「生きるも地獄死ぬも地獄」 印玄

「生きるも地獄。死ぬも地獄。どこかで仏に会ったなら、俺は仏を殺すかも知れぬ」。
これは印玄が、第1話で主水に言った言葉。
印玄を殺そうとしていた主水はこの言葉の異様さと、それを口にした印玄の様子に抜きかけた刀を収める。
この印玄こそが仕置屋を救い、市松を変えた。

印玄を演じたのは、新克利さん。
ユーモラスで、何気ない会話もつい笑わせてしまううまさ。
明るさと闇を、印玄そのものという感じで演じています。
この印玄、女好きで笑える坊主かと思ったら、「仕置屋」で非常に大切な人物。


印玄とは、どういう男だったのか。
これが相当に悲惨な生い立ちを持った男だった。
印玄の母は、印玄の父親と5歳の印玄を捨てた。
父親が死んだ後、印玄は1人、母親を探す。

自分を捨てた母親だが、会いたかった。
旅の途中で印玄は、たぶん、死んだ旅の僧侶から衣を得る。
この格好なら、喰いっぱぐれはなかった。
印玄はそう言った。

やっと母親を探し当てた時、印玄は子供から青年になっていた。
14年という月日が経っていた。
母親はある宿場町で、しどけない格好をして三味線を弾いていた。
すっかり大人になった印玄を、母親は妙な目つきで見た。

母親に会えたうれしさで頬を紅潮させている印玄に、母親はあろうことか「女」として接した。
印玄は絶望した。
これが俺の母親か。
畜生にも劣るではないか。

印玄は思わず、母親を払いのけた。
痛い痛いと母親は怒った。
そこに、母親の情夫が入ってきた。
すると印玄の母親は、痛いと言って、男に甘え出した。

印玄が、旅の果てにやっと会いに来た息子の前で母親は情夫といちゃつきだした。
そこにいる息子など、いないも同然だった。
印玄は部屋を飛び出した。

しかし母親の醜い矯声は、印玄の耳に入って来る。
赤い唇から、あられもない声があがる。
もう、耐えられなかった。
印玄は怪力で母親と情夫をつまみ出し、屋根の上から外に放り投げた。

この時、母親の情夫の娘は印玄を恨み、後に印玄の殺しを仕置屋に依頼することになる。
そしてそれがきっかけで印玄の生い立ちが明らかになり、印玄は仕置屋の仲間に絶対的な信頼を置くようになる。
市松の生い立ちも悲惨だが、印玄の生い立ちは壮絶だ。

なぜ、これで、世の中を恨まない。
人を憎まない。
心を閉ざして自分を守って来た市松には、印玄の精神力は脅威に映ったに違いない。

市松は仕置屋の仲間と仕置きを通じて信頼関係を築き、人間性を取り戻して行った。
だが印玄もまた、仕置きを通じて仕置屋の仲間に心を癒されていったのだと思う。
だから印玄は、全 覚との勝負に死を覚悟して向かう主水についていく。
主水が出て来るまで、境内で眠って待っている。


この印玄の過去が明らかになる13話は、三隅研二監督の傑作。
遠藤太津朗さんの、非情な楼主ぶりもハマっている。
印玄の殺しがメインで、主水はそれを助ける展開がまた、物足りないどころかすごく良い。


「生きるも地獄。死ぬも地獄。どこかで仏に会ったなら、俺は仏を殺すかも知れぬ」。
この言葉は、印玄がどれほど、人生に絶望したか。
人間に絶望したかが、良く出ていると思う。

どこもかしこも、地獄がある。
仏は誰も、何も救っていない。
そんな仏に会ったら、俺は殺してやりたい。

印玄を殺しに来た主水が、この言葉と様子で印玄を仲間として認めたのだ。
それほど、この時の印玄には凄みと迫力があった。
印玄の抱えた闇の深さがわかる。


最終回、自分が裏切ることを怖れているのだろうと思った市松に印玄は「おめえはそんな男じゃねえ!」と言う。
「何故だ」と驚く市松に、印玄はちゃんと説明する言葉を持たない。
しかし、はっきり言う。
「とにかく、おめえはそんな奴じゃねえんだ!」

そして印玄は、仲間を救うために死ぬ。
印玄の死は、殺し屋として生きていた市松に「見事だ」と言わせた。
自分を一切守ることなく、仲間を守った印玄の行動は離れかけた仕置屋の絆を結び直す。

主水は自分の社会的な地位を捨てて、市松を逃がす。
捨三は市松を護送中の同心に体当たりするという、この上ない危険を冒した。
印玄が主水と捨三に、そうさせたのだ。
これによって市松の心は再び凍ることなく、完全に溶けた。


「仕置屋稼業」のキャラクター解説で、印玄について見事な解説がされています。
母親を屋根から投げ落として殺すことで、印玄は殺し屋としての道を歩み始めた。
その印玄が女であるおこうを助け、人を落としていた屋根から自分が落ちて死ぬ。
「これ以上、印玄にふさわしい死はあるまい」と。

印玄は「仕置屋を再び結束させ、主水と捨三に保身を考えない勇気を与えた。彼は仏に会えたのだろうか」。
私は印玄は仏に会い、救われたと思っている。
印玄が仏を憎んだ仕置屋だったとしても。


