こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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深い、小さい

美容院に行って来ました。
その時、読んだ雑誌に、マザー・テレサの言葉が書いてありました。

思考に気をつけなさい。それはやがて言葉になる。
言葉に気をつけなさい。それはやがて行動になる。
行動に気をつけなさい。それはやがて習慣になる。
習慣に気をつけなさい。それはやがて性格になる。
性格に気をつけなさい。それはやがて運命になる。

記事自体は、どなたかが出したCDの記事でしたが。


別の雑誌には、あるお坊様が出ていました。
「人はやがて、どんな理不尽な出来事も受け入れる時が来る。その時間は、人や立場によって違うが」。
そして、「昨今忘れられているが、地震列島とも言える、災害の多いこの土地に何千年と暮らしてきた日本人は強い」と。

諸行無常。
今はとても悪く、日本自体が停滞しているように思える。
でも諸行無常とは、栄耀栄華がいつか終わるのと同じで悪い状態も終わるのだ、とありました。

マザー・テレサ、そしてお坊様の言葉は深い。
そんな深い言葉を読んだ私は、たかがシャンプーで揉める。
惚れ惚れするほど、器がちーさい。


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アベムより

今日、テレビを見ていたら、阿部寛さんが「オシャレ関係」に出てました。
北村一輝さんとの話が、結構出ました。
笑ったのは北村さんの出演した「妖怪人間ベム」を、阿部さんが見て「良かったよ」とメールした時のこと。
「ベム役をやりたかった…。アベムより」とそこには、あった。

2人で舞台を見に行ったりするんですね。
仲良いんですね。
2人が並んでいるところって…、かなり濃厚。
イタリアにいるような気分になるかもしれない…、ならないか。


存在感ある!

北村一輝さんが、「日本一、顔の濃い俳優」さんに選ばれたそうです。
映画「「テルマエ・ロマエ」の、舞台挨拶でのこと。
阿部寛さんとの決選投票ならぬ、決戦拍手を制したとか。

4月からEテレの「イタリア語講座」に、北村さんが出てますよね~。
2回目から知って見始めて今週4回目だったんですが、イタリア人と並んでも全然違和感ない。
「拍手をもらって微妙な気分って、あまりないですね…」と肩を落としていたとありますが、肩落とさないでー。

午前中にテレビをつけたら、山崎努さんの本を紹介していました。
週刊文春での6年間の連載「私の読書日記」を、まとめたものだとか。
「柔らかな犀の角」というタイトルで、表紙は山崎さんが描いたそうです。

「必殺仕置人」の鉄ももちろん、山崎さんにしかできない役でしたが、「雲霧仁左衛門」も素晴らしかった。
「刑務所の中」で、共演した今は40代、当時30代の俳優さんたちは山崎さんを見て「う…、わあ…、仕置人だあ…。仕置人が目の前にいる…」って思っちゃったそうですから。
思わず、「わかる!」と言ってしまいました。

山崎さんはとっても物静かなんですが、存在感がもう、すごいですもん。
この方の演技の影響力というのも、すごいものがあると思います。
75歳だそうですが、さりげなく色気がただようところなんか、さすがなんであります。
今日は山崎さん、北村さんと、存在感ある俳優さんを続けて見ました。


極道→純情研修医→極道?!

情報をつかむのが、ものすご~く遅い私。
「任侠ヘルパー」、映画になったんですね。
何で今頃知ってるんじゃ!と言われても、今頃知ったんですよー。
教えてもらった公式サイト見たら、11月公開とありました。

出演者はもちろん、草なぎさん。
安田成美さん。
おー、映画では、お久しぶりですね。

夏帆さん、風間俊介さん。
杉本哲太さん、宇崎竜童さん、香川照之さん。
何の役かわかりませんが、迫力ありそう。

そして黒木メイサさん。
りこちゃんですね。
友情出演とありますが、SPからのりこちゃんが気になります。

堺正章さん。
こちらは特別出演。
出演者だけしかわかりませんが、連続ドラマの時のレギュラーさんたちは出ないんですね。

六車さんのポカポカ、猫パンチ。
二本橋さんのターミネーター。
こちらはもう一度見たかったですが、彦市の新たな戦いは期待できそう。
しかし、極道→純情研修医→極道?と、草なぎさんの役の幅、すごすぎ!


火曜日のドラマ、木曜日のドラマ

昨夜の「37歳で医者になった僕」の追加ですが、草なぎさんの泣きの演技はすごいですね~。
「冬のサクラ」の時もそうだったんですが、自分を捨てて、心から泣いてますよね。
カッコよく思われようとか、良い感じに泣こうとか思わず、本当に泣いてる。

「めったに起きないから奇跡なんだよ~」と軽く言っている、佐伯教授との対比がね、ほんと、あれで際立つ。
毎回、草なぎさんの泣きの演技を見ると、「いや~、どうやって涙出すのかな~」と思いますよ。
どんな哀しいこと考えて泣くのかと。
「任侠ヘルパー」の、唇噛み締めて泣かない彦市も、母親の為に極道から1人の青年に戻って頭を下げる彦市も良かったけど、紺野の泣きも良かった。

こんな風に泣いてくれる先生がいたら、救われると思いました。
患者さんが紺野先生のおかげで、つらいながらも幸せを感じていたのが遺書でわかって、こちらもたまらなかったですね。
「言ってあげればよかった」って、言ってたと思いましたから。
そうか、言ってなかったのか…と。

