こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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俺は犬神一族に勝ったんだああ! 「犬神家の一族」76年度版

「リーガル・ハイ」で「犬神家の一族」のパロディをやってくれたのをきっかけに、76年の映画を見直して見ました。
以前にも書きましたが、映像における横溝正史世界を作り上げたのは、やっぱりこの1作でしょう。
今見ても、最初から素晴らしいんですね。

犬神佐兵衛翁の臨終に、スケキヨを除く一族が集まっている。
佐兵衛が珠代を見る目。
古い、そして豪奢な、湿った空気のする屋敷。

おどろおどろしい雰囲気の中、タイトルが出て、出演者がクレジットされていく。
この背景が黒で白抜きになっている文字、大きさ、独特の配列がもう不気味。
タイトルが終わると白黒で、明治の頃からの佐兵衛翁の生い立ちが写真で紹介される。

明治11年、放浪の孤児・犬神佐兵衛、信州那須神社の神官に救われる。
明治16年、神官夫妻と17歳の佐兵衛の並んだ着物の写真。
その古さ、不気味さ。
明治19年、犬神製薬工場設立。

明治38年、工場増築で軍人と握手して笑っている佐兵衛が映る。
大正8年、大勢の芸者らしき女性と政財界の人間と写る犬神佐兵衛、53歳、中央政財界へ進出、とある。
白黒と、人々の服装が時代と不気味さを感じさせる。
この古さに違和感がないのは、昭和に作ったものだからでしょうか。

昭和10年、犬神製薬那須本社工場新築。
戦争の足音が近づいてくる。
そして、製薬王・犬神佐兵衛、81歳で死去のニュースが載っている新聞が映る。
昭和22年2月、犬神佐兵衛、死亡。

画面に大きく那須市の文字、向こうから歩いてくる金田一耕助。
町の電柱には「犬神製薬」の看板がある。
向こうからやってくるのは、金田一が泊まるはずの那須ホテルの女中さんだった。

ホテルとは名ばかりのきったない旅館である那須ホテルに到着すると、「東京ブギウギ」がラジオから流れている。
近頃、警察がうるさいからと言って、書かせた宿帳に「東京都大田区 金田一耕助」の名前がある。
金田一に来るように手紙を出したのは、犬神家の弁護を勤める古舘弁護士の事務所の若林助手だった。

窓から見えるのは、豪奢な「犬神御殿」。
この町のほとんどは犬神製薬のおかげで暮らしているようなものだと、女中さんの口から説明がされる。
ボートで出てくるのが見えるのは、珠世。

犬神家の者ではないが、主筋に当たる女性で、それはそれは綺麗な方ですよ…、と言われるが、原作では美人もあそこまで行くと怖ろしい。
あれでは何か起きても無理はないと思わせる、不吉なほどの美しさ。
金田一が双眼鏡で珠代を見ている目の前で、ボートに穴が開けられていたのに気づき、珠世が沈んでいく…。

助けた金田一が戻ると、若林が来ていると言う。
金田一が泥足で上がろうとするのを女中さんが咎め、金田一の足を拭く。
ブツブツ言いながら、女中さんが拭き掃除をしている。
拭いた雑巾を、洗いに行かなければならない…。

金田一が部屋に行くと、若林がいない。
テーブルの上には灰皿と、灰皿の上には火のついたタバコがある。
タバコからは一筋の煙があがっている…。
若林はどこに?

廊下に出た金田一。
「きゃあああああ!」というホラー映画にはこれ以上ないだろうという、立派な悲鳴が響く。
雑巾を洗面所に洗いに行った女中さんの前に、若林青年が口から血を流して倒れている!
おおお、惨劇が始まった~!

犬神家の血筋の者が全員、揃ったら遺言書を開ける。
ついに長女・松子の息子、スケキヨが帰ってきた!
その夜、松子が連れてきた男は、顔をマフラーでぐるぐる巻きにした上、黒い頭巾をかぶり、眼だけ出していた。

出迎えに出た竹子も梅子も悲鳴をあげ、運転手もそっとこちらを伺う異様さ。
長い長い、暗い廊下。
そこを、松子とスケキヨが歩いていく。

翌日、古館弁護士が遺言書を持って犬神家を訪れると、正面に座っているのは正装した松子、竹子、梅子の息子。
一番端にいる、頭から黒い頭巾をかぶった異様な男が目に留まる。
古舘はスケキヨが本人であることを確認しなくても良いかと聞くと、竹子も梅子もスケキヨの顔を見なければ納得しないと言い出す。
吐き捨てるように松子が「スケキヨ!その頭巾を取っておやり!」と言う。

ゆっくりとスケキヨの手が上がり、頭巾をはいでいく。
「きゃあ!」と竹子の娘が悲鳴をあげる。
黒い頭巾の下から現れたのは、頭から首まで覆ったマスクだった…。
目と耳の部分は抜いてあるが、スケキヨは戦場でひどい怪我をしたので、東京で昔のスケキヨにそっくりな仮面を作らせてかぶらせたのだと松子は言う。

「スケキヨ!この薄情な人たちに、仮面をめくっておやり!」
耳鳴りのような音楽がやむ。
スケキヨが、ゴムのような仮面をめくっていく。
誰もが息を呑み、うっかり悲鳴をあげる者もいる、仮面の下のスケキヨの傷…。

そこで読まれた遺言書は、松子、竹子、梅子の3人の息子の誰かと結婚しなければならないという条件で、珠世に全ての財産を譲るといいうものだった。
竹子、梅子が殺気立つ。
ほくそえむ2人の息子、スケタケ、スケトモ。
一気に流れる不穏な空気、おおお、コワイ!

3人とも珠世との結婚を拒否、または死亡した場合、珠世は誰と一緒になっても構わない、自由になる。
だが珠世が死んだ場合はスケキヨ、スケタケ、スケトモが財産の5分の1ずつ所有し、残りの5分の2は何と!
佐兵衛が50を過ぎて得た若い女工・青沼菊乃が生んだ子・青沼静馬に与えるというのだった!
この名前は、犬神家にざわめきを起こす。

珠世も3兄弟も死ねば、全ての財産は静馬に行く。
行方不明の静馬が見つからない、または死んでいた場合、犬神家の全財産は犬神奉公会に行く。
その言葉を聞いて、部屋の隅に座っていた黒メガネの男が、深く礼をする。
これもまた、不気味。

松子が文句を言う、すると竹子、梅子が一斉に攻め始める。
血縁じゃない娘が全部持って行っちゃうわけ?!
そうよ!泣くに泣けないわ!

遺産分配には青沼親子が大きな役割を、と言いだすスケタケに、「おだまり!その話はおやめ!」と竹子が止める。
静馬の名前が出た時の反応が、異常すぎる。
そのわけは、後でわかる。

騒動の後、松子がタンスの上の段を開ける。
そこに祀られているのは、何かの動物を描いた小さな掛け軸。
掛け軸には細長い胴体の、4つの足を持つ獣らしきものが描かれている。

動物の前足と後ろ足のついている背中は穴が開いており、「矢疵」という文字がある。
「歯ハ針ノ如シ」という文字が見える。
松子は目を閉じ、それに祈る…。
戸が開き、マスク姿のスケキヨが松子を見つめる…。

静馬が生きていれば、スケキヨと同じ年。
珠世も静馬も、死ねばいいと竹子も松子も噂する。
この遺言書は危ないと、金田一が言う。
人間を冷血にさせる遺言だった…。

この後、日本映画史上に、推理小説史上に残る惨劇が起こる。
神社にこの辺りの青年が出征する際に納める、手形。
そのペッタリした黒い手形さえ、不気味に見える。

スケキヨの手形と、現在のスケキヨの手形を照合させるという話になり、スケキヨに手形を押させる。
手にインクが塗られ、押される手形。
こんなことさえ、不気味に見えてしまう。

珠世が庭にいるスケキヨに、昔、スケキヨが直してくれた時計を持って、スケキヨを待っていたと言う。
時計は戦争中、狂ってしまった。
だが、この時計を直すのはスケキヨさんしかいないと思って、待っていたと珠世は言う。

菊人形が庭に並んでいる。
おおお、菊人形!
珠世さんは、スケキヨが好きだったのか!
その晩、那須の旅館に顔をマフラーで覆った復員兵が現れる。

宿帳も書かない。
旅館の経営者夫婦は、気色の悪い客だ、顔に疵でもあるんだろうかと噂する。
その男が階段を降りて、出かけていく。
もう、夜も遅いというのに…。

翌朝、事件は起きた。
菊人形、古館弁護士は走ってやってきた金田一に「金田一さん、わかりますか…」と訊ねる。
「犬神家の人々の似顔絵になっているんですね」と言って、金田一が菊人形を端から見ていく。
「ぎゃあああ」と声があがる。

スケタケの人形には、スケタケ本人の首が置いてあったのだったー!
ぎゃー!
悲鳴と共に、首が落ちる。
ひえええー!