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殺しの数は俺の方が上だぜ 主水対市松

「仕置屋稼業」、第1話で市松は、主水の前に突然、現れた殺し屋。
主水は大吉の殺しの場面にも出くわしていますが、敵意があったわけじゃない。
むしろ、相手は殺されても仕方がない奴だから、見た自分のことは気にしなくて良いと言っています。
これでまた、裏稼業ができると主水の心は躍った。

しかし市松の時は、時系列が違うにせよ、主水は裏の仕事の限界を思い知らされている。
何も変わらない。
自分たちのしたことが、新たな恨みと悲劇を生むだけだったら?
主水の理想とどこかで信じ、実現していたはずの正義は、崩壊していた。

「仕留人」の最後に貢が投げかけた問いに対して、主水は答えを持っていない。
悪党の父親を殺されて、1人、雪の中、巡礼に出た少女に対して、主水はかける言葉を持たない。
裏稼業に戻るのに、そんな気持ちでは戻れない。

梅雨のべとべとした雨の中、りつが離れの普請の代金について主水に文句を言う。
代金を払うため、お金が必要だ。
おこうが訪ねてくる。

頼み人一家が死んだ。
誰も助けてやらなかった。
雨の中、寂しい葬列が行く。

みんな死に絶えてしまった。
こんなことが許されて、良いのか。
それでもまだ、主水は目をつぶると言うのか。

おこうは怒る。
見損なった。
2度と会わないと言い捨て、おこうが去っていく。

まるで自分が殺したような気持ちになる主水。
主水を見つめる目があった。
市松。

夜更け、雨が上がった。
歩いていく主水の先の、溝に誰かがしゃがんでいる。
「おめえを…、探してたんだ」。

主水が声を絞り出す。
その誰かが、立ち上がる。
主水に向かって、振り向く。

市松だった。
主水を見る目には、何の感情もこもっていない。
「死んでもらおうか」。

そう言った市松の口には、わずかに笑みが浮かんでいる。
笑っている。
この青年は、怖ろしい言葉を口にしながらかすかにだが、笑っているのだ。

「俺の仕事を見た者は、生かしとくわけにはいかねんだ」。
脅すわけでもない。
まるで日常会話をしているような口調が、かえって怖ろしかった。

この言葉を言って、今度は市松は、はっきりと笑った。
だが次の瞬間、市松の瞳孔は冷酷に見開いた。
得物に飛び掛る寸前の、猫科の目だった。

主水は、自分へ向けられた市松の殺気を感じた。
「その前に、人、1人殺しちゃくれねえか」。
市松の顔が、おもしろいものを見たという表情になる。
「けつっぺたに十手をはさんだ殺し屋とは、呆れるな」。

「ははは」。
市松は笑った。
「はは…」。
主水も笑った。

「引き受けた」。
そう言った市松の顔から、見る間に笑いが消えていく。
「おめえを冥土に送った後で、な」。

主水を見据えた市松はまた、おもしろそうに笑った。
「またな」。
そう言うと、市松は猫のように姿を消した。

主水は自分の稼業にはこの青年の腕が、絶対に必要だと思った。
この青年を引き入れるために、どれほどの危険を冒すか覚悟しながら。
市松が去った後、主水は持っていた傘で首筋を叩いた。
緊張で首が凝っていた。

次に主水は、捨三を訪ねていく。
捨三と主水の関係は、謎だ。
だが捨三が主水に対して、尋常ではないほどの恩を感じているのがわかる。

主水が訪ねてくるのが、捨三には不思議だった。
どうも元気がない。
調べたいことがあるから、手を貸してくれと主水が言う。

下っ引きなら大勢いる。
何も自分なんか使わなくても…と口にした途端、捨三の顔色が変わる。
声の調子が変わる。

「じゃ、また…」。
捨三の声が低くなる。
「あれ、始めるんですかい…?」

主水は答えない。
瞳に映る紅蓮の炎。
目の前でおみよ、おいと一家が無残にも踏みにじられるのに、怒りを抑えられない。

助けてやれなかった。
自分が、自分も一緒になって殺したんだ。
しかたないことじゃないか。
そんな風に思えるほど、主水はまだ、割り切れない。

「また来るぞ」。
主水が出て行く時、「おーい、捨三!」と叫びながら走ってくる坊主がいた。
坊主は主水を見ると、露骨に不審な顔をした。

嫌なものを見たという表情をしながら、まるで主水の存在を締め出すように坊主は戸を閉めた。
その坊主が、印玄だった。
「あいつか!おめえがまだ、スリをやってた頃、世話になった八丁堀は!」

「十手持ちは嫌いだ。付き合うのはよせ」。
「あの人は別」。
そう言った捨三に、印玄がすごむ。
「何が別だ!役人は役人だ!」

そして、風呂場を見る小窓を開け、「あ、今日は当たりだ」と言う。
先ほどの男とは、別人のような口調だった。
「年の頃なら、17、8」。
印玄は風呂場をのぞいて、うれしそうだった。

