こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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人間になりたい、でも人間にはならない! 「妖怪人間ベム」

「妖怪人間ベム」が最終回。
後半、強盗犯がベムと夏目・緒方一家がいるコンサート会場に乱入してからは、見せ場が続きましたね。
名前のない男は、ベムたちと同じ、人間になるはずだった。
だが人間になるはずが、ベムたちと分離し、2つの妖怪人間ができた。

人間には悪と善の、2つの面がある。
名前のない男には、人間の悪が。
ベム、ベラ、ベロには、人間の善が。

だから名前のない男の悪を、ベムたちが体内に取り入れれば人間になるという。
名前のない男が仕向けなくても、人間は悪に走る。
そこに隠れて聞いている、夏目がそれを証明してくれたではないか。
言われて夏目は出てくる。

夏目の息子を死なせたのは、自分だ。
憎いでしょう、さあ、私を殺しなさいとステッキを渡す名前のない男。
さきほど、名前のない男は自分にステッキを刺し、緑の血液を全てステッキに吸い取らせれば、自分でも死ねると教えてくれていた。

夏目はついに、床に転がっているステッキを手にする。
ベムたちに緊張が走る。
だが夏目はステッキを名前のない男に手渡し、「僕にはできません」と言う。

名前のない男は、では自分は自分の正義を貫くと言う。
「人間の悪を開放するまで」。
そしてベムたちが自分を必要とし、呼べばすぐに現れると言って消えてしまう。

しかし、名前のない男の悪を体内に取り入れたら一体、どうなるのだろう?
「自分たちは本当に人間になりたいのだろうか」と悩むベムたち。
夏目は「僕は人間になってほしいと思います」と言う。
ベムたちは、自分が守ると言う。

自分たちの家に誘い、楽しい時を過ごす夏目一家とベムたち。
人間になれば、こういう思い出を重ねていけるのだ…。

悩む3人を夏目が、夏目一家と緒方一家が行くコンサートへ誘う。
だがコンサート会場には、警察に追われた強盗グループが乱入。
強盗グループが逃げる途中、彼らの前には名前のない男が現れていた。

コンサートに来た客を人質に取ったグループは、凶暴性を出す。
人質を救う為に変身しそうになるベム。
「いけない!ベムさん!」と気遣う夏目を後ろに、3人は変身。
パニックを起こした犯人たちが乱射する銃から人間を守る為、自分たちが撃たれっぱなしになる。

そして弾丸が尽きた後、強盗犯を退治。
だが1人の強盗犯はまだ意識があり、ベムに向かって銃を撃とうとする。
そこを夏目が阻止。
「守るって言ったでしょう」。

強盗犯が流した涙に、ベロが手をやると、人間の皮膚には戻らない。
つまり、彼らは名前のない男にそそのかされたのではなかった。
研究所で、ベムたちはついに、名前のない男と対決。
「答えは出ましたか」。

「俺たちは人間になりたい、だが、人間にはならない!」とベムは言う。
「お前は、俺たちが止める!」
「いいのですか?私が消滅すれば、あなた方は未来永劫、人間にはなれないのですよ」。

「ああ、それがあたしらなのさ!」とベラが言う。
「おいらたちは妖怪人間なんだもん!」とベロも言う。
「俺たちはそうやって生きる!」

自分たちは妖怪のままでいい。
死なない妖怪でいて、人間を助け続ける。
名前のない男と、ステッキとステッキを激突させ、激しくぶつかり合う。
その激烈さに、空間が歪む。

固唾を呑むベラ、ベロ。
ベムは言う。
「こうするしかないんだ。悲しむ人間を増やさない為に」。
ベムのステッキが、名前のない男に刺さる。

男が悲鳴を上げ、緑の血液がステッキに、床に流れていく。
床に流れた緑の血液は、ランプの火に引火する。
炎が燃え広がっていく。

名前のない男は、「あなたたちの未来を思うと、同情しますよ」と笑う。
「それに引き換え、私は幸せだ」。
苦しみながらも、その表情は安らぎに満ちていた。
「ようやく死ねる…」。