言わなかったことが医者としては正しいけど、人としてはどうなのかと。
でもどちらの判断も間違ってないんだと、これに正しい答えなんかないんだと。
沢村だって、わかってると思うから、だから名札を外した。

まだどこかで、奇跡は起きないと思っていたからなのか、新見先生は子供のキャンディを受け取らなかった。
紺野のような気持ちがないから、受け取れなかったのか。
いろんなところが、深い意味を持っているドラマですね。
つらい結末だったけど、スーパー研修医じゃないところが、草なぎさんのドラマらしい。


そして、始まった「Wの悲劇」。
「荒川ボニータ」が、影でひどいいじめをやっていた!
福田沙紀ちゃん、がんばってますねー。

昔、薬師丸ひろ子さんの映画を見ました。
あの時は、三田佳子さんがすごい迫力だった。
これも思ったよりおもしろそうで、来週も見ます。


「37歳で医者になった僕 研修医純情物語」第3回

「37歳で医者になった僕 研修医純情物語」、第3回。


「治るって言ってあげれば良かった」。
あの場合、そう言ってやることが人として良かったのかもしれない。
でも医者としては、良かったのか。
誰かに「治る」って言って欲しい気持ち、わかるからつらかったと思う。

人として。
医者として。
その2つが相反する態度を取らなければならない場合、どうしたらいいのか。

沢村の言うこともわかる。
当事者として感じた、真実だと思う。
だけど、紺野の言うこともわかる。

これは…、どちらの言うことが正しくて、どちらが間違っているんじゃない。
どっちもその時に感じることであり、どっちもそうなんだと思う。
立場が違うだけで。

娘の何で治してくれなかったのという泣きながらの言葉も、沢村がずっとそれを背負って生きていくと言ったのも事実だと思う。
だけど、紺野があれほど患者のことを思い、よりそってくれた事実は、患者さんにはすごくうれしかったと思う。
あんな状態でも、ああいう人がいて、ああやってくれたというのは、苦しく怖い中で本当に救いだったと思う。
紺野に、きっと娘さんも大人になればわかるよ、と言ってあげたかった。

新見先生だって、治らないと思っていた患者が良くなればうれしそうだった。
病院のシステムと日々の忙しさに埋没してしまって、ああなったけど、最初からあんな風な医者じゃなかったんだなと思いました。
ただ、ああならなければやっていけなかったんだろうと。

佐伯教授が紺野のような医者は自滅すると言ったのも、今まで見て来た事実だったんだと思う。
紺野に現実を思い知らせる機会になると、わかっていた。
わかっていて、許可したんだなあと…。

沢村だって、好きで厳しいことを言ってるんじゃなかった。
その沢村が涙する紺野の名札を外して去っていくのが、良かった。
もう、医者としてじゃなくて良いんですよ、1人の人間に戻って良いんですと無言のうちに言っているようでした。

今回は、つらかった。
でも、甲本さんの熱演が光った。
薬や患者さんの状態、選択の方法など、リアルかどうかは別にして、このドラマが見せたいものは伝わってきました。


沢地さんの胸で泣くことになりますよ 「リーガル・ハイ」第2回

「リーガル・ハイ」、第2回。

パンクバンドのヴォーカルの女性が、ある日、大ヒットしている歌手の歌を聴いて「パクられた!」と叫ぶ。
仕事を何でも引き受けなくてはならなくなった古美門は、自分への報酬が多い著作権侵害の訴訟がいいなどと言う。
そこに真知子が先ほどの訴訟を持って来た。

さっそく、問題のバンドを見に行く古美門と真知子。
一見、まったく共通点のないパンクバンドの曲と思われたが、真知子も「パクリです」と断言する。
相手側には、三木と沢地がついていた。


彼らの音楽はクラシックを愛する古美門にとっては、騒音にしか聴こえない。
ライブハウスでパンクスたちに混じって、すっごく不愉快そう。
同じく馴染めそうもなかった真知子が、客席で乗りに乗ってるのもおかしい。
ボニータのとんでもない歌詞も、おかしい。

裁判ではパンクバンドのヴォーカル・荒川ボニータさんは、裁判官も度肝を抜かれるようなファッションで現れる。
傍聴人席では、同じバンドのジャンゴジャンゴ東久留米は弾き語りを始める。
2つの曲が似ていると、真知子が法廷で歌って聴かせるけど、音痴すぎて何の曲だかわからない!

古美門の家で、ボニータとジャンゴジャンゴが服部さんの用意したアフタヌーンティーをデリカシーのない飲み方をして、ムッとするのも笑った。
ボニータとジャンゴジャンゴが真知子に怒られる時、ソファの上で正座しているポーズもかわいい。
三木に向かっての古美門の、「沢地さんの胸で泣くことになりますよ」って発言。
沢地さんが小池栄子さんなので、微妙にセクハラっぽいのもおかしい。

全てに贅沢で本物志向の古美門が、ボニータの家にあるポテトチップに「けげん~」なのもおかしい。
裁判は、ボニータと同じバンドにいたゴーストライターが見つかり、曲を使ったのを証言させようとした。
裁判官の心象が悪いボニータの格好だが、今日は見違えるようなスーツ姿のまじめな女性になっていた。
だが、ボニータに曲を作ることを教えたのは自分だったのに、ボニータの方が才能があるのに傷ついていた彼女は、法廷で証言を翻す。

ピーンチ!と思ったら、古美門は2人の会話を録音していた。
それが法廷で流れ、裁判は古美門たちの勝利に思われた。
しかしボニータは、もう曲がかわいそうだと和解に応じる。
さらに和解金も求めないと言いだし、古美門の儲け話は夢となって終わるのだった。