捨三の調べで、主水はおみよ一家を崩壊に追い詰めたのが近江屋と確信した。
標的は決まった。
主水は竹林に急ぐ。
背の高い竹が風でしなる。

竹やぶの中の一軒家。
主水は戸を開ける。
誰もいない。

だがそこには机があり、竹を削っていた痕跡が残っている。
主水は削られかけの竹の板を手にし、座布団に手を触れる。
まだ温かい。
いるぞ。

市松は確かに、ここにいる。
どこからか、主水を狙っている。
対決の時が迫っていた。

主水は外に出た。
いない。
あたりを見渡す。
いない。

再び、一軒家に戻ろうとした時だった。
目にも留まらぬ速さで、市松が襲ってきた。
主水は、十手を振りかざした。

だが市松はその手を取り、主水を羽交い絞めにした。
くるりと主水の背後に回る。
首筋には鋭い竹串が、今にも突き刺さらんとして押し付けられていた。

主水の十手を持つ手は、市松に押さえられていた。
十手が叩き落とされる。
主水はため息をついた。

「旦那」。
市松が笑った。
「こっちから、足、運びましたのに」。

ほとんど、市松は楽しそうだった。
「死んでもらう前に聞いておこうか。殺しの相手は、誰ですかい?」
「廻船問屋、近江屋利平だ」。

市松が笑った。
「安心しな。仕事は綺麗に仕上げてやるぜ」。
竹の葉が揺れる。

市松が、竹串を主水の首筋におろそうとした。
その時、主水が言った。
「おめえもそんなに、しに急ぐこたあねえじゃねえか」。
「?」

その言葉で、市松は初めて気が付いた。
自分の腹に、主水が小刀を抜いて押し付けていることを。
市松が竹串を主水に刺した瞬間、その刃は市松に向かって深々と刺さるだろう。

2人の動きは止まっている。
どちらも動かない。
市松は初めて、自分が侮っていたこの冴えない同心が只者ではないことに気づいた。

目が見開かれる。
美しいまつげが、影を落とす。
「どっちに転んでも、あんまり良いクジじじゃねえな」。

市松に向かって、この冴えない同心は言う。
「殺しの数は、俺の方が上だぜ」。
嘘ではないことが、わかった。

市松は殺し屋の父親を持ち、養父によって殺し屋に育てられた青年だ。
生粋の殺し屋だ。
その殺し屋より、殺しの数が上とはどういうことだ?

この同心、誰だ?
何者だ?
一体、何しに来たんだ?

市松は初めて、得体の知れない相手を前にしていると思った。
恐怖した。
なぜ気づかなかったのだろう?

この男が暗殺者としての技量を持っていたなら、姿を見せて襲い掛かるなんてことはしなかったはずだ。
つまり、市松は相手を技量を正確につかみ損ねていたのだ。
そんなことは、初めてだった。

市松は竹串を横にして言った。
「刀、引いてくれや」。
「ダメだ!」

「俺はかかあ始め、人様を信用しねえことにしてるんだ」。
何だと?
市松には、わけがわからなかった。
だが、ここで引かなかったら、確実に自分が殺されることだけはわかった。

市松は殺す側だ。
殺される側に回るなんてこと、ただの一度もなかった。
「わかった」。

「おめえさんの話に乗った」。
「しかし、おめえさんを殺るのを、諦めたわけじゃねえぜ」。
主水は、かすかにうなづいた。

「わかった」。
そう言うと主水は、隙のない動きで身を翻した。
刀を収め、十手を拾う。
市松は竹串をかざしたままだ。

だがそれはもう、主水を殺すと言うよりも、自分の身を守る体勢になっていた。
「竹の湯の釜場で、待っているぜ」。
主水が去っていく。

その後姿を見送りながら、市松は冷や汗をかいているのがわかった。
額の汗を、市松は指でぬぐった。
全身が総毛立つような、市松が初めて味わう怖さだった。

生粋の殺し屋 市松登場

「仕置屋稼業」はいかにも暑そうで寝苦しそうな風が吹き、風鈴が鳴る夜に始まる。
ならず者がやってくる。
縁日の屋台が並ぶ通りを、音を立て、肩を怒らせて歩く。
周りの者が眉をひそめ、ひそひそと陰口を叩く。

そこに美しい優雅な手が、扇子をあおぐのが映る。
扇をあおぐ手から、男の全体の姿が映る。
彫刻のような横顔が見える。
よどんだ空気を吹き飛ばすような、清涼感。

青年は扇子をあおいで風を送っているが、青年の周囲だけ温度が低いように思える。
息を呑むような美しい青年は、猫のようにならず者の背後につく。
扇子に何か、隠し持っている。

くるりと美しい動きで扇子を返した青年は、その隠し持っている何かを右手に持つ。
竹串だ。
鋭く先を尖らせた竹串を手に持ち、青年は、ならず者に近づく。

ならず者の首筋に、竹串が刺さる。
深く刺さる。
誰も気が付かない。
ただ1人、中村主水をのぞいて。

青年と主水の視線が、扇子の格子越しに絡み合う。
確かに、互いが互いを認め合った。
竹串が抜かれ、男が崩れ落ちるように倒れる。

主水が立ち上がり、走ってくる。
だがもう、青年の姿はどこにもない。
どこにまぎれてしまったのか。

背後で倒れた男に「親分!」と悲壮な声で呼びかける声が響いている。
主水にはもう、その声は届いていない。
彼の目は、一瞬で鮮やかに殺しをやってのけた美青年を探していた。

