23話「呪いの壺」。


骨董品の壷を鑑賞している老人がいた。
壷の蓋を取り、中を覗き込む。
静まり返った中、外から鳥の声が聞こえる。

どこからかセミの鳴くような、ジリジリとした音が聞こえてくる。
その途端、老人は目を黄色く光らせ、その場に倒れた。
目の周りを黒く焼け焦げさせた老人の傍らには、壷が転がった。

SRIの的や所長と三沢、牧、野村の4人と町田警部はこの事件が起きた京都に来ていた。
京都府警の解剖医は、同様の事件が5件起きているが、被害者5人が5人とも神経線だけを真っ赤に焼け焦がしていると言う。
他には何の異常もないが、目の周りを火傷しており、神経は完全に破壊されている。
的矢所長はその報告を聞くと、遺伝の可能性を聞くが、それは低いと言われる。

帰りかけた的矢所長と三沢に、声をかける男がいた。
「市井商会」という、骨董品店の従業員・日野統三だった。
被害者が全員、自分の店の客であることが気になると行った統三だが、突然、激しく咳き込んだ。

鐘の音が鳴り響く京都の町。
的矢所長と三沢、牧と野村はは統三に案内されて、市井商会へ行く。
店主は京都の骨董好きの金持ちとはほとんど、取り引きがあると言う。
一番後ろを歩いていた統三が「警察に協力するのは、私らの常識です。それに時には偽物事件もあることですし」と言うと、店主が鋭い目をして振り返った。

その時、電話が入り、客の1人が死亡したと店主の娘が伝える。
現場に急行するSRIと付き添おうとする店主に統三が突然、実家に帰らせてもらうと言い出す。
この忙しいのにと店主が文句を言うと、忙しいのは事件で店ではないと統三は去っていく。

町田警部は当分の間、店を休むことを提案する。
牧はひそかに三沢と野村に、統三の後をつけるように言う。
何かある。

町を歩く統三に、先ほどの店主の娘・信子が話しかけてきた。
「あんたとうちのお父ちゃん、一体何があったんえ?それと今度の事件、何か関係があるの?」
「そんなことは、あんたが心配せんでもええことや」。
「いいえ、知る権利があります。あんたかて、うちに話す義務がある。そうやろ?」

すると統三は「こんな肺病病みに将来のこと、任せて失敗やったな。え?信子はん?」と言った。
「藤堂さん!病気のことなんか気にしてへん。うちはあんたが好きなんや。そやからこの頃、お父さんとあんたの仲が変なのが、とても気になるのや」。
「こんど、家においで。それが一番ええことや」。
そう言って振り返った統三は、尾行に気づいたようだった。

被害者宅で壷を見た的矢所長は、調べるには壷を割ってもらうしかないと店主に言われる。
的矢所長の見たところ、中国の唐時代のもので、店主が言うには8百万するとのことだった。
亡くなられた方に売られた壷を集めてくださいませんかと的矢所長に言われ、店主は苦々しい顔を隠せなかった。

汽車で実家に戻った統三に、信子はついてきていた。
駅で目を閉じ、ほくそえむ統三に信子がどうしたのか聞くと、統三は「いや、別に」と返事をする。
実家に入った統三に父親は「何でこんなところにお嬢さんを。ここは市井の旦さんしか…」と言うが、統三は「そんなことかまへん。信子さんはみんな知っているさかいにな」と言うと父親は「ほうか」と黙った。

そして「あれ、もう、売れたんか?」と聞く。
「あれはまだや。市井の親父は元大臣の川上洋三に売りつけるつもりらしいけど、ちょっとした騒ぎで開店休業ってとこや」。
「騒ぎ?何の騒ぎや?わしが作ったこと、バレかけたんか?!」
「そうやない。お父の腕は確かなもんや。唐時代、奏時代。客はみんな騙されとんのや」。

「それなら何や?」
「お父の壷を買うた金持ちが、次々と死んでいきよる…」。
父親が驚く。

「なあ、お父。もう市井の親父への義理は、ちゃんと果たしたはずやないか。いい加減にお父の名で、壷を発表してもええのんとちゃうか?」
父親が目を見開く。
「市井の親父なんて呼び捨てにする奴があるかい!統三よ、それはそうはいかんのや。わしんとこは爺さんの代から市井家には面倒を見てもろうとるんやからな。今さら勝手なことは言えん。なあ、信子はん?見てみい、ええのができたぞ!」

父親が、見事な青磁の壷を見せる。
「この壷はお父とは関係ない、どっかの金持ちの家に飾られるわけだ…」。
統三が壷を撫ぜる。

信子の市井の家は、代々統三の家を偽物作りに使ってきたのだ。
もし統三が体が丈夫部だったら、まもなく父親の後を継ぐはずだった。
「それであんたはうちを…」と信子が言うと、統三は信子の顎をつかみ「それと言うのも、あんたと一緒になって偽物をどんどんはびこらせ、成金どもを心の底から笑うてやりたかったからや!」と言う。

統三はそこまで言うと、咳き込む。
信子は震えながら、顔をそらす。
「しかし、それがどうや!偽物はいつまで経ってもバレへん。バレへんどころか、有名な先生方は珍しい掘り出しもんと保障し始めてしまった。このまま言ったら、親父の名は永久に出ずじまいだ。こんなことがあって、ええわけはない。許せん。絶対に許せん」。

「それであんたは…」。
「僕は死ぬまでに一切合財のけりをつけたかったのや。代々自分の名をつけられん壷を作らせてきた市井家を、ぶっつぶしたいのや!」
そしてまた、統三は咳き込む。
「親父の壷を買うた金持ちはどんどん死んで…。店は潰れる。こんな気持ちのええことはあらへん」。

信子を連れて、統三が何かを掘って取り出している。
それは黒い紙に包まれた。
それを見ていた野村は「何ですかねえ?黒い紙なんかに包んで」と訝しがる。

市井商会では、牧が6つの壷を調べ、6つとも同じ砂が入っていることを突き止めた。
聞かれた市井は、みながみな、すぐに売れるわけではない。
長いこと土蔵の中に置いたりしているので、その土だろうと答えた。

