直った!

6週間ぶりにエアコンが直りました。
というか、入れ替えたんですけどね。
いやいや、お風呂上がりや料理の時が、堪らなかったですよ。

コンセント引いたり、壁に穴開けたんで、1日かかっちゃったですけど。
すごい快適!
今までお世話になった扇風機は、隣の部屋に。
ありがとうね。

今のエアコンはすごい省エネだから、元取れますよ、って言われました。
最初のエアコン入れた時から、時代は変わったんですね。
ただ、最初のエアコンは部品まで全部、日本で作ってるから持ちは良かったらしい。
ここんとこ、毎年、トラブル起こしてたけど、エアコンも今までありがとう。

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蛾は節操と言うものがない 岸田森さん

佐野史郎さんを一躍有名にしたテレビドラマ「ずっとあなたが好きだった」。
この中で佐野さんは、蝶々の収集が趣味のマザコン夫を演じました。
実際に佐野さんは蝶々の収集家でいらっしゃるそうですが、蝶々の収集家といえば岸田森さんもですね。

岸田さんは撮影で、「よーい!」の声がかかった時、飛んできた「これが、いーい蝶なんです」のために「待った!」と言ってしまったこともあるそうです。
夏の長野のロケで、蝶々がたくさんいた。
岸田さんと蝶々。
似合いすぎ。

「ダメなんですよ、蝶じゃなくっちゃ。僕は蛾が大嫌いでね」。
蝶々と蛾。
「蛾は節操と言うものがないんです。昼は飛ぶし、夜は飛ぶしね」。
「蝶は夜は飛ばない。節操と言うものを守って生きているんです」。

確かに。
夏に田舎行くと、暗い電灯の下に集まってくるでっかい蛾はキョーフでした。
「食べるものにしても、蝶は美しいです」。

美しいもの、儚いものを愛し、集める。
岸田さんだと、決まりすぎの趣味だし、決まりすぎのセリフに聞こえる。
しかし岸田さんは、剣道3段の腕前。
実はつよーいお方なのですね。

だから、「からくり人」で奉行・鳥居なんかやると凄みがあったのか。
本当に、つくづく惜しい俳優さんを早くに亡くしたものです。
日本映画専門チャンネルで、「傷だらけの天使」が放送されるとか。
岸田さんに視点を据えて見るのも、楽しいんじゃないかと思ってます。


漢!

仲代さんは、三船さんの殺陣はすごかったと言います。
三船さんと言う方は、とにかく身体能力が優れていたそうです。
はい、最近「隠し砦の三悪人」を見直したんですが、ビックリですよ。

三船さんの六郎太が、敵方の侍を馬で追いかけて斬るシーンがあったんです。
こいつが帰ってしまうと、姫が生きていること、自分たちがここにいて敵陣を突破しようとしていることがわかってしまう。
何としても、帰してはならない。
だから三船さんの六郎太が追いかけて、斬る。

その時、三船さんが馬上で刀を構えるんです。
馬が疾走しているんですよ。
猛スピードで。
それなのに三船さん、手を離してるんです。

手を離して、刀を構える。
いやもう、スタントなし。
すごい。
もう、息を呑んでしまった。

他にも最後に敵陣を突破する時、捕らえられている女性を敵の手からさらって馬に乗せて逃げるシーンがあるんです。
この時の、女性の手をひょいっとつかんで、ひらっと乗せるのがすごい。
人形かなんか乗せるみたいに、軽く、ひょいっと乗せて逃げる。

もしかして、人形なのか?って思うぐらい、軽く。
すごいんですよ。
ものすごい男っぽい。
男にしかできない!と思わせるんです。

こういう男が出て来ると、くやしいけど女の出る幕じゃないなって思ってしまう。
でもこの六郎太は、将に将たる資質の姫を守って敵陣突破するんです。
その対比がまた、良いんですね。
漢が出て来る時代劇は、おもしろい。

