剣客商売スペシャル 助太刀」。
ありがたや、時代劇専門チャンネル。
本放送は、2004年の12月。
明日、14日15時から、時代劇専門チャンネルで放送します。

本田博太郎さんの「剣客商売」の涙誘う岩田勘助役の「その日の三冬」は、この9ヶ月前。
今度は「来た!」「出た!」と言わせるような本田さんなの。

秋山小兵衛は田沼意次(平 幹二朗)と旧友・酒井善蔵(蟹江敬三)を交えて、久しぶりに会う。
酒井善蔵はかつて酒井道場を開いていたが、肺の病にかかった為、道場は立ち行かなくなり、10年以上も娘・お信(中原果南)が介護していた。
そのかいあって善蔵は回復し、お信にも忠兵衛(山田純大)という婿も来て酒井道場は再興されていた。

大治郎(山口馬木也)は、道端で浪人が扇子を売っているのを目にする。
絵は質素ながら味があり、しかも浪人は客が思った値で良いと言う。
大治郎は2つ買い求め、帰ろうとしたその時、3人の旗本が走ってくる。

旗本たちは浪人に殴りかかり、浪人は抵抗せずされるがままに殴られていた。
見かねた大治郎が割って入り、旗本たちを打ち据えた。
抵抗しなかった浪人だが、致命傷にならないよう避けていたと見抜いた大治郎は、浪人は相当の腕を持っていると感じた。

翌日、気になった大治郎は茶店の女に浪人の住まいを聞く。
すると、言われた通りの場所で、昨日の浪人が少年に剣を教えているのを見る。
浪人の名は林牛之助(益岡徹)。
少年の名は中島伊織。

苗字が違うから、2人は親子ではない。
林は大治郎と話すうち、その人柄を見込んで伊織を稽古して欲しいと頼む。
実は伊織は5年前の10歳の時、父親を殺され、兄とともに敵討ちの旅に出た少年だった。

しかし4年前、兄は峠を越す際、心臓の発作を起こして急死。
呆然としている少年を、見捨てられなかった林が面倒を見るようになった。
大治郎は快く、頼みを承知したが、伊織は林に見捨てられたのかと悩む。
だが秋山道場からの帰り道、林は背後から弓で射られる。

先日の件を恨みに思った3人の旗本が、その中のリーダー格・高田家のドラ息子の用人、成瀬喜右衛門(本田博太郎)にそそのかされ、道場の門人を連れて襲撃したのだ。
伊織には関係がないと林は叫び、伊織は大治郎のもとへ助けを求めて走る。
大治郎が助けに入ったが、林はもう虫の息だった。

秋山道場に運ばれた林は、実は自分も30年もの間、敵を追い求めていたと話す。
しかし、既に仇も80歳を過ぎ、おそらく無事ではおるまい。
一体、自分の人生は何だったのかと思っている時、伊織に出会った。
だから伊織には、本懐を遂げてほしかった。

林は伊織を大治郎に託すと、これで安心して死ねると言って息を引き取った。
翌日、大治郎は1人の捕まえた男を白状させ、酒井道場に連れて行った。
父と酒井との縁もあって、この始末、道場の方でつけてくれと言う大治郎の横で、伊織が異様な目つきで忠兵衛を見ていた。
外に出た伊織は大治郎に、酒井道場の道場主の忠兵衛こそ父の仇・渡辺九十郎だと言う。
 
九十郎は5年前、近江のある藩の剣術指南だった。
しかし主家の腰元・お松(奥貫薫)と不義密通し、それを伊織の父が諌めようとした際、伊織の父を斬り殺してお松と逃げたのだ。

それを聞いた小兵衛は人違いがあってはならないと弥七(三浦浩一)と徳次朗(山口としお)に、忠兵衛を調べさせることにする。
2人は月に1度、遠出をするという九十郎の後をつける。

すると九十郎は長屋に向かい、そこには洗い張りをして生計を立てているお松がいた。
お松にお信が持たせた金を渡す九十郎だが、お松はもらった金は全て使わずにいると答えた。
九十郎は、もうすぐ道場は自分のものになるから、そうすれば何とでもできると言った。
彼はお松と再び、一緒になるつもりでいた。

九十郎が長屋を出た時、何者かが背後にいた。
それは、林を襲った旗本の一派、高田家の息子の用人、成瀬喜右衛門だった。
路頭に迷っていた九十郎を拾い上げ、父親の薬を取りに行くお信に近寄らせたのは喜右衛門だった。
喜右衛門は必ず、大治郎と伊織を亡き者にするよう、命ずる。