弾丸のような早口と、ハイテンションのポーズ!はなかった。
新垣さんも馴染んでいたし、今回、古美門とケンカしませんでした。
三木も古美門も互いのやり方を知っているけど、今のところは古美門の腕の方が上手。

ちゃんと古美門は、相手の思惑をわかっていたんですね。
「証言します」と聞いた時の、笑顔の奥の鋭い目線。
やっぱり、堺さんも生瀬さんも、芸達者さんなんですよね。
笑いの中でも、こういう微妙な表情をしっかり見せている。

三木が、古美門を法曹界から追い出すことが、自分の贖罪だと言う。
この2人、単なる独立した元部下と上司の関係より、もっと深い確執があるのかな。
沢地の含みある表情も、今後を期待させます。

コメディとしても、裁判劇としてもすごくおもしろかった。
最後に、ちゃんと、じわっとさせるのも忘れない。
よくできてるドラマだと思いました。
ジャンゴジャンゴ役の窪田正孝さんも、上手い俳優さんですよね~。


コンビ+1で良いトリオかも 「ATARU」第2回

「ATARU」、第2回。

初回は登場人物の説明もあったのでしかたないですが、2回目のほうがこちらも見やすかった。
すぐにはわからないが、確実なヒントを出すチョコザイ。
それをたどっていくと、事件の真相が露わになる。

だが、毒物は検出されていない。
心臓発作かと思われた死因。
青いバラという言葉、狐の手袋を持っているチョコザイ、狐の手袋はジギタリスのことだった。

被害者の眼球から検出されて、初めてわかった。
死因は、ジギタリスによるものだった。
事件の関係者のうち、ジギタリスの種を買った者が真犯人。
そしてそれは妻だった。

チョコザイに提示される日付。
ネクタイの結び目の太さ、細さ。
太さの違いは、浮気相手が結んだことを意味していた。

警察が用いていた写真は、運転免許証の写真で、結び目が太かった。
だからそれは浮気相手がいたということ。
しかし、死んだ時のネクタイの結び目は細かった。

もう、浮気はしていない。
相手とは別れていたということ。
妻に土下座までして別れるから、去っていかないでくれと言った言葉は嘘ではなかった。

だが、妻は信じていなかった。
夫は妻にもられたジギタリスの毒で、バラが青く見えていた。
妻の為、青いバラを買おうとした時、花屋で死んだのだった。
そんな夫を殺してしまった妻は号泣という、苦いラスト。

事件が解決し、ミッション終了とつぶやくチョコザイ。
そうなると倒れ、涙を浮かべる。
まるで、事件を巡る悲しみを感じ取ったように…。

そしてまったくわからなかったチョコザイの言動に共通するものが、段々、見えてくる。
そして、繰り返される「アップデートしました」の言葉。
「アップデート」すると、彼はアップデートしたものを受け入れる。
認識し、行動はグレードアップ?する。

彼にとって朝食はスープカレーであり、それ以外は朝食ではない。
そしてそれは今のところ、舞子が麺を食べたインスタントのスープ以外のものではない。
レタスが入っていないホットドッグは彼にとってホットドックではなく、昼食にならない。

花屋だけど、彼にしたらそこに花はない。
彼にとっての花は、ユリらしい。
ユリの花を見て、彼はやっと「花がありました」と言う。
彼にとって、ユリの花こそが花である意味は?

警察でたびたび傍受される、英語の無線。
「ATARU」という言葉が繰り返されることから、特定の者によるものだと思われるが、わからない。
そして屈託なく見える舞子の家庭だが、母親が自殺していたりと表面化しないだけに暗いものがある。

しかしこれ、栗山千明さんと北村一輝さんが、いいコンビ。
息も合ってきた感じで、栗山さんが北村さんに助けられている感じも薄れてきた。
動くのが2人なので、一見すると中居さんの影が薄いようですが、事件の鍵を握って、2人を翻弄しているのはATARU。
なのでバランスは取れて、コンビ+1で、いいトリオになっているように思えます。



ここで金を受け取ったら後にもどれませんよ 「助け人走る」第25話

第25話、「逃亡大商売」。


以前、書いたので少々、重複しております。


盗賊・夕立小僧が市中引き回しの上、打ち首となった。
夕立小僧は処刑の間際、「およね」と叫ぶ。
見ていた文十郎に、「お願いです。連れのような顔をしてください。見つけられたら最後なんです」と女がすがってくる。

女が怯える視線の先には、同心がいる。
「八丁堀、か」。
編み笠を深くかぶった文十郎と、女は連れ添って歩き、去っていく。
刑場から離れると文十郎は「力にはなれん。俺も目をつけられている。悪く思うなよ」と言って立ち去った。

為吉の一件から、助け人は休業状態だった。
文十郎は金策に、質屋に出かけた。
質屋にいる文十郎に、男が「八丁堀が来るぞ」と知らせに来た。
「心配ありません。ただの見回りです」と質屋の主人・弥平次は言った。

入ってきたのは、北町の梶川要蔵という同心だった。
文十郎は、思わず、顔を背ける。
梶川は弥平次に一通り文句をつけると、袖の下を受け取って帰って行く。
愛想良く応対していた弥平次だが、梶川が去ると、「犬野郎め」と吐き捨てるように言う。

「北町か」と文十郎が言った。
「今日お仕置きになった夕立小僧を先だって、お縄にした奴で」。
弥平次は文十郎に、「何か困ったことがあるか」と聞いて来た。
八丁堀に追われているなら、力になれると弥平次は言った。

