こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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でも俺は安らかだと信じている 「僕と彼女と彼女の生きる道」第7回

「僕と彼女と彼女の生きる道」、第7回。


徹朗に、井上部長が飛び下り自殺したという連絡が入る。
幸い、命は助かったが、意識が戻らない。
遺書はないが、井上部長は常務になれなかったらしい。
会社は人事が原因であることには知らぬ振りをするのは確実だし、井上部長はどう扱われるのだろう。

義朗の面会時間を気にした為に、井上部長がいつもと違う様子なのを徹朗は放置して行ってしまった。
あれからすぐ、井上部長は飛び降りたのだ。
井上部長が自殺を図ったことを知った義朗は、お前をかわいがってくれていた人か、と驚いたが、徹朗は「親父のせいだからな!」と言ってしまった。
徹朗は怒りと悲しみをぶつけるしかなかった。

ゆらは徹朗に、ココアを淹れてくれた。
体が温まって来る。
心も温まった気がした徹朗は思わず、「おいしい」と言った。

翌朝、徹朗は凛に、これから毎朝、野菜や果物の特製ジュースを作ると言った。
凛は、うれしそうだった。
娘との絆。
徹朗は今、凛が喜ぶのがうれしい。

意識を取り戻した井上部長を、徹朗は見舞おうとした。
断られると思っていたが、意外にも井上部長の奥さんは「お会いすると言ってます」と言った。
井上部長は、ぼんやりとした表情で、包帯だらけでベッドの上にいた。

「良い天気だなあ」。
天気のことなど気にしたことのなかった部長が、しみじみと日差しを浴びて言う。
「すべてのことが、遠い昔のことに思えるよ」。
仕事の鬼だったのが、嘘のような穏やかな表情と口調だった。

「奥さんに怒られちゃったよ。息子と娘にも」。
そう言うと、井上部長は泣き始めた。
今まで見せたことのない、人間らしい井上部長の顔。

すぐに笑顔に戻った井上部長は、徹朗に「新しい仕事も子供のことも、うまくいくといいな」と言った。
そんなことを言うとは、思わなかった。
「おまえならきっと、うまくいく」。

仕事しか顧みなかった井上部長は、今、家族は自分が思っている以上に、自分を思っていることに気づいた。
家族の絆。
井上部長は、それに気づき、その大切さに気づいた。

「はい」と徹朗は返事した。
井上部長に徹朗は、必ず接待のカラオケで歌う「シクラメンのかおり」について、やめた方がいいと言った。
そんなことを言ったのは、初めてだった。

言える雰囲気が、あった。
「あれは歌が上手い人が歌うならいいんですけど…」。
聞いている方が苦しい。
徹朗の言葉に、井上部長は「そうかあ!」と言って笑った。

徹朗は今までにない気持ちで、病室を出た。
スーパーでゆらに会った。
「井上部長、もう大丈夫です」と徹朗は言った。

ゆらは友人の結婚披露宴の後らしく、今までとまったく違ってドレスを着ていた。
雰囲気がまるで違う。
「よかった」と、ゆらは笑った。
徹朗はゆらと一緒にスーパーを出て、歩道橋の上で立ち止まって話した。

雰囲気の違うゆらに、少し戸惑っていた時、美奈子が通りかかった。
美奈子は2人に気づいて、徹朗に声をかけた。
ゆらは美奈子に気づき、挨拶をして、去って行った。

ドレスアップしたゆらを見送りながら、美奈子は徹朗に「これからどなたかと、おつきあいすることがあると思うの」と言い始めた。
「でも、凛ちゃんのことだけは、ちゃんと考えてあげてね」。
美奈子は、徹朗がゆらに惹かれているのではないかと思っている。
だから徹朗は笑って、「そういうことは全然考えてませんから」と答えた。

