8月31日の空

真っ青な空、白い雲。
電線が入らない位置で撮っただけです。





バケーションに見てたら、楽しい空だな~。
あちいわ。
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夏が好きなのは

金曜日は満月。
次の満月は十五夜。
その頃には、さすがにここまで暑いことはないでしょうね。

みんな、へたっている。
挨拶が「あっついね~!」ですもん。
「何にもする気、起きないね~!」とか。


そうしたら木曜日、「夏が好きなのは幸せな人だけ」という言葉が耳に入ってきました。
「幸せじゃなかったら、夏は好きになれない」って。
どうも、夏に彼との思い出を一杯作ったってことらしいですけどね。
確かに、この暑い夏が幸せ~♪と思えるのは、ほんとーに幸せなんだろうと思いました。

電気代なんか、節電のことなんか気にしないで、エアコンをガンガンつけられたら、熱帯夜なんて苦にならない。
炎天下にやらなきゃいけない用事がなくて、プールサイドかなんかにいられたら、日中の気温がどれだけ上がろうが関係ない。
しかし、私はそんな身分じゃない!
ああ、そんなこと思うなんて、幸せじゃないんだろうか。

去年、家は計画停電したけど、夏にやられたら大変なことだ。
冷蔵庫の中は全滅だし。
電気が使えないということを実際に体験したら、たくさんの電力を消費することを思い、エアコンの設定温度のことも自然、考えてしまった。
ああ、そんなこと心配するなんて、幸せじゃないんだろうか。

そして、ギンギンに暑い昼間。
「暑いな~」。
「外行くの、嫌だな~」。
「そーだ!夏が好きって人がいましたね」。

ギクッ。
私は確かに、寒いのが苦手だ。
「よし、その人に行ってもらおう!」
…うっ。

気温にも限度ってものがある。
それ、越えてますよね。
ああ、そんなこと感じるなんて、幸せじゃないんだろうか。


真珠郎はどこにいる 「横溝正史シリーズII 真珠郎」

BSフジで放送している「金田一耕助シリーズ」。
3回なんですけどね、今週で「シリーズII」の「真珠郎」が終わりです。
原作には金田一耕助は出ないんですが、ドラマ化の為、作者の了解を得て金田一耕助ものにしています。

以下、全部ネタバレしてます。
見ていない方は注意。
原作を知らない方も注意。


「真珠郎はどこにいる」。
「あのすばらしい美貌の尊厳を身にまとい、如法暗夜よりも真っ黒な謎の翼にうちまたがり、突如として現れた美少年。世にも恐ろしい血の戦慄を描き出した殺人鬼。あいつはいったい、どこへ消えてしまったのだろう」。
そう表現される絶世の美青年であり、殺人鬼の真珠郎。

話は大学の若い講師・椎名耕助が夕空に浮かぶ雲が、サロメに首を切られたヨカナンに見えたと言って、不吉な予感に怯えるところから始まります。
同じ大学の若い講師・乙骨三四郎は、ロバにしか見えないと笑い、椎名は気鬱の病だと言って旅に誘い出す。
2人は信州の山奥で、広大な屋敷に住んでいる鵜藤とその姪を訪ねていく。

そこに向かうバスの中で椎名は「血が流れる」と不吉な予言をする老婆と、そして東京の食糧事情の悪さから寺の住職である叔父を訪ねていく友人の金田一耕助に出会う。
バスの運転手によるとこの老婆は、毎年冬になると湖畔にやってきて、住み着くのだと言う。
訪問する屋敷の持ち主・鵜藤は昔、東京で生物学を教えていた。

たった一人の身内の姪の由美が寂しがっているので、東京から客が来ると歓迎してくれると言う。
バスを降りた2人の目に、塔の上にいる由美が見える。
由美はすばらしく美しい娘だった。

鵜藤の屋敷は横浜にあった遊郭を移築したという、広大だが使わない部屋がたくさんあるという屋敷だった。
数年前に爺やが引退してから、由美は体が弱っている叔父をの面倒を1人で見ていた。
だが金田一耕助は寺の和尚である叔父から、屋敷には誰か、もう1人いるという噂を聞いた。

椎名は出かける際、水筒を忘れて取りに戻った時、由美がひとつの部屋に食事を運んでいるのを見た。
中からは鎖の音がして、人がいると思われた。
誰か、いる…?

椎名の疑問に由美は、花魁たちが病に倒れ、商売ができなくなった時に入れられた部屋や、折檻部屋を見せる。
花魁に入れあげた男が、花魁に斬りつけて無理心中を仕掛けた部屋も見せた。
壁にはべったりと血がついていた。

この説明で椎名は納得したが、乙骨は納得しない。
蔵の中に誰もいないと思わせるためのアピールで、逆に誰かがいるのだと乙骨は言う。
その夜、椎名は庭から水音がして目を覚ます。
乙骨を起こすと、2人はそっと部屋の窓を見る。

窓の外には、湖のほとりに佇む青年が見えた。
湖のほとりには無数のホタルが飛び交い、その青年はホタルをつかまえ、口に含んだ。
すると青年の姿は怪しく燐光を放った。
その凄まじい美しさと異様さに、2人は息を呑み、身動きできなくなる。

「すごい美男子だ」。
「美しすぎて気味が悪いな」。
「あれはひょっとして、蔵の中にいる人間…」。
乙骨は、人前に出せない病人でも養っているのではないかと推理した。

翌朝、2人は鵜藤にその事を話すと鵜藤は驚愕のあまり、口が利けなくなった。
その日、金田一と叔父に会った椎名は、その美青年のことを話した。
すると叔父はそれがもう1人の住人に違いないと言い、鵜藤家にはあまり関わらず、都会に帰った方が良いと勧める。
金田一も職業的な勘で、何か怖ろしいことが起きそうな気がすると言った。

まもなく、予感は的中する。
椎名と乙骨が湖に出ている時、浅間山が噴火し、地震が起きる。
あわてて鵜藤の屋敷に戻ると、廊下では由美が倒れていた。
「真珠郎…、ああっ、真珠郎!」

その言葉に椎名は、夕べの美青年を思い浮かべる。
真珠郎が逆上したと由美は言って、鵜藤を探しに急ぐ。
由美は椎名と乙骨とともに、湖の洞窟に鵜藤を探しに入る。
だが洞窟は、そこにある島より先には、誰も行ったことがない。

暗い洞窟の中、同じボートに乗った由美と椎名の前に、島が見えてくる。
島に何か、白いものがかかっている。
それは乙骨のマフラーで、先に洞窟に入った乙骨は、頭から血を流して倒れていた。

次の瞬間、由美が悲鳴をあげる。
湖に首から上を突っ込んだ体勢で、島の上で鵜藤が倒れている。
暗い中、椎名が由美から灯りを受け取り、鵜藤を助け起こすと、鵜藤の首から上はなかった。
椎名も、由美も絶叫する。

どこかで笑い声がする。
椎名はボートと、その上にバスの中にいた不吉な予言をした老婆を見て、助けを求める。
しかし振り向いた老婆の顔は、あの夜の美青年だった。
由美が気を失う。

金田一耕助もまた、日和警部を連れて、鵜藤の屋敷に向かう。
湖畔に住み着く老婆に金田一は会うが、老婆は何も知らないようだった。
洞窟で椎名と合流した金田一耕助だが、鵜藤の遺体が流れて行ってしまう。
日和警部は遺体を追うが、島より先には誰も行ったことがないので危険だと由美が叫び、断念せざるを得なかった。

全員が屋敷に戻り、気絶していた乙骨も目を覚ます。
警察を呼びに走った椎名に由美はすがりつき、椎名も由美を抱きしめる。
だが屋敷に戻った椎名は、乙骨が由美に迫っているのを目撃した。

