今年もありがとうございました

来年1月2日にBSジャパンで23時から放送する「猫とコワモテ」。
田中要次さんが、ひたすら猫を愛でる番組だそうです。
猫好きの田中さん、コワモテと言われていますが、優しそうですよね?
これ、すごく楽しみ。

でも、年が明けると、すぐお休みは終わっちゃう。
私は4日から仕事。
年末はもう、クリスマスが終わってからずっと、徹底した部屋整理していたから全然休んだ気がしない。
今日はもう、マッサージもやってないし。

でも部屋、すっきりしました。
良かった。
今年最後の思い出になった。
パソコンも買い換えたほうが良いな。

今年最後の思い出といえば、今週の月曜日にオーダーメイド枕作りました。
一度作って、すごく良かったから。
そうしたら、オーダーメイドマットレスも気になってしまった。
すごく、体が楽なんです。

うーん、パソコンが先だな。
あ、メガネもそろそろ買い替えたい。
来年はこの辺りが、目標だな。

夏ぐらいから仕事の内容が変わって、何だかバタバタしていたため、コメントを下さった方への返事も遅れました。
すみません。
そして読んでくださった方、ありがとうございました。
来年はもうちょっと、がんばります。

みなさまにとって来年が良い年になりますように。
今年1年、ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。


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しました

断捨離しました。
というか、今まで手をつけなかった場所を整理したんです。
今まで、もう何年も手をつけなかったということは、それは使わないってことです。

だから「これ要るかな?」じゃないんです。
要らないという前提で整理です。
いやいや、もう、「引っ越しするんですか?」ってくらい、不用品が出ました。

自分が今、買うもの。
持っているものが、不用品になる。
良く言われてることですが、ものを買うということから自分に必要なもの、ものを選び、持つことについて考えます。

断捨離は心の整理と言われますが、そうなりますね。
しかし、この不用品。
これはすぐには処分できません。
年越し案件です。



思い出さない忘れもしない 「木枯し紋次郎」

木枯し紋次郎、第12話「木枯しの音に消えた」

紋次郎は上州に行く途中の茶店で、原田源左衛門という武士のことを聞いた。
現左衛門には6つになる、しのという娘がいた。
すると茶店のオヤジは、その人は流行り病で半年も寝込んだ末、亡くなったと教えてくれた。
「そうですかい…」。

そこに2人の渡世人が通りかかった。
2人は兄弟で、弟の半次が紋次郎の長楊枝に目を留めた。
もう1人は兄の仙太。
半次は、紋次郎の長楊枝が気に食わないと絡んだ。

稲荷山の兄弟と言えば、少しは通った名だ。
挨拶をしていけと、半次は言う。
だが紋次郎は何も言わない。

風が吹く。
ひゅうひゅうと、音が鳴る。
「何だってそんな、なげえ楊枝をくわえてやがるんだよ!」
半次の苛立った声に対して紋次郎は静かに「これはただの癖ってもんで」とだけ答えて去った。

まるで、かつての思い出の残り香を探すように、紋次郎は道を進んでいく。
それは紋次郎がまだ、今のように木枯し紋次郎と名が通る渡世人になる前だった。
追っ手に追われた紋次郎は、長ドスを手に逃げていた。

左頬を斬られた。
枯葉の積もった山道を這いつくばり、荒い息を吐きながら紋次郎は一軒の家にたどりついた。
気を失った。

今、紋次郎はその家の前に立つ。
家は廃墟だった。
思い出の中、紋次郎は布団の上で目が覚めた。

ドスを手に起き上がる。
幼いしのが怯える。
源左衛門は寝込んでいた紋次郎のことを傷から来る熱だと言って、刀を収めて横になれと言った。

紋次郎はそこで傷を治し、やすらかなひとときを送った。
寝転がる紋次郎。
隣には源左衛門がいる。
その前で、しのが遊んでいる。

「また、楊枝がほしいのか、しの」と現左衛門が言う。
しのがうなづく。
楊枝をくわえたしのが、それを吹く。
まるで鈴の音のような音が響いた。

紋次郎は土地の者に、しのが玉村宿の「た」の字のつく旅籠に売られたと聞いた。
父親を亡くした7歳の子供では、他に生きていく術がなかった。
しのは19になっているはずだが、いまだに旅籠からは離れられないだろう。

紋次郎はしのを訪ねるため、玉村宿へ歩く。
すると、道の先には先ほどの稲荷山の兄弟がいる。
絡む半次に、紋次郎は楊枝を飛ばす。
楊枝は半次の笠を結んだヒモを切り、笠が飛んだ。

カッとなった半次は斬りかかろうとするが、兄の仙太が止める。
自分たちが逃げたと思われたらますますなめられると言う半次に、仙太は自分たちの技を見せておけと言う。
仙太が投げた2つのさいころは、兄弟によって空中で見事に真っ二つにされた。

稲荷山の兄弟2人を相手にすれば命はないと、半次は笑った。
この次会った時は、命のやり取りだ。
半次はけたたましく笑いながら、去っていく。

玉村宿にやってきた紋次郎は、田丸屋を訪ねた。
しのはここを縄張りに持つ親分の巳之吉に身請けされ、今夜は祝言ということだった。
「おでましになりましたよ、おしのさんです」。
店の者に言われ、紋次郎はしのを見る。

『おじちゃん。さよなら』。
去っていく紋次郎に、手をふっていたしの。
その面影を探すように、紋次郎はしのを見る。
しのは紋次郎をちらりと見たが、表情は変わらなかった。

