台風接近?

今、空を見上げると月がすごく綺麗なんです。
満月…、じゃないけど丸い。
10月1日が、満月なのかな。

明日の今頃は月はきっと見えないから、今見ておこう。
しかし、本当に台風が来るのだろうかと思うぐらい、現在は穏やか。
虫の声が聞こえる。
台風は夜に通過していくようだけど、風速によってはまた、家のインターフォンは雨粒で鳴るのだろうか。

7月に、ロンドンから帰ってきた友人。
友人を乗せずに飛行機は飛び立ってしまい、帰国が1週間遅れた。
帰国した友人は、航空会社に抗議し、会社は今日になってお詫びの手紙と粗品を贈ってきたらしい。

その粗品が、「どこでするの!」「誰がするの!」という柄のスカーフだそう。
「2度と見たくない!」と友人はお怒り。
「どんな柄?!」と、聞いてみる。
すると写真が送られて来た。

いやー、期待したほどじゃないよ…と。
失礼、すみません。
まあまあ、一緒にスタイリングを考えようよと言ったが、友人は早くも航空会社にメールをしたらしい。
何て言ったんだろう、要らないって言ったんだろうか。

あー、綺麗なお月様。
私が狼男なら、変身するぞ。
満月しか、変身しないのか?
でも、明日の今頃は嵐らしい…。



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弱肉強食の世界だが 「北斗の拳」

東京MXテレビで、月曜日夜7時30分から放送されている「北斗の拳」。
やっぱり、自分はラオウが出て来た時が面白かった。
世紀末の世を力と恐怖で統治しようとした拳王こと、北斗の長兄のラオウ。

主役以外の、脇役も良い味出しているものは、映画でもドラマでもマンガでもほとんどがおもしろい。
傑作になってると思います。
人間以外では、ラオウの愛馬・黒王が好きです。

ラオウ以外ではユリアの兄・ジュウザにのみ、背中を許す。
乗っていかれてしまったラオウは、車に乗らない。
「この拳王、背を預けるのは、黒王のみ!」

最大の信頼ですね。
ジュウザに背中を許した黒王を、ラオウは責めない。
ユリアに対する愛情といい、ラオウは認めた相手には寛大というか、懐が広いんだな。
やっぱり、王者だなあと思います。

そしてこの黒王は、ラオウとの最終決戦にケンを迎えに来る。
さらにラオウ亡き後はラオウの墓に別れを告げた後、ケンシロウに従う。
まるで、ラオウが自分の後をケンシロウに託したことを察したようでした。
これほどの馬だから、黒王は自分にふさわしいお馬さんを見つけて、穏やかに暮らしたと解釈してます。

「北斗の拳」はかなり残酷な、弱肉強食の世界を描写してます。
でもスケールの大きさも、まるで戦国絵巻のようでおもしろかった。
人間がしっかり描けていたのが、良かった。

登場人物一人一人の心の動きが、おもしろかった。
キャラクターがイキイキしていた。
男たちには漢!と呼びたくなるキャラクターがいた。

弱肉強食の世界だから、力が弱い女性には、相当過酷な世界。
でも、女性への激しい虐待の描写がなかったのは良かった。
女性がこの話を受け入れられたのは男たちの漢さもだけど、この点も大きかったのでは。

個人的な感想ですが、この逆の描写が永井豪氏のマンガじゃないでしょうか。
この人は「どうしてここまで?」と言いたくなるほど、女性の登場人物を過酷な目にあわせる気がします。
主役に近ければ近いほど、過酷な目にあわせる。
「北斗の拳」が、読者の期待通りの、最終的に収まってほしいところに収まっていくのに対して、絶対そうは収めてやるもんか!と期待にそむくのが永井豪氏な気がします。


会えないって

へにゃ~。
終わった終わった、今週のメイン行事が午前中に終わった。
それで友人に連絡したら、何と、突然にお通夜に出席することになって急遽、会うのは中止。

ご飯食べてるどころじゃない。
私は知らない方だけど、お悔やみ申し上げます。
気にしないで、そちらに集中してくださいと。

そこで、今週の初め、金曜日に友人に会うんだ~と言ったら、タロット占いをやっている人が、ちょこちょこっと、どんな話になるか占ってくれたんですね。
何を言うかと思ったら、「会えない」。
会えないっていうんですよ!
でも約束もしちゃったしと思ってたら、本当に会えなかった。

ぎょーえー!
当たるの?
当たるんだね、タロットって!

私は雑誌の後ろに載っている占いも見ることは見るけど、すぐに忘れてしまう。
有料の占いも行かないけど、今年になって好意で占ってもらうことが何度かあった。
そして、ずばり言い当てられてビックリしたこともあるし、数ヶ月置いても同じようなカードが出てビックリしたことも。
だから占いとか占うことができる人には、やっぱり私には見えない何かがあるのかなあと思ったところです。


吸血鬼じゃないんだから

9月も終わり。
最初の頃、テレビ東京の午後のロードショーのラインナップがバッドエンドものが多くて、夏の終わりにしんどいか?とか言ってたのに。
急に下がった気温と、涼しくなった空気についていけないのか。
単に根性ないせいか。

かったるかった。
眠かった。
台風来てるし、気圧が変わるのがまずいんじゃないのか?と言われたけど、そうなのか?
気圧が低くなるとめまいがする、頭痛がする、かったるいなどの症状を訴える人が割りと多いとか。

でも夕方近くなったら、元気になっちゃった。
吸血鬼じゃないんだから。
こんなことじゃいけないでしょ。

今朝も二度寝してしまって目を覚ましたら、結構な時間になっていた。
やっぱり一度目に、目が覚めた時に起きるべきだったのか。
だけど目が覚めたのが、5時だった。
こんなことじゃいけないでしょー!