三沢と野村が帰ってきたが、市井を見て、野村が言いにくそうに的矢所長に耳打ちをした。
壷を調べている牧の肩を、三沢が抑える。
耳打ちされた的矢は市井に、ちょっと席を外してくれるように頼む。
市井は望むところだと言って、壷を壊さないように言うと出て行く。

三沢と野村が、統三が埋めていた黒い紙に包まれていた砂を見せる。
砂は白い紙に包まれ、日が当たった。
その時、的矢所長が目を抑える。
牧が「危ない!」と叫ぶ。

「大丈夫ですか!」
「大丈夫だ。しかし一体何だ、この砂は」。
牧が砂を調べる。

機械が、ビリビリと音を出し始める。
牧が「リュート線だ」と言う。
「こんなところに置いておいては、危険ですよ!」

砂を紙で覆う牧に野村が「牧さん、黒い紙はありませんか」と言う。
「黒紙?」
牧が出した黒い紙に覆うと、機械の音が止んだ。

この砂のような物質は太陽光線に当たると、リュート線を出すのだった。
「何か聞いたことがあるぞ」と牧が記憶を手繰る。
太陽光線に当たると、その物質の中にあるリュート光線を出しつくす。
そのリュート線が、人体にどのような影響を及ぼすかはわかっていない。

すると、京都府警から電話が来た。
また犠牲者が出たのだ。
壷はめったに光の中に出さないが、老人は良く見ようとして光の中に持ち出した。

普段ならわずかな光が蓄積されて、爆発するには長い時間がかかる。
「それがどうして」と的矢所長が言う。
リュート線が外部に放射される時、毒物の上薬を伴う。

「まずやられるのが…」。
牧の言葉を受けて、的矢所長が「目」と言う。
その時、青磁の壷を見た野村が三沢に見覚えがありませんか?と聞く。
統三の実家で見た、あの壷だった。

「そうだ!壷が問題なんだ!」と牧が叫ぶ。
「開店休業と言われたのは、嘘だったんですか!なぜ、この壷を売ったんです」と町田警部が市井に詰め寄る。
「そんなことはしません。何を言われるんですか」と市井はごまかす。

「この壷に見覚えはありますか」。
町田警部の追及に「それは」と市井が口ごもった時、牧が壷を割ろうとする。
市井が「この壷は唐時代の有名なものなんですよ!」とあわてる。

町田警部は「牧くん!かまうことはない!やりたまえ!」と叫ぶ。
牧が壷を粉々に叩き割ると、市井は悲壮な顔つきで「あんたがたという人は…」と声を詰まらせる。
だが町田警部が「うるさい!これはあんたのとこの日野という奴の親父が作った、偽物だろう!」と言うと、市井は唇を結んでうつむく。

土蔵で信子が統三に「統三はん!あんた、狂わはったんか!」と叫ぶ。
「どうせ、SRIに見破られる。俺は、ひとつでもようけ、売ったるで」。
「統三はん」。

信子が叫ぶ中、統三は黒い粉を壷の内部に塗りつけていた。
統三が激しく咳き込んだ時、土蔵の戸が開き、町田警部が殺人容疑で統三を逮捕すると言った。
一瞬、統三は笑い、白い小さな壷を手に立ち上がった。

「こんだけのリュート物質が、いっぺんに太陽に当たってみろ。みんな死ぬぞ!」
町田警部と三沢が、陰に身を隠す。
統三はリュート物質が入った壷を手に、降りてくる。

「捨てろ!捨てるんだ」。
「事情はみんな、わかっているんだ」。
だが統三は走りだし、「思うたより、早うかぎつけましたな。待ってましたわ」と言うと、黒い大きな紙を筒状にして、壷のリュート物質をその中に開けた。
「これで僕も犬死しないですむ」。

京都の町を統三が逃げ、町田警部と三沢が後を追う。
走った統三は咳き込み、寺に逃げ込む。
「これでいいのよ。これで…、思い通りだ!この寺は本物か、偽物か。わしの道連れやで!」

激しく咳き込む統三。
リュート物質が宙に舞う。
統三の目が焼きつき、倒れた。

宙に舞ったリュート物質で、寺が火を噴く。
寺の屋根が見る見る、炎に包まれ、炎上して崩れていく。
あっという間に大火災を起こす寺。

統三が掘り出していた土地が、掘られていく。
「何でもここは、旧陸軍の秘密研究所があったところです。リュート物質は、ここで開発されたらしいですね」と三沢が言う。
終戦の年、このあたりは山崩れで埋もれた。
「戦争のたびに科学が進歩する、か」と的矢所長が言う。

掘り出し作業を見ていた統三の父親が家に駆け戻り、叫びながら壷を割っていく。
泣き叫びながら、狂ったように壷を割っていく父親。
後を追いかけてきた的矢所長と町田警部は、その様子を黙って見つめていた。



なんだか、初期の頃の雰囲気が戻ってきたような今回。
旧陸軍の秘密研究所なんて設定がすんなり受け入れられるのは、この時代ならでは?
昔は敗戦間近いナチスが死体を生き返らせる研究をしていて、その結果、現代に蘇ったミイラが襲ってくる…なんてマンガも読みました。

すごいのは、あっという間に炎上するお寺。
壁が火を噴き、屋根が炎に包まれ、すぐに炎の中に。
そして圧倒的な炎の勢いの中、すぐに崩れていく。
何か、まるで、怪獣に襲われたみたいに圧倒的な力の前に崩れ去るんですが…、どこのお寺ですか。

すごいですね。
合成?
本当にお寺を作って、燃やしたみたいに見える迫力なんですが。
まさか、本当に燃やしてないですよね?

