいと思ってました。
家の向かいにいたのは、ハスキーちゃん。
この犬も、そり引くんでしたよね?

回覧板持って行くと、しっぽ振りまくって、抱きついてきて、遊べました。
顔は怖いけど、とってもフレンドリー!
引っ越しちゃってから、回覧板を持っていくのが寂しい。


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予想外の遭遇

今週の木曜日の「科捜研の女」に、本田博太郎さんが出演すると聞いて、急いで録画。
半分、土砂に埋まった死体で登場!
その後の捜査で、この秘書は事故でも他殺でもなく、議員の汚職の疑惑をやり過ごす為に自殺したことがわかる。

今回は犯人じゃなかったんですね。
しかも、家庭を犠牲に、妻が倒れた時も議員を優先して、息子に恨まれ、親子の間は断絶状態だった。
人の良い、かわいそうな秘書役でした。
キレさせろとかいうんじゃなくて、本田さんの使い方としては、もったいなかった感じがします。

そして土曜日、急に肉じゃがを作ろうと思いたち、お昼をちょっと過ぎながら食べ、テレビをつけると2時間サスペンスの再放送をやっていました。
子供が誘拐され、身代金を父親である院長が指定場所まで運ぶ!
おおっ、本田さんだ!と、視聴決定。

渡瀬恒彦さん主演の「タクシードライバー」シリーズだったので、身代金を一緒に運べと指定された看護師が犯人ではないかと予想。
おそらく、博太郎さんは忘れているが、この看護師の過去に恨まれるようなことをしているはず。
看護師自身と言うより、看護師の家族に何かしでかして、みんなの運命が狂うようなことを。
それで本人は看護師に会っても忘れていて、それが一層、怒りの炎にガソリンを注いだ形になって、犯行を決行と見た。

始まって30分ぐらいで、博太郎さんは待機するように言われた車が炎上して、殺されてしまいました。
院長には愛人がいて、殺害には離婚寸前の妻が絡んでいましたが、予想に近い結末でした。
今週は博太郎さんを予期せず、2回も見られた。
予想外の遭遇。


その後、なんと2時から4時近くまで昼寝してました。
最低の休日の過ごし方!
4時から取り返さなくちゃ、ということで、買い物に行って来ました。
日曜日は昼寝をしないようにしなくては。

今日の「塚原ト伝」は、本田さんの公方さまが出演しないので、寂しい。
榎木孝明さんが出るのは、楽しみ。
「南極物語」の犬がかわいくて、和みます。
犬…、タロウ、ジロウがんばれ。


家政婦は三田、いや「家政婦のミタ」

この秋は、結構ドラマ見てます。
それで楽しんでいる一つが、「家政婦のミタ」。
きっかけはkeiさんの記事
「家政婦は見た」から来たタイトルなのはわかりましたが、何も知らない時はコミカルなドラマかと思ってました。

昔「コピーの三田」なんてCMがあったことも、思い出しました。
引っ越す前は、最寄りの駅近くに「本屋の三田」というお店があったことも思い出しました。
いやー、そこはでっかいマンション建っちゃったんですが。
松嶋菜々子さんが万能家政婦を無表情に演じているところが「女王の教室」ぽいな、とも思いました。


母親が川で事故死した、長女、長男、次男、まだ幼稚園に通う次女と父親の家庭。
49日が過ぎ、日常を取り戻そうと、家政婦を頼む。
そこで来たのは、見るからに変わっている三田さんと言う家政婦だった。
家事は完璧にこなし、できることなら全てやってくれる三田さんだが、表情がなく、また感情が感じられないのだった。

第2回を見ていて笑ったのは、幼稚園生の次女はやっぱり母親が恋しいんだろうなあと言うか、あの無表情の三田さんにスキンシップしながら、
♪この坂をー、登ったらー、右に行きー、木があっります♪と母親と歌っていた、自分の家に行く道を歌った歌を一緒に歌うんですが、三田さんも一緒に歌ってと言う。
すると三田さんは歌ってくれるんですが、次女の歌声の後に同じ歌詞を全く棒読みで繰り返すだけ。

「この坂を、登ったら、右に行き、木があります」。
メモでも取ってんですか!って。
自動販売機が「ありがとうございました」、エレベーターが「上へ参ります」と喋る方がまだ、愛想いいぞ!って感じ。

第1回ではこの三田さん、次女が母親に会いたいと泣くと、ロボットのように会えませんと言う。
うは、冷静。
「死んだら会える?」「一緒に死んで」と言われると、三田さん、「はい」と言って一緒に母親の溺れたという川に入っていく。

それはもう、向こう岸に渡るぐらいのつもりと勢いで。
ぬれるのも沈むのも、全く意に介さない。
見つかって止められなきゃ、あのまま行ったぞ。

長女に頼まれた三田さん、母親の遺品を庭で燃やす為、ためらいなく火をつける。
「やっぱり止めてー!」の展開になり、水をかけると、隣の何かと絡んでくる感じ悪い主婦が嫌味を言いに来る。
すると無表情に水をかけて、「火がつくと危ないので」みたいな一言を淡々と。

この人に嫌味を言っても、パソコンに向かって悪態ついて何も解決しないのと同じ。
イライラした方がストレスたまる一方、ってやつです。
まだくすぶっている中から、缶を拾い上げ「三田さん、熱くないの?!」と長女はギョッとする。
「ブレードランナー」で、煮立っているお湯の中から卵を拾い上げるレプリカントかと。

第2回は次男がいじめっ子を「殺して」というと、「わかりました」。
いじめっ子が次男を脅そうとしていたエアガンをパンパン撃たれても、表情一つ変えずに迫ってくる。
首を絞めて無表情、あわやというところで次男が「やめろー」と飛び込んでくる。
「あなたが頼んだんじゃないの」と言いたくなりましたけどね、「ターミネーター」で、警察署を襲撃した時のターミネーターかと。

次男が「殴られたことある?」
三田さん「あります」「痛かったです」。
「どうしたらいい?」と聞かれると「それはあなたが決めることです」と答える三田さん。

結局、次男はいじめっ子と対決。
一方的に殴られるも向かっていく次男と、その側でただ立ち尽くしている三田さんに怖れをなしたいじめっ子は「おまえら何なんだよ!」と逃げていく。
これでよかったのか、わからない次男の目を見て三田さん、「わたくしは…、大変、よかったと思います」と一言。
次男は満面の笑みを浮かべる。