「じゃ、おめえさんが、あの」と文十郎が言う。
「へい、逃がし屋の弥平次で」。
「そうか。名前は、かねがね聞いていたが…」。
「八丁堀と聞いた時の旦那のご様子が、あまり普通じゃなかったもので。つい余計なおせっかいを申し上げましたが」。

弥平次は、逃がし屋を裏稼業にしている男だった。
通行手形に5両払ってくれれば東海道、越後路、全国津々浦々、どこまででも逃がすと言う。
「気持ちはうれしいが、俺はまだ、それほど切羽詰っちゃいねえんだ。その時になったら、よろしくな」。
そう言って、文十郎は戻った。

家の前で見張っていた岡っ引きが、戻った文十郎に「どこに行ってたんだ」と言って、十手を振りかざす。
「次第によ寄っては、また痛い目見るぞ」。
文十郎は「お前たちが張り付いているから仕事にも就けない、金策に行っていた」と言い、「いいかげんにしてくれ」と言う。

家の中では、お吉が待っていた。
「ばか、来るなと言ったじゃねえか」。
この前の一件で、傷がつかなかったのは、お吉だけだ。
お吉は文十郎が留守だから帰ろうと思ったが、表に見張りがついてしまったので帰れなくなったのだと言う。

平内はやはり見張られているので、長屋に戻れず、賭場を泊まり歩いているらしい。
清兵衛は旅に出たままで、店の戸は閉めたままだ。
棟梁は本当に、為吉の故郷に行って、帰って来るのだろうか。

「何だか、清兵衛は帰ってこないような気がする」と、お吉は言う。
黙って聞いていた文十郎だが、お吉が買ってきた酒を見せると喜び、飲み始めた。
見ていたお吉は、寂しそうにため息をつく。

文十郎は酒の飲み方まで、変わってしまった。
「助け人か…。たった一回、町方に目をつけられたばっかりに、今じゃ何もかも、ばらばら。文さん、私たち、一体何をやってきたんだろうねえ」。
文十郎は答えなかった。

その頃、清兵衛のいない店に、およねという女が訪ねてきた。
利吉は、棟梁がいないので、助け人は休業中と言った。
だが、およねは、用があるのは裏の助け人の方だと言った。

およねは、「どうしても助けてほしい」と言う。
その言葉に顔色を変えた利吉は、「うちは裏も表もない。御定法に逆らうことはしたことがない」と言って、およねを追い返した。
肩を落として帰るおよねを、利吉は密かに追ってきた。

「もし、女将さん。誰にも、つけられちゃいませんね?」
「じゃあ…!」
声をかけられて、およねは顔を輝かせた。

しのの茶店に利吉が来た。
茶を飲んで、御代を置いて帰る。
利吉が飲んだ茶碗の下には、手紙があった。
「ありがとうございました」と言って、しのは気づかれないように手紙を取る。

しのは神社に行き、おみくじを引いて、木に結ぶ。
それは利吉の手紙だった。
龍が遠くで、見ている。

しのが去った後、龍がやってきた。
用心深く辺りを見回しながら、その手紙を取っていく。
その手紙は、利吉が助け人たちを芝居小屋の奈落に呼び出す手紙だった。

文十郎が行くと、龍がいた。
平内もやってきた。
「文さん」。
「しばらくだったなあ、平さん」。

助け人たちは、久しぶりの再会を喜んだ。
当分、仕事はしないはずだったが、何の集まりか。
すると、利吉が「既に頼み人を呼んである」と言って、およねを皆に引き合わせた。

およねに見覚えがある文十郎は、「おめえさん、いつかの…」と言う。
夕立小僧の処刑の時、文十郎に助けを求めてきた女だった。
実はおよねは、夕立小僧の女房だったのだ。
「それであんた、あの日、あそこに」。

だがおよねによると、夫はとっくに足を洗っていたと言う。
「足を洗ったもんが、お縄になるはずはねえだろう」と平内は言った。
およねによると、夫とは小間物屋を営んでいたのが、昔の仲間とトラブルになった。
そして、夫はやってもいない罪で密告されて捕えられ、処刑となったのだと言う。

龍は「それがどうした。盗人の揉め事に首をつっこむのはごめんだぜ」と言う。
だが、話はそれだけでは終わらなかった。
市中引き回しの上、打ち首になるような罪なら、親兄弟はもちろん、女房にも累が及ぶ。
だから女房のおよねもまた、死罪になるはずだった。

それを北町の梶川という同心が血眼になって探し、手柄にしようと考えたのだ。
およねには、子供ができていた。
だから、逃がして欲しい。
箱根の関所まで、連れて行ってほしい。

しかし、この仕事は、まともに八丁堀とぶつかることになる。
この仕事は下りる。
文十郎は、はっきり断った。

「何を言うんです。この仕事はどっから見たって、恥かしい話じゃないし、文十郎さんともあろう方がどうして!」
利吉は驚いた。
「わけは聞くな。とにかく俺は下りる。引き受け手がなければ逃がし屋にでも、頼め」。
そう言うと、文十郎は表に出る。