スケタケが殺された場所の現場検証をしていると、湖が見える。
この湖が後に…。
そして巡査が自転車で走ってくる。
子供が湖のほとりに立っている。

「お前か、警察に電話してくれたのは」。
「うん」。
子供が指差す方には、ボートが置いてある。
巡査がボートを見る。

そのまま硬直する。
子供が離れた後ろから見ている。
白いボートは血だらけで、斧が落ちていた。

ぎゃー、怖い!
少年、君はこれを、まさか、見てしまったのか?
もしそうなら、悪夢に悩まされそう。

さて、犬神製薬の財の元を為したのは、生薬だった。
佐兵衛は、芥子に精通していた。
この土地に流れてくる前の、生い立ちに関係があったのだろう。

一体、そんなものに精通している行き倒れとは、どういう生まれで、どういう経緯で放浪していたのか。
想像するしかないが、それはあまりに陰惨な想像になる。
23歳の若さで製薬会社を興した佐兵衛がしたのは、芥子の栽培だった。
芥子の栽培は禁止されているのだが、佐兵衛は何がしかの工作でこの許可を得た。

佐兵衛からこれを大量に買い付けたのは、当時の軍部だった。
犬神の麻薬は戦場で、爆弾や銃に匹敵する兵器として使われたんだろうと金田一は言う。
不幸なことだが、戦争というのはそういうものなんでしょうと古舘も言う。
本当にまだ、戦争の影が色濃く残っている時代。

そしてこれは原作にない、映画オリジナルだけど、秀逸なエピソードだと思います。
軍部は、犬神家が芥子から作った麻薬を兵士に渡し、恐怖を打ち消させた。
だから犬神一族は、呪われている。
人の血で栄えた、血塗られた一族。

そしてまた、天窓にさらされたスケトモの死体が見つかる。
スケトモの首には、琴の糸が巻かれていた。
竹子の娘・小夜子は、付き合っていたスケトモの死体を見て発狂。

しかし、ここで3姉妹は気づく。
初めは菊。
そして次が、スケトモの首に巻かれていた琴の糸。

犬神家の3つの家宝、斧(よき)、琴(こと)、菊(きく)。
一つ目が菊、そして今が琴、つまりこれは犬神家への復讐ではないのか?
そう思うには、理由があった。

佐兵衛が50の坂を越えた時、佐兵衛は娘の自分たちよりも若い女工・菊乃に子供を産ませた。
そしてその子供が男の子・静馬であるとわかると、佐兵衛は菊乃にこの家宝を与えてしまった。
3姉妹はある雪の夜、家宝を取り戻しに、親子が隠れていた農家へ押し入った。

怯える菊乃から赤ん坊の静馬を奪い取り、菊乃から着物をはぎ取り、表に引きずり出した。
家宝は取り戻した。
すると今度は菊乃に水を掛け、3姉妹は滅多打ちにした。

静馬に向かって、焼けた火箸が突きつけられる。
菊乃は必死に静馬を取り戻す。
3姉妹が引き上げて行く時、口から血を流し、全身傷だらけの菊乃は静馬を抱きしめながら、雪の中、「呪ってやる!必ず恨みを晴らす」と叫んだ。
遺産のことでもわかるが、この3姉妹は母親が違うこともあって、決して仲が良くないが、菊乃に関しては全面的に協力をしあったのだった。

テレビでも映画でも「犬神家の一族」はリメイクされましたが、この時の菊乃さんの痛めつけられ方が一番、凄まじかった。
原作ではこの話を聞いた金田一を始め、全員が気分が悪くなったとある。
警察に訴えても、佐兵衛に訴えても無駄。

私たちは重い罪にならない。
出てきたらまた、お前たち親子を探し出してひどい目にあわせることができる。
いや、私たちがいなくてもできると、この状態で高笑いされたら、逃げる。
誰だって逃げる。

しかし、菊乃は既に空襲でなくなっていた。
静馬の行方は、わからなかった。
そして、ついに明かされる佐兵衛と那須神社の神官・野々宮家との秘密。

神官夫婦の夫と佐兵衛は衆道の契りを結んでいたが、いつしか佐兵衛と神官の妻は愛し合い、珠世の母親という娘が生まれてしまっていたのだった。
佐兵衛が珠世を大切にした理由は、生涯にただ1人、真に愛した女性の面影を宿す、本当の孫娘だったからなのだ。
だが神官である夫は、長く妻に対して不能であったことから、佐兵衛とのことを責めなかった。
それどころか、2人が愛し合うのを見るのを好んだ。

しかし、尊敬する神官と、愛する女性との間で若い佐兵衛は苦悩した。
佐兵衛の鬱積した思いは、他の欲望へと向かった。
金、女、権力、人間のあらゆる欲望を満たそうとした。

その為に踏みにじられたのは松子、竹子、梅子たちのそれぞれの母親と、菊乃もそうだったのだ。
だろうねえ…。
菊乃を本当に愛していれば、家に入れられないまでも3姉妹から守るやり方はあったはず。

失踪した後、ちゃんと面倒も見たはず。
そもそも、自分の娘たちの性格を知っていれば、うかつに3つの宝なんか不用意に渡すかな。
揉めさせるべく、体よく追い払うべく、与えたような気がしてならない…と言ったら、考えすぎか。

そしてスケタケ、スケトモがいなくなった今、珠世にはスケキヨしか残されていない。
だが、珠世はスケキヨとの結婚を拒む。
松子に、仮面の男は「スケキヨさんではありません」とはっきりと言って。
その言葉を聞いたスケキヨは、黙って席を立つ。

金田一は佐兵衛の秘密を知り、今度のことはどうも佐兵衛がやらせているように思えてしかたがないと言う。
だが、もう、佐兵衛はなくなっているのだ。
松子はその夜、タンスの奥の、あの掛け軸を拝む。

暗い中にろうそくの光で浮かび上がる、掛け軸。
前にもまして、それはひどく、まがまがしいものに見える。
鈴の音が響いているのだろうか?
虫の声だろうか?

背後に誰かいる。
松子はふと、後ろを見る。
佐兵衛…?

セピア色の思い出。
復員してくる兵隊たち。
那須市、犬神家と書いた紙を持ち、松子が復員兵の中、スケキヨを探す。

「オカアサン」と言う、くぐもった声がする。
顔を布でグルグル巻きにした男が、立っている。
「スケキヨです」。

松子はスケキヨの為に、マスクを作る。
ドロドロに溶かした液体。
それもどこか、怖ろしい。
「先生、大丈夫でしょうか」と松子に先生と呼ばれた男が、顔の型から液体を流し込んで固めたものをバリバリとはぎ取る。

キーンと聞こえている音が、大きくなる。
松子が、ハッとする。
音が止まる。
スケキヨがいる。

その無表情な仮面に向かって松子は、誰にも聞かれない場所、蔵の中へスケキヨを連れて行く。
そして、「珠世が言ったことは嘘だよねえ?かあさん、どうかしてるんだ」と話しかける。
だが、スケキヨはくぐもった声で、笑い始める。

松子には、スケキヨが笑うわけがわからない。
「珠世が言ったことは本当だよ。あんたの大事なスケキヨさんは、とっくにどっかに消えちまったよ」。
「お…、お前は!お前は一体誰!」

「青沼静馬。あんたと、あんたの妹たちに痛めつけられ、責めさいなまれた青沼菊乃の息子、静馬さあ!」
その声までが、禍々しい。
「おふくろが死んだのは、俺が9つの時だ。最期まであんたたちを呪っていた…この犬神一族をな。俺は自分に誓った。必ず復讐してやる!おふくろの恨みを晴らしてやるってなあ!」