萬屋錦之介さんの殺陣は、まるで舞うようだったと仲代さんは言います。
勝新太郎さんは、刀を収める時の余韻もすごかった。
「座頭市」は本当に、この勝さんの技が炸裂している。
殺陣っていうのは斬って、刀を収めるまでが殺陣だから、と。

仲代さんは殺陣を錦之介さんに、教えてもらったことがある。
でもやっぱり、自分はこの人たちのような殺陣はできないと思った。
だから自分は芝居の「間」が、できるようにしたそうなんですね。
いや、みんな漢だ。

錦之介さんは初心者の仲代さんに、京都にはうまい斬られ役がいるから、初心者は彼らに任せれば大丈夫と言った。
実際、本当にうまい斬られ役がいて、その人たちが倒れてくれると何とかなる。
綺麗に死んでくれる。
すると、シーンが引き立つ。

今でも下手な俳優が殺陣をやっても何とか見られるのは、この人たちのおかげだと仲代さんは言います。
彼らが日本の時代劇を支えている、支えてきた。
そうだと思います。
斬る方も、斬られる方も、漢!

時代劇、この人たちが斬られる見せ場のある時代劇。
すごい殺陣のある時代劇。
惚れ惚れするような漢が出て来る時代劇が、見たいよー!


夏至雑記

夏至でしたね。
終わっちゃったけど。
昼が長くて、夏至の前の日曜日、6時半ごろにお風呂入ってたら外が明るい。
冬なんて、冬至の前なんて、4時で暗いというのに。

暑いけど、エアコンがまだ直らないけど、夏は昼が長いのが好きだな。
1日が長い気がして。
本当は変わらないんだけど、昼が長いといろいろやれる気がして。

実際、洗濯物が良く乾く。
冬は日が短いし、気温が低いから乾かない(笑)。
動物の本能なんでしょうが、あの、昼が縮んでいく時の焦燥感が私は苦手です。

暗くなるのが早いと、早く帰らなきゃって思ってしまう。
でも熱中症の危険はないんですけどね。
その点は冬は安心。

4月から残業がきつかった。
月曜日から残業で、残業がないのが1日ぐらい。
だから大好きな大好きな「猫侍2」が、見られなかったの。

ゆっくり楽しみたいと思っていたら、終わってしまった。
残業がひと段落してなくなったから、これから見るつもりだけど寂しいー!
玉之丞と久太郎のコンビが大好きだから。

残業もひと段落して、逆にお仕事が暇になったので、今日はルネ・マグリット展見てきました。
いや~、行けなくなるかと思ってました。
良かった良かった。

雨の中、重いけど画集買って帰ってきました。
自分はぬれても、画集はぬらさない。
この根性がどうして仕事に生きないのか、自分でも不思議。


偏屈でとってもおもしろい奴・山崎努

黒澤明監督の名作「天国と地獄」。
この映画について語った仲代さんは、この映画でキラッと光ったのは山崎努だと言いました。
何と言っても山崎努だと。
俳優座の先輩の仲代さんが、山崎さんを語ります。

「偏屈で、とってもおもしろい奴!」
仲代さんもあんまり監督に反抗したりしないし、「はいはい」って言う人は多い。
でも山崎努は、ちゃんと抵抗する人なんだそうです。

嫌なものは、嫌だと。
だからある筋では、とても評判が悪い。
でも仲代さんは、その俳優としての生き方を尊敬しているそうです。

「影武者」の時は、本当に助けてもらった。
勝新太郎さんが降板した時、やっぱり主役、大将と思っていた人間が変わるんだから、現場の雰囲気も変わる。
特に最初は騒動のことで、雰囲気が良くなかった。
「間に立って、山崎努はその雰囲気を立て直すのに骨を折ってくれた」。

