時代劇専門チャンネルの「仕置人」、「利用する奴される奴」。
悪役ゲスト、女たらしの清造が津川雅彦さんです。

鉄は仕置き先で会ったお女郎さん、お順と再会。
お順と再会してから、鉄はお順のところに、おきんに借金してまでせっせと通い出す。
殺しを見られてるというか、お女郎屋さんからの依頼で、困った客を始末してるにせよ、あんなに堂々とお順に仕置きを見せて、いいんですか鉄つぁん。

まあ、2度と会わないし、相手は廓の中だし、苦界に身を沈めている女性を殺すこともない…と思ったんですか。
「このことは忘れてもらいますよ」と、小判を放り出して終わり。
別にお順も騒ぎ立てる気、なかったみたいですけどね。

再会したお順は鉄の手を怖ろしい手だと笑い、どこでそんな技を覚えたのかと聞く。
すると鉄、「佐渡の金山だ」と答える。
地獄のような佐渡で、金を掘る囚人たち。
怪我をしても、医者なんか呼んでくれるわけがない。

見よう見真似で、骨をどうにかする技を身につけた。
その前に、佐渡で命を救ってくれた「兄弟」に手ひどく裏切られていることもあって、鉄の過去もまた、痛い思い出ばかり。
「この手は人を殺してもいるが、人助けもしてるんだぜ」。
遠い目をする鉄。

このお順さん、鉄が昔、ふられた女性に目元がそっくりだそう。
鉄はおきんにお金を借りて、庭の手入れをしている主水の前に現れてお金を借りてまで、お順の元に通い出し、錠はあきれる錠。
しかし、お順には清造という男がいた。

うなぎでも食べさせてやろうと思って迎えに来た鉄だけど、清造という男がお順に会いに来てしまう。
鉄を待たせて、清造に会ったお順は貯めた金を清造に渡す。
お順が遅いので、見ていた鉄は「2人でうまいもんでも食え」とカッコよく廓を去る。
だけどその後、錠とおきん相手に大荒れするんですねー。

「ばっかだねえ、女郎にイロがいないわけないだろ」。
「うるせーっ!」
そして、すっからかんの鉄は小銭稼ぎの為、托鉢に出たところ、清造と子分を見かける。
清造は小料理屋で、娘を「妹にそっくりだ」と言って、ひっかけているところだった。
金になる、と笑っている清造たち。

鉄が半次に調べてさせたところ、清造はとんでもない男だった。
女を自分に惚れさせては女郎奉公させ、用済みになると殺してしまうというひどい男。
だが、お順は生まれてこの方、人に優しくされたことがなかったと言う。
自分が病気の時、看病し、洗濯から何までやってくれた清造の優しさが忘れられない。

かわいそうに思ったおきんが思いやり深く、「女騙す男ってのは、そういうもんだよ」と言ってもお順は清造が忘れられない。
しかし、お順は清造が用が済んだ女性を殺すのを見てしまう。
恐ろしさのあまり逃げ出したお順は、その足で鉄のところに向かい、清造の仕置きを頼む。

思わず衝動的に「あの男を殺して!」と言ってしまったお順だけど、やっぱり清造が忘れられない。
いざ、仕置きが迫ると、お順は清造に危険を知らせに走ってしまう。
「あんたが憎いよ。でも好きなんだ。好きなんだよ」とすがって泣くお順、哀れ。

ところがそれを聞いた清造は、お順が殺し屋を頼んだと察し、お順を古井戸に投げ込んでしまう。
仕置きに向かう鉄と半次を、「お順がいなくなった」と錠が追ってくる。
清造は罠を張っているのではないか、と。

その通りに清造は、かねてより知り合いのヤクザに用心棒を頼んでいた。
用心棒の数を数え、1人でも生かして返すとまずいと錠に囁く鉄。
並みの用心棒じゃ相手になるわけもなく、余裕だった清造が再び現れた鉄を見て、青ざめる。

逃げる清造に鉄は「なぁに、殺しゃしねえよ。男として使い物にならなくしてやろうと思ってな」と笑う。
清造は男として使い物にならなくされ、声を潰される。
色男もこれではこの後の人生、どうにもならないであろう。
鉄に仕置きされる津川さんの絶叫、おもしろいリアクション。

仕置きの後、鉄たちはお順を探す。
清造の家の座敷をくまなく探しても、お順はみつからなかった。
土間に下りた鉄は古井戸に気づき、下りていく。
中に虫の息のお順がいた。

「助けに来てくれたんだね。やっぱり、来てくれたんだ…」と微笑むお順に、うなづく鉄。
しかし、お順は「清さん」と言って息絶えた。
結局、お順は自分を食い物にして、殺そうとまでした男にしか心が向かなかった。
その言葉を耳にした、鉄は井戸の底で黙っているしかない。

上で半次と錠が「いたのか?」「生きてるのか?」と、鉄を呼んでも。
翌朝、りつを連れて江ノ島に行く主水の前を、棺おけをかついだ錠と半次、鉄とおきんが横切る。
気になって行ってみた主水に鉄は、「女郎が1人、死んだだけだ」と言う。

鉄のお順の愚かさへの腹立たしさと、憐れみと、悲しみが込められている。
世の中、利用する奴とされる奴、どんなに誠実でも報われない奴っているのだ、というどうしようもない思い。
自分たちはただ、結末をつけただけで、それは変わらない。

おきんが悲しそうに、お順が清造にもらったであろう、かんざしを鉄に渡す。
それは清造が、女性にいつも渡していたかんざしだった。
鉄がそれを受け取り、穴の底の、棺おけの上に放り投げる。

そして、淡々と土をかけていく。
おきんや半次、主水が見ている。
小雨けぶる竹やぶの中、お順の棺おけが、かんざしが、みるみる土で見えなくなっていく。


この前まで放送していた「仕舞人」では直次郎が「ああいう女、嫁に貰いてえんだけどな」と言う場面があったんですけど、こういう「仕置人」が人を好きになるってどういうことでしょうね。
いや、人間だから好きな人ぐらい、できるでしょうけど。

以前、おはながしっかり、「惚れたはご法度だよ」と釘を刺されているのを見てわかっちゃいるから、本気でもないでしょうが。
まあ、直次郎がああ見えて、結構淡白なんですけどね。
「新・仕置人」の鉄の時は、刹那的だと思いました。

カタギの娘さんに夢中になったりもしましたが、どこか現実離れした楽しさで、ウキウキしているだけのように見える。
楽しい気分になったり心から同情しても、本気で所帯を持とうとか思ってはないでしょう。
まず、仕置人をやめなきゃいけないし、やめられはしないし。

正八の場合は、虎の会から追われても仕置人辞めて逃げる、とまで覚悟してしまいましたが。
それでみんな、「しょーがねえ野郎だ」と言いながら、何とかしてやるつもりに見えました。
仇を討たせてやるつもりの正八に鉄は、「もう抜けようなんて、甘いことは言えねえぞ」って言ってました。

捕まれば、一蓮托生、全員獄門、区別はつかない。
でも、殺しを実行はしているいないは大きいのかもしれません。
そういえば、この「夢想無用」って「代用無用」や「愛情無用」と並んで火野正平さんの演じた数々のキャリアの中でも、ベストの話ですね。


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2011.02.24 / Top↑
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