気まずそうに離れた由美を見送ると、乙骨はたった今、由美と結婚の約束をしたと話す。
「大学の講師などは貧乏で、美しい妻と金には縁がないが、俺はいつかきっとこの強引な性格でそれを手に入れてみせる」。
乙骨は常々そう言っていたが、今、それが本当になろうとしていた。

金田一や日和警部、椎名と乙骨を連れて、由美が屋敷を案内する。
屋敷に葉誰も気づかない隠し部屋があり、由美はここが真珠郎が20年近く閉じ込められていた部屋で、真珠郎は鎖を切って逃げたと話した。
由美が仕掛けを引っ張ると、部屋は怪しい光を放って開く。

鵜藤はこの中で、真珠郎を育てた。
真珠郎は昆虫の首をナイフで切り落とすと、鵜藤に誉められた。
よこしまな心はよこしまな顔に宿るというが、真珠郎は反対。
人をとろかすような絶世の美貌に、殺人鬼の心…。

なぜ、そんな青年を、鵜藤は育てたのか。
それは20数年前の出来事にあった。
20数年前、鵜藤は恩師の妻・愛子夫人に言い寄った。

拒絶されると鵜藤は、愛子夫人は自分のあざのある醜い顔のせいで拒絶したのだと思った。
愛子夫人は鵜藤が絶世の美少年でも拒絶したと言うが、鵜藤はその時、「アポロンのような顔にバチルスのような心を持った男を差し向け、いつかあなたを殺す」と誓って去って行った。
このことがきっかけで鵜藤は社会的に抹殺されてしまったが、鵜藤は反省をしていなかった。

金田一と日和警部は、屋敷にいた爺やを探して連れてきて、話を聞いた。
鵜藤はある夜、どこかから目隠しをした美しい女性を連れてきて、蔵に閉じ込めた。
それからまた、同じように目隠しをした美しい男を連れてきて、同じ蔵に閉じ込めた。
やがて2人に子供が生まれると、鵜藤は真珠郎と名付け、男女を屋敷から連れてきたのと同じ方法で返した。

鵜藤は、真珠郎だけを蔵の中で育てた。
真珠郎がナイフで生き物の首を切断すると、鵜藤は誉めた。
邪悪な心を持つように教育し続けた。
そうして血と教育で「人間バチルス」となった真珠郎を、自分を拒絶した恩師の妻・愛子夫人に差し向けるのが鵜藤の計画だったのだ。

だが金田一耕助は、脱走した真珠郎が愛子夫人の所に行くことに疑問を持つ。
やがて、乙骨は由美と結婚し、吉祥寺に居を構える。
吉祥寺を訪ねてくるように誘われても、椎名は由美のことを考えるとなかなか足が向かなかった。
しかし、そんなある夜、椎名はタクシーの中から、車に乗った真珠郎を目撃する。

東京に真珠郎がいる!
不安を感じた椎名は、吉祥寺の乙骨家を訪ねた。
幸せかと思った由美は相変わらず美しいが、どこかやつれ、幸せには見えなかった。
乙骨もまた、由美ではなく、自分の関心は由美の引き継ぐ莫大な財産にあったと言う。

椎名はその夜、乙骨家に泊まったが、夜半、絶叫で目を覚ます。
悲鳴を聞いて駆けつけた椎名だが、由美と乙骨の部屋には鍵がかかっていた。
椎名は必死に窓から中に入ろうとしたが、窓には頑丈な鉄柵があり、どうしても入ることができない。

そして、椎名は部屋の中に真珠郎がいるのを見た。
乙骨は気絶させられていたが、由美は刺されてしまう。
椎名は、真珠郎が由美を運び去るのを見た。

庭に回った椎名は、真珠郎の後を追うが、姿はなかった。
代わりにあったのは、由美の着物を着た首なし死体だった。
椎名は泣き崩れる。

警察で椎名は自分の目撃した一部始終を話し、絶望の淵にいた。
しかし、日和警部は首なし死体をなぜ、由美と思っているのかと意外なことを聞いた。
ふと、椎名は真珠郎ともみ合う由美の腕にあざがあったのを思い出す。
信州でも椎名は由美の腕を見ていたが、そんなあざがあることには気づかなかったのだが…。

その話を聞いた日和警部は顔色を変え、椎名を発見した遺体の側に連れて行く。
真珠郎に殺された由美の首なし遺体には、あざがあった。
遺体は由美に間違いないと思われた。
だが、なぜ首なし死体などにするのだろう?

日和警部の経験からすると、首なし遺体にしたり、顔を判別不能にするのは、身元を隠すためにする場合が多かった。
しかし、今度はそんな必要があるだろうか?
その時、金田一耕助が現れ、今の言葉は大変なヒントだと言った。


以下、全てのネタバレになっています。


信州で金田一耕助は椎名が真珠郎を目撃した柳の木、あれは爺やが屋敷に勤めているときにはなかったものと知った。
金田一耕助が地元の警察の協力を得て柳の下を掘ると、骨が現れた。
つまり、あの柳の木は墓標だった。

骨の状態からすると、死んだのは3~4年前。
金田一耕助はその骨が、真珠郎のものだと言う。
真珠郎は既に死んでいたのだ。
ならば鵜藤が真珠郎の目撃談を聞いて、あれほど驚愕した理由もわかる。

その時、大学で講師をしている椎名に乙骨から、助けてくれと言う電話がかかる。
「真珠郎を見た。今度は自分が殺される…!」と乙骨は言った。
椎名は金田一耕助に連絡をし、2人は椎名の下宿先で話をする。

今まで真珠郎が誰かに目撃されるたび、誰かが殺されている。
その時、乙骨から下宿に電話が来た。
助けを求める乙骨の悲鳴とともに電話は途切れ、その後、機械的な声で「椎名さんですか。お尋ねの乙骨はたった今、死にました。私の足元で血をどくどく流して横たわっています。私の名は、真珠郎」と言う声がして、電話は切れた。

金田一耕助と椎名は、乙骨の家に向かったが、その通りに乙骨は既に殺されていた。
だが今度は、乙骨は首なし死体にはなっていなかった。
代わりに顔や首が、鋭い剃刀で切り裂かれていた。
金田一耕助はそれを見て、謎は解けたと言った。

間もなく金田一耕助は、「もう2度と行きたくない」と言った椎名を連れて信州に向かう。
列車の中で、椎名は、乙骨が由美の財産を現金化して逃走することを考えていたと聞かされる。
「乙骨は真珠郎を恐れていたから」と言う椎名に、金田一は現金が残っていないこと、真珠郎が持ち去ったであろうことを聞いた。
そこに「抜け駆けは許さない」と言って、日和警部がやってきた。

信州についた椎名は、もし白骨が真珠郎なら一体、由美は誰の世話をし続けていたのだろうと訝る。
真珠郎を見たのは、椎名、乙骨、由美だが、その中で生き残っているのは椎名だけだ。
本当に真珠郎は存在しているのか。
日和警部の疑いの目に金田一耕助は、「もう1人いる」と言った。

椎名は都合、4回、真珠郎を見ている。
つまり椎名はいつも目撃者なのだ。
逆に言えば、真珠郎を目撃させる必要があった、要するに彼に真珠郎が犯人だと思わせる必要があったのだ。

椎名が由美を助けることができなかったのは、窓に嵌っていた頑丈な鉄柵の為だった。
それは最初から屋敷にあった柵ではなく、乙骨が後から作ってはめさせたものだった。
「まさか!」
「そのまさかと思われる男が、真珠郎を操っていたのですよ」。

