こたつねこカフェ

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博打と同じ、流れを変えろ 「必殺必中仕事屋稼業」 第6話「ぶっつけ勝負」

第6話、「ぶっつけ勝負」。


掛けそばにして250杯分の金額を博打ですられ、お春に怒られる半兵衛。
博打でツキまくった政吉。
そんな2人に、草津まで室町の呉服問屋・越後屋の1人息子を迎えに行く仕事が来た。
草津の湯治場で客引きをしていたのを、客が見たという。

半年前にこの1人息子の惣太郎は、鳥追い女と恋仲になり、親の反対を押し切って家を飛び出した。
だが親の方が息子に会いたくなり、何もかも許すから戻ってきて欲しいと思うようになった。
しかし世間体が悪いので、こちらからは迎えに行けない。
一応、世間的には上方に修業に行っていることになっている。

今回は楽な仕事なので、おせいは日頃の苦労をねぎらって、温泉にでも浸かってくるといいと言われる。
仕事料を渡すと使ってしまうので、仕事料は後払いとなっている。
途中、2人は軍鶏の賭けに気持ちを引かれ、若旦那を取り戻すぐらい1人でたくさんだと話し合う。
結果、賭けをして政吉が1人で迎えに行くことになり、半兵衛は軍鶏の賭けに向かう。

半兵衛は軍鶏の賭けをしている場所を男に聞くと、男は顔色を変えて軍鶏の賭場に向かい、取り仕切っている男を抑えて賭けをやめさせた。
男は半兵衛を自分の賭場に誘い、その際に越後屋と惣太郎のことを聞いた。
なんと、軍鶏の賭けを取り仕切っていたのが惣太郎で、草津では追分の吉五郎と沓掛の甚造が利権を巡って対立していたのだ。
甚造は越後屋の1人息子が惣太郎であることを確認し、それをネタに越後屋をゆすろうとしていた。

それを知った半兵衛は先回りして惣太郎を連れ出したが、甚造たちに追われて女郎屋「角天神」に向かう。
角天神に入った半兵衛は江戸から迎えに来たと話すと、女郎の1人、おしんが驚く。
その時、角天神の2階から政吉が降りてくる。
惣太郎を介抱した半兵衛と政吉だったが、そこは甚造の経営する店だったのだ。

やってきた甚造たちから惣太郎を守って、半兵衛と政吉は2階に立てこもることとなってしまう。
女郎たちもこの騒ぎの間、いい骨休みができると協力的だったが、おしんは惣太郎に付きっ切りで看病していた。
起き上がった惣太郎は、おしんに駆け寄るが、おしんは惣太郎を半兵衛と政吉が迎えに来たことを話す。
2人で帰ってきてもいいと言われても、女郎が越後屋の女将になれるわけがない。

実は1ヶ月前に、おしんは甚造にいかさま博打でひっかけられた惣太郎の為、女郎になっていたのだ。
迎えに来た2人が恨めしい。
せめてもう1ヶ月前に迎えに来てくれれば。
おしんの言葉を聞いた惣太郎は、江戸には帰らないと言い出す。

一緒に駆け落ちした女性はどうしたのか、と半兵衛の問いに、おしんが代わって「その人は流行り病で死んでしまった」と嘘をつく。
その時、追分の吉五郎という、甚造よりもずっと勢力のある親分がやってくる。
吉五郎は角天神を燃やそうとするが、代官所も昼間から乱暴を見逃すわけに行かない。
しかたなく吉五郎は1日だけ、待つことにした。

「何事も博打を同じだ。流れを変えりゃいい」。
政吉は甚造をはめようとして取り引きを持ちかけ、上手く行きそうに見えたが惣太郎はおしんを置いては行けない。
嫌がる惣太郎を羽交い絞めにして逃げようとしたが、結局は失敗した。
そして、甚造たちは吉五郎に殺されてしまう。

甚造の油問屋から油が持ち込まれ、いよいよ角天神に火がつけられそうになるが、間一髪、代官所の役人が飛んで来る。
将軍の鷹が鷹匠とともに、ここを通過することになったと言う。
それまでは騒ぎを起こしてはならない。
鷹匠一行が通過するのを、宿場町全体が息を潜めて見守る。