明日は、今週のヤマ場とも言える行事が控えてる。
あんまり緊張するから、少しでも楽しいことをと思って、帰りに友人と会う約束をしてしまった。
今夜は早く寝ます。
おやすみなさい…。


屑は屑ながらも筋目を通して生きている 「三途の川の乳母車」

「三途の川の乳母車」。


一刀と大五郎の行く手に、渡世人姿の旅の男が数人。
中の1人が胸を押さえて、苦しそうに座り込む。
一刀の「子貸し 腕貸し」の旗を見た1人が、大五郎を貸してくれるように頼む。
金を支払おうとする男に一刀は金は要らない、ちょうど大五郎も腹をすかしていると言った。

男のなりをしていても、胸を押さえて苦しがるとあれば、女性だとわかる。
しかも胸が張って苦しむとあれば、子供に乳を与えられずに苦しんでいるとわかる。
その通りに渡世人姿の1人は、春日一家のお甲という女性だった。

お甲は、大五郎に乳を与えた。
「姐さんの子は、あの子より小さかった」。
そう言って、子分たちは泣く。

大五郎に乳を与え、お甲の胸の痛みは治まった。
お甲も、他の子分たちも一刀に礼を言う。
本来なら仁義を尽くして礼をするところ、お甲たちは急ぎ旅。
さらにこの恩義も返せないと、お甲は謝り、仁義を切る。

代貸しの羊五郎という男が、間もなくこの辺りは出入りの修羅場になり、お子様連れには危のうございますとも言う。
出入りの片方はこの、春日一家だ。
礼を尽くした挨拶に一刀は、春日一家の名前を覚えておこうと言って去る。

御坂一家の音蔵の客・仁助は、お甲の夫と、幼い乳飲み子を斬った。
だが一宿一飯の恩義がある仁助を、音蔵はかばわないわけにはいかなかった。
従って、御坂一家と春日一家は全面的に紛争となったが、お甲は音蔵の実の娘であった。
親子が敵同士となって、争うことになったのだ。

河原に着いた一刀に突然、武士が襲い掛かってくる。
アッサリと斬り捨てた一刀に、1人の用人が近づいてくる。
用人に案内されて向かった先は、代官・岸母田伊兵衛の屋敷だった。

この用人は、伊兵衛の用人だった。
伊兵衛は今度着任する新代官を百両で斬るよう、一刀に依頼した。
一刀が理由を尋ねると、理由は言わない。

密かにこの話を、伊兵衛の妾のお圭が聞いていた。
一刀はそれに気づくが、黙っていた。
その夜、お圭は音蔵やお甲に出入りをやめるよう、知らせに走ろうとした。
だがお圭は、一刀に見つかってしまう。

お圭は父親の病の時、音蔵にはずいぶん世話になったし、お甲とは小さい頃からの友達だ。
見逃してくれと言うお圭に、一刀はならぬと言う。
刺客の仕事にならないから、一刀は止めるのだろうとお圭は思った。
知らせに行こうとするお圭だが、一刀が刀を一振り振るうと着物は落ち、お圭は行けなくなってしまった。

御坂一家と、春日一家の出入りは明日に迫った。
春日一家には、助っ人も続々と集まってきていた。
代貸しの羊五郎は、何も出入りにお甲が行くことはないと言う。

だが、お甲は早く夫と子供の待つ三途の川へ行きたいと思っていた。
三途の川で、子供がお乳をほしがっている。
明日の笛吹川が、お甲にとっての三途の川だった。

お甲が夫と子供の墓参りをしている時、竹とんぼが飛んで来る。
大五郎だった。
お甲は思わず、大五郎を抱きしめる。
大五郎が墓の前の犬張子を見ているので、お甲はニッコリ笑って、大五郎に渡す。

そこに一刀が通りかかる。
一刀は、出入りの噂を聞いたと話す。
そして大五郎の母も、刺客に斬られたと話す。

お甲の夫、そして子供と同じだ。
母親を刺客に斬られた子供が、刺客に子供を斬られた母親に乳をもらう。
これも因縁かもしれないと、一刀は言う。

そして一刀は、仁助のことを聞いた。
仁助は御坂一家にも、音蔵にもかかわりの深い男ではないが、それが一宿一飯の恩義と言うもの。
わらじを脱いだ者は、身内として扱う。

だから、仁助を音蔵はかばい、お甲たちは春日一家として喧嘩状と叩き付け、出入りとなる。
バカだと思うだろうが、これがヤクザの筋と言うもの。
ヤクザは、こうして生きている。

一刀は今日一日、大五郎を預かってほしいと言う。
出入りを翌日に控えたお甲は、喜ぶ。
一刀はその足でお甲の父がいる御坂一家に向かい、仁助を出せと言う。
御坂一家では、春日一家に一刀が雇われたものと思うが、喧嘩状を叩きつけたのだから、そんなことをするはずはない。

だが仁助は御坂一家にはおらず、別の場所に匿われていた。
もしや、仁助は別の件で追われているのでは?
とりあえず、御坂一家の代貸しは仁助をもっと別の場所に避難させるべく、匿っている小屋に急ぐ。
しかし、その後を一刀がつけていた。

仁助は一刀のことを聞かれると、「子連れ狼」と言った。
やはり、仁助は一刀のことを知っているのか。
白を切る仁助の前に、一刀が現れた。

一刀は仁助を捕え、問い詰める。
仁助がお甲の夫と子供を斬ったのは、伊兵衛の命令によるものだった。
伊兵衛は、公金を横領していた。
新代官が来れば、そのことはわかってしまう。

伊兵衛は二つの一家を争わせ、その争いの巻き添えという形で、新代官を始末しようと考えた。
そして代官殺害の罪で渡世人を全員死罪とし、財産を没収する。
没収した財産で横領の穴埋めをすれば、もう誰も横領には気がつかず、伊兵衛は新しい赴任先へ向かう。

仁助の告白を聞いた御坂一家の代貸しは、斬られてしまう。
斬ったのは、一刀の後に代官殺しを依頼した3人兄弟の刺客だった。
続いて3人の刺客は一刀にも向かって来たが、一刀の敵ではなかった。
一刀はその足で仁助を引っ立てて、伊兵衛の屋敷に向かう。

公金横領の罪がばれないよう、利用される「やくざたちこそ、良い面の皮だ」と一刀は伊兵衛に言った。
だが伊兵衛は、「どうせ御政道の裏を行く屑どもだ」と言う。
「屑を利用して何が悪い」と、開き直る。

「屑は屑ながらも、筋目を通して生きている。公金横領の役人よりは人間らしいな」。
一刀の言葉に伊兵衛は「刺客を生業とするお前が、依頼主を批判するのか」と言った。
すると一刀は、屑以下の依頼主からは倍とることにしていると言う。
さらに依頼に隠し事があった場合は、倍。

つまり、倍の倍で4倍。
百両が4百両となると、当初の百両に3百両追加で要求した。
「高い!」と言う伊兵衛だが、新たに刺客依頼をした3人兄弟は一刀に斬られてしまっている。
伊兵衛は、承知せざるを得なくなる。

お圭は一刀と伊兵衛と用人の会話を立ち聞きした。
それに気づいた伊兵衛は、大人しくしていればお圭は新しい赴任地にも連れて行ってやろうとしたのに、と言う。
用人がお圭を用人が斬る寸前、一刀が「惜しい女だ、自分のものにする」と言う。

「嫌です!あなたみたいな悪党!」とお圭は拒絶するが、一刀は伊兵衛に明日まで預かれと言って、お圭を伊兵衛に預けた。
仁助は代貸しの遺体を担いで御坂一家に向かい、春日一家に斬られたと言う。
喧嘩状を叩きつけておいて、喧嘩以外で代貸しを斬るとは、ヤクザの掟破り。
御坂一家も、音蔵も怒る。