そして翌日、泥だらけにされていた次男のスニーカーは、下駄箱を見ると、ぴかぴかの真っ白になっていた。
い、いつのまに三田さん!
三田さん無表情にお見送り「行ってらっしゃい」、次男ニッコリ。
ここで主題歌の「優しくなりたい」が流れる。


崩壊しかかった家庭を外から来て家庭に深く関わることになった人物が、家族を再び結びつけるお話ってあります。
この人物は家庭教師であったり、家政婦であったりする。
そして散らばる問題は親子関係から、現在はご近所問題、いじめ、父親の不倫など。
こういうドラマは、その家庭に関わる人物の個性によって、展開が違ってきます。

「家政婦のミタ」は今時のドラマで良くある話が良くある解決を見せるかと思うと、三田さんの個性がこちらの想像を超越していた。
三田さんに感情が見えないし、「わたくしにできることなら」と何でもやってくれるし、また、何でもできちゃう。
嫌な顔もしないし、軽蔑もしない。
なだめるとか、冷静な助言をしたり、社会常識的な判断をうながすとか、そういうこともしない。

そんなだから三田さんにはエゴや悲しみ、マイナスな頼みごともしてしまえる。
すると、万能な三田さんは、こちらの想像を超える行動を取り、遂行してしまう。
結果、三田さんが何か言ったりやったりすることを、痛快に感じてしまう。
ロボットかと思うような三田さんですが、人間のようです。

第3回の今週は、父親はずっと隠していたが、不倫が原因で妻が自殺したことが、長女にわかってしまった。
長女は父親が自分たちを捨てて、その女の人と結婚しようとしたことも、その女の人をかばったのも許せない。
母親が父親の悪口を言っているのを聞いても、お父さんを信じていたのに。
長女、「会社行って、全部ばらしてきて!」と三田さんにお願い。

三田さん、「わかりました」。
そして、三田さんは会社のロビーで良く出来たビラを撒く。
父親の書いた離婚届のコピーと、「あなたに捨てられるなら私は死にます」と妻が書いた遺書。

それに不倫の相手の名前と、1年前から不倫をしていて、それが原因で妻が自殺したが、子供たちには事故と言っていたことなど事の次第を書いてあった。
三田さん、作ったんですか。
会社のロビーでビラの文章を言いながら撒いていて、警備員が会社の敷地内で勝手なことしたら困るよとやってきて言うと、すっと会社の外に出て配った。
確かに敷地の外だ、しかも合理的な行動だ。

父親は家に戻ってきて、新プロジェクトのリーダーだったがプロジェクトから外されたこと、もしかしたら地方に飛ばされるかもしれないことを言う。
長女にどうしてあんなことしたんだ!と言うが、長女は三田さんに弟と妹に今日会社で言ったことを言ってくれと頼む。
三田さんの昼間の言葉の繰り返しに衝撃を受ける兄弟、次女だけは幼すぎて意味がわからない。

警察にも遺書があったことは言っていないのかと長女、父親は事故にしておけばお前たちを傷つけないで済むと思ったと言う。
「俺たちのせいにするなよ!」
そこで次男の鋭い一言。
「自分を守っただけじゃねーかよ!」

父親は、妻を愛していたかどうかも今はもう、わからないと言い、長男は父親を殴りそうになる。
プロジェクトのプレゼン書類が落ちる。
「家族を守る町作り」というキャッチフレーズが空しい。
「他人の家なんか、作ってんじゃねーよ!」と叫ぶ長男。

全てを知ってしまった4人兄弟は、家を出て行く。
主題歌の流れる中、残された父親は半泣きで、本当は結婚なんかしたくなかったけど、子供ができていて、捨てたら死ぬと言われたからとか三田さんに心情を吐露。
子供ができたら変わるかと思ったら、変われなかった。

そのうち、子供たちに自分の正体を見透かされているようで、気合を入れないと子供とも話せなかった。
自分のホッとする場所はトイレと車の中だけ、と。
そんな嵐のような修羅場の中、三田さん、勤務時間が終わったので帰ります宣言。

呆然とした父親。
「何なんですか、あなた!あなたには心が無いんですか?」と言う父親に対して、三田さん「ありません」。
幼稚な父親が「…え?」とビックリするのが、ちょっと痛快。
「そんなもの、どこかになくしました」。

主題歌が終わり、大きな月が浮かぶ空。
坂道を無表情に、三田さんが下っていく。
いつもの帽子、ダウンジャケットで。


家政婦紹介所の所長さんの「あの子は、笑ってはいけないと思ってるんでしょうね」という言葉など聞くと、過去に何かあった設定もあり。
長男と次男と次女が、お休みの日の三田さんを尾行すると、三田さんは遊園地に行き、1人で2人分のランチを買って、ずーっと座っている。
ランチには手をつけず、微動だにせず、夕暮れが迫ると、三田さんはトレイに乗ったままのランチを返して帰路に着く。

どんな家に帰って行くのか…と引き続き尾行した3人だけど、曲がり角を曲がった三田さんの姿は雑踏の中にはなかった。
うーん、謎だ!
ものすごく謎な行動、謎な人だ!
鋼鉄の女の過去を放送した「女王の教室」のスペシャルには納得はしましたが、謎のままというのもおもしろいでしょう。

松島さん、「ラストマネー」の高島さんと同じで、役の幅が広がったのでは。
老けたとか言われるのを承知で、あの役作りしてると思います。
いや、それでも見ていて、綺麗だなあと思いますよー。
ああいう役をやるには十分、綺麗で魅力的でないと見ているとつらいから、実際には十分魅力的なんですけどね。

自分の美しさやカッコよさを見せたいだけの人、自分の売りにばっかり重きを置いている人って、見ていても、その人のファン以外は楽しめなくないですか?
確かに、実生活でも、そういう人と接しているのは退屈だし。
それがモデルでもタレントでも、ましてやこれが俳優や女優なら見ている方は、ファン以外はつまらない。
でも、松嶋さんや高島さんは、今までのイメージや美貌を中止しても、人を楽しませてくれる人だったんですねー。

若い頃、カッコよかったり美貌で評判だった人が、ちゃんと老け役もできるようになるって、そういうことなのかと。
家政婦紹介所の所長さんの白川由美さんだって、そうですもんね。
この方、いつもアロハ着ていて、三田さんのことを「あの子」と呼ぶ、唯一、三田さんの何もかもわかっている感じの陽気な人。
日本テレビのドラマって水曜10時も土曜9時も、ここ最近見ていなかったんですが、これと北村一輝さんが出る「妖怪人間ベム」は見ると思います。


ここで最後?なのかな?「必殺仕事人 激突!」放送に思う

「風雲竜虎編」の再放送が終わり、「激突!」が始まりました。
ここで一応、「必殺」シリーズは終わったんでしたよね?