青年の名は、市松。
殺し屋の父を持ち、殺し屋の養父に育てられた殺し屋。
生粋の殺し屋である。

人に殺しを気づかれたことは、なかった。
なぜこの、風采の上がらない同心だけが市松の殺しに気づいたのか。
この時の市松には、まだわからない。

それは中村主水が、殺し屋だからだ。
同じ不穏な空気を持つ者を、かぎつけることができるからだ。
市松を見つけられない主水は、黙って立ち去る。

あの同心は殺しであることを、騒ぎ立てもしなかった。
それを少し不思議に思いながら、主水がいなくなった縁日の物陰から市松が立ち上がる。
市松は、男の首筋を刺した竹串を音を立てて折った。
自分の殺しに気づいたあの同心を、殺さなければならないと市松は思った。


市松という青年は決して、冷酷な殺し屋ではない。
ただ、感情を表に出せなかっただけ。
彼にとって人間らしい気持ちを出すことは、命取りになることだった。
実の父親は、おそらくは市松の養父の裏切りによって命を落としている。

養父は市松を殺し屋に育てたが、最後は殺そうとした。
市松が生きて来た人生で、裏切りは当たり前のことだった。
隙を見せれば、たちまち殺される。
心を閉ざすことが、市松の生きる方法だった。


市松を見事に演じたのは、沖雅也さん。
沖さんのベストワークだと思っています。
スタッフさんも、沖さんという素材を得て、力が入っているのがわかります。

市松は、沖さんにしかできない。
動きが優雅。
猫科の動き、身のこなし。
目付き、眼差し。

これがあの、錠を演じた俳優さんと同じだと言うのが信じられない。
クールな美形殺し屋と、熱血青年の殺し屋の原点は市松と錠だと思います。
正反対のこの2つの殺し屋を演じて作り上げたのが、同じ沖さんと言うところがまず、脅威ではありませんか。

市松を主役にした話、そうではない話も含めて、「仕置屋」は市松の変化が見られる。
2話で市松は、育ての親を手にかける。
それは結果的に主水を助けることになった。
しかし、傷心の市松に主水の感謝の気持ちは届かない。

市松の目は、涙が溢れそうだ。
だが市松はそれを見せない。
振り向いた市松の顔には、冷たい皮肉な表情しか浮かんでいない。

市松は、危機を救ってくれたことに礼を言う主水に、憎まれ口しか叩けない。
そういう市松の性格などまだ知らない主水はカッとなり、印玄は顔をしかめ、捨三は不快な表情を隠さない。
市松に、仲間とうまくやろうという気持ちはない。
嫌われた方が気が楽だ。

傷口が深く大きいほど、市松は冷たい態度になる。
不器用な、哀しい青年なのだ。
去っていく市松の顔は、見えない。
だが、こちらにはわかる。

市松は泣いている。
市松の肩が泣いている。
市松の背中が泣いている。

この市松は、一見の価値ありです。
沖さんという俳優の才能に、感嘆の一言。
市松はこの人以外、できない。
いや、この人がいなくて、市松が作れようか。

この人がいたから、市松が生まれた。
ドラマは誰かに感情が入らないと、盛り上がらない。
それを見て、これから市松はどうなって行くのだろうと、思うのです。


中村主水 鬼神のごとく阿修羅のごとく

中村主水が、どれだけすごいか。
彼は闇にまぎれて不意打ちをする殺し屋というだけでは、ないんです。
剣豪なんです。
それをわかってもらうために人に主水の殺陣を見せるとしたら、どれを選ぶだろう?

最も有名なのは、やはり「新・仕置人」最終回でしょう。
正体のわかっていない3人目の殺し屋。
誰もそれが主水であることを、知らない。
昼行灯の主水を侮っていた諸岡は、主水に斬り刻まれる。

巳代松の痛みを思い知らせるかのように、主水は諸岡に止めを刺さない。
諸岡はもがきながら主水の刃に刺し貫かれ、辰蔵の屋敷に放り込まれる。
次に主水は辰蔵の配下の者を、鉄の痛みを思い知らせるかのように次々に斬っていく。

殺気全開。
持てる能力の全てを開放。
この主水に、殺し屋たちもなすすべがない。

まさに鬼神。
阿修羅。
辰蔵は、匕首を持ったまま、逃げるしかない。
「茜雲」の音楽と共に斬りまくる主水の、しびれるようなかっこ良さ。


「暗闇仕留人」第17話、「仕上げて候」。
仕上屋の本拠地に乗り込んだ主水は刀を抜くと、構えていた1人を斬る。
襲い掛かってきた1人の刀を受け止めると、胴を斬る。
斬りかかって来た1人を斬り、もう1人も斬る。