「俺も文さんと一緒でなければ、やる気がしねえや。俺も下りるよ」と、平内も言った。
龍は「自分がやろう」と言った。
利吉は「年が、なぁ」と、言う。
「年?」

龍とおよねが連れ添って旅をしたのでは、どこから見てもどこかの女房と若い男の駆け落ちだ。
人目について、しょうがない。
この話は無理だった。

外に出た文十郎を、平内が追ってくる。
「この頃、少し変だぜ。どうして今日の仕事下りたんだ?利吉が信用できねえのか」。
「いや…」。
「じゃ、何故だい」。

「為吉だよ」。
「為吉?死んだ為吉が、どうかしたのか?」
「平さん…、この仕事をやっていけば、俺たちはきっといつか、為公のような死に様をさらすに違いねえ」。

文十郎の中で、拷問を受けている為吉の姿が蘇っていた。
「あいつは最後の最後まで、俺たちをかばって口を割らずに死んで言ったが、俺は口を割らずに死んでいける自信がねえんだ」。
文十郎は言う。
「あれだけ痛めつけられりゃ、俺はきっと、はいちまうよ。平さんのことも、清兵衛さんや利吉や、龍のことも」。

「いや、そんなことはねえ!お前さんそんな男じゃねえよ!」
「例えば平さん、おめえだ。おめえさん、為公のように死んでいけるって自分に言えるか?」
平内の言葉の前に、文十郎は言った。

「とにかく朝から晩まで、町方の目が光っているんだ」。
すると平内が「俺にゃ、女房や子供もあらあ。いつまでも、こんな危ねえ綱渡りをしているわけにはいかねえ」と言った。
「…この辺が考え時かもしれねえな」。

その夜、平内と文十郎は賭場の帰りに、大暴れする。
翌朝、平内は、辻の屋敷へ養育費を届けに向かった。
いつも8の日に取り立てに来る綾が来なかったので、自ら辻家に向かったのだ。
屋敷では平内の子が素振りの稽古をし、綾が厳しく見守っていた。

平内に気づいた綾が、子供に素振りをやめ、家に入るように言いつける。
「だいぶ腰が据わってきたようだな」。
そう言った平内に、綾は冷たく「今後一切、あなた様の下さるお金は、ご辞退申し上げます」と告げた。

綾は平内が助け人という、不浄な商売の為に奉行所で取調べを受けたと、平内を責めた。
そんな不浄の金で、子供を養育するわけには行かない。
子供の為にも、この辻の家から罪人を出すわけにも行かない。

今後一切、会いたくない。
夫婦の縁も、切らせてもらう。
「平内は辻家とは関わりがないもの」と、綾は言った。

家に戻った文十郎は、しのの着物がなくなっていることに気づいた。
酒を買ってきたと言って戻ってきたしのに、文十郎は「これはどうした?いつからこんなことをしている?」と聞いた。
「いつからだっていいじゃない。みんな、私のものなんだから」。
「バカ言え。これはみんな、お前の嫁入り道具だったんだ」。

「その金で、俺が酒を飲んで喜ぶと思ってるのか?え?金がないならないで、何で俺にそう言わねえんで?」。
「私、お嫁になんて行かなくていいのよ。私、兄さんと一緒にそれだけでいられればいいんです。棟梁や、平内さんや、利吉さんや、お吉さんと毎日仲良く暮らしていければ、それで幸せなんです!」
しのの頬を、文十郎が叩く。

「歯の浮くようなこと言いやがって!世の中はそんな甘いもんじゃねえ!」
文十郎はそう言うと、「金は俺が作ってくる。入れた着物はすぐ戻して来い」と言って外に出た。
表に出た文十郎に、岡っ引きが十手を振りかざして、「どこに行く」と聞いた。
文十郎は答えない。

「言えねえのか。言えねえなら、ちょっと番屋に来てもらおうか」。
「うるせえ!」
文十郎が思わず、岡っ引きの胸倉をつかむ。
「な、何でえ!」と岡っ引きがその剣幕に怯える。

その時、しのが明るい声で、「兄さん、ちょっとちょっと!」と文十郎を手招きした。
文十郎が戻ると、しのは様子が変わり、戸を閉めた。
利吉の使いが裏口に来ていると、しのは言った。

芝居小屋に行った文十郎を、利吉が待っていた。
結局、平内も断り、仕事は不成立になった。
およねは逃がし屋に任せようと思うと、利吉は言った。
だから逃がし屋に接触したことがある文十郎が、およねを弥平次に引き合わせてやってほしい。

「いくらだい?」と文十郎が聞く。
「いくら、とは?」
「とぼけんじゃないよ。おめえさん、前金でいくらか貰ってるんだろう。多分、5両ぐらいで」。
「まあ、そんなとこで」と利吉が言う。

文十郎は頼み料を寄越すように言った。
利吉は文十郎はおよねを逃がし屋に引き合わせるだけなので、「2両!と言いたいところを1両にまけてくれ」と言って、1両渡した。
弥平次はおよねを見て、「これは亭主が自慢にするだけの器量だ」と感嘆した。

「では、うちの人を?」
およねの問いに、弥平次は知っているも何も、夕立小僧は弥平次の手で箱根までという約束で逃がしたのだと言う。
しかし自分たちの手を離れた途端、三島宿で御用となったのだと。
だからおよねは、木更津周りで逃げることになった。

通行手形から何から何までそろえるので、10両かかる。
その高い値に文十郎は顔を曇らせるが、「高いものはそれなり」と弥平次は言った。
「何かと物入りになるので、全て現金で今払うというわけにいかない」と言って、およねは母親の形見とのべっ甲の櫛を差し出した。

受け取った弥平次は、「夕方には木更津だ」と言うと、腰を上げた。
「良かったな」と文十郎が言うと、およねは微笑みながら「いろいろお世話になりました」と頭を下げた。
その後、弥平次は常磐津の師匠の家に急ぐ。

