こたつねこカフェ

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皮肉な結末 「助け人走る」第28話

第28話、「国替大精算」。


賭場で大いびきで寝込み、追い出されそうになった平内。
しかしその腕っ節と度胸を買われ、賭場を開いていた藩の中間小頭の銀蔵に酒を振る舞われた。
銀蔵は平内に宿無しか、金はほしくないかと聞く。
ほしくない人間などいるわけがない、と答えた平内だった。

翌日、しのの茶屋に利吉がやってくる。
奉行所の役人が茶屋にいるのを見て、しのは利吉に目配せする。
それに気づいた利吉は、ごまかしてしのと店の裏に行く。

しのを心配する利吉に、しのはしっぽはつかまれたりしないと言い、それよりも利吉を心配した。
自分のことを心配してくれるしのと、利吉は手を取り合うが、表にいる岡っ引きに気づいた利吉は去っていく。
一体何しに来たのかとしのが思った時、利吉が戻ってきて、文十郎に助け人の集合を告げた。

それを聞いたしのは、おみくじを結びに行き、そのおみくじを龍が見た。
利吉が少し遅れて芝居小屋にやってくると、文十郎も平内も龍も浮かない顔をしていた。
平内から話を聞こうとするが、「話は済んだ」と言われる。
文十郎が利吉に「自分で決めた刻限ぐらい守れ」と言う。

平内が持って来た5両の仕事だが、誰も引き受け手がいないのだった。
まず殺す相手が女であること、頼み人が得体の知れない中間部屋の小頭であることが理由だった。
文十郎は、もしかしたら奉行所の罠かもしれないと言う。

その帰り、平内は遠くから文十郎に狙われている娘を見せた。
娘は「辻屋」というろうそく屋のお香という娘だった。
平内は「かわいそうに。いずれはきっと殺される」と言う。

銀蔵という奴は只者ではない。
平内が断っても誰か他の人間に頼んで、きっとあの娘を殺すだろう。
あの娘の命は、風前の灯だ。

雨の中、文十郎と平内は連れ立って帰る。
しかし、文十郎はお香にどこかで会っていると言う。
翌日、お香は踊りの稽古を早引けするが、師匠は今度のおさらいを心配する。
だがお香は、「今度のおさらいには出ないかもしれない、いや江戸にいないかもしれないんです」と答える。

そして「家から呼びに来たら、帰ったと言ってください」と言って、お香は出て行く。
しのがその稽古の席に座っていた。
お香はうれしそうに、いそいそと走っていく。

文十郎は殺しの標的になったのは、あの娘に間違いないと言う。
しのと同じ年頃なのに、誰かに殺されそうになっているとは怖ろしいと言う文十郎に、しのは「殺されたりしたら大変だわ」と叫ぶ。
改めてことの怖ろしさを実感した文十郎がしのに「くれぐれも気をつけてくれよ」と言うと、お香の後をつけていく。

だがその途中で、文十郎は岡っ引きに止められた。
「助け人で食べていけないから、女衒でもするのか」と言われ、さらに「そのうちてめえも、必ずアゴを出すぜ」と言われる。
文十郎はお香を見送り、「あの娘の命が狙われているんだ」と教える。

お香は加治俊八郎という侍と、密会していた。
「あたし、どうあってもあんたと別れない」とお香が言うと、加治は「無理を言わないでくれ。初めから江戸在府は一年と、そう言っておいたはずだ」と言う。
お香は加治の妻になる気はない。
こうして、時たま会えれば良いと言う。

「しかし、国へ帰ったら…」と言う加治に、お香は道中、ついていくと言って、手形まで用意していた。
加治は困りきった顔をするが、お香は「どうしたのよ。そんな顔をしちゃ嫌!あたし、どこに行っても迷惑はかけない。ただ、別れるのだけは嫌!ねえ、いいでしょう!」とすがる。
加治は黙っていた。

「嫌なの?…もう私が、嫌いになったの?」
「だから、1年だけ辛抱してくれれば」と加治が言うとお香は「嫌!嫌!1年もあんたと会えないなんて、そんなことになったら、あたし、死んじゃう」と叫ぶ。
しなだれかかってくるお香を見る加治の顔は、何かを考えている目であった。

高須藩邸に戻った加治は、銀蔵に「10両をはずんでいるのだから早く何とかしろ」と言う。
銀蔵は国替えまでには、何とかすると返事するが、翌日に平内は断りに来た。
「娘の顔を見ていたら、仏心が出てしまった」と言う。