ステッキは男の血液を全て吸い取った。
男の顔の色が、赤から灰色に変わっていく。
安らぎの表情を浮かべ、倒れる男。
夏目が駆けつけた時、研究所は火に包まれていた。

「ベムさん!」
叫ぶ夏目の目には、涙を目に、微笑むベム、ベラ、ベロの姿が映る。
研究所に入ろうとした夏目だが、研究所は炎の中、崩壊する。

炎が全てを焼き尽くして収まった後、夏目が見たものはステッキだった。
3人の姿はない。
夏目は3人がひっそりと暮らしていた船を訪れるが、そこにはベムたちがいた形跡がそのまま残っていた。
ベムの帽子、ベラの髪飾り、ベロのゴーグルを夏目は置いて行く。

夏目一家は息子をなくした傷口は開いているものの、前を向き出した。
緒方は2本のステッキを前に、自分たちが知らないことがまだ世の中にはあるとうなっている。
いなくなったはずの栄太郎が、ベムたちと作った家に戻っていた。
進路に悩んでいた小春もまた、前を向き始めていた。

夏目一家のピアノの前には、ベムたちと撮った写真が飾られている。
小春の「決めたら一途なんだよ」は、ベラに言われていた言葉だ。
夏目は刑事を辞めず、今日も犯人を追っていた。

ふと、犯人を見失う。
探す夏目の背後に、拳銃を構えた犯人がいた。
犯人が発砲する瞬間、何かが夏目を倒して弾丸を避けさせた。
夏目が起き上がった時、犯人は倒されていた。

「ベムさん…?」
答えはない。
夏目が天を仰ぐと、そこには美しい満月。
そういえば、満月を背に、ベム、ベラ、ベロは飛ぶように走っていた。

妖怪人 ベム、ベラ、ベロ。
3人の姿は消えた。
だが、彼ら正義の魂が死ぬはずはない。
きっと、どこかで生きているはずである。



いや、思った以上に良いラストでした。
確か、アニメでは人間を食べて、体を乗っ取る妖怪が出てきた。
それで、ベムたちもそうやれば人間になれることに気がつく。
しかし、ベムたちはそれをやらずに、妖怪を倒す。

だが建物に火がつき、ベムたちも炎に包まれる。
焼け跡には、ベムのステッキ、ベラのムチ、ベロのゴーグルが残っていた。
彼らをその後、見た者は誰もいない…、で終わっていた、はず。
これはアニメのラストの香りをさせつつ、ずっと人間とは?善と悪とは?の疑問に、ベムたちなりの答えを出して終わっていました。

犯人たちを前に、変身しなければいられなかったベム。
とっさに出ようとしたベロを、ベムの顔を見て止めるベラの優しさ。
人間たちに当たらないよう、弾丸を浴び続ける妖怪人間。
呆然としている夏目の妻と娘、緒方一家を背につらそうに去っていく3人。

「お父さん!」と叫んだ夏目の娘の声が、「ベムたちを守ってあげて!」に聞こえました。
ベムたちを呼び止めることはできなくても、最後にベムたちの写真を飾っていたことが、彼らの答えだと思います。
そして、ベラの言葉を自分も言ったことが小春の答えだと。

異形の3人でも、心は異形ではない。
自分たちには、大切な「人」だ。
大切な仲間だと。

だけど、名前のない男には、そういうことはなかった。
私だって人間になりたい。
誰かに、名前を呼ばれたい。
名前のない男の哀しみと、長い長い孤独を感じました。

自分がそそのかさなくても、人は悪に走るということで、自分を取り入れさせる決意を促した名前のない男。
だが、ベムは彼が誘わなくても人間は悪に走る、と悟った。
それならそういう人間から善に留まっている人間を守り、悪に走った人間をも救うことができるのは自分たちだけだ、と悟った。
妖怪でなくなったら、人間を助けられなくなる。

悪に走るのが人間だとしても、悪に誘う名前のない男の存在を許すわけには行かない。
そして、男を殺すことで、ベムは人間になることをやめた。
彼らは人間になることが望みではなく、「人間らしく」生きることを選んだ。
その為に生き続け、人を助け続ける為に妖怪に留まる道を選ぶ。

名前のない男・柄本明さんが、素晴らしかった。
「悪がそんなに醜いですか?人間は悪ではないのですか?」と言う名前のない男。
ベムたちはそれでもただの妖怪にならないと言える強さを持っていたし、長い年月を経たけれど、夏目と言う友人ができた。

しかし、名前のない男は孤独の中を生きてきた。
悪の面だけを見続けた男の哀しみ。
最初にベムに殺し方を教えた時点で、ベムがもしかしたら自分を殺すかもしれないと感じていたはず。
そうしたら自分は、長い孤独に別れを告げて、やっと安らぎを得られる。

