こたつねこカフェ

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あれから時間が経ちましたが 「太陽への道」

ゆがんだ太陽」の続編、「太陽への道」。
オサムもめぐみも大人になっていて、オサムは少年刑務所を出所。
保護司をしている森と言う作家の元で、暮らし始める。
気がかりは、約束の場所へ行けなかっためぐみのこと。

保護司の小説家の森は行かない方が良いと止めるが、オサムは故郷の街へ行く。
オサムの姿を見た組の男たちは、「おい」「オサムが帰って来た」と騒ぎだす。
めぐみの母親に会ったオサムだが、めぐみはいなかった。

「年を取った…!」
めぐみの母親の様子に、オサムは少なからずショックを受ける。
母親が言うには、めぐみは千葉のおじの家にも行っていなかった。
めぐみは、どこかに行ってしまった。

「あなたのせいよ!」
「帰って!」
罵倒されたオサムは、黙って頭を下げた。

帰り道、オサムは元・日向組のチンピラに声をかけられる。
日向組は今は、岩瀬が組長になり、岩瀬組となっていた。
オサムは次郎を思い出して、どうしているか聞く。
するとチンピラは言う。

「あいつは死んだよ」。
自分で自分を撃っちまってな」。
次郎が死んだ…!
仲が良かった次郎の死にオサムは、ショックを受けた。

それには構わず、チンピラは言う。
拍が付いたな、オサム。
2年も臭い飯食ってるとよ。
岩瀬と張り合うなら、人集めるぜ。

だがオサムは席を立った。
バカげた勢力争いは、お前たちだけでやるがいい。
もう、この街には戻らない…。
オサムの胸に、次郎、めぐみの面影が去来する。

出版社に勤めたオサムに、初めての給料が出る。
オサムはそれを保護司の小説家に、すべて預ける。
パッと使っちゃえばいいのに、と家政婦が言うが、オサムは「あんたにまかせるよ」とだけ言って部屋を出た。

家政婦はオサムのことを最初は怖いと言って、あの子何したのと興味を持っていた。
だが、このオサムの態度で、家政婦の気持ちは急激にオサムに傾いた。
彼女は夜、寝間着姿でオサムの部屋に行く。

小説を書いていたオサムは、彼女に帰るように言う。
私は構わないのよとオサムの手を握る家政婦に、オサムは言う。
部屋へ帰れ。
家政婦に見向きもしないオサムに、彼女のプライドは傷ついた。

翌朝も無表情のオサムに対し、彼女は腹の虫がおさまらない。
出社したオサムを、社員たちが避ける。
彼らの陰口を聞いたオサムは、自分が少年刑務所に入っていたことがばらされているのに気づく。
「森先生のとこの家政婦が言ってたぜ」。

孤立したオサムは、それでも真面目に淡々と働く。
めぐみの言葉を思い出す。
高校で、孤立していたオサムにめぐみは言った。

「あなたが殻をかぶっているからよ」。
「待っているだけじゃ友達はできないわ」。
確かにそうだった。

オサムの態度が変わると、生徒たちの態度も変わった。
父親が逮捕されるまで、わずかな間だった。
それでも、生徒たちはオサムを受け入れ始めていた。

だが、オサムは思う。
「あの時、めぐみに言われたことは…」。
「大人の世界じゃ、通用しない」。

やがて、オサムを2代目にし、現在の岩瀬組長に対抗しようと、あのチンピラがやってくる。
出版社にも、保護司の森の家にも来た。
森は言う。
「出て行くんじゃないよ」。

オサムはハッとした。
「どこにいても見つかってしまう。それなら、ここに居た方が良い」。
オサムは森の家を出ようと思っていたのだ。

やがて、オサムの小説は完成した。
森はその出来栄えに驚く。
想像以上だ。
その小説は新人賞に入選した。

雑誌に載った小説は、家出して、ある喫茶店で住み込みで働いていためぐみの目に留まる。
めぐみは、オサムを訪ねて行った。
「お久しぶり」。

出版社に来ためぐみに、オサムは驚く。
休憩時間まで、近くの喫茶店で待つと言うめぐみ。
めぐみが、めぐみが来ている!

