こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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勝新さん、玉緒さん、夫婦共演の「新・座頭市III」の12話

「座頭市」に、勝新太郎さんの奥さん、中村玉緒さんがゲストで出ていました。
今はバラエティで笑いを取っている中村さんが広く知られていますが、すごい女優さんなんですよね。
かわいらしさと、色っぽさ。

勝さんが惚れこむのが、わかる。
今回は娘が死んだことを認められず、葬式を思い出しても否定し続ける狂気のまなざしで凄みを見せました。
「仕置屋稼業」で最初に主水に接触して来た時も、にこやかだけど目が笑ってなかった。


「座頭市」の今回は市と道連れになり、娘が生きている、人買いにさらわれたと信じ込む、それで正気を保っているような女性。
一方、野良犬を入れたと厳しく責められる下働きをしている娘は、犬を追って市と出会う。
犬と優しく触れ合う市を見た少女は、その犬を飼ってくれと頼むが市は応えることができない。
だが、一緒に陰に潜んで犬が誰かに拾われるのを待ってやる。

やがて犬は、どこかの隠居と孫に拾われる。
市は娘の年齢と名前を尋ねると、娘は本当の名前と年齢を言う。
娘は市にヤクザに嘘の境遇を話すよう、強いられているのだった。
それは市と道連れになった女性が、探している娘の名前と年齢、境遇だった。

娘のつらい境遇を察した市だが、どうにもしてやることができない。
ヤクザは捨て子の少女を市の連れの女の娘に仕立て、娘を返してほしくば市の仕込み杖を取って来いと命じる。
市を殺して名を挙げることを考えたヤクザと、それに乗ったヤクザの親分は女と娘を利用して、市を殺そうとしていたのだ。
だが、女に市の仕込み杖は取れなかった。

その夜、市は、虐待を受け、逃げてきた娘と再び出会う。
娘は市の連れの女性に娘と思わせるような嘘を言った自分を責めたが、市はそれで良かった、娘と思わせてやって良かったのだと言ってやる。
捨て子だった娘は、女に抱きしめられた時を思いだし、「おっかさんってあんななんだ…」と、つぶやく。

市は娘に夕飯を食べさせてやり、店を出た。
すると娘を見つけたヤクザが、娘を手荒に引っ立てようとする。
市がヤクザの手を抑えると、ヤクザたちは刃物を抜いた。
瞬く間に、市は2人の相手を斬る。

市の手を引いていた娘はその早業に怯え、市から離れて行ってしまう。
だが、ヤクザは諦めない。
娘を人質に、今度は女に、市に毒を盛るように命じる。

遠くで娘が刃物を突きつけられているのを感じた市は、女の差し出した毒入りの水を飲んだふりをして倒れる。
しめしめと出てくるヤクザたちだが、市は立ち上がった。
市の居合いの凄まじさ。
下っ端が市に河原の石を投げて、親分たちに加勢するが、そんなことでは市は斬れなかった。

かりそめのはずの女と娘は修羅場の中、本当の親子のようにしっかりと抱き合い、市を見守る。
市の居合いの前に、ヤクザ一家は全滅。
娘は「おじさーん!」と叫んで、市の後を追う。
しかし、ススキの野に隠れて去って行った市のすがたはもう、どこにも見えなかった。


子犬や娘を相手にした市は、限りなく優しい。
娘の犬を飼ってくださいに応えてやることはできず、代わりに犬が拾われるのを一緒に見届けてやる。
そして、娘のつらい境遇に思いをはせる。

娘を手荒に連れて行こうとしたヤクザの手を抑え、娘を助けてやる。
この後、市が娘に向かって手を伸ばしているんですが、目の前であっという間に人が斬られたのを見た娘は怯えて逃げてしまうんですね。
優しいおじちゃんだけど、ものすごいんだ。

市に何とか自分の計略と危機を知らせようと、「悪いカラスがいて、凶状持ちで、そのカラスを私は殺さなくてはいけなくて」と言う女。
娘が捕えられ、刃物を突きつけられているのを察する市ってすごい。
そしてこの後、きっとこの女性と娘は、本当の親子になったのだと思う。

決して離れないよう、2人で歩いて行ったと思う。
それは、市が結び付けてくれた絆。
もう、2人を追う者は誰もいない。

市の人情たっぷり、これぞ時代劇の醍醐味。
そして市を殺すことを持ちかけるヤクザは、蟹江敬三さん!
持ちかけられる親分は、今井健二さん!
夫婦共演は別の回でもありましたが、この回は人情、夫婦共演、悪役ファンにも、楽しい回なんですね~。


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助け人が助け人を助ける 「助け人走る」第20話

第20話、「邪恋大迷惑」。


こちら、またしても以前に書いていまして、ストーリー部分が重複しております。

激しく雪の降る夜。
おさよという按摩の手を引いて、幼い娘のおみつが歩いていく。
平内は、うなぎを料理しようとしていた。

その耳に、按摩の笛の音と「按摩ー、16文」とおみつの売り込みの声が入る。
平内は外に出て、「ちょいと、按摩さん」とおさよ親子を呼び止めた。
その声に「はい」と振り向いたおさよの美しさに、平内が立ち尽くす。

平内は「あんた、ほんとに按摩さんかい?」と、うれしそうな笑顔になった。
「ありがとうございます。お家はお近くでしょうか」と言うおさよに、「近くも近く。目の前だよ」と言うと、平内はおさよの肩に降ってきた雪を振り払ってやりながら、家の中におさよ親子を入れた。
「お邪魔いたします」と言うおさよとおみつを火に当たらせると、平内は茶を淹れてやろうとする。

すぐに按摩にかかると言うおさよに、おみつが「私が淹れます」と言う。
「そうかい」と言って平内が横になると、おさよは「つかまらせていただきます」と按摩を始める。
この辺ではあまり見かけないおさよは、最近、按摩の商売を始めたばかりらしい。

平内は、あまりに美しいおさよに按摩をしてもらうとなれば客も多いだろうが、妙な気を起こす客も多いのではないかと言う。
その時、桶からうなぎが飛び出したのを見て、茶を淹れていたおみつが「あーっ!」叫ぶ。
平内があわてて捕えようとしたが、うなぎは滑ってうまく捕まえることができない。

「お客様」と、笑顔のおさよが声をかけ、懐から針を出した。
おさよは見えない目なのにうなぎを探り当て、うなぎの目に針を刺し、動きを止めた。
平内がごくり、と息を飲む。
おさよは笑顔だった。

「そいつはまた、すごそうな女だなあ」。
翌朝、文十郎に平内からおさよのことを、聞いていた。
「すごいも何も、あんな女見たことねえなあ。しかも、奮いつきたくなるような別嬪でなあ」。
「もう奮いついたんじゃねえのかあ?」

だが、おさよの腕を見ていた平内は「冗談じゃねえ」と言う。
しかし、女性の按摩とは珍しい。
針の使い方といい、わけありなのではないか。
文十郎と平内が歩きながら話していると、為吉が走ってきた。

何だか妙な客が来て、清兵衛に会わせろと言っているので、来てくれと言う。
文十郎と平内が来ると、若い男がいた。
2人を見た若い男は、為吉にここで働いてもらっている2人だと言うと、、若い男は「年だな」と言った。

その男は「助け人だ」と名乗った。
だが依頼料を掠め取られたり、仕事を押し付けられたりするのが嫌なので、1人で仕事をしていると言う。
江戸じゃ清兵衛が助け人の元締めらしいので、挨拶だけはしておこうと思ったらしい。
だが、清兵衛が留守ではしかたがない。

そう言って立ち去ろうとする男に、「名前ぐらいは聞いておこうか」と平内が言う。
若い男は「おめえさんは?」と聞き返す。
「後家殺しの平内」。
「中山文十郎だい」。

文十郎が試すように刀の柄をわずかに抜いて、音を立てた。
すると、その男が空中を飛ぶ。
そのまま男は庭に降りると、「島帰りの龍だ」と言って、去って行く。

帰り道、平内は文十郎に気分直しにと、飲みに誘った。
文十郎は、「俺は何だか、あのやろうとは、いずれぶつかる気がするんだ」と言った。
「それに、裏の稼業を知られてしまったからには…」。

そこまで言った時、文十郎と平内は材木の並ぶ道の陰に隠れた。
向こうから同心の磯矢と、岡っ引きの勘吉がやって来る。
「この前、ずいぶん儲けたのではないか」と磯矢が言うと、勘吉は「結局女房を差し出した」と話していた。

