こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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行って!行ってよ! 「暗闇仕留人」第3話

第3話、「売られて候」。


吉原の遊郭「角屋」を経営する隆右衛門は、女郎たちを折檻する残酷な楼主だった。
女郎を捕まえたのを見た主水だが、隆右衛門と結託した同心の高島に止められてしまう。
隆右衛門は、高島と用心棒の間宮を交えて、異人に女郎を売り飛ばすことを相談していた。

妙心尼に隆右衛門は、檀家の側用人の伊沢から、黒船が寄港する港がどこにできるか、聞き出してくれるように頼んだ。
港がどこにできるか聞きだし、いち早く港に女郎屋を開いて儲けようというのだ。
そんな頼みを妙心尼は拒否するが、隆右衛門は使用人の彦七に、大吉と密会する妙心尼を覗かせていた。

隆右衛門は妙心尼を脅迫し、妙心尼は大吉に相談した。
「いっそ、死んでしまいたい」と涙ぐむ妙心尼に、大吉が自分に任せておけと言う。
「いざとなりゃあ、一緒に地獄に堕ちりゃあいいじゃねえか」と大吉は明るく答える。
大吉は、隆右衛門たちを殺す気だった。

「殺す?」と主水は言い、「それはどうかな」と貢は言う。
主水と貢にもその話をうまく持ちかけようと、大吉は祠で、主水と貢に相談していた。
気が乗らない風の2人に大吉は、妙心尼は主水の妻や貢の妻の姉妹だ。
それが仏門に入った身で大吉を引き入れていたことがわかれば、主水だって十手お取り上げの上、江戸ところ払いと言う。

主水のアゴを乗せていた十手が、ガクッと崩れる。
次に貢に向き直ると、「あんただってそうだろう。高野長英とかって奴を匿っていたことが、どんなはずみでばれるかも知れやしねえ」と言う。
貢の顔色が変わる。

「俺たちは一蓮托生なんだ!少しでもボロを出してみろ、みんな芋づるみてえに引っ掛けられる!他人事みてえな面してる場合じゃねえだろう!」
主水は、「変な奴と親戚になっちまったなあ」とぼやく。
大吉はそれに、異人相手に女郎で儲けようなんて奴は、許せないと言う。

だが貢は「俺は断るよ。本末転倒とはあんたの言ってるこった。自分で蒔いた種は自分で刈るんだな」と言い放つ。
怒った大吉は貢に飛び掛るが、主水が「おい!やめろよ!」と止める。
主水はあわてて殺すことはない、黒船だってすぐに帰ってくるわけではなし、何とかごまかせと言う。

そこで大吉は隆右衛門に会いに行き、妙心尼が伊沢に聞いてみたが、まだ港は決まらないと言ったと、嘘の情報を教えた。
だが、隆右衛門は、伊沢が今は出張で留守にしていることを知っていた。
右手を振り上げた大吉だが、たちまち捕えられてしまった。

主水が大吉の家を訪ねると、おみつが横になっていた。
おみつは「お留守番」と名乗り、もう大吉は3日も戻ってきていないのだと言う。
そしておみつは主水を誘うが、「その日暮らしもいい加減にしねえと」と注意する。

すると、おみつは食べられないのだからしかたがないと、何か仕事を世話しろと迫った。
しかたなく主水は、おみつを貢のいる芝居小屋に連れて行く。
そこで主水は貢に、おみつが大吉がもう3日も帰ってこないと言っていた話をする。
もしや、大吉は殺されてしまったのではないか。

貢の小屋からの帰り、主水は町で半次とおきんが怪しげな媚薬を売りつけているのを見かける。
そこで、2人に大吉が帰ってこない話をした。
女郎屋に入り浸っているだけじゃないのかと笑った半次とおきんだが、大吉が殺されてるのではないかと聞いて、顔色が変わった。
主水は、半次を吉原に探りに行かせることにした。

伊沢の家の法要を行った妙心尼だが、どうしても伊沢から聞きだすことができない。
廊下に出た妙心尼を、隆右衛門が待ち受けていた。
自分にはやっぱりできないと言う妙心尼に、隆右衛門は大吉を預かっているのであと3日のうちに、聞き出すように言う。

その夜、半次が角屋に客として入り込んだ。
半次を待たせた女郎だが、実はおしまを中心にして集団で足抜けをしようとしていた。
すんでのところで女郎たちは捕まるが、騒ぎを聞きつけた客に別の女郎が説明する。