その夜、一刀はお甲が添い寝しているところ、大五郎を迎えに来る。
どうせ、明日は笛吹川の露と消える命。
「今夜は大五郎と過ごさせてほしい」と、お甲は言う。

「それほどかわいいか、他人の子が」。
「はい。我が子も同様」。
「それならば、生きることを考えたらどうだ」。

お甲はハッとする。
「亭主や子供を追って、三途の川へ急ぐこともない。大五郎とて、黄泉路の母を追おうとしたことなぞ、一度もないぞ」。
お甲は、すやすやと眠っている大五郎の寝顔を見つめる。

だが、明日の出入りは父親との争い。
どの道、自分は生きてはいられないのだ。
「最初から死ぬと決めてかかるのは、愚かなことだ。人と人との争いはどこでどうなるか、予測のつくものではない」。
そう言うと一刀は大五郎を抱き上げ、「世話になった。命は大切にしろよ」と言って出て行く。

翌朝、ついに2つの一家は笛吹川で対決する。
父親と娘が先頭にたっての対決を、伊兵衛は陰から笑いながら見ていた。
その時、新代官が間もなくやってくるとの知らせが来た。

二つの一家が出入りをしているから、そこを召し捕って新代官の手柄にしろと言われた新しい代官は、笛吹川に駆けつけることになっているのだ。
新代官が来たところを一刀が斬り、一刀、そして2つの一家ともども捕え、皆殺しにするのが伊兵衛の考えだった。
2つの一家が争っている最中、供を連れて新代官がやってくる。

そして、「おばちゃーん!」という声がして、一刀が大五郎を箱車に乗せてやってくる。
大五郎は、お甲に渡された犬張子を持って、手を振っていた。
「坊や!」

「何だ、その方は!」と新代官が聞く。
「刺客、子連れ狼」。
名乗るが早いか、一刀は2人の供と新代官を斬った。

それを見た伊兵衛は鉄砲と、捕り方を15名連れてなだれ込んできた。
一刀は2つの一家に、「散れ!」と命ずる。
新代官殺害の罪で一刀、2つの一家を捕えると言う伊兵衛に、一刀は笑った。

「何がおかしい!」
すると、斬ったはずの新代官が起き上がった。
新代官は伊兵衛の悪事を知っていた。

一刀に刺客依頼をしたのも知っていたが、それだけでは証拠にならない。
それゆえ、芝居をうった。
一刀は新代官に雇われていたのだ。

伊兵衛はうろたえ、「撃て!」と叫ぶと、捕り方の銃が火を噴いた。
一刀は箱車を横倒しにして、弾丸を防ぐ。
大五郎が転がる。

一刀は箱車に仕込んだ槍を手にすると、次々と伊兵衛の捕り方を倒していく。
大五郎が、じっと見つめている。
お甲が大五郎に駆け寄り、「坊や」とかばうように抱きしめる。
やがて一刀は、逃げる伊兵衛と用人を斬り倒す。

そして一刀は2つの一家に向かい、仁助がお甲の夫を斬ったのは、代官の伊兵衛の差し金であると叫ぶ。
逃げようとする仁助を、音蔵が斬る。
「兄貴の仇!」と、次々に一家が仁助に斬りかかる。

全てが終わり、一刀が「大五郎、行くぞ」と声をかけた。
大五郎がお甲が自分に渡してくれた犬張子を、返しに来る。
「ごめんなすって」。
大五郎はそう言うと箱車に乗り、一刀が去っていく。

新代官が一刀に、深く頭を下げる。
「お甲」と、音蔵が声をかける。
「おとっつぁん」。

お甲は、犬張子を笛吹川に流す。
去っていく一刀と大五郎を見つめ、「三途の川の乳母車…」と、お甲がつぶやく。
ヤクザの地獄旅よりも、さらに厳しい親子の刺客街道は続く。



お甲は、野際陽子さん!
いや、すんごい美人。
当時のメイクらしく眉毛は極細ですが、すごい美貌ですね。

今もお綺麗だし、この方は昔はすごい美人だったなと今もわかるのですが、こうして見るとすごい。
こんな美人女優が、無理せず、年齢を重ねて今はまた良い味を出しているということもすごい。
才色兼備というけれど、頭もかなり良いんですね、この女優さんは。

音蔵は、花沢徳衛さん。
伊兵衛は、田口計さん。
素敵な悪役です。

一刀は伊兵衛の依頼を聞いて、知らせに走ろうとしたお圭さんを止める。
お圭もまた、代官に無理やり妾にされた娘だったので、言うことを聞かない。
すると一刀は思いとどまらせる為に、一太刀振り下ろす。

途端に、お圭の後姿からぱらりと着物が落ち、背中が露わに。
美しい後姿ですが、ちと、やりすぎな気が。
全裸にしなければ、止められなかったということですね?

さらに伊兵衛の企みを知って一家に知らせに走ろうとしたお圭が斬られそうになった時、一刀が「惜しい女だ。俺にくれ」と、肩を抱き寄せる。
伊兵衛の手先と思っているお圭は、そんな人でなしのところは嫌だと叫ぶ。
預かっておけと言って、預からせたということは、お圭さんを助けてくれたということ。

新代官が来たら、お圭さんは解放されたでしょう。
一刀への誤解は解けたね?
お圭さんはおそらく、家に帰されて一刀に感謝したでしょう。
新代官は、良さそうな人でよかったよかった。

確かに伊兵衛の言う通り、ヤクザは「御政道の裏を行く屑ども」。
しかしだから屑を利用して何が悪いと言うのは、開き直り。
一刀、「屑は屑ながらも、筋目を通して生きている。公金横領の役人よりは人間らしいな」と言う。

その通り、御坂一家も、春日一家もカタギの人に迷惑をかけるような人たちじゃなかった。
なのに、渡世の義理とはいえ、親子が争わなければならなくなったお甲と音蔵。
つまらないヤクザの意地だが、ヤクザはこうして生きている。
これを守らなければ、無法地帯となってしまうんですね。

一刀は結構、筋を通す武士には肩入れしてくれる。
筋を通すヤクザにも、どうやら同様らしい。
お甲さんに、お圭さんに、今回は何だか、いつもと一刀が違う。

刺客に母を殺された大五郎と、子供を殺されたお甲との出会いに優しくなったのか。
特に出入りの前の夜のお甲さんには、いつもの一刀らしくない優しい話し方をする。
やっぱり、お乳をもらった大五郎の懐き方かな。