最初に自分が見た「必殺」はたぶん、「仕留人」の第1回。
当時、「必殺」は土曜日だから、翌日お休みということで、親も大目に見てくれたんですね。
だけど、私はたまに熟睡してしまっていて見られなかったりしました。
友達で、この時間まで起きていられた子、自分が目を覚ましていられて、なおかつ親も視聴をOKしていた子は「助け人」を知っていたと思います。

「水戸黄門」「大岡越前」「銭形平次」などの時代劇、判じ物とは全然違って衝撃でした。
「仕置人」なんか、主人公たちは棺桶かついで死体を引き取りに行ったり、誰もやりたがらないような仕事をしている。
お上も胡散臭い奴らがいると思っている長屋で、実際、無宿人狩りが起きると引っ張られるような人たちが暮らしているんです。
仕置きする側も頼む側も、底辺に近いところで生きているんですね。

主水は社会的にちゃんとした地位がある、裏稼業の人間としては特異な立場。
だけど、社会的に保障された身の上でも、いや、だからこそ、自分の無力さを思い知るような出来事を散々見て来ている。
奉行所と言う役所に勤めているからこそ、裏の裏を見てしまっている。

底辺を知っている人たちだからこそ、残された最後の幸せだけは守りたいと思う。
また、守ってやりたいと思う。
そこで、残された最後の人間の尊厳を、幸せを踏みにじられた時、仕置人たちが動く。
彼らには決して恵まれた生活をしていないからこそ、ささやかな幸せを奪われた人の気持ちがわかるんです。

「仕置屋稼業」の第2話で、捨三が市松を殺し屋と言うシーンがあります。
主水が俺たちだって同じ殺し屋じゃねえかと言うのに対し、「あっしらは仕置屋ですよ。仕置屋と殺し屋じゃ全然違うんですから」と捨三は言う。
殺し屋と仕置人、仕事人たちの違うところは、何だろう?

どちらもお金を貰って、人を殺す。
違うのは、殺し屋は時に理屈が通らない殺し、悪くない人もお金次第で殺す。
仕置屋はお金は貰うが、悪辣さ残虐さ、そして恨みの深さで動く。
動く理由はお金だけど、お金だけで動くならただの殺し屋。

こんなのが違いかな、と思いました。
何の権力もない人間が逆襲する「仕置人」は、ものすごいカタルシスを感じさせました。
あれだけのことをしたら、そう簡単には忘れられない。
だから「仕置人」の続編として始まった「仕留人」で主水は、またあの世界に戻りたがっていたんですね。

そして「仕留人」は最後に、仕置きされる側にも別な面があり、仕置はその人たちを不幸にもしていることを突きつけました。
世の中は変わらず、何も根本的な解決には至っていないことも。
これに対する明確な答えは、見つからないままでした。

しかし、その後に始まった「仕置屋稼業」では、それでも許せないものを前にした時には動かざるを得ない主水を描きました。
おこうに「いっぺん、お仕置きをした人間は抜け出せないのと違いますか」と言わせて。
さらに「仕業人」をはさんで再び鉄と組んだ「新・仕置人」では、冒頭で主水に「忘れていた。この稼業に一旦足を突っ込んだら、幸せなんてもんは望めっこねえ」と言わせていました。

「新・仕置人」ではそうして、仕置きによって不幸になった人を前にした時、彼らなりに贖罪するのみ…、というエピソードもありました。
そうして、物語の終わりには彼らに、今までの罪を償わせる時が訪れました。
ある者は死に、生き残った者も決して安定した生活はつかめず、また心の平穏は訪れない。

しかし、生き残った者は答えが出ないままでも、やがてはまた、怒りを武器に、悪に逆襲をせざるを得ない。
時にはそれは物語の結末をつけただけで、誰も救いはしなくても。
そして、また報いを受け、仲間との別れもある。
空しさとカタルシスと、決して正義ではないが、通り一遍のヒーローにはないダークな魅力にあふれた殺し屋たちがこの過程を見せてくれました。

1時間内でも彼らと被害者、加害者側を掘り下げた描写。
その結果、「必殺」は主役が誰というわけではなく、その時々、誰もが主役になれたドラマでもありました。
さらに、人の命という、これ以上ないものをやり取りする為に、濃度の濃いドラマが生まれました。
余韻を翌日まで引きずらせるような、深さもありました。

良い悪い、好みを別にしてその「必殺」は変化して行った。
ブームになり、下火になって消え、しかしみんなが覚えていて現在も作られる。
いやー、いかに魅力的だったかですね。
すばらしい。

しかし…、徳光さんのナレーションと、あの画面、最後のキャストが流れる文字にまで、何となくなじめないものを感じてしまうんですが…。
おそらく、まだ慣れないんでしょうね。
次は主水が出ない「必殺」を放送してくれないでしょうか。
ダメでしょうか、テレビ埼玉さん。


必殺にあった背徳の香り 「必殺仕事人V 風雲竜虎編」最終回に思う

「必殺仕事人V 風雲竜虎編」再放送が終わりました。
初めて見たと思います。

影太郎とお玉が大道芸人なので、「仕業人」の剣之介とお歌を思い出しました。
武家の出身でインテリな影太郎の設定も、剣之介を思い出しました。
しかし、剣之介は愛するお歌の為に人を斬り、侍を捨てて追われる身。