乙骨は鵜藤、つまり由美の遺産を我が物にする為、真珠郎と共謀したのだ。
しかし、その乙骨が殺されてしまった。
その時、金田一の叔父が、声をかけた。

真珠郎の父親の話をしてくれる男を、寺に呼んでいるというのだ。
古畑三郎という男が真珠郎の父親で、美青年だった。
豪農の息子で、娘が1人いた。
この娘・稲子は22、3歳で、両親が亡くなった後に家を出てから、行方が知れない。

金田一が見せた真珠郎の写真を見た男は、稲子に良く似ていると言った。
そして、稲子の左腕には妙なあざがあったとも言った。
つまり由美と思われた首なし死体は、由美ではなく稲子だった。
稲子の遺体を由美と思わせる為に、由美が仕組んだこと。

犯人は、由美。
そこまで聞くと、椎名は走り出した。
由美への思いで一杯の椎名は、由美を逃すつもりだろう。
だが、誠実な椎名をそこまで深入りはさせてはならないと金田一耕助は言う。

椎名は、あの老婆が住んでいるという小屋に走った。
そこでトランクに隠してあった金を見て、こんな紙切れで愛する女性も、友人も失ってしまうなんてと椎名は嘆いた。
小屋を遠巻きに、金田一耕助と日和警部、警察が見ている。

金田一耕助によると、最初にバスの中で会った老婆も、由美が化けたものだったのだろう。
椎名に警告をし、血を見ると先入観を与えるためだった。
洞窟で鵜藤の死体を見つけた時にいた老婆は、真珠郎が化けた老婆…。
つまり、真珠郎を装った稲子が化けていた老婆だったのだ。

では小屋に住み着いている老婆は、一体、誰なのだろう。
金田一耕助は自分の推理でしかないが、真珠郎の本当の母親ではないかと言った。
目隠しをされていた真珠郎の母親は、真珠郎の居場所は知らないはずなのだが、何かにひきつけられるようにこの土地にやってきていたのではないか。
そしてもう、老婆は死んでいるだろうと金田一耕助は言う。

老婆が死んでいるので、由美は安心してあの小屋に住み着き、老婆に成りすましているのだ。
だから、由美は絶対にあの小屋に現れるはずだ。
そう言った時、まさに老婆に化けた由美が現れた。
逮捕に向かおうとする日和警部たちを、金田一耕助は押しとどめる。

これが椎名と由美の、最後の逢瀬になるのだろうから。
金の入ったトランクを前に、ガックリと膝を折る椎名の前に、老婆を装った由美が現れる。
「何もかも知ってしまったんですね…、でも私、いつかはこうなると思っていました」。

そう言うと、由美は顔を覆っていた粘土を取り、白髪のカツラを取る。
現れたのは、あの日と同じ、美しい由美。
「私は悪い女なんです。人殺しなんです!来ないでください!」
近寄ろうとした椎名に、由美が叫ぶ。

「由美さん、たった一言、あなたに聞いておきたいことがあるんです。僕はあなたを愛していた。あなたも僕を愛してくれていると信じていました。あれは嘘だったんですか。僕をただの狂言回しにするための、お芝居だったんですか?」
「そんな、私の愛がお芝居だなんて!私の気持ちはとても口では言えません。これを読んでください。あなたに読んでもらおうと思って、ずっと身につけていたんです」。
由美は椎名に手紙を渡す。

手紙には、椎名と巡りあってしまった悲しみが綴られていた。
椎名は由美を小屋の外に突き飛ばし、逃げるように言う。
警察が近づいていた。
由美は走り、湖のほとりに着いてボートに乗る。

金田一耕助と日和警部、椎名もまた、ボートを漕ぎ出す。
由美は洞窟に吸い込まれていく方へ、ボートをこいでいく。
「椎名さん、追わないで!私、今、毒を飲みました!」
椎名は必死に追おうとするが、金田一耕助が止める。

由美はこのボートに乗って、人知れず死んでいきたいと椎名に別れを告げる。
ボートには花が積んであった。
やがて由美は胸を押さえ、倒れる。
椎名が由美の名を叫ぶ。

「由美さんは恋の為に、君に全てを告白したんですか…?」
金田一耕助はそう言うと、由美の手紙を読む。
そこには、鵜藤の異常な性格が書かれていた。
真珠郎と呼ばれた不幸な青年は、蔵の中で鎖につながれたまま、ある日、病で死んでしまった。

鵜藤は真珠郎を埋めていた。
一生をかけた人間バチルスの計画は、頓挫してしまった。
そこで鵜藤は、由美を第二の真珠郎にすることに決めた。

だから由美は、鵜藤を憎んだ。
そんな時、由美は家を飛び出して女工をしていた稲子を見つけた。
稲子を真珠郎に仕立て、思うように操って鵜藤を殺すことを由美は考えた。

由美はその頃、乙骨と知り合ったのだろう。
そして由美は鵜藤を殺す為、乙骨は由美の受け継ぐ財産の為、2人は稲子を操る計画を練ったのだろう。
稲子を真珠郎という、凶器に仕立てるため…。

でも稲子はなぜ、操られたりしたのだろう?
金田一は推理する。
乙骨はおそらく、見せ掛けの愛情を稲子に餌として与えたのだろう。
日和警部が「けだものじゃ、けだものの仕業じゃ!」と吐き捨てるように言う。

乙骨は綿密に計画を立てた。
一番考えたのは、稲子の殺し方だろう。
そしてそれは椎名の見た雲、ヨカナンの首にヒントを得て、首なし死体を考え付いたのだろう。
しかも真珠郎には、小さい頃から生き物の首を取って楽しむという癖があった。

これは現代のサロメだと、金田一耕助は言う。
「椎名さん、あなたとさえ、めぐり合わなければ…」と由美は書いていた。
どうしても自分たちには、警察がその証言を全面的に信用するような善良な目撃者が必要だった。
その点、椎名は実に理想的な男だった。

だが、あまりに理想的な男で、由美は誠実で善良な椎名を本当に愛してしまった。
するとそれに気づいた乙骨は、椎名を殺そうとした。
しかし、由美は椎名を殺す気など、少しも起きなかった。
その為、乙骨は由美がやらないのなら、自分がやると言った。

しかも、由美の目の前で。
乙骨が椎名を殺すために家に呼び寄せようと下宿に電話した時、由美は乙骨の首を剃刀で切り裂いた。
「椎名さん。ああ、何と言う切なく苦しいことでしょう。あなたへの愛の証が殺人だとは。椎名さん、私が今度生まれ変わる時はあなたにふさわしい、心の優しい女になってきます。椎名さん、さようなら。さようなら」。

由美を乗せたボートは、洞窟に吸い込まれていく。
「由美さーん!」
椎名の声が湖にこだまする。
夕暮れが迫っていた。

金田一耕助は、乙骨の死体だけが今までと違うことから、真相にたどり着いた。
前と犯行の性格が違う。
つまり、犯人が変わっている。
そこまで行けば、老婆の謎も解けた。

真珠郎が2人いたとは…、と日和警部がため息をつく。
考えてみれば、由美というのは哀れな女性だ。
日和警部がそう言った時、既に金田一耕助は眠りについていた。



これは、首なし死体がいくつも出てくるので、子供の頃見ていたらめちゃくちゃ怖かったでしょうね。
「夜歩く」もそうなんですけど。
原作では美しい犯罪者の男女を連れてきたら、美しい犯罪者の子供ができる?
鵜藤は生物学を学んでいたから、そう思って実行したとあるけど、そうかな?と思ってしまう。

そんなことを考える現代は、お話が作りにくい時代なんですね。
すみません。
首なし死体は確かにものすごく猟奇的なんだけど、猟奇的なだけじゃなくて、首なし死体に実は合理的な理由がある。
つまり、首がなければ遺体が誰かわからないからなんですけど、現代ではこれも成立しない。

