あまりにも有名な「傷だらけの天使」です。
サブちゃん見て「はがゆいなー」と思ったら、野生児そのままの「傷だらけの天使」の修ちゃんを。
もがいてもがいて報われない修ちゃんにやりきれなくなったら、優しい市井の人に囲まれて生きるサブちゃんを。
これがストレス溜まらないお勧めの鑑賞の仕方です。
お財布、泣いちゃったけどね。
第1話 「宝石泥棒に子守唄を」都会のビルの屋上にあるペントハウスで修(萩原健一)と、弟分の亨(水谷豊)はその時、一文無しだった。
綾部貴子(岸田今日子)からの仕事は留守電に入っているが、いつも綾部事務所の金儲けの駒として動かされ、結果、不本意な気持ちで報酬を渡けとる羽目になる。
気持ちは進まないものの留守電を再生すると、「命の補償はしないが報酬ははずむ」と録音されており、修は綾部探偵所の事務所に向かう。依頼された仕事は、宝石店に強盗に入り、3億円以上する宝石を奪うもので、報酬は30万だった。
修は神島(金子信雄)から偽造ピストルを受け取り、宝石は強奪したが、逃走途中、親子連れ(母:真野順子、子供:坂上忍)にぶつかって子供を転倒させてしまった。
修は警察に逮捕されるが、護送中、警察車両が襲われ脱出できた。
しかし警察を襲ったのは味方ではなく、修は正体不明の男たち(1人:若き日の八名信夫)にそのまま拉致され暴行を受ける。
2人の暴力のプロ相手に踏み切りで車を奪って逃げる事に成功するが、警察で転倒させた子供が骨折をしたと聞いて気になって仕方がない。
修は指名手配犯として警察にも、正体不明の男たちにも追われながら、得た情報から子供の自宅へ向かった。いや〜、主人公なのに当時、こんなにもボコボコに殴られて鼻血を止血までしてます。
反撃する時は、カッコよくなく捨て身で滅茶苦茶やる。
実に人間臭い。
危ない。
しかもそこまでして、お見舞い持って行く先が逃げる途中、自分がケガさせた子供の所っていうのが泣かせます。
暴力のプロ達にボコボコに殴られたけど、子供の母親(真野順子)の浮気相手のサラリーマンは思いっきり凄んで追い返すチンピラぶり。
しかし子供は修を全然怖がらないで、熟睡しちゃうし、最後は「あのお兄ちゃん、また来てくれるかな」って言うほど懐いてる。
でも母親は大人だから、もう二度と修は自分達の前に姿を現さない事がわかっているんですね。
修と亨は社会からは確実にはみ出していながら、人間として大切なところは踏み外してないんですね。
それどころか、時には普通の生活を送っている者以上にそれを守ってしまう。
いや、底辺に近い場所で生きているからこそ、大切と思った事は守るのかもしれない。
この辺が悪になりきれず、妙に無垢で、社会と上手く折り合いをつけて生きていく事ができない理由でしょう。
まさに「傷だらけの天使」。
修も亨も、粗暴なくせにどこか甘ったれていて、寂しそうにしている。
綾部貴子さんに、「あの子(修)は飢えている方がステキなのよ」って言われてるし。
綾部さんや辰巳さんの思う壺とわかっていながら、妙に正義感があるから自分が損する方向に行かざるを得ないみたいだし。
こんな2人を見ているこっちはほっとけなくて、探偵ものとしての推理より2人がどう反応するか、どう動くかが気になって思い切り感情移入してしまってる。
報酬全部、子供の治療費の為に渡しちゃう修。
そのお金の渡し方がオトコマエでいて、やっぱり寂しい。
74年ごろの新宿、渋谷の風景も、走る車も、部屋においてある電化製品も懐かしいです。