その頃、井上部長の病室は騒然としていた。
井上部長の病室に医師と看護師がかけていく。
そして、妻が泣き崩れた。
井上部長は、容態が急変し、亡くなった。

徹朗の元に、訃報が入る。
最後の、井上部長の笑顔。
部署の全員が重い気持ちになり、マミは泣いた。
徹朗も葬儀に出た。

部署に、新しい部長が来た。
ゼロ金利についての企画を聞かれた徹朗は、岸本が担当だと話した。
部長は徹朗がみどり銀行を退職することについて、「お前も負け組か」と言い放った。
だが、徹朗は平然としていた。

新しい部長の歓迎会に、徹朗も出た。
カラオケで誰もリクエストしていない「シクラメンのかおり」がかかった。
部長はスイッチを切ったが、歌は再びかかった。

もう一度、キャンセルしたが、歌はかかる。
何度もかかる。
部長が苛立ち、そして少し怯える。
宮林や岸本が見ると、隅に座った徹朗はそっとVサインを出した。

徹朗はトイレに立った。
水を出して、鏡を見る。
たった1人になった時、徹朗の涙腺が決壊した。
井上部長の、笑顔が蘇る。

徹朗は思う。
彼を負けた人間だと、人は言うだろう。
でも俺は、彼が安らかに眠りについたと信じている。
最後の最後にかけがえのない家族との絆を、知ったのだから。

徹朗の送別会には、宮林も岸本も来られず、マミだけがやってきた。
居酒屋で向かい合って、マミがビールを頼んだが、徹朗はもうやめておくと言った。
マミは徹朗を「徹朗さん」と呼んだ。

もう支店長代理じゃないんだから、名前で呼ぶのだと言うマミに徹朗は「小柳さんでいいよ」と言う。
その時、徹朗の携帯電話が鳴った。
義朗だった。

病室で一緒だった人の融資の話を聞いてもらいたいと言った。
徹朗は、「俺、きょう銀行を辞めたんだ」と告げた。
義朗は絶句し、次に激怒した。

あまりの激怒に徹朗は「キングバーンスタイン証券にヘッドハンティングされた」と言ってみた。
すると義朗は「そうか!やったな!」と言う。
だが、次に徹朗は「う、そ」と言った。

「どうして嘘なんかつく。みどり銀行を辞めたのも、嘘なのか」。
「それは本当」。
「何故、俺に断りもなしに辞めたりするんだ。誰がおまえを立派に育てたと思ってる?」。

徹朗はこれ以上、話す気になれず、電話を切った。
席に戻った徹朗は、頼む気がなかったビールを頼んだ。
マミを前に、徹朗は珍しく酔いつぶれた。

偶然、同じ居酒屋にゆらが亜希と映画を見た帰りに来ていた。
洗面所で、ゆらとマミは顔を合わせたが、お互い知らない。
席に戻ったマミは、徹朗を揺り起こした。
ゆらが酔いつぶれている徹朗に気づく。

マミがこちらを見てるのに気づくと、ゆらは「私、知り合いのものです」と言った。
「せっかくのデートなのに」とマミは言った。
自分の出る幕じゃない、とゆらは挨拶をして出て行く。

徹朗をマミが自宅まで送っていく。
楽しそうなマミだが、廊下に凛がいるのに、気づく。
「お父さん、寝てるんですか?」。
「お酒をちょっと飲みすぎちゃったの」。

凛に教えられて、マミは徹朗をベッドまで運んだ。
その頃、ゆらはベッドの上で寝返りを打っていた。
眠れない。

ゆらは起き上がると、この前、焦がしてしまった鍋の焦げ付きを取り始める。
ゴシゴシ、強くこする。
もやもやした何かを、振り切るようにゆらは鍋を洗う。

翌朝、ベッドの上で徹朗はYシャツ姿で目覚めた。
凛に、「一緒にベッドまで運んでくれたのか。ゴメンな」と言う。
凛とジュースを作っていると、新しい勤め先のニコニコ信用金庫から電話がかかってきた。

