こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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「声が大きいよ!」  翔べ!必殺うらごろし 第4話

第4話、「生きてる娘が死んだ自分を見た!」
なぜか急にすごく見たくなって「うらごろし」。
もうすぐ夏だから?!


夜中に目を覚ました若と正十は先生がいないのに気がつき、探し始める。
先生は木の葉の水をすくい、上ってくる太陽を見ている。
油問屋・百舌屋の娘、うめは病にかかっており、今日も女中のたつが付き添って医者に行っていた。

だいぶ良くなっているとのたつの報告に、後妻であるくには喜ぶが、うめはそれを浮かない表情で聞いていた。
くにはうめに転地治療を勧めるが、うめは首を縦に振らない。
早く良くなって、百舌屋の身代を継いでくれないと困るとくには言う。
たつが自分の故郷に行くことを勧め、榛名山の麓にむかったうめだが、途中発作を起こしてしまう。

通りがかった先生たちが気づき、正十は胸を患っているのに気づき飛びのいてしまう。
だが、若は伝染るのを気にする正十が止めるのも無視し、うめを背負ってたつの家まで連れて行く。
先生は、おばさんがどうしたの?と指摘するほど、うめを凝視していた。

若はたつの家に到着し、泊まっていってくれと言うたつに仲間が待っているからと去っていく。
うめは言われた通りの薬を服用して寝ていたが、世中、水音と壁を流れる血を見る。
恐ろしさにうめが起き上がると、真っ赤に染まった障子の影からもう1人の自分がフラフラと現れる。

「あなたは何の為に現れるの?私に死を告げに?それなら知っています」。
もう1人のうめは、悲しそうな顔をしてじっとこちらを見ている。
「どうせ、間もなく私は死んでしまうのです。それを告げたいなら、もう来ないで。お願い、そんな怖ろしい姿を見せないで」。

先生は宿場町に足を止めると、旗を地面に突き刺し、災いが起こると言う。
正十は金になると喜ぶが、おばさんはたしなめる。
気になったおばさんは、先生の売り込みに町に声をかけて回る。

百舌屋の前に来たおばさんに、使用人がお嬢さんの病…と言いかけたが、くには療養に出しているのだからと取り合わない。
先生は百舌屋にやはり、何かあると言う。
病とは違う、災いが。

先生とおばさんと正十がいるところに、おねむがやってくる。
正十はおねむの札を百舌屋に売りつけることを考える。
そして、正平と名乗って油職人として、百舌屋に入り込む。

札を売り込みに来た正十だが、くにと一緒にいた医師の宗丹は、目の前で迷信だと札を破り捨てた。
売れたかと聞きに来たおねむを水茶屋に連れ込んだ正十は、そこで、くにと宗丹が逢引をしているのを目撃する。
不審に思った正十は、宗丹がくにに渡した薬を表から木の枝を使って、くすねてくる。
その夜、うめは父親が庭で苦しそうに倒れたことを思い出す。

正十は先生の下へ走り、くすねてきた薬を見せる。
しかし、先生は夜の中、走っていく。
うめがフラフラとさまよっていた。

その頃、百舌屋ではうめが金を数えながら、番頭の紋兵エに、主人が自分につらく当たったことを思い出して話していた。
来月には紋兵エにも暖簾わけをしてやると、くには言った。
そこにうめが行方不明になったと言って、たつが駆け込んでくる。
うめは、おとっつぁんと言っていたと聞き、くにの顔色が変わる。

うめは父親の墓にいた。
おとっつぁんと泣きながら、うめは父の墓を掘り返し始める。
先生がそれを見ていた。

くには、うめは自分が毒を飲まされていることを知っていたとうろたえていた。
しかも、父親が毒殺されたことも知っていたのではないか。
1年かけて病人にしたのに、今、おうめに訴え出られたら何もかも水の泡だとくには叫ぶ。