「それほどかわいいか、他人の子が」。
はいと答えるお甲に、「それならば、生きることを考えたらどうだ」と言ってくれる。
「亭主や子供を追って、三途の川へ急ぐこともない。大五郎とて、黄泉路の母を追おうとしたことなぞ、一度もないぞ」。

大五郎の無邪気な寝顔を見てのこの言葉は、響く。
「最初から死ぬと決めてかかるのは、愚かなことだ。人と人との争いはどこでどうなるか、予測のつくものではない」。
巨大な敵・柳生相手に、一刀は諦めてない。
死ぬと決めてかかっていないから。

どうなるか、予測はつかないと思っているんですね。
この言葉は重い。
「世話になった。命は大切にしろよ」。
この言葉が、一刀とは思えないほど、優しく響く。

そして最後の最後に、何と一刀は新代官に雇われていたことがわかる。
おお、こちらに雇われていたとは。
刺客・子連れ狼は、何でもありだ。

新代官が一刀に頭をさげているのが、どこか妙な気はする。
本来なら、捕えなければならない相手なんでしょうが、今回は依頼主。
大五郎は、ちゃんと犬張子を返しに来る。
その犬張子を流す、お甲。

「三途の川の乳母車」と、つぶやくお甲。
自分のヤクザ道よりも、おそらくもっともっと厳しい道を行く親子。
生きていく覚悟を決めたお甲から、一刀親子が遠ざかっていく。

しかし、今回は一刀、新代官と伊兵衛の2人から刺客料をもらっているのではないか。
伊兵衛代官からせしめた4百両は、もちろん、そのままですよね?
子供を殺してほくそえんでいる奴からなんか、もらっちゃって構わない。
冥府魔道なんだからOK。


私事の恨みがどれほど根強く怖ろしいか見せてやる 「六道無辺」

「六道無辺」。


同じ日に、時代劇専門チャンネルでは午前中に1部、夜に2部放送しているからって、混ざっちゃう。
でも同じ日に見ると、1部より2部で大五郎が大きくなってるのがわかる。
1部の大五郎は、ほんとーにちっちゃい。

どうしても一刀に勝てない裏柳生は、密かに烈堂の息子・軍兵衛を呼び戻し、一刀に差し向けることにした。
今まで、烈堂の息子は一刀に斬られている。
軍兵衛は烈堂の正当な血筋としての、最後の息子であった。
一刀を斬れる者は自分か、この軍兵衛しかいないと烈堂は言う。

公儀介錯人の座を巡って、将軍の前で御膳試合をした相手が柳生軍兵衛だったのだ。
試合の最中、一刀は戦意を示さず、軍兵衛の刃は一刀の喉元寸前で止まる。
勝負は、軍兵衛の勝利と思われた。

見守っていた柳生の配下は、烈堂に喜んで報告した。
これで公儀介錯人の職は、軍兵衛に決まり、隠密・刺客、将軍家指南役と公儀介錯人、全て柳生の手に入った。
だが烈堂は、一刀と軍兵衛の体勢を聞いて、愚か者!と叱咤する。

一刀と軍兵衛の体勢から、一刀の背後には将軍がいた。
将軍に刃を向ける形になるから、一刀は戦いをやめたのだ。
つまり、試合だけに神経を使っていた軍兵衛と違い、一刀には周囲に気を配り、将軍に気を使うだけの余裕があったのだ。
公儀介錯人は一刀に決まるだろう。

烈堂の危惧どおり、一刀は公儀介錯人として葵の紋を背負うことになる。
つまり一刀が公儀に代わり、介錯をするということ。
将軍の血縁以外にこの紋をいただくのは、拝家のみ。
64州の大名は、この羽織に、拝一刀に震え上がることだろう。

それだけではない。
さらに柳生を日頃よく思わない幕閣は将軍へ刃を向けたことについて、難癖をつけてくるだろう。
今日まで生きながらえてきた…と軍兵衛に瓜二つの柳生・五郎左は腹を切り、烈堂が介錯をしてその首を幕閣に差し出す。

本物の軍兵衛は、ひとつでも多くの刺客御用を果たし、夜叉のごとき剣を会得し、今度こそ一刀に勝てるように旅に出された。
烈堂は軍兵衛に腹を切らせることで、柳生に将軍を裏切る気など毛頭ないことを証明し、さらにもう一度、一刀との決着をつけることを申し出る。
だが軍兵衛がいない今、一体誰が一刀と勝負するのか。

すると、烈堂自らが試合をすると言う。
諏訪守は、烈堂を日頃から警戒していた。
一刀にもよからぬことをたくらんでいると、忠告をした。

試合の日。
さすがに烈堂の槍さばきに、一刀の顔も引き締まる。
だが烈堂が振り上げた槍は一刀にはじかれ、諏訪守に当たった。

将軍は諏訪守に、はじかれた槍ごとき、避けなければならないと言って、烈堂はお咎め無しだった。
試合は一刀の勝ちとされ、将軍は烈堂も衰えたと言って去る。
だが、一刀は烈堂の策略に気づいていた。

床に伏せった瀕死の諏訪守は、一刀に柳生には「柳生封廻状」という、機密文書が存在することを教える。
自分はその秘密をつかみ得なかったが、その柳生封廻状こそが、柳生の命取りになる。
烈堂は邪魔者の、諏訪守を、実に自然に排除したのだ。
諏訪守は一刀に、封廻状を探せと伝えると息を引き取った。

一刀をおびき寄せる為、道中に刺客依頼の目印がされる。
やがてもどってきた軍兵衛は、激しい雨の中、小屋にいる一刀と再会。
勝負となる。
烈堂たちも陰から、小屋から大五郎も見守る。

刺客として剣を磨いてきた軍兵衛は、公儀の為に振るう自分の剣は、いまや自分の為、金の為に一刀が振るう剣より強いと確信していた。
さらにあの試合でも、自分は一刀に勝っていたはずなのだと言う。
もう、遠い昔のことだと言う一刀。

貴様の剣は金の為、せいぜい、私怨の剣。
自分は正義の剣と言う軍兵衛。
「私怨か。その通りだ軍兵衛。しかしその私事の恨みがどれほど根強く怖ろしいか、俺は柳生に見せてやる…」。

雨の中、立会いが始まる。
2人ともずぶぬれになりながら、動かない。
足元がぬかるむ。

軍兵衛は自分の着ていた蓑を脱ぎ、足元に置いていた。
足元が定まらない一刀を見て、軍兵衛がほくそえむ。
だが、立ち合いで軍兵衛が動いた瞬間、一刀の刀は宙を飛ぶ。
胴太貫は、軍兵衛に刺さった。

立ち合いにおいて、初太刀はその武士の心、魂を表すという。
「しょ、初太刀を投げるとは…!卑怯!」
だがもう、一刀の手に刀はない!