ほんと、この時代って、怖いお話が作りやすい時代なんですね。
いろーんな意味で、現代では作りえないお話。
さて、背筋が凍るほどの美青年の真珠郎は、誰なら演じられるだろう?
そうですねえ、「新・必殺からくり人」で凶賊の若き頭で、女に化けて逃げる役をやった頃のピーターはピッタリだったかも。

原作では金田一耕助じゃなくて、登場するのは由利麟太郎探偵。
そのせいか、金田一耕助と椎名さんが信州に向かうバスで偶然に関わる経緯にもちょっと無理が感じられもします。
でも全体としては、うまく金田一耕助を登場させて関わらせたと思います。

鵜藤叔父は、岡田英次さん。
顔半分にあざというのが、これまた「からくり人」の「津軽じょんがらに涙をどうぞ」を思い出します。
やっぱり、姪っ子に手を出してたか。
そうじゃないのかと心配してたんですが。

自分のよこしまな心が嫌われたのに、絶対違う!
限りなくよこしまな心を持つ美青年を作って、差し向けてやる!
そして、自分を嫌ったのが外見のためだと証明してやる!
さらにそれを証明して、破滅させてやるー!

あざを消して美しくなって、誘惑して復讐するという方に考えは向かなかったんですね…。
そして神が存在を許さなかったのか。
哀れ、真珠郎。

乙骨は中山仁さん。
自分の野心だけで、椎名にこれっぽっちも友情を感じてなかったなんて、ひどいわ。
ヨカナンの首の雲で、今回の計画を思いついたという。

しかし椎名がヨカナンの首と言った雲に、乙骨は「ロバにしか見えない」って返している。
でも私には、あの横顔を形にした夕暮れの雲はロバには見えない。
どっちにも見えるようにしたなら、雲の形は難しくなっちゃうんだろうな~。

椎名は原田大二郎さん。
乙骨への友情、抑えきれない嫉妬にも人の良さが感じられました。
由美への思いが、切なかったです。

そして良かったのは、金田一耕助の叔父役の加藤嘉さん!
「悪魔が来たりて笛を吹く」では玉虫子爵で、アクの強いところ見せてくれてるんですけどね。
こちらは飄々として笑いを誘う、人の良い和尚さんも似合うところが、さすがです。

由美役は、大谷直子さん。
隠し部屋を金田一耕助たちに公開する時に、ちょっと唇をゆがめている表情に「あれ?」と思いました。
清楚な由美に、ちょっと似つかわしくないほどの表情だった。

あのわずかな時間の表情に、犯罪に気づかない人たちへの嘲笑と鵜藤への憎悪がこもっていたんですね。
清楚で美しく、「殺すことが愛の証明だった」怖ろしく哀しい由美にピッタリ。
鵜藤の真珠郎教育が効いたのか、乙骨と一緒に稲子にやったことは、実はかなりひどいことなんですけどね。

原作では由美は鵜藤の教育どおりにそういうことをする怖ろしい自分と、椎名を愛する本来の心優しい女性である自分と、2つの自分の間で苦しんでいたはず。
割りと犯人の自殺を許してしまう金田一耕助だけど、そんな由美と椎名の最後の逢瀬を邪魔しない優しさはやっぱり好きです。
真珠郎登場の幻想的な画面と、「真珠郎はどこにいる」のセリフが、不気味で綺麗で良い雰囲気でした。


夏のせいなのよ

月曜日、どうも学生と子供が多いと思ったら、始業式の学校が多かったんですね。
もちろん、全部じゃないでしょうが、9月1日を待たずに二学期なのか。
最近は9月1日より前から二学期が始まるということで、暑いのに大変だ。
ほんとに暑いから、大変だ。

楽しくない用事があって、昨夜から気分が重かった。
ですが、朝になったら「考えたってしょうがない!」になりました。
思うに、あっついから、1日の終わりにグッタリして、夜に気持ちが暗くなる。

いや、暗くなるというより、明日やらなきゃいけないことに対して面倒になると見た。
だから朝になると回復してる。
あと、性格的にヘタレなので、長い間落ち込んでいるのに耐えられないというのもある。

落ち込むにもパワーがいるのだ。
そんなパワーもないというのは、問題なのではないか。
いやいや、暑いのだ、夏のせいなのよ。
こうやって全部、夏のせいにしてしまう。

昔、資生堂のCMに「夏ダカラ、コウナッタ」というのがあった。
ただの間違いとか、失敗を「ひと夏の過ち」などと詩的に表現してしまえるのは夏だけだというのをどこかで読んだ。
当の夏は「また俺のせいにされちゃったぜ」と言っているとか、何とか。
夏よ、すみません、私もあなたのせいにしてます。


救いでございます

こう暑いとどこに行くのにもつらくて、同僚は土曜日に出かけようとして準備して、表に出て断念したらしい。
翌日出かけようとして準備して、表に出てやっぱり断念したらしい。
わかる。
はああ~…(ため息)。

明日は楽しくない用事がある。
楽しくないのに、この暑さと日差しが重なって、ますます楽しくない。
こんな風に私は今、ぶちぶち、言ってる。

学生さんも頑張ってるんだ!
自分より大変な人だって、いるじゃないか。
泣き言言わないで、やれ!
…わかってますよ~、ほんとはこういう自分に一番情けなさを感じて、嫌なんだから~。

今日はロンドンから帰国して、徐々に調子を取り戻しつつある友人に会いました。
午前中に役所に行って、午後からは人を迎えに行くと言う。
やっぱり、パワフル。
ますます自分が情けないよ~ぃ。

それで、夕方、冷たいもの飲んでたし、ストレスもあるしで、ついに胃に来たかと思った。
しかし、この友人からもらった太巻きを食べたらおいしくて、復活した。
そしてひとつ、この友人がきっかけでポジティブな方法が見つかった。
つまり、きっと、これはかなり、良いことなんだ。

大げさに言えば友人との出会いが重要だったな、こういうのは運命だなと思えてくる。
いや~、何から何までありがたい。
あなたの存在が、私の救いでございます。
ここで言っちゃう、ありがとうございます。


ほしいなー、ガヴァドン!

東京MXTVで日曜夜6時半から放送の、デジタルリマスター版「ウルトラマン」。
一昨日かな。
日経新聞のコラムに、ウルトラマンやセブンのことが書いてありました。

例えば、怪物になってしまった宇宙飛行士が帰還するが、地球では受け入れられない。
しかし、彼を殺すことは正義とはいえない。
正義なんて、絶対的なものはないのではない。
そんな非常に深いメッセージが込められた作品がたまにあって、子供はそういうメッセージをウルトラマンやウルトラセブンで見ていたのだ、これは侮れない…というようなことが書かれていました。

その「ウルトラマン」、本日は第15話「恐怖の宇宙線」。
これもウルトラマン頑張れ!と怪獣を倒すウルトラマンに素直に声援を送ることができない、変化球の一話。
登場するのは、二次元から飛び出した怪獣・ガヴァドンです!
ガヴァドンは、これです↓

  
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小学校でムシバくんが描いた怪獣ガヴァドンは、冴えないデザインで友達に笑われてしまう。
そこでムシバくんは近所の空き地に並ぶ土管に、ガヴァドンを描いてみた。
やっぱりみんなは笑うけど、その夜、宇宙から謎の宇宙線がガヴァドンに照射される。
すると、ガヴァドンは絵から抜け出し、キュキュキュキュキュという音を立てて前進する巨大な怪獣となって登場。

さっそく、科学特捜隊と自衛隊が出動。
ガヴァドンを攻撃するが、ガヴァドンと来たら、いびきをかいて眠っているだけなのだった。
アキコ隊員は「こんななまけものの怪獣、見たことない!」と呆れる。