燃え上がるお寺を、門まで退避した町田警部と三沢、野村が見つめているんです。
本当に炎上しているとしか見えないものすごい迫力。
最近でもちょっと、こんな建物の炎上シーンは見ていないほど。
タイトルを「炎上」ってつけたいほどです。

日野統三役の俳優さん、繊細な屈折した病気の青年があってます。
ですが、あんまり見たことがない俳優さん。
金持ちと市井の主人に対する空しい復讐心を、最後の自滅に至るまで見事に表現しています。
あの歪んだ笑み。

市井店主役は、「必殺」では「仕置屋稼業」で沖雅也さんと中村敦夫さんに同時に仕留められた難敵・北村英三さん。
「仕舞人」でも憎々しげな悪役でした。
迷惑そうな顔、壷を壊されて泣きべそになる表情、その後のガックリした表情と、実にわかりやすい強欲店主ぶりです。
いい俳優さんですねえ。

娘・信子役は、度の厚い黒ぶちメガネをかけていますが、メガネの下には綺麗な瞳。
野暮ったさを出していても、整った女優さんだなあと思います。
子供向け番組のせいか、統三との関係は暗示するだけですが、おそらく計略を胸に統三が近づき、あまり男性に縁がなかった娘は本気になってしまったという経緯を感じさせます。

リュート物質を手に統三が逃げた後、思いつめた顔でうつむいていたので、残ったリュート物質で死んじゃうとか、家を燃やしちゃうんじゃないかと心配しました。
そんなことしなくても、もちろんもう、あの市井商会は社会的信用を失って終わりなんでしょうが。
好きな男性には利用されただけと言われ、彼も代々続いた暖簾も好きな男性も失った娘がかわいそう。
最後まで、彼女は顧みてもらえないですし。

腕は立派なのに、代々の恩があると言って、偽物作りと影の存在であることに満足し続けた父親が、息子の悲壮な決意を知って、全ての壷を叩き割るラストシーン。
あの後、あの父親も、どれほど自分を責めるのだろうと思いました。
全てが明るみになり、寺を道連れにした統三ですが、彼が健康で強い体を持っていたら、もっと違うやり方があったのでしょうか。

戦争のたびに科学が進歩するというセリフが最後に出てきましたが、今はもう、当時からは信じられないところまで科学は進歩してきました。
その恩恵を私たちは受けてもいるわけですが、そろそろやめないと人類が危ないんじゃないかと言われて久しい。
この時代からずっと、思われていたことなのでしょう。

犯人・統三の心情が胸に迫る。
統三、そして信子の心を投影したような、京都の町の風景。
情感たっぷりで、人間ドラマとしても素晴らしい回でした。


スポンサーサイト
2012.01.31 / Top↑
第3話 「裏切りの代償」。


のらりくらりと逃げる老獪な佐橋総理に挑発させられたのか、横溝議員は弓成から得た機密文書を振りかざして総理を追及。
機密文書の存在に、国会は騒然となる。
新聞もニュースも大騒ぎで、それを見ていた昭子の夫の琢也も「大変なことになるぞ」と言う。
昭子はさすがに顔色が変わり、逃げるように出勤していく。

翌朝の新聞各紙は、毎朝以外全て、機密文書に関する記事がトップだった。
常に機密文書に関する記事を扱ってきた毎朝だけが、この記事がトップでないことがすでに異様だった。
毎朝がトップにしなかったのは、機密文書が弓成のもたらしたものであったら、という司の配慮だった。

しかしもう、他の紙面には機密文書の拡大写真と、そこにある弓成の筆跡までが載ってしまっている。
妻の由里子も新聞に出ている機密文書が、夫の書斎で見つけたあの書類であることに気づいていた。
毎朝新聞でもこのことは大騒ぎになり、弓成だけではなく司も呼ばれ、会社全体で対処することになる。

佐橋総理は警察庁長官の十時正春に、機密文書の漏洩を徹底的に調べ、一罰百戒でのぞむように頼む。
まずは横溝をマークする。
福出外務大臣は今度の動きを、田淵・小平による倒閣運動ではと言う。

弓成は逃げ回っていた横溝議員を捕まえると、車の中で問いただす。
横溝は「これを倒閣運動に繋げられれば」と言うが、それは細い希望の糸だった。
車を降りていく横溝を、マークしていた警察が見ていた。
「勝負は紙面で」と、まだ弓成は強気の姿勢を崩さない。

山部も弓成を心配し、弓成の自宅に電話をかけてきた。
由里子と電話で話すが、由里子は気丈にも夫は何も卑怯なことはしていないと信じていると答える。
山部もその通りだと言ってくれた。
だが、由里子も山部の不安は、どんどん膨らんでいく。

弓成は、小平に会いに行く。
「おとうちゃん」と呼びかけるが、もはやそんな呼び方が通用するような状況ではないことは、弓成にもわかっていた。
だが、この機密があれば、と、小平に倒閣運動を勧める弓成。
だが小平は、「まるで私の為にやったといわんばかりだな」と鋭い目を向ける。

佐橋総理らに倒閣運動などと言う疑惑をかけられ、「君のせいで、こちらも痛くもない腹を探られる」と小平は言った。
土下座する弓成に、小平は言う。
「文書を渡した者はクビで済めばいいほうだろう。…そんな犠牲者を出すなど」。

小平は背を向ける。
「二流どころか三流の記者だ!」
小平はもう、振り向かなかった。
「君には失望した!」

外務省では犯人探しが始まり、昭子も取調べを受ける。
追求の手は厳しく、昭子は狼狽し始め、弓成に深夜、電話をする。
弓成が留守とわかった昭子は、電話を切る寸前、いまいましそうに舌打ちをした。
電話を受けた由里子は、昭子の電話番号を書き留めるが、その様子に不安は募っていく。

帰宅した弓成に昭子の電話のことを告げると、仕事のことだから書斎からかけると弓成は言う。
深夜、昭子に電話をした弓成は「君のことは必ず守る」と繰り返すが、昭子は「新聞記者って良いお仕事ね」と鋭い言葉を発する。
既に外務省では、犯人探しが厳しく行われているのだと。
「あなたが…、あなたが約束破るから!」