師匠の座敷にいたのは、梶川だった。
「ここに来るようじゃ、よっぽど大きい魚が、ひっかかったと見えるな」。
「へい、お目当ての魚がね」。

顔を上げた弥平次の表情は、一変していた。
それは、人の良さそうな逃がし屋の顔ではなかった。
「どの口だ」。

「それがね、夕立小僧の女房だ」。
「ほう、そいつは夫婦揃って運がねえな」。
梶川は、誰がその話を持って来たのかと聞いた。
文十郎のことを聞いた梶川は、「どうやらその野郎もくせえな」と言った。

弥平次は「また来るでしょうから、調べておきますが」と言う。
梶川は「今すぐ御用にしたい」と言ったが、弥平次としては立場があるので、一応逃がしてからにしてくれと頼む。
それを聞いた梶川は手配書を弥平次に渡しながら、「俺とお前は持ちつ、持たれつ」と言った。
梶川の愛人の常磐津の師匠は、およねの渡した見事な櫛に目を留める。

およねは翌日、弥平次の手引きで籠に乗って旅立った。
だが、しばらく行くと、籠が止まる。
駕篭かきは、「ここから先は2両出さないと動かない」と言い出した。
およねは「逃がし屋に既に親方に金は払っているはずだ」と抗議した。

しかし、駕篭かきは「自分たちは動かなくても何にも困らない。何の義理もないのだから、番屋に駆け込んでもいい」と言う。
およねはしかたなく、2両払った。
だが、高輪でおよねのいる籠に十手が差し出された。
岡っ引きが「、ここから先は自分が守ってやるから、口利き料として3両よこせ」と言う。
およねは、3両払うしかなかった。

すると、今度は別の岡っ引きが「高輪から鮫洲まで自分が守ってやる」と言う。
「財布ごと渡せ、あるのはわかっている」と言われ、およねは言う通りにするしかなかった。
しばらく走ったが、およねは籠が走っている場所に不安を覚え、「止めて」と叫ぶ。

籠が止まった。
およねが下りると、夫の夕立小僧が、さらし首になった場所だった。
呆然としていると同心の梶川が現れ、「およね、御用だ」と言った。

騙されたと怒りのおよねは、逃げ出そうとした。
そこを駕篭かきや岡っ引きがやってきて、およねを担ぎあげる。
およねは悲鳴をあげるが、男たちは降ろしてくれない。

やがておよねは投げ出され、さらし首の台に刺さってしまった。
悲鳴をあげたおよねだが、すぐに息絶えた。
悪ふざけの果てにおよねを死なせてしまった梶川は渋い顔をしたが、「およねは一度逃げたが観念し、夫と同じ刑場のさらし首の台に身を投げて死んだことにしよう」と言った。

岡っ引きは「そりゃいいや、だんなの評判が上がる」と笑った。
全員が笑いながら、去っていく。
およねの遺体は、さらし首の台の上に置き去りにされた。

その夜、お吉が座敷に呼ばれる。
座敷には、文十郎がいた。
「今日はお吉のツケにしておいてくれ」。
文十郎はそう言うと、「旅に出ようかと思う」と言った。

「ひょっとするともう、2度とこの江戸には戻ってこねえかもしんねえ」。
文十郎の頭には、逃し屋のことがあったのだ。
「本気なのね、あんた」。
お吉の顔を見た文十郎は、「何て顔をしてるんだよ。俺みてえな疫病神がいなくなれば、おめえにもきっと、いい運が周ってくるぜ。餞別はせいぜい、弾んでもらわなきゃな」と言って寝転がる。

お吉は「いいよ!」と言った。
「どこでも行っといでよ。旅に出れば、気分も紛れるし。里心がついたら、いつでも帰っといで。断っておきますけどね、その頃はあたしはどっかの玉の輿に乗ってるかもしれませんよ。派手に送り出したげるよ。陽気にいきましょ、ぱーっとね」。
「それがいいや」。
「はい、飲んだり、飲んだり」。

だが、文十郎はお吉の髪にさしてある、見事なべっ甲の櫛に目を留める。
「これ、どうしたんだ?」
「買ったの、さっき」。
「誰から?」

「常磐津のお師匠さんから。そのお師匠さんね、旦那さんから貰ったんだって」とお吉は説明する。
「気に入ったからね、譲ってもらったの。定廻りの役人てのは、いいもの手に入るわね」。
「定廻り?じゃ、町方か、その旦那ってのは。名前は?名前、何てんだ」。
「えっと…あ、梶川!梶川要蔵」。

お吉の答えに、文十郎は思わず声をあげる。
「梶川!?」
その櫛は、およねのものだった。
文十郎は、不安を感じる。

利吉の元に、平内がやってくる。
平内は家から縁を切られ、「一人ぼっちになったんだ」と言った。
「妙にサバサバした、元々武士の家に自分が入ったのが間違いだった。こうなれば、太く短く、思い切りやるまでだ」。

利吉は「これで平内さんも私と同じ、一人ぼっち」と言った。
平内は「何か仕事はないか」と言い、利吉は「現金だ」と言って笑った。
その時、文十郎がやってきた。

文十郎は、「とにかく、逃がし屋を調べてくれ」と言う。
すると、誰かが入ってきた。
文十郎と平内に殺気が走ったが、すぐに「俺だ。龍だよ」という声がした。

龍は、およねが死んだことを知らせに来たのだ。
「確かか!」
「ああ。詳しいことはわからねえが、あの女、確かにいっぺんは逃げたらしい。だが、亭主と同じところで死んだ」と龍は言った。
「手柄を立てたのは、北町の梶川って奴だ」。