そう言って、笑いながら向かってくる軍兵衛だったが、もはや一撃の力も残っていなかった。
離れた田舎道で列堂たちは、軍兵衛が倒されたのを見た。
「おのれ一刀!必ずいつか、おのれの命を、この烈堂が申し受ける!」と烈堂は叫ぶ。



軍兵衛は、南原宏治さんでした。
相変わらず、力の入った悪役ぶり。
「うわはははは!」と笑う軍兵衛とはまったく違う、常に影として生きていたであろう静謐な五郎左と二役。
こちらは、おごそかな声で静かに覚悟を伝えてくる。

ウイロウ売りという発声らしく、自分の後はもう誰もやる人はいないだろうとおっしゃってました。
何というか、喉の奥で声が転がるような、力があってよく通るお声なんですよね。
「スターウォーズ」でダースベイダーの声もやっておられましたが、あの仮面の下から聞こえてくる、不気味な声にピッタリ。
悪のフォースを身につけた、まさに大物らしかった。

軍兵衛、もはや一刀を倒せるのは軍兵衛しかおらぬ!と言われて呼ばれる。
いかにも性格が悪そう。
烈堂の正妻の子たちは庄兵衛・鞘香の姉妹なんか、バカにしてたんだろうなあ。

北大路版では、松重豊さんが演じていて、これに一刀の妻にそっくりな軍兵衛の妻が関わってきていた。
夫の勝利を願って、一刀を惑わそうとした軍兵衛の妻。
たくらみに気づいていながら心遣いを見せる一刀と、かわいらしい大五郎に、この妻の気持ちも揺れた。
だが妻は何と、軍兵衛に斬られてしまう。

怒りに燃える一刀だが、彼にとって妻など単なる道具。
妻のことなど微塵も思いやらない軍兵衛は、やっぱり同じようにぬかるみを味方にしたと思って負けるのでした。
松重さんは南原さんみたいに濃くはなかったですが、妻を絡めるのではなく、軍兵衛との因縁に徹した話で見たかったです。
いや、好きな俳優さんだからなんですけど。

一刀はよく太刀を投げ、それにツワモノが敗れると言いましたが、この回もそうです。
水鴎流は太刀投げOKなのかと思ったんですが、御膳試合の時はやらないし…、って、さすがにこれは当たり前かもしれないですが。
やっぱり初太刀を投げるっていうのは、正当な攻撃としてはありえないんでしょうね。
軍兵衛もまさかの攻撃だったらしく、「初太刀を投げるとは」と驚愕して敗れた。

貴様の剣は金の為、せいぜい、私怨の剣。
そんなものに、負けるはずがない。
一刀の「私怨か。その通りだ軍兵衛」の言い方が、とっても投げやりです。

「しかしその私事の恨みがどれほど根強く怖ろしいか、俺は柳生に見せてやる…」。
その通り。
修業には出されたけれど、守られて大事にされて生きてきた軍兵衛とは違う。
裏柳生によって冥府魔道を歩む一刀には、もはや軍兵衛の剣などは通用しないのだった。

軍兵衛の思いもよらないところまで、一刀は来ている。
地獄を見た一刀にとっては、軍兵衛がこだわる御膳試合など、もう遠い昔のこと。
壮絶な修羅場を越えてきた人が、もどってきた職場の女性同士の揉め事なんかもうどーでもいいみたいな感覚じゃないかな、違うかな。

武士道を捨てて、冥府魔道に生きる剣がどれほど怖ろしいか。
もちろん、基本、公儀介錯人となるほどの腕があっての上に、何でもありになったんですから、そりゃあもう大変な敵。
怨念の激しさを、叩きつけた一刀。

軍兵衛を見下ろす一刀の目が、恨みに燃えている。
離れたところから見ている烈堂に、その怨念は伝わった。
一刀の怨念・執念がここまですごいとは、策略家の烈堂にも計算外だったんだろうな。

諏訪守は、鈴木瑞穂さん。
今回は、すばらしい武士。
もう1人の幕閣は、久米明さん。
こちらの俳優さんも数々のナレーションをこなした、良いお声。

しかし、将軍様も、飛んで来た槍が避けられなくてどうするとか、むちゃくちゃ言ってますねえ。
一刀は刃が将軍に向いちゃうから試合放棄するほど、みんな、将軍には礼を尽くしているというのに。
何かこの将軍様は…、と思ってしまうのは、「暴れん坊将軍」のできすぎた吉宗を見ているからか。

もうちょっと、思いやってほしい。
将軍様がもっと思慮深かったら、避けられた悲劇がたくさんあるのに。
「新・子連れ狼」では聞いたところによると、ついに将軍様が拝一刀の骨に謝って、「供養いたす」と言ってくれたみたいだけど。

第3部で将軍は江原真二郎さんが演じてますが、今回は違う俳優さん。
ちょっと見、神保悟志さんに似ている。
個人的な趣味ですが、金田龍之介さんが演じた阿部怪異。
全然、外見的特長は違うけど、本田博太郎さんが演じたら、すごかっただろうなあ。

でも無理ね。
阿部怪異のやってることが、現在の放送コードでは無理すぎる。
川に毒流したりするんですもん。

柳生の超・機密「柳生封廻状」のお話が出ました。
後々に重大な展開を見せる、重要なお話です。
雨が上がり、一刀親子は去っていく…、って、あれ?

箱車は?!
軍兵衛が壊しちゃったから、置いてっちゃう?!
あれにはいろいろと仕掛けがあるから、きっと直すんだろうな。


猫耳ったら猫耳

これは去年、見つけた帽子。

       

ヒョウ柄に小さく突起があって、「猫耳?」と。
楽しくて、笑った。
そうしたら今年、猫耳がついた帽子、ニット帽がたくさん売りに出るとか。

我ながら、こういうものに心引かれるとは、大人げない。
年考えなきゃ。
世間様に、迷惑かけないようにしなきゃ。


仲良くしたなら 赤い怪獣・バニラ 青い怪獣・アボラス

東京MXテレビで放送している「ウルトラマン」、今回は「悪魔はふたたび」。
登場する怪獣は2匹!
前後編にでもなるのかと思ったんですが、ちゃんとまとめてありました。
3億5000年前、古代文明の人々は、怖ろしい2匹の怪獣を液体にしてカプセルに閉じ込めた。

赤い怪獣・バニラは赤い液体となって、カプセルに。
青い怪獣・アボラスは青い液体となって、カプセルに。
そして現代の日本で、そのカプセルが発見された。
青いカプセルは研究所に回収されたが、赤いカプセルは発見されず、土砂とともにトラックで運ばれた。

そして廃棄された土砂から転がった赤いカプセルに、雷が落ちる。
雷のエネルギーで、バニラが復活した。
研究所で、青いカプセルに電気ショックを与えた為、アボラスも復活。

バニラは火炎で攻撃。
アボラスは溶解液で、建物を溶かす。
そうか、電気で液体から、復活しちゃうんですね。

私はこれ、ウルトラマンがバニラの火炎で一度撃退されて、傷を癒しているのを覚えていました。
どうやらそれは、マンガだったらしい。
そういえば、そんな気もした。

アボラスが登場して、ウルトラマンは大いに危機感を持つ。
バニラでも自分は一度、撃退されたのに、2匹揃ってしまって、どうしたらいいんだろうと。
だがバニラとアボラスは、ケンカ始めたのだった。
そして、アボラスが勝ってたような気がする。

なのに、私は「バニラ」は覚えていたが、「アボラス」の方は「アボラ」?とか間違った名前で覚えていた。
バニラは覚えていたのはなぜか。
「アイスクリームでしょ」。
その通り!

