第14話、「せんとりつ不倫する」。


江戸の町で加代を突き飛ばして、女性たちが走っていく。
目的は不倫をテーマにした、恋愛小説。
だが実際は不義密通であり、晒し者や処刑になるほどの大罪。
せんとりつもお互い、秘密にしながらそれを読んでいる。

そんな時、奉行所に各地から若い研修生が数人やってきた。
研修生は各同心の家に寝泊りしながら、奉行所で研修を受けることになる。
中村家にも若い研修生がやってきて、不倫小説に夢中のせんとりつはうっとりする。
主水の食事は質素でも、研修生の食事は鯛のお頭つき。

近々、絵の展覧会の審査が行われることになっていた。
その展覧会に入選すると、将軍家の絵師になる道が開かれる。
骨董屋の徳兵衛の息子も絵を描いている為、徳兵衛は息子を入選させようと審査員にせっせと賄賂を贈っていた。
しかし、本命は重春といって、有名な絵師の弟子だった。

重春の生活は妻のお峰が肉体労働をして支えており、お峰は毎日、政のところに道具の手入れを頼んでいた。
徳兵衛は長次に50両を持たせて、重春を来年まで出展を控える説得に行かせる。
この長次と言う男は、本来なら江戸ところ払いの罪人なのだが、徳兵衛がうまく立ち回り、店で用心棒として使っている男だった。
長次の説得に重春は首を縦に振らない。

お峰が戻ってきて、憤慨し、長次を追い返そうとした時だった。
憤っていたお峰の様子が、おかしい。
ニヤリと笑った長次は、出て行く際にお峰に表に出るように指示した。

あの時、今ほど自分が強かったら…!とお峰は悔いる。
10年前、お峰と長次は夫婦だった。
だが長次が優しかったのは最初だけ。
あとは博打と暴力で、それに耐え切れなかったお峰は崖から身を投げようとしていた。

それを写生中の重春が見つけ、お峰を止めた。
以来、お峰は重春と暮らし始め、いつしか絵師になる重春の為、生活を支えるようになったのだ。
だが長次と夫婦である以上、重春は不義密通の大罪人だと長次は言う。

訴えれば重春は、ただではすまない。
そう言って再び長次がお峰に迫るが、子供と目隠し鬼をして遊んでいた壱が2人の間に割って入る。
お峰は逃げ出すことが出来たが、長次は徳兵衛にこのことを話し、徳兵衛と鑑定士の佐倉、そして番頭の清吉は計画を立てた。

長次からその話を聞いた徳兵衛は、お峰をネタに、重春を脅迫した。
そして、師匠の絵を模写するように脅迫する。
贋作を大金で売りつけて、金を作る。
徳兵衛は、賄賂に大金を使う為、金はいくらでも必要だった。

重春はお峰の為、10枚と約束して贋作を作り始める。
お峰の元気のない様子を、政は心配していた。
重春の絵は次々、大金で売れた。

しかし、重春の名前の入れ方が本物と違うと、鑑定士の東洞という男だけは贋作であることを見抜く。
佐倉さんともあろう方が、これがわからないなんて、と東洞は言う。
その場で大金を握らせて黙らせた徳兵衛たちだが、帰り道、東洞は長次に刺される。

あと1枚。
お峰の為、贋作を作り続けた重春だったが、長次に口封じに刺されてしまう。
後には重春が提出するはずだった、おしどりの絵が残された。

闇の会が開かれる。
頼み人はお峰。
加代が引き受けてくる。

重春の位牌を前に、呆然とするお峰の家に長次が訪ねてくる。
よりを戻そうとお峰に襲い掛かる長次に、お峰は重春を殺したのは徳兵衛たちだと叫ぶ。
長次はお峰が真相を知っていると、お峰を刺し殺した。
後には血が飛び散ったおしどりの絵だけが、残された。

仕事の夜。
加代が夜中に見て欲しい絵を持ってきたと、徳兵衛の店の戸をたたく。
番頭の清吉が応対に出向き、首を出した。

道の向こうには、竜がいる。
すると、加代が後ろに下がる。
不審に思いながらも清吉が勝手口から完全に顔を出したところを、竜が捕える。
勝手口で首を絞められ、清吉が動かなくなる。

