10話「死を呼ぶ電波」。


ある大会社の経理課長でもあり、社長の息子でもある村木秋彦がボクシングの世界選手権を見る為、早く帰宅し、チャンネルを合わせた。
だがテレビには何も映らず、代わりにピストルを持った手が現れ、「村木秋彦。お前は死ぬ」と言うと秋彦を撃った。
テレビの中のピストルから赤い一筋の光線が出ると、秋彦は倒れる。
検視の結果、秋彦は心臓に大火傷を負っていることがわかる。

レーザー光線によるものかと思われたが、ピストルほどの小ささの銃からレーザー光線は発射できるほど研究は進んでいない。
SRIが捜査したところ、村木家はそれぞれテレビを持っており、互いに干渉をしないで暮らすようにしていた為、誰にもその時の状況はわからない。
たった1人、お手伝いの女性だけがテレビが映っていなかったことを証言。
どのチャンネルも音も映像もなかったという。

昭彦の父であり社長の村木剛造は、ケチだが身内には好き勝手にさせていた。
その為、村木家以外は敵と言っても間違いはないほど、敵は多かった。
秋彦の捜査は自殺では考えられないことがある為、他殺の方向だったが、剛造はそれに対して不満を言う。
車に乗った剛造が車内のテレビをつけさせると、突然、木魚の音と読経が流れてくる。

画面には5年前、剛造と息子に殺されたと言って、小山内久市という男が映る。
剛造は、あわててスイッチを切らせ、秘書にも運転手にも他言無用と言い渡す。
牧は昭彦の部屋にあったテレビと、ベランダに設置されたアンテナを調べていた。
三沢が、秋彦の事件前、国民生活研究所という団体から来た男が、村木家のテレビをいじったことを突き止めてきた。

牧がテレビを分解し、徹夜で調べたが、原因はコンセントにあった。
このコンセントには発信器がつけられており、テレビのスイッチが入るとそれがどこかに知らされていた。
さらにベランダのアンテナは、特殊な電波だけを傍受できるアンテナだった。
剛造はラジオなら良いだろうとラジオをつけるが、そこからも木魚と読経の音が響き、次は剛造の番だと言われる。

小山内久市のことを、剛造は思い出す。
会社の社長室にいた剛造に電話がかかり、またしても木魚と読経の音がする。
そして声は「まだ元気だな。だがお前の命は明日限り」と言う。
怯えた剛造は、セスナに乗って声の届かないところに逃げようとする。

セスナをも操る電波の危険性を察知したSRIは、剛造を止めると同時に、逆探知をする。
野村がヘリに乗って、剛造を追いかける。
その頃、牧は逆探知に成功し、三沢が牧から知らせを受けて川崎市に急行する。
野村が剛造のセスナを発見したが、様子がおかしい。

剛造の乗ったセスナの無線機からはあの声が聞こえ、セスナは操縦不能となる。
海面まで急降下し、寸前で舞い上がるセスナ。
電波を操りながら、声を放送している男の前には小山内久市の遺影が飾られていた。
次にセスナは背面飛行をし、きりきり舞いさせられた中の剛造は悲鳴をあげる。

「どうだ。殺される気持ちが少しはわかったか」。
「わかった。わかった!許してくれ。どんな罪にでも服す。助けてくれ」。
「ダメだ。地獄で会おう。俺はこの日が来るのを5年間待っていたんだ」。

三沢はあるマンションから電波が出ていると突き止め、マンションに急ぐ。
「木っ端微塵にしてやるぞ」。
そう言った時、三沢が飛び込んできた。

三沢と犯人はもみ合いになり、犯人は光線の出る銃を押さえつけられ、男の操作していた機械に向かって撃ってしまう。
機械は火花を上げて、爆発。
セスナの操縦は可能になった。

男は三沢にナイフを向けるが、三沢は男を壁に叩きつける。
「なぜ、邪魔をするんだ。俺の親父はあいつらに殺されたんだ」。
「だから復讐するのか。だがやり方がまずい。君ほどの才能なら、証拠を見つけて…」。
「うるさい!俺の気持ちがわかってたまるか!」

そう言うと男は部屋の奥に転げるように走っていく。
小さな空間に体を入れると、レバーを上げる。
すると、電波が走り、男はその中で息絶えた。

男の死後、復讐日記と書かれた日記が見つかった。
小山内久市は自分の死を予測し、息子の健二に詳しい状況の説明をした。
予測どおり、久市は村木親子に謀殺された。
そこで健二は遺産の全てを使って米国に留学、あらゆる科学の知識を詰め込んで帰国した。

「牧さんのお父さんも正義の士だった為に殺されたんでしょう…。同じ状況の中で、しかも同じ科学を身につけた牧さんと大きな違いですね」。
的矢所長は町田警部に剛造の有罪を確かめると、検察庁は太鼓判を押したと言う。
「法の裁きで村木を断罪せんことには、な」。
事件が解決したので、SRIと町田警部はさおりの運んできたコーヒーで乾杯する。


お手伝いさんがいる家に帰ってきた秋彦と入れ違いに、妹が出かけていく。
妹の外出に関して、関係ないと言う秋彦。
さらにこの家には昭和40年代当時には珍しく、個人個人でカラーテレビがあったと言われてます。
現在だと個人にテレビがあるのは普通で、それぞれが部屋で違う番組を見ているなんて珍しくないですが、この当時は相当めずらしかったはず。

捜査に来た牧に、「なるべく干渉しないで生活している」と母親が言う。
現在の家族を先取りしているかのような、村木家です。
お手伝いがいるような家なので、それも可能だったんだと思います。
機械製品が発達し、誰でも手に入れられるようになった現在をスタッフはわかって作っていたんでしょうか。

健二は剛造をきりきり舞いさせているうち、マンションを突き止められてしまいました。
死の恐怖を存分に味あわせなければ気がすまなかったのでしょうが、あんなにセスナを操らなかったらトドメを刺せたかもしれません。
こういう復讐劇も、現在のサスペンスに良くありますよね。

今回は、最後に野村が牧の父親に何か事件があったことを話しました。
小山内親子と同じ状況になりながら、牧は小山内健二とは違う道を選んだと。
犯人の気持ちがわかる、それでも犯罪を暴く為に捜査に没頭する為に科学を使う牧さん。
牧さんって人間は、かなりいろんな事情を抱えているのですね。


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2011.11.28 / Top↑
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