ビルマ戦線でスケキヨと静馬が出くわしたのは、因縁なのか。
静馬はスケキヨに、昔のことは水に流そうと言って近づいた。
2人は、顔も背格好も似ていた。
やはり、親が兄弟だ…。

「いい奴だったよ、あんたの息子は」。
そしてスケキヨの部隊は、全滅した。
静馬も顔にどえらい火傷を負ったが、生き延びた。
その時、声も変わった。

この声、このかすれた声が仮面の下から発せられる不気味さ。
犬神一族への恨みだけが、静馬を支えた。
「俺はスケキヨに成り代わって、犬神家を乗っ取ってやろうと、その時、決心したんだあ!」

狂ったように、スケキヨが笑う。
松子夫人のワナワナとした表情で、画面は暗くなる。
そして翌朝。
朝霧の中、湖から2本の足が突き出ている。

ガマガエルを撫でながら、狂った小夜子がそれを見る。
顔は青ざめ、髪は乱れ放題。
「オモシロイコトシテルワネエ…、アタシモ仲間ニ入レテヨ」とつぶやく。

警察がやってくる。
犯人はついに、よき、こと、きくの3つの殺人を成し遂げてしまった!
湖の足にボートで近づいた警察官も突き出た足を引っ張るのが、すごく気持ち悪そう。

足に触るのも嫌そう。
引き上げた遺体の顔は、湖底の泥でわからない。
泥を落とせと言われて、警察官も本当に嫌そう。

そして泥を落とすと現れた顔は、スケキヨ=実は静馬だった。
犯人はついに、よき、こと、きくで見立て殺人を完成させたと思われた。
しかし金田一耕助は死体の指紋を取ってくれ、と頼む。
すると、神社に奉納され、仮面の男と一致した指紋と、この死体の指紋は違っていた。

仮面を巧みに利用し、本物と偽物が入れ替わっていた。
この死体は静馬だった!
犬神の屋敷の珠世にそっと会いに来た、本物のスケキヨにすがりつく珠世。
警察に捕まる前に珠世に会いたかったと言うスケキヨ、何も言わないでと泣く珠世。

スケキヨを逃がそうとする猿造、スケキヨが捕まったことを珠世に知らせに来た猿造の顔も哀しみに歪む。
全ては自分がやった、静馬も最初から殺すつもりだったと告白するスケキヨに、軽蔑しきった表情の警部。
だが、金田一耕助は見抜いていた。

取調べでの金田一耕助との会話で、スケキヨは旅館に現れた復員兵が自分であることを認めてしまっていた。
つまり、スケキヨには全ての犯行は無理だ。
金田一の推理で、スケキヨと静馬は、真犯人の犯行を目撃してしまった為、スケキヨはその人をかばう為、以後は静馬の言うなりになるしかなかったとわかる。
それほどまでにして、スケキヨがかばいたい人間は1人だけ。

犬神家の大広間で、松子は佐兵衛の写真を前に座っている。
騒がしい虫の声とも、鈴の音ともつかない音が響いて、どんどん大きくなる。
ハッとした時、音がやんで、金田一耕助が入ってくる。
この音、まるで佐兵衛が近づいていると鳴るように聞こえる。

金田一がスケキヨが捕まったと言うと、スケキヨにそんなことはできないと松子夫人は否定する。
そう、「犯人はあなたですね」。
おお、既に松子夫人はタバコを口にしている。

あくまでとぼける松子夫人だが、金田一の目と耳がアップになる。
口調の穏やかさとは逆の、全ての情報を漏らすまいとする鋭さ。
犯行は松子だが、その後の菊人形や琴の糸の工作は静馬とスケキヨだった。
菊人形や琴の糸を見て、一番不思議だったのは犯人の松子だったはずだ。

そして金田一に、珠世は佐兵衛の本当の孫娘だったことを知らされた松子は衝撃を受ける。
松子は佐兵衛翁の望んだことを、自分の手で実行してしまったのだ。
佐兵衛の肖像が嘲笑ったように見えて、松子は崩れ落ちる。

スケキヨと松子、親子の再会。
もっと早くに出て来てほしかったのに、自分の失敗で部隊を全滅させてしまったと思っていたスケキヨは、すぐに自分だけ無事に戻る気になれなかったのだ。
それが静馬の成りすましを、許してしまったのだ。
「偶然です。怖ろしい偶然です。怖ろしい偶然が、何度も…重なったんです!」

因縁という言葉が、嫌でも頭に浮かぶ。
呪われた一族だと言うことが。
竹子も梅子も動揺しているが、竹子は松子も不幸だと意外なことを言う。
自分たち姉妹は、なぜこんな目に遇わなければならなかったのか…。

全ては、偶然だった。
しかしその偶然を筬(おさ)にかけ、ひとつの筋を織り上げていくには並々ならぬ知恵が要る。
静馬はそういう知恵を軍隊時代に習得したのだと、金田一は思う。
戦場ではきっと、必要だったのでしょう、と。

金田一の、事件の真相に迫る話が始まる。
松子は目を閉じて聞いている。
手形を照合する日まで、松子だって仮面の男を疑ったことがある。
だから指紋がピッタリ合った時、松子自体が歓喜したのだ。

松子がスケタケを殺した夜、琴の師匠が来ていた。
これ、原作では目の見えなくなった菊乃だったんですね。
そして、静馬はその菊乃に優しく接していた。
名乗り合えないが、そこには親子の情があった。

松子とスケキヨ、菊乃と静馬、2つの親子の対比。
スケトモを殺した告白の時、梅子が取り乱して悲鳴をあげる。
すると、佐兵衛翁の写真が、ガシャンと音を立てて落ちる。
まるで、そこにいるかのように。

あの夜、静馬は勝ち誇って、松子に蔵の中で叫んでいた。
「この家のものはひとつ残らず、俺のものだ。珠世も遺産も、何もかも!」
興奮の余り、静馬は仮面をはぐ。

「勝ったんだ!俺は犬神一族に勝ったんだああ!」
目をそらした松子だが、側にあった手斧を手に、歓喜の静馬に襲い掛かった。
襲っているのに、松子は悲鳴のような声をあげる。

そして、静馬の本当の悲鳴。
飛び散る血。
松子が手斧を振り下ろす度、滝のような血を松子は浴びる。

ぎゃーっ!
こ、これぞ横溝正史の怖さ。
まさに、こういうのがあるから、横溝正史は怖いんだ。

みんなに赦しを請う松子が、タバコ盆を引き寄せている。
そこから珠世がスケキヨに見せた時計が、転がり落ちる。
指紋を照合するのに、必要だった時計。

紛失し、それに意味があったように思えたが、単に松子夫人が最初の犯行時に転がり落ちたのを持って来ただけだった。
松子夫人が引き出しを開けて、タバコをキセルに詰め出す。
おーい!止めよう!

松子はスケキヨの罪がどれほど重くなるか聞くと、古舘弁護士が死後工作の罪は免れないが情状酌量もあるし、そんなに重くはならないと聞く。
珠世は「スケキヨをお待ちします、スケキヨさんさえ、お望みなら」と、愛の言葉を口にする。
満足そうに微笑む松子は「良かった」と言って、タバコを吸う。
止めて、止めて!

ゆっくり煙を吐き出す松子は「スケキヨ…、珠世さんを父の怨念から…、解いておやり!」と言って突っ伏する。
ここで出ます、金田一さんの「しまったあー!」
金田一が助け興した松子は口から一筋の血を流し、絶命。
「タバコだ!若林さんを殺したのと同じ毒がこのタバコに仕込んであった!」

若林は松子に言われて遺言書を見せたが、そのあまりの内容に金田一を呼び、そして松子夫人に渡された毒入りのタバコで殺されたのだった。
全ての目標を達成させ、自殺させてしまう金田一さんのイメージは、ここで強烈についたんですね。
松子は一応、満足して自殺できたようだった。
原作ではこんな怖ろしい犯罪を犯した女怪なのに、死に顔は安らかで美しかったとあった。

生涯誰も愛さなかった、愛させなかった父親。
一番愛した女性を幸せにできなかったがゆえ、自分も誰も幸せにしてはいけない、なってはいけないと思っていたかのように。
松子たち姉妹も、その通りに父親を憎んだ。

父への恨みを晴らすがごとく、娘は息子に犬神家を継がせようと犯罪を犯した。
それは父親へ娘が挑んだ戦い、復讐だった。
だがそれは、珠世に近づく男を抹殺しようとしている父に操られているだけだった。
死してなお、野々宮の妻に執着をする父。

誰もが誰かを愛していたのに、全てが狂ってしまった。
娘は息子に、父の愛した女性の忘れ形見を父の執着から解いてやれと言う。
そうすることで、この呪われた一族の、呪われた話も終わる。


そういえば、後に金田一耕助のお孫さんが活躍するマンガがありました。
金田一耕助の奥さんって、どんな人だったんだろう。
こんな照れ屋さんで、人の醜い面を一杯見ている金田一さんが一緒になった女性ってどんな女性だろう?