最後の1人も刺す。
5人全てが斬られ、残るは元締1人。
まったくの形勢逆転。
余裕で笑っていた元締めの顔色が、蒼白になる。

まさか。
まさか、こんな化け物だったなんて。
わかっていたら、用心棒たちに襲わせるなんて、そんなことはしなかった。


「必殺商売人」第8話、「夢売ります 手折れ花」。
おせいを見て、仇敵を前に殺された北岡菊と思った女が悲鳴を上げる。
座敷におせいが走りこむ。
用心棒たちが走ってくる。

その先に現れたのは、主水。
八丁堀だって構わない用心棒たちが、刀を振り上げる。
燃える「修羅雪姫」のようなお菊を描いた絵。
流れる殺しのテーマ曲。

剣を抜いた主水が、横になぎ払って1人を倒す。
今度は刀を振り下ろして、そしてすれ違いざまに2人、3人と倒す。
斬り合いにもならない。

4人目を払う刀で斬り、5人目は抜いた刀で刺し貫く。
勝負は、ほとんど瞬間で終わった。
この主水はぜひ見てほしいと思うぐらい、カッコいい。
そして、この時の草笛光子さんのおせいさんは確かに、獲物を仕留める時の猫の目をしている。


ちょっと話がずれますが、「新・仕置人」第8話で主水は鉄に関節を決められ、無力化します。
無力化され、誤解した仲間に殺されそうになる。
これは鉄たちに対して、主水がどれほど無防備であったかを語るエピソードだと思いました。

口で何を言っても、主水は鉄を信頼しているんですね。
鉄もまた、そうだったと思います。
だからこそ、あの時の鉄は主水を自分が殺さなければいけないと思いつめていた。
復活し、悪態をつく主水を見て、鉄はうれしそうにニヤニヤしている。


さて、話は戻ります。
先にあげた話の主水が、どれほどすごいか。
主水がいるから、圧倒的に不利な状況から逆転できる。
数を覆す強さ。

主水がいるから、無理が通る。
どれほど凄みがあるか。
しかしあの凄みはただ、強いだけじゃ、殺陣ができるだけじゃ出ない。
中村主水という人物は、非常に難しい。

主水という男は並々ならぬ剣の才能を持ちながら、それを生かす境遇にない。
そんな時代でもない。
実現したい正義はもはや、どこにも存在しない。

あるのは汚い世の中への絶望。
無力感。
そして、無力な自分への怒り。

だけどどこかに持っている。
捨てきれない。
諦めきれない希望と、正義。

そして彼は類まれな剣の腕も、正義も生かせる世界を得た。
ただ、それは闇の稼業という世界だった。
ここなら、思っていた正義が遂行できる。

主水は悪への怒りと、かすかに信じている正義のために剣を抜く。
中村主水の凄みは、まさにこういう心理から出ていると思うんです。
仲間を失い、背負っているものの重さが増すごとに、彼はますます、凄みを増していく。
これはやはり、藤田まことさんという人が背負ってきた人生も関係しているんでしょう。

本当に、表ではとことん冴えなくて、裏では壮絶に腕が立つ。
その落差が強烈なキャラクター。
これが藤田さんに、似合いすぎるほどハマった。
山崎さんに鉄が、似合いすぎるほどハマったように。

今思うと「必殺」というのは、キャラクターと俳優の奇跡のような融合だった。
もちろん、これを生み出したスタッフさんたちもすごい。
いろんな奇跡が起きた「必殺」。
道理で今見ても、満足できるわけです。


鉄 謎のファムファタール

「必殺」を代表するキャラクターの1人、念仏の鉄。
しかし鉄の過去話って、意外にもないんですね。
「仕置人」での、佐渡で兄弟分だった男との話はありますが。

ドラマの中で出た具体的な鉄の過去といえば、佐渡送りとなっていたこと。
佐渡で傷を負ったり、具合が悪くなった囚人たちを助けるため、独学で按摩の技を覚えたこと。
その佐渡で、主水と知り合ったこと。
立場は囚人と役人だったらしい。

なぜ僧侶だった鉄が佐渡に送られたかというと、檀家のお内儀と密通したから。
だがこれについて鉄は奉行所に捕らえられた時、「俺たちゃ、惚れあった仲だ」と猛抗議している。
さらには「密通のお咎め以外、相違ありません!」と言い放っている。

拷問されながらこれだけは、キッパリ言い切っている。
冷笑気味に「女は信用ならない」と言う鉄が、言い張っている。
よほどの仲だったらしい。
鉄のファムファタールと言って良い存在なのではないでしょうか。

しかし、これについての話はない。
すごいドラマがありそうだけど、ない。
肝心な話が謎だから、鉄の過去話がないというイメージになってるのかもしれない。
また、具体的にないから、良いのかもしれない。

鉄と惚れあった檀家のお内儀は、どうなったんでしょうね。
なかったように日常に戻っていったのか。
戻らざるを得なかったのか。
あるいは鉄よりももっと、手酷い破滅をしたのか。

「仕置人」では、鉄はかなりの教養を見せていた。
佐渡に送られたとはいえ、「仕置人」になるぐらいだから、家族はなかったように思います。
自分としては「暗闇仕留人」の大吉の過去が、鉄の過去に近いような気がしています。

大吉は幼くして孤児となって、親戚中をたらい回し。
食うには困らないということで、石屋に見習いで預けられた。
つらい毎日の中、僧侶にかわいがってもらい、やがてその寺で働くようになる。