その時、おしんが行列の前に走り出る。
あわてて抑えた代官所の役人から吉五郎がおしんを受け取り、斬り捨ててしまう。
走り出ようとした惣太郎は、半兵衛と政吉に抑えられる。

おしんが斬られたのを見て、女郎たちも半兵衛と政吉を疫病神と罵る。
だが惣太郎は自分たちのことが他人にわかってたまるか、と叫び、おしんは駆け落ちした相手の女性だったと口走る。
イカサマ博打にひっかかった自分の借金の為、身を売ったことも。
そんなおしんを見捨てて、自分だけ越後屋に戻るわけに行かなかったと。

政吉はそれならそうと最初から言えば良かったんだよ…、と言うが、惣太郎はおしんがそれを言わせなかったと言う。
おしんは自分と一緒に堕ちていく惣太郎がたまらず、半兵衛と政吉が来たのを見て惣太郎と縁を切ろうとしたのだ。
それを聞いた女郎たちも泣き、惣太郎はおしんと一緒に死ぬ覚悟をした。

「おまえ1人を見殺しにはしないよ」。
「こうなったら一蓮托生、俺たちもやるぜ」。
「一か八か。朝が勝負だ」と半兵衛たちは夜明けを待つ。

夜が明けると、女郎たちが「逃げたよ」と騒ぎながら角天神を出てくる。
その女郎たちの足元に潜んで、半兵衛、政吉、惣太郎が出てくる。
政吉が惣太郎を連れて逃げ、半兵衛が甚造の手下を引き付けて油問屋の中に叩き込む。
油問屋の中で乱闘になり、半兵衛は手下は倒したが、油を入れた樽が引っくり返り、床に油がまかれる。

政吉が女郎の着物を羽織り、道端でわざと用心棒の目に留まる。
おしんを直接手にかけた用心棒だ。
用心棒が隠れている惣太郎を見つける。
惣太郎は出刃包丁を持ち、用心棒に斬りかかるが、用心棒は惣太郎を押さえつける。

吉五郎は確かに裏に逃げたんだな、と言いながら歩いていると、半兵衛に油問屋の中に引きずり込まれた。
惣太郎を連れて行こうとしている用心棒めがけて、政吉がヤクザから奪った刀を手に突っ込んでいる。
用心棒は横から刺されると、政吉に斬りかかろうとして、再び正面から刺される。

政吉はやってきた手下もまた、体当たりで刺す。
惣太郎が倒れた用心棒の手から、刀を奪おうとしている。
それを見つけた政吉が、惣太郎を殴りつける。

油問屋の中で半兵衛と吉五郎は、もみ合いになっていた。
半兵衛がこぼれた油に足を取られて滑り、仰向けに床を滑っていく。
吉五郎もまた、思うように立ち上がれない。

床を滑って行きながら、半兵衛の目には倒れている手下の握っているドスが目に入る。
壁まで滑って行った半兵衛は壁を蹴り、今度は腹ばいになって戻ってくる。
途中、倒れている手下の手からドスを奪い、そのまま吉五郎のところまで滑って戻ってくる。
立ち上がった吉五郎が刀を振りかざした時、半兵衛は握ったドスを吉五郎に刺す。

吉五郎が腹を押さえて倒れる。
半兵衛が反対側の壁にぶつかり、油まみれになって立ち上がる。
戸が開くと政吉がいて、半兵衛も政吉もお互いを確認する。
政吉の後ろから惣太郎がやってくると、油問屋の中を見てハッとする。

江戸に戻った半兵衛と政吉は、おせいに料亭で労をねぎらわれる。
おせいはおしんを惣太郎に尽くした揚句、病で亡くなったと思っていた。
酒を注がれながら、半兵衛も政吉も無言だった。

江戸に戻った惣太郎は、嫁は一生貰わないと親に言ったらしい。
「ま、丸く収まりゃいいじゃないですか」と半兵衛が言う。
利助が「そうですよ、こういう気持ちの良い仕事はめったにありませんからね」と言って、鍋の蓋を開ける。

