時代劇専門チャンネルで、大河ドラマの再放送をしています。
再放送して欲しいと思う大河ドラマ、たくさんあります。
緒形拳さんと石坂浩二さんの「太閤記」とか、見たいですよ。

もう見られないと思っていた、「風と雲と虹と」も見られました。
奥方が京都から将門様が帰るたび、「お連れの方は」と従者に聞いていたのを覚えています。
要するに、側室を作ったのではないか。
誰か、他の人を好きになったんじゃないかと聞いているんですね。

真面目な将門様は、いつもお1人で帰宅なさる。
だから従者は「いいえ」と、いつも答える。
奥方は、そっと微笑んでいた。
それがある時は、従者が口ごもる。

「お連れが…、いらっしゃるのですね」。
それが、吉永小百合さん演じる側室。
将門様の幼馴染の貞盛の恋人でもあり、京都で遊女に身を落とした女性だった。

最後、将門様が討たれる。
私が覚えているのは、屋敷に暴徒と化した兵たちがなだれ込んできた時です。
美しい彼女を見つけた兵たちは、大喜び。
大勢の男たちは、彼女を担ぎ上げます。

その時、彼女は心の中で、ずっと経文を唱えている。
もう、自分の運命を覚悟しているんですね。
そして、うっすらと笑みを浮かべる。

経文と、笑み。
この哀れさ、残酷さ。
身に迫る迫力が、忘れられません。

それを見た男たちは、「おお、姫が笑っているぞ!」
「この姫は笑っている!」と、一層熱狂する。
しかし次の場面では、彼女は仰向けになり、身じろぎもしない。

後で知ったのですが、彼女はいろいろと不運な女性だったんですね。
しかし、いろんなことが子供過ぎて、よくわかっていない当時。
彼女は将門と幼馴染の貞盛との間を行ったり来たりする、フラフラとした女性に見えたものです。

あの時代、彼女のような女性は、そうすることでしか生きていく方法がなかった。
とても不運なことが、重なった。
そういうことは、後でわかったこと。

侍女の桔梗も、殺されます。
桔梗が殺された桔梗が原は、今でも桔梗が咲かないと言われている…というナレーションが流れました。
戦に負ける武将は、こういうこともわかっているから、さぞ、無念だったと思いますね。

そして、物語の最後。
将門様の妻子まで捕えよと言った経基の近くに雷が落ちたり、次々と関係者が雷で打たれてなくなる。
錯乱して刀を天に向かって掲げたところに、雷が落ちるさまは怖ろしい。

しかも討伐軍として加わった貞盛が、将門には火雷天神がついていると言う。
菅原道真の怨霊騒動がまだ、記憶に新しい都の者たちにとって、これは恐怖。
貞盛なんて嫌な役っぽいですが、彼も苦悩の果てに討伐軍に加わり、先頭で向かっていたのですね。

忍びのような玄明(はるあき)は、若き日の草刈正雄さんが演じていました。
同じく反乱を起こした藤原純友の忍びの「オババ」は、吉行和子さんだったかなあ。
純友は、緒形拳さん。
このオババは年齢不詳で、子供にまで化けられる。

将門様が討たれて玄明は、オババに「すべて終わった」と言う。
すると、オババは「しんではいない」と言う。
「心の中にいると言うのか」と玄明が聞くと、オババは「いや」「何万回でも生まれ変わる」と言う。

「では生まれ変わるのを待とう」と玄明が言うと、空に虹がかかっている。
馬のひづめの音が響き、将門様が人々とともに進軍していく姿が見える。
「将門は、死なず今も生きている」。
この語りで、終わったんですね。

主演は、加藤剛さん。
これ、本当に良かった。
良かった、良かった、フィルムが残っていて、本当に良かった!

翌年の「花神」は、ちょっと理解するのが難しかった。
でも、今見るとこれもすごくおもしろい。
「黄金の日日」では、やはり夏目雅子さんが美しい。
根津甚八さんが彼女を失って、錯乱するのも納得。

「草燃える」では岩下志麻さんが、すごい迫力だった。
「おんな太閤記」は放送当時、盛り上がったはず。
翌年の「峠の群像」主演の緒形さんは、「去年が派手だったから今年はね。でもそれがいい。透明感ある静かな大河だと思っている」とおっしゃってました。

「徳川家康」では、夏目雅子さんが淀君。
織田信長の役所広司さんと、濃姫の藤真利子さんが良かった。
秀吉を演じた武田鉄矢さんも、話題になったはず。
「ひろいを頼む」と言い続けながら、家康の手を取る秀吉に無常を感じました。

そして、近代史の大河ドラマも作られるようになります。
「山河燃ゆ」では、兄弟が日米軍に分かれて対峙したシーンに涙しました。
綿引勝彦さんが演じた、嫌な軍曹がうまかったです。

「バナナ野郎」と蔑まれてもアメリカ軍人として生きた沢田研二さんも良かった。
東京裁判の中、チューインガムを噛んでいる沢田さん。
キャスティングが、ものすごくうまかった。

戦後、軍隊では臆病者扱いされていた矢崎滋さんがどんどん、商才を発揮していく。
彼をいじめていた軍の上官は、落ちぶれていく。
精一杯の虚勢を張って威張る彼のプライドを傷つけずに、金を融通してやる優しさ。
威張っていながらも自分のみじめさに気付いている、元の上官。

戦前、戦中、戦後、と変わっていく世の中、変わっていく日本、変わっていく人々と立場。
戦勝国の人間でもあり、敗戦国の人間でもある主人公の弟の、西田敏行さんが素晴らしかった。
主人公である兄の最後の身の処し方は、あれで良かったのか。
兄を発見した弟、彼の心の恋人はどう思っただろうか。

戦争と国家と、個人。
その流れにあらがえず、飲み込まれていく人たち。
人間の運命が人生が、こうやって押し流され、変わっていったこと。
残酷な時代を、思想云々を交えず描いていたと今は思います。

やはり、昭和を舞台にした大河ドラマ「いのち」。
戦後、農地改革により、小作人だった人たちが農地を手にする。
地主たちが没落する。

「いい気味だ」と言う妻に対して、自分の働いていた地主家族にそんなことを言ったらたたき出す!と怒る伊武雅刀さん。
彼は自分に教育を受けさせてくれた一家に、終生恩義を感じ、尽くす。
この辺りの昭和史の大河ドラマも、思い出深いです。
あー、全部見たい。

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2017.05.21 / Top↑
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