おいしそうな名前だと思って、記憶していました。
所詮、私の記憶なんてその程度。
でも火炎の怪獣の方が、何でバニラなんだろう。

さて、ドラマでも2匹の怪獣は、引き寄せられるようにオリンピック競技場で激突。
オリンピック競技場って言ってますが、国立競技場ですね。
科学特捜隊は、2匹が協力したら、大変なことになると危惧していた。
だが、博士は野生の本能で2匹は殺しあうのではないかと予測していた。

博士の予測どおり、やっぱりバニラとアボラスは対決。
バニラの火炎とアボラスの溶解液が空中でぶつかり、爆発する。
この対決、互角に思われた。

しかし、アボラスの方が口が大きい。
アゴが、でっかい。
ピラニア…、じゃないけど、こういう魚がいる。

対して、バニラはおちょぼ口。
アボラスはバニラに噛み付く。
すると、バニラはアボラスを振り切れない。
さらにアボラスのほうがすばやいのか、力が強いのか、バニラを突き飛ばした。

そして、もう一度、バニラに対して溶解液を浴びせる。
バニラが不運なことに、科学特捜隊に攻撃を受けて目をやられてしまう。
そこにアボラスが攻撃して、バニラは溶けていく。
バニラが溶けちゃうって言うと、何か悲しい。

だがここで、科学特捜隊もエネルギー切れ。
ハヤタが、ウルトラマンに変身。
アボラスと対決。
このアボラス、バニラに力で優勢だっただけに、ウルトラマンにも腕力で対抗。

そしてウルトラマンがスペシウム光線を発しようとした時、溶解液を浴びせる。
ウルトラマン、しばし固まる。
溶けるのか、ウルトラマン!
溶けちゃうのっ!?

いや、しばし動きを止めていたウルトラマンだけど、溶けなかった。
良かった。
しかしウルトラマンのカラータイマーが赤に点滅を始め、時間がない。

再び、ウルトラマンはアボラスと格闘。
アボラスの溶解液を避けるウルトラマン。
そしてスペシウム光線が、今度こそ、命中。
だが、アボラスはまだ抵抗する。

もう一発、だがアボラスはまだ死なない。
3発目が命中し、アボラスはやっと炎上。
結構、強いよ!
「ウルトラマンが勝ったー!」とジャンプして走ってくるイデ隊員が、かわいかった。

古代では、この2匹は対決しなかったのか。
どうにかして、引き合わせてしまえばよかったのに。
それに2匹だったら、勝てたかもしれないのにね。
仲良くしたなら。

でも野生の本能が強くて、人類には良かった。
やっぱり、やたらケンカするもんじゃないデスネ。
仲良くしようが、今回の話の教訓なのだろうか。
…違うだろうけど。

国立競技場のセット、よく作ったな~。
壊れちゃうんですけどね。
2匹見られて、お得な気分の回でした。


いつか帰って来ます 「横溝正史シリーズII 不死蝶」

水曜日、BSフジで放送している「横溝正史シリーズII 不死蝶」が最終回でした。
全部で3回。
以後、ネタバレしてます。


金田一耕助は、友人の日和警部から、ある事件についての調査を頼まれた。
それは信州・射水の矢部杢衛という老人からの依頼で、23年前、鍾乳洞で「矢部家」次男・英二が惨殺された事件を調べてほしいというもの。
犯人は長男・慎一郎の恋人で、村では矢部家と並ぶ2大勢力の「玉造家」の娘・朋子ということだった。
敵対する2つの家の息子と娘は、駆け落ちするつもりだった。

それを知った次男の英二は、兄をたぶらかした女を殴る!と息巻いて、鍾乳洞に入ったが、2度と出てこなかった。
英二は鍾乳洞で遺体となって発見され、前後の状況から犯人は朋子と思われた。
その朋子は、「私はいきます。でも、いつか帰って来ます。蝶が死んでも、翌年、また、美しくよみがえるように」という手紙を残して消えてしまった。
杢衛は息子を奪った、敵対する家の娘を、今も激しく憎んでいた。

そして今、射水の村に、ブラジルのコーヒー王・ゴンザレス氏の養女・鮎川マリとその母・君江が滞在している。
マリは朋子の若い頃に生き写しで、母・君江は黒いベールをかぶり、顔を見せない。
杢衛は、君江は次男の仇・朋子ではないかと疑いを持っていたのだ。
だから金田一耕助に、朋子と君江が同一人物かどうかを調査してほしいというのだった。

金田一耕助が到着した矢部家には、当主の杢衛のほかに慎一郎と妻・峯子、峯子の娘・都がいた。
そしてその兄の矢部家の番頭役で、実際に家を切り盛りしている宮田文蔵。
英二の事件の時にはアリバイがあり、事件後は満州に渡り、最近引き揚げてきた古林徹三もいた。
矢部家の娘・峯子は23年前と同様に、玉造家の康雄と人目を偲ぶ恋人であった。

ある夜、鮎川マリは、村での親睦のためのパーティを開く。
矢部家の人々も招待されていた。
金田一耕助も矢部家の人々とともに、パーティに向かう。

マリがブラジルの曲を演奏した後に、君江が鍾乳洞に入っていくのが目撃される。
夢遊病の発作らしかった。
君江を探すため、パーティの参加者は鍾乳洞に入って行くが、そこで発見されたのは杢衛の死体だった。
死体は23年前の事件が起きた、底なし井戸の横、まさに英二と同じ場所で、同じように殺されていた…。


以下、本当に全部ネタバレになっています。
ご注意!