「それに、人から恨みを買うような娘には見えないが、なぜあの娘を殺すのだ」と聞く平内に銀蔵は答えず、不愉快そうに酒を煽った。
帰る平内を見て銀蔵は部下に、「片付けろ」と命令する。
夜道で追いかけてくる数人に気づいた平内は、中間たちをまいて文十郎の家にやってきた。
お香が殺されたらどうしようと兄の動きの鈍さに苛立つ言うしのだが、文十郎は見張られているので身動きが取れないと言う。

その時、表の戸が激しく叩かれた。
3人に緊張が走る。
応対に出た文十郎に、あの岡っ引きの庄八だと名乗った。
番屋に呼ばれた文十郎は、お香をなぜつけていたかと聞かれる。

文十郎はお香が狙われていると再び告げると、「助け人が人助けもできねえ悪い世の中なんだ。だからこいつだけははっきり言っとおこう」と言って立ち上がった。
「もしお香さんに万一のことがあったら、そいつはおめえさんたち十手持ちの責任だ。性根すえて、まじめにやれよ」。
文十郎が凄むと、同心も岡っ引きも沈黙した。
言い終わった文十郎は、番屋を出る。

その頃、密かに旅支度をしているお香に加治から手紙が届けられた。
至急会いたいとの手紙で、お香はその夜外に出てくる。
そこに銀蔵の中間仲間の弥七が来て、お香を案内する。
弥七はお香が屋敷に行儀見習いで奉公に上がっていた時から、お香と加治の仲には気づいていたと言った。

だが弥七についていくうち、お香は不安になる。
その時、銀蔵たち中間仲間が数人現れ、「いい女だ。気の毒だが死んでもらう。あるお方に頼まれたんだ」と言って押さえつけた。
しかし岡っ引きの呼子が響き、銀蔵たちは逃げていく。
番屋に行ったお香は、岡っ引きの庄八に家を出た時からつけていたが、一体どういうわけだと尋ねられた。

あの中間たちは知らない人間のはずはないと言われても、お香は知らない人だと言い続けた。
その足でお香は加治のいる屋敷を訪ねていくが、加治は居留守を使った。
一目だけでも会わせてくださいとお香は手を合わせるが、中間はお香を追い払った。
お香は藩邸の外で涙した。

翌日も雨の中、お香は藩邸に出かけて行った。
雨の中、座り込んでしまったお香に、しのが声をかけた。
お香から話を聞いたしのは、「苦労しているのね」と言うが、お香は笑顔で首を振った。

「だってあの人だっていつも言っているの。どんなことがあってもお前と離れない、って。一生お前と別れない、って。まじめな人なのよ。嘘なんかつけやしない」。
「あのね、お香さん。嫌なことを言うようだけど、その中間と加治俊八郎という人、つるんでいるってことないの」。
しのの言葉にお香は「つるんでいる?なぜ、なぜそんな突拍子もないことを聞くの?」と言った。

「でもね、ほら、優しい男ほど、底の方にぞおっとするような怖いところが…」。
それを聞いたお香は何の屈託もなく「そんなことないわ。だって惚れてるのはあの人の方なんですもの」と言った。
しのはそれ以上、何か言うことができず「とにかく、悪いことは言わないから当分の間、外に出ないほうがいいんじゃない?もしどうしても出たいんだったらあたしに言って。うちの兄さん、少しは腕が立つし」と言った。

だがその帰り道、しのの目の前で浪人の玄八がお香をさらって行ってしまう。
しのは叫んだが、大雨の中、通る者はいなく、力ずくでお香は駕籠に乗せられて誘拐された。
戻ったしのは文十郎と平内に言うが、文十郎はお上に任せてあると言う。
「冗談言わないで!」

その頃、お香は銀蔵たちに囲まれていた。
だが銀蔵は、お香は殺すよりもっと金になると言う。
土蔵に押し込められたお香は銀蔵にツバをはきかけ、銀蔵は「頭に血が上っているようだから、裸にして冷やせ」と言う。
中間たちが、お香を囲む。

加治の元に、お香を殺したと弥七から連絡が入る。
そして弥七は、このことを黙っている代わりに50両という金を要求した。
弥七に連れられ、加治は銀蔵に会いに行く。
加治は凄むが、銀蔵は10歳の時から折助の仕事をしている。

銀蔵は「一目見れば腕が立つかどうかはわかる」と言い、「お香を殺したのは加治だと奉行所に駆け込む」と言われた。
そして、銀蔵はお国帰りの費用を勘定方の加治なら何とかできるだろうと言った。
お国帰りまではあと5日ある。
加治は、その間にその金を持って来いと言われる。