電話を切った昭子が顔を上げると、鏡に夫の琢也の姿が映っていた。
「お前が…」。
愕然とする昭子に向かって、琢也は「俺の顔に泥を塗りやがって!」と頬を張る。

これは国家公務員法違反だ。
「どういう事態か、わかっているのか!」
一体どうして、弓成に協力したのか。
昭子を押し倒し、馬乗りになって琢也は追及した。

必死の昭子が突き飛ばすと、結核をわずらっている琢也は激しく咳き込む。
「逮捕されるぞ…」。
昭子も、絶望していた。
翌日、観念した昭子は、安西審議官に全てを打ち明けた。

何の見返りがあったのかとの問いに、昭子は言葉を詰まらせた。
見返りではなく、正義感が強いと思われた弓成は、安西と親しかった。
だから、機密文書を見せてくれと頼まれて信用してしまったと言う。

「私のせいにするのか!」
「いいえ!」
安西の怒りに、昭子は震え上がる。

昭子は震える手で辞表を提出したが、安西は、「こんな紙切れ一枚で済むことか!」と激昂する。
「君は事の重大さを分かっているのか!」
許していただけないのなら…と、どうにもならなくなった昭子は外務省の窓を開け、外に飛び降りようとする。
安西は昭子を止めるしかない。

昭子から弓成に洩れた機密であったことは、佐橋総理に報告された。
弓成の名を聞いた佐橋総理は、「不逞の輩だ」と言う。
吸っていたタバコを、灰皿に押し付けて潰す。
「社会の公器たる新聞を政争の具とし、沖縄返還にまで泥を塗る行為は断じて許せん!」

安西も更迭となったことを山部から聞いた弓成は、安西の自宅の門の前で安西を待ち、土下座をして謝る。
土下座をしながらも弓成は、安西の出世の道まで閉ざしたことは謝りきれないが、記者として政府の密約を暴きたかったと言った。
それを聞いた安西は「長年の友情を裏切った男の正義など…、信じられるか!」と言い放つ。
弓成の目の前で、門の扉は閉められた。

弓成は連日、眠れない夜を過ごしていたが、ついに夜中に司から電話が来る。
警察から、参考人として、弓成の身柄を引き渡すよう言ってきたということだった。
これはかなり重い呼び出しだ。

夜中にも関わらず、毎朝新聞は弓成、司はもちろんのこと、幹部揃って会社に集まり、対策を練る。
弁護士も呼ばれるが、弓成は昭子の名前だけは言わなかった。
佐橋総理側も、新聞社側も、政府と新聞社側の全面対決となる恐れを考えていた。
その朝、琢也にタクシーに乗せられ、昭子は出頭していた。

弓成は、警察の呼び出しに応じる。
刑事は弓成を地下の取調室に案内していく。
地下に降りていくうち、重圧感が増す。

灰色の扉が並ぶ廊下の一室に通された弓成は、殺風景な小さな部屋で刑事に厳しい言葉を浴びせられる。
あくまで記者として取材しただけだと言う弓成に、刑事は昭子が出頭し、何もかも話していると言った。
それでも弓成は刑事に、責められるのは国民を欺いた政府の密約ではないかと言う。

だが刑事は、弓成と政治談議をするつもりはないと言う。
それでは話にならないと、強気の弓成に刑事が書類を見せる。
逮捕状だった。

昭子が手錠に繋がれ、前後を婦人警官に付き添われ、廊下を歩いていく。
弓成も逮捕された。
今日は子供の誕生日。

弓成は夜には戻ると、由里子に言い渡してあった。
それを信じた由里子は、自宅でケーキを作っている。
だが今、弓成は手を手錠と腰縄で縛られ、歩いているところだった。



おもしろい!
1時間、ものすごく充実してました。
関係ないけど、乃木将軍に秋山参謀が怒られてます。
それを言うなら、近藤勇にお龍さんが怒られてるんですけどね。
いや、今日は怒った皆さんが、みんな怖かった。

特に、温厚で育ちの良さそうな安西審議官が激怒したのが怖かった。
ああいう人が怒るっていうのが一番、自分の罪を最も感じる。
人間的にも、やっちゃいけないことやったと思える。
安西審議官は、更迭されたのもショックだけど、それ以上に、信頼していた昭子から見事に裏切られたっていうのがもう、ショックですよね。

信頼関係を築いていたと思った部下が裏切っていたなんて、記者が裏切っていたなんて。
自分って一体、何をやっていたのか?ってショックですよねー。
ついでに言うと、安西さんのご自宅は、さすが財閥だけあって、すごそうです。

安西に対して、昭子が保身に走るところがまた、卑怯なんだけど人間らしいというか。
だって、ものすごい怖いことになってるから。
別れたはずの弓成だけど、こうなっては昭子は連絡を取らないわけに行かない。

由里子と電話で、直接対決した形の昭子。
携帯がない時代は、大変です。
家の電話でかけるから、琢也に聞かれちゃう。
ほんと、携帯は文明の利器だなあ。

あくまで麗しい由里子に対して、チィッと舌打ちするんですよ、昭子。
言葉遣いは丁寧だけど、最後のこれで、所詮こういう品性の人、というのが良く現れてました。
真木さん、うまい!

怖いといえば、突然後ろに立っていた琢也も怖かったけど。
最初は密約報道で、さ~大変なことになるぞ~ってウキウキしていたのが、自分の妻がやっていたと知って愕然。
琢也は外務省に勤めていたから、事の重大さがわかる。

恐怖と怒りと嫉妬。
昭子もわかってはいるけど、それ以上にさすがにわかっている琢也は昭子を出頭させる。
これは官僚としての責任感か、妻と弓成への復讐か。

ただ、ここまで昭子を愚かな女性に描いてしまうと、今回はモデルになった女性はかわいそうだなと思ってしまいました。
粘着質な夫にウンザリした昭子が、弓成に好意を抱き、自ら進んで機密を渡す。
その機密が明るみに出て、青くなった昭子は弓成に全ての罪をかぶせ、ひたすら被害者を装う。
弓成はためらいつつも、昭子の機密書類に世の中を変える望みを託し、利用したが、卑怯な男として断罪される。