父の骨にすがって泣くうめを見た先生は、うめの手を取り、霊視を始める。
もうじき太陽が昇る。
うめの心は開かれるだろう。
あなたは何を見た?と先生は放心状態のうめに問う。

雪の中、うめが苦しみもだえ、叫んでいた。
「私に死を告げに?そどうせ、間もなく私は死んでしまうのです」。
気絶して横たわるうめ。
先生は駆けつけたおばさんと若に、影の病だ、と言った。

これにかかった者はまもなく、死ぬ。
うめも父親と同じく、微量の毒を盛られ続け、死ぬのだ。
この子は毒と知って飲んでいる。

だが、うめはほっといてくれと言う。
死のうが生きようが勝手でしょう、と言ううめの言葉を聞いたおばさんは言う。
「勝手!そんな言い方がありますか」。
「死に掛けている人は助けたい。近しい人が死ねば悲しい!それが人間同士じゃないの?」

だが、うめは、「私の為に、誰も悲しまない」と言った。
「私が死ねば、喜ぶ人ばかり。だから私、早く死にたいんです」。
それを聞いた先生は、うめに言う。
「それは嘘だ。あんたは本当は死を恐れているんだ。その怖れが影の病だ。本当は生きたいんだ」。

うめは紙に包んだお金を渡し、これで私が死んだ後の後生でも祈ってくださいと言った。
それを聞いた若は怒った。
「さっきから聞いてりゃ、死ぬ、死ぬって!俺の弟はな、6つの時、労咳で死んだ!死にたくないって泣いても、助ける術もなかったんだ。そのつらさ、悲しさがてめえにわかるか!」

先生が必死に、激昂する若を羽交い絞めにして止める。
「それをてめえは助かるんじゃねえか!先生も助けたいって言ってるじゃねえか!それを何だ。思い上がるな!命の大切さを身にしみろ!」
若、お前が殴ったら相手が壊れちまうと先生は言うが、若は頭に来たと言う。

うめは、だって早く死にたい、おとっつぁんやおっかさんに会いたいと叫んで泣く。
「かわいそうに1人で耐えて来たんだね。つらかったろうよ。でも死んじゃいけない。あの世のご両親だって、こんな若いあんたが行ったら悲しむよ」。
おばさんはそう言って、うめを抱きしめる。
若はそれを見つめている。

「でも、私本当に治るんですか?」
先生は「毒は抜ける。影の病もあんたに生き残ろうとする気力がある限り治せる。金貰った以上は責任持って治す」と言った。
だけど、うめは怖い。

仮にも親だから、くにを訴えるのも怖い。
若は、うめに家出を勧める。
何もかも捨ててしまえ。

先生はうめが渡されている薬をなめてみたが、たちまち悶絶してしまう。
いつも草や木ばかり口にしているので、利いてしまうのだろうとおばさんは言う。
だが、うめが姿を消した。
うめは、百舌屋に戻ってしまったのだ。

くには、うめが戻ったと聞いて笑いを浮かべた。
早いところ、かたをつけてしまった方が良さそうだ。
宗丹は、薬を大量に飲ませるんだなと言った。

うめにくには優しそうに微笑み、良く帰ってきてくれたと言った。
女中のたつを下がらせ、宗丹がうめを診る。
うめの額に手を当てた宗丹は、熱があるので、今日は薬を多めに飲んだ方がいいと言うが、うめは拒絶する。
この薬でおとっつぁんも…、と言う、うめを押さえつけ、宗丹は薬を飲ませようとする。