オサムは待ちきれない思いで、仕事を終え、喫茶店に急ぐ。
ニッコリと笑って迎えためぐみだが、バッグから出したのはタバコだった。
眉を顰めるオサムの前で、めぐみはタバコを吸った・

「あの時…」。
「どうして来てくれなかったの」。
めぐみは、うつむき、涙をこぼした。

ずっと待っていた。
約束の時間が過ぎても、夜になっても。
夜の誰もいなくなった駅で、めぐみは泣いていた。

「知らなかった?!」
オサムは驚愕した。
めぐみと逃げようとしたオサムは、そのことを告げようと日向組にむかった男を刺した。
そして、捕まったのだ。

めぐみは、そのことを知らなかった。
オサムに裏切られたと思って、荒れていたのだった。
そして、めぐみに好意を持つバンドマンと、心ならずも付き合うことを選んでいた。

喫茶店を出た2人は、別れる。
別れ際オサムは言った。
「この2年間で、あんたのことを忘れたことはない」。

今さら、何を言うのか。
そう思っためぐみに。
意を決したオサムは、口を開きかけた。
あの日、俺が行けなかった理由は…。

その時、めぐみと付き合っているバンドマンがめぐみを見つけて声をかけた。
オサムは言いそびれた。
「じゃあ、日向君」。

オサムは森の家に戻った。
保護司の作家の森が描く女性に、共通の何かを感じたオサムは森に言う。
先生が描く女性ヒロインには、気性の激しい女性もおしとやかな女性もすべて共通のものがあるように感じます。

すると、森は言う。
愛する女性を投影しているんじゃないかな。
昔、実らなかった恋の。

森は独身だった。
出版社の社員たちが、独身の森が日向を引き取った理由をおもしろおかしく語ったことがあった。
オサムはそれに対し、自分のことなら何とでも言えばいいと言った。
だが森に対してそれ以上、侮辱するようなことを言うなら自分は黙っていない。
その眼光に、騒いでいた社員たちは黙ったものだった。

実らずに終わった恋の…。
オサムは小説を書きながら思う。
これが、俺の道なのかもしれない。

その頃、めぐみは、母親に会いに帰った。
母親は思わず、グラスを落とした。
あんた、一体、今までどこに…!

めぐみの母親は、この前、元の従業員もここを訪ねてきたことを話した。
今から思うと、あれは自分が悪かった。
日向に刺されても、しかたなかった、と言っていたと。

「日向くんが、刺したの…?」
驚くめぐみに、母親はすべて話した。
『この2年間、あんたのことを忘れたことはなかった』。
日向の言葉が蘇る。

自分のために、自分たちのために、オサムは人を刺した。
そして逮捕され、刑に服していた。
裏切ったのではなかった。

会いに来られなかったのだ。
めぐみは、声を出して泣いた。
号泣した。

雨の夜だった。
あのチンピラに呼び出されたオサムは、ナイフを突きつけられた。
チンピラは、日向の帰還と彼を担ぎ出そうとする勢力を恐れた岩瀬に、オサムを殺すように強要されたのだ。
その時、めぐみのいる喫茶店で、めぐみと付き合っているバンドマンの男は雑誌を見ていた。

雑誌には、しおりが挟まれていた。
そのページには日向の小説が載っていた。
「日向くん」とめぐみが呼んでいた男のことを、彼は思い出した。
彼は日向に会おうと、店を出た。

オサムはあの雨の夜、自分が人を刺した夜のことを思い出した。
ナイフが自分の方を向いている。
オサムは足を滑らせた。
ナイフは、オサムの目に当たった。

仰天したのは、チンピラもだった。
硬直しているところに、バンドマンが駆けつける。
雨の中、血が流れていく。
オサムは病院に運ばれた。

バンドマンに、めぐみのいる喫茶店のマスターが告げていた。
めぐみは出て行った。
もう、戻らないだろう。
「あんたに『すまない』と言っていたよ」。

オサムの目は光を失った。
1人、絶望するオサム。
その時だった。
「もう離れない」。

めぐみ?
オサムの手にめぐみの手が触れた。
「あなたの目になるわ」。
オサムは思った。

「俺の望んでいた太陽は」。
「今、この手の中に」。
オサムは、めぐみを抱きしめる。


おー、続編だ!と喜んで読みました。
でも、どうしても「ゆがんだ太陽」のイメージが強く、大人になった2人の絵に最初はなじめなかったのを覚えています。
確かあれから2年だったような記憶があります。
マンガの中でも、2年という言葉が何度か出て来ています。

