毎日放送している「必殺仕置人」、10話「ぬの地ぬす人ぬれば色」。
後に何でも屋の加代をずうずうしくもたくましく演じる、鮎川いづみさんが可憐な娘・ゆきを演じる。
権勢を振るう将軍の側室が、宿下がりの際に見た美しい友禅。

買い求めると言った側室に対し、あれは売り物ではなく、娘のゆきの婚礼の衣装だと友禅を扱っていた父親が断る。
強引に金を置いて行く伊賀者に対し、父親は金を返そうとする。
すると側室は伊賀者に命じて、父親も、ゆきの婚約者も斬ってしまう。
悲鳴をあげるゆき。

話を聞いた錠は激しく憤る。
「てやんでえ、たかが将軍の妾だろう、妾が怖くて江戸の町が歩けるか!」
そうは言っても、将軍の側室が相手ではどうにもならない。

だが側室側としても、さすがにこれは、外聞が悪かった。
お詫びとして、独りぼっちになってしまったゆきを一生大奥で面倒を見ると言って、側室は大奥に上がらせる。
おきんは昔、すりをやった時にゆきの父親に見つかり、懇々と言い聞かされて返されたという恩があった。
心配したおきんは、ゆきの付き添いとして大奥についていく。

大奥でゆきを待っていたのは、側室による壮絶ないじめだった。
長い廊下を拭けと言われて、必ずこれで拭くようにと渡された雑巾は、あの友禅だった。
わらわがあのような下賎な友禅を、本当に身にまといたくて買い求めたと思うか。
最初から雑巾に使うつもりだったのじゃ、と笑う側室。

ゆきは耐えた。
おきんもまた、ゆきを懸命になぐさめた。
ある日、美しいゆきは将軍の目に留まる。

まずいと思った側室は、ゆきを嫁にやることを考えた。
しかも、あの、父親と婚約者を斬った伊賀者に。
自分を憎む女を側に置く、これもまた一興!と言う伊賀者に対し、ゆきは絶望する。

ゆきは首を吊ってしまった。
発見したおきんは、嘆き悲しむ。
もう、おきんは大奥に用はない。
だが、おきんは女には女の仕置きがあると言う。

剃刀を手に、側室の寝所に忍び込むおきん。
目が覚めた側室は、長い黒髪が目の前に置かれているのを見て、仰天した。
頭に手をやると、髪が切られている。

悲鳴に駆けつけた側近たちに、側によるな、見るなと叫ぶ。
これで当分、将軍とは会えなくなった。
だが、ゆきに付き添ってきたおきんは捕えられてしまった。

墓参りの際、父親にことの次第を訴える側室。
寺に坊主として忍び込んだ鉄、そして錠、警備として任務に当たっている主水。
おきんが閉じ込められている座敷にやってきた鉄、おきんを中間姿の半次が助け出す。
迎え撃つ伊賀者は、錠が相手をする。

鋼鉄の脚絆を手に巻き、伊賀者の攻撃を見事防いだ錠はジャンプし、柱を蹴って伊賀者を仕留める。
鉄は障子越しに側室の父親の首をつかみ、障子を滑らせて行く。
喉の骨を外した鉄、やってくる警護のものを主水は次々、十手で組み伏せ、さらに斬り伏せる。

逃げる側室の肩を持って振り向かせた鉄は、声を震わせ、「これが大奥の女か~!」と言う。
嫌悪に目を細めた女に抱きつくと、鉄は一気に背骨を折る。
よろよろと倒れる側室を見た主水は、「ありゃもう、使い物にならねえな。もったいない」とさしてもったいなさそうに言う。
冷静な目で見送る鉄。

昨今の「大奥」も及ばない、すさまじいいびり方。
「女の仕置きだ、たいしたことはできめえ」と言う鉄たちに対し、女は女の仕置きと髪を切る行動に出るおきん。
これで将軍の前には出られなくなったが、理由はどうしよう。
どうして髪など切られたか、なんと言えば良いのか。

父親は「だから、ゆきなどという娘にもう関わるなと言ったではないか」と言う。
しかし、そこは女の底意地の悪さだった。
何でも思い通りになる自分に、友禅を譲らなかった、そこまでさせたゆきが憎くて只では置けない。
結果、起きたのは身の破滅。

大奥に潜入する深刻さとは別に、「女ばっかり3千人!いいな~…っ!」と目を閉じてる鉄。
最後の仕置きは、意地を見せた錠が伊賀者を斬る。
そして、大奥の女を抱きしめる鉄。
息を吸い込み、大奥の空気を堪能するかのような表情。

かと思うと、非情にバキボキ。
あんな状態で放置されて、敵が多そうなあの側室を待っているのは地獄のみ。
それぞれの持ち味が、それぞれに生かされた見せ場があって、好きなエピソードです。
でも、ゆきはあんまりかわいそうでした。

タイトルの「ぬの地」は、友禅。
「ぬす人」は、あの側室。
「ぬれば色」は、側室の切られた黒髪のことみたい。
うまいこと、言ったもんです。


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2011.02.25 / Top↑
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