以下、仲代さんの話です。
黒澤監督がある俳優が緊張した時に「上がっちゃダメだ!何で上がってしまって、何もできなくなるんだ!」って怒った。
後で、山崎努が黒澤監督に言った。
「監督さあ、役者は『なぜ上がるんだ!』って怒られたら、余計緊張して上がるんだよ」。

黒澤監督「本当?」
山崎さん「本当?、じゃないです。監督、あなた、『姿三四郎』からずっと撮っていて、俳優に厳しく言うのは有名だけど『上がるんだ!』って言うとねえ、上がるよ。山崎、上がるよ。上がっちゃう」。
黒澤監督「そうか…、そうか。役者ってそうなんだ」。

黒澤監督「うん、じゃあ明日からそうしない」。
山崎さん「うん、その方が良いですよ監督」。
でも翌日も思い通りに行かないと黒澤監督は、怒鳴っちゃうんだけどね。

怒鳴り、わめき、すごい現場ですよ、黒澤組は。
黒澤監督は「尊敬しているのはナポレオンだ」って言っていたけど、あの人は将軍ですよ。
あの統率力は将軍だ。

「影武者」は、馬が3百頭ぐらい走った。
CGなんて使わないから。
救急車が、現場に10台ぐらい来ていた。

そして仲代さんは、言う。
黒澤監督は三船さんとは、「赤ひげ」が最後だった。
けれど、「影武者」も「乱」も三船さんを想定して作っていたと思う。
あのコンビは、別れても続いていたと思う。

黒澤監督もすごい。
そんな黒澤監督と仕事した俳優も、すごい。
もう、俳優だったら黒澤監督と仕事したことを誇りにして生きていけるくらい。
三船さん、仲代さんは当たり前だけど、山崎さんも、改めて、すごい俳優だと思います…。


迫力

仲代達矢さんが自分の半生を振り返った著書「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」を読んでいます。
松田美智子さんの著書、三船敏郎さんの伝記「サムライ」も読んでいるんですが、これ、ハードカバーなので通勤に持ち歩けないんです。
なので、通勤中は仲代さん、家では三船さんという、日本映画黄金期に君臨した2人の伝記を読んでいることになります。

よこしまな読書の仕方!
ですが、これ、話が重なる部分があって、非常におもしろい。
三船さんと仲代さんは、何度も共演してますもんね。
しかも黒澤映画で。

黒澤映画の時の三船さんについて仲代さんが語っていて、興味深い。
仲代さんはいろんな俳優さんと時代劇で共演していますが、三船さんの殺陣はすばらしいとおっしゃっています。
力強さと速さ。

それまでの伝統的な時代劇俳優の殺陣は、流れるように、舞うように斬る。
黒澤監督はそれを否定した。
そして三船さんの殺陣は、実際に相手に当てるんだそうです。

はい、ここで前に書きましたが、黒沢年男さんがそれで額を割ったって言ってましたね。
縫った、と。
それで三船さんが当時で50万と言う大金を持って、お詫びに来たと。

三船さんは実際に相手に当てるけど、仲代さんいわく、それで本当に斬っているように見えるんだそうです。
何しろ動きがすごかった。
身体能力がものすごく高い。

三船さんはセットを壊してしまうから、黒澤監督は「壊すな!」ということでリハーサルなし。
「用心棒」も一発だったそうです。
うわ、あれ、一発勝負?!

クライマックス、連発銃を持っている卯之助こと仲代さん。
それに対して、反対側からやってくる三十郎こと三船さん。
銃を構える卯之助。

卯之助の連発銃を持つ手に、三十郎が投げた包丁が刺さる。
勝負は一瞬で決まり、三十郎は6人のヤクザをあっという間に斬り捨てる。
冒頭、「百姓なんかつまんねえ!俺はヤクザになる」と言って母親と故郷を捨てて出てきた百姓の青年がそれを見て悲鳴を上げる。

三十郎「水粥すすっても生きていた方が良くはねえか!」と怒鳴る。
青年を斬らずに「さっさと帰れ!二度と来るな!」と怒鳴る。
悲鳴を上げながら、青年は故郷へ帰って行く。

