こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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人間では解き得ない何か 「怪奇大作戦」9話

9話「散歩する首」。

失踪するオートバイに乗っていた男女。
やがて美登利峠と瀬戸滝の別れ道にさしかかり、道に迷ってしまった。
うっそうとした森で日は暮れ、薄気味が悪くなった男女は引き返した。

だが走っている最中に女性が「あれ!」と驚く。
目の前にはニヤリと笑う、赤い口紅の女性の首だけが浮かんでいた。
事故を起こし炎上するオートバイ。
目撃者もまた、首を目撃し、悲鳴をあげて逃げ去った。

「散歩する首」。
最近、タクシーやトラックの運転手に囁かれる怪談話のような噂。
だがそれが事故に繋がっているなら、見過ごすわけには行かない。

その朝、世田谷で変死体が発見された。
解剖の結果、血液からジキタリスという植物の成分が発見された。
ジキタリスの葉には猛毒があり、その成分には強い強心作用があった。
しかし、死因は事故によるものだ。

夜の町を1台の車が走り、中にいる女性・律子はどうやら久しぶりに運転席の男性・星野から誘いを受けたようだった。
「あの女と結婚しようとしたって、そうはさせないわ。私はあなたの秘密を知っているのよ」と女性は心の中でつぶやく。
男性も心の中で、考えていることがあった。

「俺が会社の金を使い込んでいることを、こいつは知っている。俺があの女と結婚することを知ったら、こいつは黙ってはいないだろう」。
「どうして今夜、私を誘ったんだろう?何かあるわ、きっと」。
車は寂しい山道に差し掛かった。
その時、道に男女が飛び出す。

ブレーキを踏んだ星野は「危ないじゃないか!」と言うが、男女はホテルまで乗せて行ってくれと頼む。
ホテルには行かないと星野は断るが、途中まででいい、もうクタクタだと男女は頼み込む。
その時、律子は星野が自分を殺そうとしていると思った。
「私を殺すつもりだわ。この人」。

「止めて!」
走り出した星野のハンドルにしがみついて、律子は「早く!早く乗って!」と男女に向かって叫ぶ。
「良かった」。
「すみません」。

男女が乗り込んでくる。
その先に浮遊する女性の首が見える。
4人は悲鳴を上げ、車は事故を起こして道路から落下してしまう。

その頃、地元の警察官が、事故の発見者の男を連れて、ある廃屋に入っていた。
廃屋には近所のばあさんが寝泊りしていたが、そこに先ほど事故を起こした遺体を運んでくることになっていた。
牧は事故の報告を受けて、現場に向かう。
3人は即死だが、星野だけは脳震盪ですんだ。

ばあさんが花を棺に捧げ、祈ってやっている時、一つの棺の蓋がひっそりと持ち上がる。
警官に連れてこられた星野が、棺の中の律子を見て、むせび泣く。
星野が首を見たというので、牧がやってくると警官が言う。

その時、部屋の隅で何かの音がする。
婆さんはねずみだと言って、殺す。
星野は事故の通報者に律子を妻だとごまかしたが、あとのヒッチハイクをしていた男女の身元はわからなかった。
牧がやってきたが星野と事故の通報者を見て、どこかであったことがあると記憶をたぐる。

「そうだ。あの男だ」。
友人の勤める研究室を訪ねた時、大崎教授は自分の邪魔をする、1人で研究を続けると憤慨しながら、白衣を脱いだ男がいた。
いつか大崎に土下座させてやると言って、出て行った男は峰村という男だった。
良質の米を取れる作用があるガスの研究をしていたのだが、峰村は米や野菜などの成長を促進する成分をある植物から見つけた。

それは強い強心作用を持っていた。
だが、大崎教授はその利用に反対した。
それは何かと尋ねると、友人は「ジキタリス。福寿草さ」と言った。
ジキタリス。

牧は峰村の消息を調べてくれるよう、的矢所長に頼む。
その時、階下の棺がひとつ、空になっていた。
「死体がない!」
念仏を唱えるばあさんに、牧はずっとここにいたんでしょうと聞くが、婆さんは念仏を唱えるばかり。