徹朗が信用金庫に向かうと、人事は思ってもいなかったことを告げてきた。
残業なしの時間通りの希望部署の設置は、延期になった。
代わりに法人営業部の部長として、迎えたい、と。

だが徹朗は断った。
今回のことは縁がなかったということになった。
そして、その頃、家にいる凛に空港から電話がかかってきていた。

「凛?」
可奈子だった。
呆然としている徹朗は、思わずゆらに電話していた。
だが、ゆらは出ることが出来ない。

電話を見つめたまま、ゆらは出なかった。
ぷつ、と電話が切れた。
ゆらも、徹朗も、気持ちのやり場がなかった。



井上部長が自殺という、思わぬ展開。
そして、それだけでここからが泣けました。
今まで見せたことがない、井上部長の表情。
まるで憑き物が落ちてしまったかのよう。

おそらく、何年もまともに気に留めなかったであろう良い天気。
日差しを浴びて、井上部長は呆けたように見える。
そうではなくて、世界が新しく見えたのではないか。
家より落ち着くと言っていたイスではなく、ベッドの上で、家族との絆を確認して。

徹朗とも今までしたことがない会話をする。
今まで、話したことがない、楽しい人間付き合いでするような会話を。
井上部長が笑い、徹朗が笑う。
新しい関係が築かれた。

と、思ったのに!
井上部長がなくなってしまった。
そして来た新しい部長。
かつての井上部長や、徹朗のような片方からしか物を見ない人。

でも「お前も負けた人間か」と言われても、徹朗は平然。
周りはヒヤッとしても、徹朗はマイペース。
だけど、ほんの小さな嫌がらせはしてやった。
うろたえる部長が小者に見える。

そして、1人になった時、徹朗の涙腺は決壊する。
この時の草なぎさんの、泣きの演技すごい。
今まで張っていた糸がぷつん、と切れたような泣き方をする。
本当に泣いている。

良いモノローグでした。
彼を負けた人間だと、人は言うだろう。
でも俺は、彼が安らかに眠りについたと信じている。
最後の最後にかけがえのない家族との絆を、知ったのだから。

そう、そんなこと、勝手に人は判断して言うけど、こんなこと誰にもわかりゃしない。
この新しい部長も、いつか気づくかもしれない。
気づかないかもしれない。

でも井上部長は、最後の最後に、家族との絆を知った。
徹朗も出世コースからはずれたけれど、凛の大切さを知った。
それなのに、井上部長はいなくなってしまった。

悲しい。
泣けます。
しみじみ、泣けるシーンです。

そして、義朗はみどり銀行を辞めたことを、とにかく怒った。
離婚と言い、何で自分が望んだ方と違うところへ行ってしまうんだ、と。
怒る義朗に半ば嫌気がさした徹朗は、なぜかゆらのいた会社の名前を口にする。
すると、合コンの女の子と同じで、途端に義朗はご機嫌になる。

バカバカしくて、腹立たしくて、この前から気持ちの行き場がない徹朗は酔いつぶれる。
マミが徹朗とこれから新しい付き合いをする気で、恋人宣言のような気持ちでいる。
そして、ゆらと遭遇。
マミも実は、ゆらを牽制しているかのよう。

ゆらの気持ちが揺れる。
マミは見ていて、「ちょっと、何なの」って言いたくなる女性を山口さんがうまく演じているので、ゆらの心の揺れがわかる。

そう、ゆらには徹朗に惹かれている自覚ができた。
亮太にも「好きな人ができたみたい」と言ったばかり。
なのに。

徹朗の電話にも出られず、もやもやした気持ちを抱える。
再就職がかなわなくなった徹朗は、そんなマミを知らないので、ゆらに電話してしまう。
だけど、ゆらは出ない。
そうだよな、迷惑だよなと思って電話を切る。

初めてのすれ違い。
みんな、自分の心を持て余している。
しかし、可奈子が凛と接触!
マミどころではない、波乱の予感。


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