出所してめぐみの家に行き、めぐみの母親を見て「年を取った…」と驚くオサム。
めぐみがいなくなったことを知る。
その後、オサムは次郎のことを日向組、今は岩瀬組の組員から聞いて、さらにショックを受ける。
「あいつは死んだよ。自分で自分を撃っちまってな」。

この辺りは、「わたり鳥は北へ」になっていますね。
あの話は、衝撃的でした。
読者がショックだったんですから、オサムも当然、ショックを受ける。
めぐみと次郎の面影を胸に、オサムはもうこの町には戻らない…と決心する。

ずっと読んで来た読者には、感慨深いシーンです。
めぐみは、というと、あれから家出していて、ある町の喫茶店で、住み込みで働いていた。
この喫茶店のマスターが、何か訳有を承知でめぐみを引き受けてた感じです。

めぐみがバンドマンと付き合っていても、何かお見通しって感じでした。
堂々とアタックするバンドマン、「別に好きな人なんていないわ」と答えて、事実上、彼を受け入れるめぐみ。
マスターは、それを複雑な顔で見ているんです。

そして、ある日、めぐみは雑誌で新人賞を取った小説に、オサムの名前を見つける。
オサムに会いに行くめぐみ。
後に、バンドマンもこれでオサムの家に行っています。
この辺りの個人情報がわかってしまうのは、時代ですねえ。

驚き、近所の喫茶店で待っていると言われ、「めぐみに会える!」と歓喜しながら仕事を終え、駆けつけるオサム。
しかしめぐみは、オサムの前でタバコに火をつける。
めぐみらしからぬ行動に、オサムが顔をしかめる。

今ではもう、女性が喫煙するのは普通のことですが、当時はそうじゃなかったんですね。
まして、めぐみはまだ18歳。
オサムといた時のめぐみは、喫煙なんて考えられないような少女だった。
この時のめぐみのタバコは、それなりに荒れていたであろうめぐみの月日と内面を思わせてました。

能天気なバンドマンですが、何となくめぐみの気持ちが自分に向いていないのはわかる。
最後にめぐみがいなくなってマスターに「あんたにすまない、って言ってたよ」とだけ言われて、ちょっと呆然。
めぐみと付き合えることになって喜んでて、物語の中ではお邪魔な存在。
だけど、悪い人じゃなくて、この人もかわいそうなんです。

めぐみが母親に会いに行った時、「ゆがんだ太陽」でオサムに刺された従業員が、「あれは自分が悪かった」って言ってたという話が出てきます。
この続編はちゃんと、あのやりきれなさを回収してくれてるんですね。
だからこそ、オサムに最後、あんな悲劇が降りかかるとは。
当時は、ここまでしなくてもと思ってしまいました。

でもあれで二度とオサムは、父親のいた世界に戻らないで済むということなんでしょう。
めぐみに助けられて、オサムは作家の道を進むことでしょう。
あの切ないラストをよくここまで持ってきて、美しく成就させてくれました。
作者もあのラスト、気になってたのかな。

いや、よく最後にアメリカンニューシネマのようなラスト、どっちか、あるいは両方が死んじゃうとかしないでくれました。
その前の次郎の話は、ほんとにアメリカンニューシネマな最後だった。
もしかしたら、この辺りから時代も、作者も変わったのでしょうか。
とにもかくにも、良かった良かった。

オサムとめぐみの幸せが見えるような最後。
作家として大成しそうで、後に直木賞とか芥川賞取って、大作家になっていそう。
すると、当時の同級生や出版社の社員たちは手のひら返したように誉めそうです。



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