宗丹を跳ね飛ばしたうめだが、諦めたように立ち上がり、「薬をください」と言った。
「さあ」と宗丹が薬を渡す。
うめは一気に飲み干した。

薬を飲んだうめの手が、湯飲みを落とす。
うめが動かなくなる。
宗丹と、くにが部屋を出て行く。

百舌屋に正十が探りを入れに来る。
もがいたうめが戸を倒して、縁側に倒れこむ。
助け起こそうとした正十だが、見つかりそうになり、部屋の奥に隠れる。

かけてきたくにと宗丹を見て、縁側のうめは笑った。
ふらふらしながら、くにと宗丹の元へ歩いてくる。
怯えた2人だが、うめは目の前で倒れた。

紋兵エと使用人の岩吉が、うめを墓に連れてきた。
うめは生きたい、殺さないでと叫ぶ。
紋兵エは五体バラバラにして、方々の墓に埋めろ、そうすればばれないと命令していた。

正十がうめが殺されたことを知らせに来た。
どこにいると聞かれて、墓場だと叫ぶ。
先生たちが急ぐ。
墓場の土の上、枯葉の上には鮮血が点々と続いていた。

正十が埋まっていたうめを見つける。
何で、何でうちになんて戻ったんだよ…、と若が嘆く。
「ひどい、ひどすぎる」とおばさんが崩れ落ちる。

「これだったんだ。あの子の、影の病はこれだったんだ。あの子は殺される自分を見ていた」。
「死ぬ覚悟だったあの子の心は、この殺される瞬間の悲しみや恨みを先に映し出していたんだな…」。
先生がつぶやく。

傍らには真っ赤な椿が咲いている。
正十も、悲しそうに見ている。
おばさん、若が何かを決意する。

百舌屋では仕事が終わり、紋兵エが火の後始末を確認していた。
誰もいなくなった部屋に、道具の立てる音が響く。
「誰だ!誰かいるのかい!」
道具が音を立てている。

見に来た紋兵エに向けて、おばさんが突然むしろを放り投げて立ち上がる。
うろたえた紋兵エの背後から、おばさんが匕首を突き立てる。
悲鳴をあげた紋兵エ。
「声が大きいよ!」

おばさんは紋兵エを刺したまま、言う。
「静かに地獄へ行きな」。
匕首を抜くと、紋兵エが崩れ落ちる。
おばさんが見下ろして笑みを浮かべる。

先生は若に、墓で若と正十に奴らが戻ってくると言った。
影の病に怯えたあの子に怯え、殺人者はまたここに戻ってくる、と。
先生には見えたのだ。
その言葉を合図に、先生と若、正十が散る。

あの子が死んだのをはっきり見ないと安心できない、と、くにが言いながら宗丹を連れてくる。
生霊とか死霊とか、そんなものがあってたまるか!と吐き捨てる宗丹。
死んで土の下だ、と言う宗丹と怯えるくにだが、その時、先生の声が響く。

「影だ!お前たちの罪の影だ!」
「お前たちの罪を赦そうとしたあの子を!せっかく生きようとしたあの子を!」
宗丹が誰だと叫ぶ。
旗が揚がり、飛んできて2人の前に刺さった。

悲鳴をあげて、くにが逃げる。
宗丹を振り上げ、人形のように振り回して先生は投げた。
地面に激突した宗丹は、口から血を流して絶命した。
腰を抜かしたくにに、先生は旗を突き刺した。

岩吉は若に捕まっていた。
若は岩吉を殴り飛ばし、倒れた岩吉に向けて大きな石を振り下ろした。
怯えながら、岩吉は絶命した。

翌日、正十は先生の後を歩きながら、わからないなあと言っていた。
影の病があるとして、どうしてもそれは避けられなかったのか、と。
「避けてやれなかった」と、先生は言う。

あの子の言うとおり、後生しか弔ってやれなかった。
自分は未熟だと言う先生に、正十は大声で先生は未熟だ!と言い、先生はうるさい!と答える。
「でも仇をとってやったじゃない」と、おねむが言う。

「それはそうだ、」と正十が言う。
落ち込んでいる風の若に、おばさんが「行こう、若」と声をかける。
若は立ち上がり、歩き出す。



これは、ドッペルゲンガー現象を扱った回なんですね。
ドッペルゲンガー。
ナレーションは、「ゲーテ、モーパッサン、芥川龍之介、泉鏡花が体験者だという」と言ってます。