文十郎も平内も、利吉も黙った。
龍は「何故こんなことになったんだ?」と怒った。
「聞いてるんだよ!」

文十郎が「利吉、俺の取り分はいくらだったんだ?」と聞く。
「取り分、へえ、2両ですが」。
龍が「今頃になって引き受ける気か」と言う。

「いいんですか?私は平内さんから聞いて、あなたの気持ちはよくわかってます」と利吉は言った。
利吉の顔は、厳しい表情だった。
「今ここで金を受け取ったら、もう後にもどれませんよ。それを承知で!金を出せと言ってるんですね」。
「そうだ。俺はこの仕事をやる。あの人にかわって…。金をくれ」と文十郎は言った。

平内が文十郎を見つめ、うなづく。
龍も息を詰めて、やり取りを見つめている。
文十郎の手に、2両が渡る。

その頃、料亭で駕篭かきと瓦版屋、そして岡っ引きは、河豚鍋をつついていた。
昼間のおよねのことが話題になり、「死なせることは、なかったんだ」「いい女だったなあ」「ふざけるからいけねえんだよ」「おめえが、からかうから」などという会話が続いた。
「酒だ、酒だ」の声に、利吉が「はあーい、ただいま」と返事してやってくる。
「女中が立て込んでいて手が離せないから、代わりに来た」と利吉は言う。

「鍋は河豚に限りますな」。
そう言うと利吉は次々、河豚や野菜を鍋に放り込む。
終わった利吉は、そのまま出ていく。
1人の岡っ引きが、厠に立った。

岡っ引きが部屋の外に出て、石畳を歩き、厠に入ろうとした時、龍がすれ違った。
厠に入った岡っ引きを、龍が捕え、逆さに持ち上げる。
岡っ引きは悲鳴をあげるが、龍は頭から石畳に落とす。
グキッという鈍い音がして、岡っ引きの首が曲がった。

料亭の本物の女中が、駕篭かきたちがいる部屋にやってくる。
戸を開けた女中が、悲鳴をあげる。
駕篭かきも瓦版屋も喉を押さえて悶絶し、死んでいた。

その頃、梶川は料亭で愛人と逢っていた。
「梶川さまはおいでで?」と、表から声がする。
「奉行所から、与力の急ぎの手紙を預かってきた」と声は言った。
「待ってろ」と愛人に言い、梶川は外に出た。

だが誰もいない。
梶川は部屋に戻ろうとするが、入る寸前、背後から平内の手が伸びて梶川の口をふさぐ。
紫煙が立ち昇っている。
キセルの先を取り、平内は針を取り出し、梶川の首筋を一刺しする。

平内の表情が歪む。
愛人が背中を向けている廊下に、梶川が座り込む。
戸を閉める音がした。
「おまえさん?何の御用?」と、愛人が目を見開いて座っている梶川に声をかける。

弥平次の質屋で、質に入っている着物が揺れる。
「誰だ?」
弥平次が、声をかけると、文十郎が現れる。
だがかかっている古着の着物で、弥平次から文十郎が見えない。

「誰だ、てめえは」。
「世の中、おもしれえもんだな、オヤジ。最後まで仲間をかばって死んでった者もいれば、逃がし屋のくせに、町方とグルになっている下種野郎もいる。死んだ者はもう、2度と生き返っちゃこねえんだ。おめえさんの方からあの世へ行って、およねさんに詫びるんだな」。
「そうか、てめえは!」

文十郎だと気づいた弥平次が、匕首を手にする。
だが、古着の中、文十郎が見えない。
弥平次は匕首を振り回す。
その時、文十郎は兜割りで正面から弥平次を刺す。

文十郎は弥平次を刺したまま、勢い良く部屋の中に走る。
弥平次がふすまに当たると、ふすまが破り貫かれる。
文十郎は弥平次を刺したまま、ふすまをぶち抜いて、奥の部屋に走る。
また1枚、ふすまをぶち抜く。

文十郎は弥平次を刺したまま、まだ走る。
最後の障子がぶち抜かれ、部屋の奥に弥平次は到達する。
文十郎は、弥平次を行き当たった部屋の奥で刺し終える。

弥平次が倒れた。
兜割りを抜いた文十郎の手は、怒りの為か震えていた。
外に出た文十郎を、平内が待っていた。
仕事を終えた文十郎は、連れ添って夜の町を帰って行った。



連続ドラマらしく、前回の設定が生きています。
奉行所からマークされている状況は、変わらず。
その為、これまでの明るい助け人とはグッと雰囲気が変わり、軽快さも笑顔も消えています。

始まりから血しぶきが飛び散る、処刑シーン。
まるで助け人たちの運命を象徴しているかのような、陰惨さ。
文十郎は深く編み笠をかぶり、平内は行方知れず。

何もかもが、お吉の言葉どおり「ばらばら」で「変わってしまった」。
人助けの為に動いてきたのに、一体、自分たちのしてきたことは何だったのか。
お吉が言うまでもなく、助け人を続ける意味がそれぞれに重くのしかかる。

新しい集合場所として、芝居小屋の奈落。
そして、その連絡を助けるのが、しのになっている。
生活も苦しくなったのか、しのは文十郎の楽しみの酒を買う為、着物を質に入れている。
それでも兄の仕事を受け入れ、自分も普通の幸せから外れても、助け人たちと暮らしていければ良いと言う。