宿場女郎には、遠い夢のような身請け話。
それが決まり、今はしのは巳之吉親分のことしか考えていないと店の者は言った。
だから紋次郎にも気づかないのだろう。

そう言われ、紋次郎は去ろうとした。
すると店の者が飛び込んでくる。
箱田の六兵衛という親分が、稲荷山の兄弟を使って巳之吉に喧嘩状を突きつけてきたのだ。
稲荷山の兄弟の喧嘩の理由は、妹の意趣返しということだった。

稲荷山の兄弟の妹は、村田屋の女郎になっていた。
巳之吉に稼ぎが少ないと病の体で店に出され、兄弟が見つける前に折檻されて死んだ。
稲荷山の兄弟は、それを恨んでいるのだった。
つねと書かれた妹の位牌に酒をかけ、兄弟は泣いた。

巳之吉へ喧嘩状を突きつける、正当な理由ができた六兵衛は、稲荷山の兄弟の復讐に乗じて縄張りを奪うつもりなのだ。
巳之吉が斬られれば、この宿場は六兵衛のものになってしまう。
誰か、巳之吉に力を貸してはくれまいか。
まるで紋次郎にすがるような田丸屋の人の視線を流し、紋次郎は行く。

「ちょいと、ちょいと旅人さん。お前さんだよ」。
道を行く紋次郎に、おとよという女郎が声をかけてきた。
腕組みをしたその宿場女郎は、おとよと言った。

「もしや、おしのって飯盛り女の話を聞きに来たんじゃないのかい」。
「おしのさんのことなら、もう済みやしたんで」と紋次郎は答えた。
「お前さん、何だって、田丸屋へ行ったんだい」。

「『た』のつく旅籠だと聞いておりやしたんで」。
「田丸屋のおしのさんだと、おしの違いなんだよ。お前さんが探しているのは、村田屋のおしのなんだよ」。
ポン、と村田屋の看板を叩いて、おとよはニヤリと笑う。

おとよは、おしのは原田源左衛門という浪人の娘だと言った。
歳も田丸屋のしのと同じ19。
おとよが言うことは、紋次郎が訪ねているしのと一致している。

だが紋次郎は、しのが達者ならそれで良いと言った。
「おしのは達者なもんか」。
おとよは、吐き捨てるように言った。

「おしのは、この世にはいないんだよ。去年の秋に死んだのさ。首、くくってね」
紋次郎が止まる。
「そうだったんですかい…」。

「どうしてあっしが、おしのさんと関わりがあるって見抜けたんですかい」。
「その楊枝よ」。
「お前さんがくわえてる楊枝見て、そうとわかったんだよ。おしのさんがそれと同じような楊枝持ってたんでね」。

おとよは紋次郎に、村田屋では2年のうちに3人の女郎が病死し、2人が首をくくったと言った。
そのために、お上からお咎めがあった。
だから巳之吉は、村田屋を人に譲った。

おしのが首をくくったのも、巳之吉の折檻に耐えられなかったからだろうとおとよは言う。
「そうそう、見せたいものがあるんだよ。おしのさんの形見だよ」。
おとよが出したのは、紋次郎と同じ長楊枝だった。

『おじちゃんも、やってみない』。
しのは、そう言った。
楊枝はしのが吹くと、まるで鈴の音のように鳴った。

「吹いとくれよ」。
「お願いだよ、吹いておくれよぉ」。
おとよがせがむので、紋次郎は長楊枝を鳴らした。
木枯しが泣くような音がした。

「この世にもう1人、楊枝が鳴らせる人がいる」。
生前、しのはそう言っていた。
しのが楊枝を吹くと、鈴の音のように鳴った。
その人が吹くと、楊枝はまるで木枯しのような悲しい音になった。

「その人は左の頬に傷をかばって吹いたから、そんな音になったんだって…」と、おとよは言う。
「どうしてこれを、そんなに大事にしてたんですかね」。
「この楊枝にしか、思い出がないんだって」。

浪人の父親と、しのは見知らぬ土地に流れてきた。
「寂しい暮らしだったんだろうね」。
おとよは膝を抱える。
しのは7つでここに売られ、下働きでこき使われ、14で客をとらせられた。

幼なじみもいない。
「娘時代の色恋沙汰もありゃしないや!」
おとよは、そう、吐き捨てた。

「楊枝の吹きっこして遊んでくれた、その人のこと思い出す時だけ、楽しそうに笑ってたっけ」。
ふっと、おとよは笑った。
「それでどうしても、お前さんと話がしてみたくなったのさ」。

おとよは「あたしはこれがないと夜も日も空けないのさ」と言って酒を飲み、歌を歌った。
「どうだい、飲む気になったかい」。
紋次郎は、じっと見ていた。
そこにけたたましい笑い声を上げながら、半次が馬で田丸屋の店の者を引きずってきた。

半次は男を縛り、自分が乗っている馬で引きずり回した。
見ていたおとよは紋次郎に、巳之吉を助けてくれと言った。
確かに巳之吉は、鬼のような男だ。
しのは巳之吉に折檻されて、死んだのだ。

だが今の巳之吉は、田丸屋のしのがこの地獄から抜け出せる唯一の希望だ。
巳之吉が殺されたら、しのは再び地獄に突き落とされる。
宿場女郎が身請けされ、誰かのおかみさんになる。

