こたつねこカフェ

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死んでく野郎に名乗るほどのもんじゃねえ 「助け人走る」第18話

第18話、「放蕩大始末」。


夜鷹が男に声をかけているところに通りかかったのは、若い侍2人。
旗本の奉公息子の内堀と浦部が夜鷹をただで襲おうとしてもみ合っていた時、酔っ払った文十郎が2人に小便をかける。
「武士の面体に!」と怒る2人だが、浦部は文十郎にかわされて土手を落下。
残る内堀は文十郎に捕まり、名乗れと言われて「内堀」と名乗った。

内堀といえば、由緒ある旗本だ。
文十郎は呆れて解放する。
助けてもらった夜鷹が文十郎に礼を言って、「まけておく」と言うが、文十郎は「酒の方が好きなんだ」と言って去っていく。

大工の平八はまじめな大工だが、最近は昼間から酒を飲み、荒れていた。
「飲みたくて飲んでいるわけではないが、飲まなければ腹の虫が収まらない」と人に絡む。
暴れていたところ、為吉に案内された清兵衛がやってきて、暴れる平八の頬を張り倒す。
清兵衛が娘のお咲のところに平八を運んできて、平八が荒れる理由を聞いた。

最近、お咲の様子もおかしいが、平八もお咲も理由を言わない。
清兵衛は平八とは盗人時代からの知り合いで、平八もかつては盗賊だったのだ。
平八が妻を亡くし、男手ひとつでお咲を育ててきたのを知っている。

為吉が調べてもわからないので、清兵衛は平八の娘のお咲と将来を誓い合った小間物屋の手代の丈太郎に理由を聞いた。
近頃、お咲と丈太郎もうまく行っていないらしい。
丈太郎の口も堅かったが、清兵衛は聞き出した。
実は、お咲が旗本の放蕩息子2人に、手篭めにされてしまったのだ。

丈太郎は「元はといえば、お咲を人気のない場所に誘ったことが原因だ」と言った。
清兵衛は「それでお咲を捨てたのか」と言うが、丈太郎は「お咲がこんなことがあってはもう、うまく行かないと拒絶するのだ」と言う。
理由を知った清兵衛は丈太郎に、「見ていたのなら、どうして命がけでお咲を守らなかった。どうして死に物狂いにならなかったのか」と言う。

話を聞いた平内は、それは無理な話だったと言う。
相手は2人、しかも武士では。
怒りの清兵衛は文十郎と平内に5両ずつ、前金を出して相手の旗本を突き止めるように依頼する。

喜ぶ2人だが、清兵衛は「どちらか早く突き止めてきた方が5両を手にして、遅れた方には返してもらう」と言った。
平内は文十郎に「金を使わないでいた方がいい」と言うが、文十郎は「ちょっとした心当たりがある」と言う。
その心当たりを聞く平内に、文十郎は逆に「その懐の金を使わない方がいい」と返す。

文十郎は丈太郎を連れて、夜鷹を襲っていた内堀に会わせたが、丈太郎は「お咲を手篭めにした男ではない」という。
だがその夜、浦部伸吾、近藤数馬、内堀彦太郎の3人が酒を飲みながら話していることには、お咲の時には内堀はいなかった。
そして、夜鷹の時も、内堀はいなかった。
だから、浦部はとっさにいなかった内堀の名を名乗ったのだった。

「おかげで門番を前に冷や汗をかいた」と内堀は言うが、3人はまた、町娘を襲う相談をしていた。
しかも平八の娘をつけて、家も確かめていた。
「もうとても岡場所で女など買う気にならない」と言って、3人が町へ出ようとした時だった。
影で聞いていた文十郎が現れ、3人を取り押さえた。

文十郎が捕まえた為、平内が5両を返さなければならなくなったが、既に2両使ってしまった後だった。
為吉は、足りない分をツケにする。
浦部の家では父親が激怒し、伸吾を蔵に押し込めた。
母親は伸吾をかばうが、清兵衛は家に乗り込んでいく。

だが浦部の父は「伸吾だけが悪いのではなく、どちらかというと悪い友人の近藤に誘われたのだ」と言い張る。
しかし清兵衛は引かない。
近藤家では、数馬を勘当すると言ったが、浦部家では息子が1人。
勘当すればお家の存続が危うい。

「まあ、金だろうね」と、一緒に来ていた文十郎は言う。
貧乏人が最後に頼るのは、金しかない。
お咲はもう、まともに嫁には行けないだろう。

まとまった金を手にして、小奇麗な店でも開かなければ、生きていく気にもなれないだろう。
何しろ、一生を台無しにされたのだから。
清兵衛は「1人50両、びた一文まけても奉行所沙汰にする」と言った。

