こたつねこカフェ

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一筆啓上業苦が見える 「塚原ト伝」第5回

「塚原ト伝」第5回。
「一筆啓上業苦が見えた」を見て、これも見て、晩年の武将が寺を立てたり、腕の立つ武士が仏門に入るのがわかる気がしましたよ。


新右衛門の名は京に轟き、次々、手合わせを願った武士が新右衛門の元へ訪れる。
だが新右衛門は、あっという間に叩き伏せる。
新右衛門の剣はますます鋭く、非情になっていく。
そんな変化を、左門は感じ取っていた。

新右衛門は丹後守から、御前試合の時におり、町で話をした奥津源三郎(榎木孝明)がかつては新右衛門のように御前試合を次々勝ち抜いた剣豪だったことを知る。
強い相手がいない。
そう思っていた新右衛門は奥津との手合わせを願い、屋敷を訪れるが、奥津は剣は捨てたと言う。

なぜ。
奥津は次々、強い相手を求めて戦ったが、それには飽きたと言った。
京の都で武士が辻斬りに遭い、ついに細川家の家臣も被害にあった。
六郎次郎の探索により、辻斬りは奥津の仕業とわかる。

悩む新右衛門の前に奥津が現れ、試合を申し込む。
新右衛門は左門と数名を連れ、奥津の待つ山へ向かった。
奥津は新右衛門を待ち受けており、数名の金で雇った侍が斬りかかってくる。
左門はここは自分にまかせて、奥津を追うように言う。

奥津は二刀流で、新右衛門に斬りかかる。
辻斬りも管領の家来が襲われれば、新右衛門が出てくることを知っての挑発であった。
新右衛門は袖を切られる。
こんなことは、初めてだった。

新右衛門の剣を片手で受け、もう片方の手で新右衛門に斬りかかる。
または二つの刃を重ねて、斬りかかる。
奥津の繰り出す二刀流を、すんでのところでかわし、受け続ける新右衛門。
新右衛門の差している小刀の柄に、奥津の刃が当たった。

奥津が含み笑う。
「お前はわしの若い頃にそっくりだ」。
「お前はわしのようになる」。

覚えているはずだ。
人を斬った時の感触を。
高ぶりを。
新右衛門に、これまでの人を斬った記憶が蘇る。

「俺はお前とは違う!」
新右衛門の刃が、奥津の腕に当たり、続いて奥津は斬られる。
刀を振りかざそうとした奥津を、新右衛門は刺す。

奥津は新右衛門の刃を握ると、自ら深く深く刺し貫く。
倒れると、新右衛門を見て、笑った。
そして、事切れた。

鹿島では好戦的な殿の弟が後を継ぎ、家臣たちとの間には不穏な空気が漂っていた。
物忌みさまは、新右衛門を占うが、新右衛門の未来は見えない。
新右衛門の敵は、己自身…。
その言葉を聞いた真尋は、新右衛門の無事を一身に祈る。

真尋の前に物忌みさまが現れ、新右衛門の為に鹿島の神に祈り続けるように言う。
だが、それは夢と思われた。
その時、物忌みさまが倒れたとの知らせが来る。

京で、新右衛門は悩み続けていた。
自分は奥津のようになるのか、もしや既に、奥津のようになっているのか。
庭でその思いを振り払うように、鹿島の剣を振るい続ける。



「一筆啓上業苦が見えた」の世界でしたね。
剣の腕を磨き続け、やがて師匠でさえも脅威を覚え、闇討ちを計るが、撃退してしまう。
人の心の浅ましさに触れ、強い相手を求めてどんどん腕を上げて行く。
やがて血を見なくてはいられなくなり、そんな自分を斬ってほしいが、敵はいない玄覚。

殺し屋の主水が、そんな形で、剣の腕を活かせる主水が、うらやましい。
剣の斬り合いには勝ったが、人として負けた自分。
だが、誰も自分を斬ってくれない。
私はどうしたらいいのだ、どうしたら…。

あれを見ていたので、奥津は昔の自分にそっくりな新右衛門を知り、この男こそ自分を斬ってくれると期待した。
自分をこの地獄から救ってくれる、と。
同時に、血に飢えた魂が騒いでしまった。
強い相手と立ち合いたい、勝ちたい。

新右衛門が自分に斬られたら、それまで。
自分が負けたら、新右衛門には自分の姿を見せ付けてやろう。
新右衛門に自分の姿を見せ付け、このようにならないようにしてほしかった。
同時に、自分と同じ地獄に堕としてやりたかった。

結果、新右衛門は勝つ。
天は自分ではなく、新右衛門が生き残ることを選んだ。
満足して、覚悟していた奥津は新右衛門の太刀を深く自分で突き刺す。
後はこの男が自分を引き継ぐかどうか、とにかく自分の地獄は見せ付けた…。

いやー、見所あったー。
「必殺仕事人 激突!」の滝田栄さんもなんですが、実際に武道をやっている榎木さんの殺陣は迫力!
そして二刀流が流れるよう。
今回の立ち合いは腕の対決であり、精神のぶつかり合い。

剣と狂気が混ざり合い、ぶつかり合う。
それを榎木さんが、十分に表現してくれました。
新右衛門を、自分を嘲笑うような最後のまなざし。
あれは新右衛門に、残ってしまいますねー。

本田さんの公方さまは回想シーンだけでしたが、それでも人を斬ることを考え始めた新右衛門にとってあのセリフが重要でした。
第1回で出た物忌みさまに会った幼い日、妹の真尋が見たもう1人の兄・新右衛門。
真尋は必死にもう1人の兄と近づきそうになった兄を連れ戻したんですが、あの意味が今回わかった気がします。

あれはもう1人の新右衛門、強さゆえに鬼と化すかもしれない、もう1人の新右衛門だったんですね。
物忌みさまの、新右衛門の敵は己というのは、そういうこと。
そして、神の試練とは、そういうことだったんですね。
物忌みさまが倒れたとうろたえる老婆の役、「任侠ヘルパー」の3話に出てきたおばあちゃんですね。

真尋は既に兄が直面する精神の危機を、感じ取っていたということでしょうか。
これから先も真尋が兄を支え、やがて兄と神の橋渡しをする存在ということでしょうか。
真尋以外の女性についてですが、奥津を知っていそうなお美津さんでしたが、あまりその辺は関係なかった。
鹿乃が新右衛門を心配する場面はありますが、恋愛にあまり重きをおかないドラマなのは剣豪を描くのにいい感じだと思います。

そうそう、山本勘助が登場しました。
冴えない感じでしたが、後の軍師。
史実でト伝と勘助は交流があったとか聞いたことがありますが、あと2回で、どこまで描くんでしょうね。
7回で終わらずに、第2弾もお願いしたいところです。


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