利吉が賭場に忍び込み、翌日、夕べ賭場で負けが込んだ酒屋の使用人を名乗って、龍と共に品物を持ってやってきた。
しのは奥女中に化けていた。
有無を言わさず、蔵に行った利吉たちは、お香を救い出す。
しかしその夜、金策に困り果てた加治は、遊興帰りの商人の後をつける。

駕籠に向かって強盗を働こうとしたが、商人は肝の据わった男で加治の手が震えていることに気づいた。
加治は駕籠かきの逆襲に遭い、叩きのめされて番屋に連れて行かれた。
取調べに当たったのは、庄八とあの同心だった。
「旗本ではあるまい。いずれの藩中か。事情によっては穏便に事を済ます」。

だが加治は同心の小刀を手に取ると、自らの命を絶った。
翌朝、加治の遺体が高須藩に運び込まれる。
利吉が見物人に混じって見ている前で、弥七が皮肉な笑みを浮かべて見送る。

銀蔵はお香を逃がした中間を怒りのあまり、痛めつけていた。
天井裏に忍び込んだ利吉は、弥七が銀蔵に加治が死んだことを報告しているのを聞く。
文十郎の家に行った利吉は、自分が見て来たことを知らせた。
しのは本当に加治がお香を殺そうとしたのかと聞くが、利吉は「仏の悪口は言いたくはないが、ひどい男ですよ」と言った。

江戸にいる間だけで、国へ帰るとなったら知らん顔だ。
「私なんか、とてもそんな冷たいことはできませんね。根が優しい男ですからね」。
「かわいそう、お香さん」としのは言った。

「本気で惚れてたのかい」と文十郎が言うとしのは「当たり前でしょ、女はいつも本気ですよ。誰が遊び半分で、子供なんか作ったりするもんですか」と言った。
「子供?」
「できてたんですか?お香さん」。

利吉の言葉にしのが「あーあ、男ってこれだから嫌よ。自分で作っておいて『できたのか?』ですって」。
「いや、私が作ったわけじゃないんだから」。
「見ればわかるでしょ。お香さんはただの体じゃないのよ!」

その時、表に誰か来てしのが出て行った。
すると、お香がフラフラと入ってきた。
「死んでしまったの、あの人。私を置いて、1人で死んでしまった」。
お香が泣いた。

文十郎と利吉が、平内と龍に銀蔵と弥七を殺す話をした。
「他の中間はともかく、この2人だけは生かしておいちゃ為になりませn、それだけはハッキリ、自信を持って申し上げます」。
利吉の言葉に龍が「で、金は?出るだろうな」と聞く。
金はお香が道中の為にと貯めたお金を出した。

平内は「お香が加治が自分を殺そうとしていたと知っているのか」と聞いた。
利吉は、「そんなことは、口が裂けたって言えるはずがないじゃありませんか」と言う。
ただ、お香は自分のことで加治が銀蔵と弥七に金を揺すられてこうなったと思っている。
ではどうしたらいいだろう?

「どうするんですか、やるんですか、やらないんですか」。
「バカなことを聞くんじゃねえよ」と平内が言う。
ただどうやってやるか。
龍が「強請るんだな。逆に奴らを強請ってやるんだ」と言う。

その言葉どおり、龍は銀蔵に百両を出せと言いに行った。
お香をかどわかし、加治が辻斬りになった。
中間たちは殺気立つが、龍は自分をこの場で殺したら、仲間が奉行所に駆け込むことになっていると言った。

龍は「首が惜しかったら、百両!谷中の寺に持って来い」と言った。
「もう1人、弥七って奴も来い。奴は50両だ」。
そう言うと龍は笑って引き上げて行った。
言われた通り、銀蔵は弥七と、中間仲間を連れてやってきた。

木の影から、文十郎が鉄心を握って姿を現す。
反対側からは紫煙を流しながら、平内が現れる。
龍を前に2人はまた、陰に隠れた。

銀蔵がやってくるのを見た龍は「持って来たか」と聞く。
すると銀蔵は仲間を振り返り「おうい、聞いたか。こいつは少し頭がおかしいようだぜ」と言って笑う。
中間たちが、笑い声を立てる。