日和警部は、番頭役の宮田を疑う。
兄は、そして叔父はそんな人じゃないと、峯子も都も慎一郎に訴えるが、慎一郎は警察に対して動くこともなかった。
23年前の事件から、慎一郎は抜け殻のようだった。
峯子は慎一郎の心には今も朋子がいることを知っていたが、今度ばかりは嘆き、慎一郎を責める。

2人の様子に都は傷つき、康雄にここから連れ出してほしいと懇願する。
だが金田一耕助は23年前、英二殺しのあった夜の古林のアリバイが嘘であることを突き止めた。
しかし、その古林はまたしても、鍾乳洞で殺されてしまう。

さらに金田一耕助は、マリが君江を演じていたことを見抜いた。
マリは金田一耕助を、鍾乳洞に呼び出した。
約束の時間、鍾乳洞に入った金田一耕助と日和警部の耳に、悲鳴が響いた。
マリが背後から首を絞められ、殺されそうになって叫んだのだった。

犯人は逃げたが、今度は峯子の遺体が見つかる。
妹の峯子を殺したのは自分だと、そこにいた宮田が自白。
それだけではなく、全ての事件の犯人は自分だと宮田は言う。
宮田は峯子の供養を神田署長に頼むと、あの底なし井戸に身を投げて自殺してしまった。

峯子は兄の犯行を止めようとして、殺されたのだと思われた。
しかし金田一耕助はマリに、この事件と23年前の事件の真相を語り始めた。
23年前の事件の関係者は、全て死んでしまっているので、自分の推理に過ぎないと言いつつ。

事件が起きた23年前、朋子の中には既に慎一郎の娘・マリがいた。
金田一耕助によると、23年前、英二は確かに、兄と駆け落ちしようとしていた君江を鍾乳洞で見つけて殴りつけた。
しかしその近くでは、峯子と古林が逢引をしていた。
2人の関係が発覚するのを恐れた古林と峯子は、英二を殺した。

おそらく、実行犯は古林だったのだろう。
そして2人は、罪を朋子にかぶせようと工作したのだ。
警察が事件当夜の古林のアリバイをきちんと調べれば、それが嘘であること、峯子が共犯であることがわかったはずだった。

しかし、警察でも矢部家と対立する玉造家の娘が犯人だと決めてかかってしまっていたのだろう。
朋子はゴンザレスに救われ、君江となってブラジルに渡った。
ゴンザレスは朋子を愛したが、朋子の心は慎一郎にあった。

朋子の死後、ゴンザレスはマリを養女にした。
だが、マリは母親の無実を晴らす為、日本に、この村に戻ってきたのだった。
そしてマリは犯人をおびき寄せる為、黒いベールをかぶって朋子になって、度々姿を現した。

まんまと逃れた古林は満州へ渡ったが、帰ってきた時はすっかり落ちぶれていた。
古林は峯子に昔のことをねたに、たかって生きるしかなかった。
杢衛は鍾乳洞で、再び古林が峯子に迫っているところを目撃してしまったために殺された。

慎一郎とは心の通わない夫婦であったが、今の峯子はなんとしても、自分にたかり、脅迫する古林を殺さねばならなかった。
古林殺害は遂行されたが、宮田は妹の犯行を知ってしまった。
宮田はマリに手をかけようとした峯子を殺して、全ての罪を自分がやったと自白して自殺したのだった。

それは、都のことを考えてのことだった。
人殺しの母を持つより、人殺しの叔父を持った方がまだマシだろうと。
その頃、都は康雄に連れられ、東京へ駆け落ちしていた。

金田一耕助はマリに、都と康雄をブラジルに連れて行ってくれるよう頼む。
遠いブラジルの地なら、この忌まわしい事件も2人と距離ができるだろう。
マリは承知した。

そして、マリが自分の娘と知った慎一郎とマリは、ついに親子の対面を果たす。
愛した女性にそっくりな娘を、慎一郎は万感の思いで見つめ、抱きしめる。
金田一耕助も慎一郎もマリも、ふと表を見る。
表には、冬のさなかだと言うのに、蝶が飛んでいた。

「私は帰ってきます。蝶が死んでも、翌年には また蘇るように」。
全員が、蝶を見つめる。
金田一耕助もまた、蝶をじっと見つめ、頭をかいた。



鍾乳洞、つまり洞窟で起きる事件というと、「八つ墓村」とか「真珠郎」を思い出しますが、今回はセットはやや、お金かけてないな~という感じに見えます。
でもドラマは結構、楽しめました。
キャストが良いですね。

マリ=君江=朋子は竹下景子さんです。
おとなしめな女性のイメージの竹下さんですが、日本女性とは違って気性が激しく、積極的なマリを演じてます。
綺麗だし、似合ってます。

都を演じた当時のアイドル・栗田ひろみさんは、とーってもかわいい。
矢部杢衛の小沢栄太郎さんは、やっぱり貫禄ある。
峯子の岩崎加根子さんは、「悪魔が来たりて笛を吹く」で長門裕之さんの妻で、こちらもあんまりだんなさんとはうまくいってない妻だった。
なかなかの犯人ぶりです。

矢部康雄は、江木俊夫さん。
元フォーリーブスですね。
同じフォーリーブスでは、北公次さんが映画「悪魔の手毬唄」に出演。

北さんは恋人を殺されて哀しみ、怒りました。
妹が犠牲になって、さらに怒りに燃える。
そして最後の慟哭と、なかなか心に響く演技をしていました。
しかしこのドラマの江木さんはかわいらしいお顔と声、セリフまわしでしたが、あんまりお芝居に入り込んではなかったですね。

私としては、よく悪役で見る山本昌平さんの慎一郎と、浜田寅彦さんの地元の警察署長が楽しかった。
山本さんはめずらしく!最後まで心の傷が癒えておらず、妻にも世の中にも関心が持てない慎一郎を繊細に演じてました。
「新・仕舞人」で自分の前を横切った犬の飼い主が必死に謝るのを笑って、「あははは…」「殺せっ!」と命じる悪役を知っていると楽しめます。

悪徳商人を演じたらピカイチの、浜田寅彦さん。
いつ女性を騙して売り飛ばすのかと思ってしまう、早川保さん。
小悪党が痺れるほど似合う、江幡高志さん。

こういった俳優さんが気のいい田舎の警察官役で出ているのが、「横溝正史シリーズ」の楽しさ。
さらに常に影を持つ苦労人・宮田役は植木等さん。
お笑いができる人は、やっぱり逆にこういう役をやっても上手い。

慎一郎がマリと対面した、感動のシーンで「不死蝶」は終わり。
そう思ったら、冬枯れの庭にヒラヒラとチョウチョが飛んで来る。
ここにムーディな音楽が重なり、朋子の声が重なる。

蝶は、朋子の生まれ変わりか。
やっと晴れた自分の無実と、親子の対面を喜んでいるのか。
私はそう感じましたが、人によってはこの蝶に朋子の執念や亡霊を感じて、怖いと思うようです。
うーん、そう感じたのなら、このラストはかなり怖いでしょう。

そして次回のこの時間は、「黒猫亭殺人事件」2話とありました。
あれ?
この話は、全2回じゃなかったかな?
いつ1回目をやったの?