だがそこの僧侶が借金のかたにもらってきた、若い女性と密通してしまう。
それを知った僧侶は激怒し、頭を下げていた大吉は、はずみで僧侶を死なせてしまう。
大吉は島送りになり、その後は裏稼業への道を歩む。
それでも外道仕事には背を向けて、生きてきた。

ちょっと違うところはあるけど、鉄はこんな感じの過去なのかなあと思いました。
鉄にかぶせたかった話を、大吉でやった。
そんな気もします。

大吉のファムファタールは魔性の悪女でしたが、鉄の相手の女性って、どんな人なんでしょうね。
想像ですけど、鉄は「仕置人」「新・仕置人」の劇中で、登場した女性を追い掛け回すことはあっても、そのために裏稼業をやめることはなかったと思います。
「新・仕置人」の「良縁無用」で、もし、あのお店の女性と一緒になっても、裏稼業はやめなかったと思う。

鉄が裏稼業をやめようとするなら、佐渡送りになった原因の女性、ただ1人だった。
そんな風に思います。
鉄のファムファタールは、永遠の謎。

神は降臨した、そして言った 「重版出来!」

火曜日夜10時、TBSで放送している「重版出来!」
主演の心ちゃんを演じる黒木華さん。
地味な女優さんなのかもしれませんが、とってもうまくて良い女優さんだと思います。

このドラマ、出ている俳優さんが自分の好みの方ばかり。
実際、実力ある俳優さんが、のびのび楽しく演じているように見えます。
その中に黒木さんがうまく溶け込んで、誰が誰の邪魔にもならず、気持ちよく見ています。
特に今回、第5話は良かった。

編集部の五百旗頭は、最近、常に誰かの視線を感じている。
ストーカー?
真相は、五百旗頭の優秀さ、人柄に魅了された心が、手本にするべく観察しているせいだった。
その五百旗頭は、社長の久慈を人生の目標としているのだった。

社長の久慈勝の家は賃貸で、電車で通勤している。
酒も飲まず、ギャンブルもせず、タバコも吸わず、遊びらしい遊びはしない。
久慈は時代に取り残されたような、炭鉱の町で育った。

物心ついたときにはもう、父親はいなかった。
肺を壊して死んだらしい。
中学の担任は、家に来て母親を説得した。

久慈は頭が良い。
クラスで一番成績が良い。
進学して医者を目指したい。
それに対して母親は「はあっ!?」と聞き返した。

担任は、せめて高校に進学させてやってほしいと頼んだ。
だが母親は「あたしに体売れと言うのか」と怒った。
「中学を出ればたくさん。貧乏人には貧乏人の生き方がある」と言った。
担任はそれ以上、何も言えなかった。

「卒業したよ!」
久慈が中学の卒業証書を持って声を弾ませて入った部屋には、誰もいなかった。
ちゃぶ台の上には灰皿があり、口紅のついたタバコが残っていた。
母親は、久慈を置いて男と逃げていた。

それから久慈は、炭鉱で働いた。
朝から真っ黒になって働いた。
道で高校生に出会うと、うらやましさから顔を背けてやりすごした。

きっと自分は羨望のまなざしだっただろう。
卑しい顔をしていたに違いない。
久慈の心は荒れた。
貧乏人には貧乏人の生き方がある、とつぶやくしかなかった。

久慈は荒れた。
「はよ金出しい!」
恐喝をした。
酒を飲みながら、花札をした。

炭鉱で働く年上の男たちと、博打に興じた。
ケンカに明け暮れた。
久慈は、どんどん荒んでいった。

ある夜、仲間と帰る時、川のほとりで1人の初老の男が釣り糸を垂れていた。
「おい、あのジジイ、相当貯めとるいう噂や」。
「まかしい」。

久慈はそう言うと、男の首に鎌を押し付けた。
「貯めというっち?出しい」
だが、その男は少しも動じなかった。

男は口を開いた。
「おいを殺したら、わいの運は尽きるぞ」。
男の口調は平然としていた。

虫の声が辺りに響いていた。
「あ?」
久慈は歪んだ笑いを浮かべた。

男の喉下には、鎌の刃が当てられたままだった。
だがそんなことには全く気にならないように、男は言った。
「ええこと、教えちゃる」。
「運ば、貯められるぞ」。

「世の中はな、足して、引いて。ゼロになるごと、できとう」。
「生まれた時に持っているもんに差があっても、札はおんなじ数だけ、配られよる」。
久慈は、黙って聞いていた。
男の声と、様子は久慈の動きを止めるのに、十分な何かがあった。

まるで自分のことを言われているようだった。
この言葉は、自分の境遇を恨んで、荒んで、開き直っている自分に向けられている。
久慈は震えた。

「ええことしたら、運は貯まる。悪いことしたら、すぐに運は減りよる」。
「人殺しげな、一巻の終わりたい」。
「運ば、味方にすりゃ、何十倍も幸せは膨れ上がりよる」。

久慈の目が動揺した。
男の手が動いて、鎌の刃をまともにつかんだ。
振り向いて、久慈を見る。

虫の声が響いている。
川が流れる音がしている。
男は振り向いて、久慈の眼を見た。
「問題は、どこで勝ちたいか、や」。

久慈は息を呑んで、男を見ている。
「自分が、どがんなりたかか。自分の頭で考えろ」。
男は鎌の刃を素手で持ったまま、前を見て言った。
「考えて、考えて、吐くほど考えて見極めろ」。