それは、夢のような話だ。
宿場女郎には、かなわないはずの夢だった。
それをダメにさせたくない。
だが紋次郎は断った。

「人は人、あっしはあっしと思って生きておりやすんで」。
それを聞いたおとよは、目に涙を浮かべ「お前さんって人は」と絶句した。
紋次郎は、すっくと立ち上がった。
「待っとくれよ」。

村田屋と田丸屋のしのは、しのという名前が同じなのも何かの縁だ。
田丸屋のしのを助ければ、村田屋のおしのの供養にもなるじゃないか。
悲壮なおとよの声が響く。
だが紋次郎は、3百文を置いて立ち去った。

「酒代なんかいらないよ!商売しようと思ってお前さん引っ張り込んだんじゃないんだよ!」
おとよは叫び、銭を紋次郎に向かって投げつけた。
そして哀しそうに言った。
「お願いだよ、紋次郎さん…」。

街道を行く紋次郎。
風が吹く。
うなりをあげる。

突如、紋次郎は道を外れた。
走る。
川原では、稲荷山の兄弟が巳之吉をなぶり殺しにしていた。

紋次郎は走る。
「何でえ、てめえは」。
「巳之吉の助っ人か」。
六兵衛の配下が、すごむ。

「こぉの野郎、巳之吉、思い知ったか!」
巳之吉は稲荷山の兄弟に刺され、絶命した。
半次が紋次郎に気づいて、近づいてくる。
今度会った時は、命のやり取りだと半次は言った。

紋次郎は言う。
「おめえさんたちを、あの世に送らなきゃいけねえ」。
「何だってえ?」
半次が目をむいた。

仙太が聞く。
「巳之吉に義理でもあるのかい」。
「何もありゃしねえ」。
「するってえと、宿場の奴らに金もらって頼まれたってやつか」。

「巳之吉に死なれたばっかりに、生涯に一度、あるかねえかの幸せをフイにして、地獄に逆戻りしなきゃならねえ飯盛りがいる」。
「おしのって女か。おしのって、おめえの何だ」。
仙太の声には、笑いが含まれていた。

紋次郎は2人と向かい合う。
「だがな紋次郎。俺たち兄弟の息が合った時にゃあ、おめえの腕も思うようには通用しねえぜ」。
稲荷山の兄弟はすれ違い、位置を入れ替える。

『兄弟は同時に行動する。
1人で2人に対して同時に攻撃をしかけるのは、無理だ。
攻撃の方法があるとしたら、同時に攻撃をしたと2人に思わせることだったが、成功率はきわめて低い』。

仙太と半次が、長ドスを抜く。
紋次郎もまた、長ドスを抜いた。
そして突如、半次に向かって、ドスの紅い鞘を投げた。
鞘は半次にぶつかった。

半次は長ドスの鞘に向かって、ドスを振った。
紋次郎は、走る。
斬りかかってきた仙太を刺し、半次もまた刺す。
2人の兄弟は、紋次郎の腕の両側で崩れ落ちるように倒れた。

静けさが戻る。
紋次郎が川の水で、ドスを洗う。
鞘に収める。

ふらふらと、田丸屋のしのがやってくる。
おとよも来ていた。
川原で、黙って座り込んでいた。

田丸屋の「しの」の髪は乱れ、着物の肩もすそも乱れていた。
巳之吉の遺体の前で呆然と立つ。
目は虚ろで、焦点が合わない。

紋次郎が、長楊枝を鳴らす。
木枯しのような音が響く。
おとよが、楊枝をくわえる。

ピー。
おとよの楊枝が鳴った。
その音はまるで、鈴の音のようだった。

去っていこうとする紋次郎の背中で、おとよが涙ぐんでいる。
「おしのさん」。
紋次郎は振り返らずに、声をかけた。
「おしのは死んだよ」。

おとよ、いや、「しの」が言った。
「紋次郎さん、あんたの知ってるおしのの、綺麗な思い出だけを持ってとくれよ」。
紋次郎は振り返らない。
「おめえさんのことは思い出しもしねえが、忘れもしやせん」。

おとよが涙を目にためて、紋次郎を見送る。
枯れた野を、1人、紋次郎が行く。
夕暮れが迫っていた。

『木枯し紋次郎』
『上州新田郡三日月村の貧しい農家に生まれたという』
『10歳の時に故郷を捨て、その後一家は離散したと伝えられる』
『天涯孤独の紋次郎が、なぜ、無宿渡世の世界に入ったかは、定かでない』



いやいや、切ないです。
おとよ、「しの」は、十朱幸代さん。
腕組みして、すっかり人生投げちゃった態度と口調。

時折そこに哀しみが混じる。
7つで売られ、散々こき使われて14歳で店に出されて。
父親と知らない土地で、幼なじみもいない。
娘時代に、恋もできなかった。

そしていつ、ここを抜け出せるかわからない。
おそらく一生、抜け出せないだろう。
そりゃ人生投げますよね…。

でも紋次郎には声をかけずにはいられなかった。
楽しかった、唯一の思い出。
唯一の友達。
いや、紋次郎が初恋だったのかもしれない。

会いたい。
しかし、自分の今を見せたくない。
だから「しの」は死んだと言った。

見ているこちらには、おとよが「しの」を語るうち、「この人が紋次郎の捜す、『しの』じゃないの?」ってわかって来る。
私たちがわかるんだから、紋次郎にわからないはずがない。
結局、紋次郎は義理も恩もない巳之吉を助けようとして走る。