これがドラマとしては展開しやすいんでしょうし、ドラマはあくまで事件を題材にしたフィクション。
それが割り切れなければ、自分は見ない方がいい。
でも今回はちょっと、琢也と昭子のこのドラマでの扱いがかわいそうでしたね。
しかし、弓成も正義の男って訳じゃなかったから、いいか。

先週は山部の田淵総裁誕生の力となろうという誘いに対して、政局には興味ない、と言ったはず。
自分は沖縄の人たちの痛みを自分のものとしようと訴える為に、この機密を使う。
政府の欺瞞は許さない、世の中を変えてみせる!とか言ってたのに、この事態にうろたえた横溝が倒閣運動に結びつけば何とかなるかも…と言った。
すると、小平に詫びに行って、倒閣運動のことを話し始める。

昭子を守る為という風には見えなかったし、昭子も弓成も保身に走っているなという印象。
安西も昭子に対して、「私のせいにするのか!」と怒ったし、小平も弓成に「私の為だと言いたげだな」と怒った。
毎朝新聞でも、弓成をここまで増長させたのは、弓成のスクープに頼りきった司が悪いと、みんな人のせいにしまくり。
まあ、怖いからなんですけどね。

そんな中、山部は弓成を心配する。
ここでの山部は、あくまで良い奴。
強気の弓成だが、連日眠れず酒を飲んでいる。

沖縄を日本に戻すことが国益である、とする政府。
戦争で奪われた沖縄が、日本に返還されるという輝かしい歴史。
佐橋じゃない、モデルになった佐藤総理はノーベル平和賞まで貰ったので、この邪魔をする弓成に対しての怒りはわかろうというもの。
本気で佐橋総理と言う権力者が怒った描写も、怖かった。

小平さんの柄本さんの怒りも、怖かった。
普段、食えない飄々とした人物が、かもし出す怒りって怖いよね。
生きた心地もしないでしょう。

「おとうちゃん」なんて呼び方ができる関係も、もう終わりだってわかる。
柄本さん、さすがですよ、迫力です。
「君には失望した!」
一生、聞かないで済ませたい言葉です。

築いてきた全てが崩壊する、地獄のような展開です。
心配する由里子、公園でキャッチボールする兄弟。
家庭も崩壊する序章です。

警察に行って、刑事に付き添われて地下に降りていく時の威圧感。
「JOKER 許されざる捜査官」の流刑地を思わせる、ずらりと並んだ灰色の扉。
狭く、暗い廊下。

入った部屋がせまくて、コンクリートがむき出しの殺風景な、だからこれまた威圧感がある部屋。
そこで刑事と1対1。
部屋の隅には背中を向けて、調書を取る刑事がいるだけ。

ここは表の身分とか、立場とかまったく通用しない別世界。
いや、それまで強気でも、ここに入ったら喋っちゃうだろなという雰囲気感じました。
お国と時代によっては、階段降りた時点で、2度と日の目を見ることができないんだろうなと思ったり。

そして、次回はついに予告で本田博太郎さんのお姿が!
暗躍してくださいよー!
十時さんの伊武雅刀さん並みに暗躍してそうなところ、ぜひお願いします。


2012.01.30 / Top↑
かわいい小悪魔といえばこの方だった、というブリジット・バルドー。
引退して時間が経った今は、動物愛護運動に心血を注いでいるということ。
確かニュースでお顔を拝見した時、さすがにお年は召されたなという感じはしましたが、艶っぽさがありました。
さすがでした。

バルドーはフランスの女優ですが、フランスの女優と言うと最近、ソフィ・マルソーを化粧品の広告で見ます。
彼女もほんと、年を取らない。
13歳ぐらいの時から映画に出ているけど、見事に大人の女優になって現在に至ってますね。

もう1人、フランスの女優で、イザベル・アジャーニという女優さんがいます。
最近、さすがに年齢を感じさせるようになりました、というか、太りましたけど、本当にちょっと前までは70年代の容貌とほとんど変わらないなと思っていました。
あんまり年を取らない風だったので、人の生き血を吸っていると言われたこともあるとか。

女優じゃなくても一般人もそうですが、特に美しい女優さんが自然に年齢を重ねて役柄を移行させていくというのは、大変だろうなと思います。
今日は隣の駅のショッピングセンターに行っていたのですが、あちこちで最終バーゲン中。
10代ぐらいの友達同士でバーゲンを見ているのかと思ったら、前に回って見たら親子だったということが何回かありました。
お母様、若いですう。

そんなわけで?「キルトの家」の緑魔子さんに感激。
男を手玉に取る悪女役が似合っていた魔子さんが、かわいらしくなってました。
しかしバルドー同様、目に力があるのは、さすがです。
お年を召されただの何だの言ってますが、自分を振り返れば、女優さんたちのすごさは嫌でもわかりますね。


2012.01.29 / Top↑
新しいコートのファスナーが、おかしくなってしまった。
このファスナーは、左側にスライダーが2つついていて、この2つの頭を向かい合わせにしたところに、右側のスライダーをはめ込むもの。
そうすると2つのうち、上の方に位置するスライダーが動いて、ファスナーが締まる。

ところがこのコート、最初に2つのスライダーの頭を付き合わせるところから、片方のスライダーを差し込むところまで、どうもうまく行かない。
コートにまだ慣れないせいでファスナーが固いのかと思い、何度か試していたんですが、ついに動かす側のスライダーが動かなくなってしまった。
どうも噛み合わせがずれたらしい。

なぜ、どうして、私は余計なことをしてしまうの。
それで調べたんですが、ファスナーを単独で直す店はないらしいです。
付け替えになってしまうということで、付け替える必要はない。
ファスナーは自分で直そうとすると、かえって壊してしまうことが多いらしい。

布地を噛んだりもしてしまうそうで、コートだし、自分で修理するのは諦めました。
だから、YKKの顧客サービスに連絡しました。
すると、YKKの製品であれば無償で修理してくれるのこと。
ばんざーい。

