こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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見せてもらえなかった「座頭市」

このところ、夜は「新・座頭市III」も見ています。
昨日見たのは、第6話「糸ぐるま」。
市が泊まった旅籠で、昔、按摩に通っていた村にいた娘に再会。
娘は市が村に按摩に通っていた当時は子供で、市が諸国を回った話をしてもらうのが楽しみだった。

ある日、市に何がほしいと言われて、「鏡」と答えると、次に村に来た時、市は鏡を持って来てくれた。
娘はそれがうれしくて、大人になった今もその鏡を持っていた。
偶然の再会を喜ぶ娘と市。

娘の夫は昔、娘を叩き売っては金をせしめていたヤクザな男だった。
実は女房も、昔の自分のせいで不幸を味あわせたことがある。
しかし、市に足を斬られてからは真っ当な道に戻り、今は旅籠の風呂焚きをしている。

だが過去は男を、許さなかった。
元は子分だった男が、娘の夫を賞金目当てに役人に突き出そうとした。
役人はその元・子分と今はグルで、悪事を働いている。

捕えられた男を、市が役人も元・子分が斬り、助けてくれる。
市は去って行き、助かった男は戻ってきて、女房と抱き合って泣く。
2人の過去、どういう交差があったか、女房は気づいたのか。

それとも、気づかなかったのか。
男が話さなければ、わからないままかもしれない。
だが、戻ってきた男と女房は号泣している…。

緒形拳さんもヤクザ、そして風呂焚きで全然目つきから、表情、仕草まで違う。
足を斬られた時と、風呂焚きをして暮らしている現在と、演じわけがすごい。
なーんて、すごいレベルの俳優さんなんだ。

女房役は、倍賞美津子さん。
「復讐するは我にあり」の夫婦を、思い出すキャスティングですね。
しかし、こちらはお互いの過去をどこまで知っているのか、知らせたのかは最後までわからない。
けれど、今は見ているこちらを泣かせるような夫婦なのでした。


そして、第7話「ゆびきりげんまん」。
市は自分の金を狙った男をやむなく斬り、その男の今際の際の頼みで、幼い娘を祖父母に送り届けた。
娘と別れ際、おじいちゃんとおばあちゃんの言うことを良く聞いて良い子でいるんだよ、その代わり10年経ったら会おうねと、「ゆびきりげんまん」した。
10年後、約束どおりにやってきた市だったが、娘はもういなかった。

泊まった旅籠で仲居をしている娘は、あの時の娘の名ではなかった。
だが市は、7年前、娘の祖父母が押し込みに殺されたこと。
娘が身を投げ出して押し込みの手下の男たちをたぶらかし、男たちに押し込みを殺させて祖父母の仇を討とうとしているのを知る。

仲居がその娘と察した市は、そんなことをしてはいけない、幸せにならなければいけないと言い聞かせる。
今まで復讐しか考えなかった娘は、市のしみじみとした言葉に考えを変える。
やがて押し込みの首領は手下の裏切りに気づいて手下たちを殺し、その足で市も殺しに来る。

寝込みを襲われた市だが、首領と手下たちを「10年前に落ちた落とし穴を今さら埋めようったって、そうはいかねえもんだ」と言って斬る。
男たちが殺されたのを見て、娘は市の後姿を追って峠に走る。
朝、霧の立ち込める道で優しい、10年前の市の言葉が耳に蘇り、娘は膝を折る。

娘は大谷直子さん。
市を、あの時の優しい座頭と気づいた時の様子が素晴らしい。
しかし、祖父母の仇を討つ為には、ここであの時の娘に戻るわけにはいかないと、芝居をうち続ける。

だが、市は気づく。
市の限りなく優しい口調。
その言葉が、復讐に燃えていた心にしみていく様子が、まるで氷が解けていくよう。
仇をとってくれた市を追って朝霧の中、走るが、もう2度と会えないだろうと膝を折るのも切ない。

首領は、清水紘治さん。
決死の覚悟で入り込んできた娘を一目見て気に入り、あの娘には体を売らせるな、と命令する。
あれ、このお2人、ご夫婦じゃなかったですか?

勝新太郎さんの座頭の演技、最後の殺陣は、すごいの一言。
座頭にしか見えない、まったく違和感がない上、それであの殺陣ですから、これはもう天才ですね。
そうそう、若き日の本田博太郎さんも出ていた…。
後の「仕舞人」の直次郎が、長ドスを見ないで収めるのは、座頭市の影響だそうです。

私は「必殺」はOKだったのですが、子供の頃、「木枯し紋次郎」と「座頭市」はNGだったのです。
だから、ある程度の大人になって見て、この2つの素晴らしさを知ったところです。
でも、これはこれで良かったかも。

なぜ、NGだったか。
この辺の番組、親が見せてくれなかったという人が、割といるんです。
でも家は「必殺」も「キューティハニー」もお咎めがなかったんだから、単にチャンネルの関係か、親の好みだったと思われます。


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Comment

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「新・座頭市」は毎日、「I」からずっと放送されているんですよね。
毎日だからつい録画するのも億劫になったりで、時々、ホントに時々だけ観ています(笑)。
このTV版は当時もあまり観ていた記憶がなくて、いえ、ちゃーすけさんのようにNG番組じゃなかったのですがね………シーズン1では主題歌を石原裕次郎さんが歌っていて、何か妙な感じしてました……。

