こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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脱出したい~! ココだけの話 「ガレージ」#94

男の人のどこに魅力を感じるか。
やっぱ車の運転上手い人って、いいよね。
女子高校生の、そんな話から始まる。

帰りは、明日の夕方だと言う夫は京都へ出張。
妻に、車に絶対乗るなと夫の正太郎は釘を刺す。
新車。

「お前には絶対車庫入れは、無理だ」と正太郎は言う。
キーを持って、振り返って「ほんとにさわるなよ」と妻に言って、夫は出て行く。
言われた妻の淳子は、ガレージを振り返る。

夫が出かけると、妻はビーチで使うプールやら膨らましたビニールの怪獣やらを壁に押し付け、ガレージの壁との間にクッションを置く。
こうすれば、壁に激突はしないだろう。

やるなと言われれば、やりたい。
乗るなと言われれば、乗りたい。
「それが人情よね」とつぶやき、淳子はハンドルを握る。

エンジンをかける。
「新車だって車は車。マスターしてやるわ、車庫入れ!」と言うと、淳子は車を発車させる。
そのまま道路に出て、そのまま戻る。

車庫入れの練習。
案外、素直に入れられた。
「何だあ、簡単じゃない」。

自信をつけた淳子は、雪やこんこん、あられやこんこんと鼻歌を歌う。
しかし道路に出た途端、手間取ってエンジンをふかした為、車は急激に乱暴に動き、ガレージの壁に危うくこすりそうになった。
淳子は冷や汗をかく。

その頃、横浜のホテルの一室では淳子の夫の正太郎が「恵子ちゃんの為に奮発したんだぞ~」と若い女性に向かって両手を広げていた。
恵子と呼ばれた女性は「ありがと、大好き!」と正太郎に抱きつく。
そこに、電話がかかってくる。

正太郎は出ない。
いぶかしげな恵子に「出ないの?」と言われ、正太郎は「俺が出る」と言って電話に出た。
「もしもし、ああ大丈夫、順調だよ。何かあれば携帯に電話しろよ。ここはハリスさんの部屋なんだぞ」。

正太郎はそう言って、電話を切る。
「ハリスさんって誰?」と恵子が聞く。
「取引相手」。

実はこの部屋は接待の為、会社が借りた。
だが急にハリスという取引相手が来日できなくなり、もったいないからそのまま借りたのだった。
それを聞いた恵子がつぶやく。
「何が恵子ちゃんの為、よ」。

その頃、淳子もまた、夕飯を1人、食べながらつぶやいていた。
とにかく明日。
「ダイジョブかな、あのままで」。

ガレージから、車の前部、フロントガラスまでが、道路にはみ出ている。
三角の、非常を知らせる合図が道に置かれている。
夫の正太郎はシャンパンを抜き、恵子と乾杯している。

明日はディズニーランドに行きたい、と恵子。
誰に会うかわからないので、外には行けないと言う正太郎に、「つまらない」と恵子が膨れる。
なだめようとした夫に、恵子はルームサービスの豪華な食事を食べ始めた。

翌日、淳子は再び車庫入れにチャレンジする。
上手くいかない。
ため息が出る。

すると、後ろからクラクションが鳴った。
淳子の車が道路を占領している為、車が通行できないのだ。
気がついた淳子は、あわてて車を出してどこかへ出発してしまう。

道を走りながら淳子は「前進は何の問題もないんだけどな。快適だわ」と言う。
スーパーに着いた淳子は、「これだけ広いスペースがあれば簡単じゃない」と言って車を止めた。
淳子の車は2台分のスペースを占領して、駐車スペースには斜めに入っていた。

戻ってきた淳子は「こうなったら前から入れるしかないか」と言い、車を頭からガレージに入れた。
「やったあ!」
成功した、そう思った瞬間に、シャッターが上から下りて来て閉まり、暗闇になる。

ガラガラという音。
「きゃー!。な、何?」
焦った淳子だが、シャッターが閉まっただけとわかったので、ドアの外に出ようとする。
だが…。

ドアが開かない。
運転席のドアの向こう、壁にタイヤが立てかけてあった。
それでドアがふさがって、開けられない。

そこで淳子は助手席から降りようとしたが、同じく、タイヤが弾力を持って淳子の開けようとしたドアを押し戻す。
後から出ようとしたが、後の壁には淳子が自分で置いたビーチマットがあって、これがまたドアをふさいでいた。

「何だあ、ビーチ何とか…。ようし!」
淳子が思いっきりドアを開けるとタイヤが揺れ、今度は上から様々なものが降って来た。
上からダンボール箱など、さまざまなものが落ちてきて、完全にドアをふさいだ。