2人は島帰りの人間が、それを知られたくないことをネタにゆすって、金を出させる。
金がない者には、女房を差し出させているのだった。
「ところで萬蔵はどうした?」と磯矢が言う。
勘吉は、「何でも昔追いかけていた女が、今では按摩になっているのを見つけたとかで、何だか張り切っていましたよ」と話す。

おさよはその頃、ある客に呼ばれていた。
「お呼びくださいましたのは、こちらでございましょうか?」
「そうだよ、あがんな」。
「ありがとうございます」。

男をもみほぐしながら、おさよは「旦那様は昔、昔、剣術か何かおやりでしたか?」と聞く。
「わかるかい?」
男が口を手で抑え、声をくぐもらせながらおさよを見る。
「腕やお御足が鋼のように若々しくて」と、おさよは言う。

すると男は、低い声で笑い出す。
「どうかなさいましたか?」
「さよ、久しぶりだねえ。俺だよ、音羽の萬蔵だよ」。
おさよが目を見開き、硬直する。

その男が先ほど、磯矢と勘蔵が話していた元・岡っ引きの萬蔵だった。
「5年ぶりだったな、おい。一体どこへ行っていたんだ、ずいぶん探したぜ、おめえのことを」と萬蔵が言っておさよの手をつかむ。
おさよが、萬蔵に手をつかまれたのを見たおみつが駆け寄る。

萬蔵は「仙八のガキかい、ええ?大きくなりやがったな」と言い、おみつを突き飛ばす。
「離して下さい、離さないと、人を呼びます」。
「呼べよ、呼んでみな、ここは誰も通らねえ」。
「おっかさん」!と、おみつが叫び、駆け寄る。

萬蔵は、「うるせえな、ほんとにこのガキは」と振り返り、おみつを突き飛ばした。
「おみつ!」
萬蔵は、おさよを押し倒す。
「呼んでみろって言うんだよ。おめえ、よくも俺に恥かかせてくれたね。あれほど、おめえの面倒見てえって言ったんじゃねえか。それを俺に面あてして、それをよりもよって島帰りの仙八と」。

抵抗するおさよに萬蔵は「俺はな、一度狙った女は逃がしたこたあ、ねんだよ」と言う。
その時、おさよが針をかざす。
萬蔵が怯むと、「おみつ!」とおさよはおみつを呼び寄せ、急いで萬蔵の家を飛び出す。

文十郎と平内が飲んでいると、店の外をおさよとおみつが端って通る。
平内が気づいて声をかけると、おみつは「うなぎのおじちゃん!」と言った。
そして「後ろに、怖いおじちゃんが…」と角を指さす。

その角から、萬蔵がのぞいていた。
異常を察した文十郎と平内が、おさよの両脇について歩いていく。
平内が背中におみつを背負う。

萬蔵は、ずっとおさよたちの後をつけていく。
文十郎が「なんだい、あの野郎は」と近づこうとする。
だがおさよは、「いけません、関わりあいになっては。あの人は元、御用聞きですから」と言う。
萬蔵はじっと、4人を見ている。

平内はおみつをおぶっていると、おみつはいつしか眠ってしまった。
「かわいいもんだね」と言うが、文十郎は「しかし、かわいくないのがまだ後ろに」と言う。
「申し訳ありません、私にこのおみつさえ、いなければ」と言った。
「おさよさん、おめえさん一体どうして、あんな男と」と平内が言うと、おさよは「私がこんな体になりましたのは、みんなあの、音羽の萬蔵のせいなんです」と言った。

おさよは、萬蔵とのことを語り始めた。
以前、おさよは深川の芸者だった。
ある夜、おさよがお座敷が終わり、駆け足で家に戻る時、萬蔵が十手を振りかざして夜道に立っていた。
萬蔵を見たおさよは踵を返して逃げるが、萬蔵は「もう帰りか。一時も早く、仙八に会いてえって面だな」と言って追ってきた。

「てめえ、そんな面、俺にできんのかよ!」
おさよが立ち止まる。
萬蔵は、おさよの夫の仙八が新しい店の井筒屋に勤めたことを知っていた。

そして、「俺がちょいと、その井筒屋に顔出したら、どうなると思う?」と言う。
萬蔵は「どこに行ったって無駄だよ。仙八は島帰りなんだからね。俺が井筒屋の女将さんに耳打ちさえすれば、また野郎はお払い箱になっちまうんだよ」と言う。
おさよは「そうですか、そんなら、好きにしたらいいじゃないですか」と答えた。

仙八は確かに罪を犯した。
だが、お上の裁きを受け、罪を償ってカタギとして真っ当な道を歩んでいる。
井筒屋の女将さんも、それは承知だ。
おさよの言葉に萬蔵は「そうかよぉ。わかってくれてりゃあ、いいんだよな。わかってくれてさえ、すりゃあ、な」と、不気味に言い放った。

戻ってきたおさよの家には、灯りがついている。
仙八が戻っているのだ。
おさよは喜んで、家に入った。

だが仙八は寝転がって、酒を飲んでいた。
おさよが、自分も飲もうとした時だった。
井筒屋が、仙八を雇うのを断ってきたのだ。
萬蔵が井筒屋に通い、得意先にまで「井筒屋は島帰りを雇っている」と触れ回ったせいだ。

それは執拗だった。
女将はたまらなくなって、ついに仙八を首にしたのだ。
おさよは「ヤケを起こさないでね。くやしいだろうけど、もう少し辛抱して」と言った。

またいいところを紹介してもらうし、仙八が働けないなら自分が働くとおさよは言った。
「お腹の子の為にも、もう少し辛抱して」。
「勘弁してくれ。俺がヤクザ者とケンカさえしなければ」。

それから仙八は、何度も店を代わった。
だが萬蔵はその度、つきまとい、仙八の勤めを妨害し続けた。
おさよはついに萬蔵の元に行き、「後生一生のお願いでございます。もううちの人付回すのは勘弁してください。お願いいたします」と頼んだ。
最初はおさよが自分の元に来る決心をしたと思った萬蔵だが、おさよの言葉を聞いて「そうかい。そりゃいいんだよ。おめえが俺のところに来る決心さえ、してくれりゃあね」と言った。

萬蔵が芸者のおさよの所に通う為に使った金なら、おさよが月々いくらかずつでも返す。
「私が身を粉にしても」。
金のことを言われた萬蔵は、「金?ふざけんじゃねえよ、誰がおめえから金なんかほしいって言ったんだよ。」と聞き返す。

「ただね、俺は全財産、おめえんとこに通う為に使っちまったんだよ」。
そう言うと萬蔵は、「おさよ、今日こそ俺の言うこと聞くか聞かねえか、この場で聞かせてもらうよ」と言った。
おさよは迫る萬蔵に、「仙八という夫がある身です」と言って逃げだ。

「おめえ、それほどまでに仙八を…」と萬蔵は、おさよを殴りつける。
逃げるおさよは、やかんが乗った網をひっくり返してしまった。
炭火と焼け切った灰が、おさよの目に飛んだ。
おさよが目を押さえて叫ぶ。

そして、おさよの目は次第に見えなくなっていった。
しかし、それでも萬蔵は仙八をほっておこうとはしなかった。
ねちねちと仙八が板前をしている店に通い続けては「ここは何かい?ここは島帰りの連中が寄り合う店かい?」と言った。

主人は「そんなあ」と言うが、萬蔵は魚を仙八に放ると「おめえみてえな刺青もんが大きな面しやがって、人様の食いもんなんぞ作ってたんじゃ、大事なお客さまがご迷惑なんじゃねえのかよ、え?どうなんだよ、親父さんよお」と責める。
店の主人は萬蔵に金を渡したが、萬蔵はなおも「届けはちゃんとしてくれねえと、困るからねえ」と言った。

萬蔵は今度は「島帰りの無宿人が働くなら、町内の5人組から届けがあるはずだぜ。ちょいとそこの名主のところまで、この野郎と一緒に来てもらうぜ」と言う。
仙八はついに、萬蔵に怒った。
自分は確かに島帰りだが、ちゃんと務めを果たしてきた。

萬蔵はそうやって痛めつけ、仙八がおさよを差し出すのを待っているんだ、と言った。
だが萬蔵は仙八を突き飛ばし、「俺を誰だと思ってんだ」と凄む。
「お前のような島帰りは、自分ひとりの采配でいかにでもなる」。

