こたつねこカフェ

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「目指すのは全員生還」 坂の上の雲 第9話

第9話、「広瀬死す」。



軍艦三笠は命令を受け、東郷平八郎を司令長官として、真之も参謀として参加。
旅順から日本居留民が去って行く。
それを奇異の目で見ながら、極東総督アレクセイエフは動かない。

連合艦隊は佐世保港から出撃し、季子はそれをじっと見守る。
ロシア大使館駐在武官の明石元二郎は、あまり関心を示さない大使らに対し、革命への工作にさらなる資金を要求していた。
日本の奇襲攻撃が始まった。

その夜、ロシアの司令官らはマリア祭という、聖母と同じ名の女性を祝福する祭りでダンスに興じていた。
広瀬とアリアズナを巡って戦い、友情で結ばれた軍人・ボリスは不穏なものを感じていた。
部下が日本から攻撃を受けているのに、提督たちはパーティをやめない。

貴婦人は砲撃の光を、自分たちへの祝砲と思っていた。
甲板に出たボリスは、海に投げ出された。
砲撃と魚雷攻撃。

奇襲攻撃は一応の成功はしたが、水雷部隊も極めて不手際であり、戦果は乏しかった。
皇帝・ニコライは自分の寛大なる譲歩を日本が跳ね返してきたと怒る。
しかし、外務大臣はニコライの言葉が日本側に伝えられていない、アレクセイエフで止まっていると言う。

アレクセイエフは日本との戦争で一山当てようと考えているだけである、とも。
だが、日本が国交断絶を突きつけてきたからには、御前会議を開かねばならない。
ニコライは極東の猿が帝国ロシアと戦争などできるわけがない、とあくまで現実を見ていなかった。
結局、ニコライが御前会議を開いたのは、それから2日後だった。

アレクセイエフは兵士を見殺しにし、これは宣戦布告なしで攻撃した日本を卑怯と、孤立するように世界の論調を誘導する方法にかかった。
だが、この時代、戦争に必ずしも宣戦布告は必要でなく、この作戦は日英同盟を結んでいるイギリスや、伊藤博文の金子を使ったアメリカへの訴えかけなどで失敗する。

ニコライは宣戦布告、日本とロシアは戦争に入った。
日本では号外が配られ、国威は掲揚するが、号外を受け取った律は「ついに戦争が始まってしもうた」と季子の元へ走る。
すると、真之と季子の家の玄関に男物の革靴があった。

律は驚くが、季子の父親が来ていたのだった。
温厚な父親もまた、号外を手にしており、真之たち連合艦隊を誇りに思うと胸を張った。
季子は自分は大丈夫だと笑うが、律は季子の気丈な態度に愛する者が戦争に行く苦しみと不安を述べる。

すると、季子は律に自分の本当の心情を打ち明けた。
季子のその不安に対し、律は季子の用心棒を引き受けると言った。
律の頼もしさと明るさに季子は笑い、よろしくお願いしますと頭を下げた。

そして、ロシアの旅順艦隊は港に引きこもる消極作戦に出た。
こうなっては日本は動けない。
バルチック艦隊が来て、旅順艦隊と一緒になれば、とうてい日本は勝てないだろう。

今、旅順艦隊を壊滅に追い込むしかない。
旅順のロシア艦隊を攻撃するに当たって、有馬良橘(加藤雅也)は旅順港を封鎖する閉塞作戦を提案。
真之は兵の犠牲が多すぎる、と反対する。

最初からたくさんの兵を死なせるのを前提にするならば、作戦参謀など要らない。
しかし、かつて真之がアメリカで米西戦争の、対スペイン艦隊に勝利した作戦としてこの閉塞作戦に感心した事実を有馬は持ち出し、真之の意見を封じようとする。

これは日本とは違いアメリカが圧倒的な火力を持ってこその差と真之は言うが、有馬の作戦が採用される。
有馬は昼間の攻撃を主張したが、これには東郷は真之のせめて夜に紛れて…という意見を採用する。
自ら死ぬつもりで最前線に行くなら良いだろうと有馬は言い、実行隊の部隊長に戦艦朝日の水雷長の広瀬を任命した。

広瀬と真之は再会し、真之は「わしが目指すのは兵士全員生還の作戦じゃ」と言う。
「全員生還できる作戦など、ありえんき」と広瀬は覚悟していた。
生きては帰れない作戦なのに、志願する兵は多かった。

血書を書く者までいた。
有馬は、兵を奮い立たせる作戦ほど良い作戦だと言う。
しかし、真之は兵を生かして返してこそ作戦だという意見だった。

広瀬はロシア軍に対し、自分の名と、例え戦っても友人であること、戦争が終わったらまた一杯飲もうというメッセージを船に掲げる。
それを通訳してもらい、見つめる真之。
後日、海に浮かんだ広瀬のメッセージを読んだボリスは「タケオ…、ここに来ているのか」と言う。

一度目の閉塞は上手くいかず、広瀬も足を負傷して帰ってきた。
次は失敗せん!と言う広瀬に真之は夜間の攻撃を主張した自分が誤っていたのではと悩む。
しかし広瀬は、次も夜間の攻撃を決意する。