調べたところ、謎の宇宙線が地球に照射され、それが二次元のものを三次元化することがあることがわかった。
ガヴァドンもそうして三次元化されたのであり、太陽光線が弱まる夕暮れにガヴァドンは消えてしまった。
子供たちは喜び、ガヴァドンの外見を勇ましく描き変える。

今度はごついガヴァドンが現れるが、外見とは違ってやはり眠っているだけ。
科学特捜隊でも変に刺激することはないのではないかという意見が出るが、何しろ大きい。
東京にガヴァドン以外の影はなくなり、またその大きないびきはひどい騒音となって東京の活動は停止してしまった。

やっぱり、ガヴァドンは排除するしかない。
科学特捜隊は攻撃をするが、子供たちがガヴァドンを殺さないでと走り出る。
このままでは子供たちが危ないと、ウルトラマンが出現。

ガヴァドンを投げ飛ばして攻撃するが、いつもと違って子供たちはウルトラマンに怒る。
そして、ガヴァドンも何もしない。
ウルトラマンはガヴァドンを持ち上げ、宇宙へと連れ去った。

その夜、星空を見ながら子供たちはしょんぼりしていた。
すると夜空にウルトラマンの声が響く。
星が結びつき、ウルトラマンの形の星座になる。

「毎年、7月7日の七夕の夜、この星空の中できっとガヴァドンに会えるようにしよう」。
ウルトラマンは約束したが、ムシバ少年は「七夕の日、雨が降ったらどうなるんだよう」と聞いた。
すると、ウルトラマンの答えはなかった。

代わりに夜空の星は、今度は結びついてガヴァドンの形に星座を作った。
そして、ムシバ少年に答えるように、ガヴァドンの目から、流れ星が流れた。
まるで、ガヴァドンの涙。
さよなら、のようだった。


ガヴァドン、大好きでした。
武装前のガヴァドンは、まるではんぺんに目を丸くくりぬいたような脱力系の怪獣。
さかな?と思ってしまうよう容貌。

でも小さな足がある。
キュキュキュキュキュと言いながら前に進む姿は、かわいらしい。
それがバンバン攻撃されて、はんぺんのような体に穴が開く。

思わず、何もしてないですよー!って言いたくなる。
ガヴァドンも攻撃されて痛そうだけど、やがて眠ってしまう。
頭が、こっくりこっこり動き、舟をこぐ。
まるで、ムシバくんの温厚な性格がガヴァドンに反映されているようです。

私はこのままでいいじゃないかと思ったんですが、子供たちは怪獣としてはやっぱり情けない。
もっと強くあってほしい!と思って、ガヴァドンを強そうに描きかえる。
だがやっぱり、ガヴァドンの性格は変わってないのだった。
良かった。

それで、いつも応援を受けるウルトラマンだが、子供たちは非難轟々。
私が見ていても、無抵抗の大人しいガヴァドンを投げ飛ばすウルトラマンが悪者に思えてしまう。
このままでは、ウルトラマンへの信頼が!
そう思ったら、ウルトラマンはガヴァドンを空高く連れ去ってしまった。

夜になっても集まったまま、帰らない子供たちの前にウルトラマンが星座になってメッセージ。
ガヴァドンは星になったのです!
死んじゃったんじゃない、星になって空にいるんです!

七夕の日、それは子供たちにとってはガヴァドンとの再会の日になりました。
喜ぶ子供たち。
しかし、作者は鋭い質問。
ウルトラマンの答えはない。

え、こ、答えてください!
すると、ガヴァドンが星座になってくれて、その目からはまるで涙のような星が流れる。
切なーい!
いつまでもガヴァドンを忘れないでね!

忘れないです、私だって「脱力系の怪獣がいたな…」って覚えていたんですから。
今年がダメでも来年があるから!
世界のどこかは晴れているよ!


…と思ったら、こんなものが!
ああああ、ガヴァドンのぬいぐるみですよ!
やるなあ、これは反則です(?)。

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ああああ、今にもポチッと購入ボタンを押しそう。
…在庫切れ。
考えることは、みんな、同じだ。
ああああ、ほしい…。


すると、こっちにもいた。


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…くっ。
かわいい…。



「ファック・ユー!」と言う為のお金 「ファック・ユー・マネー」

昔、会社でみんなでお金を出し合って宝くじを買ってました。
当選番号発表までの話題、「1億当たったらどうする?」はどこかで聞いたように「世界一どうでもいい話」だけど、楽しい夢のひと時でもありました。
宝くじは1億当たったら、1人頭500万ぐらいになりました。

「ご、ごひゃくまん!あたし、会社辞める!」
課長「バカッ!」
「5百万で会社辞めてどーする!」

そんな会話がありました。
当たり前だ。
「じゃあ、課長は1億、単独で当たったら辞めるんですか?」

「辞めない。でも、嫌な転勤は断る!」
それを聞いた別の人、「気持ち良いだろうな~、『それは辞退します!』って言うの」。
「だってもう、出世やたくさん稼ぐことなんか考えないで、好きな仕事だけしてればいいんだもん」。


作家であり、インベストメント・バンカーでもあった黒木亮さんの著書「巨大投資銀行」。
世界の金融の最前線で動く主人公たち。
登場する企業や有名人の名は変えてありますが、「ああ、これは…」と思うものが出てきます。

インベストメント銀行は、とにかく実力主義。
そこで実力を発揮すれば、収入は数千万円まで行く。
上限はないと言って良い。

当然、プレッシャーも相当なもの。
そして同僚だろうが、同業者だろうが、弱った相手は骨まで食らう。
ましてや、バブル崩壊後の日本に対してなんか、「ハゲタカ」で当然だったわけです。

肉食人種の作った会社と、その仕組みだな~あと思いました。
農耕民族で、島国だから狭いから、なるべく角を立てずに生きていくのが生活の知恵…という国とは全然性格が違うと思いました。
ただ小説は、「ハゲタカ」のようにどんでん返しがあるわけじゃない。
現実はこうなんだろうなという感じで淡々と進み、終わります。

現実のインベストメント・バンカーは、一生暮らせるだけのお金を稼ぐのを目標にしているとのこと。
おもしろいのはそのお金のことを「ファック・ユー・マネー」ということ。
つまり「ファック・ユー・マネー」は上司に「ファック・ユー!」と啖呵を切って、辞めるためのお金なんだそうです。
ちょっと悪い言葉で申し訳ない。

日本の会社とは性格は違うけど、この「啖呵を切って、辞めるためのお金」っていうのは、どこでも共通の夢じゃないでしょうか。
それでこの「ファック・ユー・マネー」は、インベストメント銀行の一般的な考えでは3~5億円だっていうんですね。
すごい。


著者の黒木亮さんもここまでとは言わないが、「ファック・ユー・マネー」を貯めて辞めて、小説家になった。
「ファック・ユー・マネー」のおかげで小説家になっても、意味がないと思われる仕事をしないで済んだそうです。
小説の主人公たちも結局、これを稼いでインベストメント銀行を辞めていく。

主人公の1人は「りずむ」銀行のトップとなる。
「りずむ」銀行。
聞いただけでもわかるかもしれませんが、読んだ人にはすぐに「り」で始まる、あの銀行がモデルだとわかります。


住みたいところに住める。
行きたいところに行ける。
したい仕事をできる。

自分のやりたいことをやれるということが、自立していると言うこと。
力を持っていると言うこと。
できなければ、それが住みたい場所じゃなくても、親や保護者や、とにかく相手についていくしかない。
やりたい仕事じゃなかろうがなんだろうが、やるしかない。

この話はそんな、しごく当然で切ない掟を見るようでもありました。
しかし、私たちの「ファック・ユー・マネー」は5百万だったのだろうか。
「ファック・ユー・マネー」は、トホホなスケールの私が読んでおもしろい、壮大なスケールのお話でした。


