大治郎は男が闇討ちに遭い、殺害される現場に居合わせた。
斬られた男は今際の際に、大五郎に女が待っていると告げた。
医者に向かう途中、男は倒れ、懐から大治郎も驚く大金がこぼれ出る。
男は昼間、責め絵を大金で渡していた。

夕方、お秋という酌婦は男を待っていた。
来ると信じていたわけではなかったが、待ってしまった。
お秋はもうすぐ、鞍替えで遠くに行く。

男の身元はわからなかったが、やがて笹野小文吾と判明。
責め絵を口封じに、杉浦丹後守の用人の鈴木市兵衛によって暗殺されたのだった。
小文吾を看取った大治郎のバックに老中がいると知った殿は趣味の絵を抱えて、うろたえるばかり。
これが表に出れば、若年寄就任もダメになる。

結局、大治郎暗殺に失敗した市兵衛は小兵衛に斬られる。
小文吾はなぜ、危険を冒してまで大金を手に入れようとしたのか。
それは酌婦のお秋の為だった。

小文吾の金はお秋に渡される。
将来を誓い合ったのでも何でもない、身元もわからないほどの付き合いだった。
しかし、お秋は小文吾を偲ぶ。


哀しい、だけどさわやかな心温まる小文吾とお秋の仲。
それに対して、どろどろとおぞましい殿と用人。
責め絵を前に詰まれた金、その一部をうやうやしく目の高さまで持って行く市兵衛こと本田さん。

廊下をきっちり曲がり、歩いてくる。
殿が大事に保管している責め絵に思わず手を伸ばし、手をはた!と殿に抑えられる。
はいはい、大事なコレクションなんですね。

声を潜めた殿が、何の悪事の相談かと思ったら「手に入れたぞ」。
市兵衛、ニヤアッと、ほんとにニヤアッと笑う。
殿も用人も、目が輝いている!
「見るか?」

市兵衛、もう、ときめきのあまり、声も出ません。
「ふふふふっ」と殿が笑って、隣の間へ。
口を抑え、市兵衛も続く。
興奮を抑えきれないんですね!

「うふふふふ」と殿が見せたのは、縄で縛られ上を向いてもがく女性の絵姿。
目をむいて見つめる市兵衛、「…お見事!」
「そうか?」
思わず口元をハンカチ…じゃないんだけど、ハンカチで覆って見入る市兵衛。

しかし、市兵衛、尾行してきた密偵に斬りかかる時は狂気に満ちた顔してます。
暗殺が露見しそうになってうろたえるばかりの殿は、何の役にも立ちません。
小兵衛にバッサリ、橋の上で斬られて欄干にもたれかかって死ぬ市兵衛。

見開いた目。
死んでいるのに、目が異様に光る。
うわ、ゾンビになって立ち上がりそう。

いやもう、最初から最後まで異様。
本田さん、心なしかやせて見えて、一層異様。
殿も用人も、命をかけた趣味でしたね。

主従を越えた趣味の仲間。
2人で責め絵を前に、みょーな雰囲気が漂う。
立川三貴さんもうまいから、視聴してるこちらは見の置き場がない気がしてくる。

こりゃ、腰元も困ってただろうなあ。
あんまり、関わりたくない。
心温まる小文吾とお秋のエピソードを一層さわやかにする、個性の強い2人。
この後、本田さんには「その日の三冬」という名作がありますが、それはまたゆっくり。


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2011.05.12 / Top↑
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