かたや、高遠藩に入ることもできる影太郎。
2人の境遇は、天と地ほども違います。
剣之介は、表の顔すら持つことができないんですね。

そこからして違うんですが、剣之介とお歌はもう、まともな勤めはできない。
大道芸でしか、生きる術がない。
ですが、剣之介の芸は、お歌の曲の後にただ、居合い抜きをするだけ。

剣之介は顔をさらせないので白塗りにしているんですが、その白塗りの大男が何をするか、通行人は興味で立ち止まるだけ。
それで、そんな芸だけなのでお金など入れてくれるはずもなく、立ち去ってしまう。
誰が見たって、そんな芸で食べていけるわけがないんです。
なので、旅の空で会って一度だけ組んだ市松の紹介を頼りに主水を訪ね、どうしたいのか尋ねられると「殺しだ。今の俺にはそれしかできそうもねえ」と言うしかない。

剣之介とお歌は河原のほったて小屋に住んだり、橋の下にいたり、剣之介がお尋ね者だからいつも白塗りかお面をかぶっている。
それで剣之介は、元武士。
武士以外で生きていくことなんか、考えもしなかった人でしょう。

そういう剣之介が主水と、武士について話したりしていると、お歌にはわからない。
剣之介には教養があることも、見えたりする。
お歌とは、本当に身分の垣根を越えて来たんだな、ということも見える。

そこへ持って来て、今の生活。
この落差と武士のプライドと、お歌に対する愛情が入り混じる。
お歌にしても、自分の為にそこまで堕ちてくれた男とどこまでもという気持ちが見える。
そこからしてもう、全然違うんですが、影太郎とお玉は何だか余裕なんです。

「仕置人」の鉄と正八、おていなんかだって組んで嘘芝居をやったり、スリをやったりしていた。
表商売の為に誉められた行為じゃないこともしてたんですが、そういうこともない。
今までの殺し屋が全員、表稼業で胡散臭いことをしていたかというとそういうわけでもない。

表稼業は真っ当に、まじめにやっていた者もいる。
でも、何か違う。
そこまで考えて思ったんですが、いつからか、殺し屋たちから裏稼業の人間に付きまとう暗さ。
正義とは言いがたい、悪の気配、背徳の香りがなくなっているんですね。

殺しを生業にするには、相当のものがあるはず。
だから、真っ当な職業を持つ主水が殺しをしていることに対して、不信感も持たれ、対立も生まれた。
殺し屋1人1人、密偵に至るまでドラマが作れた。

なのに、この辺りは、出てくる殺し屋たちの背負っているはずのものが今までと違って軽く感じてしまう。
それでは、殺し屋たちにドラマが生まれないのもしかたない。
いつか、彼らに精算の時がやってくるのではないか。
そういった緊迫感もない。

でも、時代がそれを望んだ結果の作りなんでしょう。
だからこそ、「仕事人」はここまで続き、そして現在に至るまで、人の印象に残っているわけですから、決して失敗とかいうわけではない。
見せたいもの、作りたいものもやりつくした感じもありますね。
それに、「必殺」シリーズ中、「仕留人」と重さを争う「仕業人」を思い出すことが間違いなんでしょう。

「風雲竜虎編」最終回まで見て、そんなことを思いました。
しかし、「必殺」にあった背徳の香りは魅力的でしたね。
演じた俳優さんたちも、それまでは正統派みたいな人たちがいたのを思えば、かもしだすそれは、とても見事だったと思います。


ネタバレはあっても 「ラストマネー 愛の値段」

「ラストマネー 愛の値段」は今日が最終回。
放送はもう、終わっていますね。
録画を一気に見ます。
さて、ここから先はネタバレしてますので、まだ見ていない方はご注意を。


3週間ほど前に美容院で見た雑誌で、高島礼子さんが今回の役について「連続保険金殺人犯なんですよ」と語っていました。
なので、「ああ、やってるのか…」とは思っていました。
少なくとも、作っている側はやっているという認識でいるんだな、そういう風に伝えているんだな、と。
だから後は、この女性が捕まるかどうかでしたね。

インタビュー自体は、高島さんの美容法についてのインタビューで、それで今回の役は「女優メイクをしないで臨んでいる」ということだったんですね。
女優メイクをしないで臨む役とは何か、それは連続保険金殺人犯だ、と。
しかもいつも不機嫌そうで、愛想がなくて、なんでこんな女に惚れるのかというような役。
だけど、この女性の心理がおもしろいので、メイクはいいや!という気持ちでやっているとのことでした。

それで、まだ先週の分を見ていない時点で「ラストマネー 愛の値段」最終回を予約録画したんですが、その時に、あらすじで、「亜希子が如月の殺人『未遂』で警察の取調べを受ける」ってありました。
だから、松重豊さんが演じる如月さんが死んでないのも知ってしまいました。
うっかり見るもんじゃないですね。
私の場合、このドラマは、見る前にいろいろとネタバレはありましたが、それでも興味は失せなかったドラマです。


「風雲竜虎編」で自分の冷淡さを知る

「風雲竜虎編」も、いよいよ最終回。
その前に影太郎がどういう男か、最終回前に明らかになりました。
実は影太郎は、高遠藩・藩主の本多忠顕の双子の弟・本多忠次だったのです。

生き別れになったというか、された忠次こと、影太郎は兄の体調がおもわしくないと知り、高遠藩上屋敷へ向かう。
影太郎は屋敷に奉公するお里に、事の次第を聞く。
しかし、お里は江戸家老・室田意次の配下・多聞と以蔵に、影太郎と何を話したのか問い詰められ、殺されてしまった。

お里が殺されたことで、兄の周りで何かが起きていることを察した影太郎。
殺されたお里の叔父であり、忠顕の家臣である佐竹助佐衛門がお里の恨みを晴らしてほしいと仕事人に依頼。
標的はお里を殺した3人。

影太郎は助佐衛門と久々に再会し、医師・良庵の協力を得て、兄・忠顕と再会。
喜ぶ忠顕。
影太郎は忠顕と入れ替わる。
室田は、足取りがしっかりした忠顕に疑問を抱き、心配した政は屋敷に忍び込み、影太郎に忠告する。