ただしその際、宅急便の送料はこちら持ち。
しかたなく、コートをYKKの顧客サービス係に送りました。
土日祝日はサービス係は動いていないらしく、修理されて送られてくるのは来週の後半だったら早い方かな。
は~、直って快調なファスナーになりますように。


2012.01.28 / Top↑
これはカテゴリ「不思議な話・奇妙な話」ではないと思う。


夕方、たまたまテレビのニュース番組を見ていた。
その中のコーナーで、退職した刑事さんが、退職後、個人的に未解決の事件を追っていた。
未解決の事件というのは、9年前、小学生の女の子が下校中、友達と別れてから行方不明になっている事件。
あまりにぷつりと姿が見えなくなっているので、「神隠し」と呼ばれたらしい。

この手の事件を聞くと、思い出すことがある。
その頃、一番よく一緒に行動していた友達には、同じ町内に子供の頃から知っている子がいた。
高校は別だったから、当時はもうそれほど親しくはしていなかったが、会えば話ぐらいはする間柄だったそうだ。
ある日、その子が、突然、行方不明になった。

その日、彼女は渋谷で友達数人と会い、一緒に行った旅行の写真を交換した。
友達と別れ、地元の駅に帰ってきた彼女は、いつものように駅から家に電話をしたらしい。
その様子は、駅員が目撃している。

いつもなら父親か兄のどちらかが、迎えに来るはずだった。
あいにく、その夜は、どちらもいなかった。
だから彼女は、歩いて帰ると言ったらしい。
告げたとおりに彼女は駅を出て、家に行く道を歩いて行った。

そしてそれきり、行方がわからなくなってしまった。
駅を出てから、誰も彼女を見た人はいない。
警察では、家出の可能性も含めて、彼女を探したらしい。

しかし、もう、進路も決まっていて、友達とは楽しそうに写真を交換し、「またね」と言って別れて来た。
駆け落ちするような彼もいない。
行方をくらます理由が、ない。

友達の親も、その近くの子供を持つ親は震え上がったらしい。
だから友達も、夜は9時ごろまでに帰って来いと言われた。
9時を過ぎるなら駅から家に電話をしろと言われた。

それから駅から出ないで、誰かが迎えに行くまで待っていろ。
誰も迎えに行けない時は、駅員に見えるよう、駅からタクシーを拾うこと。
料金を支払ったら、タクシーの運転手さんにお願いして、家に入るまで見ていてもらうこと。
友達も怖かったので、言いつけは守った。

それから何年も過ぎ、たまに行方不明になった子の親御さんがテレビに出たりもした。
「もし、あの子が冷たいところに横たわっていたら…。雨露にぬれていたら…。一人ぼっちだったら…」と言っていた姿に、言葉に、胸が詰まった。
迎えに行けなかった父親も、兄も、毎日自分を責めて過ごしたらしい。
担当の刑事さんが定年退職する時、訪ねてきて、未解決であることを詫びたそうだ。

そして、月日は過ぎた。
バブルが来て、去った。
でも私の友達は、何かの区切りの年齢の時、思い出すと言った。
彼女もいれば、今、こうだったんだろう、と。

私は、直接の知り合いではない。
だけど、同じ年齢の、同じような女性がいなくなって、それきりになっているという事件は、ふとした時に親御さんの姿と共に思い出す。
忘れなくていいのだと思う。


2012.01.27 / Top↑
駅に行く途中の道、雪はほぼ溶けてました。
しかし、あるビルの1階、道路に出る階段やスロープの下には、凍った雪がこびりつくように残ってます。
ここの1階は、お医者さんなんですけどね。
車も出入りする場所で、車で来る人もいるはずなんだけど、うーん。

雪の多い地方でも、今年はついに除雪費用の5兆円も尽きた自治体があるとか。
夕方のこのニュースを聞いていた友人は、「だから雪は、まずいんだってば」とつぶやく。
ああ、嫌いなんだね。
結局、好きなら我慢できたんだ、と思います。

体質だから、寒いのを好きになることは私にもあるまい。
しかし、これだけ寒いと、川や池にいるという噂のピラニアやワニ、逃がされたか逃げたか、熱帯の怖い生物も越冬するまい。
冬の寒さも必要なことなんだ、と思う。

越冬で思い出した。
一度、エアコンが突然、壊れた時があって、調べたら原因は室外機だった。
修理の人呼んだら、しばらくしてその人が「原因わかりました。寒いので、トカゲが室外機に入り込んでショートしました」と。

トカゲ、感電!
ああ、哀れ…。
しかし、そこで話は終わらなかった。

何と、修理の人が爬虫類両生類、大嫌いだそうで「取れない…」と青くなってるのだった!
げっ!
まあね、修理に爬虫類両生類が絡むとは、予想外だよね。

じゃあ、私が取るしかない~!?
ひええ、感電トカゲ~!
幸いにも必死の私を見掛けた近所の人が、「あ、私平気。取ってあげる」と取ってくれました。
感謝感激。

あの方がいなかったら、どうしたことか。
こういう時、110番通報しちゃう人、いるんだろうな。
虫や爬虫類両生類のみなさん。
寒いからって、室外機で越冬しないようにお願いします。


2012.01.26 / Top↑
今、「孤独のグルメ」見ているんですが、主人公・五郎ちゃんがパリにいた頃の回想シーン。
女優をしていた恋人が、「女優辞めちゃおうかなあ」と、五郎ちゃんとの結婚を意識した言葉を口にする。
ほろ苦い思い出のシーン、背景はパリの街…なんですけど、屋上がどう見ても日本のビルの屋上。

それで、周りに広がる風景が、日本のマンション群にそっくりだ~!
パリって、日本の風景に似てたのか~!
う~ん、新発見だわ。

って、嫌味ですみません。
いや、好きなのよ。
これが「背景ぐらい、何とかしなさい」ではなく、微笑ましい笑いになっちゃうところが、このドラマの味。
パリだよ、パリなんだよ、パリでいいよ!