だからベムたちの今後を考えたら、かわいそうだと言った。
そしてベムたち3人は、名前のない男へも憎しみではなく、哀れさを感じた。
彼への深い共感の涙。
夏目への別れの涙。

最後にベムたちは消滅していないのでは?と感じさせて終わるのが良かった。
ドラマを貫いたテーマに、答えを出して、希望を出して終わる。
アニメは哀しく終わったので、この希望ある終わり方はこのドラマには良かったです。

亀梨和也さんも、良かった。
「必殺仕事人」の田中聖さんといい、「ラストマネー」といい、KAT-TUN起用は私個人には良い結果になることが多いみたいです。
ベラに杏さんが、あんなにはまるとは思わなかった。
「醜い容貌より、醜い心になる方がよっぽど嫌だ」というセリフが、このドラマのテーマを表していましたね。

鈴木福くんのベロは、最初に人気子役にベロなんて狙いすぎかなと思わないでもなかったですが、良かった。
しかし3人ともカッコイイ、美しい、かわいいで、人間にならなくても十分、大丈夫よとか思いました、ごめんなさい。
ビジュアル面では、アニメのベムには名前のない男が近かったですね。

北村一輝さんの、ちょっと頼りない、しかしベムたちに人間の良さを教えてくれる刑事さんも意外にハマっていた。
彼はベムたちにとって、やっとあえた運命の人…というべきか。
彼らがまた再び会える日は来るのか。

逃げ出した栄太郎を「帰る場所はわかっている」と戻ることを信じていた緒方一家、そして栄太郎は帰ってきた。
それが伏線だとすると、ベムたちは密かにあの町にいると思うんですよね。
自分たちを受け入れてくれたあの町が、彼らの帰る場所。

「妖怪人間ベム」に続編があってもなくても、ドラマは綺麗にまとまって終わってくれたと思います。
次から土曜の夜が寂しくなる。
いや、クリスマスイブにいいものを見せてもらいました!


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Comment

No title
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初回は、どうなるんだこの物語は?って不安もあったんですが、生まれたときから正義しかもっていなかった!そりゃ、ベムの憂いも深かろうってものです。名前のない男もベム・ベラ・ベロもみなはまって素晴らしかったけど、夏目さんがよかったなあ!誠実な心って、ともすれば軟弱に見えがち。自分の悪の心に悩み、立ち向かおうとする勇気こそ、ぼ、ぼ、ぼくらが見習おうとすべきものです。夏目さん、もう大好き!最後は、夏目さんも3人の妖怪たちも自らの尊厳に気づき、誇りを持って生きていく姿で終わって、とってもとっても感動でした。
2011年12月26日(Mon) 15:42
ごろ寝の人さん
編集
>ごろ寝の人さん

>初回は、どうなるんだこの物語は?って不安もあったんですが、生まれたときから正義しかもっていなかった!

亀梨君が「妖怪人間」と聞いた時から、変わったヒーローものにするのかなあ?なんて思っていたのですが、人間の善と悪、外見と内面に切り込みましたね。
2つに分かれて片方に善が、片方に悪が集まったとは!
そりゃあ、ベムが人を助けたくなっちゃうのもわかる。

>名前のない男もベム・ベラ・ベロもみなはまって素晴らしかったけど、夏目さんがよかったなあ!

夏目さん、良かったですよね~、救いでした。
彼が物語の要を握ってた。

>誠実な心って、ともすれば軟弱に見えがち。自分の悪の心に悩み、立ち向かおうとする勇気こそ、ぼ、ぼ、ぼくらが見習おうとすべきものです。

実際、夏目さんは刑事としては甘い感じでしたが、彼に妖怪人間が救われて、妖怪として生きる意義を知らせてくれた。
夏目さんがダークサイドに落ちなかったのは、本当に素晴らしい。
あれが物語を普通にしませんでしたね!
とっても、他の人にはできなかったことを夏目さんはやってしまったわけで、夏目さんの勇気は真似できないものでした!

>夏目さん、もう大好き!

ベム、ベラ、ベロが夏目さんが好きなように、私も大好きです~。

>最後は、夏目さんも3人の妖怪たちも自らの尊厳に気づき、誇りを持って生きていく姿で終わって、とってもとっても感動でした。

希望がある、粋なラストが良かった。
ベムたちが、妖怪であることを選んで生きていく。
良かったです。
2011年12月27日(Tue) 10:51












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