それは稲荷山の兄弟に語った、「しの」の幸せを壊したのが理由だった。
でも正確には、村田屋のおとよ、つまり、「しの」の願いだったからだ。
本当は、「しの」に幸せになってほしかった。

だがそれは無理だ。
だから、「しの」が同じ名前の女郎に幸せになってほしいなら、その願いをかなえてやりたい。
時すでに遅く、巳之吉は殺されてしまった。

だから稲荷山の兄弟を斬る。
「しの」のために戦う。
それが、田丸屋の「しの」のためでも。

巳之吉は、ほんとは自業自得なんでしょうね。
稲荷山の兄弟が泣いているのは、結構かわいそう。
しかし、やっぱり斬った方がいいんじゃないか。
こやつらは、人を不幸にするだろう。

そう思わせるのは、半次のけたたましい笑い。
紋次郎に絡む執拗さ。
ボサボサの髪にバンダナ、目がチカチカするような着物という危なさ。
荒木一郎さんがうまいです。

さらに、自分たちを高く売りつけたいと言う仙太の計算高さ。
冷徹さ。
こちらは戸浦六宏さん。

結局、「人は人」と言っていた紋次郎は、やり合う理由がない稲荷山の兄弟と斬り合う。
これが渡世ってもんでしょうか。
だから紋次郎は、あんまり人と関わらないようにしてるんだろうな。
やっぱり、人のために戦っちゃうんだけど。

やってきたおとよが思わず、楊枝を鳴らす。
どうしても、どうしても会いたかったんだろう。
でももう、紋次郎と遊んだあの頃には戻れない。

「おしのは死んだよ」と言う。
死んだも同然だ。
「綺麗な思い出のおしのだけを、持っていってくれ」。

それに対して紋次郎。
「思い出さない」。
「でも忘れない」。

最後に会った、宿場女郎になっていたしののことを考えたりしない。
でも、思い出の中の「しの」を忘れたりしない。
今の、「しの」を汚れてしまったなどと思わない…。

だけどそんなこと、「しの」に言ったって救えない。
見られたくなかった、でも会いたかった。
そんな、「しの」にはこれは最高の答えだったんじゃないでしょうか。
いや、これしか、なかった…。

最後、田丸屋の「しの」は、気が狂っているようだった。
それはもう、夢を見ただけに耐えられない。
村田屋の「しの」は、紋次郎との思い出だけを抱えて何とか生きていくだろうか。
いけるのだろうか。



思い切って

断捨離中。
思い切って断捨離中。
しかしなぜか、あんまりスッキリしてない。

本棚がいけないんだな。
しかし本とかCD、DVDはなかなかかさばる。
こうやって断捨離すると、物と自分について考えますね。

物への執着。
思い出。
自分の性格。

今、自分が使っているもの、執着しているもの。
他人様からすれば、ゴミになるんだなあ。
ポイポイ捨てるものになるんだ。

持ってるものは使おう。
シンプルに暮らそう。
やっぱりそんなことを考える。
そしてまた、「限定品」に惑わされる。



最後の希望か 「GODZILLA」

2014年日本公開のゴジラには、以前見たハリウッドの「ゴジラ」にはなかったシーンがありました。
ゴジラが熱線を吐くシーンです。
アメリカ人として、生き物が熱線を吐くという行為は、どうしても認められないのかなと思っていました。

だからこれは、うれしかった。
やっぱり、ゴジラは熱線吐いてくれなくちゃ!
今度のゴジラはちゃんと、やってくれた。
それも絶妙のタイミングで。

ゴジラの尾の先から背びれが青く光っていって、頭まで達すると…。
力強く熱線が吐かれる。
この描写が何か、ハリウッドだなあと思いました。

この「GODZILLA」の中で特殊部隊をはじめとする人間は、徹底的に無力。
アメリカの映画の軍隊の描写では、珍しい。
この前のハリウッドゴジラは、ミサイルで倒されましたからね。
いつも人間の知恵と力が、巨大生物に勝つのがハリウッド映画だったから。

人間が無力の中、ゴジラが現れる。
でもそのゴジラは調和を取るために現れて、戦っている。
だからこの戦いで人間の培った建物の何が壊れようが、どれだけ人間が巻き添えになろうが関係ない。
すべてを巻き込んで行われる、まるで神と悪魔の戦い。

しかし最後にゴジラに助けられた形になった人類は、「救世主か?」となってしまう。
ゴジラが最後、海に帰って行くシーンや、ゴジラは自然の調和を取るために現れる説を聞いていると、「ガメラ」を思い出しました。
ギャオスという自然を乱す存在に対して現れる「最後の希望、ガメラ」。

しかしガメラは、人類を助けるための存在ではない。
地球を助ける、自然の調和のために現れる。
人類が地球を滅ぼしかねなければ、ガメラは人類の敵となる。
「ガメラの敵にはなりたくないよね!」

しかしこのガメラが、関係ない人間に対して情を示し始めるのも平成ガメラのおもしろいところだった。
このゴジラに続編があるとしたら、その辺りはどうなるのかな?
「最後の希望 ゴジラ」になるんでしょうか。
あと、最後のゴジラの戦闘は、さすがハリウッドでした。


玉之丞、江戸へ行く?!

もうすぐ、年末年始休み。
ほんとに余裕なくて、やっぱり余裕がある時に見たいと思った「猫侍」。
年末年始に見たいと思います。
そう思ってたら、猫侍の猫、玉之丞のドラマが作られたとか!