ここの旦那は黒船相手の女郎屋を計画しており、異人に売られるのを嫌がった女郎たちの足抜けが絶えないのだと言う。
捕まった女郎たちは、「地獄」に押し込められ、2度と日の目を見ないだろう。
その言葉に気を留めた半次は女郎を呼び止めると、主水から借りた十手を出して十手持ちの振りをした。
半次は、先ほどの「地獄」の場所を聞き出す。

大吉は、その地下牢に押し込められていた。
そこにどうしても言うことを聞かないおしまが、目を潰されて放り込まれた。
誰かいると言うおしまに、大吉はおりんという女郎だと教えた。
既にそこにはおりんという女郎がいて、瀕死の状態だったのだ。

隆右衛門は、おりんはもう使い物にならないが、おしまはまだ使えるのでもう少し生かしておこうと言う。
そんな時、おきんが長崎帰りの女郎を装って、龍右衛門に近づく。
異人は気前が良かったので、異人相手の女郎屋を開くなら、ぜひ雇ってほしいと言う。

おきんがうまく入り込んだのを見て、主水は「さすがおきんだ」と言う。
半次は、自分もおきんも主水の為に危ない橋を渡っている。
「うまく行ったらたんまり弾んでもらうぜ」と言う。

家に戻ってきた貢にあやが、姉さんが来ていたと話す。
「姉さんって、八丁堀の方かい?」
「ううん、お寺さんの」。
貢がふと、その言葉に気を留める。

「ほう、妙心さんか」。
「妙心さんは気楽なご身分だわ。あの人、昔からそうなんですよ。兄弟3人の中じゃ、いつでも何となく運の良い人なの。養女に行った先だって1500石のお旗本だし、お寺さんに入ればすぐに庵主さんになるし。それにちゃっかり、好きな人までこしらえて」。
貢が笑うと、あやは茶碗を並べながら、「でも今日は何となく沈んでたみたい。石屋の大吉さんとケンカでもしたんじゃないかしら」と言う。

妙心尼は中村家にも来ていた。
家でタバコをふかす妙心尼を見たせんは、「あなたね、あの石屋と何かあったのですか」と聞く。
キセルをふかす妙心尼の手が、止まる。

せんは、「あんな下賎な男を近づけて…、万一、世間にそのことが知れたら中村家は皆様の物笑い。それだけではすみません。もしあなたが晒し者にでもなったら、この家は断絶。代々の十手もお取り上げになってしまうでしょう」と言う。
りつは「そんな。その前に主水に言ってもみ消してもらいます」と厳しく言うが、せんは「それができる男なら、心配は致しません!」と言い放つ。

その時、主水が帰って来る。
迎えに行こうと思ったりつに、せんは「出迎えなどせぬでよい!」と言う。
能天気に帰ってきた主水を見たせんは「あんな男に何ができるというのですか、何が!」と吐き捨てるように言う。

せんとりつ、妙心尼と主水が気まずい食事をしている時、おみつが主水を呼びに来る。
腹痛を偽っておみつに会った主水は、半次が今夜、墓場で待っていると言われる。
そこで主水は、食事を済ませると出かけていく。
何か言いたげな妙心尼が、主水を見る。

その頃、半次は、隆右衛門の屋敷の外で、おきんの合図を待っていた。
おきんからは、なかなか合図がこない。
ひょっとして、おきんも捕まったのではないかと不安になってくる。

貢がやってくる。
「まったく人騒がせな男だ。自分の色事ぐらい、自分で始末してもらいたいね」と貢が言う。
そこに十手が差し出され、貢が飛びのく。
主水だった。

半次は主水にその十手で乗り込んでもらいたいと言うが、もしそれで何もなければお咎めが来る。
その時、祭囃子が聞こえて来た。
貢は「祭りか。今夜から吉原に灯篭がつくな」と、灯篭が灯ることに気づく。

その頃、おきんは刀を磨いている間宮の前で、隆右衛門が遅いので、自分は一旦、帰ると言い出した。
間宮は、おきんの動きを不審に思っている。
同じ頃、地下牢では瀕死のおりんが水をほしがっていた。
牢の外に「水」と声をかけるが、階上では見張りが博打に興じていて返事をしない。