警官はずっと外で見張っていたが、人の出入りはなかったという。
物音に牧が戸を開ける。
注目した全員が、目を見張って驚く。
戸の外には、女性の首が浮かんでいた。

遺体置き場から消えた律子の遺体機械に繋ぐ男が、いた。
脳波が記録されていく。
男は律子のマスクをし、何かのガスを送り込む。

それは峰村だった。
事故現場の発見者が峰村だったのだ。
「生きるんだ。生き返るんだ」。
言いながら、峰村はガスを送り続ける。

しかし、脳波の反応はない。
「ちくしょう、生きるんだ。生き返るんだ」。
峰村は機械のつまみを、最大限にする。

的矢所長が峰村の消息をつかんだ。
牧から事故の通報者が峰村だと聞いた的矢所長は、自分も現場に向かう。
サイレンが鳴り響き、牧と星野が峰村のいた部屋に入ってくる。
律子の遺体に取りすがって泣く星野。

暗い隣の部屋に入った的矢所長は、暗闇に浮かび上がる牧の首を見る。
それは鏡に映ったまきだった。
電気をつけた的矢所長は牧を見て、「これだな。首のしかけは」と笑う。

次の部屋に入った牧は、浮いている女性の首を見て驚くが、すぐに首を叩き落す。
首は人形だった。
物陰に隠れていた何者かが牧に殴りかかるが、的矢所長は逃がさなかった。
牧が髪の長い女性を捕まえ、変装をはがすとそれは峰村だった。

「いつまでこんな、狂った実験を続けるんだ」。
「何の為だ」。
「死人が生きる為だ。人間が永遠に生きる為だ」。
「その為に次々と事故を起こし、遺体を盗んだのか」。

峰村はジキタリスを使った実験をする為、首を使って運転者を驚かせて事故を起こし、遺体を盗んでいたのだ。
「医学者でもないお前が、人間の生と死の間に立ち入ろうとしたのか。怖ろしいことだ」。
牧が峰村に覚えているかと聞くと、峰村は覚えていた。
大崎に研究所を追い出された日にいた男だ、と。

星野が遺体に取りすがって泣いていると、律子の手が動いた。
それを見た星野は絶叫する。
律子は起き上がり、峰村を指差すとまた、がくりと首をうなだれた。
「勝った!勝ったぞ!大崎に勝った!今度こそ、大崎を土下座させてやるんだ!」

笑いながら峰村は連行されていく。
検視の結果、律子の死亡時刻は、やはり昨夜の事故の時間だった。
人間の生と死の間には、人間の知恵では解き得ない何かがある。
何かが。

死んだ律子の肉体から、殺されるという恐怖だけが蘇ったのか。
人間の命を大切にするということは、峰村のような行為ではないと牧は言う。
野村は首のトリックがわからないと言うと、的矢所長はさおりを呼ぶ。

暗闇の中で、さおりの首が浮き上がる。
それは鏡を使って、さおりの首だけを暗闇に映すトリックだったのだ。
おどける牧に、SRI全員が笑った。



交通事故は39分に1人死亡、41秒に1人負傷者が出ると劇中で言われてました。
車がどんどん、増えてくる時代だったんですね。
冒頭でオートバイの男女がドライブインらしきところで、「プラッシー」というジュースを買います。
あったかもしれない、「プラッシー」。

ドライバーが宙に浮く首を目撃するという、今でも聞くような怪談話。
見ていましたが、これも全然子供に向けて作ってる話じゃないですね。
会社のお金の横領、微妙な関係の男女、殺されるかもしれないと危惧する女性。
サスペンスドラマみたいです。

遺体を一応、廃屋に安置するとか、時代ですねー。
ねずみが出て来て、おばあさんがそれを追い払うんですが、そういうところも時代を感じてしまう。
さらにこのおばあさんが、コワイ。

危険な毒物を含んだ植物を利用するしないで、教授と対立して研究所を出た男が、見返すために研究を重ねる方法として事故を起こしていた。
事故のトリックと、死体を生き返らせる実験と、科学2本立て。
もっとも首のトリックは簡単でしたね。

人間を生かせる為の実験で、人を次々と殺す矛盾に気づかない。
命を大切にする為の研究が、いつの間にか教授を跪かせる為の研究になってしまっても気づかない。
律子さんを本当に殺そうとしていたのか、わからないけれど、犯罪者である星野。
今回は出てくる男性が、エゴイストでした。

星野は本当に悲しくて、後悔して泣いてたんでしょうか。
しかし死人に起き上がられて指差されたら、もうこれまでどおり、暮らしてはいけないと思う。
ジキタリスのガスと律子の恐怖が結びついた、偶然の結果だったんでしょうか。

浮遊する首と背後の犯罪は解決しましたが、なぜ律子が起き上がったのかは謎のままです…。
人間の生と死は、人間には解き得ないということでしょう。
このドラマは怪奇現象を扱っていますが、全てを否定する科学万能主義でもない。
怪奇と科学が、非常に良いバランスを撮っているドラマだと思います。


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