「2人とも、たっぷり骨休めしてきたんでしょ」。
半兵衛は何も言わず、おせいに酒を注ぐ。
利助に注ごうとして、「ま、自分でやってください」と言い、おせいが笑う。

「白菜が、んまい季節になりましたね」。
半兵衛が微笑みながら、鍋をつつく。
おせいが笑顔で見守る。

半兵衛と政吉は無言で、肩を並べて歩く。
「じゃまた」。
坊主蕎麦の前で半兵衛が政吉に別れを告げる。
下を向いて歩いていた政吉が、気づいて立ち止まる。

暖簾を持って、半兵衛が中に入る。
半兵衛が中に入ると、政吉はそのまま立ち止まっている。
下を向いたかと思うと、政吉は今、半兵衛と来た道をどこかに引き返していく。



冒頭、博打を責められる半兵衛。
掛けそば250杯売ってできるお金を、あっという間に博打ですられたんじゃあ、お春さんは一言言いたくなる。
刃物を持たない旅、でもやっぱり「1人でいいよね」って賭けで政吉が負けて、半兵衛は博打へ。
結局、女郎屋で2人は再会するんだけど、解説にもあるように政吉も仕事の途中でそんなとこ行ってるんだな。

そして、世の中、全て博打かい!と思ったら、「何事も博打を同じだ、流れを変えればいい」と政吉。
博打をしっかり人生哲学にしている。
これは、結構、深いセリフかもしれない。

楽な仕事と誰もが思ったのに、篭城に発展するとんでもないことに。
今回の殺しは惣太郎を助ける為だけど、本来の仕事にはなかったはず。
それが計4人の大仕事に。
おしんの仇を討つんだ!と用心棒から刀を取ろうとしている惣太郎を、手を汚させまいとしてか、ぶっ飛ばす政吉もいい。

武器を持たずに旅をしていたので、それぞれ武器は調達。
政吉が長い刀を持っている。
それで、勢いで刺してる。
けど、元は旗本にいただけあって、何となく扱いが慣れているような気もする。

油の中滑っていく半兵衛の殺しは、迫力。
つるつると床を滑って行くと、ドスが目に入る。
ストップモーション。

壁まで滑り、今度は腹ばいになって壁を蹴って、ドスを持っているところにやってくる。
ストップモーション。
パシッと音がして、ドスを手にする。
そのまま、吉五郎親分に刺す。

「ロングキス・グッドナイト」でヒロインが死んだ敵の手からマシンガンを手に入れて、ヘリの上の敵を撃つ場面を見て、これを思い出しました。
吉五郎を刺した後、ぐったりしているところも、プロっぽくないけどリアルでおもしろい。
しかし、惣太郎はほんとに一生、嫁をもらえなさそうだ。

そして、当初と全然違う仕事の経緯も、苦労もあえて語らない半兵衛と政吉。
おしんと惣太郎の悲恋を前に見て、言葉が出ないというか。
語りたくないというか。
この辺り、素人で博打感覚だった仕事にどこか、哀しさを見ているようになったというか。

利助に酒を注がないのは、めったにない仕事でしょ、と言った利助に対するちょっとした抗議に見えました。
この後の半兵衛・緒形拳さんの笑顔が、大人。
「白菜が、んまい季節になりましたね」の「んまい」って言い方が粋だと思う。
内面と全然違うはずの笑顔が、何も言わなくて奥深い。

無言で道を歩く2人の重苦しい、切ない気持ちが伝わってくる。
仕事って、こういう気持ちになることなんだ、って感じがしてくる。
何も考えずに歩いていたら、半兵衛が「じゃ」って家の中に入っていく。

そうか、半兵衛の家はここだったと気づいた感じの政吉。
暖簾を持って入ったところを見ると、今日はそのまま休業。
寂しい気持ちを、お春さんと会話することでまぎらわすんだろう。

だけど、政吉は1人。
帰る定宿もない。
今、半兵衛と来た道を戻っていく政吉。

遊び人風の、鳥の絵が書かれた半纏の肩を揺らしながら、政吉は歩いていく。
その後姿と肩から、1人ぼっちの寂しさが漂ってくる。
切ない音楽と一緒に寂しい、まるで風の冷たさが感じられるようなラスト。
「これぞ、仕事屋」と言えるようなラスト。


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