政が、その勝手口から店に忍び込む。
徳兵衛と佐倉と長次は、清吉が戻ってこないのを不思議に思いながら、息子の絵を持ってくるよう長次に言う。
若旦那の座敷に行くと、若旦那は眠りこけていた。

絵を一枚持つと、長次が廊下に出る。
そこに政が舞い降りてきて、長次を刺す。
悶絶する長次が、障子に手をかける。

障子が破れて、部屋の中にいる若旦那が見えた。
一瞬、政は若旦那を気にしたが、若旦那は何も気づかず、眠っている。
そのまま政は長次から手槍を抜き、長次が倒れる。

徳兵衛と佐倉のいる座敷に、誰も戻ってこない。
加代が持って来た絵だけが、運ばれる。
開いてみると、おしどりの絵。
その絵には、血がついている。

「お気に召しましたか?」
2人が廊下を見ると、障子に影が映っている。
「誰だ、貴様!」

佐倉が廊下に出る。
すると壱がいる。
壱は佐倉の首をつかむと、そのまま廊下を走る。
廊下の奥で止まると、佐倉の喉をグキリと砕く。

佐倉も戻ってこない。
不安になった徳兵衛が廊下に出る。
庭にいる主水を見て、徳兵衛が走ってくる。

「怪しい奴が」と、主水にすがるように徳兵衛が言う。
「どこで」。
「うちで!」
そう徳兵衛が言って、戸を上げたままでいるところを主水が正面から刺す。

主水が家に戻ると、玄関にたくさんの草履が脱いである。
家の中には、研修生がたくさんいる。
みんな、預けられた家の食事が渋いが、主水の家にいる研修生は食事が豪華だと言うので、やってきたと言う。
せんとりつは大喜びで大判振る舞いをするが、その分、主水の食事を質素にすると言われ、主水はガッカリする。



えーと、この頃、「金妻」がブームでしたっけ?
昔の結婚制度って、どうなってたんだろう?と「仕事屋」の時に疑問に思いました。
半兵衛とお春は正式な夫婦じゃない、って、じゃあこの頃の正式な夫婦とそうじゃない夫婦ってどう違うんだろう?
持参金があるかないかとか、そういうのでしょうか?

しかし不倫って、これ、不義密通で大罪なんですよねえ。
心中死体を見て、庶民が「あれが慣れの果てだ」って言う場面もありますし。
だけどお百姓さんとかは、不義密通はあんまり関係なさそうな気がします。
ただ、そんな気がするだけです。

武家とか、商家、職人、町に住む人間は厳しそうですけど。
そうじゃないと、江戸の町、無法地帯になってしまいそうですし。
稼げる女性が多かったので、女性からの離婚も多かったみたいです。

そうすると、お峰の場合、離婚しようにも長次は江戸ところ払いになっていてできなかった…というところでしょうか。
なーんか、一方的に不義密通と言われなくても、お峰は申し開きができたような気がするんですけど。
ただ、そんな気がするだけです。
あ、この場合、不倫というより重婚なのか。

結局、重春とお峰は殺されちゃって、しかももうちょっとで殺されなくて済んだような気がする。
だって、今回は仕事の期限が近かった。
幸せにして欲しかったんですけど、そこは「必殺」ということでしょうか。

いつもなら探索して事の真偽を確かめるんですけど、壱が事の次第を見てました。
壱だから信用していいんじゃないか、と言うわけで、壱が目撃者、それで仕事はさっさと進みます。
その壱の殺しは、鉄が「ぬの地ぬす人ぬれば色」のお寺での殺しを思い出しました。
首をつかんで走る点で。

中村家では、研修生が集まってしまったわけですが、せんとりつがすごくうれしそう。
せんとりつは、若い研修生の寝顔をこっそり見て、楽しんでいたりする。
その間、主水は廊下で寝て寒がっているというのに。
でも別に、サブタイトルにあるように、せんもりつも不倫なんかしないのでした。


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2011.09.17 / Top↑
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