「夏休み終了記念 追い詰め企画」

8月も最後の土日ですね。
明日は、明日こそギョーザを作る!
この前、ギョーザを作るつもりで用意したのに、にらがなくて、断念しました。

あの日はおかげで、1日ケチがついた…。
って、自分が悪いんだけど。
明日はリベンジの気分。


週刊「セブンティーン」という雑誌で、8月の終わりごろ、「夏休み終了記念 おどまチック追い詰め企画」というのが載ってました。
暗いと思われるものを集めてみた企画。
中身は「暗い動物→クラゲ」とかが載ってました。

要するに「暗い」の「くら」が入ってるものをこじつけて集めてた。
だから、笑っちゃうものばっかりだったんですけどね。
追い詰めどころか、笑わせてくれた。
要するに元気出せという企画ですね。


夏休みの始まった頃には、夏休みのカレンダーがついていました。
8月27日頃にイラストで遠くの空が光っていて、「あれは何だ!」と描いてある。
「宿題だ!」
そして28日にそれがドサドサと、空から落ちて来る。

人がそれに埋まっている。
29日から、イラストが「ジメジメ」とまるで梅雨時のような言葉と縦線が描かれている。
カレンダーは9月3日ぐらいまでありましたが、9月1日からは埋もれた人が「毎日暗い」と言っている。
そして、3日にはついにジメジメの縦線で、画面が全部真っ暗になってる。

まー、良くこんな、人を追い詰めるものを!というか、わかってらっしゃるというか。
休みが始まった頃は笑って見ていられましたけど、実際にその日が来ると笑えなかった。
8月31日は、日曜日の夜の数十倍の破壊力です。


雲霧を語って殺生をしたのか 「雲霧仁左衛門」 第4話

第4話、「川止め」。


煮え湯を飲まされた火盗の必死の探索にもかかわらず、雲霧一党の行方はつかめない。
火盗は道中奉行にも、協力を要請した。
東海道島田宿で、雲霧一党はそれぞれの形で大井川を越え、名古屋に向かうつもりだった。

善兵衛とともに駕籠で行く千代姫に付き添っているのは、桔梗屋に化けた吉五郎。
熊五郎は、行商人に化けている。
顔が割れている為、六之助は裏街道を行く。
お松、おもん、そしておみつもそれぞれ、名古屋へ向かう。

島田宿にある料理屋では、主が誰にも見られないよう、座敷の奥で隠し扉を開いた。
扉から廊下に出ると、隠し階段を登った。
その奥に合図する時だけ開く、一見、壁に見える戸がある。
主は戸を開けると、そこにいる雲霧仁左衛門に挨拶をする。

その頃、名古屋に向かう途中のおみつは雨に降られた。
おみつは、雨宿りしていた。
近くの寺子屋から、子供が帰って行く。

宿屋では吉五郎の居るところでも、道中手形を改めるほど、取り締まりは厳しくなっていた。
しかし人々は「江戸でも雲霧の人気はたいしたものですよ」「ほんとですな」と噂する。
それを聞いた役人は「人気とは何だ、人気とは!」と叱っていた。
その時、大井川川止めの一報が入る。

大雨の中、熊五郎は一軒の廃屋に入る。
すると、中には吹き消したろうそくがあり、熊五郎は潜んでいた者と取っ組み合いになる。
だが、それは六之助だった。

殴り飛ばされた六之助は、相手が熊五郎だったことに気づく。
「川止めだ」と熊五郎は知らせ、六之助は面が割れているので十分気をつけるように言っていたと、仁左衛門からの伝言を伝える。
熊五郎も、「六之助は面が割れているので、絶対に宿場に入るな」と言って出て行く。

ここまで来ると、後3日で名古屋。
なので、松屋は浮かれている。
そして雨の中、立ちつくしていたおみつは倒れてしまう。
寺子屋の浪人・沢村喜兵衛がかけ寄ってきて、 倒れたおみつを寺子屋の中に入れる。

だが、その夜、脇本陣に盗賊が入った。
浪人3人と流れ者風の男の計4人は、脇本陣の主人を脅し、金を出させた。
その際に「雲霧仁左衛門」と男は名乗った。
主人の危機を見て、外に出ようとした番頭は刺し殺された。

千代は異様な気配を察し、眠っていた松屋のところに行く。
灯りを消し、枕もとの懐剣を取り出し、松屋に「盗賊でございます」と告げる。
盗賊は松屋の寝所にまで押し入ると、「金を出せ」と脅した。

松屋は路銀を出し、「金ならここにあるから好きなだけ取って、どこにでも行くがいい」と言った。
「だが今はこれしかない」と言う松屋に、盗賊は「もっとあるはずだ。出さねば殺す」と迫った。
男の左の目の下には、ほくろがあった。

その時、座敷の手前に立っている男に、背後から懐剣が押し付けられる。
千代だった。
「このまま裏口からお帰りなさいませ」。

千代は優雅な口調だが、キッパリと言い渡す。
「さもないと、このお方の命はございません。さあ、どうなさいます」。
男は千代をにらみつけていたが、引くしかなかった。

盗賊が去ってしまうと、千代は懐剣を取り落とし腰を抜かして見せた。
松屋は千代にを、「美しいのに男に負けぬ度胸!」と感嘆した。
こうなれば千代姫をなんとしても名古屋に連れて行き、自分の女房にして店の奉公人たちを束ねてもらう。
そう言って、松屋は大喜びした。

松屋に抱きしめられながら、お千代は「あの盗賊は素人だね」と心の中でつぶやいた。
その時、縛られていた主人が松屋を心配して名を呼び、「雲霧でございますよ!」と叫ぶ。
「雲霧」と聞いて、お千代の顔色が変わる。

雨の中、松屋を脅した盗賊たちは、熊五郎と六之助の潜む小屋の方へ逃げて行く。
小屋の中では飯を持って来てもらった六之助が、それにかぶりついていた。
寝転がった熊五郎は「おい、六。てめえ、まだまだガキだ」と薄ら笑いしていた。

だが突然、熊五郎が起き上がり、壁の方に潜む。
同時に六之助も飛びのく。
ずぶぬれの盗賊たちは「少し休め」「これじゃまるで野良犬だ」と言う。

「しかし、あの女、度胸があった」。
「誉めてる場合か」。
「ざまあねえや、とんだ雲霧だ!」

男たちの「雲霧」の一言で熊五郎の眼光が鋭くなる。
六之助が熊五郎に近寄る。
盗賊たちが去っていくと、六之助が後を追おうとする。
しかし熊五郎が「てめえはここでじっとしてろ」と言って、自分が出て行く。

男たちを尾行すると、一軒の家の前まで来る。
その家の窓から、女物の着物を干している寺子屋の男が見える。
ほくろの男は家の中を見て、「沢崎…」と、つぶやく。
追っ手が来ると促されてそこを離れた男たちの後をつけて、熊五郎が来る。

そして、家の中で着物の側にいるおみつを見る。
おみつはフラフラしていた。
「おみつ…」。
おみつに気を取られた熊五郎は気を取り直して、男たちを探すが、大雨の中、見失っていた。

雲霧が出たという知らせは、島田宿に潜んでいる吉五郎やおもんの耳にも入った。
捕り方がウロウロする中、熊五郎はある飯屋に入る。
そこは雲霧が潜んでいる、隠し扉のある飯屋だった。
熊五郎は陽気に「飯くれよ」と言ったが、最後の客が帰ると熊五郎はオヤジと目配せする。