耐え切れず、ついに仙八は持っていた包丁を萬蔵に向け、斬り付けた。
店の主人夫婦が怯える。
萬蔵の腕から、血が流れる。

かぁっと声を出して、萬蔵は、縄を取り出す。
先には分銅がついていて、萬蔵はそれを自分の前で振り回す。
縄は飛んで行き、仙八の包丁を持つ手を捕えた。

捕えられた仙八は倒れた。
すると同心の磯矢が飛んできて、仙八をお縄にする。
「ちくしょう、ちくしょう」と仙八が顔をゆがめる。

磯矢と勘吉が、おさよの家に来て仙八が捕えられたことを知らせる。
だが磯矢は、「お上にも慈悲がある」と言った。
萬蔵は、自分の手下である。
お上から十手を預かった男を傷つけたわけだし、仙八は再犯なので、島送りになれば生きて江戸の地を踏むことはない。

おさよは赤ん坊を抱いて、黙って前を向いていた。
もう、おみつの目はだいぶ見えなくなっていた。
磯矢は「萬蔵ももう年だから、また罪人を島送りにするなど、寝覚めが悪いと言っている」と告げた。

「悪いことは言わねえ。一度で良いから、萬蔵のところに行ってやれ。そうすりゃ事は八方丸く収まるし。正直言ってな、この俺も萬蔵からくれぐれも頼まれてきたんだ」。
磯矢はおさよをまじまじと見ると、「なるほどな」と言った。
「落ちぶれたからとはいえ、さすがだ。あの萬蔵が血道をあげるのも無理はねえ」。

磯矢は、萬蔵が待っている上野の出会い茶屋の名を告げ、「亭主のこれからにも関わることだ。きっと行ってやれ」と言う。
「行ってやるんだぞ」。
そう言うと、磯矢と勘吉は出て行った。
赤ん坊のおみつが泣き叫ぶ。

おさよは呆然としていた。
だが泣き叫ぶおみつを布団に寝かせると、立ち上がる。
鏡を見ながら、紅を取り出す。

動かない視線で、紅を唇に塗って行く。
紅を塗るおさよの手が止まる。
仙八が牢に繋がれている様子が、おさよの頭に浮かぶ。

おさよの目から涙がこぼれ、頬をつたっていく。
泣き叫ぶおみつを、おさよは振り返って見た。
鏡の中の自分を見つめ、再びおさよは紅を塗り始める。

夜の町を、おさよは駕籠に揺られて、萬蔵が待つ出会い茶屋へ行く。
「ここですよ」と駕籠が止まる。
籠から下り、おさよが手探りで出会い茶屋の中に入ろうとする。

その時、おさよの耳に赤ん坊の泣き声が聞こえて来る。
「おみつ…」と、おさよは赤ん坊の名を口にする。
「おみつ、おみつ」。
おさよは地面に手をつき、這いながら「おみつ!」と叫ぶ。

文十郎の家でこの身の上話を聞いていたしのが、袖で思わず涙をぬぐう。
「私は、萬蔵に会いませんでした」。
たとえどうなろうと、萬蔵にだけは身をまかせたくなかったのだ。

間もなく、仙八は八丈島で亡くなったたという報せが来た。
やはり、自分は、萬蔵の下に行った方が良かったのか。
今でもそれを考えると、おさよは気が狂うほどつらい。
おさよの目は、完全に見えなくなっていた。

だが平内も文十郎も、「そうしないでよかった」と言う。
おさよのせいで、仙八が島送りになったのではない。
萬蔵は、最初からそうするつもりだったのだ。

「そう思いたいと思っています。私がそうしたことを、主人も喜んでくれたと思いたい。でもそれから間もなくして、八丈島で主人が死んだという知らせが届いた時には、私の目はもう、何にも見えなくなっていました」。
おさよは、何度も仙八の後を追おうと思った。
しかし、仙八の悔しさを思うと死ねなかった。

それからおさよはツテを頼って、身を隠した。
おみつを抱えて生きていく為にも、仙八の恨みを晴らす為にも、按摩の針を習った。
「でもどうしても、それができない。おみつの行く末のことを思うと、この子を遺していくことを思うと、どうしてもそれが…」。
おさよは寝ているおみつの頬を撫ぜた。

文十郎と平内は、ため息をついた。
その時、物音がして、萬蔵が外からのぞいているのがわかった。
「あのじじい!」
文十郎は怒り、外に飛び出して、萬蔵の胸倉をつかむ。

「てめえって野郎は!」
「やるのか、おい?俺を誰だか知ってのことだろうな!」と萬蔵が言う。
十手はお上に返上した。
だが、「こいつの腕はまだ衰えちゃいねえ」と、分銅が先についた縄を振り回し始める。

文十郎は怯まない。
萬蔵が言うには、文十郎だって、一皮向けば裏のありそうな面構えをしている。
「黙っておさよをけえすんだよ」と言うと、萬蔵は縄を投げた。
文十郎は縄を手で受け止め、萬蔵に叩き返す。

萬蔵が驚く。
だがすぐに「そうかい。そいじゃ、しかたねえな。いずれ改めて挨拶はさせてもらうぜ。いいんだな、おい」と言うと帰って行く。
しのが心配そうに出てくる。
平内は、「どうやらこれは、まともにお上とぶつかることになりそうだぜ」と言った。

翌日、磯矢と勘吉が文十郎の家にやってきた。
磯矢はおさよとの関係をを聞くと、おさよを連れて行こうとした。
文十郎が、磯矢の前に立ちはだかる。
十手を振り回す磯矢に、文十郎はおさよを連れて行く理由を言えと言った。

磯矢は「おさよは客の財布を取る枕探しだ」と言う。
「嘘です!」と、おさよが叫ぶ。
「だったら、その客を連れて来い」。

平内はそう言い、勘吉をねじりあげてしまった。
「貴様」と、磯矢が十手を振りかざす。
文十郎の刀の柄が、磯矢の十手を阻止する。

「そうかい。おめえたち、お上に盾突こうってのか。後でほえ面かくなよ」。
磯矢はそう言うと舌打ちをして、勘吉を連れて出て行く。
「おっかさん!」とおみつがおさよに抱きつく。

その時、文十郎の家の入り口に龍がやってきた。
龍は目配せで、外に来るように示す。
外に出た文十郎と平内に、「ドジだな。何故あの場でやっちまわないんだい?奴らに目をつけられたら身動き取れねえぜ」と言う。
「俺にまかせねえか?いや、俺もな、あの白金の勘吉、同心の磯矢をやってくれと頼まれてるんだ」。

「何?」
「奴ら、島帰りの前持ちを見つけてはいたぶってる。それも今はまともに生きている連中ばかりだ。生かしちゃおけねえよ」。
龍もまた、磯矢たちに恨みを晴らす仕事を請け負っていたのだ。

そして文十郎と平内の方を向くと、「金出せ。助け人が助け人を助ける。お前さんたちの面は、割れちまってるんだからな」と言った。
しかし平内は、「そうはいかねえ。腕もわからねえ若造に任せるわけにはいかねえよ」と、突っぱねた。
その時、しのがおさよが出て行ってしまったと知らせに来た。
「おみつのことをよろしく」と、置手紙があった。

あの時のように籠に乗り、おさよは萬蔵の家に向かっていた。
おみつは「おっかさん」と叫び、おさよの後を追おうとして転んだ。
しのが抱き上げる。

駕篭かきは、目の見えないおさよを丁寧に送ってやっていた。
「ここですよ」と言われ、おさよはうなづく。
駕籠かきに手を惹かれ、おさよは萬蔵の家の前に立ち「ごめんください」と言った。

「おさよ。どうしたんだよぅ」。
「親分さん。お願いがございます、どうしてもお願いしたいことが」。
萬蔵はおさよを見て大喜びする。

別に文十郎が何をしたわけでもないが、ちょいと盾突いたからしょっぴいた思い知らせてやろうと言ってなさるだけだと言う。
「おめえ、また針持ってるんじゃねえだろうな」。
「こないだすまなかったねえ」と言うと、萬蔵はおさよの肩に手を置いた。

「俺はね、一日だっておめえのことを忘れたこたぁ、ねんだよ」。
萬蔵は黙って前を向いているおさよを見つめると、「お、俺な、俺…」と口ごもり始める。
「今、隠居の身で、誰にも気兼ねがねえ身の上なんだよ。だから、このままここにいとくれよ、ね。おめえの子供、引き取ったっていいんだよ、ね。だから、さ」。
萬蔵はおさよを押し倒した。