「まずい、で、出られない…!」
淳子は窓から出ようとしたが、無理だった。
ドアは開いたが、荷物に遮られ、淳子の体が途中でつかえて外には出られない。

その頃、正太郎はホテルで、恵子に「プールならいいでしょう」と言われている。
だが、正太郎は「ホテルにも温水プールがある」と答える。
本当にホテルから一歩も出ないつもりの正太郎に呆れた恵子は「ばっかみたい」と言い、「あたし帰る」と立ち上がった。

ガレージの中。
淳子は寒くなってきた。
エンジンをかけて、あったまる。
「怒られるだろうなあ」。

ある日の夕食時だった。
テーブルで向かい合った、淳子と正太郎。
淳子は「今度、車庫入れやらせてくれる?」と聞いた。
正太郎の答えは「ダメだ」だった。

「どうして?」
「女は空間認識力が弱い、車庫入れは無理なんだ。これは脳の問題。生物学的な事実なんだ」。
「何の為に免許取ったんだか。あなたが俺の送り迎えの為に必要だから取れって言うから、取ったんじゃない」。
淳子がそう言うと「俺がぶつけてからなら、運転していい」と正太郎は言った。

ガレージの中に、排気ガスが充満してくる。
…排気ガス!
気づいた淳子が、ゴホゴホと咳き込む。

思わずクラクションを鳴らし、誰かに気づいてもらおうとするが、表はちょうど、選挙カーが通っていてわからない。
家の中で、電話が鳴っている。
恵子に去られた正太郎が、かけてきていた。

淳子は出なかった。
出られなかったのだが、正太郎は思った。
「おかしい。あいつがこんなに、長時間家を空けるなんて」。

正太郎は。考える。
まさか浮気?そんなことできる奴じゃない。
…それとも何か気づいているのか?

次々と、正太郎の友達が頭に浮かぶ。
1人は言った。
「やってないと言い張るべきだよ。例え、裸でベッドにいるところを見られてもな」。

別の友人が口を開く。
「そりゃお前、謝るしかないよ。どんなに罵られても、謝る。謝って謝って、許しを求めるんだよ」。
後輩が言う。
「女房に殺してやると言われ、車で追っかけ回された奴、知ってますよ」。

正太郎は不安になってきた。
「どうしよう…、まさか」。
ガウン姿の正太郎は、ベッドに後ろ向きに勢い良く倒れ込む。

ガレージの中。
寒くて、手をこすり合わせる淳子。
時計は午後6時24分。
淳子が、体をムズムズ動かす。

目をやった隣に、スーパーのビニール袋。
やがて、何故かビニール袋から買い物したものが出されている。
そしてビニール袋がしっかり、結ばれている…。

「寒う…。まさか凍死なんて」。
淳子がエンジンをかけ、暖房を入れる。
ホッとしていた淳子だが、再び、排気ガスに気づく。

排気ガス!
あわててエンジンを止める。
時刻は午後6時38分。
新聞の見出しが、頭に浮かぶ。

「排気ガス中毒死 自宅ガレージ内で主婦死亡杉並区」。
テレビのニュースが伝えている。
「昨夜遅く、東京杉並区西永福の自宅ガレージ内で、森淳子さん40歳が自家用車の中で死んでいるのを帰宅した夫の、正太郎さんが発見しました…」。

画面には、「ガレージで主婦窒息死」の文字。
「警察の調べによると、淳子さんは車庫入れに失敗し…」。
淳子は叫ぶ。
だめえええ。

デジタル時計の青い文字が示す時刻は、午後7時32分。
家の中で、電話が鳴っている。
午後10時7分。
淳子は正太郎のことを考える。

「何で?何で帰ってこないの?まさか、浮気してんじゃ…」。
喉の渇きを覚えた淳子は買ってきた豆腐パックを開き、中の水をすする。
「あ、まず…」。

午後11時34分。
ガレージ内は、ますます寒くなってきた。
このままだと、死ぬ。
そんなの、いや。

「いやああああ!」
淳子はクラクションを鳴らす。
だが周囲は、静まり返っている。
「助けて、助けてー!」

「何でこんな目にあわなきゃなんないの?」
泣き顔になる淳子。
「何で!あたし、なんか悪いことした?」

「だいたい、全部あの人のせいじゃないの。あたしに免許取れって言っておいて、免許取った途端、新車に買い換えて、後は乗るな触るな洗車もするな。
オマケにあたしは、こんなひどい目にあってるのに、自分はのうのうと遊んでるんだ!絶対!」