実は室田は忠顕の後妻の志津と通じ、息子の鶴丸を藩主に据えようとしていた。
その為、忠顕と助佐衛門の命を狙っていたのだ。
忠顕の最初の妻の子・菊千代を、事故に見せかけて殺してしまった。

菊千代がなくなったのを知った忠顕は、気落ちした。
室田は一気に忠顕の毒殺を計る。
だが、兄を気遣った影太郎たち仕事人は室田たち3人と、後妻の志津を仕事に掛ける。
影太郎に戻ってきてほしい助佐衛門だが、影太郎を迎えに来たお玉と連れ立って帰るのを見て、全てを納得した風に見送る。



どうも、大道芸人にしてはインテリだし、おっとりしていて育ちの良さをうかがわせる影太郎でしたが、大名の世継ぎの双子の弟だった。
双子であることから高遠藩から追放された形なのに、全然ひねてないんですね。
その分、何も屈折したものがないのも確か。

影太郎とお玉が大道芸人ということで、「仕業人」の剣之介とお歌を思い出してました。
元武士というか、武家の出身というところも、剣之介を思い出します。
しかし、剣之介が追われる身で、影太郎はそうではない。
もー、全然違いますね。

中村敦夫さんと三浦友和さんの個性による違いとか、時代性といえばそれまでですが。
影太郎とお玉の2人には、切なさとかはないんですね。
うーん、個人的な感想なんですが、どうも誰にも感情が入らないで見ているので、つい、殺し屋にも被害者にも見方が淡々としたものになってしまう。
私って、冷たい人間なのね。

「風雲竜虎編」は、本日が最終回。
最終回を見て、また何か思うところがあるかもしれません。
私って、こういうことにはマジメなのね。
だーめだ、だめだ、こんなことじゃ。

ちょっと反省してみました。


おぬしの手、血で真っ赤じゃ。きれいじゃの 「塚原ト伝」第4回

「塚原ト伝」第4回。

永正8年、船岡山の戦いに勝利した足利義尹将軍と、細川高国、大内義興。
戦の褒賞を与える宴に、新右衛門も呼ばれる。
だが御前試合を根に持った高国は、新右衛門が不当に評価されすぎているのではないかという噂があると言う。
その噂を打ち消す為に、今一度、御前試合をするべきだという高国の策略で、新右衛門は再び御前試合に臨むこととなる。

新右衛門と左門は町で野次馬が走っていくのを見て、何ごとか尋ねると真剣勝負が行われるのだと教えられる。
そこで見たものは、南栄という両端に刃がつ付いた長刀の使い手。
南栄は大男で仮面を外さず、参ったと降参した相手まで斬り殺す。

あまりだと思った新右衛門は南栄を呼び止めるが、刃を突きつけられた新右衛門は動けなかったと後で左門に打ち明ける。
御前試合の相手はこの南栄だった。
左門を相手に、両刃の長刀で稽古をするが、どうあっても防げない。

南栄に対抗する手がないまま、御前試合の日が迫る。
新右衛門を案ずる鹿乃は、心配のあまり、新右衛門の寝所にやってきてしまう。
鹿乃に気づいた新右衛門は無言で、庭に出る。

御前試合の日。
向かい合った新右衛門は南栄に、正面から向かう。
わずかに南栄がひるんだその時、新右衛門が踏み込んで南栄を斬った。
構える間もなく、面が割れ、南栄は倒れる。

「なんや、あっけないの」 と公方さまが気が抜けたように言う。
苛立った高国は降りてきて、倒れた南栄に刀を突き刺す。
その手を新右衛門が抑える。

「むごいことはおやめください。敗れたりとはいえ、この者は、高国さまの名代として戦ったものではありませぬか」。
激怒した高国は、新右衛門にも刃を突きつける。
その時、「高国!」と公方さまの声が飛ぶ。
「そなたは短気で困る」。

去り際に公方さまは新右衛門を見つめ、「おぬしの手、南栄の血で真っ赤じゃ」と言った。
その通り、新右衛門の手は真っ赤だった。
振り向いた公方さまは「きれいじゃの」と言って去った。

その夜、新右衛門は手を洗った。
何度も何度も洗ったが、手に鮮血のついた幻想は取れない。
夜更けに手を洗っている新右衛門の近くに、鹿乃が立つ。
「ご無事で…」と言った鹿乃を抱きしめようとした新右衛門だが、そのもどかしく開いた手からは血の幻想は消えていた。

新右衛門と左門は大内の殿から、いつまででもいても良いと許しを貰う。
喜ぶ2人。
新右衛門は町で、御前試合の時にいた奥津と出会う。
軽く言葉を交わして別れる2人だったが、2人の出会いはそんなものでは終わらなかったのである…。



今回は戦に勝利した宴で、本田博太郎さんの公方さまが敦盛を舞ってくれましたー。
褒賞に刀を手渡す時、新右衛門に鹿島の太刀を広めて何が望みかと聞くと、新右衛門は答えられない。
まだ答えは見つかってないんですね。

新右衛門の望みはお金でも名誉でも、地位でもない。
すると、公方さまは「この者は良い!」とお気に召したご様子。
ますますムカついているのは、高国。

その高国の策略で、今度は南栄と勝負することになってしまう。
南栄は、常にお面をつけている大男。
その理由は、新右衛門に面を割られてわかったのですが、南栄は異人さんだったのですね。

どうして日本に来たのか。
そして、どうして剣客となったのか。
どこでこの両刃の長刀を会得したのか。
全ては謎のまま。

南栄は、降参した相手を斬り殺す、新右衛門に刃を突きつけて「お前も死ぬのが怖いか」と聞く。
「人はいずれ死ぬ。なぜ生まれてきたのか、それもわからないまま」。
こんなことを異国の言葉で言うほど、何かとても深い理由が南栄にはあったのでしょう。

公方さま、あっという間に、本当にあっという間に試合が終わっちゃって、不機嫌。
高国が「おもしろい試合になる」って言ったのに、試合にもならないうち終わっちゃったって感じ。
つまんないお顔して小姓に向かって杯を突き出すけど、お酒もちょうど終わっちゃったみたいでした。