この三船敏郎さんの迫力ったら、ない。
そしてこれ、今は良くあるシーンでも、これを最初にやった、見せたっていうのはすごいことです。
名シーンです。
白黒の古い映画であることなんか、まったく気にならないで見られる。

仲代さんの話は、春日太一氏の「なぜ時代劇は滅びるのか」にも重なる部分があって、大変興味深い。
それもそう、仲代さんの本の聞き手が春日氏なんですね。
「時代劇は…」の中で、春日氏は時代劇が衰退した理由のひとつに、「俳優がいない」ことを挙げています。

そしてあるベテラン俳優、うまいと言われている俳優さんなんですが、その方の実名を挙げて、批判していました。
「自然体で今までの時代劇にない演技で○○(役名)を演じる」とその俳優さんが発言したようなんですが、これに対して春日氏は非常に怒っていました。
なぜこんなにも怒るのかと、仲代さんの本や三船さんの伝記を読んだらすごく納得しました。

ただ、仲代さんも春日氏も、俳優がいないと言うが、それは俳優の責任だけじゃないと言っています。
システムが今は、俳優をじっくり育てるということを許さなくなってしまっている。
だから昔、監督にしごかれた俳優たちは、幸せだったんだと思う、と仲代さんは、いえ、仲代さんも、言います。



ボスライオン

大島渚監督だったかな。
主役をやる俳優と女優というのは、哺乳類に似ている人が多いと。
哺乳類に似ていると使いやすい、動かしやすいというようなことをおっしゃってました。

例えば、若い頃の仲代達矢はシェパードだ。
太地喜和子は、ペルシャ猫だ。
なるほど、と思いました。
確かに物語を作りやすい、観客が感情移入しやすいだろうと、学生の頃の自分は妙に納得したものです。

黒澤映画を見て、三船敏郎と言う人の魅力を改めて感じました。
自分が映画やドラマを見始めた頃、三船さんはもう大御所も大御所。
大物代議士役で、特別出演するような俳優さんでした。

最近、黒澤明監督の作品で、若い三船さんを見る機会が多くなりました。
若い頃の三船さんって、すっごいイイ男なんですね。
俳優じゃなくて、スタッフに応募しに行ったら間違えられて俳優になったって聞いたことがありますが、そりゃそうだ。

現役でバリバリ、この方が出ている頃をリアルタイムで見た人がうらやましい。
ただ、三船さんは「男のくせにツラで食うなんて嫌だ!」って考えの人だったようです。
しかしあの才能、映画界はほっとかなかった…って具合でしょうか。
中村敦夫さんは、「俳優はなりたくてなりたくてしかたがない人がなるものだが、三船さんはなるつもりがなくても才能でなってしまった人」と言いますが、そうなんだと思います。

家の父なんか、三船は衣装代がかからないとか悪いこと言ってましたが、ボロボロの着物がお似合い。
すごくワイルドなんです。
70年代に緒形拳さんとか、山崎努さんとか、肉食だと思いましたが、この方は絶対植物系じゃない。

肉食で、貫禄がある。
あんまり動かないけど、最後に出て来る人。
ボスのライオンって雰囲気です。
それで今、三船さんの伝記を読んでいるのでした。


悪がいない!

春日太一氏の著書、「時代劇はなぜ滅びるのか」。
非常につらい話ですが、うなづきながら読んでいます。
かなりな辛口ですが、著者は時代劇が大好きであることがわかります。

時代劇がおもしろくない、理由のひとつ。
「悪がいない」。
おお。
時代劇の悪は、「悪ぶっているお人好し」じゃダメ!