出撃を前に、広瀬は、アリアズナからの手紙を読み返していた。
そこに来た真之に広瀬は、もう一度、好古が見ている縁側で、真之と餅食い競争がしたいなと言う。
平和だった時のロシア、アリアズナと手を取り、湖の日差しを見ていた広瀬。
アリアズナへ手紙を書いた広瀬は、真之に手紙を託す。

新しく旅順艦隊の司令に、その名が轟くマカロフ中将がついた。
マカロフを迎え、旅順艦隊の士気はあがる。
広瀬も何か作戦を考えているだろう、とマカロフは言う。

ロシアにいるアリアズナは、広瀬の国・日本と戦わなければならないことを知り、雪の中走り、教会で神に祈り、涙をこぼす。
マカロフは汽船をあらかじめ沈めておいて航路を塞ぎ、そこで航路をそらしたところを駆逐艦で攻撃する案を立案。

やがて福井丸に広瀬、千代丸に有馬が乗った閉塞作戦が始まる。
だが、この作戦は待ち受けていたロシアから、激しい砲撃を受けた。
福井丸も、果敢に応戦する。

碇を入れ、港を塞ごうとして福井丸は魚雷を受けた。
船は轟音と火炎をあげて燃え上がり、広瀬は全員に退却命令を出す。
脱出の小船に乗組員が乗り、点呼する。

だが、1人いない。
杉野という兵士がいない。
「海に落ちたかもしれない」と部下がいうが、「お前はそれを見たのか?臆測で言うな!」と広瀬は言い、艦に戻る。
「杉野はどこだ」と叫びながら、広瀬は艦内を探し回る。

1人も死なせはしない、全員で生還する作戦を立てる、と言った真之。
必死で杉野を探し回る広瀬。
燃え上がる艦隊。
広瀬は杉野、すまないと言って戻る。

降り注ぐ砲弾、広瀬は乗組員たちにオールをこがせる。
1人の乗組員が撃たれる。
乗組員がパニックに陥らないよう、広瀬は落ち着かせ、「そーれ」と声をあげて、乗組員たちは再びオールをこぐ。

指揮をとる広瀬に、ロシア軍のサーチライトが当たった。
走馬灯のように、広瀬にロシアのアリアズナとの日々が蘇る。
美しいアリアズナ、美しいロシアの風景。

兵士の1人が、呆然としている。
顔に血が飛び散っている。
船にも。
広瀬が、広瀬少佐がいない。

少佐!と叫ぶ乗組員。
広瀬の持っていたアリアズナから渡された、ペンダントロケットの蓋が開いて海底に沈んでいく。
懐中時計とアリアズナの肖像が、海の外からの光に照らされて海底に沈む。
「少佐がやられました!少佐あー!」と乗組員が絶叫する。

広瀬をはじめ、有馬は戦死者の報告をする。
全責任は自分にある、と有馬は言う。
自分にも責任があると真之は言おうとするが、有馬は真之を抑えた。

ロシアの海軍は、旅順沖で将校らしい遺体を引き上げた。
それは広瀬と思われた。
ロシア軍は、丁重に埋葬する。

第2の故郷、ロシアと兵士への思いが書かれた布に包まれた広瀬の棺。
ボリスは花を捧げた。
さよなら、タケオ…。
ロシアの新聞も、広瀬の死を報じていた。

真之が預かった手紙は中立国を経て、アリアズナに届いた。
ロシア将校の娘でもあるアリアズナだが、広瀬は未来の夫と定めていた。
悲しみのアリアズナは喪に服した。

真之は思い出す。
広瀬と過ごした、海軍学校の日々。
餅を食う競争、柔道。

制海権をとろうとした海軍。
その窮状に、陸軍が要塞を破壊することが要求される。
世界最強と呼ばれるコサック兵を相手にしなければならない好古の陸軍にもまた、出撃の要請が来る。

日本が初めて迎える近代戦争。
要塞、というのは、まさにその象徴だった。
日本は近代というものを、血をもって知ることになる。



ロシアより愛を込めて。
ええ、ニコライの戦争を避ける為の譲歩案を握りつぶし、部下が砲撃をくわえられているのにダンスに興じている司令官。
どーしようもないのが、上にいますね。

人の命が危ないわけでしょう。
なのに、全然平気。
人を数とみなしてますけど、人の代わりっているようでいないですよね。

一人前に兵隊というか、人間を育てるのにどれだけ時間かかると思ってんでしょう。
人材って、一番大事じゃないですか。
それがわからない人の下って、軍隊じゃなくても嫌ですね。

ニコライ皇帝は、ロシアの頭の部分が腐っていることを直視してません。
ここのところ、フランス革命のマリー・アントワネットと似ていますね。
お気に入りの臣下とお気に入りの場所で、ひたすら現実を見ないで楽しく過ごす。
「わたくしは退屈するのが怖かったのです」。