男は再び、久慈を見た。
「運は、使いこなせ…」。
久慈は、息を吐いた。

ほとんど、恐怖にとらわれた者が、やっと吐き出すような呼吸だった。
男はつかんでいた鎌から、手を離した。
鎌は音を立てて、落ちた。

久慈は後ずさりしていく。
「そがん、こと…」。
「おいの言うことが、信じられんか?」
男は横を向きながら言った。

声には、かすかに笑いが含まれていた。
「信じられんなら、それが、わいの運たい」。
それだけ言うと男は再び、川に向かって、釣り糸に集中した。
久慈はよろよろと、後ろに下がっていく。

帰り道、久慈たちが殴り伏せた男が、仲間を連れて来ていた。
「こいつか?」
久慈は叩きのめされた。

だがもう、久慈にはそんなことはどうでも良かった。
久慈はその夜、街を出た。
今までの付き合いも、すべて捨てた。

上京して、町工場でまじめに働いた。
ただ、生きるために。
ただ、飯を食うために。

そして仲間に一冊の本を勧められた。
元々、勉強が好きだった久慈は最初はそれを拒否した。
未練がましかった。

「長いこつ、本なんて」。
だがその同僚は「俺の田舎の詩人だ。やる」と言って、久慈に向かって本を差し出した。
宮沢賢治の詩集だった。
だがその「宮沢賢治」の本が、久慈の一生を決めた。

ただ、文字が並んでいるだけだった。
なのに、どうして、そんなに泣けたのか。
「雨にも負けず」。
「風にも負けず」。

久慈はその詩を読んで、泣いた。
子供のように泣いた。
この時、久慈の一生は決まった。

久慈はそれから、たくさんの本を読んだ。
まじめに働きながら、大検を受けた。
子供が転んで泣いていたら、助け起こした。
宮沢賢治の詩集には、興都館とあった。

10年が、経った。
久慈は興都館に、勤めていた。
彼の話を聞いた作家が言う。

「それは聖なる預言者ですよ」。
運命の神はいて、人が間違った方向へ行かないように、人間の振りをして辻に立っているのだ、と。
それを聞く、聞かないも人の選択。

作家とはおかしなことを言うものだと、久慈は思った。
だが。
その日、久慈はマージャンをしていた。
すごい手が回ってきた。

周りは「初めて見た」「すごいな」と声を上げた。
仲間の1人が言った。
「これで上がると、近いうち死ぬって」。
「ばか、迷信だよ」。

久慈の顔が、こわばる。
あの男の声が蘇る。
「問題は、どこで勝ちたいか」。
「運ば、使いこなせ」。

その時、電話が入った。
久慈の自宅が火事だった。
真っ青になって駆けつけた。

幸い、妻も子供も無事だった。
だがアパートは全焼、家財一式を焼失した。
それから久慈は、ギャンブルをやめた。
酒もタバコもやめた。

趣味は散歩、そして掃除。
家は賃貸、車も持たず、電車で通勤。
必要最低限の生活をした。

その1年後、出版した無名の海外ミステリーが、モンスター級の大ヒットになった。
怪物級の大ヒットだった。
重版出来!
さらに重版出来!

久慈は言う。
もし、運が貯められるのなら、私は仕事で勝ちたい。
すべての運をヒットにつぎ込みたい。
そのために私は、運を貯め続けるのです。


久慈が出会った男は、運命の神だと言う。
私もあれは、神であったと思います。
神だから何を考えているか、人間にはわからない。

どうして、荒れた青年・久慈の前に降臨したのかもわからない。
なぜ、久慈なのかもわからない。
だが神は辻に立っていて、人を見ているのだと。
それを感じるか、言うことを聞いてみるか、それもその人の運なのだと。

この名前もない男を演じたのが、火野正平さん。
言葉と、最小限の表情と動きだけ。
それだけで荒れた久慈の動きを、止めなくてはならない。

震え上がらせなければならない。
一瞬に近い時間で、久慈がそれまでの人生を捨てる力がなければならない。
見ているこちらにその存在が神であったと、納得させなければならない。

火野さんの存在そのものが、説得力でした。
これまでに火野さんが送ってきた人生、俳優としての役。
それがすべて、火野さんの血となり肉となっている。

良いことも悪いことも、すべて栄養にする俳優としての途方もない力。
魅力。
火野さんはそれを持っている、ごく少数の人間なんだ。

彼が既婚者でありながら、たくさんの女性と付き合ったこと。
わかっていても、女性たちにモテたこと。
恨まれなかったこと。

彼が仕事を干されなかったこと。
共演者に嫌われなかったこと。
その理由がわかる気がしました。

経験して、それに打ち勝って乗り越えていない者には出せない力。
太刀打ちできない迫力。
火野さんを見て、そう思いました。

そして、「必殺」好きのおバカな自分は、ちょっと思った。
正八がこの年齢になったら、こんな爺さんになっているかもしれない。
非道、外道を見て、それを仕置きして。
仕置きした仲間の末路を見て。