高国の仕打ちを止めた新右衛門が刃を突きつけられ、公方さまは高国を止める。
新右衛門の行為を武士らしいと思ったことは思ったんでしょう。
でも、「おぬしの手、南栄の血で真っ赤じゃ」という公方さまの言葉で、新右衛門には所詮は人殺しだという意識が生々しくわいてくる。

新右衛門が我に帰る、というか。
「きれいじゃの」と言った公方さまの顔が去り際のほんの一瞬、歪む。
戦で勝利したばかりの公方さま。

つまり、自分の手も血で染まっている、という現実を蘇らせたかのよう。
「きれいじゃの」には、血をきれいと思う狂気も含まれている。
この狂気、真剣を臨む御前試合は、奴隷とライオンの試合を見物した権力者の残酷さと退廃に通じてますよね。

血の赤さが、美しい。
それは、生きている証。
生き残った者、勝利者の勲章。
そして、人の血を流した痛み。

生き残っていくということは、人の死の上に自分があること。
権力者の残酷な娯楽と共に、戦を終えた公方さまの心境は、映画「ディアハンター」のように戦争に病んだ男たちが、死ぬほど怯えたロシアンルーレットをせずにはいられないものなのかも。
そんなことを、一瞬の公方さまの表情を見て思いました。
いやー、お歯黒、白塗りの公方さまだけど、本田博太郎さんの作り上げる将軍像は、やっぱりなかなか深いです。。

今回は相手の技と、試合を左門が親切に解説。
なーるほどー、だから勝ったのかーと思いましたが、新右衛門は計算してではなくて、どうせ斬られるなら正面から行こうと思っただけだと言ってました。
そこがセンスというか、勘というか、天才なんでしょうねー。
でもわかりにくかったから、新右衛門が鹿島の海を思い浮かべて無念無想になるところとかあったらよかった。

奥津源三郎が、新右衛門の試合を見ていました。
そして、町で新右衛門を呼び止めました。
これ榎木孝明さんですよー、次回の「最強の敵」です。

新右衛門に「そなたもわしのようになる…」と言ってました。
強い者が強い者を求め、どんどん人を斬って行く。
人を斬るのがやめられないが、強くなった自分を誰も斬ってくれない。
まるで「仕置屋稼業」の「一筆啓上業苦が見えた」の玄覚ですね。

物忌みさまが「新右衛門の敵は己の中に」とか言ってました。
前回の敵、円珍も最初は優しい男だったのに、妹がかどわかされて殺された時から変わったみたいですね。
そして、娘をさらってきて、それが自分の妹と同じ目にあわせられても平気な鬼のような男になってしまっていた。
第1回で新右衛門は村人を盗賊から救っても、村人たちからは自分も同じ鬼に見えると言ってました。

公方さまの言葉。
勝ち進んでいく新右衛門に、だんだんと、そしてどんどんとその意味が重くのしかかってくる。
剣の使い手が鬼にならない道。
次回は、もしかしたらなったかもしれない鬼との対決で、新右衛門が悟りを開くのかも。

そうそう、鹿島の里も戦で大変なんですよー!
7回は少なすぎる。
そして、公方さま、もっとプリーズ。
しかし…、鹿乃さん…、いてもたってもいられなくて寝所に行っただけで、あんまり考えはなかったにしても大胆でした。


掟は掟… 「必殺仕事人V 激闘編」第23話

第23話、「組紐屋の竜、襲われる」。


夜道で突然、竜が襲われる。
「あんたの組み紐だろう」と女が出て来て、初老の男が「今ですよ、お嬢さん!」と竜を羽交い絞めにした。
「何の真似だ、訳聞かせろよ」と叫ぶ竜を「その紐で殺されたおとっつぁんの仇!」と女が刺した。
竜は刺されたが、高く跳躍し、逃れる。

あの傷ではそう遠くには逃げられまい、と男女は言う。
政が仕事から戻ってくると、傷ついた竜が家に逃げ込んでいた。
訳を聞く政に、竜は自分にもよくわからないと言う。
政に傷の手当てを受けながら、竜は心当たりはまるでなく、政には迷惑はかけられない、1人でカタをつけると言う。

先ほどの初老の男は和泉屋の使用人で、先代から娘のお志津に仕えていた卯之吉という男だった。
和泉屋の主人でお志津の夫・冨十郎は、早まったことをしてくれたと言った。
卯之吉は先代の仇を取ろうと焦ってしまったのだと言うが、和泉屋は先代から共に仕えた仲間だと言った。

お志津が卯之吉をかばうが、和泉屋は竜がこれで警戒してしまったと、手下の与七と半次に竜の後を追わせる。
与七と半次は、竜が相当深い傷を負ったことを確認した。
自ら仇を取ろうとするなんて、お志津はやはり仕事人の娘だと和泉屋は言う。

5年前の雨の夜、お志津の父は殺された。
和泉屋はお志津の綺麗な手を汚してほしくないし、もしものことがあったら娘のお千賀が1人になってしまうと、自分で仇を取るのは止めるように説得する。
お千賀を大変かわいがっている和泉屋の言葉に、お志津は自分で仇を取るのは止めると約束した。

翌日、政から夕べのことを聞いた主水だが、竜を襲ったのは同業者と予測する。
和泉屋の与七と半次が、政の家にやってきた。
勝手に家の中に入るなと政が見つけて咎め、探し物をしていたと言い訳をして与七と半次は引き上げて行った。
政が家の中に入ると、竜が寝ているはずの布団はもぬけの殻だった。

闇の会が開かれ、なんと組紐屋の竜が標的となった。
依頼人は和泉屋冨十郎の娘の、お志津だった。
お志津は、仕事人の元締めで5年前に殺された播磨屋源兵衛の娘だったのだ。
仕事料は25両。

突然、加代が元締めに頭を下げ、この仕事を預からせてくださいと願い出る。
今回に限り許可が下りたが、確証を得られない時は身内の不始末として内々で始末するように言われる。
加代は政を訪ねたが、竜はいなくなってしまったと話す。
早く確証をつかまなければ、自分たちで竜を殺さなければならない。