主役はもちろん、玉之丞。
玉之丞役のあなごちゃん、すごい。
主演女優だ。

ドラマは玉之丞が、斑目久太郎と出会う前の話とか。
化け猫と聞いて、斬りに来た久太郎を一瞬で魅了した玉之丞の瞳と「にゃー」の声。
その原点を描くらしい。

しかし、撮影が猫のペースって大変そう。
だけど、それだから猫がイキイキしてるんでしょうね。
楽しみ。
玉之丞、江戸へ行く!

松重さん主演

松重豊さんが、テレビ東京の水曜ミステリーで主演!
うれしい。
松重さんがテレビ東京と相性いいのも、うれしい。

この方、コワモテ役が多かったけど、コミカルな役が似合う。
「孤独のグルメ」は意外な松重さんが見られたけど、またこちらの予想しない松重さんが見たい。
期待してます!


自分傷つけて生きてくのはやめた 「熱帯夜」

80年代に放送された、松田優作氏と桃井かおりさん主演のドラマ「熱帯夜」。
日本版ボニーとクライド。
ファッショナブル銀行強盗と名づけられたカップルの、逃避行。

松田優作氏の立って見ているだけで、威圧感で引いてしまうような存在感。
桃井かおりさんの、ふわふわとした存在感。
2人の演技と個性が炸裂。

松田優作氏は、おしゃれで、凶暴。
桃井かおりさんは、おしゃれで、捨て鉢。
松田優作氏と桃井かおりさんでなければ、この味は出せない。
それぐらい、はまっている。

しかしこの2人の俳優の本当のすごさは、むしろ静かな場面で発揮されるんです。
同行するカメラマンがこの2人に気を使い、部屋を出て行こうとする。
すると、俺たちはそんな、汚い仲じゃないと英次は言う。

魂で惹かれあい、結びついている共犯者、戦友なのだと言わんばかりに。
少し、戸惑いを感じさせる英次の口調。
チラリと、英次の純情が伺えるシーン。

山道を行く時、尋問してきた警官を英次は撃った。
急いで車を発進した後、車にいた妹が怒った様子で言う。
「人なるべく、傷つけない方が良いよ」。

すると英次は言う。
「人、傷つけずにお前。生きていけんのか」。
妹は怒った。
「あたし、人傷つけたくないもん!」

あの警官にだって、大切な人がいるのだろう。
たぶん、妹はそう言いたい。
頭軽そうに見えるが、優しい娘だ。

だが英次は怒鳴る。
「お前は大勢の前で裸になって、自分傷つけてんだろ!」
泣きそうな顔になる妹。
彼女は、覗き部屋で脱いでいたのだった。

「俺はもう、自分傷つけて生きていくのはやめた」。
「自分傷つけるなら、相手を倒す。遠慮なしに倒す」。
そう言いながら銃を構えるが、英次も内心は動揺している。

すると、幸子が言う。
「そう、この人、素敵よ」。
幸子は英次のすべてを肯定する。
「みんなして、人バカにして」とつぶやいていた、田舎出身の冴えない幸子を認めてくれたのは、英次だけだったから。

だが徐々に包囲され、幸子と英次は日本を脱出することを考える。
船で日本を出る前日、夜の海を前に、2人が話す。
ウミネコの声が響く。

「俺たち、…これでほんとに良かったかな」。
英次が聞く。
「良かったんじゃない」。
幸子が答える。

波の音。
「いよいよ今日ね」。
幸子の声に、うつむく英次。

「何か…」。
「…」。
「何か寂しい」。
「…」。

「たまんなく寂しいよ」。
英次がこんなことを言えるのは、幸子だけだ。
だが英次の様子は幸子と出会った時からは、想像もつかない。
すべてを包み込む幸子だから、英次は素になれた。

「あたしがいるじゃない」。
幸子は前を見ている
「そんなことじゃなくて」。

英次が煙草を吸う。
「あたしも」。
幸子の視線が落ちる。
泣き声が混ざる。

幸子が顔を伏せる。
「…抱いて」。
英次は無言だった。
聞こえてなかったのかもしれない。

「抱いて」。
今度はもっとはっきり、幸子が言う。
「え?」

幸子が抱きつく。
英次はすでに逃亡中、腕を怪我して自由にならなかった。
「抱いて」。

幸子が英次に抱きつく。
「日本を離れるんだから、抱いて。ね?」
おどおどと、2人の唇が重なる。

「爆発、か」。
今度はいつもの英次の声だった。
もう一度、しっかりと2人の唇が重なる。


この時はもう、警察が英次の身辺をつかみ始めていた。
英次の元職場の上司が言う。
「須藤(英次)は、あの仕事をしていました」。
指差すほうを見ると、一人の青年が調理場でバケツ一杯になったゴミを運んでいた。

逃亡の途中、寄った英次の家は倒れそうに古く、小さかった。
英次は兄に密かに、強盗で作った金を渡してた。
受け取れないといった風の兄だが、英次は金を渡し、2人は固く抱き合った。

都会に出てきた英次も、妹も、踏みにじられるようにして生きてきたのだろう。
プライドなんて、あっても認めてもらえるような生活じゃなかった。
幸子が曲を投稿したラジオのパーソナリティが、幸子の犯罪を知って「あたしたちなんて何もできないけどさ、あんた、爆発したのね」と言った。

それは少し愉快そうで、共感の気持ちが入っていた。
誰もが、思い通りにならない人生を耐えて生きている。
幸子がそこを外れたからと言って、糾弾する気になれない。
そんな気持ちが感じられた。