近藤と浦部の父は、平八の家に行き、慰謝料を差し出す。
平八は「そんなつもりではなかった」と言い、恐縮し、金を辞退する。
「金が目当てではない」と言う平八の話を、お咲は背中で聞いていたが、うれしそうに引っ込める近藤と浦部に向かってお咲は「金は受け取る」と言った。

「悪い事をした者から償いとして金を受け取って、何が悪い」。
見ていた長屋の連中も「そうだそうだ!」と叫ぶ。
お咲は、金を受け取る。

平八の家から帰る時、近藤数馬の父親は「平八に見覚えがある」と言った。
日本橋の大火の折り、牢のお解き放しがあったがその時に平八がいた。
平八は盗人で、お咲は盗人の娘だったのだ。

お咲は丈太郎に、「貰った金で髪結いの店を開く」と別れを告げた。
丈太郎は、「別れるのは嫌だ」と言った。
悪いのは、お咲ではない。
なのに、なぜ別れなければならないのか。

今後いっさい、このことを口にして、お咲を苦しめたりしない。
お咲がいなくなったら、働く気もしない。
10年勤めてきた店も辞めてしまう。
丈太郎の言葉にお咲は涙を流し、2人は元通りになった。

その頃、数馬がしののいる茶店に来ていた。
数馬はしのをじっと見つめていると、伸吾がやってくる。
「勘当されたのは本当か」と聞かれた数馬は、「親父の言うことは口ばかりで本当に勘当などできない」と言った。
伸吾の方は「丸1日蔵に閉じ込められ、父親に殴られ、母親に泣かれ、ひどい目にあった」と言う。

すると数馬は、「伸吾は親の扱いを知らない」と言った。
数馬は逆に、「責任を取ってお咲を妻にする」と言ってやったのだった。
父親は仰天し、盗人の娘など、嫁にできるかと口走った。

「あの女の父親は盗人だ」と、数馬は言う。
そして伸吾の注文を取りに来たしのを見送ると数馬は、「いつかものにしようと目をつけている」と言った。
話を持ちかけられた伸吾も、しのに目をつけた。

丈太郎が行商している前に、数馬と伸吾が現れる。
お咲はどうしているか聞かれると、「元気にしている」と答える。
すると数馬と伸吾は「それはそうだろう、盗人の娘だからな」と笑って去って行った。
その一言が、丈太郎の気にかかる。

お咲は清兵衛に、数馬たちの父親から貰った金を渡しに来た。
助け人として、清兵衛がずいぶん金を使ったと父親に聞いて、払いに来たのだ。
清兵衛は一旦受け取り、またお咲にお金を祝い金として返した。

「祝言は5月になる」と、お咲は言った。
清兵衛は「例え、この先、丈太郎が何か言っても受け流すことが大事だ」とアドバイスした。
それができなくては、本当の夫婦ではない。

清兵衛の言葉に、お咲は微笑む。
帰りに小間物屋に寄って、丈太郎を呼ぶが、番頭の表情は硬い。
「丈太郎は留守だ」と言って、主人が「お咲に会いたいと言っている」と話す。

座敷に通されたお咲は、丈太郎の勤める小間物屋の主人から「自分は丈太郎の叔父である」と告げられる。
だから、甥っ子である丈太郎のことは、そう簡単に行かない。
「お咲のことは調べさせてもらった」と、主人は言う。

ちょっとばかり、まずいことがある。
この前の一件ではない。
あれは災難だ。
だが、お咲の父親のことは違う。

「島帰りなんだってね」と言われて、お咲は驚愕した。
廊下を歩いて帰るお咲の前に、丈太郎がいた。
だが丈太郎はお咲から目を伏せると、無言ですれ違った。

その日の綺麗な夕暮れ。
河原でお咲の遺体があがった。
無言の帰宅をしたお咲の前で、清兵衛も「一体どういうことなんだ」と言った。
平八は「お咲は書き置き1つ遺さず逝ってしまったので、何もわからない」と言う。

だが清兵衛は丈太郎が来ていないことに気づき、為吉を使いに走らせる。
為吉が外に出ると、呆然と立ち尽くす丈太郎がいた。
「お咲を殺したのは、私だ」。
丈太郎はそう言うと、泣き崩れた。

確かに清兵衛は一時期、平八を手下に使ったが、およそ盗賊には向かない男だった。
だから足を洗わせようと思っていたところ、お縄になってしまった。
そこで八丈島で罪の償いをして、返ってきたのだ。
清兵衛はお咲には、そのことがわからないようにしてきたのに。