大吉がおりんの為に滴るしずくを、瓶に取ってやろうとする。
階上で博打に興じている見張りの3人に大吉の、「おりんが死んだ」という声が聞こえてくる。
見張りの男たちがやってくるが、大吉は「見ろ。水もろくすっぽやらねえから、死んじまったじゃねえか。おりんを出してやれ」と言う。
男2人は顔を見合わせるが、大吉に「早く出してやれよ。仏さん、ほっとくと、おめえらに取り付くぞ」と言われて、男たちは牢の戸を開ける。

おりんを外に出そうとして中に入った男2人を、たちまち大吉が襲った。
男たちが心臓をつかまれて動かなくなると、大吉は男たちが持って来たろうそくを吹き消し、まだ生きているおりんとおしまに「ちょっとの辛抱だ。待っていろ」と声をかけて外に出る。
階上で棺おけを用意していた男が下を覗き込んだ際に、大吉はこの見張りも倒し、外に出ようとする。

そこにおきんが、用心棒の間宮に追いかけられてきた。
大吉を見たおきんは驚きながらも、「危ない危ない」と叫んで教え、大吉が引っ込む。
大騒ぎしながら、おきんが外に逃げる。

おきんを追って、間宮が外に出る。
主水が現れる。
間宮が主水に女を見なかったかと聞くと、主水が「女なら、あっちへ逃げた」と答える。
その途端、追おうとした間宮を斬り捨てる。

大吉はおりんとおしまを外に出し、おりんに水を飲ませてやった。
だがおりんは「あたしの恨みを」と帯からお金を出すと、事切れてしまった。
「おりんさん、しっかりしろ」と大吉が叫び、おしまが「せっかく助かったのに、死んじゃダメじゃないか!」と叫ぶ。
主水も貢も、半次もおきんも息を詰めて見守っていた。

おしまは、おりんには好きな男がいて、年季が明けたら所帯を持つつもりでいて、それだけを楽しみに働いてきたと言う。
だからどうしても、異人を相手にすることはできなかった。
「いくら女郎だって、女のクズだって、それだけはしたくなかったんだ」と、おしまは泣いた。

「おりんちゃん、本当につらかったろうね。でももう、大丈夫。あんた、もう、売り飛ばされることはないんだよ。良かったね、おりんちゃん。本当に良かった」。
そう言って、おしまはおりんの遺体にすがって泣いた。
主水も貢も、半次もおきんも肩を落とした。
大吉が4人を振り返る。

隆右衛門が、吉原を歩きながら、番頭の文造と金儲けの話をしている。
正面から主水、貢、顔を隠した大吉が歩いてくる。
隆右衛門は、3人とすれ違うが気づかない。

その時、彦七が走ってきて、大吉が逃げたことを伝えた。
すると隆右衛門は文造には同心の高島を呼んでくるよう、彦七には仲間を呼んで来るように命じた。
楼に戻った隆右衛門の耳に、お囃子が聞こえてくる。

同時に、胡桃をする音がする。
「誰だ!」
そう言って部屋に入ると、隆右衛門は刀を手にする。

隆右衛門が隣の部屋の戸を開けると、おしまが座っている。
「旦那」と言うと、おしまは手探りで、隆右衛門に近づいてくる。
「おりんちゃんは、旦那のことを恨んで死にましたよ」。

そう言うと、隆右衛門の襟をつかむ。
隆右衛門が、その手を邪険に払いのける。
その時、再び胡桃をこすり合わせる音がする。

「誰だ!」
恨みの形相のおしまの背後の闇から、大吉が現れる。
「貴様あ!」
大吉は隆右衛門の振り上げた刀を抑え、心臓をつかむ。

外では、貢がバチを構える。
刃を出す。
隆右衛門はフラフラと表に出て、倒れる。

店の忘八たちが集まってくる。
そして、散っていくのを、貢は鋭い目で見送る。
次にやってきた彦七の喉を、貢はすれ違いざまに切り裂く。
彦七が首を押さえて、倒れる。

やってきた高島は、隆右衛門が殺されたのかと文造に聞くが、文造は「いいえ、心の臓発作でございます」だと言う。
「店の後はわたくしが引き受けます。末永く、よろしくお願いいたします」と文造が言う。
文造は高島に金を渡す。
「どうする?黒船相手の商売」と高島が言うと、文造は「このまま忘れては仏に申し訳がございません」と言った。