伊織は、仇討ちを九十郎に申し込んだ。
助太刀は大治郎。
九十郎の正体を知った善蔵だが、「お信と別れたくなかった為、偽りを申した」と言われ、小兵衛に娘の婿だ、仇討ちは忘れてくれと頼む。
17の時から30の声を聞くまで、人生を自分の看護に明け暮れた娘の、やっとつかんだ幸せなのだ、と。

しかし、小兵衛はお松と九十郎が切れていないことを伝え、その頼みを断る。
伊織は毎日、真剣で大治郎から訓練を受けた。
仇討ち前、大治郎が留守の時、喜兵衛に言われた忠兵衛と門人たちがが三冬と小太郎がいる道場を闇討ちしようとする。

しかし気配を察した三冬が真剣を持って立ち合ったところを、大治郎たちが帰宅する。
こうなれば金をばらまき、人を雇い、必ず仇討ちの時、秋山大治郎と伊織を殺す。
そして、仇討ちの日が来た。

途中の道で既に大治郎は、忠兵衛が人をたくさん雇っているのを察する。
伊織に仇以外は全て、自分が引き受けると大治郎は言う。
大治郎は伊織を助けて、大勢の刺客を相手にする。

父の小兵衛もまた、伊織を助けるが、善蔵が立ちはだかった。
しかし、小兵衛は道場をやっていた頃の善蔵なら立ち会ったと言って、相手にしなかった。
長患いは善蔵から腕も気力も奪っていたのだ。

危ういながらも助太刀に助けられ、伊織は見事、仇を討つ。
忠兵衛が討たれた瞬間、見ていたお信が悲鳴をあげて駆け寄る。
瀕死の忠兵衛が口にした名は、「お松…」であった。

お信の姿など目に入らず、這っていく忠兵衛はひたすら「お松」と叫ぶ。
それを聞いたお信は呆然とし、涙を流す。
宙兵衛が討たれたのを知った善蔵も腹を切ろうとするが、娘を見捨ててはならぬと小兵衛が止める。

見事、仇討ちを果たした伊織は帰参を許され、林の遺髪とともに故郷へ帰る。
善蔵はお信と平穏に暮らし始めた。
田沼意次から、小兵衛は旗本たちには評定所が厳しい採決を下すだろうと言った。
そして、喜右衛門が切腹したということも知らされた。



本田博太郎さん、怪演。
これは本田さんだわ、すごいわ。
本田さんしか、この妖怪じみた雰囲気は出ないわ。

腰元が高田のバカ息子たちに、酒を運んでいく為に廊下を歩いている。
すると、廊下に背を向けて座敷に座っている喜右衛門が腰元を呼び止める。
「何をしに行く?」みたいに、尊大に。

いや、びっくりしますよ。
何でそこにそんな風にいるわけ?
怖いから、暗いところにいないで。

そして腰元を押し留めると、自分が運んでいく。
うやうやしく。
そこで浪人を叩きのめしてやろうと思ったら、逆に大治郎に叩きのめされたので、酒を飲んでいると打ち明けられる。
相手はものすごく強い、くやしいけど歯が立たない。

3人の間を徳利を持って、腰を低くして歩き回る。
その徳利を持つ手つきが、いかにも妖怪。
何があったのかと心配し、いい爺やみたいに静かに聞いていた喜右衛門。
「それで…酒を飲むしかないと…」。

そして突然、「お情けない!」と怒鳴る。
隣にいた旗本の坊ちゃんが、ビクッとしてる。
反射的に「ごめんなさい!」って言ってしまいそう。

「殿が案じておられましたぞ。恥をかかされたのではないか。その恥をそそがずにしておいて、泣き寝入りをしているのではないか、と」。
おお、そそのかしてる。
「父上が?」

「はい。若様は、天下の旗本のご嫡男にございますぞ。若様の恥は殿の恥。命を賭してもそそがねばなりません」。
若様の背後に回ると、耳元で囁く。
「私がお手伝い申し上げましょう。いかに手ごわくとも相手は2人」。
声を張り上げて、「何とでもなる!」

またしても先ほど、ビクッとなったお坊ちゃんがビックリして、喜右衛門の方を向いてる。
「武士の意地を立てなさい。よろしいか?」
若様、こっくりうなづく。
にっこり、誘惑完了。