はい、いつかも書きましたが、有名な話らしいですね。
「江戸時代の随筆には、影の病として書かれている。未来がなぜ、見えるのか」。
「この怖ろしい疑問にいまだ科学は答えを出していない」と続きます。

解説にもあるように、冒頭、うめが鳩を蹴散らしているのが、彼女の鬱屈とした内面を表していると思います。
うめという少女が、もう1人の自分の怖ろしい姿を目撃する。
壁という壁から血が流れてきて、もう1人の自分の背景も真っ赤。
これ、未来の自分だったという…、怖い。

それで、若の過去が少し出てきます。
弟が労咳で死んでいること、生きたがったのに為すすべもなかったこと。
だから若は正十が伝染ると避けたのに、放置しておけなかったこと。

おばさんの言葉も、今の方がずっと心に響く。
「死に掛けている人は助けたい。近しい人が死ねば悲しい!それが人間同士じゃないの?」
殺し屋の口から出る言葉としては変なのかもしれませんが、外道ではない殺し屋だから言える言葉でもあります。
人間じゃなくても、そうですよね。

だが、うめは、「私の為に、誰も悲しまない」と言う。
「私が死ねば、喜ぶ人ばかり。だから私、早く死にたいんです」。
遺品整理業をやっている人が、「そんな風に考えている人っていますけど、本人が思っている以上に泣く人はいるんですよ」って言ってました。
赤の他人、近所の住人でも、話も聞いてやれなかったと悔やむ人はいる、と。

うめは「早く死にたい、おとっつぁんやおっかさんに会いたい」と言う。
でも先生の、「それは嘘だ。あんたは本当は死を恐れているんだ」っていうのも事実だと思うんです。
うめはただ、現実がつらいんですね。
優しい両親がいた時に戻りたい。

本人は本人で、すごくつらくて、もう目の前の死しか考えられないのかもしれません。
ですが、愛する者を見送るしかなかった若の怒りもわかります。
解説にありますが、毒と知って飲んでいるうめの、これは自殺なんですね。

察したおばさんが、「かわいそうに1人で耐えて来たんだね。つらかったろうよ。でも死んじゃいけない。あの世のご両親だって、こんな若いあんたが行ったら悲しむよ」とあの声で言うから泣ける。
それがあの結末ですから。

うらごろしは死者の声を聞いて仇を討つというのが基本ですけど、あんまりひどい。
何もあんな殺し方しなくたってー!
だからか、先生の殺しがすごい。

もう、人形ですよ。
ぶんぶん振り回して投げて、ここ、笑うところでしたか?ってぐらい。
まあ、笑いも必要でしょうか。
くにだって女性だけど容赦しない。

おばさんの殺しは凄みを増してきました。
まるで子供を叱るように、「声が大きいよ!」
言い聞かせるように、「静かに地獄へ行きな」。
若は石を振り下ろすというリアルさ。

笑いといえば、正十のパートは笑えます。
何ですか、潜入する時の偽名「正平」って。
もう、正十と正八と正平が混ざってしまった。
ついにおねむ相手に思いを遂げた正十の、おねむのリアクションにショックを受ける様もおかしい…。

自然のものばかり食している先生が、毒を口にして動けなくなるのも、何か納得でおかしい。
体に悪いものには、敏感なんですね~。
それに対して、おばさんも若も正十もあんまり心配してないのも、納得でおかしい。

ラスト、悔いる先生。
茶化す正十。
ぼけーっとしているようで、的確なことを言ってくれるおねむ。

本当は誰よりも生きてほしかったうめを思って座り込む若。
若に声をかけて、前進をうながすおばさん。
言われていることですが、孤独で心の傷を持った人が集まって、まるで家族みたいな、うらごろし一行です。


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