淳子が肩で、はあはあと息をする。
キッとした表情で後ろを見る。
意を決したように、エンジンをふかす。

あたしが死ぬか、車が壊れるかどっちかだわ。
淳子が思い切り、アクセルを踏む。
車はシャッターに激突したが、ガレージの外に出られた。

「外に出られた!」
雪が降っていた。
車の表面に見る見る薄く、雪が積もっていく。

「…出られた!」
淳子は、車の外に出た。
すると…。

車の背後には、腰を抜かして地べたに座り込んでいる正太郎がいた。
はあはあ、と息をついている。
淳子が正太郎に気づいて、驚いて駆け寄ろうとした時。

「俺が…、俺が悪かった」。
正太郎が泣き顔で叫ぶ。
「え?」

京都名物の八橋の箱が、タイヤの下で潰れている。
東京駅で買ったであろう、紙袋も。
「え?」
空を見上げる淳子。

雪が降っていた。
「…雪!」
おののいている正太郎をよそに、淳子の声は、はずんでいた。



車庫入れ!
運転!
私も2年前に、ペーパードライバーを返上しようと、教習所で練習しました。

家の車庫入れはできるようになりましたが、やっぱりねー。
苦手というか。
怖いです。

隣に車があると怖いし、家の近所のスーパーの車庫は狭くて「入れにくい」と評判だし。
入れたことはありますが、空いてましたからね。
あれがビッシリ車がいたら、できたかな。

駅の近くの銀行は大丈夫だったものの、駐車場の入り口が坂で、せまい銀行の車庫入れはちょっと手間取ったし。
友人は遠くの、誰もいないところに止めると言ってました。
それで戻って自分の車の隣や前後に、他の車が並んでると、涙目になるそうです。
一番最寄りのデパートは、車庫入れサービスをやるようになりました。

やっぱり、みんな苦手なんだ、車庫入れ。
しかし、この話は怖かった。
いかにも自分が陥りそうなことで。
追い立てられて道路に出て運転しちゃうとか、車半分道路にはみ出してるとか。

ガレージに閉じ込められちゃうとか。
もう、全部ありそう。
最後に主人公が「あたしが何か悪いことした?」ってパニックになって言う言葉も、言いそうで。

9年前の作品だから、主人公は携帯も持ってなかった。
今だったら、携帯で何とか助けを求められるかな?
ガレージだからダメ?

夫の正太郎は淳子に、ちょっと傲慢そう。
面倒くさそうに、偉そうに口をきく。
でも恵子ちゃんには、あま~い声でデレデレな態度。
この辺り、正太郎の小心者ぶりが出てる。

会社が取った部屋というせこさもあって、恵子ちゃんは出ていっちゃう。
そして正太郎、いばっていたのに電話に出ない淳子に段々、不安になっていく。
でもこれ、ホテルキャンセルしなくて、後でハリスさんが来なかったこと、わからないんですかねえ?

恵子に去られて、いる必要がなくなった正太郎が戻ってくるわけですけど…。
決死の淳子さんが運転して、ぶち破ったガレージのシャッター。
その後ろで、へたりこんでる正太郎。
偉そうな態度はどこへやら、泣き叫ぶように、お詫びの言葉を吐く。

本来の小心者が出たというか、空威張りだったというか。
しかし、その後の淳子さん、わかってないのか、解放された喜びからか、空を見上げて、「雪!」とはしゃぐ。
寒かったのは、外が雪だったからなんですね。

自分に危険さえなければ、自然の美しさやイベントを素直に喜べる。
ああ、生きてるって素晴らしい。
脱出した高揚感で、ライフ・イズ・ビューティフルとでも言いたくなるような淳子さん。

そうそう、淳子のもじもじ、そしてあのスーパーの結ばれた袋、あれは…、何(笑)?
豆腐の水飲んで、喉の渇きを癒す。
なかなか、極限状況の行動。

日常に潜む危険。
さてこの後は、修羅場?
お互い、悪いことがあるから、浮気も車もガレージも、上手く納まって終わり?

ガレージの様子が、本当に寒そう。
空気が冷え冷えしている。
冬の寒さが伝わってくる。

淳子役は、なくなった深浦加奈子さん。
ほとんど1人芝居。
余裕から焦り、パニック。
思わず、共感。

見ていて、楽しいやら、怖いやら。
リアルに感じさせてくれる。
今、生死に対して敏感になっていることは確かですが、それだけじゃない。

これ見ると、深浦さんが上手い女優さんだってことがわかる。
そういう作品が残っていて、女優として良かったなあと思います。
この時期に見ると、冬の冷え冷えとした冷たいガレージの空気が実感できるドラマです。


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