次、お松の長屋から出た忠兵衛に近づく喜右衛門。
背後から気づいた忠兵衛に顔の横でまねきねこのように…、いや、そんなかわいくない。
妖怪手招きのように、手をニギニギしてご挨拶。
風流な月を見上げて話す。

秋山大治郎が来たけど、うちの若様を破門になど、するまいな、と。
そんなことしたら、2千5百石の旗本の大身が、晒し者になる。
私は今まで、そうなることを防いできたのだと伝える。

それが「40年間。私は高田の家の番犬だった」と、怨念を感じさせる一言を発する。
「あらゆる尻ぬぐいを、私はした」。
おかげで、ヤクザや地回りに顔が利くようになった。
うーん、そうだろうな。

金をつかませて、言うことをきく人間が必要だった。
忠兵衛と知り合ったのも、そうした吹き溜まりの中だった。
それを聞いて、「拾い上げてくれて、ありがとうございました」とお辞儀する忠兵衛。

忠兵衛の腕をこのまま、ヤクザの用心棒で終わらせるには惜しい!と拾い上のは喜右衛門だった。
「うむ」と言うと喜右衛門、忠兵衛の刀に飛びつく。
わ、びっくり。

白刃を抜いてそれを見て話す。
「この腕を見込んだのだ…。例え仇と追われる身とはいえ、一介のヤクザの用心棒に終わらせるには惜しい」。
さらに朽ち果てるばかり(喜右衛門さん談)の酒井道場に目をつけた。

「ちょうど良い、そう思うて」喜右衛門は女性として咲けなかったお信に目を付け、父親の薬を受け取る道を教えた。
夕立の日、鼻緒をすげたのがきっかけで、忠兵衛は毎回、その道でお信を待った。
女性として花咲けなかったお信だから、篭絡するのは簡単とふんではいたが、「あれほど上手く、たらし込もうとはのう」とほくそえむ喜右衛門。

ひどい!
しかし、秋山大治郎の後ろ盾は老中・田沼意次、と忠兵衛は言う。
すると喜右衛門ったら「そこよ…」と言って、忠兵衛の頬を両手で覆うじゃありませんか!
うう、怪しすぎる。

話が田沼の耳に入る前に、大治郎を始末しろと言う。
そしたら残るのは、じじいだけだから(喜右衛門さん談)どうにでもなると。
今まで忠兵衛の頬を覆っていた手をそのままのカッコで降ろすと、ためらうというか、自信なさげな忠兵衛を見上げながら、「今さら何を言う…」。

「どうせ私が真相を明かせば、お前は何もかも失うのだ」。
手つきはそのままで、「今の立場から転がり落ちるのだ」と言う。
言うだけ言うと、綺麗なお月さんを見上げて「あー」。
それで、「わかったな」。

月明かりと灯篭の灯りで、喜右衛門さん、さらに不気味…。
全ての黒幕は、喜右衛門でした。
バカ息子なんて、策謀家の喜右衛門の操り人形。

そして、清らかな仇討ちの決意をする伊織と、伊織の本懐を遂げてやりたい大冶郎たち。
忠兵衛と大冶郎の板ばさみで、悩む善蔵。
それをよそに、喜右衛門さんはまたもや策謀。

大治郎の家を闇討ちするのに失敗したのを知ると道場で金をばらまき、目を見張る忠兵衛たちに「人を集めるのです…」と。
金に物言わせて、人集めて、みんなで襲い掛かり、屋敷を押し包んでしまいましょうと言う。

いやー、ろうそくの灯りに照らされた喜右衛門こと、本田さん、あなたは妖怪だ。
怖いような、笑っちゃうような。
これだから「出たー!」「見るー!」と言ってしまうんですけどね。

最後、嫌なことだから最初に話してしまうと田沼意次が秋山親子に報告するには、1人、自ら自分を裁いた者がいる、と喜右衛門が切腹したことを話す。
責任とって切腹したのか、あるいは全てを背負わされて殺されたか。

そう語られる時、入るシーンが、猫又の手つきのオイデオイデでした。
死に様見たかったような、見ないでよかったような。
化け猫より化けそ。
怖・おもしろいので、夏の夜にいいかもしれない。

「剣客商売 助太刀」は明日、14日15時から、時代劇専門チャンネルで放送。
同じ14日の時代劇専門チャンネルの21時から、「怪猫佐賀騒動」。
化け猫と本田さん、どっちが怖いか!?


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2011.08.13 / Top↑
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