時代劇の悪は憎々しいまでの非道で、強くて良い。
狡猾で良い。
圧倒的な権力を持ち、それで主人公や庶民を上から押さえつければ良い。

人を人とも思わず、自分と同じ人間だと思ってない奴で良い。
ただ、自分の利益や歪んだ欲望から、人をもてあそぶ奴で良い。
こんなことをしていいのかという、後悔も悩みも持たない奴で良い。

そんな奴だからこそ観客は、それに立ち向かう主人公に喝采を送る。
どうにも許しがたい悪だからこそ、「こいつを斬らなければ!」と見ているこちらも思うことができる。
その目標達成に共感し、緊張し、応援することができる。

これ、必殺の基本でしたね。
ちょっとやそっとじゃくたばらない。
仕置きのしがいがある悪でなくては。
俺たちは悪の上を行く極悪になると言わしめる、強い悪でなくては。

春日氏は今の時代劇には悪は悪でつらい背景を持っているとか、実は悪人ではなかったというパターンが多すぎると言うんですね。
それじゃ主人公が必死になって戦う意味がない、と。
誰も彼もが哀しいなら、それは人間ドラマにはなるけれど、エンターテイメントとしてはぼやけてしまう。

今の監督が「七人の侍」を作ったら野武士たちがああなった境遇や内面まで、丁寧に描くだろうと春日さんは言います。
これは私も映画を見ながら、今なら野武士の側も同情すべき人間だということ、悲惨な境遇を詳しく描くだろうなと思いました。
自分たちがヒエを食べても、雇う侍に米を食べさせるほどの悲惨な境遇が百姓だけではなく、野武士も同じだった。
だとすると、死力を尽くして、自分たちの命と引き換えて野武士から村を守る侍たちの戦いが空しくなる。

誰も彼も悲しい。
そういう世の中が、つらい。
だからそういう世の中にしてはならない。
今は幸せだ。

こんな時代劇が多すぎると、春日氏は分析します。
そういうドラマも良い。
でもそれは人間ドラマにはなるが、エンターテイメントとしてはボヤける。

みんな良い人で悲しい人なら、「七人の侍」のクライマックスの激戦はあそこまで盛り上がらない。
どっちもつらいなら、最後のたたかいに「がんばれ!」「いけ、やれっ!」と声援は送れない。
そして最後の、「勝ったのは百姓だ。わしたちではない」と言ってもあれほどの感慨はない。

近年の時代劇が盛り上がらない理由は、この善悪平等をやりすぎるから。
時代劇で観客が主人公に最後に喝采を送るためには作る側が「『こいつが悪』だ!って、腹くくって圧倒的な悪を作ることが必要」と春日氏は言います。
ううむ、それはそうですね。

確かに、この果てに「悪にも愛する人がいた。悪を倒した者に、恨みを持った者はどうしたらいいのか?」
…なんてテーマで話を作ったから、「暗闇仕留人」は答えのない迷路のような強烈な印象を残したんでしょうね。
「新・仕置人」にも仕置人を恨む子供の話がありましたが、主人公のあり方をひっくり返されるような話になった。
あれほど卑怯で、執拗に襲って来た柳生烈堂が大五郎を抱き締めて「我が孫よ」と言うから、強烈なラストになったんでしょう。

山形勲や小沢栄太郎は、観客の憎悪を一身に集めるような「巨悪」「社会悪」を演じたら右に出るものがいなかった。
成田三樹夫、岸田森は冷酷で頭が切れる悪の芝居が一級品だった。
狂気の殿なら、菅貫太郎。
ずるい商人なら、浜田寅彦。

こいつがやられるのを見なきゃ収まらない!と思わせる。
「見ていてムカムカする、早く殺せ!」と視聴者から意見が殺到して、うれしいと言った佐藤慶さんや成田三樹夫さん。
物語に爽快感を与えるには、見ている人からの憎悪を浴びるような俳優さんの熱演が必要!
次の火野正平さんとともに、次の強烈な悪役さんが必要です。


