第13話、「主水の上司人質になる」。


ある夜、政は酔っ払い2人に連れ込まれた1人の鳥追いの、危ういところを助けた。
酔っ払いを追い払う時に水をかけたので、鳥追いもずぶぬれになってしまった。
政は自分の家に鳥追いを連れてきて火に当たらせていたところ、加代がやってくる。
翌朝、鳥追いは政に感謝して出て行こうとし、政は鳥追いにいくばくかの金を握らせる。

闇の会が開かれると、そこにいた依頼人はあの鳥追いだった。
自分が幼い頃、押し込み強盗に殺された両親の仇を取ってほしいのだが、殺したい相手の名前、所在もわからないと言う。
鳥追いは強盗が金を数える時に歌っていた歌と、手の刀傷を覚えており、これが手がかりだった。
期限は両親の祥月命日まで。

雲をつかむような依頼に、闇の会の仕事人たちは次々下りる。
加代だけが請け負ってきた。
文句を言いながらも主水は、奉行所で前科者を調べる。
すると、刀傷の男がいた。

主水は小伝馬町の牢屋敷へ行き、囚人に当たってみる。
すると、どうやらそれは今、牢名主になっている八兵衛、そして無宿人狩りで入れられたばかりの熊蔵という男らしい。
しかし、この2人は佐渡に送られることが決定してしまう。

佐渡に送られたらもう、仕事に掛けることはできない。
途中で殺すしかない。
ちょうどいいことに、2人は熊谷宿まで主水と田中さまが送って行くことになった。

小雪が舞う中、田中さまは主水を急がせる。
山道に差し掛かった時、3人の男が襲ってきた。
ふいをつかれた田中さま様が人質になり、主水たちは八兵衛と熊蔵が逃げるのを見ているしかなかった。
襲ってきたのは甚十郎、孫太郎、兵助という2人の仲間だった。

田中さまを人質にした5人は、一軒の宿屋に押し入り、2階に立てこもった。
1階にいる1人は、爆薬でいわゆるダイナマイトのようなものを作っている。
主水と宿場役人たちが宿を取り囲んだが、何もできない。
その間、5人は宿にいた若い娘を蹂躙し、田中さまを裸にして窓の外に繋ぐ。

主水は奉行所に知らせを走らせたが、早くても知らせが届くのは夜になるだろう。
田中さまは自分のことは良いから、捕縛するように叫ぶが、相手はダイナマイトを投げてくる。
途中で八兵衛と熊蔵を狙ってついてきていた政、竜、加代も見守るしかない。
最初は知らせなかったのだが、主水は加代に壱に繋ぎを取れと言う。

すると、「抜け駆けは行けませんぜ」と言いながら、壱も熊谷宿に来ていた。
宿の中では赤ん坊がお腹を空かせて、泣き始めた。
よもや、赤ん坊を殺すようなことはするまいが…、と案じていた時、赤ん坊の母親が駆けつける。
主水は八兵衛たちに、赤ん坊の母親が乳をやりに行きたいと言っているとつたえ、赤ん坊の両親が入る許可を請う。

赤ん坊の泣き声にイライラしていた八兵衛たちは、それを承知。
宿に赤ん坊の両親が入ってくる。
母親は先ほどの女性だったが、一緒に入った父親と名乗る男は、壱だった。
授乳する為に母親は2階に行かせたが、男の壱は縛られ、土間に転がされた。

壱が転がったまま、あたりを伺う。
政、竜が宿屋に近づく。
ダイナマイトを持った男を、壱が見る。
壱がそっと、縛られている縄から手を抜く。

すばやい動きで、壱がダイナマイトを持っている男の首をつかむと、男の喉を砕く。
火薬を火に投げ、犯人たちをかく乱させると、ダイナマイトを外に次々投げ、爆発させる。
壁際まで逃げた仲間を、背後から政が刺す。
2階にいた竜は、紐を投げて仲間の1人を吊るす。

それを見た熊蔵が、2階の竜のところに走る。
竜に近づこうとした熊蔵衛だが、背後の障子を破って壱に捕えられる。
そのまま、壱に喉の骨を砕かれる熊蔵。
竜に吊られた男も、絶命した。

追い詰められた八兵衛は、外に飛び出した。
暴れる八兵衛だったが、役人たちに取り囲まれ、捕えられてしまう。
連行される八兵衛の背後に、主水がピッタリとつく。

主水の刀の柄に仕込んである刃が、八兵衛の背中を刺す。
誰も気づかない。
歩いていた八兵衛が、崩れ落ちる。

帰り道、田中さまが駕籠に乗せられている。
「中村さん!あなた、いい気味だと思ってるんでしょう!」と田中さまが叫ぶ。
主水は否定するが、田中さまは「これじゃまるで、ニワトリじゃないですか!」と言う。
そう、田中さまが乗っている駕籠は、まるでニワトリを運ぶ籠のようだった。

田舎道を、あの鳥追いが行く。
鳥追いの顔は、晴れやかだった。
仕事が果たされたのを知っている顔であった。



まるで正体がわからない相手を探して仕留める話かと思ったら、篭城話だったんですねー!
最初に政が関わったので、後々あの鳥追い娘と政が絡んでくるかと思ったら、そんなこともなかった。
わからないけど、最後にあの鳥追い娘が晴れ晴れしていたので、闇の会から仇が討てた報告でもあったのでしょう。

しかし、人質が田中さま。
田中さまねー、荒っぽいことは苦手ですもんねー。
若い娘が八兵衛に蹂躙されるのを見て、田中さまらしく清潔感あふれる叫びで「やめなさい!ケダモノ!」と言ってました。

さらに泣いている娘に向かって、小声で何か囁いていました。
おそらく、慰めていたのだと思われます。
田中さまは田中さまで、政が夜鷹を買ったと思われてお仕置きされたみたいに、悪い男が大嫌いなんですね。
女性の味方ではあるのかも。

主水もこの緊急事態にのんびりと昼行灯を装ってはいられず、宿場役人の先頭に立ってがんばる。
焦った宿場職人が密かに突入しようとして、殺されるという事態も発生。
裏の仕事はしなきゃいけないし、田中さまたち人質は助けなきゃいけないしで、壱を呼べとなる。
そうか、この時、主水と対等な存在は壱だけなんですね。

赤ん坊を心配して駆けつけた母親がいて、両親を家の中に入れることになって、父親を見たら壱。
父親に成りすますとは、上手い展開だと思いました。
壱は安定感あるなあ。
殺しの時、熊蔵を殺した後の壱の目が透き通って綺麗。

それで次々と仲間が、得体の知れない男たちに殺されたのを見た八兵衛は外に飛び出す。
脱出できなかった八兵衛だけど、まあ、得体の知れない連中はいなくなった。
とりあえず殺されないと安心したのか、縛られて連行される八兵衛。
役人がいっぱいいる中、誰にも気づかれずに仕留める主水の職人芸。

今回の主水は、柄にある刃でグッサリ。
激闘編では私、初めて見ました。
八兵衛は宿の中で既に刺されていた…、ってことにでもなるのでしょうか。

誰も気づかない。
壱もすごいけど、主水恐るべし。
篭城話というのはいくつかありますが、これも安定感ある作りですよ。
最後の田中さまのヒステリックな叫びと、の~んびりした主水が笑いを誘っておしまいです。


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2011.09.16 / Top↑
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