高島は役所への届けは、自分が引き受けたと言う。
廊下に出た高島を、主水が「高島さん」と呼び止めた。
「役得はほどほどにしとかねえと…」。
そう言った主水は高島を刺す。

横に高島を追い詰め、もう一度深く刺す。
その時、店の奥で文造が座敷の戸を開けて主水を見る。
主水は咳き込んでお辞儀をし、ごまかす。

部屋に戻った文造の前に、バチを構えた貢がいた。
逃げる文造を戸の外にいた大吉がつかんで、放り投げる。
貢が放り投げられた文造の喉を、バチで切り裂く。
文造が、横たわっている隆右衛門の傍らに倒れる。

貢は、座敷の隅で目を押さえているおしまの側に来る。
人の気配を感じたおしまは、さっと目に手をやる。
「さあ、行こう」と、貢がおしまの手を取るが、おしまは貢の手から逃れた。

「あたいはここに残るよ!」と言うと、おしまは笑い出す。
そして、貢の方を振り返る。
「あたいはここに残って、稼いで稼いで稼ぎまくってやるんだ。それぐらいしかあたいにできることは、ないんだから」。

そう言うとおしまは貢に「行って」と言う。
「行って!行ってよ!」
叫んだおしまは、顔をそらす。
貢が衝撃を受ける。

翌日、大吉が墓を作っている。
暇そうだなと言う大吉に、お前は忙しそうだなと主水が言う。
だが貢は、飼っていた猫のペロリの墓だと言う。
妙心尼はあれから毎日度胸三昧だと主水は言うが、大吉は笑う。

「おい、おめえまだ、つるんでやがるな?」
「このぐらいのことで悟りが開けるほど、人間の業ってのは浅くはねえんだってよ」。
「しかしどうしてこう、中村家の女ってのは…」。

その時、猫の声がして主水は驚く。
足元に猫がまとわりついていた。
「何だ、これ、ペロリじゃねえのか?」と主水は言う。

「そりゃお前、何だか、この」。
大吉がごまかす。
主水が大吉が作っている墓を見ると、それはおりんの墓だった。
「バカ暑いなちくしょう」と、大吉が井戸から水を汲んで浴びる。



2話が貢の話なら、3話は大吉の人物が浮かび上がる話。
主水が大吉と縁続きになるのに背筋を凍らせた予感は、的中。
妙心尼との仏に仕える身にあるまじき、大吉との関係が発端となる。
大吉とは縁続きだからこそ、主水にも累が及ぶ。

貢も引き入れる為、大吉は「高野長英って奴」と貢に言う。
その言い方から、大吉には教養はないのがわかる。
でも大吉は逃げたりしないで、妙心尼に、いざとなれば2人で地獄に堕ちればいいじゃねえかと言ってくれる。
最後のお墓を作るシーンに至るまで、大吉の人の良さがすごくわかる。

妙心さんも、悪女じゃないから悪事には加担できず、苦しむ。
隆右衛門に会った妙心尼をいやらしい目で彦七が見ていて、妙心もそれに気づいて嫌な顔をしているのも印象的。
あやによると、妙心尼は姉妹3人の中でも、いつも何となく運が良かったと言う。
すごく納得!

大吉は女郎たちに多少は同情していたが、多くの理由が妙心尼と自分を守る為だった。
それが、女郎たちの悲惨な境遇を目にし、本当の怒りに変わる。
異人相手はどうしても嫌だと言う女郎たちに、納得できるような怪物じみた異人の絵が映る。
さらに痛すぎて、女郎の折檻シーンは見ているのがつらい。

主水は定食も定宿もないおみつを、貢の小屋に連れてくる。
すると、おみつが蕎麦を食べる。
胡坐をかいて、あまりによく食べるおみつを見て、貢は「よく食べますねえ…。うちじゃ、とても無理ですよ。蕎麦屋にでも連れて行った方がいいんじゃないですか」と言うのがおかしい。

その後、主水が「そこを曲げて、何とかひとつ頼むよ」と言うと貢は何と真顔で、「やったんですか?」と聞く。
「ええ?」
「手ぇつけたんでしょ?」

ガツガツ食べるおみつを見て、主水一言。
「冗談じゃねえや…、そこまで不自由してねえや」。
すると貢、はははっと笑って、「まあ、いいじゃありませんか。女ができるうちが華と言いますからね」。

