まるで遠藤さんの追悼のような今日の「必殺仕置屋稼業」。
第13話「一筆啓上過去が見えた」。
遠藤さんは、梅屋伝兵衛役です。


「この客、商売に差し支えあり、断るべし」と人相書きが回ってしまい、どこの女郎にも逃げられてしまう印玄。
梅屋伝兵衛が楼主の「梅乃屋」では、折檻を受けた女郎が死んでしまった。
「嫌なものを見た」とばかりに、見ていた印玄の顔が歪む。

「せめてお通夜を」と言う女郎たちに、「お通夜なんてのは、人並みの人間のすることだ」と憎々しげに言う伝兵衛。
「着物はまだ使える」と言って、死んだ女郎の着物をはぎ取る。
女郎は天秤棒に手足をくくりつけられて、ムシロを着せられて投げ込み寺に投げ込まれる。
「人間じゃないよ」「どんなことがあっても、ここじゃ死ねないよ」と仲間の女郎たちが、すすり泣く。

運ばれていく女郎に、印玄がお経を読んでやる。
印玄を見た伝兵衛が、とても嫌な顔をする。
対して印玄は「けっ」という顔をして、「せめてお経ぐらいあげてやるよ」と言う。
その様子を見ていた、女郎のおよねの顔色が変わり、およねは伝兵衛の反対を押し切って、印玄を引き込む。

おこうが梅乃屋に髪を結いに行き、およねから頼まれた依頼を主水に持ってくる。
5年前、目の前で父親と父親と一緒にいた女性を殺した印玄という坊主を殺してほしい。
依頼を聞いて、主水は仰天する。
主水は捨三に印玄を見張るように命じ、市松はおよねの方を調べる。

その夜、市松は逃げた女郎を捜す男たちに出くわす。
隠れていた女が市松に、梅乃屋のおふくへ「用心するように」という伝言を頼む。
それによると伝兵衛と雇い人の清吉は、女たちの年季が明けそうになると、別の岡場所に売り飛ばしているらしい。

市松は梅乃屋に伝言を伝えに行くと、おふくは確かにあと半年で年季が明ける。
だが、おふくは既に胸を病んでいた。
仲間の女郎たちは、市松におふくの病を黙っていてくれるよう懇願する。
およねが、自分がおふくの代わりになることを市松に申し出るが、市松は、今夜はおふくを買い取ったから一晩ゆっくり寝かせてやれと言って出て行く。

だが市松が帰った後、伝兵衛はおふくをまた店に出してしまう。
「それでは殺気のお客さんに申し訳がたたない」と言うおふくに、「客よりも自分に義理立てすることが大事なんだよ」と言う。
市松の好意は、無になってしまった。

やがて印玄は捨三に尾行されているのに気づき、主水たちを問い詰める。
主水は印玄が仕置にかけられた事を話すと、印玄は「この話は俺のガキの自分からの話がひっかかってくる」と過去を語り始めた。
それによると印玄の母親は5歳の印玄と、身体の不自由で働けない父親を捨て、旅の行商人と一緒に逃げてしまった。
絶望した父親は印玄を抱いて崖から身を投げたが、印玄は1人、生き残った。

自分を捨てた母親だが会いたくて旅に出た印玄は、途中、この格好なら食いはぐれはなかったと、坊主の姿になる。
そして、14年目。
印玄はやっと母親に会えた。
母親に会えた喜びでいっぱいの印玄だったが、母親は父親が崖から身投げし、印玄が生き残ったことも知っていた。

「知っていて、それで…」。
絶句する印玄に母親はにじりより、女を知っているのかと迫った。
印玄に拒絶された母親は、やってきた男に印玄の乱暴を訴え、今度はその男といちゃつき始める。
一度は部屋を出た印玄だが、嬌声を上げる母親の声に耐え切れなくなり、部屋に戻ると母親と男の首根っこをつかみ、外へ放り投げた。

父親が落ちてきたのを見て、絶叫した娘がおよねだった。
印玄は梅乃屋に向かい、およねに、全てを話した。
殺せと言われたおよねだが、印玄に斬りかかるも殺せなかった。
そしてろくでもない父親だったが、それでも自分にはたった一人の父親だったのだと号泣する。

やがておふくが伝兵衛に病を知られ、清吉に折檻される。
およねはおふくの分まで自分たちが稼ぐ、だがおふくを別の場所に売り飛ばすなら自分たちは働かないと言う。
すると、伝兵衛は意外にもおふくを残すことを承知した。

「お前たちはわしの娘も同然だ」。
白々しい言葉だったが、およねたちは納得して店に出る。
すると伝兵衛は、清吉におふくを連れ出すように命じた。
病を隠して、売り飛ばせ。

おふくが連れ出されたことを知り、およねは追いかけてくる。
清吉と争ったおよねは、刺されてしまう。
運び込まれたおよねを、医者に見せてくれと頼む女郎たちに伝兵衛は、「医者に見せたからって治るわけじゃないだろう!」と拒否。
逆らうとみんな、奴女郎に叩き売るぞ!と怒鳴る。

およねはみんなに店に出るように言い、最後の力を振り絞ると、おこうに印玄の仕置の依頼の取り下げと伝兵衛と清吉の仕置を頼む手紙を書いて死ぬ。
事情を知って主水から印玄の仕置きを拒否されたおこうが梅乃屋へ行くと、女郎たちがおよねが死んだと泣いていた。
手紙を受け取ったおこうの目の前で伝兵衛は平然とおよねの着物を剥ぎ取り、むしろに包んで運び出させる。

それを見た印玄は、「その仏、俺が買った!」と托鉢で得た金を全部放り出した。
伝兵衛は「こりゃ御奇特なことで!なんまんだぶ、なんまんだぶ」と這いつくばって、喜んで金を拾う。
印玄は、およねを丁寧に葬ってやる。

仕置屋全員が印玄の仕置きの取り消しにホッとして、花火の夜に伝兵衛と清吉の仕置が始まる。
花火を見る大勢の人の中、市松が清吉に近づく。
大きな花火が上がり、人々が歓声を上げた瞬間、市松は鮮やかに清吉の首筋に竹串を刺し、去っていく。

屋根に上がった見物人を主水が注意し、捨三が降ろしてくれる。
誰もいなくなった後、花火を見ている伝兵衛を屋根の上から印玄が捕えて引きずり込む。
「行け!」の声で、伝兵衛が屋根かわらの上を走り出す。
「止めて、助けて、止めて、助けて、止めて、助けて、止めて、助けて」。

あれだけの悪事を憎々しく行ってきた伝兵衛の、笑ってしまう声と表情。
伝兵衛はまっさかさまに落下。
人が屋根から落ちたと言う声に、主水は「だから言わねえこっちゃねえ。高えところに上がるのはバカだけでいいんだ」と言って花火を見上げる。

 
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2012.07.11 / Top↑
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