加代は飴屋を装い、和泉屋を探る。
それから、子供と遊んでいる壱に接触を図り、竜の居場所を調べてくれるように頼む。
竜は1人、町外れの竹林の中にある一軒家で傷を癒しながら、何度も紐を投げ、腕を元に戻そうとしていた。

その夜、和泉屋は闇の会の仕事人に手を組まないかと申し込み、断ると与七と2人がかりで殺していた。
2人の仕事人が殺され、翌朝、小船の中で互いに背中合わせに死んでいるところが発見された。
遺体には組紐が、かけられていた。
田中さまはじめ、奉行所は心中と言うことで片付けたが、主水は同業者の仕業と見抜いた。

卯之吉も遺体を見ており、与吉たちの仕業だと気づく。
和泉屋で卯之吉は与七に、あれはお前たちの手口だ。
先代の元締めは、みんなに足を洗わせたのではないのか。
それに竜の組紐を使っただろうと問い詰めた卯之吉だが、与七は年を取った卯之吉をバカにした。

和泉屋が通りかかり、卯之吉は内々に話があると呼び出した。
卯之吉は元締めが足を洗わせた与七たちが仕事をまた始めたことを話すが、和泉屋は平然としていた。
そして、5年前の元締め殺しを告白する。
全ては自分たちが好き勝手にする為だったのだ。

身代を手に入れる為、お志津と一緒になったのかと、卯之吉は怒る。
しかし、和泉屋はお志津には本当に惚れたのだと言う。
そして、卯之吉は和泉屋たちに殺されてしまう。

座敷で仲居と逢引きしていた壱だが、仲居が去ると外をうかがう。
向かいの座敷では和泉屋が、与七と半次をねぎらっていた。
これからは裏稼業に復帰だと笑う与七と半次に、和泉屋は女房子供にだけは真っ当な人間と思われたいという私の気持ちはわからないだろうと言う。
和泉屋の態度は平静だったが、これから闇の会に取って代わる気は十分だった。

期限が迫り、加代が「誰も頼りにならない!」とイライラしているところに壱がやってきた。
「遅かったじゃないか!」
「まあ、そんなに膨れなさんな。約束どおり、居場所は探したんだから」。
「どこなんだい」。

「俺が言ってもいいんだけど、鍛冶屋が言った方がいいんじゃないかい。姐さんも察しが悪いなあ。酒屋の小僧がこれを運んで来たんだよ」。
そう言うと、壱は徳利を持つ。
「おい、鍛冶屋。おめえいつから飲兵衛になったんだい」。

「あたしまで騙してたのかい」と、加代が鋭い声を出す。
政は背中を向けたまま、「何でおめえに話さなきゃいけねえんだよ。俺1人、知ってりゃ十分じゃねえか」と言う。
「どうしよう」と加代が言うと、壱は「八丁堀は鍛冶屋にやらせるつもりだったんじゃねえのかい」と言った。

「そうなんだよ」。
「何なら、俺が代わろうかね?」
壱が言うと政が「その必要はねえ!」と立ち上がり、出て行く。

政は竜のいる小屋に走り、竜に何も言わずに江戸を出ろと勧める。
江戸を出なければいけない謂われはないと、竜は拒否。
2人は手槍を抜き、組紐を構えて対峙する。
そこに主水が駆けつけ、「本気になるなよ、若けえなあ」と止める。

壱が証拠を見つけた。
そう言うと、主水は加代に闇の会を開いてもらうように言う。
闇の会で、お志津は依頼が取り下げになったことを伝えられる。
下手人は竜ではなかった。

では一体、誰が父親を手にかけたのか。
元締めはそれは、お志津の夫の和泉屋富十郎だと言った。
うちの人が…!

改めて依頼されるつもりなら、その旨、申し上げるが良いとお志津は言われる。
お志津はこのままでは父親も卯之吉も浮かばれないと、夫の殺しの依頼をする。
加代が受ける。
仕事料を渡して歩く加代を、壱が待っていた。

「今度ばっかりは助っ人は要らないんだよ。あたしたちのことだからね」。
「水臭せえな、姐さん。類は類を呼ぶ、って言うぜ」。
壱が差し出した手に、加代は仕事料を乗せた。
「お役に立ちますよ」。

その夜、和泉屋に投げ文があった。
「蓮華寺の境内にて待つ 組紐屋の竜」
和泉屋は手紙を読むと、出て行く。
眠った振りをしていたが、出て行く和泉屋を知ったお志津は「あんた…」と偲び泣いていた。

与七と半次がついていく。
加代がすばやく動き、政に3人が来たことを知らせる。
政が夜道で手槍を組む。

与七の背後から政が近づくが、与七は政の気配を感じた。
政を襲おうとした与七だが、政の姿がない。
すると政は潜んでいた暗闇から飛び上がり、与七を一気に仕留めた。

半次があたりを伺っていると、主水が通りかかる。
近くの両替商で押し込み強盗があったと言って、半次の身体検査を始める。
後ろを向いていた半次だが、主水に襲い掛かる。
だが、主水は半次を交わし、一気に叩き斬る。

蓮華寺で、竜は和泉屋を待っていた。
「気に入らねえ仕事人は消さしてもらうぜ」。
「おめえの殺しを、俺が背負って死ぬわけにはいかねえ」。

手裏剣を投げる和泉屋。
竜はそれを避ける。
和泉屋は鎖を構え、竜は組紐で応戦する。
鎖がはじかれ、和泉屋は匕首を手にする。

2人が対決しているところに、お志津が駆けつけた。
思わず駆け寄ろうとするお志津を、背後から首をつかんで壱が止める。
「掟は掟。おめえまで死ぬことになったら、子供はどうなる」。

竜の紐が和泉屋の首にかかる。
寺の廊下に上がった竜が和泉屋を締める。
お志津がそれを見る。
竜が去っていく。

壱がそっと、お志津を放す。
倒れている和泉屋に、お志津が近づく。
ひざまずいて、お志津は泣いた。
主水が家に戻ると、せんとりつが初物のすいかを食べていた。



いきなり、竜が襲われるところから始まる今回は、竜の過去と繋がる話かと思ったら、全然関係なかった。
竜が過去のことで何かしら誤解をされていたり、はたまた過去を利用された計略に巻き込まれていたという話かと思いました。
違った。

