ある動画サイトをあちこち、さまよっていたら、何と、82年に放送されたドラマの映像に遭遇。
翌日、学校でこの少女を真似たりしたぐらいなので、見た人にはかなりのインパクトがあった。
内容はそれほど覚えているわけじゃないんですが、今でもドラマ自体は覚えているほど、印象的だった。
秋吉久美子さんが主演。

主人公の女性は恋人を死に至らしめた罪を背負っているんですが、心神喪失のため、服役することはなかった。
しかし、その代わり、病院に入院していた。
だが彼女は仮退院することになり、恋人の親戚…だったと思うんですが、自信がない、が彼女を引き取る。
主人公が連れて行かれたのは人里離れた別荘地で、そこには恋人の親戚の少女、8歳のアリスがいた。

アリスは義兄の青年を慕っていた。
そんなある日、青年の近くの女性が、納屋で焼死する。
主人公はやがて、青年に近づく女性たちが次々、事故で非業の死を遂げていることに気づく。
そして、その近くにはいつもアリスの影がちらついていた。


…というお話で、むか~し、読んだマンガ「聖ロザリンド」を思わせる話でした。
「聖ロザリンド」は天使のような少女・ロザリンドが、次々と殺人を犯していくホラー。
ロザリンドとしては、悪気はないんです。

ひどいママが目覚めないようにしてあげると言って、ママの顔にバターを塗ってねずみに食べさせて殺す。
家族が冷たいから死にたいと言ったおばあちゃんの車椅子を、沼に向かって突き飛ばし、「これで天国に行けるのね。よかった」と微笑む。
収容されていた修道院の井戸に、「神様に会える薬」を投げ込んで、シスターを全滅させる。

最期は父親がママに会う為に旅をしていたロザリンドに会うことができる。
父親はロザリンドを雪山に連れて行き、まっすぐに行けばママに会えると言う。
ロザリンドは進んでいく。
そして、ママの幻を見て、この罪深い無垢な少女は天国に召されていく…という話でした。


しかし、ドラマの方のアリスは、はっきり悪意と殺意を持っている。
納屋に閉じ込めた女性が振り向いた窓にアリスがのぞいていて、「しんじゃえ~」と笑いながら花火を持っている。
アリスは必ず、微笑みながら「しんじゃえ~」と言って犯行に及ぶんですね。
この「しんじゃえ~」を、翌日の学校で、みんな、真似した。

アリスの犯行に気づいた主人公に、アリスの母はついに、アリスの異常性を明るみにする決意を語る。
だが、アリスは罠をしかけていた。
屋敷に着いて最初から、丸いガラスの大きな壷が目に付いていたんですが、アリスはこれを実にうまく、母親に向かって落とす。
すると、母親の首から上がすっぽり、この壷にはまってしまうんです。

すごい、壷に当たるとかならわかりますが、勢いよく落ちてきた壷に頭が入っちゃうんですよ!
笑っちゃうところですが、最初から目に付いていたガラスの丸い大きな壷がこんな伏線になっていたなんて。
ガラス越しに絶叫する母親の顔は、まさしくホラー!

苦しみながら母親は家の中をさまよい、表に出て海岸で倒れる。
ガラスが割れ、顔に刺さっている~!
主人公はアリスが仕掛けたロープの罠に足を取られ、宙吊りになっている。
反対側には重量がある壷が結ばれているため、下りることができない。

主人公の顔の近くにアリスが来て笑う。
だが、主人公は何とかロープを外し、海岸まで逃げる。
アリスがナイフを手に追って来る。
主人公は側にあった、鎌を手にアリスと対峙する。

そこへ電話が通じないことを不安に思った青年の車がやってくる。
青年が降りてきたのを見たアリスは、とっさに頭を抱えて身を小さくして座り込む。
アリスの向かい側には、鎌を構えた主人公…。

主人公は目を覚ますと、青年がいて、もう大丈夫だと言う。
安堵した主人公から青年が離れると、白衣を着た医師がやってくる。
重い扉が閉められ、主人公は絶叫する。
ここは、元の病院だ…。

アリスの正体に気づいた男が、アリスが犯行を話したのをテープに録音していた。
男はアリスに殺されてしまったが、テープは破損されながらも残っていた。
音楽スタジオに勤務する女性は、テープの再現を頼まれていた。

青年がスタジオから出て行った後、女性は一部の再現に成功する。
しかしテープからは、意味のあまりない会話の断片しか聞こえてこなかった。
「なぁんだ、これだけか」。

病室から戻った青年を、アリスが迎える。
アリスはとても楽しそうに、青年と手を繋ぎ、車に乗って屋敷へ帰って行く。
おもしろい遊びをしようと、アリスははしゃぐ。
もう2人きり、誰もアリスの邪魔をする人間はいない。

主人公は、病室で思う。
結局、自分の言うことは誰も信じてくれなかった。
8歳の女の子が、次々と人を殺すなんて、誰が信じてくれるというのだ。

でも、ここが自分には、ふさわしい場所なのかもしれない。
なぜなら自分は、恋人を自分だけのものにしたくて、殺してしまったのだ。
間違った愛が、深すぎたのだ。

そんな自分は、アリスと同じだ。
アリス、「可愛い悪魔」。
私があの子を、責められるだろうか、と。


これ、確か、放送された後、新聞の読者の投稿欄に「主人公が陥れられたままで終わって、納得が行かない」という投書が載りました。
なるほど、と思いました。
私はこれは主人公の恐怖を一緒になって味わうものだと思って見ていたのですが、納得が行かない人もいるんだなあと思いました。
いや、むしろ、納得が行かないのは、真っ当な感覚なのかもしれないと。

すると、製作者側から、「病歴のある主人公が、誰にも信じてもらえない恐怖を描いたものと思っていただければ」という返事が載りました。
こちらも、なるほど、と思いました。
確かに怖かった。

私は見事に、作った人たちが思うとおりの視聴者だったわけです。
後で知ったのですが、大林宣彦監督の作品だったんですね!
道理で、どこか「HOUSE」みたいな雰囲気があったと思いました。
いや~、再放送も見た覚えがないけど、動画サイトで遭遇するとは驚きました。


そういえば1996年の「三毛猫ホームズの推理」も、大林監督でした。
土曜日の連続ドラマ「三毛猫ホームズの推理」も、来週で最終回。
三毛猫の出番が短くても、目が離せないぐらい、あの猫はかわいい~。
でも今週は見ていて盛り上がりました。


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2012.06.17 / Top↑
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