高齢化社会 まんが日本昔ばなし「うばすて山」

「うばすて山」。
高齢化社会と言われる現在に見ると、子供の頃とは違う感情がわきあがる。
自分も年齢を重ねていくと、ほんとにジンと来るものがある。

60歳になった親を、山に捨てなくてはならない村があった。
そむけば、殿様からきつい罰を受ける。
この村にある、母親と息子2人で暮らしている家も、ついに母親が60歳になった。
うばすて山に母親を連れて行かなければならない。

毎日、毎日、息子は1日延ばしにしてきた。
だが母親は、明日行くと言う。
このまま延ばしていても、しかたがない。
その夜、最後の食事を2人でとった。

息子の頭に母親を背負って山を登る途中、息子に母親と過ごした小さい頃の思い出が蘇ってくる。
母親に甘える自分。
いたずら盛りには、怒られたこともある。
息子の目に、涙がにじむ。

すると母親を背負った背中から、パキパキという音がする。
息子が見ると、母親が枝を追っている。
帰りは、暗くなるだろう。

山から戻る息子が迷わないよう、枝を折っていたのだった。
ついにその場所に着いた。
母親はむしろを敷いて、その上に座った。

早く帰れと言われ、息子は山を降りる。
しかしたまらなくなった息子は、母親の元へ戻る。
母親はむしろの上で手を合わせていた。

そのまま、死ぬのを待つつもりだったのだ。
だが息子は母親を背負って山を駆け下りる。
とがめられても良い。

息子は家に戻り、床に穴を掘って母親を匿う。
辛抱してくれと言う息子に、母親は微笑んだ。
翌日から息子は、何食わぬ顔で畑仕事をした。

それからしばらくして、この村に大変なことが起きた。
隣の大きな領主が、ここの殿様に無理難題を吹っかけてきた。
灰で縄を結んでみろ。
それができなければ、この国を攻める。

困った殿は、村にもこの難題を高札にして知らせた。
息子は困った顔をして、床下の母親に戦が始まるかもしれないと言った。
すると母親は、塩水に濡らした縄を焼いてみろと言う。
果たして、縄は灰になったがそのままの形で残った。

それを殿に持っていった息子は、たいそう誉められ、褒美を得た。
床下の母親に、息子はそれを見せた。
しかし隣国の殿は、さらなる難題を吹っかけてきた。

曲がりくねった節のある竹に、糸を通してみろ。
今度も息子は母親に相談した。
すると母親は、竹の片方の口に砂糖を置けと言う。
そして糸を結んだアリを竹に向かって放す。

アリは砂糖がほしくて、竹の中を抜ける。
同時に、糸は曲がりくねった竹の中に通るだろう。
その通りに竹に糸を通したものを、息子は殿に献上する。
息子はまたまた、褒美をもらった。

だが隣国の殿はまた、難題を吹っかけてきた。
手を触れず、鳴る太鼓を作ってみろ。
今度も母親は蜂を入れて、太鼓の皮を張れと教える。
蜂は暴れて、手も触れないのに太鼓が鳴った。

またしても息子は、殿にその太鼓を献上する。
殿は感心するが、ふと、これは息子1人で考えたことかと聞く。
息子はお咎めを承知で、殿に本当のことを話す。

年寄りの知恵はたいしたものだ。
それがなければ、この国は戦となって、滅ぼされてしまったであろう。
反省した殿は、うばすての習慣をやめさせた。
孝行息子と母親は、村で幸せに暮らした。


母親を捨てに行くところは、かなり悲しい。
山の奥、母親が置いて行かれた場所には、他に古いむしろがある。
木にかかったむしろもある。

古い着物もある。
履物も。
ここに人がいた形跡がある。

そして、その人たちがどうなったかも…。
上空にはカラス。
ここで起きたことが、見ているこちらに伝わってくる。

でも「うばすて山」は最後は、めでたしで終わるから良いです。
こんなことは、あってはならない。
悲しいことが起きないよう、幸せに暮らせるよう。
国はそのために、豊かさを目指した。