夜の海辺での幸子と英次。
英次が「たまらなく寂しい」と言った。
この前に、英次は自分の家族の写真を写真雑誌に投稿したカメラマンに対してキレている。

幸子がふわふわと、しかししっかりと話をそらさなければ殺したのではないか。
少なくとも、半殺しにはしたであろう。
それほど、英次には殺気と威圧感があった。

英次はいつも、幸子と妹以外には手が飛んできそうな男だった。
危険な男。
まさに英次は、そういう男だった。

その英次が、寂しいと言う。
信じられないような心細い声だった。
これが本当の英次なんだ。
英次は本当は、弱音を言いたかったんだ。

でも、誰にも言えなかった。
だから英次は、怖い男になった。
そうして自分を守ったんだ。

どうしたの、英次。
大丈夫よ。
素敵よ。
弱音を吐いて、そうしたら誰かに、こう言ってほしかったんだ。

幸子に「抱いて」と言われて「え?」と言った英次。
英次の聞き返す声は、おどおどしていた。
小さく、頼りなく、自信がなかった。

松田優作氏の容貌からは、考えられないような声だった。
きっとずっと、強盗になる前の英次はそんな声を出していたのに違いない。
こんな声を出す男だったんだろう。

一気に英次が哀れになる。
抱きしめてやりたくなる。
英次がこんな声を出すから、悲しくなる。

松田優作氏といえば、超人的な身体能力を生かした役が似合う俳優。
超人であるのに最後はあっけなく、みっともなく死んでいく。
ファンは、人はこういうところに惹かれたと思う。
彼の最大の、持ち味。

しかしこの会話で、松田優作氏が他の超人と違うのは、こういう声が出せるところなのだと思った。
彼の真髄は実は、こういうところにあるのだと思った。
それほど、英次の「寂しい」と「え?」は効いた。


さて、ラストまで書きます。
翌日、港に来た英次は船を指差し、幸子に「あれだ」と言う。
「すごい」。
幸子が笑う。

「金払ってきたよ」。
英次の声は優しい。
「乗って良い?」
「当たり前だろ」。

船の中。
「気に入ったか」。
「これでやっと、自由になれるよね」。

英次が、幸子に近づく。
ふふっと、幸子が笑う。
初めての、女性としての幸せそうな顔だった。
当たり前のような、普通のカップルがそこにいた。

「後悔しないか」。
「後悔なんて」。
幸子が頭を、英次の腕にもたれかけさせる。
「ずっと後悔してたじゃない」。

2人が見詰め合う。
ぎこちない、それでも幸せそうな2人。
英次は、幸子を愛してしまっていた。
だから、その愛する人を犯罪に巻き込んだことに後悔を覚えていたのだろう。

書類が揃わないと、船を動かせないと言われた英次。
1時間ほどでできると言われ、2人は船を離れる。
再び戻ってきた時、英次が言う。

「あの車、前からあったか?」
幸子が答える。
「あったんじゃない」。

そして最期の時が訪れる。
港は包囲されていた。
同行していたカメラマンが突然、「助けてくれー」と叫び、人質のように警察に走っていく。

それを見た2人は抱き合う。
英次が銃を持つ。
警察が発砲した。
抵抗しよう立ち上がろうともがく英次に、刑事が発砲する。

英次が倒れる。
幸子は見ていた。
呆然と立ち上がった幸子に向かって、銃声が響く。

幸子が倒れる。
シャッター音。
すべてを、カメラは収めていた。

離れて倒れている2人から、カメラが遠ざかっていく。
パトカーのサイレンが聞こえる。
警官隊が近づいてくる。
救急車もやってきた。

犯罪で、結びついた2人。
そこから、ついに抜け出せず破滅した2人。
もっと違う道があったのかもしれないが、すでに遅かった。
この時の「昭和枯れすすき」が流れるのは、当たり前のようにピッタリ。

松田氏と桃井さん、さすがの息ピッタリ。
…なんだけど、自分としてはラストのテーマ曲が流れたほうが良かった気がします。
宇崎竜童さんの絶望感を感じさせるボーカルが響いたほうが、切なかった気がします。

「寝苦しいのよ熱帯夜 誰か、誰か、あたしを眠らせて」幸子が投稿した曲です。
結局、それは英次であり、破滅であったわけですが。
しかし、83年当時は28℃が「熱帯夜」だったんですね。
今は28℃なら、今夜はマシだなって感じですから…。


私は永遠の… 「火の鳥 鳳凰編」

手塚治虫先生のライフワーク、「火の鳥」。
その中に「鳳凰編」がありました。
時は飛鳥・奈良時代。

天才彫刻師の茜丸。
我王は、漁師の村に生まれたが、生まれた日に父親に抱かれて崖から転落。
片手は不自由に、顔は傷のため醜い容貌となった。

その醜さゆえに迫害され、捻じ曲がった我王。
やがては盗賊の頭になる我王が追われて逃げ込んだのは、焚き火をする若き彫刻師の茜丸のもと。
屈託のない好青年の茜丸の表情と、健康な体は我王にはまぶしく妬ましかった。