龍が下駄を脱ぎ、走る。
中間たちを次々殴り飛ばし、蹴り倒す。
1人の中間を抱え込むと高く掲げ、脳天から落とす。

怯えた銀蔵が後ずさりすると、文十郎が現れる。
「何だ、てめえは」。
文十郎が鉄心を抜く。
「やる気か!」

銀蔵が刀を抜いて、襲い掛かってくる。
文十郎はかわし、銀蔵が振り向いて再び振り下ろした刀を鉄心で受け止める。
よろけた銀蔵は、振り返り、また斬りかかろうとする。

銀蔵は文十郎の鉄心に叩かれ、刀を木に突き刺す。
刀が木に突き刺さったまま、折れる。
文十郎の鉄心で肩を叩かれた銀蔵は、肩を押さえると刃が残っている刀を落とした。

もう一度、鉄心に胸を叩かれた銀蔵は、胸を押さえてよろける。
痛みで声も出ない。
跪いた銀蔵の背後から、文十郎が兜割りを抜き、突き刺した。

龍におののいた弥七ともう1人の中間は、固まっていた。
背後に平内が現れ、キセルから針を抜く。
固唾を呑んでいる1人を、背後から口を押さえ、刺す。

1人が刺されたのに、弥七が気がついた。
刀を持ったまま、弥七が逃げる。
だがその先に平内が待っていた。

驚いた弥七が戻ろうとするのを、平内がつかみ、引き倒す。
馬乗りになり、平内が弥七を刺す。
だが、針を抜いた時の平内は哀しそうな顔をしていた。

翌日、しのの茶店にお香が座っていた。
しのが持って来た桜餅を見て、「桜餅。あの人、向島の桜餅が大好きだったわ。田舎にはこんなにおいしい桜餅はない、一度に八つも食べて」と言う。
「そう、いい人だったのね」。
するとお香は「私、お墓参りしてくるわ」と立ち上がった。

「ええ?」
「お供えしてくるの、この桜餅」。
お金を置くと、お香はいそいそと桜餅を持って出て行った。
「惚れてたんだね。ほんとに」。

見ていた利吉が言った。
「悪い男とも知らないで。あーあ!女ってどうしてこう、つらい目にばっかり逢うのかしら」としのがため息をつく。
それを聞いた利吉が「いや、私の場合は」と口ごもる。
「当てになるもんですか、利吉さんだって」。

「私の場合は」。
「嘘ばっかり!」
「私の場合はさ」。
「そんなこといくら言ってもダメ」。

「惚れてんの!」と利吉はついに声を出した。
「ダメだったらダメ!」
「幸せにしてあげるの!」

「信じないわよ!」
「してあげるの!」
茶を持って引っ込んだしのに向かって、利吉は飛び上がって言った。



お香さん、ちょっと天然かもしれない…。
鈍いかもしれない…。
いじらしいんだけど。
一途なんだけど。

すごい思い込みの激しい人だと思う。
ここまでされて、相手が疎ましく思っているのに気づかない。
何の疑問も持たない。
そして、「惚れているのはあの人の方だもの」!

でも罪も何もなく、ただ加治を信じている娘なだけ。
だから、事情を知っている人からは哀れに映る。
最後に加治のことを思い出して言っている言葉が、全部江戸にいる間の戯れと知っている人には、かわいそうに聞こえる。
それにしてもお香さんは最後まで、何1つ自分の信じていることしか目に入らない。

危ないなあ。
いや、この人、幸せになれる人かもしれない?
いやいや、今後が心配か?
信じたまま、おそらくずっとお香さんの中で加治は甘い思い出となって残る。

銀蔵が龍に「頭がおかしいらしい」と言ったのを思い出す。
すると、「ちょっとおかしくなっているのかなぁ」という気もしてくる…。
加治に冷たくされた時点で、病んでいたのかなあ…。
ストーカーになりそうな人ではある。

文十郎を見張っていたしつこい岡っ引きが、あの後、お香をノーマークって抜けている。
利吉がしのに、「なかなか優秀」と言っていたんだけど。
仮にも殺されそうになっていたのに、あの後は見張らないって、ダメだと思う。

そして同心の、加治への情け深い言葉。
文十郎にはああでも、立場が変わるとこんなことを言ってくれるんだなあと思いました。
加治は情けない侍で、商人と駕篭かきにあれだから、中間にも脅されたりする。
ああいう人だからこそ、お香を振り切れなかったのかもしれない。

「助け人」に出てきたあの男や、あの男だったら…、怖ろしいことになっただろう。
というように、場合によっては、お香さんはとっても悲惨な状況になったんですが、銀蔵がよくお香を殺さなかったと思います。
中間たちにも、何かされなかったのか?

金になるとは言っても、銀蔵の悪辣さからして、お香は生かしておかない気がするんですが…。
しっかりできない加治が死んでしまい、殺すはずの娘が生きてお墓参りに来る皮肉な結末。
そして子供はどうしたんだろう?
どうするんだろう?

殺しの時、平内さんが刺した後、少しして哀しそうな顔をしているのが印象的でした。
最初の頃は、軽快にやっていたんですが。
悪党とはいえ、それを殺さなきゃならないことが重なって行くと、哀しくなるんでしょうね。
最後の利吉としのの会話は、「お幸せに」という感じです。


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