文十郎は逃がし屋を知り、江戸を離れることまで考え始めた。
確かに、お吉に自分がいなければ良い旦那をつかめるという意味の言葉を言うのは、本当でもある。
お吉は奉行所に目をつけられていない。
だから、今、自分が離れればお吉も無事だろう。

でも、それよりここから逃げたいという気持ちの方が大きかったように見える。
為吉の死を前に、自分に自信をなくしてしまったかのように。
文十郎は自分のショックと向き合うのが精一杯で、お吉のことまで考えられないのもわかる。
仕事を一番に断るのも、文十郎。

だけどお吉は、旦那を持った方が絶対に良い、芸者という職業をしながら、浪人の文十郎についてきた。
それはそれだけ、文十郎が好きだったから。
文十郎なしで、お吉が幸せになれるわけがない。

だから、文十郎の言葉はとても残酷だと思う。
すごく身勝手に思えてしまう。
言われたお吉のショックが、伝わってくる。

苦労をかけるが、一緒に来てくれと言って欲しい。
お吉さん呼んで、ツケで飲んで、ごろんと寝転がる文十郎。
本当にお吉の言う通り変わってしまった、ダメになってしまいそう。

文十郎の言葉に、自分にも家族がいたことを思い出したように平内も足を洗う決意をする。
しかし、いつも8の日に、きっちりと養育費を取りに来ていた綾が来ない。
何と、養育費もいらないから、縁を切ると言われてしまった。
子供の為なのはわかる、しかし、またお家の為でもある。

結局、自分にはもう、守るべきものがないと知った平内さんは吹っ切った。
したが、平内さんはこれで吹っ切れた。
この時の利吉の「これで平内さんも、私と同じ1人ぼっち」という言葉に、利吉の秘めた寂しさ、哀しさを感じました。

利吉もすっかり、笑顔がなくなりました。
助け仕事に戻ろうとする文十郎に、身の上を理解していると告げる。
そして、「意味がおわかりですね、後戻りできないですよ」と言う。

この時の利吉には、しのに近づいて文十郎から逃げていた時の表情はひとかけらもありません。
裏稼業を知り尽くした元締めの迫力を見せます。
考えてみると、利吉は盗賊の時代もあるので、結構、闇社会との付き合いは長いんですよね。

意気消沈していた文十郎と違って、一人でもやる気だった龍はおよねの末路を知って怒る。
「何故こんなことになったんだ?」「聞いてるんだよ!」
口は悪いけど、龍はやっぱり、すごく良い人です。

弥平次は、伊丹十三さん。
正体を現す時、目つきから表情までが見事に変わります。
お上に逆らう善意の逃がし屋から、悪党へ。

同心・梶川は、「必殺」シリーズには、たくさん出ている外山高士さん。
およねは、「必殺」のゲスト女優の女王様と言いたい弓恵子さん。
「助け人」の5話にも、被害者役で出演しています。

この作品では、2回とも被害者なんですね。
悪女も見たかったところです。
今回は前にも書きましたが「そんな死に方ってアリ?!」って殺され方です。

そして今回は全員がやっぱり、自分は悪を許せないと知りました。
中村主水が「仕置屋」で我慢できずに、復帰してしまったように。
裏稼業に戻る意味を知りながら、覚悟を決めました。
利吉も悪党を毒殺しましたが、あの料亭、お客さんが減ったりしないのかと心配になりました。

自分がこうなっていたかもしれないと、思ったのか。
逃がし屋に希望を託した人間の気持ちが、わかるからか。
文十郎の怒りが、凄まじい。
弥平次を刺したまま、何枚もふすまをぶち抜いて行く。

それでも最後、平さんと文さんに笑顔はない。
BGMも重く、哀しい。
彼らは、「必殺」の殺し屋たちと同じになった。

殺し屋を辞めることはできない。
業を背負い、生きていく。
それを彼らも、見ているこちらも知った回でした。


明るい石坂さんで良かった 「三毛猫ホームズの推理」第2回

あ~、調べ物していたら、いつの間にこんなに夜更かしに!

「三毛猫ホームズの推理」、第2回。
今回、ホームズはお兄さんのみたらし団子を食べてしまって、そのお兄さんに追い出されてました。
好きなのはわかったけど、ああいうものは食べないほうが健康に良いよ、ホームズ!

第1回は良い出来とは言えなかったんですが、予想通り、第2回がだいぶ見やすくなってました。
根本刑事の怒鳴り声も、心なしかマイルドになってきたような。
石坂浩二さんを、もうちょっと絡ませてほしい。

今、40年近く前の「暗闇仕留人」で、早すぎた苦悩のインテリを演じる石坂さんを見ているんです。
また、生きにくそうな、つらそうなインテリが良く似合うんですわ。
動揺、罪悪感が目にくっきりなんですもん。
石坂さんのこの役を見ていると、デリケートで頭の良い人ってつらいなと思う。

人より良く物事が見える人で、それが自分に合わない場所で合わないことしているしかない。
やがて話が進むにつれ、どんどん、心が壊れていく。
見ていて、「あんまり考えないで、もっと楽に生きてください!」と言ってあげたくなる。
だから「三毛猫ホームズの推理」で、明るい石坂さんを見ると「良かったね!」って思ってしまう。

さて「三毛猫ホームズ」ですが、この調子で3回、4回と良くなって行ってくれるとうれしい。
今日はちょっと、ホームズの出番少な目だけど、猫の撮影は負担を考えるとあんなもんなんでしょう。
かわいくて、見ずにはいられない。
よく演技してると思います。