そこで我王は茜丸の右手を傷つける。
まっすぐな茜丸に、自分の苦痛を味あわせたくて。
嫉妬のあまりの行為だった。

しかし茜丸は立ち上がる。
だが茜丸に難題が突きつけられる。
権力者、橘諸兄が火の鳥を彫れというのだ。

火の鳥など、見たこともない。
茜丸は火の鳥を探して旅に出る。
結局、火の鳥が彫れなかった茜丸は斬首されそうになるが、それを救ったのは遣唐使の吉備真備だった。

吉備真備の蔵で、火の鳥の掛け軸を見た茜丸は夢を見る。
海を渡って唐に向かう茜丸は嵐にあい、海に落ちて死ぬ。
すると、小さな微生物に生まれ変わる。

魚に飲まれる。
その途端、亀の卵から茜丸だった亀が生まれる。
ここはどこですか?
揚子江だよ、と誰かが答える。

私には何か、やることがあったように思えるのですが。
お前はここで死ぬまで暮らすのだよ、とまた、誰かが答える。
亀は長く生き、大きく成長し、捕らえられ、べっ甲製品となる。

その途端、鳥の卵から雛が誕生した。
親鳥は、私たち鳥が崇めている方のところへと、雛を連れて行く。
するとそこには、光り輝く火の鳥がいた。

火の鳥は雛に言う。
お前のことは知っています。
鳥になる前は、揚子江の亀だったのよ。

その前は、小さな微生物でした。
サラにその前は、人間だったのよ。
人間って、あの地上を日本の足で歩く大きな生物?

火の鳥は言う。
さあ、私の姿を見ておくのよ。
よく見ておきなさい。
火の鳥が翼を広げる。

茜丸は、蔵の中で目が覚めた。
作れる。
火の鳥が作れる。

茜丸は見事な鳳凰を作り上げた。
吉備真備はそれを帝に献上する。
歯軋りする橘諸兄をよそに、吉備真備は茜丸を連れて出て行く。

そして茜丸は、一流の彫刻師となっていく。
だが吉備真備は、大仏の建立の滞りの責任を取らされて失脚する。
茜丸も殺されると思った。

しかし政敵・橘諸兄さえもが、茜丸の腕を買う。
すると茜丸は徐々に増長し、権力に取り付かれていく。
やがて大仏建立が始まる。

一方、盗賊として暴れまわっていた我王は、1人の女に愛される。
我王は鼻の病にかかり、鼻が醜く大きく膨れ上がる。
女を茜丸の妹で自分に復讐する機会を狙っていたと思い込んだ我王は、自分に毒を盛ったと言って女を殺す。
だがその女は、いつか自分が逃げる途中で助けた虫の化身だった。

人殺しの自分にも、愛を捧げた女がいた。
だが自分は女を信じることができず、殺してしまった。
我王は後悔の念にさいなまれ、捕らえられる。

捕らえられた我王を救ったのは、いつか我王が鼻の病にかかると見抜いた旅の貧しそうな僧侶だった。
この僧侶こそ、吉備真備も頼りにする高僧だった。
我王はこの僧侶と旅をするうち、彫刻の才能を見出される。
旅をする我王は、貧しい村々で彫刻を作り、その彫刻は人々の心を和ませ、支えていく。

都で名声を得る茜丸。
やがて我王を従えていた高僧は我王を置いていき、即身仏になった。
その姿を見た我王は悟る。

死んだ者が仏になるなら、生きとし生けるものすべては仏だ。
尊いものなのだ。
上人様、俺はわかった、わかりました。

その後の我王は、村々を回って人々のために仏像を作り続けた。
2人は大仏に添える彫刻を決める場で、再会する。
その時の2人の立場と、立ち位置は逆転していた。

鬼瓦を作り、投票により優れているとされた者が大仏建立に携わる。
茜丸も必死になって鬼瓦を作る。
我王は、今までの自分の怒りに満ちた人生を振り返る。

その時、光り輝く鳥が現れ、未来の我王を見せる。
未来の我王、それは「火の鳥」の未来編で描かれた博士だった。
世界の終わりを見せられた我王は、なぜ自分にこんな苦しみを与えるのかと鳥に問いかける。
いつ、この苦しみは終わるのかと。

鳥は答える。
永遠にです。
そしてお前は永遠にその苦しみを背負って立つ役割なのです、と。
さあ、その怒り、苦しみを思い切り作品にぶつけるがいい。

我王は問う。
「あんたは、一体なんなんですか…?」
私は、永遠の…。
火の鳥が飛び去る。

決戦の日。
茜丸も見事な作品を作った。
我王の作品が見せられた。

全員が息を呑む。
茜丸のスポンサーの橘諸兄も、うなる。
地獄の目だ。
うめき声が聞こえてきそうだ。

「負けだ…。完全に俺の負けだ」。
茜丸はうなだれる。
だが決選投票は、茜丸の勝ちだった。

ほっとしたのも一息。
インチキだと言う声が上がる。
橘諸兄でさえ、我王の作品を見た瞬間、息を止めたではないかと。

「お待ちください!」
茜丸が声を上げた。
そして、我王を指差した。

この男は、昔、自分の片腕をだめにした男だ。
盗賊だ。
橘諸兄がにやりと笑い、何が望みだと聞く。

昔、自分がされたのと同じことをしてくださいと茜丸が言う。
我王の腕が斬られ、追放される。
しかしその夜、大仏殿から火の手が上がる。
我王の鬼瓦の後ろから、まるで地獄の業火がすべてを焼き尽くすかのようだった。

大仏を守ろうと火の中に飛び込んだ茜丸は、火の鳥を見る。
今こそ、一世一代の火の鳥を彫る。
しかし火の鳥は言う。
茜丸、お前はもう死ぬのです。

死んだら、小さな微生物に生まれ変わります。
なんてことだ、その後、人間に?
その後は揚子江の亀になります。
ではその後、人間に?