おさよは、そっとかんざしに手を伸ばし、萬蔵を刺そうとした。
「はっ!」
おさよのかんざしは、萬蔵の頬にかすった。

目を見開き、萬蔵が飛びのいた。
おさよはかんざしを振り上げ、萬蔵に向かって振り下ろす。
見えない目で必死にかんざしを持ち、壁を背にする。

萬蔵は火箸を取り、おさよに近づき、おさよを押さえつけにかかる。
おさよは、かんざしを振り回すが、萬蔵はおさよを抑えると、かんざしを落とした。
「おさよ、てめえ…」。

萬蔵の手が、おさよの細い首にかかる。
血走った目で、萬蔵はおさよを絞める。
おさよの手が宙に向かって伸び、やがて視界が混濁していく。

翌朝、おさよの遺体が河原にあがる。
勘吉が磯矢に「身投げですかね」と言うと、磯矢が「うん」とうなづく。
文十郎と平内は、野次馬の後ろでそれを見ていた。

「おさよさん、成仏しなよ」。
「おみつちゃんは確かに、清兵衛さんが預かってくれたよ」。
2人は、そっとおさよに話しかける。

その夜、文十郎と平内は雪の降る夜の町を走っていく。
磯矢と勘吉は、萬蔵の家にいた。
「しかしもったいねえことをしたな。あの良い女、殺すことはなかったんじゃねえのか?」と磯矢が酒を萬蔵についでもらいながら言う。
勘吉は「良く言うじゃありませんか。かわいさ余って憎さ百倍でしょう」と言う。

「どうだった」と笑う勘吉に、萬蔵は笑い声をもらすが、据わった目は笑っていなかった。
そして、彼らはまた、島帰りで小間物屋をしている男を脅す相談をする。
勘吉は今度脅そうとしている男は小金を貯めているし、妹がいると言った。
「隠居仕事にちょうどいいかもしれねえな」と、酒を熱燗にしながら萬蔵が言う。

その時、龍の影が障子に映る。
「誰だ!」
勘吉が戸を開けた目の前に、龍が立っていた。

龍は頭の上に勘吉を持ち上げると、雪が降っている庭に落とした。
勘吉を持ち上げると、後ろ向きに落とす。
庭に激突して、勘吉の首がグキリと音を立てる。

風の音が吹く。
雪が降り続ける。
磯矢が刀を抜き、龍に向ける。
龍が構える。

磯矢が龍に向かって、突進してくる。
龍は避け、障子を背にすると、磯矢、そして座敷にいる萬蔵の2人を見る。
慎重に、龍がまず磯矢に向かおうとした時だった。

兜割りが飛んで来て、龍の顔の横の柱に刺さる。
龍が驚きに目を見開き、正面を見る。
影になった文十郎の姿が、現れる。

文十郎は龍に下がっていろと、合図した。
龍は、屋根に上る。
文十郎が一瞬、龍を目で追う。

しかし、すぐに磯矢をにらみつける。
文十郎と磯矢がにらみ合うが、磯矢は目をむいて文十郎に斬りかかって来た。
磯矢の刀を交わし、2人はまた向かい合う。

龍は屋根の上に座り、じっと見ている。
磯矢が体の位置をずらしていき、刀を光に反射させる。
文十郎が光で照らされ、目を細める。

「ふふふ、貴様」と磯矢が笑う。
だが文十郎もまた、刀を光に反射させる。
光は磯矢の目に入る。

まぶしさに磯矢が、再び体の位置を変える。
文十郎と磯矢は向かい合い、磯矢が斬りかかってくる。
だが、文十郎は身をかがめると磯矢の刀は宙を斬った。

そのまま、磯矢の体を斬り払う。
磯矢の顔が歪み、座り込む。
雪の降る庭で、磯矢が動かなくなる。

萬蔵は、部屋の奥に逃げ込む。
部屋にある衝立の向こうから、紫煙が立ち上り、平内が現れる。
萬蔵は怯え、口を開きながらも、分銅つきの縄を小さく振り回し始めた。
縄が飛び、平内のキセルに巻きつく。

だが平内はキセルの先を投げ、針を出す。
萬蔵がはずみで後ろに倒れ掛かりながらも、再び縄を投げる。
縄は平内の顔に巻きつく。

萬蔵が縄を、自分のほうに手繰り寄せはじめる。
平内が針を飛ばすと、萬蔵の右手のひらに刺った。
萬蔵の手は柱に縫い付けられ、顔を歪めながら萬蔵は懸命に縄を引き寄せる。
平内が針を取ろうとするが、萬蔵も必死に取らせまいと縄を締め付け、平内を押しのける。

だが平内は萬蔵の右手に刺さった針を抜くと、萬蔵の眉尻を刺す。
萬蔵が目を歪ませる。
針が刺さっていく。
平内は針を抜くと、萬蔵が倒れる。

文十郎は座敷で酒を飲みながら、平内を待っていた。
「文さん、行こうか」と平内が声をかける。
「あいよ!」と文十郎が応える。

文十郎が立ち上がり、2人で雪の中を出る。
振り返ると、門の上には龍がいる。
龍がかすかに笑う。

文十郎と平内は顔を見合わせ、かすかに笑う。
そして雪が降りしきる中、走っていく。
見ていた龍も飛び降ると、去っていく。
雪がどんどん、降ってくる中、文十郎と平内は角を曲がるとなおも走っていく。



「悪役列伝」の伊藤雄之助さんの回でも、放送されたこの回。
怖い。
怖すぎる。

よだれがたれそうに半開きになった口で、妙に間延びした喋り方をする。
口調はあくまで、親しげ。
何度目かに見て気づいたんですが、「おい」というのが「萬蔵の」口癖でしょうか。
しかしその目は、笑っていない。

おみつの「あそこに怖いおじちゃんが!」というセリフには、まったくそうだとしか言いようがない。
いるだけで怖い。
さらに、家をのぞいているとか、もう妖怪クラスの怖さ。
こんなの、表に立っていたらどうしよう!

おみつを引き取っても良いと言いますが、絶対懐かないと思います。
「うるせえな、このガキ」って、本当にどうでもいい感じが出てる。
殺すんじゃないかと、ヒヤヒヤします。

話の感じから、芸者のおさよにご執心で、通いつめたようです。
しかしおさよは振り向きもせず、仙八と一緒になった。
板前だった仙八は、ヤクザ者とケンカして相手を傷つけ、島送りになったものの、おさよは仙八の帰りを待って一緒になった…というところでしょうか。
仙八の島送りは、これは萬蔵とは関係がないみたいですが。

磯矢はおさよをどうにかしたんだろうみたいに言ってるんですが、萬蔵の目が笑っていない。
最期まで自分を拒否し続けたおさよへの、晴れない憎悪に満ちている。
その憎悪を、次の標的に向けようとしているのがわかる。
大迷惑。

磯矢役は、今井健二さん!
何と、伊藤さんと今井さんの2人のそれぞれ得意な悪役が見られる!
ぬめぬめとした伊藤さんの気持ち悪さに対して、磯矢はいわば正統派の悪役です。

おさよは、吉田日出子さん。
お綺麗です。
災難を呼ぶ美しさですね。

仙八のため、萬蔵のところに行くしかないと紅を塗り始める。
視線が動かない。
紅を塗っているんだけど、心がここにない。
涙が、頬につたって落ちる。

視線が動かないのは、単に見えないから?
それとも、哀しいから?
いや、萬蔵が憎いから?
もしかしたら、萬蔵を殺す気でいたのかもしれない。

しかし赤ん坊の声が、おさよを我に返す。
おみつの名を呼びながら、地面を這って逃げる。
針を持ち、うなぎを仕留めるおさよの笑顔が凄まじい。

何を刺したと思っているのか。
平内さんが、背筋を寒くするのもわかる。
怨念を感じさせる。

今回、龍の宮内洋さんも登場。
「島帰りの龍」だから、同じ島帰りの仲間の苦難を知ってやってきたというところでしょうか。
その前に、清兵衛さんにご挨拶。

今回、清兵衛さんは姿を見せません。
文十郎と平内の会話で、おみつは清兵衛がちゃんと預かったというだけ。
龍は若くって、生意気で自信満々。
しかし、同心の磯矢と元・十手持ちの萬蔵の2人を相手にするには、さすがに大変そう。

そこに文さんの兜割りが飛んで来て、ちょっとビックリしている。
文さんも、龍がひらりと屋根の上に乗るので、「おっ?」って感じで見ている。
利吉や為吉でそういうのは見ているんでしょうが、こいつもやるのかって感じ?