鬼頭早苗さんタイプ?
いや、明るくて無邪気でかわいらしい、でもしっかり者で、金田一相手に成立しない会話を繰り広げても平気だった那須ホテルの女中さんみたいな女性だったかも。
女中さん、金田一さんの助手に本気でなりたがっていたみたいだし、金田一さんのこと、ちょっと好きだったと思う。


さて、犬神家の事件が終わって、帰る金田一を見送りに行こうとする人が大勢いる。
珠世も、猿造さえも舌足らずに、「あの人の事、忘れられない」と言って、花を持って。
うるさがっていた警察署長も、「消防署なんか待たせておけ」と言って駅へ向かう。

でも金田一は、見送りに来られるのは苦手だと言う。
一つ前の汽車の時間を聞いて、古館が電話に出ている間、金田一は「僕、駅で調べます」と言って頭を下げる。
そして、そっと1人、駅に急ぎ、汽車に飛び乗ってしまう。

駅の様子が、まだ混沌とする戦後、昭和をリアルに感じさせる。
映画の雰囲気、暗さ、湿った空気、全てがあの頃でないと出せないような気がするような映画。
後にずっと続く金田一映画の、金田一耕助のお手本になったと思う。


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しまったぁあー! 「リーガル・ハイ」第7回

あ~、「リーガル・ハイ」7話、あのパロディの元がわかる私には、ほんっとーにおもしろかった。
しかし、今やわからない人も多いのでは?
最初に依頼が来た時の古美門の「犬神家に行こう」には、笑った。
そのつもりかーい!

ローカルバスが着いた先の停留所には「蟹頭村」。
蟹頭村、かにこうべむら?!
鬼頭村ですかっ!

「悪魔の手毬唄」も入ってる?!
次男を見て、古美門、スケキヨマスクをかぶってなくて、良かったと一言。
スケキヨマスクは温泉で沢地さんが、パックをしてスケキヨ状態でした。

そして相続で3兄弟がもめる、これは犬神家。
しかし、もめるのは代々続いた醤油醸造の家。
ここは「悪魔の手毬唄」風。
今回は徳松醤油に努めている従姉妹・千春からの依頼を受けた真知子の仕事、古美門はサポート。

いつも、痒いところに手が届く気遣いの服部さんは、今回お休みを頂いて同行。
お休みだから、何にもしてあげない。
服部さんの人生は、旅ばかりだったらしい。
み…、水戸黄門?!

財産相続でもめる徳松醤油の職人さんは、伊吹吾郎さん。
服部さんは彼と意気投合、あんたとならすばらしい醤油が作れると言われる。
バックに流れるのは、み…、水戸黄門の音楽!
じ~(んせい、楽ありゃ…♪)

ここはまだ昭和、戦前といった趣きの蟹頭村で古美門、わらびばっかりの食事にウンザリ。
デジタル放送はまだなのかと言いたくなるような、家具調のブラウン管テレビ。
そして、部屋にある不気味な肖像画は、犬神佐兵衛翁じゃありませんか~。

その舞台、徳松醤油をめぐって争う3人兄弟。
何と、それぞれに父親が書いた遺言書を持っている。
どの遺言書が有効なのか。
一番日付が新しいのは、長女のものだった。

田舎には何もないと文句を言う古美門は、温泉に連れて行かれる。
すると、その温泉には先に三木と沢地女史が浸かっていた。
そして、スケキヨの湖から突き出た2本足と同じように、温泉から2本の足が突き出ているー!…と思ったら、それは2人の部下の井出くんでした。
何やってんですか。

着替えも何も服部さんに持って来てもらっていない古美門に、千春が用意してくれたのは、着物。
おおっ、金田一耕助登場!
堺さんの金田一耕助って、いいかもしれない!
ぜひ、本当に今度はやってください。

末っ子の次男が実際に醤油会社を切りもしているのだが、彼は実は愛人の子供だったらしい。
子供の頃、何かほしいものがあると、長男と長女にいつも組まれて、次男は横取りされていた思い出がある。
実はここ、全貌は明らかになっていないけど、伏線だった。

出生の話の時、またしても流れる「犬神家の一族」のテーマソング。
昭和を引きずっているような、こういう血縁関係の影のある問題。
古美門は、だーいっきらい!らしい。

しかし何で、旦那さんは3通も遺言書を書いたんだろう?
千春は、「子供に優しくされると、遺産を渡したくなっちゃったんじゃないか」と言う。
優しくされると、遺産を残したくなる…、ここ、伏線だった。

真知子に古美門は、3本の矢の話をする。
1本の矢だと折れちゃうけど、3本まとめれば折れない、つまり兄弟仲良く…、の毛利の3本の矢。
真知子がアッサリ、折っちゃうから、何にもならないんだけど。
しかし、これも伏線だった。

次男の遺言書を有効にするには、大旦那様が認知症だったことにするのがいい。
一番側にいて、面倒を見ていた千春の証言は重要。
何と言っても毎晩、大旦那様に本を読んで聞かせてあげていたぐらいだから。
ここも伏線だった~!

だが三木と沢地は、千春に揺さぶりをかける。
徳松醤油を立派に継いでいるかに見えた次男だが、古美門いわく「とても人望がないのは計算外だった」。
従業員はそれぞれ、3兄弟の支持で別れる。
その理由として千春が語るには、次男は田舎暮らしが嫌な妻に逃げられ、ちょっと横暴になっていたりするからなのだった。

しかし、何と、次男は徳松醤油を大手企業に売却する話に乗っていたのだった。
そうすれば都会勤務、逃げた妻ともやり直せる可能性もある。
徳松醤油を好きな千春はショック。
認知症だったと証言する決心も揺らぐ。

真知子は千春に、無理に証言はさせない。
結果、法廷で千春は大旦那様は認知症ではありませんでしたと証言してしまう。
裁判で、大旦那の認知症は認められず、次男が徳松醤油を継ぐのは絶望的に思えた。

千春は次男を裏切ったのだから、もうここにはいられないと荷物をまとめて出て行くつもりだった。
そこで、毎晩、読み聞かせていた本も持って行きたいと言う。
価値のないと思われた本は、千春に渡された。

しかし!
その本には、大旦那様がなくなる前日の日付で、千春に全財産を譲るという遺言が書かれていたのだったー!
長男も長女も、その後ろ盾になっている三木も沢地も、長女の弁護士もボーゼン。
しかも、「認知症ではない」という判決が下っているので、無効にもならない。

3兄弟は遺留分だけを貰うことになった。
そして脳裏に蘇るのは、幼い日の思い出。
ミカンを次男から奪おうとして長男と長女が結託したが、ミカンは猿が奪って行ってしまったのだったっけ…。
今回も3兄弟で争った揚句、持って行ったのは千春…。

3本の矢は、アッサリ折れた。
地方裁判所まで3時間かかると言って、6時には起こされて「田舎は嫌いだー!」と叫んでいた古美門は「帰れるー!」と狂喜する。
弾んじゃって、踊っちゃって、なんて軽快なんでしょう。

東京の自宅に帰った古美門は、真知子に言う。
あの遺言書、本当は千春が大旦那様に優しくして書かせたものかもしれない…。
「優しくされたら、財産を譲りたくなるのかもしれない」と千春は言っていた。

千春があの本から遺言書を見つけたのは、偶然だったのか?
最初からあの遺言書を出していたら、あんなにもすんなり、千春の手に徳松醤油は渡っただろうか?
3兄弟で裁判の決着が着く前に、千春にしかわからないような場所に遺言を書かせるとしたら、どこがいいだろう?