見逃した?と思ったら、2回続けて放送してしまうのでした。
キャストが太地喜和子さんと知って、「うわ、ピッタリ!」と喜んでしまいました。
あれを太地喜和子さんがやるとしたら…、見逃せません。
見逃してなくて、良かった~。


裏柳生の哀しい刺客・鞘香

考えてみると、一刀が崖から落ちたとかじゃなくて、対決して深手を負った相手って、烈堂のほかにはエスパー男しか記憶にないです。
この男、超能力みたいな忍びの技じゃなくて、本当に超能力・エスパーだった。
生命力というか、気力気迫が強い相手はダメみたいなんです。
だから一刀に勝てないと言っていたんですが、毒蛇に噛まれて死に直面した時「今なら勝てる!」と言い出した。

結果、この男は斬られるが、一刀もバッサリ斬られてふらつく。
あんなに見事に斬られて、フラフラ去っていく一刀って珍しかった。
この話は確か、裏柳生の子供を生むためだけに作られた里にいる女性たちの哀しい話の回。

哀しい話なんですが、この男にはビックリです。
しかし、裏柳生に関わる女性は哀しいこと多い。
烈堂の娘、鞘香でさえ。

前にも書きましたが、萬屋錦之介版の初代・大五郎には、愛嬌がない。
万人受けするような、華やかさと愛らしさもない。
だからこそ、この子が歯を食いしばったように笑うと、いじらしい。

笑顔が切ない。
この愛嬌のない子が慕ってくると、かわいらしくてしかたがない。
列堂の娘・鞘香なんか、勝負以前に、既にこの笑顔に負けていたようなもんです。
殺せないよー。

まして本当は優しい娘であり、父の愛情に飢えているがゆえに人の寂しさを思いやれる鞘香が、大五郎を傷つけられるはずはない。
鞘香の「お手玉の剣」は烈堂の言葉で言えば「落下して来るお手玉の剣をかわそうといたさば、鞘香の剣にその虚をつかれる。鞘香の剣をかわそうといたさば、お手玉の剣に!女児が無心に操るお手玉の呼吸なのじゃ」という技。
裏柳生たちを練習台にして、猛烈に犠牲にして完成する。
つまり、上から落ちて来る剣をかわしたら鞘香が振るう剣に斬られ、鞘香の剣をかわせば上から落下してくる剣に刺されるという技。

猛練習して完成させたということになってるけど、うまく避ける以前に上からそう確実に標的に落ちて来るかと思ってしまう。
そのための猛練習とはいえ、だったら手裏剣かなんかを上にバンバン投げて、その隙に突進してきたら良かったんじゃないかな。
でも散々そういう攻撃をして、一刀は殺せなかったんじゃないのか…、などと、言いたくなる技。

大体、一刀が二つ刀を使ったら、もう無理なんじゃないかな。
一刀ならそれぐらいやりそうだ。
それにひょいと避けたら、一刀が走っちゃったら、どうするのだ。
押さえつけられて、自分で自分の剣に当たったりしたら、もっと悲惨じゃないかな。

だいたい、拝親子は武士道の逆の冥府魔道を行ってる親子なんだから、とんでもない攻撃もするって、烈堂はもう知ってるはずじゃないか。
一刀は子供を、馬の前に飛び出させる人なんだぞ。
「子供を蹴殺したら、何とする」に、「そのようなことができる男ではない」って見抜く男だぞ。
刺客に向いてない鞘香の性格が、わからないはずがない。

それに刀は武士の魂っていうのに、一刀はその刀を勝負の最中に投げる人なんだぞ。
一刀は良く投げるから、水鴎流は太刀投げるのOKなのかもしれないけど、やっぱり普通は立会いで投げてくるとは思わない。
「寒到来」を見ると、一刀は忠義の武士たちを、最高の奥義で斬ってやっている。

それが一刀の武士に対する礼儀だとするなら、やっぱり刀を投げるのは武士じゃなくて、冥府魔道のやり方なんじゃないかな。
公儀介錯人なんて武士がそんなヤクザな戦法とるとは思いもしないから、何人もそれで敗れてる。
こんな風に、一刀が鞘香に向かっていきなり刀を投げたら、どうするの!

そんな危惧通りというか、何と一刀は大五郎をかついでしまったので、鞘香はあっさり自滅してしまった。
じゃ何か、ちゃんとしたもの頭に載せたら、この剣法への対策は解決なのか。
あんなに人を犠牲にして、一体なんだったのか。

だいたい数々の猛者が通用しなかった一刀に、烈堂は鞘香が通用すると本気で思ってたのかと突っ込みたくなる。
鞘香を心配して、他の裏柳生は一刀を襲ってる。
それについて鞘香が「私ではダメだというのか!」って、斬られる部下たちに怒ってますけど、部下たちの方がよっぽど父の烈堂よりわかっているし、心配しているような気がする。

鞘香という娘は、幼い頃から父・烈堂に愛情も注がれず、唯一、寄り添って生きてきた兄は一刀に斬られてしまう。
父の烈堂は鞘香に自分の子を生ませるとか信じられないことを言うし、一刀に斬られた兄は柳生の血を残すと言って瀕死の状態で鞘香を襲ってくる。
裏柳生にとって女性は血を残すためだけにいるようなものらしいが、娘の鞘香でさえ、いや、娘には気が狂いそうなことばっかり起きている。

そして北大路版の鞘香は、大五郎をかばって味方に斬られる。
ここは、残念だった。
鞘香は自滅するから、哀しいのに。

今のドラマではおそらく、萬屋版でやっていることで、絶対できないことがある。
それを考えたら、鞘香もしょうがない展開なのかもしれないけど。
大五郎を犠牲にする可能性があるというのに、担ぐ一刀。

鞘香に、大五郎に刃が刺さる光景が見える。
この親子の絆、そしてそうまでしてもこの親子がやらなければならないことを知る。
そうして、見ている人は一刀親子を応援していく。

大五郎の笑顔を見た時から、鞘香の死は決定していた。
萬屋版・鞘香は、哀しかった。
子供を生むためだけに作られた里にいる女性たち同様、裏柳生の哀しい女性の1人だった。

後に烈堂が鞘香を思い出して、「鞘香」と涙していました。
それならあんなこと言わずに、生きているうちにもっと優しくしてあげてほしかったですよ。
でも鞘香の為に烈堂が泣いているのは、ちょっと救いです。


プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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