影になった文十郎が、灯りに照らされて現れ、また磯矢が文十郎を照らす、光と影の演出。
磯矢は、雪の闇が青く照らす。
策を弄した磯矢ですが、あっという間に斬られる。

平内の萬蔵への仕置きは、痛そうです。
萬蔵も思い切り震えて、痛そうにしてます。
龍の技は、あれ、プロレス技ですよね?

解説にもありますが、平さんの仕事を酒飲んで待っている文さんは、平さんの仕事に絶大なる信頼と余裕を持っている。
若い龍に対して、円熟した大人の文さんと平さん。
いい対比でした。

龍がかすかに微笑み、文十郎と平内も微笑み、何となく怒りの感じる先が同じだとわかる。
助け人の仕事を知っているとはいえ、これなら龍を始末しなくても良さそう。
この龍が後に、身を張って助け人たちを逃がすんですから、そのあたりの変遷も見もの。


止まりなさいの「トマリナ」

最近、TVのCMでも見た「トマリナ」という商品。
ここの会社はわかりやすいネーミングを心がけているそうで、この「トマリナ」も、とってもわかりやすい。
歯茎の根元がどんどん下がってきている、歯茎が痩せてきているのを「止まりなさい」と、ストップさせる薬用歯磨きです。

名前が楽しいので、どんな商品かと思っていたら、本日、近くのお店で3割ほど安く売ってました。
しかも歯間ブラシの、おまけつき。
それで思わず、買ってしまった。
店側の思惑通りのお客の私、た~んじゅん。

歯磨きは去年、学んだ磨き方をやってると20分近くかかる。
この「トマリナ」、ジェル状の歯磨き粉。
長時間磨いていても、歯磨き粉が垂れてくる心配がない!

そして、この歯磨き粉、鮮やかなオレンジ色。
香りと味は意外なほど、おいしそう。
生薬配合だから、もっと薬っぽく、苦そうな香りと味を覚悟していたんですが。
磨き心地はなかなか、ツルツル感があって良いです。

効果の程はまだわかりませんが、意外なほど使いやすい。
気に入りました。
商品レビューになりましたが、情報も止めている人もいるかもしれないので「トマリナ」。
親しみやすい名前を心がけて、馬の名前をつけている小田切さんという馬主さんを連想します、どちらも好きです。


玄関先までお願いします

え~、何度も書こうとするとパソコンがフリーズする記事がありまして、もう諦めましたです。
別に怖い話でも何でもなく、動画が重いのか何かだと思います。
動画も「まじめにやってください!」的な音楽だし。
気温が上がってきて、桜のつぼみもちょっとふくらんできたような。

家のピンポーンが鳴り、インターフォンで応対したところ、「○○商事です」と若い女性が立っている。
この女性、さっきから家の周りで見かけた人だ。
あちこち寄っているみたいだから、何かのセールスかアンケート調査かと思っていた。
「○○商事です」と名乗った後、「玄関先までお願いします」と言った。

名乗っていきなり、知らない人なのに出て来いってこと?
それとも、いきなり玄関に入れろってこと?
これだけでもう、出て行く気もなくなれば、玄関に入れることなんてとんでもないと思ってしまうんだけど。

「すみませんが、今、手が離せませんので、そこでご用件をおっしゃってください」。
「お忙しいんですか…、そうですよね。アクセサリーの買取に伺いました」。
少し前に押し売りならぬ、押し買いのニュースを見た。
アクセサリー、貴金属を買い取ると言って威圧的に振る舞い、勝手に千円を置いて取り上げていくというものだった。

主に、お年寄りが被害に遭っているみたいだった。
家にあげちゃダメ、何で貴金属なんて見せちゃうの!などと言われていた。
あんな風に一方的に「出て来てくれ」とか「開けてくれ」と、言うのだろうか。

それで出て行ったり、玄関に入れるのは無用心に思えるんだろうが、おそらく、最初の「うっかり」でハメられちゃうんだと思う。
この女性が、そういう業者なのかわからないけど。
もしそうなら腹立たしいものがあるけど、いきなりケンカ腰になっても何も解決しないだろう。

「申し訳ありませんが、家にはそういったものがありませんので、お引取りください」。
「はい」。
あっさり引き下がった。

しかし、あれじゃ少なくとも、この辺の人は出て行かないぞ。
玄関にも、入れないぞ。
それであちこち周ってたんだなー、と思った。

忙しい時に電話セールスとか、眠い時に訪問販売とかすごく迷惑。
向こうも仕事でやってるんだから、あんまり失礼な受け答えはできないけど、これって逆効果なんじゃないか。
でも、やるってことはそれなりに結果が出てるのか。
私なんか、絶対買うもんかとまで、思ってしまうこともあるんだけどねぃ。


因縁の対決だった 「ジョーズ」

先週の週末、奄美大島沖で漁船が転覆したニュースがありましたね。
今日聞いたニュースでは、海を漂流していた乗組員をサメが襲ったとか。
怖い…!

ある小説で、ある国でヨットと同乗者をロープで縛り、海に泳がせていた話が出てきました。
バカなことをしたもんだ、餌をつけて釣りをしているようなものだと、主人公にその話を教えた男は言います。
同乗者が静かなので、ロープを引き寄せると、ぶっつり切れていた。
ロープの先にいたはずの同乗者は、それっきり見つからなかった…という話でした。

サメに対する恐怖って、人間の本能みたいなものがあると思います。
友人はあの映画「ジョーズ」を見た後、海で泳げなくなりました。
その「ジョーズ」にクイントという、初老の偏屈なシャークハンターが出てきます。
名優ロバート・ショーが演じました。


若い頃、兵隊だったクイントの乗っていた軍艦は、日本軍の魚雷を受けて沈んだ。
乗組員全員は海に放り出されたが、「SOS」は打てなかった。
その巡洋艦の名は、「インディアナポリス」だった。

アメリカ海軍史上に残る悲惨な艦の名前として、刻まれた「インディアナポリス」号。
インディアナポリスの極秘任務とは、テニアン島に原爆を輸送することだった。
1945年7月26日、原爆を届けたインディアナポリスは帰途につき、30日、日本軍の魚雷を受けて沈没した。
乗組員約1200人のうち、900人は夜の海に投げ出された。

集団で浮くものにつかまって漂流していたが、やがて船が沈んで海は静かになった。
夜が明け、太陽が容赦なく、漂流している乗組員に照りつける。
照り返しがきつく、彼らは目をまともに開けていることが、できなくなった。
着ている服を引きちぎり、目を守った。

そして、静かになった海から血のにおいをかぎつけて、サメが泳いでくる。
最初は海に浮かんでいた死体が、海中に引きずり込まれていた。
だが、その死体がなくなったころ、サメは漂流している乗組員を囲み出した。
服を脱いで、目を保護していたので、海の中、白い肌はサメの目に留まりやすかった。

最初は外側にいた人間、ぽつりと浮いている人間が襲われた。
いきなり、海中に体が引き込まれる。
そしてもう、2度と浮いてこない。
切り裂かれた救命胴衣だけが、浮かんでくる。

仲間が得物を得たのを見て、血が流れると、サメは次々襲ってきた。
漂流者は集まり、みんなで海面を叩き、大声をあげて追い払った。
だが、サメは次第に相手が自分たちより弱いことに気づき出す。
彼らが海の中で、無力であることに気づき始める。

やがて、2日目の夜が来た。
暗闇の中、悲鳴があがる。
夜が明けると、乗組員はだいぶ減っていた。

集まってきたサメは大胆になり、イカダも襲うようになる。
血が流れ、サメは無力な漂流者たちを前にどんどん集まり、どんどん大胆に、どんどん凶暴になる。
サメのヒレが、近づいてくる。
次は誰にしようか、選んでいるように回遊しては見えなくなる。

3日目の朝になると、乗組員の姿はだいぶ消えていた。
海には血や、食いちぎられた残りの体の一部が浮いていた。
そしてサメの襲撃は続いた。

やがて、自ら海中に潜り、浮いてこない者や、持っていたナイフやピストルで、自殺する者が出てきた。
発狂する者。
重油まみれの海水を飲み、息絶える者。

祈っている男もいた。
もし助かったら、日曜日には毎週、教会に行きます。
困った人を見たら助けます、だから、お願いします、あいつらの餌食にしないでくださいと。

また夕暮れが来て、夜になる。
あちこちで水音が響き、悲鳴が上がる。
夜が明け、4日目の朝が来ると、浮いていた仲間はさらに減っていた。

クイントはサメには、表情がない。
目に感情がない。
人を噛んだ時、やつらの目玉はグルッと周り、白目になると言った。
あたりは死体と、死体の一部と、人間が混ざって浮いていた。