吉五郎が仁左衛門に、お千代が遭遇した盗賊の報告をする。
脇差で追い払った賊は、総勢4人。
松屋の放った金を持って逃げた。

そして、番頭を斬り殺したことを知らせていた。
「雲霧を語って、殺生をしたのか」。
仁左衛門はキセルを叩く。

その時、鈴が鳴って、熊五郎が来たことを知らせる。
「入れ」と吉五郎が言う。
「盗人のせいで、街道筋はびっしり固められている」と熊五郎は言う。

吉五郎は「この雨だから、盗賊は宿場町に潜んでいるはずだ」と言った。
熊五郎は盗賊の4人組の3人は浪人、1人は遊び人風と知らせると、「許せねえ」と言う。
そして、寺子屋をやっている浪人と、何か因縁があるらしいとも話した。
さらに、そこにおみつがいた話もする。

「そこにおみつが」。
「おみつ?」
「へい。その男が、浪人どもと訳ありだとしたら」。
仁左衛門は黙っていた。

雲霧を語った盗賊が出たことは、すぐに江戸の火盗に知らされた。
山田は、若い同心・高瀬と岡っ引きの政蔵を島田宿にやる。
おみつはやっと、起き上がれた。
喜兵衛はおみつに、「宿場町は物騒で、昨夜も雲霧という盗賊が出た」と話す。

おみつに粥を作りながら、喜兵衛は「まるで4年前に流行り病でなくなった自分の娘・おようが生き返ったようだ」と言う。
喜兵衛は、「娘が4つの時、自分は浪人になった」と言い、おみつの親はどこにいると聞く。
おみつはそれには、答えなかった。

喜兵衛はおみつに、「行く宛てがないならここにいたらどうだろう」と言った。
寺子屋を手伝って欲しい。
こうして見ると、まるで娘が生き返ったようだ、と。

その頃、お千代は不審と思われて捕えられた者全てに面通しをさせられていた。
笠をかぶった男が連れられてくる。
男は仁左衛門だったが、お千代は顔色一つ変えない。
そして「違います」と言う。

自分が見た男とは違う。
男の顔は四角くて…と目撃した男の特徴を、お千代は言っていく。
それは、さりげなく仁左衛門に「雲霧」を語る盗賊の特徴を教えるものだった。

たった今思い出したと言って、左の目の下にほくろがあることも口にした。
松屋は「もうよろしいでしょう」と言って、お千代を連れ出した。
お千代がそっと、仁左衛門を見る。

熊五郎は小屋で待っていた六之助に、仁左衛門の考えを伝えた。
仁左衛門の考えでは、雲霧を語った者が捕えられるまで、川止めは解けないということだった。
それを聞いた六之助は、飛び出していこうとする。

熊五郎は六之助を「六!」と呼び止め、「宿場には行くなというおかしらの言いつけに背くのか」と言った。
そして、「島田の宿のオヤジに船の手配を頼んだから、つなぎを待て」と言って、再び出て行く。
「俺は駕籠の鳥か…」と、六之助はつぶやいた。

夜道を行く喜兵衛は、3人の浪人に斬りかかられた。
ほくろのある男は背中を斬られた喜兵衛に向かって、「兄の仇!」と言った。
影で見ていた吉五郎は、襲っている男の左目の下に、千代が語ったほくろがあるのをしっかり見た。
この男たちが、雲霧を語った盗賊だろう。

喜兵衛にトドメを刺そうとした時、浪人たちに石が投げられる。
突然の邪魔で浪人たちは引いて行ったが、おもんが吉五郎の命令で後をつけた。
川近くの小屋で、遊び人風の男が待っていた。

男は「叩き斬ってきましたかい?」と尋ねた。
「とんだ邪魔が入った」と言う浪人に、「3人もいて…、本物の雲霧が泣いてますぜ」と言う。
後をつけてきたおもんが、それをじっと聞いている。

男たちは「今は角屋宗兵衛のところに、雲霧を語って押し入る方が先だ」と相談し始める。
押し込みは今夜らしい。
斬られた喜兵衛は、吉五郎に家に運ばれた。

喜兵衛はおみつに「あいつらが来るから逃げてくれ」と訴える。
あの浪人、土田惣十郎の兄・利兵衛は喜兵衛の妻に懸想し、ついに妻を自殺に追いやった。
喜兵衛は利兵衛を問い詰めているうち、口論となり斬ってしまった。
だから喜兵衛は浪人となって、娘を連れて逃げたのだ。

「逃げてくれ」とつぶやく喜兵衛に、おみつは叫ぶ。
吉五郎に「おみつ」とうながされても、おみつは「申し訳ありません。私、行けません」と頭を下げる。
「てめえ…、掟を破るのか」。
「小頭、お願いです。お願いです」。

その時、おもんが走ってきて、吉五郎に今聞いてきたことを伝える。
あの男たちが雲霧を語った盗賊だということ。
今夜、押し込みを働くこと。

盗賊4人組はひっそりとした町を走り、角屋に向かった。
「おうい!」
突然、男たちを呼び止める声がする。

男たちに、黒装束の男が近づく。
「血を流しての押し込みは、我慢がならん」。
黒装束の男は、仁左衛門だった。

羽織を脱ぎながら、あっという間に近くに居る浪人の刀を取ると、脇に払った。
かかってくる浪人を、弐左衛門は次々と叩きのめす。
そして最後に、遊び人風の男を叩きのめす。

夜明け。
火盗が走ってくる。
男たち4人が、逆さに吊るされている。
夕べの暗いうちに投げ込まれたらしく、まだ息がある。

4人は、お千代に面通しされた。
「間違いありません。その男たちです」とお千代は、男たちが松屋を襲った盗賊だと証言した。
火盗が駆けつけた。
本田藩の目付けを通して、捕えられた男たちを見せられた。

「偽物だ。どいつもこいつも無様だ!こんな奴らが雲霧であるわけがない!」と高瀬は叫ぶ。
高瀬はぐったりしている男たちに「雲霧の顔を見たか」と迫ったが、誰も弱りきっていて、答えられなかった。
「雲霧だ…、雲霧に違いない。あの4人を縛り上げたのは本物の雲霧に違いない」。

高瀬は「川止めをもう少し、延長してほしい」と言い、町で六之助の人相書きを見せて回る。
「役人もなかなか知恵が回るもの」と、仁左衛門は言う。
吉五郎は、火盗が入って来る可能性を指摘する。

お千代は松屋と神社に行き、おみくじを結ぶ際に、おみくじに見せかけた仁左衛門からの指示を受け取った。
すぐに川止めを解くよう、松屋に働きかけるよう、指示されていた。
お千代はその通りに、「後2日待てば」と言う松屋に「早く名古屋に行って松屋さまだけの千代になりたい」と訴える。
歓喜した松屋は早速、本田藩に働きかけ、川止めを解くように頼む。

吉五郎が飯屋の前を通り過ぎようとする。
わき道からやってきた熊五郎とすれ違う。
すれ違いざま、吉五郎は前を向いたまま「六之助は」と囁き、熊五郎は顔も上げずに通り過ぎながら「お指図どおりに」と答えた。
六之助は、船で名古屋まで漕ぎ出していた。

盗賊改めのもくろみは、松屋善兵衛が本田藩にかけあって川止めを解いた為、失敗に終わった。
「おい、この男を見なかったか!」
川止めが解けたので、宿場町を出て行く人々を呼び止めては、高瀬は六之助の人相書きを見せる。