大旦那様の手を自分の服の中に招き入れ、ほくそえむ千春の姿が一瞬、浮かぶ。
そういえば、昔から千春は、成績は確かに自分のほうが良かったが、おいしいところをちゃんと持って行く子だった。
結果としてそうなっただけに見えたけど、あれはそう見せていただけで、全部計画の上でのことだったのだろうか?

では今回のことは、もし、最初からその計画を胸に、真知子を呼んでいたとしたら?
それとも、3本の矢としてまとまらない3兄弟を見て、ミカンを奪っていった猿に徳松醤油を任せた方がマシと大旦那は判断したのかもしれない。
3人をまとまらせたかったら、千春に渡すのが一番良いと思ったのかもしれない。

千春自体が、大旦那のそういった意思を持って今度のことに臨んでいたしたら良いんですけど、猿にミカン取られて仲直りしてる幼い日の思い出があるから、あれはやっぱり、千春=猿で、取られちゃったという解釈でいいのかな。
いや~、このドラマ、必ず最後に苦さを残すから今回は何かなと思っていたら、千春の策略だったら?という疑惑を残してくれました。
この、最後に純朴そうに見えた女性がしたたかな悪女で、全て仕組まれていたとしたら?という展開は好きです!

しかし、本当のことはもう、誰にもわからない…というクエスチョンマークを残すのも上手い!
どうにでも受け取れる結末にする、このドラマ、深い!
私としては、千春の計略どおりに進んだ…という展開がおもしろいのですが、そう思わなくても構いません。

山谷初男さんの出演も、うれしかった。
横溝正史パロディは、本筋には関係なかったけど楽しめた。
金田一耕助スタイルになったら、頭をガリガリ掻いてた。

「犬神家の一族」で犯人を死なせてしまったことに気づいて叫んだ「しまったぁあー!」もやってくれた。
石坂浩二さんの姿を、ちらちら思い出しながら見られました。
そして堺さんに本当に、金田一耕助やってほしくなりました。

話がずれますが、この前、白洲次郎邸に行った時、廊下に面した戸が全面、ガラスだった。
昔のガラスだから、角度によっては景色がひずんで見えるんです。
テレビの横溝正史シリーズの第1弾「犬神家の一族」では、犬神家のガラスには全部、犬神家の紋章が入っていました。

あの時代、それがどれほどの贅沢だったか。
犬神家の財力と権力が、どれほどのものだったか。
わかる気がしました。
そして、そんなところにまでこだわって作っていた当時のドラマにも感動。

そして次回「リーガル・ハイ」、古美門の父親が登場!
しかもそれは、中村敦夫さん!
も、紋次郎ネタ、出る?!
このドラマ、私には毎週、ものすごく楽しみ!


阿刀田高氏の「赤と青の二人」

主人公の青年は、見るともなしに窓から見える向かいの大きな家を眺めている。
すると、塀に赤と青の、2台の自転車が立てかけてあるのが見える。
翌日も、その自転車はあった。
その家が雇っている使用人のものかと思っていたが、ふと、自転車の持ち主を見たことがないことに気づく。

毎日その自転車は、主人公が見るとある。
だが、夕方などに再び見ると、自転車はない。
そのうちに、その自転車の持ち主を見てやろうという気になる。
しかし、主人公が見た時にあっても、気がついて見るとない。

段々、どうしても見てやろうという気になってきて、家にいる時は見張るようにして見ているのだが、自転車は目を離した隙になくなっている。
そうこうしているうちに主人公は引っ越すことになり、ついに自転車の持ち主を見ることはなかった。
引越しする直前、ご近所さんやら何やらで、いつも自分がいる時間には会わなかった人にも会った。
その中の1人が、主人公が1人暮らしだったことに驚く。

では、恋人でも来ていたのかと言われ、身に覚えのない主人公はなぜ?と聞く。
雨の日には主人公の家のドアの前に、2つの傘があったのだとその人は言う。
赤と青の二つの傘があった。
でも、一度も傘を持って帰るところは見たことがなかったし、いつの間にか傘はいつもなくなっていたけど、と。


阿刀田高さんの小説、「赤と青の二人」です。
姿を見ない持ち主、でもいつも自転車はそこにある。
ここではそれが主人公の身にもかかっていたという、一気に不思議談に変わる。

でも普通はこれ、ちょっとしたタイミングの問題なんだと思います。
たまにあります。
ちょっとしたことなんだけど、持ち主を見たいと思うこと。

友人に言ったら「ああ、あるある。こんな家に住んでいる人はどんなだろうと思ったり」。
「こんな車やバイクに乗っている人って、どういう人だろうとかね」。
そうそう、その程度ですけど。

でも結局は見られなかったりする。
高校生の時、通学路で通過する駅の近くに、当時としては珍しいような洋館があって、この家の人はどんな人だろうと思っていたことがある。
3年間見ていたけど、朝夕の一瞬の、電車の中からの、外が見られない時もある時間では見ることはできなかった。

こんな些細なことだけど、こういうことって心に残ってしまうんですね。
ましてや、持ち主が見られない、いつの間にかなくなっている自転車なんて気になって当然。
阿刀田さんのこの短編は、そういう人の心をうまくついてると思いました。


夢一夜

ここ数ヶ月、夢をつい、夢判断で調べてしまいます。
なかなかおもしろい。
作曲家の方で、カボチャの夢を見ると、必ず体調を崩したという話を読んだことがあります。

ある夜、バスの後ろに大きなカボチャが下がっていて、それが揺れている夢を見た。
その翌日から、熱が出た。
ある夜は、机の引き出しを明けると、小さなカボチャが並んでいた。
この時も病気になった。

カボチャから水が滴っているのを夢に見た時も、病気になった。
彼にとって、カボチャの夢は恐怖であり、今夜、夢に出るかもしれないと怯えながら床に就いた。
ある夜、薄暗い空からたくさんカボチャが落ちてきて、埋まってしまう夢を見た。
この時の症状はとても重く、当時の医者は肺カタルと診断した。

そこで親は一大決心をして、彼を空気の良い、明るい太陽が降り注ぐ田舎に療養に行かせた。
今から思えば、あれは結核の初期だったのかもしれないと、後に作曲家の方は書いていました。
1年間、そこで過ごして、彼はすっかり元気になった。
同時に、2度とカボチャの夢は見なくなった。

そして、熱を出したりすることもなく、健康優良児になった、と。
大人になって、家庭菜園でカボチャを作った。
夢には見たが、カボチャに対して嫌な思い出はなかった。
あの夢は一体何だったんだろうと、考える。

親はこの子はどうしてこんなに体が弱いのかと思いながら、医者に連れて行っていた。
この時、夢の話をして、心理学的に分析でもしたら、違っていたのかもしれないと。
…カボチャの夢は一体、何を表していたんでしょうね。
ああ、夢一夜。


ごめんなさい、ホームズ

あー!
昨夜の土曜日、「三毛猫ホームズの推理」、見られなかった上に録画失敗!
何を間違ったか、全然違う番組を録画していました。

ショックぅ。
三毛猫、見られなくてショック。
再放送ってやってくれないのでしょうか~。
ああ~、ごめんなさい、ホームズ~。


運命を変えちまった 「助け人走る」第26話

第26話、「凶運大見料」。


ある火事の夜、文十郎は腹痛を起こして動けなくなっている女性を助けた。
おきぬ絹といい、小料理屋の多吉の女房だったが、おきぬは流産してしまった。
多吉によると、これで二度目であり、半鐘の音を聞くとおきぬは動転してしまうのだと言う。

利吉はしのと一緒に、良く当たると評判の慶雲堂という占い師に相性を占ってもらう。
だが、慶雲堂はハッキリしたことは言わない。
良いといえば良いが、難しいと煮え切らない返事をするので、利吉もしのもさっさと離れて行った。

文十郎は平内に誘われ、博打に出かけるが、役人の手入れがあり、路地に逃げ出す。
そこで文十郎は一目を避ける、1人の女性を見つけた。
火事の夜、助けたおきぬだった。
おきぬは巳之介という男に会いに来たのであり、巳之介には金銭を強請られていたのだ。