4日目の朝、クイントと一緒に浮遊物に捕まっていた仲間が眠っていた。
「おい」とこづいて起こした時、クイントは気づいた。
眠っているんじゃなかった。
奴の下半身は、なかった。

5日目、上空を飛んでいた捜索機がインディアナポリスの乗組員たちを発見。
やっと彼らは救助された。
この時の捜索機のパイロットは、彼らが退役した後も戦友としてパーティに呼ばれ、彼らの顔を見ると元乗組員たちは涙を流して、手を握っていたという。
飛行機が天使に見えた、と。

海軍の中で、ニミッツ提督とマッカーサー提督は不仲だった。
ちょうどこの2人が率いる部隊の、境目でインディアナポリスは沈没した。
司令官同士の不仲、部隊同士は連絡が行き届いていなかった。
結果、インディアナポリス沈没の発見が遅れた。

900名いた乗組員は、300名になっていた。
魚雷による戦死より、沈没後の犠牲の方が多かった。
海に漂っていた遺体は、誰か確認が取れない状態だったので、浮遊物全てが身元確認のため、回収されたという。

そして、彼らが運んだ原爆は広島に投下された。
投下された原爆には「インディアナポリスの乗組員に捧げる」と書かれていたらしい。
この原爆で、10数万の市民が犠牲になった。

その後、インディアナポリスの艦長は、日本軍の魚雷の標的になるような操行に問題があったとして軍法会議にかけられた。
日本側はそんな操行はしていても、必ず命中させたであろうとは言った。
だが戦争終了直前と言っていい時期に、戦死ではなくこんな風に犠牲になったことに対して遺族は納得しなかった。

艦長には抗議の電話、嫌がらせが絶えず、妻は数年後に病死。
そして1968年、艦長は海軍で支給されていたピストルで自殺。
生き延びたに見えた艦長もまた、インディアナポリスの犠牲者の1人となった。
インディアナポリスは、たくさんの犠牲者を出した。


…というこの話、海外の動物ドキュメンタリーでやってたんですね。
「ひええええ」と思いながら、見ました。
下手な映画より怖かったです。

そして実はサメよりも、人間とか戦争のほうが残酷だとか、いろんなことを考えるんですが、艦長も含め、インディアナポリスの生存者の人生は、相当に変わったらしい。
無理もないと思います。
自分だったらどうだろう、正気を保っていられただろうかと思いますし。


映画の中で、インディアナポリスから生還したクイントはシャークハンターとして、最期はジョーズの餌食となった。
子供の頃、この映画を最初に見た時は、救助を呼ぶ無線を壊したクイントの行動がわからなかった。
実際、同乗していた博士は「気でも狂ったのか!」と怒った。
でも、この背景を知った時、ジョーズとあくまで対峙しようとしたクイントの気持ちがわかった気がしました。

サメの襲撃から生き残ったクイントは、確かにサメも憎かっただろう。
しかし、それだけじゃなくて、サメにより多くの仲間が死んで行ったのを目の前で見たこと。
自分たちが運んだ原爆で、多くの市民が死んだこと。

そこで生き残った自分に対して、考えることがいろいろあったのだと思います。
罪悪感もあったかもしれない。
クイントは、最期に見たこともない怪物といっていいほど、巨大なサメと対決することを選んだ。

これは実は、因縁の対決だった。
そしてこれこそが、自分の人生の落とし前のつけ方だと、クイントは無意識にも思っていたのではないでしょうか。
クイントのセリフは「ジョーズ」のほんの一部にしか過ぎませんが、これを知って見ると、クイントが単なる偏屈なシャークハンターに、ジョーズ対クイントが単純な対決に見えなくなってきます。


自転車に乗った幸せより、ロールスロイスの中で泣きたい?

「幸せはお金では買えないっていうけど、お金はある方がずっといい」。
「自転車に乗って幸せでいるより、ロールスロイスの中で泣いてる方がまし」。
グッチ創業者グッチオ・グッチの孫、マウリチオの元妻・パトリチア・レジアーニの発言。
お金と幸せについて考える時、この言葉を思い出します。

私はグッチのバッグって持ってなくて、唯一、誕生日プレゼントにもらった携帯ストラップがあります。
たしかもう、5年以上使っている。
それでストラップをひっくり返して見たら、「グッチ」じゃなくて「コーチ」だった。
たはは、私ってダメな奴。

このグッチ家の崩壊自体、映画になりそうな話ですが、グッチとコーチを間違える私なので、細かいところで違っているところもあるかもしれません。
グッチの創業者グッチオ・グッチは身一つでイギリスに渡り、一流ホテルの従業員になった。
毎日、毎日、ホテルの金持ちの客の相手をし、荷物を運ぶ。
だがここでグッチオは我が身を嘆かず、お金持ちのカバンやバッグに注目した。

お金持ちが持つカバン、バッグとはどんなものか。
どんな素材で、どんな風に作ってあって、どんなデザインか。
ホテルでお金持ちのバッグを見ていたグッチオは、1922年、革職人の町とも言えるフィレンチェに渡り、革製品の店を開く。

当時の革製品といったら、馬具が中心。
だがグッチオが作ったのは、旅行カバンを中心としたカバン屋だった。
フィレンチェを訪れる観光客にこの店は評判となり、大繁盛するようになる。
こうしてグッチが誕生した。

ヨーロッパのブランドではよくあることだが、グッチは同族経営だった。
グッチオには5人の息子がいたが、そのうちグッチを継いだのは2人だった。
3男アルド、そして5男ルドルフォの2人。

アルドは、グッチの2つの「G」が対照的に描くブランドマークを作った。
さらに父のグッチオは反対したが、アルドはアメリカにグッチを売り込むことにする。
結果としてアメリカでグッチが広まったのは、大成功だった。
こうして、アルドがグッチのブランドを確立したのだった。

家業を継いだもう1人の息子、5男ルドルフォは家業を継ぐことに反発し、俳優になると言って家を出た。
そうして何本か映画には出たけれど、結果的には失敗だった。
ルドルフォの生活は、困窮を極めた。

家業を継ぐことに反発し飛び出したルドルフォだが、グッチオはこのルドルフォをかわいがっていた。
グッチオはルドルフォを呼び返し、グッチを手伝わせる。
俳優だったルドルフォは、ソフィア・ローレンなどの有名女優にグッチを持ってもらった。
これはグッチの名前を高めた。

アルド、ルドルフォ、どちらもグッチの名を高めた。
しかし、やっぱりグッチの成功はロゴマークを作り、アメリカに売り込んだアルドの功績が大きい。
だが呼び返したことでもわかるように、グッチオはルドルフォがかわいかった。
そこでグッチオはグッチの株を半分ずつ、このアルドとルドルフォに分けた。

正反対の兄弟は、決して仲は良くないが、お互いグッチを引き継いでやっていく。
ルドルフォ亡き後は、一人息子のマウリチオが後を引き継いだ。
マウリチオは気弱だったので、グッチの実権はアルドが握った。
このマウリチオは美しいパトリチアという美女に一目惚れして、結婚する。

しかし、パトリチアはアルドの下にいるような女性じゃなかった。
何とかして夫、そして自分がグッチの実権を握りたいとパトリチアは考えた。
一方、アルドには、ジョルジョ、パオロ、ロベルトの3人の息子がいた。
この時、アルドの長男パオロは時代の流れだとして、グッチを人件費の安い国で大量生産し、安く売るブランドを計画していた。

発売寸前でこの計画は父のアルドに見つかり、ブランドを重んじる父はグッチの名前を使って大量生産したことに激怒。
パオロとケンカの果てに、パオロをグッチから追放してしまう。
この父親と息子のケンカを、パトリシアは見逃さなかった。

夫のマウリチオが持つ株は、父のルドルフォから引き継いだ50%。
アルドは自分が持つ50%のうちから、10%を3人の息子に与えていた。
つまり、アルドはグッチの40%の株を持ち、3人の息子は3.3%ずつ株を持っていたことになる。
パトリシアはパオロの父への復讐心を利用し、マウリチオの50%とパオロの3.3%で過半数を握り、アルドを経営者の座から引き摺り下ろすことに成功。