【追記】
おでんを食べた後、別れた恋人を思い出し、「空腹を忘れるほど、後悔する日が来るのかもしれない」と立ち止まって考える五郎ちゃん。
「でも…、それは今日ではない」。
そしてスタスタ歩き出す。

♪ゴロー ゴロー い・の・が・しっ・ら♪の後、いつもの♪フゥー♪という女性コーラス。
これが今日は、ワンテンポ待ったように聞こえたのは気のせいでしょうか。
五郎の食欲に一瞬、負けたように。

この五郎ちゃんに、後悔する日など本当に来るのだろうか。
彼女のライバルは、食欲だったのかあ…。
何気なくもニクイ奴め、五郎ちゃん。
これも浦安の風景が、パリに似ていたせいだよね!?


2012.01.26 / Top↑
「タイトロープの女」が昨日の10時から始まって、今期見ようとしているドラマはだいたい始まりました。

月曜日は、宮部みゆきさん原作と言うことで、「ステップファザーステップ」。
火曜日は、「ストロベリーナイト」。
スペシャルも再放送してくれたんですが、「ストロベリーナイト」という事件は終わりましたよね。
でも始まって、世界観が同じなので違和感なかったです。

第1回が「シンメトリー」。
グロテスクとの評判だったので、覚悟していましたが、それほど嫌悪感なく見られました。
第2回の「右では殴らない」から登場人物が出揃って、本格始動ですね。

武田鉄也さんが、「リミット2 刑事の現場」で出てきた刑事をほうふつとさせる、暴力刑事。
露悪的で、しかし彼は彼なりの正義感と、使命感で動いている。
結局、人を3人も死に至らしめたドラッグは援助交際の女子高生が渡したもので、彼女はそれに関して「オヤジたちがほしがっただけ」と罪悪感をまったく持たない。
社会なんか、自分には関係ないと言う。

それに対して女性の姫川は、おとなげない対応と言われつつ、なぜ死ぬとわかっていながら渡したのかと責める。
社会が関係ないなら、あんたの社会を私が壊しても構わないわよね?
あんたは売春婦だと母親にも、学校にも、友達にも、就職先にも教えてあげる。
援助交際といわずに、売春婦という言葉を使い、彼女に現実を突きつける。

「最低…」と軽蔑のまなざしを向ける女子高生に、死んだ人々の写真を見せつける。
目をそらそうとする彼女を怒鳴り、頭を向けさせ、さらにゼブラを巡って抗争事件を起こし、巻き添えで死んだ刑事の写真も見せる。

フワフワとした自分のルールの中で生きていることができていた為、現実感を持っていなかった女子高生は、さらに生々しい現実を見せ付けられる。
自分のもたらしたものを容赦なく突きつけられ、甘い世界を打ち破られた彼女はその現実の重さ、迫力に余りにアッサリと「ごめんなさい」と口にする。

責任も持てないガキが!と姫川は、顔の横に鉄拳を打ち込む。
姫川はそれこそ、この年齢の少女だった時に超現実、残酷な仕打ちをされているので、容赦がない。
ただ、未成年だから、ある意味で見捨てられていたから、誰も殴らなかった、甘くされていただけという現実。
それまでそんな仕打ちをされたことがなかった女子高生は、自分に優しくない世の中を初めて知り、それに直面し、へたり込む。

見ていた武田鉄也さん演じるガンテツや、男性刑事たちは口々に「始末書」「おとなげねえ」と言う。
そう言いながら、おとなげなさを前面に出していける女性の姫川を羨ましくも、ありがたくも思っている。
自分たちには、あんな女子高生に本気であそこまで怒るほど、大人の男として、大人げないことはできない。
ガンテツも、姫川のことは実は認めているのだろうな、と思わせる。

そして姫川の部下の男性たちは、そういう縛りがない女性の姫川を誇りに思い、支えているのだろうと。
部下の刑事が殺されたのに、犯人検挙しか頭にないようなガンテツ。
だが最後に「冷淡なもんだ」と言われていたガンテツの、実は誰よりも情が深いところを垣間見せて、この回が終わり。
竹内結子さんも、女子高生も謎解きより2人の対決がメインで、最後に爽快感を残さなければいけないだけに、密室での演技合戦、がんばってました。

木曜日は、「聖なる怪物たち」と「最高の人生の終り方 エンディングプランナー」の2本。
「聖なる怪物たち」はサスペンスドラマで、予想以上におもしろかった、引き込まれた。
有能だが、氷のように冷たい仮面をかぶった、というと、ミタさんみたいだけど、中谷美紀の悪女っぽい熱演に期待してしまう。
「マドンナヴェルデ」邪悪版か?

山本陽子さん、長谷川博巳さんも適役!
テーマソングが「アヴェマリア」。
ここからして、聖なる怪物らしさ、人の罪深さと哀れさ、救済が込められている気がする。

「最高の人生の終り方 エンディングプランナー」は、山崎努さんが見たくて。
第1回の吉行和子さんの涙には、もらい泣きしそうになった。
ベテラン俳優、女優の力を思い知りました。

そして日曜日は「平清盛」と「運命の人」。
水曜は、「相棒」、深夜に「孤独のグルメ」。
他にも見てましたが、ざっと書いた以上、この辺りを毎週、見そうな感じがします。


2012.01.25 / Top↑
雪で困るのは、雪かきと交通なんですよねー。
家の前の雪は溶けてますが、凍った時は途中の坂が怖い。
見事に目の前で転んだ人を見ました。
あれは相当、痛かったぞ。

「俺には雪を嫌う権利がある」と言った会社の人。
そうだ、去年の2月15日とか、何回か書いたけど、この人は雪で電車に10時間以上閉じ込められたことがあるんだった。
気づいた途端、笑っちゃった、ごめん。

「それなら私にも雪を嫌う権利がある」と言ったのは、雪で滑って剥離骨折した人。
痛そう。
雪の故郷で免許取得した学生時代の友人は、雪が降ってない道の方が走りにくかったそうだ。
滑らないのか…?