ニコライはそんなこと言わなかったですけど、見たくないものを見るって、ほんと、勇気がいるんですね。
まあ、この時のロシアは頭から腐ってるっていうか、明石元二郎の工作が生きる下地は十分というか。
それに対して、部下の命を最優先にする真之。
対照的です。

この明石元二郎さんね、工作の為の資金を要求してましたけど、この方、ちゃんと明細書出してたらしい。
あまった資金は着服などせず、ちゃんと返してたそうですよ。
不動産購入なんかしなかったんですね。

この方の働きって、この方が革命起こしたわけじゃないけど、「戦艦ポチョムキン」事件とか起きたのは、この方の動きの為らしく、実際レーニンが感謝したらしい。
…全然、話がずれました。

ずれたついでに?もうちょっと。
「戦艦ポチョムキン」って白黒のふる~い映画を、新宿で見たことがあります。
「怪人マブゼ」とか「カリガリ博士」とか、「フリークス」「ピンクフラミンゴ」なんかを上映していた映画館です。

…すごいラインナップ。
今でもあるんでしょうか、この映画館。
「戦艦ポチョムキン」は戦艦ポチョムキンの、水兵の反乱を描いた映画。

この中に「オデッサの階段」という場面があって、乳母車が階段を落ちていくんですね。
銃弾飛び交う中、階段を落ちていく乳母車。
後にブライアン・デ・パルマ監督の「アンタッチャブル」がこの場面を採用したんですが、「あっ、ここが戦艦ポチョムキンなんだな!」と。
実際にはコサック兵による「オデッサの階段虐殺事件」って、なかったらしいですけど。

戦艦ポチョムキンの「ポチョムキン」は、ロシア帝国の軍人、グリゴリー・アレクサンドロヴィチ・ポチョムキンのこと。
女帝エカテリーナの愛人だった人ですね。
池田理代子さんは「オルフェウスの窓」でロシア革命も描きましたが、「女帝エカテリーナ」も描いてます。

この中でポチョムキンは、どちらもどんな愛人をもっても2人の絆を確信していました。
でもエカテリーナの心が若い愛人に向いてしまったことをポチョムキンは嘆き、やがて病死。
しかしポチョムキンが心離れたと思っていたエカテリーナは、ポチョムキンの死をパニックのようになって嘆きました。

もう、何か「坂の上の雲」から脱線してばっかり。
すみません。
さて、日本の連合艦隊でも有馬が「人を高揚させる作戦が一番いい」と言います。
精神は、ものすごく大切だと思います。
でもこういう精神論が、戦いを悲惨にさせるんだなとも思いました。

人を大切にする司令官というのは、広瀬でも思います。
広瀬は部下を探して逃げなくて、それで直撃をくらって死んだというので、軍神として祀られたんでしたっけか。
東京のどこかに銅像もあったんですが、GHQが撤去しちゃったんですよね、確か。
「杉野はどこだ!」が出てきます。

これ、探して全員を危険にさらす方がまずいんじゃないか、という意見もありますね。
確かに、どれだけの人間にどんな犠牲を強いるか、それを納得させるか。
そしてどれだけの者を救うか、の決断が迫られるのが司令官とか、政治家だと思います。
こういう時、見捨てるのも司令官の仕事で、だからものすごく司令官の責任って重いんだとも思います。

決して、安易に権力に憧れてなるもんじゃない、って思いますよ。
大きな権力には、大きな責任と決断が伴う。
今の与党にはその責任も、覚悟もないみたいですけど。

律と季子、同じ不安を抱えるもの同士、心が休まる。
季子を守ることで、律は不安を和らげられる。
彼女を支えることで、律は強くいられるんでしょうね。
一方、好古も覚悟は決めている。

わかってないのは、戦争に沸く市民かも。
近代戦争とは関が原で兵士がやるもんじゃない。
日本人は血を持ってそれを知らなければならない。
これから、つらい時代が来ますね。

広瀬の死は、綺麗に演出されていました。
美しいロシア、美しいアリアズナ。
広瀬は相当凄惨な状態で発見されたと聞きましたが、それを描写するより、美しい過去を見せた方が残酷さが増しました。

海面から光。
その中をゆっくりと沈んでいくアリアズナの肖像、懐中時計。
愛された広瀬はロシア軍によって、手厚く葬られました。

こういうことしなくなったのは、革命後、スターリンの軍隊になってからですか?
古きよき軍人のボリスは革命後、どうなったんでしょうね。
来年、ロシア革命も描かれるのかな?

しかし、本木さんって良い俳優さんになりましたね。
ショーケンや三浦友和さんが出た映画「226」の時なんて、映画評で「こんな顔つきの軍人はいない!」なんて言われていたのが嘘のよう。
こういう経験が、今の本木さんを作ってきたんだと思いました。


さて、2年目の「坂の上の雲」。
最終章は来年です。
1年って短いようで、結構、いろんな変化があったりもしますね…。

去年の今頃、かわいがっていた猫がいないなんて思ってなかったですし。
来年、何事もなく、また「坂の上の雲」を楽しみたいものです。
ほんとに。


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