1984年、アルドは株主総会でグッチの社長から引き摺り下ろされ、代わりにマウリチオが社長に就任した。
パトリチアは念願のグッチの社長夫人として、社交界のトップに君臨する。
しかしアルドは翌年、「マウリチオは秘書に父親のサインを偽造させて、グッチの株を相続した」と告発し、裁判にする。
すると元秘書が、証人として出廷。

判決が出るまで、マウリチオは社長から降ろされてしまう。
さらにその翌年の1986年、今度は息子パオロの告発で、アルドに740万ドルの脱税容疑がかかる。
そして判決は有罪、アルドは刑務所に送られる。
グッチのブランドは傷つき、さらに創業者一族が追い出された後の素人経営で売り上げは落ち込む。

1987年、父の目を気にしなくて良くなったパオロは独自のブランドを立ち上げるも失敗。
翌年の1988年、マウリチオがグッチに復帰する。
だが今度は、マウリチオ夫妻に牛耳られるのを嫌ったアルドの2人の息子はグッチの株を売ってしまう。
これにマウリチオ夫妻と不仲になったパオロまでが、同調。

株を買ったのは、アラブの投資銀行「インベストコープ」だった。
一族の争いが収まらない2年後、アルドが亡くなる。
アルドの遺言は「長男のパオロを一族の墓に入れるな」だった。
3年後の1993年、経営に行き詰まったマウリチオは、全ての株を「インベストコープ」に売ることを決意。

こうして同族経営のグッチ一族は一族の争いから、全てグッチから消え去ることになった。
パトリシアは、マウリチオと別居。
こちらから見るととんでもない額の慰謝料でさえ、「マニキュア代にもならない!」と拒否したのは、アメリカの不動産王・ドナルド・トランプの元奥さんだったか。
この時、パトリチアに毎月払われていた生活費は日本円にして約800万円だったが、この額にパトリチアは満足していなかった。

そして、1995年、アルドと対立していた長男・パオロが亡くなる。
アルドの遺言で、パオロはグッチ家の墓には入れなかった。
そして同じ年の3月27日、ミラノでグッチの元会長、マウリチオが射殺された。
目撃されたのは、40代の男だった。

犯人は捕まらなかった。
一時は迷宮入りかと思われたこの犯人が、1997年1月逮捕された。
高級マンションから手錠をかけられて、車に乗せられたのは、パトリチアだった。
マスコミは騒然となる。

1998年、パトリチアは禁固29年の罪を言い渡される。
アルドの3男・ロベルトは、グッチ家を再興しようと新ブランドを立ち上げた。
バラバラだった一族は、力をあわせる。
しかし、あの栄光は戻ってこなかった。

一方、創業者が1人も経営からいなくなったグッチは、トム・フォードをデザイナーに迎える。
映画「プラダを着た悪魔」でも偏屈な編集長が、ただ一度、見て微笑んだというトム・フォード。
グッチは見事、復活した。

そのパトリチアは2人の娘の面会さえ、拒否したらしい。
収監された時、パトリチアは50歳。
出てくる時は、80歳近い。
「自転車に乗って幸せでいるより、ロールスロイスの中で泣いてる方がまし」と言ったパトリチア。

この時、私は「ああ、この人は(夫殺しを)やってるな」と思ってしまった。
誰もが思ったんじゃないだろうか。
この人は確か去年、刑期の半分が過ぎて仮釈放の話が出た時、「働くくらいなら刑務所にいた方がいい」と言って拒否したはず。

「赤貧と言うが、もうあの貧しさは罪だ。犯罪だ」と香港の貧民屈にいた主人公が語る「浅水湾の月」という小説がありました。
確かに、貧乏もそこまでいったら、どうかと思う。
パトリチアが生まれた家は貧しかったので、そういう価値観になるのかなと思う。

ロールスロイスで泣いていたほうがいいと、思うのかもしれないと。
パトリチアにとっては自転車に乗ることがもう、不幸なんだろう。
決して笑えないんだろう。
パトリチアみたいな考えを、不幸だと言うのは簡単。

でも、人はそれぞれ、違う価値観で生きている。
自転車に乗って笑っているより、ロールスロイスで泣いていたほうが幸せという人を否定はできない。
だけど、やっぱり例え自転車でも笑っていられるということは、幸せなんじゃないか。
ロールスロイスだろうと泣いているってことは、幸せじゃないんじゃないか。

要するに自転車でいようと、ロールスロイスでいようと、自分が幸せであると思えなかったこと。
満足できなかったことが、問題のような気がする。
そうして、幸せを自分で捨ててしまったとしか思えない。
お金と幸せの関係は、いつの時代もどこの国でも、難しいんだなと思う。


タノシイ週末スデニ去リ いずこも同じ、春の夕暮れ

日曜日の朝、コッピーを埋めたところにお線香を立てて、毎朝、毎夕仏壇に向かってあげているお経をあげました。
夕方もお線香を立てて、お経をあげました。
生きているうちに、もっと何とかしてあげればよかったのに…、と思う。
ほんとに、ごめんね。

地面にお線香を差して、手を合わせてブツブツ言っている私をご近所さんは見ただろうか。
何だと思っただろうか。
あのね、危ないことないですから、怯えないでくださいね。
しばらく、続きますからね。


金曜日の夜の華やぎに比べて、日曜日の夕方は妙に寂しい。
みんな、そうらしい。
「笑点」のオープニングを思い出すともうそれだけでガックリ来るとか、「サザエさん」の音楽でガックリ来るとか聞きました。
そういえば、日曜の「サザエさん」の時間が一番ユウウツになる人が多いという調査をどこかで見たことがあります。

「笑点」→「ちびまる子ちゃん」→「サザエさん」と来て、大河ドラマまで来ると諦めだそうです。
いずこも同じ、春の夕暮れ!
私の場合は「笑点」→「ちびまる子ちゃん」→「サザエさん」→「7時のニュース」→「ダーウィンが来た」→「大河ドラマ」ですね。

この辺りでもう、かなり、テンション下がってますが、中には日曜日のお昼の番組あたりでもう、テンション下がっているという人もいました。
土曜日仕事で日曜、月曜とお休みの人が「日曜の夜がユウウツじゃないのはうれしい」と言ってたので、みんな日曜の夜はテンション低いんですよね。
あ、日曜の夜、ユウウツじゃないのはうらやましい。

月曜の朝は特に早く目が覚め、とっとと支度をして時間が来るのを待っていた時がありましたが、相当自分を奮い立たせてたんだなーと思います。
電車に乗って、会社について、このぐらいで諦めがつくという人もいました。
私は月曜のお昼にやっと波に乗れたかな~、と思います。

「片思いしてるとガッコに行く前の日の日曜日の夕方もユウウツじゃないし、月曜日大好きなんだよね!」
「ぎゃー、何てうらましい」。
「恋する少女は無敵だからねー」。
なんて会話もありました、ああ、スバラシイ。

「日曜日は夜遅くまで遊んで、帰ったらすぐに寝れば、ユウウツじゃなくていいよ!」と言う人も。
この人は日曜の夜7時からコンサートに行って、その後、ご飯食べて、カラオケではじけて、ユウウツじゃないけど月曜日につらそうです。
1週間長そうです。
というわけで、私は、日曜日の夜は好きなもの食べるのだ。

昔、「純情クレイジーフルーツ」というマンガで、土曜日のお昼を描いた回がありました。
まだ、土曜日は半日授業があって、土曜日の午後、学校帰り友達と過ごす話でしたっけ。
「ここから先がパラダイス。月曜までの短い間」。
「明日は日曜。あさってはもう月曜」。

で、日曜日は何していたかというと、それぞれ「寝てた」「同じく…」とか、酒屋さんの家の子は「いいわよ、あたしなんかずーっと家の手伝い!」という日曜日だったりするんですね。
そして、「タノシイ週末スデニ去リ 次ノ土曜ハ マダマダ彼方」という月曜日の授業風景で終わります。
考えたらもうずっと、学生時代から日曜日の夕方から夜って、テンション下がってるのか。

世界中の人が、そうなんだろうか。
恋する少女は別で。
うーん、すごい。
ということで、おやすみなさい…。


次は浅草? 「孤独のグルメ」

コッピーを思い出すと寂しくて、胸は痛みますが、ドラマの話。
毎週水曜深夜、木曜早朝というのかな?に、放送されている「孤独のグルメ」がDVD-BOXになって、発売!
これ、実在のお店で撮っているし、DVDにはならないと思っていたのでビックリ。
テレビ東京系列が映らなかった地域の原作ファンも、これで見ることができる?