そんな時、文十郎に利吉が、頼み人に会いに一緒に行ってくれと頼む。
頼み人の話を聞くのは利吉の仕事だが、利吉は文十郎にどうしても一緒に言って欲しいと言う。
場所が場所だけに、しのに疑われたくないと言うのだ。
文十郎は利吉の口からしのの名前を聞くと「しの?ありゃお前には縁のない女だよ」と釘を刺す。


場所はどこだ?と聞くと、吉原なのだと言う。
その夜、文十郎は吉原に、頼み人のおそでという女性に会いに行った。
おそでは文十郎と、遅れて入って来た利吉に身の上を語り始めた。
今は女郎に身を落としているが、おそでは元は小間物屋を営んでいる祖父と暮らしていた。

ある時、易者に良縁はないかと占ってもらったところ、易者は近いうち、好きになる男が現れると言った。
それが、「4月の巳年生まれの男なら、きっと幸せになれる」と。
数日後、小間物屋に「病気の妹に何か買ってやりたい」と1人の男が現れた。
おそでが「妹さんのお年は」と聞くと、「俺が巳年生まれだから…」と答えた。

文十郎と利吉におそでは言った。
「笑わないでください。その人が4月の巳年生まれと知って、ただそれだけで…」。
おそでは巳之介こそ、運命の男と信じて付き合い、何度も店の金を持ち出すようになってしまった。

ある夜、お金を持ち出そうとしていたところを祖父に咎められたおそでは、巳之介の元へ走った。
すると巳之介は追いかけてきた祖父を刺し殺し、仰天したおそでに証文に判を無理やり押させた。
おそでは店を取られ、30両で吉原に売り飛ばされてしまったのだ。

しかし、巳之介の居場所はわからない。
だが、安という、店や屋敷を買うときに間に入って仲介する「まとめ屋」の男は時々、吉原に来る。
「おじいちゃんの恨み、晴らしてください」と5両出した。

文十郎と利吉は助け人を集めたが、龍は「そりゃ騙された女も悪いぜ」と言う。
「だからこそ、かわいそうなんですよ」と利吉は言う。
巳之介の居場所は、安から探る。

文十郎は、おそでを売り飛ばした安を、辻斬りを装って襲った。
利吉が気絶した安を起こし、家まで送って行った。
家には巳之介がいて、利吉に小銭を投げて追い返す。
すると文十郎が現れ、巳之介を斬ろうとした。

だがその時、騒ぎを聞きつけた岡っ引きが現れ、文十郎も利吉も、巳之介と安も姿を消すことになった。
翌日、利吉は文十郎から聞いた、巳之介に会っていたおきぬを呼び出した。
文十郎はおきぬから、巳之介に会っていたわけを聞き出した。

実はおきぬは昔、ヤクザ者の岩三という男の妻だった。
だが岩三の仕打ちに耐えかね、ある火事の夜、眠りこけている岩三を残して逃げた。
しかし岩三は生きており、巳之介を使いにして、おきぬから多吉に全てをバラすと脅し、金を持ってこさせていた。

こんなことがわかったら、多吉との暮らしはおしまいだろう。
おきぬは文十郎に黙っていてくれと懇願するが、文十郎は岩三が一度も姿を見せず、巳之介がやってくることに疑惑を持つ。
その夜、おきぬは多吉に店の金を持ち出したことを問われるが、答えることができない。

翌日、おきぬは慶雲堂を訪ねていた。
おきぬはこれまでの全てを、慶雲堂に相談していたのだった。
慶雲堂の言葉により、子供が無事に生まれないのは、岩三の祟りだとおきぬは怯えていた。
もう多吉に全てを告白し、このことを終わらせたいと言うおきぬに、慶雲堂は岩三に金を渡すことが得策だと言う。

悩むおきぬの前に、巳之介が現れた。
おきぬは愕然とする。
では、これまでのことは相談を受けて全てを知っていた慶雲堂と、巳之介がグルになってのことだったのか。
おきぬは慶雲堂の土蔵に閉じ込められてしまった。

その頃、家に戻った文十郎の前に岡っ引きが現れた。
家の周りはまだ、見張られている。
文十郎が家に入ると、しのにかんざしを売りに来た男がいた。

家に入った文十郎に向かって男は突然、文十郎に斬りかかった。
交わした文十郎が追うと、表で見張っていた岡っ引きが飛んでくる。
「かんざし売りが妹に不埒なことをしようとしたから」と言って文十郎は引っ込むが、岡っ引きは2~3日、見張りの数を増やすように言った。

利吉はおきぬが行き先も告げず、行方がわからなくなったことを平内に知らせていた。
しかも、巳之介が殺し屋を雇って文十郎を襲わせたことも伝えた。
平内は博打に興じていたが、いざとなれば駆けつけることを約束した。

おきぬが帰ってこないのを心配した多吉の元に、巳之介が現れ、おきぬを預かっていると言った。
全てを知った多吉は店を売り払い、おきぬを慶雲堂の土蔵に迎えに来た。
何もかも知ったうえで、全ては終わった過去のことと言い、一緒に帰ろうとした。

だが慶雲堂は、「その男と一緒では幸せになれないよ」と言い放つと、夫婦を引き裂いた。
巳之介は多吉を刺し殺し、後を追おうとしたおきぬは売り物だと言って押し留めた。
河原に多吉の遺体があがった。

助け人たちが、芝居小屋に集まっている。
利吉が、前日におきぬが、慶雲堂の家に入ったことをつかんでいた。
やはり、おきぬも、おそでも、慶雲堂が占いを使って、巳之介と仕組まれたのだ。
「慶雲堂ってのは、ほんとの易者じゃねえな」と龍が言う。

「易者ってのは、人の相談ごとは決して喋らねえもんだ。だからみんな安心して、人には言えない秘密や悩み事を打ち明けるんじゃねえか」。
文十郎も言う。
「藁にもすがりたい気持ちの人から、その藁を取り上げる。そういう連中だ」。
「許せねえな」。

神社の境内で、慶雲堂が易をしている。
「黙って座ればピタリと当たる」。
いつもの場所で、易をする慶雲堂の前に手の平が突き出された。

「悩み事は何かな?」と言われたその手の上の拡大鏡に、キセルが映る。
日の光で、拡大鏡の中にキセルをふかす平内が映る。
影になった平内が、キセルを口から離す。
鋭い針が拡大鏡に映ったかと思うと、鈍い音が響く。

慶雲堂の目が見開かれる。
平内が針を抜き、キセルに戻して慶雲堂に見料を握らせる。
そして、何もなかったようにその場を離れていく。

やがて慶雲堂の手から、小銭が落ちていく。
小銭が転がったのを、仙太が見つけた。
笑いながら「どうしたんでい?」と近寄ると、慶雲堂は崩れ落ちるように前のめりに倒れた。

野次馬が寄ってくる。
「慶雲堂さん…」。
恐れた仙太が逃げる。

仙太は神社の影で、龍に捕まれ、物陰に引き込まれる。
龍が仙太を担ぎ上げ、地面に叩き落す。
その時、境内の見世物で歓声が上がった。
誰も気づかない。

人気のない道を行く巳之介に、歩調を合わせる足がある。
気配に気づいた巳之介が見ると、笠を目深にかぶった文十郎が歩いてくる。
「てめえは!誰に頼まれたんだ?どうして俺を!」

文十郎は笑うと「たいした用じゃねえんだよ。おめえさん、女を騙して、苦しめて、売り飛ばしてよ。運命を変えちまった」。
巳之介が匕首を抜く。
「あんまりいただけねえな」と文十郎が笑う。
2人の影が大きな木に隠れる。

その時、巳之介がうめき声を上げる。
文十郎が兜割りを収めながら、歩いていく。
木の影で巳之介が倒れた。
笠を目深にかぶった文十郎が、倒れた巳之介から遠ざかっていく。



「占い依存症」について放送しているのを見ました…、と言っても、見た時は終わりだったので何にも見てないんですけどね。
だから後で知ったんですが、「占い依存症」というのは、何度も何度も占いを繰り返し、占いをせずにはいられない状態にあることだそう。
あー、昔の同僚が、場所は違うんですが、行く先々に占い師さんがいると行って占ってもらってました。
それも同じ事を。