正八は、ここに行き着いたのではないか。
そんなおバカなことも思った、「重版出来!」。
この5話は、映画並みの1時間でしたよ。

編集長の松重さんにも、その言葉にも人生があった。
久慈役は、高田純次さん。
この俳優さんたちに、この役をやらせる。
「重版出来!」のこの、センスが私は好きです。

惜しい

「必殺仕事人」、また作ってくれるんでしょうか。
惜しいな、と思ったのは、レンの降板です。
初めて見た時、意外な拾い物をした気分になりましたから。

あの悪たれぶり。
中身の純粋さ。
一途さ。

憎めない問題児。
放っておけない悪ガキ。
まさに若い仕事人にあってほしい要素が、レンにはあった。

勝手な印象ですが、演技ではない部分、本人の資質にこれに近いものがあった気がします。
問題は起こすが、男気もある。
そんな風に見えました。
勝手な印象ですよ。

こういうタイプは、良さをわかってやる大人が、うまく導くと光る。
そう思ってました。
昔の若手俳優なんかにいたタイプではないか。

だからレンは良いキャラクターになったのにな、と思うと降板はとても残念。
同時に、私生活はマジメなのに、あんなキャラクターがぴったりとハマる山崎努さんや、緒形拳さんって、すごい。
レンは、鉄が、いろんな意味でかわいがりそうだ。
いや、今なら正八がかわいがりそう。

しかし、レンは惜しいな。
あの世界に合ったキャラクターと、演者だった。
そんなキャラクターをまた、期待したいと思います。





世界は仕事でできている

GWも終わり。
前半、指の怪我、指を怪我するに至った出来事などで全然、楽しい気分ではありませんでした。
やっと落ち着いたのが5月4日。

本当に前半は、休んだ気もしないGWでした。
おかげで平凡な退屈と思える日常が幸せなんだと認識できましたが。
だから明日からの朝早く起きることも、満員電車も、時間に追われる平日も実は大切なものだと思って送っていける…、とは思います。

しかし、人間ですから。
やっぱり疲れて休みたいな~、って思うんでしょうが。
家の周りで、いつも離れて暮らしている家族が来て、昨日からは帰って行く音がしています。

「特別」が、待っていた特別が、離れていく音。
日常が戻ってくる音。
人間はその繰り返しで、生きていく。
その中に、ささやかな、小さな楽しさを見つけて。

「世界は誰かの仕事でできている」。
缶コーヒーのCMのコピーですが、確かにそうなんですね。
意識しないけれど、電車が動くのも、お昼を買えるのも、エレベーターが動くのも。

時代劇が見られるのも、音楽が聴けるのも。
役者さんがいるから。
脚本家がいるから。
監督がいるから。

照明さんがいるから。
衣装さんがいるから。
大道具さん。
小道具さん。

ご飯を作る人。
時間を計る人。
編集する人。

音を作る人。
お掃除する人。
警備する人。
目立った仕事はもちろん、そうでないところで誰かが仕事をしていてくれるから。

みんな、どこかで誰かが仕事していてくれるから。
世界は誰かの仕事で、支えられている。
自分も何かの役に立っているかもしれない。

そう思って、がんばろう。
こんなセンチメンタルなことを考えるのも、連休最後の夜だからでしょう。
計画していた部屋の掃除、整理整頓ができなかったのを、指の怪我のせいにしつつ。

猫同心

時代劇専門チャンネルで「松本清張ミステリー時代劇」を放送していました。
その最終話で、見たお顔が。
おおっ。
猫同心!

勝手に命名してしまいましたが、「猫侍」シーズン1でコワモテの同心を演じていたユキリョウイチさんです。
やっぱり良い俳優さんですね。
「猫侍」のように見た後は癒されて楽しくなる時代劇ではありませんでしたが、ユキリョウイチさんの役は心に残りました。

2面性のある人物のドラマは、描きがいがある。
表はみなが恐れるやり手のコワモテ同心。
しかしその実態は!
猫茶屋に通い、猫にメロメロの同心。

待ち受ける難事件。
同心の唯一の弱点、猫が悪党に知られた時、罠は張られた!
猫を懐に入れた悪党に、猫同心はどう立ち向かう?!
しかし猫が弱点の同心はまた、猫でパワーアップするのであった。

スピンオフドラマ「猫同心」。
妄想してしまったけれど、これ、絶対作れると思う。
見たいです。
今度のスペシャルドラマでぜひ、お願いします。


痛かったー!

左の人差し指が腫れあがっておりまして、他の指の倍ぐらいの太さになっていました。
こうなると、曲げられない。
動かない。

抗生物質飲んで、痛み止め飲んで、胃薬も飲んで。
家事も放棄して、やっと腫れも引き、色も普通の肌色になりました。
それでもまだちょっと、腫れてますね。

色も変わっている。
まだ痛い。
指は例えば、小指でさえ怪我して動かないととても不自由。
利き手ではないとはいえ、人差し指が動かないって困るもんですねー!

プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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