最後に流れるテーマ曲は、「松重“五郎”豊のテーマ」っていうんですね。
何となくですが、主演の松重豊さんの名前があるところに、スタッフさんとの良い関係が出ている気がします。
次々と1月スタートしたドラマが最終回になる中、「孤独のグルメ」も今週で終わってしまいました。
松重さん好きとしては、楽しかった!


食べる前に五郎ちゃんの日常が見えるドラマをやって、そこで五郎ちゃんがお腹を空かせて食べる。
どんなドラマが前にあろうと、五郎ちゃんがポカッと考えることは「腹減った」。
何があろうとお腹が空くという、人間としての原点に帰る。
そして今日あったことを、ポジティブに精算しながら帰って行く。

人間、何があろうとお腹が空く。
お腹が空くうちは、大丈夫だ!
そんなことを言っているかのごとく、五郎ちゃんは満足して歩いていく。
町でおいしいものを食べたという小さな幸せで、最後が笑顔というのが良かった。

ひたすら黙って食べている演技って、結構しんどかったんじゃないかな。
それでもおいしさを表現し、幸せそうな顔をする。
後でセリフを当ててるんだと思うけど、これがセリフだけでも感情があふれている。
コワモテな役が多い松重さんの、飄々とした五郎ちゃんは良かった。

最終回、「腹がちょいとペコちゃん」とか、今までのセリフをおさらいしているかのようなセリフもあった。
この回じゃないけど「メニューの森に迷い込む」とか、ある、ある、あるわと思いましたし。
まるで浦安なパリでの、恋人たちの会話も楽しかった。
田中要次さんの、オネエ演技も楽しかった。

原作者の久住さんが最後に、五郎ちゃんが行った店に行って食べるんですが、何回か「僕、こういうの否定する人大嫌い」って言ったんですね。
この店とか、出てきたものとか、「あんなのダメ」「あれはああやって何々してる、本当はダメ」「みんな知らないから騙されてるけど」と素材とか材料とか作り方とか、言いたいことある人、特に同業者でそういう人っているんだろうなあと思いました。
当たってるのかもしれないけど、まさに「こういうの否定する人大嫌い」と、嫌われるタイプかもしれないとは思いました。


次は「浅草だ」と言ってましたが、第2弾もあるのかな?
浅草なんて、楽しそう。
グルメ番組ってあんまり見ないんですが、これは楽しかった。
深夜に人のお腹を減らしてくれるこのドラマ。

またやってください。
今度は季節が反対の、夏なんてどうですか。
そして、唐突に、コッピーがいないのは寂しい。

私が飼い主で本当にごめんね、コッピーさん。
今までありがとう。
人間を楽しませてくれたんだから、次は良い家に生まれてくると信じる。


コッピーさん

2009年の5月、5匹のコッピーという小さな魚をもらいました。
すぐに元気のなかった1匹が死んでしまい、4匹になってしまいました。
その後、一年ほどして1匹が水槽から飛び出し、干物に…。
そして去年、私の退院後、また1匹が飛び出し、ついに2匹になってしまいました。

飛び出すって、何でだろう?
嫌だったのか…。
そして今日、水槽に2匹のコッピーが沈んでました。
寿命が3~4年くらいとは聞いてましたが…。

病気っぽい。
小さいものがいなくなるって、悲しい。
さびしい。
もう、泳いでる姿は見られないんだな。

水仙の横に埋めました。
長生きさせられなくて、ごめんなさい、コッピーさん。


見せてもらえなかった「座頭市」

このところ、夜は「新・座頭市III」も見ています。
昨日見たのは、第6話「糸ぐるま」。
市が泊まった旅籠で、昔、按摩に通っていた村にいた娘に再会。
娘は市が村に按摩に通っていた当時は子供で、市が諸国を回った話をしてもらうのが楽しみだった。

ある日、市に何がほしいと言われて、「鏡」と答えると、次に村に来た時、市は鏡を持って来てくれた。
娘はそれがうれしくて、大人になった今もその鏡を持っていた。
偶然の再会を喜ぶ娘と市。

娘の夫は昔、娘を叩き売っては金をせしめていたヤクザな男だった。
実は女房も、昔の自分のせいで不幸を味あわせたことがある。
しかし、市に足を斬られてからは真っ当な道に戻り、今は旅籠の風呂焚きをしている。

だが過去は男を、許さなかった。
元は子分だった男が、娘の夫を賞金目当てに役人に突き出そうとした。
役人はその元・子分と今はグルで、悪事を働いている。

捕えられた男を、市が役人も元・子分が斬り、助けてくれる。
市は去って行き、助かった男は戻ってきて、女房と抱き合って泣く。
2人の過去、どういう交差があったか、女房は気づいたのか。

それとも、気づかなかったのか。
男が話さなければ、わからないままかもしれない。
だが、戻ってきた男と女房は号泣している…。

緒形拳さんもヤクザ、そして風呂焚きで全然目つきから、表情、仕草まで違う。
足を斬られた時と、風呂焚きをして暮らしている現在と、演じわけがすごい。
なーんて、すごいレベルの俳優さんなんだ。

女房役は、倍賞美津子さん。
「復讐するは我にあり」の夫婦を、思い出すキャスティングですね。
しかし、こちらはお互いの過去をどこまで知っているのか、知らせたのかは最後までわからない。
けれど、今は見ているこちらを泣かせるような夫婦なのでした。


そして、第7話「ゆびきりげんまん」。
市は自分の金を狙った男をやむなく斬り、その男の今際の際の頼みで、幼い娘を祖父母に送り届けた。
娘と別れ際、おじいちゃんとおばあちゃんの言うことを良く聞いて良い子でいるんだよ、その代わり10年経ったら会おうねと、「ゆびきりげんまん」した。
10年後、約束どおりにやってきた市だったが、娘はもういなかった。

泊まった旅籠で仲居をしている娘は、あの時の娘の名ではなかった。
だが市は、7年前、娘の祖父母が押し込みに殺されたこと。
娘が身を投げ出して押し込みの手下の男たちをたぶらかし、男たちに押し込みを殺させて祖父母の仇を討とうとしているのを知る。

仲居がその娘と察した市は、そんなことをしてはいけない、幸せにならなければいけないと言い聞かせる。
今まで復讐しか考えなかった娘は、市のしみじみとした言葉に考えを変える。
やがて押し込みの首領は手下の裏切りに気づいて手下たちを殺し、その足で市も殺しに来る。

寝込みを襲われた市だが、首領と手下たちを「10年前に落ちた落とし穴を今さら埋めようったって、そうはいかねえもんだ」と言って斬る。
男たちが殺されたのを見て、娘は市の後姿を追って峠に走る。
朝、霧の立ち込める道で優しい、10年前の市の言葉が耳に蘇り、娘は膝を折る。

娘は大谷直子さん。
市を、あの時の優しい座頭と気づいた時の様子が素晴らしい。
しかし、祖父母の仇を討つ為には、ここであの時の娘に戻るわけにはいかないと、芝居をうち続ける。

だが、市は気づく。
市の限りなく優しい口調。
その言葉が、復讐に燃えていた心にしみていく様子が、まるで氷が解けていくよう。
仇をとってくれた市を追って朝霧の中、走るが、もう2度と会えないだろうと膝を折るのも切ない。

首領は、清水紘治さん。
決死の覚悟で入り込んできた娘を一目見て気に入り、あの娘には体を売らせるな、と命令する。
あれ、このお2人、ご夫婦じゃなかったですか?

勝新太郎さんの座頭の演技、最後の殺陣は、すごいの一言。
座頭にしか見えない、まったく違和感がない上、それであの殺陣ですから、これはもう天才ですね。
そうそう、若き日の本田博太郎さんも出ていた…。
後の「仕舞人」の直次郎が、長ドスを見ないで収めるのは、座頭市の影響だそうです。

私は「必殺」はOKだったのですが、子供の頃、「木枯し紋次郎」と「座頭市」はNGだったのです。
だから、ある程度の大人になって見て、この2つの素晴らしさを知ったところです。
でも、これはこれで良かったかも。

なぜ、NGだったか。
この辺の番組、親が見せてくれなかったという人が、割といるんです。
でも家は「必殺」も「キューティハニー」もお咎めがなかったんだから、単にチャンネルの関係か、親の好みだったと思われます。