技術も、医療もそのために、人が幸せになるために。
社会的に弱い立場になった人でも、ちゃんと暮らせるように。
そのために、発達発展してきたのだろうと思ったりする。

達成できているか、そのためのやり方が正しいか。
それは、わからないけど。
こういうことが起きないように。
人間らしく生きていけるように。

当時、これを見た時よりも、高齢化社会は深刻になっている。
だからか、今見ると胸に迫ってくる。
考えさせられる。

「昔ばなし」って、すごい教えや道徳が入っているんですねえ。
人の感情に、訴えて来る。
思いやり、優しさの大切さを知る。

これに泣けるのは、年のせいなのか。
日本人のDNAなのか。
このアニメが、情操教育にものすごく良いって言われる意味が、本当に良くわかる。

そして改めて見ると、2人の俳優さんの声の出演がすばらしい!
さらに話ごとに変わる画が、すばらしい!
話に合わせている、これはもう、芸術。

楽しい話、悲しい話、笑える話、泣ける話。
怖ろしい話、不思議な話。
バラエティに飛んだ話の数々。

日本の歴史、生活、人々の息遣いを感じさせる。
まさに日本の文化だと思いました。
今もテレビ東京でやっていますが、「まんが日本昔ばなし」は、やっぱりすごい。
好きだなあ。


良いお仕事 「暴れん坊将軍」

「暴れん坊将軍II」の第95話「母も切ない鬼は外!」を見ていました。
秩父から江戸に、母親を探しに来た幼い姉と弟。
辻売りをしながらの旅で、途中、お金を稼ぐためにあるお屋敷の若様の節分の鬼役をやった。
同じ年頃の片方は若様。

大切にされている笑っちゃう若様に、鬼は外と容赦なく豆をぶつけられる。
それだけじゃなくて、ほうきで叩かれる。
いや何も、そこまでしなくても。
大人も止めなさいよ、ろくな若様にならないぞ。

弟はついに泣き出し、姉が代わってほうきで打たれる。
その代償に得たお金も、後にかっぱらいに奪われる。
何でこんな子のお金なんか盗るんだ。
正当な?盗人なら、怒るぞ。

さて、子供たちの母親は死んだご亭主の借金のため、江戸に来た。
今は料亭の女将をしている。
しかしまだ、雇われ女将。

3年経ったら、店は自分のものになる。
だが今はまだ、2年半。
未亡人の触れ込みのため、め組の好意で会いに来られた子供たちを知らないと拒絶するしかない。

この料亭を仕切っている殿が、菅貫太郎さん。
砂金の隠し場所を記した書付が、熊の置物に入っている。
その熊の置物、この姉弟の手に渡ってしまった。

置物を取り上げるため、姉弟ごと誘拐。
さすがの母親も、助けに駆けつける。
こんな怖ろしい人の世話になっていたなんて…、許しておくれと泣く母親。

も~、3人揃って斬っちゃう勢いの菅さん。
しかし熊の置物を取り上げるため、子供をなだめる姿がかなりおかしかった。
この人の喜劇は、さぞ、おかしいことでしょう。

だけどそこは菅さん。
かわいがっている置物を、子供の目の前で真っ二つに割っちゃう。
ぱかっ。

きゃー、子供にひどい心の傷を!
大人に不信感、憎しみを植えつける。
悪だわ!

子供の前で母親をびしばし、折檻しちゃうし。
だから怒りの将軍様に、将軍様とも知らないで成敗されちゃう。
砂金を握り締めて息絶える菅さん、良い仕事してます。

だけどこの姉弟、本当にかわいそうになる。
特に姉の表情が秀逸。
しかも美少女。
どこかで見たような…。

そう思ってラストのクレジットを見て納得。
高橋かおりさんじゃありませんか。
そうか、30年も前の作品なんだ。
高橋さん、良い仕事してます。

プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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