竜のお話なのにイマイチ、竜の存在が薄い気がしました。
ラストの抗争なんか見ると、そんなこともないんですが。
最後は主水の殺しじゃなくて、竜VS和泉屋でしたしね。

この頃はラストが主水というのが、定番みたいでしたから。
ただ、個人的に竜の心情とかがもっと表に出る展開だったら良かったのに、と思いました。
竜に関わるドラマ部分が、あんまりないんですよ。
気持ちを入れられるシーンが、ほとんどない。

それにしても奉行所は、全然仕事してない!
男が2人して心中って、それを「人生の最期を綺麗な紐で飾りたい。わかりますよ」って田中さま…。
それの方が不自然だと思う。
ということで解決してしまう奉行所、全然無能じゃありませんか。

加代が探すと、今回、壱は子供と遊んでいる。
今度は川に飛び込んで遊ぼうと言って、子供をからかっていると、飴屋になった加代がやってくる。
「何だ、じゃれついてんじゃないか。例のお志津さんの家も平和でよかったよ」と「じゃれついてる」と言う加代。
「平和っていいもんだ、な」と、のんびり、しみじみ壱が言う。

市松もですが、子供と遊んでいると荒んだ世界を知っている心が和むんでしょうか。
「ああ。ところで組紐屋さんの居所調べてくれないかい?」
子供の前だからか、あくまで、加代の口調は軽快。

ニッコリ笑って手を出す壱に、飴を渡して「はい!」
そして、「さあ、みんな!この飴は飛び切りおいしんだよ。おじちゃんにもらいな、ね!」
壱には「はい、頼んだよ!」

珍しく、加代が壱をやり過ごしてる。
子供の手前、あんまりしつこくできないのか。
壱が、困ったような、しぶ~い顔をしているのがおかしい。

だけど壱は仲居とイチャイチャしているようで、しっかり和泉屋の座敷の探索はしてきたよう。
しかも壱の方が上手で、政が竜の居場所を知っているのがわかってる。
政と竜は、主水にも「本気になるなって」みたいな言い方されて、子ども扱いされてる。

壱が駆けつけたお志津に姿を見せずに、抑えるのが渋い。
お志津を捕まえて動きを止めて、「子供はどうなる」と冷静さをうながす。
同時に「死ぬよ」と言ってるわけで、凄みがある。
そうか、壱が子供と無邪気に遊んでいたのは、この伏線だったのかと思いました。

何もかもが終わると、そっと離れていく。
この辺が影の人間だと言う感じが出てました。
今回、壱の殺しはなかったけど、これで十分。
最後は季節の移り変わりを感じさせる、中村家でおしまい。


「必殺仕事人」の新作発表に思う

ああ、なぜかアールグレイの紅茶が飲みたい。
体調が関係してるんだな。

「必殺仕事人」が復活するとか。
前作から1年半も経ってたんですね。
うれしいじゃないですか。
最近、地上波で時代劇の新作があんまり作られないし。


テレビ埼玉で「必殺仕事人V 風雲竜虎編」が放送されていますが、この後は「必殺仕事人 激突!」のようです。
気が早いですけど、「激突!」の後はもう、「必殺」はやらないんでしょうか。
思えば、「仕置人」から始まって、再放送もずいぶん長いことやってくれました。

「旋風編」がどっちを向いていいかわからない感じの作りで、愛情なく終わって次、「風雲竜虎編」。
第1回では主水が裏切り者の疑いをかけられたんですが、なぜか、今回から登場の三浦友和さんが演じる影太郎。
これが、「中村主水は敵じゃない」と断言。
なぜ?

影太郎は大道芸人なのに、どこか育ちが良さそうで、博学。
知的なインテリの影太郎さん。
この飄々とした個性が光る「風雲竜虎編」。
お玉とのコンビも、「旋風編」の銀平よりピッタリな感じはします。

一方の政は、主水への不信感で一杯。
なぜ?
長い間、共に戦ってきた仲間じゃないですか。
普通は逆じゃないですか。


現在、時代劇専門チャンネルでは「必殺仕事人III」が放送中。
世間的には、人気絶頂の頃の作品。
ですが、どうもこの辺りから濃厚な人間ドラマというより、ショー化してる気がしてました。
それから、ドラマよりキャラクターに頼ってしまった気がします。

やっぱり、「必殺」といえば、ドロリとした人間の情念や業の深さなどが付き物。
「風雲竜虎編」見た後に、昔薄いと思った「III」見ると、おりくさんの情念あふれる三味線が流れたり、まだまだ濃いんですよね。
まあ、「風雲竜虎編」は「必殺」の終わりの方の作品なので、時代もあるし、情念みたいなものが薄まるのはしかたがないとは思います。

「III」なんか見てると、ルーティンワークと言われながらも、そのおもしろさがありますね。
お約束のおもしろさ。
それが勢いがある、という時なんでしょうが。

それから、あんまり仕事に向いてない感じもしたお加代ちゃん。
お玉は綺麗だし、常人離れした跳躍力があって活躍はしてるんですが、薄いんです。
加代のあのがめつさ、明るさはホッとする場面でもあったんですね。
特に他の仕事人、主水でも壱でもお加代と絡むと、おもしろかったんだなと思います。


そして、個人的な趣味で、徹底した偏った趣味で言いますよー。
殺し屋が北村一輝さん、松重豊さん、遠藤憲一さんだったら…。
怖いでしょうね~!
女性側には若村麻由美さんを、入れてほしい。

本田博太郎さん、石橋蓮司さんも入れてほしい。
あと、中村敦夫さんの元締め、一度見てみたいです。
「雲霧仁左衛門」だけど。
彼らが陰影深い映像で殺しを遂行したら…、怖いぞー!

いろいろ考えは及びますが、「仕事人」が見られるのはやはり、楽しみですね!
時代劇は日本の文化なので、いろーんな形で作ってみてほしいです。
作られていけば、また、何か新しい人や試みや、伝統の継承なんかもあると思いますしね。
途絶えたら、寂しい。


プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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