要するに、悩んでる。
行き詰まっている。
つらいんでしょう。
しかも、原因や主導権が自分にない。

だから誰かに「大丈夫」と言ってもらって、安心したい。
占い師さんって利害関係のない他人だから、安心して話ができる。
つまり誰かにじっくり、話を聞いてほしい。

それはわかるけど、30分ぐらい1万円、時には2万円なんてことを、1週間に何回もやってるんですよ。
あまりにも何度もやっているので、しまいには「もう、本人に聞けばいいんじゃないか」と思ってしまった。
いや、本人に聞けないから、占ってもらってるのは、わかるんですけどね。

そしてこれは信用して話した占い師が、影で悪党に情報を流し、良いように人を操って不幸にしていた話。
前回の「逃がし屋」同様、切羽詰った人を利用する。
藁にもすがる思いの人間を、引っ掛けて食い物にする。

途中でだいたい、この慶雲堂の正体はわかっちゃうんですが。
巳之介が登場した時は、やっぱりー!という感じでした。
でもハマっている人からは、慶雲堂の怪しさは見えないんですよねえ…。

つい最近も、占い師にハマって芸能生活が送れなくなるどころか、生活の破綻を招いた女性タレントが話題になっていました。
第三者からは見えても、当人には見えない。
おきぬが岩三に怯え、しかし本当は既に死んでいたというところは、なかなかない展開でした。
しかし多吉は、殺されないでいてほしかったな。

おきぬが救われたのかどうかが、わからないです。
全てを知っても離れていかなかった多吉を失って、おきぬはもう半分死んでしまったんじゃないかと心配。
おきぬのその後を、ちょっとでも教えてほしかった気がします。

文十郎たちの周りは、相変わらず奉行所が見張ってます。
助け人は奉行所の追及を逃れながら、助け仕事を、人の恨みを晴らす仕事を遂行する決意。
利吉としのが慶雲堂にあんまりハッキリしたことは言われなかったのは、慶雲堂としてはうまみがあるカップルじゃなかったからなんでしょうね。

どうにでも受け取れるような言葉を言って、何だかわからない2人は憮然として離れていく。
利吉がすっかり落ち着いて、元締めのように動いてます。
でも文十郎は利吉にしののことを「あれはお前には関係ない女だよ」と、釘を刺すのも忘れません。

慶雲堂は「からくり人」で情に篤い籐兵衛さん役で出演する芦屋雁之助さん。
情け深い誠実な籐兵衛さんの欠片もない、悪徳占い師。
多吉は「渡る世間は鬼ばかり」に長い間出演されていた、前田吟さん。
おきぬは、日色ともゑさん。

クライマックスは慶雲堂に対して仕掛ける白昼堂々、大通りでの平さんの仕事。
手相を見る慶雲堂に対して、流れる殺しのテーマ。
突き出される手。
平内の顔は見えない。

しかし、拡大鏡にはキセルが大きく映っている。
あっ、平さんだってわかる。
そして太陽に照らされて拡大鏡に、平内のキセルを吸っている上半身が小さく映る。

その影が、キセルを抜く。
針が大きく映る。
刺さった効果音が流れる。

慶雲堂が目を見開き、硬直する。
黙って平内が、見料を握らせて去っていく。
静かな、凝った、でも迫力ある演出。

いやー、こんなシーン、良く撮りますよ。
やがて野次馬が集まってくる。
どう見ても、心臓発作か、卒中。
仲間だけが怯えて逃げていく。

効果音だけで、直接刺すシーンがないのは、文十郎も同じ。
大きな木の影に2人が隠れて、刺される効果音。
崩れる巳之介。

音だけで殺したとわかるのって、「必殺」の功績ですね。
龍は境内で見世物の歓声があがったタイミングで、相手を叩き落してます。
それぞれ、奉行所の目をかいくぐってのスリリングな仕事。

しかし、おきぬには幸せになってほしかったなあ。
文十郎の「運命を変えた」というのは、普通に生きられたのを恨みを買って、殺されることになったという意味ですよね。
占いどおりになるのではなく、運命は自分で変えるんだ…、と言いたい話に見えました。


それはニョロニョロです

金曜日の今日、グーグルで検索しようと思ったら横の天気予報に「明日(土)、雪の可能性」と書いてあって、雪だるまが出てた…。
ギョッとして「もっと見る」をクリックして開いて見たら、そんな表示はなかった。
だよね~、最近は3月→7月と1日で季節が飛んでも、さすがに2月までは飛ばないよね?!

小さい頃、好きだったものって、結構自分の本質を表していると思う。
でも成長すると「こうした方が有利」などという思惑とか、「こっちに行って欲しい」といった周りの期待とか、「いつまでそんなものを」という世間体とか、いろーんなものが入ってくる。
なので、小さい頃とは違う方向へ行ってしまうこともある。

もちろん、広い世間を知って、好みが広がったり、知識を身につけたりすることで、変わったりすることもあると思う。
けれど、年齢が行くと、行けば行くほど、今度は小さい頃好きだったもの、本来の自分の好きだったものに戻って来るような気がする。
定年退職した人が、子供の頃から好きだったものに再び取り組んだりするのを見ると、そう思う。

そんな話をすると「んじゃ、私らの世代は、老人になったらゲートボールじゃなくて、『ウルトラマンごっこ』とか『仮面ライダーごっこ』とかするのかな?」と言われた。
え、楽しいかも!
それで、ちょっと前までテレビ埼玉で「暗闇仕留人」を放送していた。

話すと、「そういえばこれを初めて見た頃、糸井貢がすごく好きだった…」と言った人がいた。
「同じ頃見た覚えのあるアニメ『ムーミン』のキャラクターが今、CMに出ているじゃない?あれ見て思い出したけど、私はスナフキンが好きだった。糸井貢とスナフキン…、似てない?」
ああー、何かわかる!
似てる!

スナフキンって物静かで、問題の解決策を考え出すし、周りからは頼りにされている。
糸井貢もそうだ。
でも子供は、こういう頼りになる優しい大人が好きなんじゃないかという気もするが。
スナフキンは知的な、でも風来坊だったよね?

「すると、あなたは金田一耕助も好きですか!」
「そっ、それはどうかわからない」。
そして今度は、「じゃ、あなたは小さい頃、『ムーミン』でいえば誰が好きだったの?」と聞かれた。

えっ。
それは…。
ニョロニョロです…。

「あれって大挙して来ると危ないんじゃなかったっけ?みんな逃げてたよね?」
「雷が鳴ると、外に出て雷を待っていた」。
「コミュニケーションが取れない」。
「え、ムーミンに挨拶してなかったか」。

「いつもニョロニョロ、移動している」。
「勝手に家の中に入ってきて、移動してた」。
「全体的に謎な存在なんだよね」。
「お化けみたいな存在だった」。

…。
…。
「昔っから変なものが好きなのね…」。
はい…。


覚悟持ってやってますよね

相変わらず、情報が遅い私は、さっき知りました。
草なぎ剛さんが、7月21日から7月22日にかけて放送される「FNS27時間テレビ」で、100キロマラソンに挑戦するんですね。
「僕やります! 一番団結力が出ますから。やりたい、やりたい! タモリさんが徹夜で頑張るわけですから!タモリさんに恩返ししたいっていう思いがあるので」と、意気込みを語っていたそうです。

うわ~、ほんとにやるの?!
連休明けから2回、検診で病院に行ったので、ちょっと草なぎさんのドラマ「37歳で医者になった僕」が生々しくて見られないんですね。
予告見ると「おおー!これは見たい!」と思えるので、保存してます。
見る気はあるので、きちんと録画してプロテクトかけてる。

しかし、こうやって考えると、万人が何のためらいもなく、見られる類のドラマではないドラマに出てるっていうのは、覚悟持ってやってますよね。
人気とか視聴率だけ考えてたら、こういうドラマ、出ないでしょう。
草なぎさんのドラマに信頼が置けるのは、こういう姿勢な気がします。


いつか後悔する日が 「リーガル・ハイ」第6回

「リーガル・ハイ」、もう今回は文句なしにおもしろかった!
元女子アナ・岡崎安奈と、芥川賞作家・神林彬の理想の夫婦No.1が、離婚訴訟。
女子アナ妻のDVが原因か、それとも作家の浮気が悪いのか?!