WOWOWでは正月から「座頭市」シリーズが全作放送されていたのですが、大谷直子さん出演で言えば「座頭市御用旅」のラスト、高橋悦史さんとの居合い対決は凄かった。台詞なし、BGMなし、あっという間の殺陣で、いきなりの「完」も決まってました。
勝さんの座頭市は、80年代のラスト作までどの作品も、本当、殺陣は本物でしたよ。
たけしも真吾も、その点がまったくダメダメなのよね~

「御用旅」では三國連太郎さの小悪党ぶりと、蟹江敬三さんと石橋蓮司さんのこれまた腑抜けの腰巾着ぶりが見ものでした~。
2012年03月24日(Sat) 12:58
micmacさん
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>micmacさん

>「新・座頭市」は毎日、「I」からずっと放送されているんですよね。
>毎日だからつい録画するのも億劫になったりで、時々、ホントに時々だけ観ています(笑)。

そうなんですよ~、いろんなものが毎日放送されていて、うれしいんですが追いかけ切れなくて見ないこともしばしば。

>このTV版は当時もあまり観ていた記憶がなくて、いえ、ちゃーすけさんのようにNG番組じゃなかったのですがね………シーズン1では主題歌を石原裕次郎さんが歌っていて、何か妙な感じしてました……。

はい、あれ、どうしてだろうと思いました。
世界が違うような。

>WOWOWでは正月から「座頭市」シリーズが全作放送されていたのですが、大谷直子さん出演で言えば「座頭市御用旅」のラスト、高橋悦史さんとの居合い対決は凄かった。台詞なし、BGMなし、あっという間の殺陣で、いきなりの「完」も決まってました。

圧巻でしたね。
あんなにすごいとは、実は思わなくて圧倒されました。

>勝さんの座頭市は、80年代のラスト作までどの作品も、本当、殺陣は本物でしたよ。

何であんなに語られるのか、見れば一発で納得できました。
目を閉じたままあれをやるんですから、斬るほうも斬られるほうも、とにかく全部すごいですよね。

>たけしも真吾も、その点がまったくダメダメなのよね~

勝さんのあれを見たら、それはもう、言われてもしかたがないですね。

>「御用旅」では三國連太郎さの小悪党ぶりと、蟹江敬三さんと石橋蓮司さんのこれまた腑抜けの腰巾着ぶりが見ものでした~。

あの頃の蟹江敬三さんと石橋蓮司さんを見ると、俳優さんに歴史ありと思ってしまいます。
今のお2人を見ると、勝さんとの共演は、もちろん俳優として栄養にしたんでしょうね。
素晴らしい俳優人生だなあと思います。
三國さんの演技はもちろん、生かし方もまた、上手いですよね。
2012年03月24日(Sat) 14:29
No title
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恐らく、他の時代劇よりも「残酷描写」がキツいからではないですかね?
保育園の頃、おばあちゃんと「座頭市」観てたら、相手の鼻が斬られて落ちたことがありました。
2012年03月26日(Mon) 08:20
シャオティエンさん
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>シャオティエンさん

>恐らく、他の時代劇よりも「残酷描写」がキツいからではないですかね?

「必殺」がOKだったので、倫理的にダメとかはないんじゃないかなあと思っていましたが…。

>保育園の頃、おばあちゃんと「座頭市」観てたら、相手の鼻が斬られて落ちたことがありました。

これはきついですね。
シャオティエンさんが保育園の頃の映像を覚えているんですから、ショッキングだったんでしょうね。
子供には残酷だったからかもしれません。
2012年03月26日(Mon) 15:06
No title
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>子供の頃、「木枯し紋次郎」と「座頭市」はNGだったのです。
画面全体が殺伐としてますもんねー。
「Ⅲ」ではありませんが前に観た時には緒方拳さんがゲスト出演してたのを観ました。
悪役も見事にこなすなー。
菅井きんさんが出てたのはいつでしたっけ?
2012年03月27日(Tue) 17:11
巨炎さん
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>巨炎さん

>画面全体が殺伐としてますもんねー。

「紋次郎」も「座頭市」も映像は凝っているんですけど、やっぱり舞台が江戸の町というより旅先の宿場町だったり、寒村だったりすると荒み方がまた違うかもしれません。

>「Ⅲ」ではありませんが前に観た時には緒方拳さんがゲスト出演してたのを観ました。
>悪役も見事にこなすなー。

「新・座頭市」で、金貸しやってました。
嫌な奴がうまかったです。

>菅井きんさんが出てたのはいつでしたっけ?

「新・座頭市II」で、大竹しのぶさんの、ひどい養い親が菅井きんさんでした。
医者が柴俊夫さんで、ヤクザの親分さんが遠藤太津朗さん。
大竹さんをのぞいて、後に「必殺」で、たっぷりお目にかかる面々でした。

もうひとつ、菅井さんはやはり「II」に出てました。
こっちは藤岡琢也さんが、悪かった~。
「座頭市」はゲストがまた、いいですね。
2012年03月27日(Tue) 23:40












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