こんな発言、貢さんらしくないような、付き合いに慣れたような。
冷たかった貢だけど、声を潜めて「それより、石屋の話…」と主水に持ちかける。
心配はしているんですね。

三味線引きの仕事を終えて家に戻ってきた貢は、あやが食事の支度をしているのを見て「こりゃ、うまそうじゃないか」と言う。
良い旦那さん。
主水の家が直後に映るが、主水の家は貢とは違って社会的には安定しているのにつらいわ~。

出迎えなどしなくていいと言われ、それでも主水がせんの為にお菓子を買ってきている。
そのすっぱいお菓子を頬張ると、本当にすっぱくて、主水は口を押さえて逃げて行く。
この前に「主水にもみ消しができる裁量があれば、こんな心配はしない!」とせんが言っている通りの、昼行灯に見える。
逃げていく主水に、またしてもせんの冷たい一言「あんな男に何ができる!」

でも、妙心尼は主水を頼りにしていた。
夕食の時、主水は鯖の切り身がひとつほしいと言うのに、せんは「四十過ぎたら、脂っこいものは体に良くありません!」と止める。
「それで、私だけこのめざしですか。一味も二味も違いますなあ」とめざしをつかんで、頬張る。
主水がおなかが痛くなったと言って、席を外すと、せんは「まあ、無作法なこと」と軽蔑のまなざしで見送る。

貢の質素でもほのぼのした食卓とは対照的。
いたたまれない食卓。
妙心尼が中村家にいる時に、流れる音楽。
後に「仕置屋」の山田五十鈴さんゲストの回で印象的な音楽ですが、実に重苦しい。

陰惨で、救いがない。
大吉の優しさが出るラストじゃなくて、おしまがラストで、これが流れたら、すごく嫌な気分になったと思います。
主水が席を外すと、おみつがやってきて、伝言を告げる。

すると、りつが主水を呼び、女の声がしたと言い出す。
そういうところは鋭い。
「私に同情して、女狐でも出てきたかな。それじゃ、ご馳走も頂いたし、でかけるかな」と主水も嫌味を言って出かける。

去っていく主水を、妙心尼が「ああ」と声にならない声で見送る。
せんの言動で妙心尼は、相談ができなくなってしまったんですね。
何と言われようと、主水が頼りに見えるというのに。

おしまは、真山知子さん。
「傷だらけの天使」の24話で、組長の妻で詰めた指を冷蔵庫にコレクションしている、妙な姐さん役をやっていた方です。
隆右衛門が戸を開けると座っていると、幽霊見たように怖い。
手探りで近づいてくるのを見ると、たたりそうで怖い。

半次とおきんが主水のわらじを脱がせ、そこから小判を抜き取る。
さすが、仕置人からの付き合いの2人。
「こっちだ、こっち」「あ、そっちか」ってわらじを片方ずつ、あさる。

金を取られて主水が一言、「仲間の命も金次第か。世の中、悪くなる一方だなあ」。
半次はもう1つ、主水に貸してほしいものがあると言うんですが、それは十手だった。
十手を貸すんだから、主水と半次の信頼関係は太いと思う。

仕留めのシーンでは、貢のバチの刃にフラフラ出てきた隆右衛門と異常に気がつく周りが映る。
そして、貢が映る。
半纏を着た忘八たちが、行きかうのが映る。

灯篭の灯り、響くお囃子。
とても幻想的な映像。
貢のバチを利用した、すごく凝った映像です。

仕留め仕事は、主水が間宮、高島と2人。
貢は彦七と、ラストに文造。
大吉は隆右衛門。

そして貢は仕留め仕事を追え、「さあ」と手を取って、虐待された女郎を救ったつもりだった。
しかし、おしまは自分を嘲笑いながらも、貢の手を拒絶する。
貢は、助けたはずの女郎に「行って!」と拒絶される。
驚愕とショックの表情で、貢にストップモーションがかかる。

仕留人稼業の意義を、正義と人助けと思っていた貢。
助け出したはずのお女郎さんに差し出した助けの手は、何と手ひどく拒絶される。
前回に続き、ここでも貢のわずかな理想は、またしても打ち砕かれる。
愕然とする貢の表情が見ものです。

大吉は黒船の船長と同じ名前を、猫につけている。
その猫のお墓だと言っていたけど、それはおりんの墓だった。
大吉の優しさと照れでほのぼのとして、この救いのない話が終わります。


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