こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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「ファック・ユー!」と言う為のお金 「ファック・ユー・マネー」

昔、会社でみんなでお金を出し合って宝くじを買ってました。
当選番号発表までの話題、「1億当たったらどうする?」はどこかで聞いたように「世界一どうでもいい話」だけど、楽しい夢のひと時でもありました。
宝くじは1億当たったら、1人頭500万ぐらいになりました。

「ご、ごひゃくまん!あたし、会社辞める!」
課長「バカッ!」
「5百万で会社辞めてどーする!」

そんな会話がありました。
当たり前だ。
「じゃあ、課長は1億、単独で当たったら辞めるんですか?」

「辞めない。でも、嫌な転勤は断る!」
それを聞いた別の人、「気持ち良いだろうな~、『それは辞退します!』って言うの」。
「だってもう、出世やたくさん稼ぐことなんか考えないで、好きな仕事だけしてればいいんだもん」。


作家であり、インベストメント・バンカーでもあった黒木亮さんの著書「巨大投資銀行」。
世界の金融の最前線で動く主人公たち。
登場する企業や有名人の名は変えてありますが、「ああ、これは…」と思うものが出てきます。

インベストメント銀行は、とにかく実力主義。
そこで実力を発揮すれば、収入は数千万円まで行く。
上限はないと言って良い。

当然、プレッシャーも相当なもの。
そして同僚だろうが、同業者だろうが、弱った相手は骨まで食らう。
ましてや、バブル崩壊後の日本に対してなんか、「ハゲタカ」で当然だったわけです。

肉食人種の作った会社と、その仕組みだな~あと思いました。
農耕民族で、島国だから狭いから、なるべく角を立てずに生きていくのが生活の知恵…という国とは全然性格が違うと思いました。
ただ小説は、「ハゲタカ」のようにどんでん返しがあるわけじゃない。
現実はこうなんだろうなという感じで淡々と進み、終わります。

現実のインベストメント・バンカーは、一生暮らせるだけのお金を稼ぐのを目標にしているとのこと。
おもしろいのはそのお金のことを「ファック・ユー・マネー」ということ。
つまり「ファック・ユー・マネー」は上司に「ファック・ユー!」と啖呵を切って、辞めるためのお金なんだそうです。
ちょっと悪い言葉で申し訳ない。

日本の会社とは性格は違うけど、この「啖呵を切って、辞めるためのお金」っていうのは、どこでも共通の夢じゃないでしょうか。
それでこの「ファック・ユー・マネー」は、インベストメント銀行の一般的な考えでは3~5億円だっていうんですね。
すごい。


著者の黒木亮さんもここまでとは言わないが、「ファック・ユー・マネー」を貯めて辞めて、小説家になった。
「ファック・ユー・マネー」のおかげで小説家になっても、意味がないと思われる仕事をしないで済んだそうです。
小説の主人公たちも結局、これを稼いでインベストメント銀行を辞めていく。

主人公の1人は「りずむ」銀行のトップとなる。
「りずむ」銀行。
聞いただけでもわかるかもしれませんが、読んだ人にはすぐに「り」で始まる、あの銀行がモデルだとわかります。


住みたいところに住める。
行きたいところに行ける。
したい仕事をできる。

自分のやりたいことをやれるということが、自立していると言うこと。
力を持っていると言うこと。
できなければ、それが住みたい場所じゃなくても、親や保護者や、とにかく相手についていくしかない。
やりたい仕事じゃなかろうがなんだろうが、やるしかない。

この話はそんな、しごく当然で切ない掟を見るようでもありました。
しかし、私たちの「ファック・ユー・マネー」は5百万だったのだろうか。
「ファック・ユー・マネー」は、トホホなスケールの私が読んでおもしろい、壮大なスケールのお話でした。


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