いえ、お前はもう、二度と人間に生まれ変わることはないのです。
さあおいで、茜丸。
お前はもう死にました。

絶望した茜丸は叫ぶ。
お前は一体、誰だ。
私は、永遠の…。

我王はたくましく、生きていた。
不自由な両手を補って、手で彫刻を掘る。
我王の周りには動物が溢れ、人々は我王を仙人と崇めた。

我王は考える。
一体、何なのだろう。
都で再会した時、あの茜丸の輝く目までもが、死んでしまっていた。
都では橘諸兄の権力が、帝の引退とともに陰りを見せていた。

茜丸の焼け残った頭蓋骨を持って、ブチという娘が現れた。
火の鳥を探す旅の途中、茜丸についてきたこそ泥の娘だった。
茜丸の素直さに惹かれ、茜丸を探しに都まで来て再会もしたブチ。
その頃、すでに茜丸は変わってしまっていたが。

ブチは我王に、お坊さん偉い人でしょ?と問うた。
供養をしてほしい、茜丸と言う人だ。
頭蓋骨を見た我王は、茜丸か!と答えた。

ブチは言う。
「あたい、お墓のそばに住みたいんです」。
「来るがよい」。
我王はブチを連れて行く。


こもっと、いろんなエピソードがある。
積み重ねがある。
だから、その末に再会した2人の立場も、人生も変わっていることにグッと来る。

2人の運命を見るのは、火の鳥。
永遠の命を持つ火の鳥。
火の鳥の前では、すべてが小さい存在でしかない。
だが小さい存在である生き物は、必死に生きている。

長い物語の末、茜丸の清廉な様子が失われて行く。
盗賊の頭までした我王の憎しみに満ちた目が、穏やかに変わっていく。
政府のため、権力者のため、巨大な仏像を作る茜丸。

一方の我王は、貧しい名もない人のために仏像を作る。
橘諸兄が金を投げ出し、「それでそちの腕を買う」と言う。
茜丸は帰り道、大笑いする。
俺の腕を橘諸兄までが認めざるを得ないのだ、と。

名もない人々のため、小さな仏を作って回る我王。
我王を連れてこようとする役人が、村人に聞くと「我王さまは2日前にこの村を通過されました」と言う。
「生き仏のような方です」。

「あの方の周りには、鳥や獣がいつも群れております」。
以前は、人を傷つけることをためらわなかった我王。
しかし、役人が振り上げた鞭にあたって小鳥が死んだのを見て、怒りに燃えるほどに変わる。

茜丸と我王。
対照的な2人の人生が永遠の命を持つ火の鳥を軸に、交差する。
初めて読んだ子供の頃はわからなかったんですが、非常に優れた物語なんですね。

最後に、茜丸は自分が見た夢の通り、転生することがわかる。
永遠の命を持つ火の鳥は、変わらない。
それに比べて、人間は変わっていく。

世の中も変わっていく。
諸行無常。
見事な構成でした。
学校の先生が真剣に読んでいたわけだ。


ご愁傷様です ドラマ「遺産争続」

木曜夜9時にテレビ朝日で放送されていたドラマ、「遺産争続」。
余貴美子さんがご出演。
もちろん、見てましたよ~。

余さんは伊藤四朗さん演じる父親の3人姉妹の、長女。
旦那さん役が、岸辺一徳さん。
次女が室井滋さん。

室井さんに取り入る会社役員が、渡辺いっけいさん。
もう、この辺りのやりとりがおもしろくないわけがない。
余さんがもう、美しい顔を歪ませたり、鼻をクンクンさせたりの爆笑演技全開。

3姉妹の遺産相続争いといえば、犬神家の一族を思い出します。
これは爆笑版。
婚外で生まれた子供とか、それを凄惨な手段で追い出したりのエピソードはありません。

しかし、血のつながりがあるがゆえに、憎しみ合い、愛情を捨てきれない様子。
遺産で家族が壊れたり、再生したりする。
まだ入ってこない遺産によって、人が振り回され、人生が変わっていく。
その様子は、犬神家と本質は変わらない。

ただ、現代だと遺言があっても、取り分は減るけど、一銭も貰えないなんてことはない。
この損失も、何とかする方法があるはず。
などと、余計なことを考えてしまいますが。

最終回。
欲がなく、家族が再び仲良くなることを望んでいた婿が一番欲が深い。
その理由が、「この時代、最も手に入りにくいのは家族の絆。君が一番、欲張りだ」というもの。
おもしろい。

だが家族は再生する。
家族が仲良くなったのを見て、非常に喜んだ父親。
ちょっと一休みする。

娘たちは結局負債だけが残ったと思い、何の役にも立たなかった古い鍵束を見つけた。
これ、どこの鍵?
家庭用金庫の鍵じゃない。
もっと大きいものの鍵。

お父さん、この鍵どこの鍵?
尋ねたが、父親は目を覚まさない。
そのまま、目を覚まさない。

あるタレントさんが、第一線から退いた時、花が綺麗なことにも、犬や猫がかわいいことにも気がついたと言っていました。
お金は、人を変える。
遺産相続、いや、遺産争続再び?
ご愁傷様です、のナレーションが響く。

またまた波乱の予感をさせて、ドラマは終わる。
なかなか気の利いたラストでした。
でもこれだけの出演者をそろえたんですから、もっとおもしろくできた気がします。
その予感を感じさせた点が、残念でした。


プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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