近くのレンタル屋さんで、「横溝正史シリーズII」を借りてきました。
主要な作品、「犬神家の一族」「本陣殺人事件」「獄門島」「悪魔が来たりて笛を吹く」「悪魔の手毬唄」は「I」でやってしまった。
だから「II」に残されている大作と言える原作は、「八つ墓村」「女王蜂」ぐらい。
それも、映画が公開されてしまっているので、結末を知っている人が多い。

「I」で「獄門島」を放送した後に、映画「獄門島」が公開されたのですが、こちらは映画の方が原作と犯人がちょっと違ってました。
これはテレビを見て、犯人を知っている人が多かったのもあるでしょうし、市川監督がこのシリーズの犯人に共通点を持たせたかったのもあるんでしょうね。
それで今度は「八つ墓村」「女王蜂」、こちらのテレビ版が、原作とは一部、違っている。

しかしこのシリーズ、「I」が放送されたときは、テレビ版だからスケールダウンしているかと思ったら、そんなことはなかった。
「犬神家」は、松子を演じた京マチ子さんが妖艶に熱演。
父・犬神佐兵衛との対決をより、時間をかけて描いた為、松子の哀しみも相当なものになりました。

「獄門島」は原作通りに作った「獄門島」として、後々にまで残る名作になったと思います。
「悪魔が来たりて」は、沖雅也さんの演じた役も、あのフルートの曲もすばらしい。
草笛光子さんは、もっとキリッとした役の方が似合うと思ってますが、これも熱演。
映画版も良くできていると思うんですが、こちらのテレビ版の方が私は好きです。

「悪魔の手毬唄」は、これは映画がすばらしいんですが、テレビ版の夏目雅子さんは、一見の価値、絶対にありと思います。
この他に「I」では「三つ首塔」も放送されました。
「三つ首塔」は、これ以降、2回ほど2時間ドラマとして映像になったのを見ましたが、この連続ドラマ版が一番良いと思います。

こんな風に「I」で主要な作品はしっかりとやってしまったので、「II」の方はどうしても、こじんまりした感じにはなってました。
でも、怖かったな~。
「真珠郎」を思い出した人が、「怖くて親にしがみつくようにして見ていた」と言ってました。

「夜歩く」も題材が首なし殺人だから、怖くないわけがない!
しかも「夜歩く」は今見て思い出したんですが、タイトルに女性の低い声でかすかに聞こえるコーラスが流れる。
さらにその時映っているのが、首から上が見えない白いドレスを着た女性の姿。
題材が首なし殺人なんですから、これが怖い、怖い。

最初の殺人が発覚する時なんか、血のついた足跡があって、部屋の奥に大量の血が落ちている。
そしてベッドの上にあるのは、首と手首のない死体なんですから、こりゃ夢に出そうなほど怖い。
子供にはこれ、かなり怖かったと思いますよ。

さて、この死体。
首がないし、両方とも足に傷があるということでこの遺体、由緒ある古神家の娘・八千代の婚約者なのか、古神の兄なのか、どちらかわからないんです。
そしてその後、兄の首が見つかる経緯がまた、すごいんです。

古神家の先代当主の弟が、池に手を入れると、ふと人の髪に触れる。
不思議に思って手をもっと入れると、今度は人の顔に触る。
ぎゃーっ。
悲鳴あげてましたけど、見ているこっちも、ぎゃあ!ですよ。

この後、警察が来て、池をさらう。
1人の刑事が水面にゆらめく髪を見つけると、警部が何でもいいからあげてみろと言う。
だからこの刑事が思い切ってこれを引っ張って警部の前に差し出すと、それは…、首だった。
金田一も警部も、見ているこっちも「ぎゃー」。

この後も、首なし殺人が続く。
そういえば、「I」では「悪魔が来たりて」の、誰もいないはずの2階の部屋からフルートの音楽が聞こえてくるのが、怖かった。
友人は夜、奥方と乳母の前に、生死不明の行方不明の夫らしき人影がこちらを覗き込むシーンで、夜中、トイレに行くのが怖くなったと言ってました。

それで、この「夜歩く」ですが、伊藤雄之助さん、菅貫太郎さん、清水紘治さん、岸田森さんが出てる!
何、この私が大好きな俳優さんたち。
なぜこんなに出ているの!

そしてヒロイン・八千代は范 文雀さん。
美しい!
俳優さんたちの怪演と范 文雀さんの美しさで、原作と違う部分があっても見ていられる。
原作と違う部分は、この原作をドラマ化するのに、こうした方がいいという判断での変更だったかもしれません。

岸田森さんが、八千代の恋人。
変人であり、俗物でもある新進芸術家を、乗りに乗って演じているのがわかります。
「夜歩く」は、「この家に普通の人はいないの、普通の人は?」と言いたくなるほど、やってることが背徳というか、反社会的なことばかり。

先代の妾から妻に昇格した女性は、南風洋子さん。
「助け人走る」で、助け人に依頼をする船宿の女将を演じてました。
ここではトラブルメーカーの女性を演じてます。
どっちの役もお似合いです。

池で首を見つけてパニックに陥るのは、菅貫太郎さん。
先代の弟でありながら、南風洋子さん演じる先代の妻に言い寄る。
この先代の妻と、先代が生きている頃から通じていたと噂のある、ここの家からすると元・家老に当たる家柄の男は、伊藤雄之助さん。
伊藤さんと菅さんの争いも濃い。

八千代とは血の繋がりはないと思い込み、妹と岸田森さんとの間を裂こうとするのは清水紘治さん。
岸田さんと清水さんの間にも、当然争いがある。
いや、彼ら全員、南風さんと范さんを巡って、仲が悪い。
そこに殺人が起きるんですから、そりゃもう大変。

他には村井国夫さん、谷隼人さんも出演。
しかし、この人たちの中にいると、どうです。
2人は、すごく常識人、すごく普通の人に見えるんです。
俳優さんたちが思いっきり、背徳の世界を、存分に表現してくれてます。


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2012.06.12 / Top↑
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