話を聞いた文十郎と平内は、「全てが無駄になってしまったのか」とため息をつく。
文十郎は「丈太郎が許せない」と言うが、平内は「それより旗本の小倅どもが許せない」と言った。
清兵衛は「あの2人は勘当させる」と、言った。

そんなことができるのか。
すると、為吉が瓦版を持ってやってきた。
「御曹司乱行」。

明日の朝、数馬たちの行状を書いた瓦版を町中にばらまく。
そうすれば旗本の対面上、勘当するしかないし、目付けも動かざるを得ない。
下手をすると、切腹になるだろう。

だが平八は「今さらこんなことをしてもらっても、お咲が生き返るわけじゃない」と言う。
騒ぎが大きくなれば、お咲のことを思い出す。
それに自分が盗人だったことも事実だし、身から出たサビだ。
だれも恨まない。

清兵衛は「平八がそう言うなら、瓦版は引っ込める」と言った。
「しかし、このまま放置して、またあの旗本の息子たちが何かしたら、お咲も浮かばれないだろう」と清兵衛は言った。
その頃、伸吾は茶店から帰るしのを呼び止め、道を聞いた。
しのは親切から大連寺に案内するが、大連寺に到着すると、「ここはもう廃寺になっている」としのは言う。

「だから案内させたのよ」と言うと、数馬と彦太郎も現れた。
3人は、しのを押さえ込もうとした。
「助けて!」というしのの悲鳴を、仕事帰りの平八が歩いていて聞きつける。
寺に駆けつけた平八は数馬たちを見て、「おめえたちはまだ、こんなことをしているのか!」と怒りに震えた。

お咲が死んだことを言うと、「ぶっ殺してやる」と言う。
数馬たちは「よせよ、じじい。そんなもんで俺たちに勝てるわけがない。見逃してやるから、さっさと行け」と言った。
怒りの平八が飛び掛ると、3人は平八を刺してしまった。

それだけではなく、3人で平八をめった斬りにする。
逃げたしのから話を聞いた文十郎は、清兵衛に知らせた。
清兵衛は為吉に、「平内を呼んで来るように」と言う。

その夜、伸吾は父親に平八を行きがかり上、斬ったと打ち明ける。
父親は「何てことをしてくれたんだ」と言うが、「誰かに見られたか」とも聞く。
「茶屋の女に見られた」と打ち明けると、父親は伸吾を殴りつけた。
数馬の父親が訪ねてきて、2人の父親は奉行所が動く前に、一刻も早く江戸から息子たちを出そうと相談した。

茶屋娘は、たかが茶屋娘。
後でいくらでも黙らす手は、ある。
いざとなれば、と数馬の父親は刀の柄に手をかける。
「寺社奉行なら、こちらが丸め込めるツテがある」と伸吾の父は言う。

相談がまとまると、数馬の父は彦太郎の家に向かう。
伸吾は母親、「数馬がいけないんだ」と言う。
「いつも数馬に引きずられている、いつもそうなんだ」とふて腐れている伸吾に父親は早く仕度するよう怒鳴る。
落ち合う場所を確認すると、伸吾を旅支度させて家から出す。

伸吾が歩いていると、途中に駕籠が止まっている。
駕籠に声をかけて、行き先を告げて乗り込む。
「へえい」と挨拶した駕籠屋のシルエットは、キセルをくわえていた。

伸吾を乗せ、駕籠が行く。
担いでいたのは、平内だった。
キセルでタバコを吸いながら、駕籠を担ぐ。

闇の中、吸い口が赤くなる。
駕籠の隙間から伸吾を見ると、平内は針を出し、一気に伸吾の首筋を刺す。
伸吾の目が見開かれ、持っていた綱を離す。

数馬と彦太郎が待つ前を、駕籠は通り過ぎていく。
2人は小雪が舞う中、もう待てないと言った。
「まったく世話の焼ける奴だ」と言いながら、「朝までに川を越さないとまずい」と言う。
結局、伸吾を待たずに、2人は出発する。

編み笠をかぶった2人が、川の渡し場に急ぐ。
渡し場に着くと、後ろを向いていた船頭に船を出すように言う。
「へい。さあ、どうぞ」。

2人が船に乗り込む。
「お侍さん、六文いただきます」と船頭が手を出す。
船の前に駕籠が止まっている。

2人が船頭を見る。
数馬が目を細める。
「三途の川の渡し料だよ」。

そう言うと、目の前の駕籠が開く。
中にはガックリと首を折り、死んでいる伸吾がいた。
「し、伸吾!」
「貴様ぁ!」

振り向いた船頭が、頬かむりを取る。
文十郎だった。
「貴様、あの時の!」
文十郎は船頭の羽織を脱ぐと、「おめえさんたちに殺された、平八と…、お咲さんが呼んでるよ」と言う。