今回、古美門に立ちはだかる相手側弁護士は、何と元・妻の圭子!
現在、アメリカ在住で、ドイツ系の弁護士と再婚して、シュナイダーという苗字に変わっている。
裁判は訴訟社会のアメリカで弁護士をしている圭子が作家の浮気を暴いたり、どう見ても古美門、不利。

この妻・圭子が鈴木京香さん。
黒いコンパクトなドレスが、何とお似合いなのでしょう。
この前までやっていたドラマと、イメージ違いますね。
さすが、女優!

小池栄子さんの「気まぐれなアンジェリーナ・ジョリー」と一緒に飲んでいるところ、真知子が通りかかる。
「女子会だー!」と連れ去られる真知子。
3人が連れ立ったところで、なぜか「SATC」のテーマ曲?!

しかし、笑ってしまうのが、元・妻の弾丸トーク、とんでもない相手へのけなし方が古美門と同じ。
どっちかが影響及ぼしたんだろうな。
この元夫婦のケンカが、弾丸早口毒舌で、それでいてどちらもちゃんと言ってることがはっきりわかる。
すばらしい。

裁判は真知子が圭子たちと飲んだ時、圭子が言った言葉にヒントを得て、逆転。
安奈は同僚とは安奈が元でスポーツ選手とのスクープを取られた為、犬猿の仲だった。
だが、安奈が結婚した今は夫婦ぐるみで仲良し。
元同僚は安奈を親友とまで言い、安奈の為に圭子に言われて証言台に立つと言っていた。

だが実は安奈は結婚前に、このスポーツ選手と付き合っていた。
スポーツ選手は、安奈と同僚と二股交際をしていたのだった。
そして、このスポーツ選手が最終的に選んだのが、自分の同僚。
同僚とスポーツ選手の熱愛発覚が、安奈が元になっていたわけがここにあった。

安奈は傷心の果てに神林と結婚し、神林を芥川作家に育て上げ、セレブ妻になることでやっと自分のプライドと傷を癒した。
そして、引退したスポーツ選手の店に通い、優しく先輩として接して親友となった。
しかし、心の底ではずっと、元の彼が好きだった。
そこに元の彼と再び会って気持ちが燃え上がり、神林の何もかもが嫌になったのだ。

これを突き止めたのは、圭子の、この夫婦が経営するもんじゃ焼きに関する発言だった。
あの店のオリジナルもんじゃ、ナポリタンもんじゃ食べた?
メニューであれだけがおいしいのよね。
真知子がその言葉に引っかかり、安奈の卒業文集を調べた。

安奈の卒業文集に載っていた文章は、好きなもの、母親が作るナポリタンもんじゃ、とあった。
あの店で作るもので、あれだけがおいしい。
つまり、あれだけがセンスが違う。
離婚の原因は、安奈の不貞にある。

だが真知子は、裁判ではなく協議中にその話を出してしまう。
この夫婦も法廷に呼ばれ、全てが明らかになる…。
安奈は和解に応じた。
それは古美門の勝利でもあった。

圭子はアメリカに帰る。
その前に古美門に会いに来た。
変わらず、派手なケンカをして帰って行く圭子だったが、真知子はハッと気づく。

もしかして、圭子は古美門に負けたのではなく、勝たせたのではないだろうか。
神林に気持ちはなく、ただ自分が得られなかった彼への気持ちでおかしくなりかけていた安奈。
この安奈の精神状態では、とても裁判には耐え切れない。

だが、慰謝料も諦めて、再び歩き始めた安奈は変わっていた。
お色気で女性の反感を買っていた頃とは違い、女性たちからの支持もある。
全ての過去を振り切った安奈は、離婚だけではなく、元彼への未練も振り切ったように見える。
安奈は幸せになったのだ。

つまり圭子は、安奈の再出発には、これが一番良いと判断したうえで負けたのではないか。
自分の勝利にこだわらず、クライアントの幸せを優先する圭子。
真知子は圭子こそ、理想だと言って、圭子の下で働きたいと訴える。

圭子だけが古美門に勝てる。
ならば圭子の下で働くことが、古美門に勝てる唯一の道ではないか。
しかし、圭子は古美門のもとで勉強しなさいと言って帰って行く。

神林が家を出て行く日、安奈は神林のプラモデルの飛行機を見つけて、渡しに走る。
それを受け取った神林は、ずっと気づいていたと言う。
安奈の心に、自分以外の誰かがいたこと。

でも、安奈が不貞を働いてはいなかったこと。
自分だって、18人以上も浮気相手がいたんだから、お互い様だというところだった。
しかし、それは神林の安奈の気を楽にしてやる、ある種の思いやりだったのかもしれない。
安奈も、それさえもわかっている。

いつか、離婚したことを後悔する日が来るんだろう。
神林の言葉に安奈は、いつか、離婚しなかったことを後悔するよりマシと笑う。
君の方がよっぽど、作家だねと神林は笑って、2人は別れる。
何もかもわかっていて、気持ちもあって、だけど別れる。

真知子が戻ると、古美門は外人女性たちとデートの約束の電話でハイテンション。
呆れた真知子が再び、服部が作った料理を食べながら、服部に「古美門は勝ったのではない。勝たせられた。圭子さんは古美門の手の内を全て読んでいた」と話す。
しかし、服部は言う。

手の内を知り尽くしているのは、古美門も同じだ、と。
口にこそ出さないが、阿吽の呼吸。
それが夫婦、元夫婦ではないのか。

またしても真知子は、ハッとする。
真知子が話し出してしまった時、古美門は本気で止めてなかったのかもしれない。
阿吽の、2人しかわからない呼吸で、こういう結果に導いたのかもしれない。

一体、どこからが夫婦の共闘だったのだろう…?
安奈が暴れ出した、最初の協議の時から、安奈の精神状態に気づいていたのか。
もしかしたら、最初から、お互いがどうしたら、この夫婦に一番良いだろうと探り合っていたのかもしれない。

成田に向かうタクシーの中で、圭子が取り出したのは半分に割った金貨。
そのもう片方を、古美門が持っている。
服部の言葉からすると、真知子は単純に圭子が古美門を勝たせたと思っていた。

だが、古美門は圭子が何を暴くか、何を暴けないのか知っていたのかもしれない。
圭子を勝たせるように誘導し、そして最後は自分を勝たせるよう、導いたのかもしれない。
それが、この夫婦に一番良い結果をもたらすと、無言のうちに圭子に知らせた。
古美門を操っているように見えた圭子だが、そう仕向けられたのかもしれない…?

何であの2人は離婚してしまったのか。
お互いの考えていることがわかりすぎて、操られるのがつらかったのかな。
あそこまで共闘できる2人だから。

離婚したことを後悔する、いや、しなかったことを後悔するの言葉が、古美門と圭子に重なる。
腹いせのように神林と結婚した安奈、結局離婚した安奈が、圭子に重なる。
もしかしたら、圭子もドイツ系アメリカ人の夫とは、もう別れているのかも知れない…。
しんみりしたところで、「リーガル・ハイ!」のテンション高い声がして、終わり。

しかし、「ヤヌスの鏡 原説」のマンガの、タカと水鏡のコイン真っ二つを思い出しました。
見事に割れてましたねえ、コイン。
本当に割ると、あんな感じなわけですね。

次回、予告でもう、悶絶。
音楽がずっと、映画「犬神家の一族」。
扱う案件が、犬神家よろしく、相続争いっぽい~!

しかも、古美門が金田一耕助のスタイルで、頭までかきむしってくれる。
ああ、堺さんの金田一耕助も見てみたいかな。
今回のしんみりが一気にぶっ飛ぶ、すごすぎる予告。
来週はお願い、2時間ぐらいやってください!


デジタルリマスター版 「ウルトラマン」

昨日、友人が教えてくれたんですが、20日日曜夜6時30分から、東京MXテレビでデジタルリマスター版「ウルトラマン」が放送開始!
第1話 「ウルトラ作戦第一号」を見ました。
宇宙怪獣ベムラーが登場。

友人は最近、このMXテレビやローカル局で放送される、子供の頃見たアニメやドラマばっかり見ているそうです。
「昔のテレビって、おもしろいよね」。
「うん。そう思ったら、もう私らも年なのじゃー」。
「そうだ。こうして私らも、年を取っていくのじゃー」。