4日に映画「サウンド・オブ・ミュージック」が放送されていました。
「古い」というのは簡単ですが、これは後にいろんな形で使われる教師や家庭教師もの、厳格な父親と衝突しながらも愛をはぐくむパターンの原型があるな、と思いました。

見ていて、思ったのですが、トラップ大佐は厳格な父親であったけれど、どちらかというと不器用な男だということ。
でも、本来は音楽好きな明るい男であったと。
なくなった音楽好きの妻と一緒の時は、そうだったはず。

いや、元々そういう人だったから、そういう妻と一緒になったんでしょう。
妻がいなくなって、トラップ大佐は子供たちと接するのに、厳格な父親として規律を持って接するしかなかった。
実直だけど、不器用な軍人さん。
でも誠実な軍人さんだった。

それをマリアは音楽で、一気にトラップ大佐を元に戻してしまった。
子供たちの歌声を聴いて、思わず、歌ったトラップ大佐。
歌は一気に、父親と子供、そしてマリアとの距離を縮めた。

そして、お転婆娘マリアの恋心。
マリアの、女性としての成長も描いている。
子供たちがマリアに心を許した時と同じで、ここは見ている方に、すごく自然に歌の力で心の和解を納得させる。

男爵夫人のマリアの追い出し方も、マリアが出て行った後に「乾杯でもしたい気分なの」と言うのも、美しく品があってもやっぱり女だなと改めて思いました。
しかしその後、トラップ大佐から結婚解消を求められ、アッサリ受け入れたのは、やっぱり…とわかっていたんでしょうね。
男爵夫人の自分が、修道女に敗北するのも認めたくなかったし。

ほのぼのミュージカルだと思ったのは、ここまで。
後は戦争、ナチスの暗い影が画面に漂ってくる。
それを観客に知らせる為、鐘の音と軍隊の行進が映る。

新婚旅行から戻ったトラップ大佐の家には、ハーケンクロイツの旗が掲げられている。
トラップ大佐はそれを引き摺り下ろすが、ベルリンへの召喚状が来る。
音楽祭にまぎれて、大佐一家はオーストリア脱出を計る。

この家ともお別れ。
祖国とお別れ。
いつかまた、この家に、祖国に戻れる日が来るだろうか。
きっと来るわ。

胸が詰まったトラップ大佐は思わず、歌を途切れさせる。
サポートするマリア、そして子供たち。
家族の絆。

そして「エーデルワイス」の歌。
抵抗歌は一切いけないということで歌っていないが、このオーストリア国歌を観客も合唱する。
最前列に座っているナチス高官たちが、振り向く。

ナチスの協力者で、現在は権力に酔っている男が不快な表情をする。
彼は終戦後、どうなっただろう。
祖国を大事にしなかった男の末路など、聞くまでもないと思うけど。

誰もが、しんみりと、でも心にオーストリアの誇りを持って、歌っている。
その毅然とした態度、祖国への愛。
祖国がドイツに併合されようと、なんだろうと、この心を失わせることはできない。
あなたたちにできることは、武力で制圧することだけだ。

そう言いたげな歌声。
これほどの抵抗ってないんじゃないか。
そして審査の時間中の脱出。

審査の時、やたらに時間を稼ぐおばちゃまがカットされていたのは残念。
しかし、トラップ一家はマリアのいた修道院に駆け込む。
そして修道女たちは、ナチスの車を故障させ、協力した。

一家が隠れていたところに、探しに来たのは長女の恋人だった。
彼との恋に夢中な長女が歌う、「もうすぐ17歳」(SIXTEEN GOING ON SEVENTEEN)はCMでも使われている名曲ですね。
ショックを受ける長女。
だが、見つかるわけにいかない。

彼はまだ若い。
ナチスのかっこよさ、強さに憧れてしまっていた。
これから後のヨーロッパで起きた戦争、彼はどうしただろうか。
彼の前に姿を現す大佐。

しかし、彼はトラップ一家を捕えることはできない。
自分たちが用があるのは大佐だけだと言う彼に、大佐は君は彼らのようにはなれない、と言う。
まるで自分の弱さを断ち切るように、青年は大佐を発見したと声をあげて上官を呼ぶ。

トラップ一家はアルプスを登り、亡命する。
「全ての山を登れ」という歌と、子供を背負って山越えをするトラップ大佐、山を登って亡命するマリアと子供たちが現れる。
美しい緑の山。

このラストシーンの意味。
♪全ての山を登り、全ての川を渡り、空にかかる全ての虹を追いなさい。あなたの愛を託せる夢を見つけなさい。そしてあなたの人生を託せる夢を見つけなさい♪の歌詞の意味がここにかかってくる。
これは反戦映画であり、人生の応援歌である映画だった。

いやー、改めて見て、すごい名作だとわかりました。
60年代のアメリカ映画だけど、力がある。
人々に希望を与える力がある。
映画に力があるとしたら、これですね。

アメリカはいろいろ問題があっても、こういうものを作れた。
だぁら今でも何となくすごいなと思われてたりするんじゃないかと思いました。
不朽の名作とは、こういう映画のことを言うのでしょう。

子供の頃、見ておいてよかった。
今もまた、見て良さがわかる。
これを子供に見せてくれた親の気持ちも、すごくありがたいと思える映画です。



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うわー、こんな昔の作品も、ブルーレイになっているんですね。
これはうれしい。


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2011.01.06 / Top↑
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