「貴様、何者だ!」
「死んでく野郎に、名乗るほどのもんじゃねえよ」。
「何?!」
「ただの助け人だよ」。

彦太郎が斬りかかり、アッサリと船に飛び乗った文十郎に斬られる。
数馬もまた、斬りかかってくるが、文十郎に刺される。
倒れた数馬の背中に、文十郎はもう一度刀を突き刺す。

船に六文銭を並べると、「渡し賃だよ」と言って文十郎は艫綱を切る。
ゆっくりと、船は流れていく。
風の音がする。
空になった駕籠の横を、文十郎が歩いていく。

しののところには、数馬の父親が金を持ってやってきていた。
「嫌です。こんなわけのわからないお金、受け取れません」としのは拒否する。
だが数馬の父は、何も言わずに受け取ってほしいと言う。

茶店で見ていた文十郎はしのを呼び、黙って受け取れと言う。
受け取らないと、しのの命が危ない。
文十郎が数馬の父親のところに来ると、しのに代わって兄の自分が受け取ると言う。

「兄上でござるか」。
文十郎は数馬の父親を影に連れて行くと、妹には一言も喋らせないと約束する。
「万事よろしく。ごめん」と言って数馬の父は去っていく。

「兄さんったら!」
「この金でよ、平八さんとお咲ちゃんの墓建ててやろう。な?棟梁だって平さんだって、依存はあるまい?な?」
文十郎の笑顔に、しのも笑顔になる。



夜鷹を乱暴しようとする放蕩息子たちに、小便をひっかける文十郎。
どんなに威張っても、武士の風上にも置けないから、これでいーんですね。
その後、喜んだ夜鷹の誘いに乗らないところがまた良い!

昔の手下に対して、男気を発揮する清兵衛。
その行動が元で、過去がバレ、結局お咲の婚礼は壊れてしまう哀しい話。
お咲の過去は乗り越えても、父親の過去は乗り越えられなかった丈太郎。

店に呼ばれたお咲に、あまりに冷たい態度だった。
しかし、お咲がその足で身投げしたのを知ると、嘆きに嘆く。
この後、平八も殺されて、この人、立ち直れるのだろうか。

この平八が、遠藤太津朗さん。
今回は徹底して人が良い被害者。
いつもの悪役とのギャップが楽しい。

旗本の放蕩息子たちは腹が立ちますが、中でも近藤数馬の顔つきは一流。
しのの茶店で団子を頬張る姿を見ると、アホぼん、というのは、こういう顔じゃないかと思う。
実に上手いキャスティングです。
よく見つけてきたと思います。

瓦版を、ばらまいた方が良かった。
平八の気持ちは、仇になってしまった。
時間の関係か、描写はありませんでしたが、しのが襲われたと知った文十郎は怒り倍増だったことでしょう。

利吉だって、他の男だって、寄せ付けないぐらいですから。
普通でも斬り殺しちゃうでしょう。
利吉だって、いたらもう、大騒ぎだったはず。

丸め込めないと見て、あわてて息子たちを逃がしたのは、清兵衛が来た時の迫力の為でしょう。
とてもあの男では、騒ぎを収められないと見た。
だから清兵衛の親切が仇になったけれど、清兵衛の気迫が旗本をあわてさせ、殺すチャンスに繋がったのだと思います。
駕籠が数馬と彦太郎の前を曲がって行ってしまうのは、2人が旅立つことを確認してのことですね。

文十郎が待つ、人気のない渡し場。
昼間の裏の仕事。
いつも闇の中での仕事なのですが、なかなかリアル。

風の音が、臨場感を高めます。
放蕩息子らしく、あまりにアッサリと斬り伏せられる2人。
六文銭を並べ、文字通り渡してやる文十郎。
気が利いてる。

そして、帰ってきた文十郎が見たのは、何も知らずに口止めに来た数馬の父親。
文十郎は伸吾の父親には会ったけど、数馬の父親には会ってないんですね。
浪人の兄が金に目がくらんで話に乗り、しめしめ…と言ったところでしょう。

放蕩息子たちの後始末に奔走した結果、全てが無駄に終わったのを知った時はどんなだろうかと思います。
やったことがやったことだけに、表沙汰にもできないんだろうな。
平八とお咲だけは、あまりにかわいそうでしたが、全部にちゃんとお返しして、終わります。
最後の音楽がひたひたと忍び寄る悲劇を乗り越えるようで、救われます。


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