仁左衛門にも声をかける。
まじまじと人相書きを見詰める仁左衛門。
「見かけたのか!」

しかし仁左衛門は、首を振った。
忌々しそうに走っていった高瀬に「ご苦労様です」と声をかける。
おもんが船で渡って行き、その後の船にお松がいる。

桟橋の方まで走って、人々に尋ねていく高瀬と浅吉。
それを船の手前で見ている熊五郎が、頭をかく。
笑顔で大きなあくびをして、悠々と去っていく。

仁左衛門が座ってキセルをふかす背後で、吉五郎が神社に手を合わせる。
「1人をのぞいて、みんな無事に向かいました」。
「おみつか」。

おみつの始末を聞かれた仁左衛門に、吉五郎が「自分が戻って…」と言うが「いや、わしが」と言う。
仁左衛門はずっと、そこに座っている。
すると、旅姿のおみつがやってくる。

「おかしら。申し訳ありません」。
「沢田喜兵衛さんは」。
「なくなりました」。
「そうか」。

涙ぐむおみつに仁左衛門は「行こう」と言う。
おみつが顔を上げる。
「おかしら…」。
頭を下げる。

仁左衛門は、黙っている。
おみつが行ってしまうと、立ち上がる。
高瀬は相変わらず、町を回って六之助の人相書きを見せていた。

仁左衛門が歩いていく先の茶店には、お千代がいる。
すれ違う仁左衛門。
お千代は善兵衛と駕籠に乗る。
高瀬たちと政蔵が思案に暮れている頃、雲霧一党は既に名古屋に近づいていた。



音楽の使い方、流れ方も完璧な4話。
江戸を離れたので、阿部式部が出てきません。
中村敦夫さんがいないのは、ちょっと寂しい。

熊五郎と六之助が、小屋で鉢合わせした時がおかしい。
もみ合って顔がわかった熊五郎が「六!」と言って「ばかやろー!」と殴り倒す。
「州走り!」
「こんなとこで一緒になるたぁ、手間が省けたい!」

「おかしらに言われるまでもなく、面が割れている自分は名古屋につくまで身動きがとれないとわかっている」と六之助は言う。
「それにしてもこんなとこに来るとはな。蛇の道は蛇たぁ、よく言ったもんだ」。
この言葉から、表をあまり歩きたくない人間が寄る場所というのは、確かにあるらしい。

六之助の一人前の口の利き方に「おいこら!宿場には絶対入るなよ!」と、熊五郎が言う。
そう言って出て行こうとした熊五郎に六之助は「州走り!お千代姐さんは…」と聞く。
「今頃、しっぽりと松屋と脇本陣だ」と言われ、「豪勢だな」と不満そう。

州走りに「飯!後で運んでやるからいいか。宿場には絶対入るな!」と言われ、六は「おう!おめえいつから俺に意見す…」までは言った。
戻ってきた熊五郎から身を隠すように、戸の陰に逃げてしまう。
でも、熊五郎は雨避けに、ムシロを取りに来ただけだった。

まるで子供だ。
去っていく熊五郎を見送り、六之助「一度しくじるとこれだもんなあ!」
どうやら、六之助は熊五郎とは同等の気分らしい。
でも対等なつもりで、全然対等じゃない。

しかし、実際、六之助の人相書きを手に火盗がやってきたんだから、出なくて正解。
さらに後でちょっとニヤニヤしながら、六之助をガキ扱いする熊五郎。
お千代の状況に不満そうな六之助の気持ちを見透かして、笑っているのか。

それにしても、2人、荒っぽいご挨拶です。
さらに街では一見何の変哲もない飯屋までが、仁左衛門の手下とは驚き。
すぐにはたどり着けない部屋の仕掛けも、佐原屋と同じ。
組織のすごさを感じます。

その雲霧を名乗って押し込みを働く男に、雲霧一党は怒る。
プライドを持って、盗人なりにルールや美学を貫いている雲霧。
あれだけ鮮やかなお盗めをする人たちが、こんな下種な手口を働くはずがない。

お千代の度胸を見てもわかるけど、同じ盗賊でも雲泥の差がある。
そのお千代、さすがに修羅場はお手の物。
手際よく撃退して、その後、ちょっとよろけて見せる。

もう、美しいわ、度胸はいいわ、でもたおやかだわで、この人こそ身代を任せられる女性だと松屋は大喜び。
お千代は役人には今思い出した振りをして、巧みに仁左衛門に押し込みの特徴を教える。
心の中では仁左衛門だけに忠実。

仁左衛門はお千代はただ、松屋の心を捕えていればいいと考えている。
それが最大限に役に立つ時が来る。
松屋はお千代の言葉に天にも昇る気持ちで、さっさと川止めを解除させる。

懸命に川止めをしている高瀬たち、現場の人の働きは、金持ちや権力者の都合で無駄になる。
どの時代劇にも、どの時代にもあること。
雲霧側から見ていないと、つらい話でもある。

同時進行するのが、おみつが世話になった喜兵衛と仇討ち話。
横恋慕し、他人の妻を自殺に追いやった兄も兄なら、雲霧を語る弟も弟じゃないか、この兄弟は。
喜兵衛さんが、かわいそう。

冷静で、時に冷酷に思える吉五郎は、本気でおみつを始末するつもりだったのかもしれない。
しかし、こういう人がいないと組織は統制が取れないのも事実。
おみつも覚悟していた節がある。

だからこそ、お頭・仁左衛門の「行こう」と言う、懐深い言葉に涙が止まらない。
仁左衛門にとって、一味は家族のようなものなのだと思う。
六之助もそうだけど、盗賊になるほどだから、みんな親がいなかったり事情があるはず。
つまりお千代をはじめとして、仁左衛門の元に集まった者は、お上の庇護が及ばなかった人ばかりなんだろう。

だからか、悪意や権力には立ち向う。
しかし、愛情を示してくれた相手には非常に弱い。
仁左衛門もそこのところ理解が及んでいるからか、おみつを見て、どこか哀しそう。
「行こう」の一言に、何にも他には言ってないのに、おみつへの理解、悲しみ、思いやりが全てこもっている。

押し込み寸前の盗賊たちを、「我慢ならん!」と、あっという間に叩きのめす仁左衛門。
信念を汚された怒りを感じます。
勝負にならない、一方的。

逆さづりにされて偽物たちは、もう正気を失っている。
高瀬がその無様さに、こんなものが雲霧であるわけがないと怒る。
盗賊の成敗までされて、火盗の立場がない。

ラスト、聞き込みしている火盗をニヤニヤして見ていたり、相変わらず本田さんの熊五郎はカッコイイが、どこか不気味。
話の途中、吉五郎のいる宿では、旅人たちが役人に「雲霧の人気はすごい」と言っている。
人を傷つけたりしないし、阿漕な金持ちからしか、盗まないし。

それを聞いた吉五郎は、何を思うのか。
自分たちは決して、誇れた存在じゃない。
だが庶民にとって雲霧一党は、自分たちを傷つけるテロリストじゃない。
お上に対する清涼剤みたいなものなんでしょう。


わかっております

突然、あることに気がついて、というか、思い出して昨夜は結構落ち込んでました。
あっ、そうだ、もう10年以上前だけど、失敗してたわ…。
思い出した…。

このやり方はダメだったんだっけ…という感じ。
落ち込んでいるというか、動揺してました。
しかし今夜になって、別のことが見つかって、アッサリ気が楽になりました。

もうひとつ、別の問題もあったんですが、こっちはまるで私に何か言いたいのかと思うほど。
解決したかと思うと、次に考えなくてはいけないことがまた出てくる。
不思議なぐらい。
なんて言うか、どうしても「行かなくてはならなくなっている」、つまり「来いということなのね」というような。

段々、私に対して、「これやれ」というメッセージだなと受け取られるようになってきました。
呼ばれてるな、これは。
そんな気がしてくる。

ま~、アッサリ気を楽にしてしまうような人間ですから。
楽な方に流れる人間なんで、気を抜かないようにさせるには確かにこういう方法しかないわ、うん。
へいへい、わかってますよ、言われなくてもやりますよ!


プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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