部長は雪の日、駅の階段で滑って鼻を折りました。
お見舞いに行ったら「ちょっと鼻、高くしてもらいたかったな~」とか言ってました。
奥様が呆れてました。

私が寒いと元気がないのに気づいたのは、後輩の子に指摘されてから。
でもあったかくして、人に迷惑かけないようにはできる。
ただ、昼間に書いたとおり、防寒性の高いコートやブーツ、手袋、インナーを着るようになってから、昔ほど冬はユウウツじゃなくなった。

オシャレとしては冬の方が重ね着したり、オシャレはできるし、楽しいと思う。
夏はもう、何着ても、結局、暑さに負ける。
でも季節を振り返ると、やっぱり冬よりあったかい方が好きだなあと思うのはしかたない。
これはもう、体質から来ていると思う。

日が短いのも、好きじゃない。
ウツ病の部下を抱える課長は、日が短くなってくる冬に近づくと悪化すると言われたらしい。
なるべく、明るいライトに当たるといいらしい。
それを聞いて、そんなバカなと思ったけど、本当らしい。

ウツの人が身近にいる人が、冬を前に、これから悪化するんだよねと言った。
日照時間が短くなってくるからで、なるべく明るいライトに当たるのが有効と言うのを聞いて、本当なんだとわかった。
寒さは心に沁みるけど、日照も心に影響したんだ。

雪にトラウマがあると言うのは、子供の頃、映画「八甲田山」を見た人。
ええ、あれは悲惨だ。
だからといって、「八甲田山ゲーム」といって、眠そうな人のほっぺを「眠るな!眠っちゃいかん!」とぺちぺちするのはやめてください。


2012.01.24 / Top↑
子供の頃は、雪が好きで、降ってくると喜んでいた。
しかし、大人は「嫌なものが降って来ましたね」と言いあってた。
大人ってつまらないなと思ったけど、働くようになったら意味がわかった。

今朝はバリバリ音をさせながら、前の道路を車が通過していった。
ああ、運転はかなり怖いだろう。
これ以上、凍りませんよう。

都心は雪に弱い。
車も電車も地下鉄も大混乱。
私は昔、雪がちらつくディズニーランドを夕方の4時に出て、家の玄関に着くのに夜中の1時までかかった時に「車から降りて地下鉄で帰ればよかった」と思った。
今日は家と、家の前は日がガンガン照っているので、午前中で溶けちゃうだろうなと思いましたが。

雪の前日にバーゲンでコートを買い、駅の電光掲示板の雪予報の雪だるまを「にくったらしい雪だるまよね」と言った友人。
彼女は、北海道の人なのだ。
だから雪や冬は好きなのかと思っていたら、「大っ嫌いよっ!」
「大嫌いだから、大学の時に北海道を出て東京に来たんだからっ!」

そして東京で就職して、今に至るということ。
「しかし、東京の住宅は寒いね~。北海道は密封してるからあったかいよ」。
「そんな密封したら、夏死にますわ」。

親との電話で、どうも雪かきが大変、正月に帰って来たら手伝えと言われたらしく、それに対して「そんなバカなところに住んでるからだ!」と言っている。
思わず他の友人と「こーらっ!」と言った。
「いけません、親に向かって!住んでる人に向かってなんてことを!」とPTAみたいなことを言ってしまいましたが。

他にも彼女は、雪が降っているのを、「でもロマンチックじゃない?」と言った人に「じゃー、シベリアに住んだら?いいぞー、あそこは。1年中、雪だ」と言い放ってました。
本人のサバサバしたキャラクターがあったので、「そんな敵意で返すほどの意見じゃないじゃないか~」。
「どーしたんだよー」の笑いで終わったけど。
「だって嫌いなんだもん」とか、まだ友人はぶちぶち言ってた。

同じように、雪と寒さが嫌で新潟から出てきた友人も「雪も冬も大嫌い」と言ってる。
彼女は「雪国に住みたいと言う安易な都会人には、私の実家の雪かきを一冬やらせたい!」と力説する。
「雪国に夢見る夢子が、ぶっ飛ぶだろう」とも申しております。

ああ、雪かきは私も10数年前、苦労した。
家の前の道路ね、ご近所さんみんなでやりました。
マンションの人はやらないので、雪が降っても悠長に構えてたみたい。

でも車出す為、マンションでも雪かきしていた人もいました。
後で「ご苦労様です」と声掛けられたことを、「何、他人事みたいに言ってるんだよ!別に私の役目じゃないんだからね!手伝え!」と怒ってた。
「でも面と向かっては言わないの、角がたつから」。
ははは。

お向かいさんのおじいちゃんの実家も、雪深いところだそうです。
自分で雪かきができないで頼むと、一冬、20万ぐらいはかかっちゃうそうで、とてももう暮らしていけないと言ってました。
そうか~、それはキツイ。
友人に言わせたら、「そんなとこに住む方が悪い!」なのか。

スキーも、ユーミン苗場が一大イベントだった時代からすると衰退しているらしい。
寒いのが嫌いな人間が増えたからじゃないだろうけど。
私は自分が寒さに弱いのを自覚してから、冬は苦手になった。
友人風に言うと、南の方に住むべきか。

寒いと動きが、完璧に鈍い。
日が短いのも、苦手らしい。
しかし、そんな寒いのに弱くて大嫌いな私でも、今はあったかいコートとあったかいブーツがあると、だいぶ違ってきた。

それでも冬の間はそんなに思わなくても桜が咲き出すと、冬が終わってよかったと思う。
初夏になって、冬枯れの風景を思い出すと、夏に向かっている季節にホッとする。
だからやっぱり、冬が苦手で寒いのが嫌いなんだと、その度にこれまた自覚する。
自分のような人間が今から雪国に暮らすことは、ほとんど不可能だと思う。

でも自分が生まれて育った場所、暮らしていた場所は雪が深くても、寒くても、いい土地だろうし、愛着があるんだろう。
そういうところに住んで、愛着を持って暮らしている人たちに、首都圏は支えられてもいる。
こんな日には、その人たちにつくづく感謝の気持ちを持たずにはいられないのだった。


2012.01.24 / Top↑